説明

スルホンアニリド類の除草剤としての利用

【課題】除草剤の有効成分として優れた活性を示すスルホンアニリド類を提供する。
【解決手段】下式(I)(R、R、Rは水素、フッ素原子、塩素原子等を示し、Rは水素、アルキニル等を示し、Rは水素を示し、Rはヒドロキシ等を示し、R及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、XはCH又はNを示す)で表されるスルホンアニリド類を有効成分として含有することを特徴とする除草剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホンアニリド類の除草剤としての利用、新規なスルホンアニリド類、その製造方法及びその中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のスルホンアニリド類が除草剤としての作用を示すことは既に知られており(例えば、特許文献1〜5)、また、ある種のスルホンアニリド類が殺菌剤としての作用を示すことも既に知られている(例えば、特許文献6)。
【特許文献1】PCT国際公開WO93/9099パンフレット
【特許文献2】PCT国際公開WO96/41799パンフレット
【特許文献3】特開平11−60562号公報
【特許文献4】特開2000−44546号公報
【特許文献5】特開平2006−56870号公報
【特許文献6】特開平2006−56871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
除草剤の開発にあたり、近年、重要な課題のひとつとして、従来の除草剤に対して抵抗性を獲得した草種、例えば、SU抵抗性雑草(スルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草)の防除の問題が挙げられており、これら抵抗性雑草等の難防除雑草を含む広範な雑草種を防除でき、かつ優れた作物−雑草間選択性を有する除草剤有効成分の開発が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、スルホンアニリド類について、各種化合物の除草活性につき鋭意研究を行なった結果、今回、一部本願出願日前公知である化合物を包含する下記式(I)で表されるスルホンアニリド類が優れた除草活性を示し、また、作物に対する安全性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
かくして、本発明は、式(I):
【化7】

式中、
は水素、フッ素原子、塩素原子、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル−C1−4アルキルオキシ又はC1−4ハロアルコキシを示し、
は水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
は水素又はフッ素原子を示し、
は水素、場合によりC1−4アルコキシ置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6アルケニル又はC3−6アルキニルを示し、
は水素を示し、
はヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、
及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
XはCH又はNを示す、
但し、
(i)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、
(ii)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つR及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合、
(iii)RがC1−4アルキルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合、及び
(iv)RがC1−4アルキルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、R及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し且つXがCHを示す場合を除く、
で表されるスルホンアニリド類を有効成分として含有することを特徴とする除草剤を提供するものである。
【0006】
上記式(I)のスルホンアニリド類は、特許文献6に記載される既知の化合物を包含する。
【0007】
本発明の前記式(I)に包含される下記式(IA)、(IB)及び(IC)で表されるスルホンアニリド類は、公知の刊行物に未記載の新規な化合物である。
【0008】
【化8】

式中、
1Aがメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
2Aが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
3Aが水素又はフッ素原子を示し、
4Aが水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
5Aが水素を示し、
6Aがヒドロキシを示し、
5A及びR6Aが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
がCH又はNを示す、
但し、
(i)R1Aがメチル又はエチルを示し、R2Aが水素を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5Aが水素を示し、R6Aがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合、及び
(ii)R1Aがメチル又はエチルを示し、R2Aが水素を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5A及びR6Aは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し且つXがCHを示す場合、及び
(iii)R1Aがメトキシ又はジフルオロメトキシを示し、R2Aが水素を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5Aが水素を示し、R6Aがヒドロキシを示すか、もしくはR5A及びR6Aが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し、且つXがCHを示す場合、及び
(iv)R1Aがメチルを示し、R2Aがフッ素原子を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5Aが水素を示し、R6Aがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合を除く、
で表されるスルホンアニリド類。
【0009】
【化9】

式中、
1Bがフッ素原子又は塩素原子を示し、
2Bが水素を示し、
3Bが水素を示し、
4Bがエチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
5Bが水素を示し、
6Bがヒドロキシを示し、
5B及びR6Bが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
がNを示す、
で表されるスルホンアニリド類。
【0010】
【化10】

式中、
1Cがフッ素原子を示し、
2Cがフッ素原子を示し、
3Cが水素を示し、
4Cが水素を示し、
5Cが水素を示し、
6Cがヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、そして
がCH又はNを示す、
但し
がNを示す場合、R6Cはヒドロキシを示し、そして
がCHを示す場合、R6Cはフッ素原子又は塩素原子を示す、
で表されるスルホンアニリド類。
【0011】
前記式(IA)で表される化合物は、例えば、下記の製法(a)〜(d)のいずれかによって合成することができる:
製法(a): R4Aが水素を示し、そしてR5A及びR6Aが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合の式(IA)の化合物の製造:
式:
【化11】

式中、
1A、R2A、R3A及びXは前記と同義である、
で表される化合物を過酸化水素及び酢酸中で反応させる方法。
【0012】
製法(b): R4Aが水素を示し、そしてR5A及びR6Aが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合の式(IA)の化合物の製造:
式:
【化12】

式中、
1A、R2A、R3A及びXは前記と同義である、
で表される化合物を酸化剤と反応させる方法。
【0013】
製法(c): R4Aが水素を示し、R5Aが水素を示し、そしてR6Aがヒドロキシを示す場合の式(IA)の化合物の製造:
式:
【化13】

式中、
1A、R2A、R3A及びXは前記と同義である、
で表される化合物をアルカリ金属水素錯化合物又はボラン錯体と反応させる方法。
【0014】
製法(d): R4Aがメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示す場合の式(IA)の化合物の製造:
式:
【化14】

式中、
1A、R2A、R3A、R5A、R6A及びXは前記と同義である、
で表される化合物を

4Ad−L (IV)
式中、R4Adはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、Lはハロゲンを示す、
で表される化合物と反応させる方法。
【0015】
前記式(IB)で表される化合物は、例えば、下記の製法(e)によって合成することができる:
製法(e)
式:
【化15】

式中、
1B、R2B、R3B、R5B、R6B及びXは前記と同義である、
で表される化合物を

4Be−L (VI)
式中、R4Beはエチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、Lはハロゲンを示す、
で表される化合物と反応させる方法。
【0016】
前記式(IC)で表される化合物は、例えば、下記の製法(f)又は(g)のいずれかによって合成することができる:
製法(f): R4Cが水素を示し、R5Cが水素を示し、そしてR6Cがヒドロキシを示し、XがNを示す場合の式(IC)の化合物の製造:
式:
【化16】

式中、
1C、R2C及びR3Cは前記と同義である、
で表される化合物をアルカリ金属水素錯化合物又はボラン錯体と反応させる方法。
【0017】
製法(g): R4Cが水素を示し、R5Cが水素を示し、R6Cがフッ素原子又は塩素原子を示し、そしてXがCHを示す場合の式(IC)の化合物の製造:
式:
【化17】

式中、
1C、R2C及びR3Cは前記と同義である、
で表される化合物をハロゲン化剤と反応させる方法。
【0018】
新規な式(IA)、(IB)及び(IC)の化合物を包含してなる式(I)で表される化合物は強力な除草活性を示す。
【0019】
本発明による式(I)のスルホンアニリド類は、前記特許文献1及び2に記載の一般式に概念上包含されるが、前記式(I)で特定される本発明の化合物は、特許文献1及び2に具体的に開示されていない化合物である。また、先願の特許文献6の一般式に概念上包含され、且つ一部記載されている化合物である。そして、前記式(I)で表される本発明の化合物は、意外にも、特許文献1及び2に具体的に記載されている構造類似の既知の化合物に比して、実質的に極めて卓越した除草作用を現すと共に、スルホニルウレア抵抗性雑草に対して優れた除草効果を示す。
【0020】
本明細書において、
「C1−4アルキル」は直鎖状又は分岐状であることができ、例えば、メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチル等が挙げられる。
「C3−6アルケニル」は直鎖状又は分岐状であることができ、例えば、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル等が挙げられる。
「C3−6アルキニル」は直鎖状又は分岐状であることができ、例えば、プロパルギル、2−ブチニル、3−ブチニル等が挙げられる。
「C1−4アルコキシ」は、直鎖状又は分岐鎖状であることができ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブトキシ等が挙げられる。
「C3−6シクロアルキル−C1−4アルキルオキシ」は、具体的には、例えば、シクロプロピルメチルオキシ等が挙げられる。
「C1−4ハロアルコキシ」は、ハロゲン、好ましくはフルオル、クロル又はブロムで置換されたアルコキシであり、例えば、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、3−クロロプロポキシ等が挙げられる。
「場合によりC1−4アルコキシ置換されていてもよいC1−4アルキル」における「C1−4アルコキシ置換されたC1−4アルキル」は、アルコキシ部分が前記「アルコキシ」及びアルキル部分が前記「アルキル」と同義であることができ「C1−4アルコキシ置換されたC1−4アルキル」としては、具体的には、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル等が挙げられる。
【0021】
本発明の好適な群の化合物としては、前記式(I)において、
が水素、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
が水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
が水素又はフッ素原子を示し、
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
が水素を示し、
がヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、
及びRが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
XがCH又はNを示す、
但し、
(i)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、
(ii)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つR及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合、
(iii)Rがメチル又はエチルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合、及び
(iv)Rがメチル又はエチルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、R及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し且つXがCHを示す場合を除く、
化合物が挙げられる。
【0022】
本発明のより好適な群の化合物としては、前記式(I)において、
がフッ素原子、塩素原子、メチル、エチル又はメトキシを示し、
が水素又はフッ素原子を示し、
が水素を示し、
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
が水素を示し、
がヒドロキシを示し、
及びRが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
XがNを示す、
但し、
(i)Rがフッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、
(ii)Rがフッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つR及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合を除く、
化合物が挙げられる。
【0023】
上記群の化合物は、例えば、直播水稲用除草剤及び/又は移植水稲用除草剤として優れた効果を示す。
【0024】
同様に、本発明のより好適な群の化合物としては、前記式(I)において、
が水素、フッ素原子、塩素原子、メチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
が水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
が水素又はフッ素原子を示し、
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
が水素を示し、
がヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、そして
XがCHを示す、
但し、
(i)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、及び
(ii)Rがメチルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合を除く、
化合物が挙げられる。
【0025】
上記群の化合物は、例えば、直播水稲用除草剤、移植水稲用除草剤及び/又は禾本科畑作用除草剤(例えば、麦類用)として優れた効果を示す。
【0026】
前記製法(a)は、原料として、例えば、3−フルオロ−2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルチオ)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドと、過酸化水素水と、酢酸とを用いる場合、下記反応式で表すことができる。
【0027】
【化18】

【0028】
前記製法(b)は、原料として、例えば、2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドと、酸化剤として、例えば、酸化クロム(VI)を用いる場合、下記反応式で表すことができる。
【0029】
【化19】

【0030】
前記製法(c)は、原料として、例えば、2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドと、還元剤として、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合、下記反応式で表すことができる。
【0031】
【化20】

【0032】
前記製法(d)は、原料として、例えば、2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドと、ヨウ化メチルと、酸結合剤として、例えば、炭酸カリウムを用いる場合、下記反応式で表すことができる。
【0033】
【化21】

【0034】
前記製法(e)は、原料として、例えば、2−フルオロ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフロロメタンスルホンアニリドと、アリルブロマイドと、酸結合剤として、例えば、炭酸カリウムを用いる場合、下記反応式で表すことができる。
【0035】
【化22】

【0036】
前記製法(f)は、原料として、例えば、2,3−ジフルオロ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドと、還元剤として、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合、下記反応式で表すことができる。
【0037】
【化23】

【0038】
前記製法(g)は、原料として、例えば、2,3−ジフルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドとハロゲン化剤として、ジエチルアミン硫黄 トリフルオリドを用いる場合、下記反応式で表すことができる。
【0039】
【化24】

【0040】
前記製法(a)で原料として用いられる式(II)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、前記特許文献5又は前記特許文献6のいずれかに記載の方法に従って、式
【0041】
【化25】

式中、
1A、R2A、R3A及びXは前記と同義である、
で表される化合物を、ジフルオロメタンスルホニル クロライドと反応させることによって、製造することができる。
【0042】
上記式(VIII)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、
例えば、PCT国際公開WO96/41799パンフレット等に記載されている方法に準じて、式:
【0043】
【化26】

式中、
1A、R2A及びR3Aは前記と同義である、
で表される化合物を、2−メチルチオメチル−4,6−ジメトキシピリミジン又は2−メチルチオメチル−4,6−ジメトキシトリアジンと、次亜塩素酸tert−ブチルの存在下に反応させることにより容易に製造することができる。
【0044】
上記のジフルオロメタンスルホニル クロライド、式(IX)の化合物、2−メチルチオメチル−4,6−ジメトキシピリミジン及び2−メチルチオメチル−4,6−ジメトキシトリアジンは既知の化合物である。
【0045】
前記式(II)の化合物の代表例としては、
2−メトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
3−フルオロ−2−メチル−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
3−フルオロ−2−メトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−ジフルオロメトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド
等を例示することができる。
【0046】
前記式(VIII)の化合物の代表例としては、
2−メトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]アニリン、
3−フルオロ−2−メチル−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル] アニリン、
3−フルオロ−2−メトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル] アニリン、
2−ジフルオロメトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル] アニリン
等を例示することができる。
【0047】
前記製法(b)で原料として用いられる式(III)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、前記特許文献5又は前記特許文献6のいずれかに記載の方法に従って、式:
【0048】
【化27】

式中、
1A、R2A、R3A及びXは前記と同義である、
で表される化合物を、ジフルオロメタンスルホニル クロライドと反応させることによって、製造することができる。
【0049】
上記式(X)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、
前記特許文献2、前記特許文献6等に記載されている方法に準じて、前記式(VIII)の化合物を、還元することによって、製造することができる。
【0050】
前記式(III)の化合物の代表例としては、
2−メチル−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−エチル−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メチル−3−フルオロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド
等を例示することができる。
【0051】
前記式(X)の化合物の代表例としては、
2−メチル−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]アニリン、
2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル] アニリン、
2−エチル−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル] アニリン、
2−メチル−3−フルオロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル] アニリン
等を例示することができる。
【0052】
前記式(VIII)の化合物と反応せしめる還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウムと塩化ニッケル(II)との組み合わせや、ラネーニッケル等を挙げることができる。
【0053】
前記製法(b)において用いられる酸化剤としては、例えば、酸化クロム(VI)、二酸化マンガン、二酸化セレン等を挙げることができる。
【0054】
前記製法(c)で原料として用いられる式(IAc)の化合物は、前記製法(a)又は(b)により製造することができる本発明式(IA)の一部に相当し、その代表例としては下記のものを例示することができる。
2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
3−フルオロ−2−メチル−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
3−フルオロ−2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メチル−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−エチル−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド等。
【0055】
前記製法(c)において用いられるアルカリ金属水素錯化合物又はボラン錯体としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、ジメチルスルフィドボラン、ピリジン―ボラン等を挙げることができる。
【0056】
前記製法(d)で原料として用いられる式(IAd)の化合物は、前記製法(a)、(b)又は(c)により製造することができる本発明式(IA)の一部に相当し、その代表例としては下記のものを例示することができる。
2−メチル−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メチル−6−[1−(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−メトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド等。
【0057】
前記製法(e)で原料として用いられる式(V)の化合物は、それ自体既知のものであり、例えば、特許文献5に記載の方法に従って、製造することができ、その代表例としては下記のものを例示することができる。
2−フルオロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−クロロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−フルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド、
2−クロロ−6−[1−(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド等。
【0058】
前記製法(d)において上記式(IAd)の化合物と反応せしめられる式(IV)の化合物、及び前記製法(e)において上記式(V)の化合物と反応せしめられる式(VI)の化合物は、それ自体既知のものであり、その代表例としては下記のものを例示することができる。
ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化n−ブチル、クロロメチルメチルエーテル、クロロメチルエチルエーテル、アリルブロマイド、プロパルギルブロマイド等。
【0059】
前記製法(f)で原料として用いられる式(VII)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、前記製法(b)の方法に従って、式:
【0060】
【化28】

式中、
1C、R2C及びR3Cは前記と同義である、
で表される化合物を酸化することによって、製造することができる。
【0061】
前記式(XI)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、前記特許文献5又は前記特許文献6のいずれかに記載の方法に従って、それ自体既知の化合物である、2,3−ジフルオロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]アニリンをジフルオロメタンスルホニル クロライドと反応させることによって、製造することができる。
【0062】
前記式(VII)の化合物の代表例としては、2,3−ジフルオロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド等を例示することができる。
【0063】
前記製法(f)において用いられるアルカリ金属水素錯化合物又はボラン錯体としては、前記製法(c)における例示と同じものを挙げることができる。
【0064】
前記製法(g)において用いられる前記式(ICg)の化合物は、本発明の式(I)の化合物の一部に相当するか、もしくは特許文献5又は6に記載の、それ自体既知の化合物であり、例えば、前記製法(c)に従って、式:
【0065】
【化29】

式中、
1C、R2C及びR3Cは前記と同義である、
で表される化合物を還元することにより、製造することができる。
【0066】
前記式(ICg)の化合物の代表例としては 2,3−ジフルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド等を例示することができる。
【0067】
前記式(XII)の化合物は、それ自体既知の化合物であり、例えば、前記特許文献5又は前記特許文献6のいずれかに記載の方法に従って製造することができる。また、前記式(XII)の化合物は、後記参考例4で例示されるとおり、有機化学の分野で知られている、いわゆる、プンメラー(Pummerer)転位反応の方法に従い、それ自体既知の化合物である、式:
【0068】
【化30】

式中、
1C、R2C及びR3Cは前記と同義である、
で表される化合物を、過酸化水素および酢酸中で反応させることにより、製造することもできる。
【0069】
前記製法(f)において用いられるハロゲン化剤は、それ自体既知であり、例えば、ジエチルアミン硫黄 トリフルオリド、オキシ塩化リン、塩化チオニル等を挙げることができる。
【0070】
なお、後記参考例2で示されるとおり、R4Aがメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示す場合の式(IA)の化合物は、前記式(II)の化合物1モルに対し、約2モル量ないし約5モル量の酸結合剤存在下、約2モル量ないし約5モル量の前記式(IV)の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0071】
出発原料又は中間生成物である式(II)、式(III)、式(VIII)及び式(X)の各化合物はいずれも従来の文献に未記載の新規化合物であり、これらをまとめて一般式で示すと、次の2つの式で表すことができる。
すなわち、式:
【0072】
【化31】

式中、
1Dがメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
2Dが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
3Dが水素又はフッ素原子を示し、
6Dが水素又はメチルチオを示し、そして
7Dが水素又はジフルオロメタンスルホニルを示す、
但し、
(i)R1Dがメトキシ又はジフルオロメトキシを示し、R2Dが水素を示し、R3Dが水素を示し、R6Dが水素又はメチルチオを示し、且つR7Dがジフルオロメタンスルホニルを示す場合、及び
(ii)R1Dがメチルを示し、R2Dが水素又はフッ素原子を示し、R3Dが水素を示し、R6Dが水素を示し、且つR7Dがジフルオロメタンスルホニルを示す場合を除く、
で表わされる化合物、及び
式:
【0073】
【化32】

式中、
1Eがメチル、エチル又はメトキシを示し、
2Eが水素又はフッ素原子を示し、
3Eが水素を示し、
6Eが水素又はメチルチオを示し、そして
7Eが水素又はジフルオロメタンスルホニルを示す、
で表わされる化合物。
【0074】
上記製法(a)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
有機酸類、例えば、酢酸等を挙げることができる。
製法(a)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約15℃〜約120℃、好ましくは、約15℃〜約100℃の範囲内の温度で実施される。
また、該反応は常圧の下で行うことができるが、加圧または減圧下で操作することもできる。
製法(a)を実施するにあたっては、例えば、式(II)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば酢酸中、約1モル量ないし約5モル量の過酸化水素水を、反応させることに目的化合物を得ることができる。
【0075】
上記製法(b)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
水;
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、トルエン、キシレン、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン等;
エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;
ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;
ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;
エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;
酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;
スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;
有機酸類、例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸等;
塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
製法(b)は、酸の存在下で行うことができ、斯かる酸触媒の例としては、鉱酸類、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、亜硫酸水素ナトリウム等;有機酸類、例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を挙げることができる。
製法(b)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約−100〜約150℃、好ましくは、約20〜約120℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
製法(b)を実施するにあたっては、例えば、式(III)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば酢酸中、1モル量乃至10モル量の酸化クロム(VI)を、
反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0076】
上記製法(c)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
水;
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エ−テル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;
エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;
ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等;
アルコ−ル類、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ル等;
エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;
酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;
スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および
塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
【0077】
製法(c)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約−100〜約60℃、好ましくは、約−80〜約40℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0078】
製法(c)を実施するにあたっては、例えば、式(IAc)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばメタノール中、0.25モル量乃至2モル量の水素化ホウ素ナトリウムを反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0079】
製法(c)を実施するに際して、式(III)の化合物から出発し、式(IAc)の化合物を単離精製することなく連続して反応を行ない、式(IA)の化合物を得ることもできる。
【0080】
上記製法(d)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン等;
エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;
ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;
ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;
エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;
酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;
スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および
塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
【0081】
製法(d)は、酸結合剤の存在下で行うことができ、斯かる酸結合剤としては、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、水素化物、水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩等、例えば、
水素化ナトリウム、水素化リチウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;
無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等;
有機塩基としてアルコラート、第3級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン(DBU)等;
有機リチウム化合物、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチルカッパ−リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、n−ブチルリチウム・DABCO、n−ブチルリチウム・DBU、n−ブチルリチウム・TMEDA等を挙げることができる。
【0082】
製法(d)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約−100〜約130℃、好ましくは、約−80〜約130℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0083】
製法(d)を実施するにあたっては、例えば、式(IAd)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばアセトニトリル中、1モル量乃至5モル量の式(IV)の化合物を、炭酸カリウム存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0084】
上記製法(e)の反応は前記製法(d)における製法条件と同様の条件で実施することができる。
【0085】
上記製法(f)の反応は前記製法(c)における製法条件と同様の条件で実施することができる。
【0086】
上記製法(g)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
ハロゲン化剤として、フッ素化剤、例えば、前記のジエチルアミン硫黄 トリフルオリド等を用いる場合、
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン等;
エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等を挙げることができ、そして
ハロゲン化剤として、クロル化剤、例えば、前記のオキシ塩化リン、塩化チオニル等を用いる場合、
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン等;
エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;
酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等を挙げることができる。
【0087】
製法(g)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
ハロゲン化剤として、前記のフッ素化剤を用いる場合、一般には、約−100〜約30℃、好ましくは、約−80〜約30℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
ハロゲン化剤として、前記のクロル化剤を用いる場合、一般には、約−100〜約130℃、好ましくは、約−80〜約130℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0088】
製法(g)を実施するにあたっては、例えば、式(ICg)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばジクロロメタン中、1モル量乃至5モル量のジエチルアミン硫黄 トリフルオリドを、反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0089】
製法(g)を実施するにあたっては、例えば、式(ICg)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばジクロロメタン中、1モル量乃至それ自身溶媒として用いることのできる塩化チオニルを反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0090】
本発明の前記式(I)の活性化合物は、後記生物試験例に示す如く、各種雑草に対して優れた除草活性を示し、除草剤として使用することができる。本明細書において、雑草とは広義に望ましくない場所に生育するすべての植物を意味する。本発明の化合物は、使用濃度に依存して選択性除草剤として作用する。本発明の活性化合物は、例えば、下記の雑草を栽培植物の間で使用することができる。
【0091】
双子葉雑草の属:カラシ(Sinapis)、ナズナ(Capsella)、マメグンバイナズナ(Leipidium)、ヤエムグラキヌタソウ(Galium)、ハコベ(Stellaria)、アカザ・アリタソウ(Chenopodium)、ホウキギ(Kochia)、イラクサ(Urtica)、ハンゴウソウ・ノボロギク・キオン(Senecio)、ヒユ・ハゲイトウ(Amaranthus)、スベリヒユ・マツバボタン(Portulaca)、オナモミ(Xanthium)、アサガオ(Ipomoea)、ミチヤナギ(Polygonum)、ブタクサ(Ambrosia)、ノアザミ・フジアザミ(Cirsium)、ノゲシ(Sonchus)、ナス・ジャガイモ(Solanum)、イヌガラシ(Rorippa)、オドリコソウ(Lamium)、クワガタソウ・イヌノフグリ(Veronica)、チョウセンアサガオ(Datura)、スミレパンジー(Viola)、チシマオドロ(Galeopsis)、ケシ(Papaver)、ヤグルマギク(Centaurea)、ハキダメギク(Galinsoga)、キカシグサ(Rotala)、アゼナ(Lindernia)、アメリカツノクサネム(Sesbania)、シロツメクサ(Trifolium)、イチビ(Abutilon)、ホトケノザ(Lamium)、イヌカミツレ(Matricaria)、ヨモギ(Artemisia)、アメリカツノクサネム(Sesbania)、アルバアサガオ(Pharbitis)等。
【0092】
双子葉栽培植物の属:ワタ(Gossypium)、ダイズ(Glycine)、フダンソウ・サトウダイコン(Beta)、ニンジン(Daucus)、インゲンマメ・アオイマダ(Phaseolus)、エンドウ(Pisum)、ナス・ジャガイモ(Solanum)、アマ(Linum)、サツマイモ・アサガオ(Ipomoea)、ソラマメ・ナンテンハギ(Vicia)、タバコ(Nicotiana)、トマト(Lycopersicon)、ナンキンマメ(Arachis)、アブラナ・ハクサイ・カブラ・キャベツ(Brassica)、アキノノゲシ(Lactuca)、キュウリ・メロン(Cucumis)、カボチャ(Cucurbita)等。
【0093】
単子葉雑草の属:ヒエ(Echinochlona)、エノコロ・アワ(Setaria)、キビ(Panicum)、メヒシバ(Digitaria)、アワガリエ・チモシー(Phleum)、イチゴツナギ・スズメノカタビラ(Poa)、ウシノケグサ・トボシガラ(Festuca)、オヒシバ・シコクビエ(Eleusine)、ドクムギ(Lolium)、キツネガヤ・イヌムギ(Bromus)、カラスムギ・オートムギ(エンバク)(Avena)、カヤツリグサ・パピルス・シチトウイ・ハマスゲ(Cyperus)、モロコシ(Sorghum)、カモジグサ(Agropyron)、コナギ(Monochoria)、テンツキ(Fimbristylis)、オモダカ・クワイ(Sagittaria)、ハリイ・クログワイ(Eleocharis)、ホタルイ・ウキヤグラ・フトイ(Scirpus)、スズメノヒエ(Paspalum)、カモノハシ(Ischaemum)、ヌカボ(Agrostis)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、ギヨウギシバ(Cynodon)、ツユクサ(Commelina)、ニクキビ(Brachiaria)、アゼガヤ(Leptochloa)等。
【0094】
単子葉栽培植物の属:イネ(Oryza)、トウモロコシ・ホップコーン(Zea)、コムギ(Triticum)、オオムギ(Hordeum)、カラスムギ・オートムギ(エンバク)(Avena)、ライムギ(Secale)、モロコシ(Sorghum)、キビ(Panicum)、サトウキビ・ワセオバナ(Saccharum)、パイナップル(Ananas)、アスパラガス(Asparagus)、ネギ・ニラ(Allium)等。
【0095】
本発明の前記式(I)の活性化合物は、水田雑草に対して使用することができる。本発明の活性化合物を用いて防除することができる水田雑草の例としては以下に述べるものが挙げられる。:
【0096】
次の属の双子葉植物:タデ属(Polygonum)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、アゼナ属(Lindernia)、タコウギ属(Bidens)、アブノメ属(Dopatrium)、タカサブロウ属(Eclipta)、ミゾハコベ属(Elatine)、オオアブノメ属(Gratiola)、アゼトウガラシ属(Lindernia)、ミズキンバイ属(Ludwigia)、セリ属(Oenanthe)、キンポウゲ属(Ranunculus)、サワトウガラシ属(Deinostema)など。
【0097】
次の属の単子葉植物:ヒエ属(Echinochloa)、キビ属(Panicum)、スズメノカタビラ属(Poa)、カヤツリグサ属(Cyperus)、ミズアオイ属(Monochoria)、テンツキ属(Fimbristylis)、オモダカ属(Sagittaria)、ハリイ属(Eleocharis)、ホタルイ属(Scirpus)、サジオモダカ属(Alisma)、イボクサ属(Aneilema)、スブタ属(Blyxa)、ホシクサ属(Eriocaulon)、ヒルムシロ属(Potamogeton)、ニクキビ属(Brachiaria)、アゼガヤ属(Leptochloa)、スフェノクレア属(Sphenoclea)など。
【0098】
本発明の前記式(I)の活性化合物は、具体的に、例えば、次の代表的な水田雑草に関して使用することができる。
植物名 ラテン名
双子葉植物
キカシグサ Rotala indica Koehne
アゼナ Lindernia procumbens Philcox
アメリカアゼナ Lindernia dubia L. Penn.
アゼトウガラシ Lindernia angustifolia
チヨウジタデ Ludwigia prostrata Roxburgh
ヒルムシロ Potamogeton distinctus A. Benn
ミゾハコベ Elatine triandra Schk
セリ Oenanthe javanica
単子葉植物
タイヌビエ Echinochloa oryzicola Vasing
マツバイ Eleocharis acicularis L.
クログワイ Eleocharis kuroguwai Ohwi
タマガヤツリ Cyperus difformis L.
ミズガヤツリ Cyperus serotinus Rottboel
ホタルイ Scirpus juncoides Roxburgh
コナギ Monochoria vaginalis Presl
ウリガワ Sagittaria pygmaea Miq
ヘラオモダカ Alisma canaliculatum A. Br.
et Bouche
オモダカ Sagittaria trifolia
ミズアオイ Monochoria korsakowii
ニクキビ Brachiaria plantaginea
アゼガヤ Leptochloa chinensis
【0099】
また、本発明の前記式(I)の活性化合物は、スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗性を示し、例えば、前記例示の雑草に対しても有効に使用することができる。
【0100】
本発明の前記式(I)の活性化合物の使用は、これらの草種の雑草に対する使用に限定されるものではなく、他の草種の雑草に対しても同様に適用することができる。
【0101】
更に、本発明の活性化合物は、多年生植物栽培において、雑草防除のために使用することができ、例えば、植林、観賞用植林、果樹園、ブドウ園、カンキツ果樹園、ナッツ果樹園、バナナ栽培場、コーヒー栽培場、茶栽培場、ゴム栽培場、ギネアアブラヤシ栽培場、ココア栽培場、小果樹園、ホップ栽培地等に適用することができ、また、一年生植物栽培において、選択的雑草防除のために適用することもできる。
【0102】
本発明の活性化合物は、実際に使用するにあたり、通常の製剤形態に製剤化することができる。その製剤形態としては、例えば、液剤、水和剤、エマルジョン、懸濁剤、粉剤、顆粒性水和剤、錠剤、粒剤、懸濁エマルジョン濃厚物、重合体物質中のマイクロカプセル、ジャンボ剤等を挙げることができる。
【0103】
これらの製剤は、それ自体既知の方法で調製することができ、例えば、活性化合物を、展開剤、即ち、液体又は固体の希釈剤又は担体、及び場合によっては界面活性剤、即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤と混合することによって調製することができる。
【0104】
液体の希釈剤又は担体としては、例えば、芳香族炭化水素(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族又はクロル化脂肪族炭化水素(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン等)、脂肪族炭化水素[例えば、シクロヘキサン等、パラフィン類(例えば、鉱油留分等)]、アルコール類(例えば、ブタノール、グリコール等)及びそれらのエーテル、エステル等、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等を挙げることができる。展開剤として水を用いる場合には、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することができる。
【0105】
固体の希釈剤又は担体としては、例えば、粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイド、モンモリロナイト、珪藻土等)、粉砕合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)等を挙げることができる。粒剤のための固体担体としては、粉砕且つ分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機及び有機物粉の合成粒、有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、とうもろこしの穂軸、タバコの茎等)の細粒体等を挙げることができる。
【0106】
乳化剤及び/又は泡沫剤としては、例えば、非イオン及び陰イオン乳化剤[例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩)]、アルブミン加水分解生成物等を挙げることができる。
【0107】
分解剤には、例えば、リグニンサルファイト廃液やメチルセルロース等が包含される。
【0108】
固着剤も製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、該固着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然及び合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート等)を挙げることができる。
【0109】
着色剤を使用することもでき、該着色剤としては、例えば、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー等)、アリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料、更に、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛等の金属の塩のような微量要素を挙げることができる。
【0110】
該製剤は、一般に、式(I)の活性化合物を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の範囲内で含有することができる。
【0111】
本発明の式(I)の活性化合物は、それ自体で又はそれらの製剤形態で、雑草防除のために使用することができる。また、本発明の式(I)の活性化合物は既知の除草剤と組み合わせて使用することもできる。既知の除草剤との混合除草剤組成物は、予め最終的製剤形態に調製されていてもよく、又は使用時にタンクミックスすることによって調製することもできる。混合除草剤組成物として本発明の式(I)の化合物と組合わせて使用しうる除草剤としては、例えば、一般名で表される下記の除草剤を具体例として例示することができる。
【0112】
アセトアミド系除草剤:例えば、プレチラクロール、ブタクロール、テニルクロール、アラクロール等;
アミド系除草剤:例えば、クロメプロップ、エトベンザニド等;
ベンゾフラン系除草剤:例えば、ベンフレセート等;
インダンジオン系除草剤:例えば、インダノファン等;
ピラゾール系除草剤;例えば、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェン等;
オキサジノン系除草剤;例えば、オキサジクロメホン等;
スルホニルウレア系除草剤:例えば、ベンスルフロンメチル、アジムスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、ハロスルフロンメチル、オルソスルファムロン、フルセトスルフロン等;
チオカーバメート系除草剤:例えば、チオベンカルブ、モリネート、ピリブチカルブ等;
トリアゾロピリミジン系除草剤:例えば、ペノキスラム、フルメトスラム、フロラスラム等;
ピラゾールカルボニトリル系除草剤:例えば、ピラクロニル等
トリアジン系除草剤:例えば、ジメタメトリン、シメトリン等;
トリアゾール系除草剤:例えば、カフェンストロール等;
キノリン系除草剤:例えば、キンクロラック等;
イソキサゾール系除草剤:例えば、イソキサフルトール等;
ジチオホスフェート系除草剤:例えば、アニロホス等;
オキシアセトアミド系除草剤:例えば、メフェナセット、フルフェナセット等;
テトラゾリノン系除草剤:例えば、フェントラザミド等;
ジカルボキシイミド系除草剤:例えば、ペントキサゾン等;
オキサジアゾロン系除草剤:例えば、オキサジアルギル、オキサジアゾン等;
トリオン系除草剤:例えば、スルコトリオン、ベンゾビシクロン、メゾトリオン、AVH301等;
フェノキシプロピオネート系除草剤:例えば、シハロホップブチル等;
ベンゾイックアシッド系除草剤:例えば、ピリミノバックメチル、ビスピリバックナトリウム塩、ピリフタリド、ピリミスルファン等;
ジフェニルエーテル系除草剤:例えば、クロメトキシニル、オキシフルオルフェン等;
ピリジンジカルボチオエート系除草剤:例えば、ジチオピル等;
フェノキシ系除草剤:例えば、MCPA、MCPB等;
ウレア系除草剤:例えば、ダイムロン、クミルロン等;
ナフタレンジオン系除草剤:例えば、キノクラミン等;
イソキサゾリジノン系除草剤:例えば、クロマゾン等;
イミダゾリノン系除草剤:例えば、イマゼタピル、イマザモックス等。
【0113】
上記の活性化合物は、“Pesticide Manual”、2000年、British Crop Protect Council発行に記載された既知の除草剤である。
【0114】
また、本発明の式(I)の活性化合物は、薬害軽減剤と混合すると、この混合により、薬害が軽減され、より広い雑草防除のスペクトルが提供され、選択性除草剤としての適用をより広くすることができる。
【0115】
該薬剤軽減剤としては、例えば、一般名又は開発コードで表される次の化合物を挙げることができる。
【0116】
AD−67、BAS−145138、ベノキサコル、クロキントセットメキシル、シオメトリニル、2、4−D、DKA−24、ジクロルミッド、ダイムロン、フェンクロリム、フェンクロラゾールエチル、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェンエチル、メフェンピルジエチル、MG−191、ナフタリックアンハイドライド、オキサベトリニル、PPG−1292、R−29148等。
【0117】
上記の薬害軽減剤もまた、“Pesticide Manual”、2000年、British Crop Protect Council発行に記載されている。
【0118】
更に、本発明の式(I)の化合物と上記除草剤とからなる混合除草剤組成物には、さらに、上記薬害軽減剤を混合することも可能であり、この混合により、薬害が軽減され且つより広い雑草防除のスペクトルが提供され、選択性除草剤としての適用をより広くすることができる。
【0119】
驚くべきことに、本発明の化合物と既知の除草剤及び/又は薬害軽減剤とのいくつかの混合除草剤組成物はまた、相乗効果を現すことができる。
【0120】
本発明の式(i)の活性化合物を使用する場合、そのまま直接使用するか、又は散布用調製液、乳剤、錠剤、懸濁剤、粉剤、ペースト、粒剤のような製剤形態で使用するか、又は更に希釈して調製された使用形態で使用することができる。本発明の活性化合物は、例えば、液剤散布(watering)、噴霧(spraying、atomizing)、散粒等の方法で施用することができる。
【0121】
本発明の式(I)の活性化合物は、植物の発芽前及び発芽後のいずれの段階でも使用することができる。また、それらは播種前に土壌中に取り込ませることもできる。
【0122】
本発明の活性化合物の施用量は実質的範囲内でかえることができ、それは望むべく効果の性質に依存して基本的に異なる。除草剤として使用する場合、施用量としては、例えば、1ヘクタール当たり、活性化合物として約0.0001〜約4kg、好ましくは約0.001〜約1kgの範囲内を例示することができる。
【実施例】
【0123】
次に、本発明の化合物の製造及び用途を下記の実施例によりさらに具体例を示すが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
【0124】
<化合物実施例>
【0125】
合成例1
【0126】
【化33】

2,3−ジフルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル)−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.2 g,0.49mmol)をジクロロエタン(5ml)に溶解し、アルゴン置換した後、0℃に冷却した。その溶液にジエチルアミン硫黄 トリフルオリド(0.16g,0.97mmol)のジクロロエタン(2ml)溶液を滴下し、滴下後室温で3時間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、減圧留去し、得られる油状物をヘキサン:酢酸エチル=2:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製分離し、目的とする2,3−ジフルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−フルオロメチル)−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドを(0.12g、収率60%)を得た。
H−NMR (300MHz, CDCl) δ 4.00(6H,s), 6.02(1H,s), 6.50(1H,d), 6.56(1H,t), 7.13−7.19(1H,m), 7.31−7.36(1H,m), 10.71(1H,br).
【0127】
合成例2
【0128】
【化34】

2,3−ジフルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル)−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.21g、0.51mmol)をジクロロメタン(3ml)に溶解し、塩化チオニル(0.24g、2.03mmol)を室温で加え、4時間撹拌した。反応液を減圧留去し、得られる油状物をヘキサン:酢酸エチル=6:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製分離し、目的とする2,3−ジフルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−クロロメチル)−N−ジフルオロメタンスルホンアニリドを(0.2g、収率91%)を得た。
H−NMR (300MHz, CDCl) δ 4.01(6H,s), 6.02(2H,s), 6.60(1H,t), 7.04−7.33(2H,m), 11.31(1H,br).
【0129】
合成例3
【0130】
【化35】

N−{6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルチオ)メチル]−3−フルオロ−2−メトキシフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド(705mg、1.56mmol)を酢酸(4ml)で希釈し、31%過酸化水素水(205mg)を室温下加え、80℃で3時間撹拌した。その反応溶液を室温に戻し、溶媒を減圧留去した後、水で希釈後、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた油状物を酢酸エチルとヘキサンの1:2混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、目的とするN−{6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−3−フルオロ−2−メトキシフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド(499 mg、収率76%)を得た。
H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 3.98(6H, s), 4.10(3H, s), 6.18(1H, s), 6.70(1H, t), 7.00(1H, m), 7.45(1H, m).
【0131】
合成例4
【0132】
【化36】

2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.72g、1.84mmol)を酢酸(10ml)に懸濁し、酸化クロム(VI)(0.31g、3.05mmol)を加えた。その溶液を80℃に加熱した。6時間撹拌した後、さらに室温にて昼夜撹拌した。その反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた油状物を酢酸エチルとヘキサンの2:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製分離し、目的とする2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.10g、収率13%)を油状物として得た。
H−NMR (300MHz, CDCl) δ 3.95(3H,s), 4.10(6H,s), 6.52(1H,t), 7.22−7.37(3H,m), 8.62(1H,br) .
合成例5
【0133】
【化37】

2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.05g、0.12mmol)をメタノール(10ml)に溶解し、5℃に冷却し、撹拌しながら水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、0.25mmol)を加えた。その後室温にて2時間撹拌した。反応液を水で希釈し、クエン酸で中和した後、酢酸エチルにより3回抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.04g、収率80%)を得た。
NMR (300MHz, CDCl) δ 3.90(3H,s), 4.07(6H,s), 4.61(1H,d), 6.11(1H,d), 6.68(1H,t), 6.92−6.95(1H,m), 7.24−7.29(2H,m), 8.62(1H,br).
【0134】
合成例6
【0135】
【化38】

2−フルオロ‐6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフロロメタンスルホンアニリド(0.33g,0.84mmol)と炭酸カリウム(0.16g,1.18mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4ml)溶液に室温でアリルブロミド(0.095ml,1.09mmol)を撹拌しながら加えた。反応液を6時間撹拌した後、酢酸エチルと水を加え有機層を分取しさらに水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた油状物をヘキサン、酢酸エチル3:2の混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的とする2−フルオロ‐6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−(2−プロペニル)−N−ジフロロメタンスルホンアニリド(0.27g、収率74%)を得た。
H−NMR(300MHz, CDCl3)4.08(6H,s), 4.22(1H), 4.40(1H), 5.09−5.12(2H), 5.80−6.00(1H,m), 6.35(1H,t), 7.34−7.51(3H).
【0136】
参考例1
【0137】
【化39】

2−フルオロ−3−クロロ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.2g、0.47mmol)をメタノール(5ml)に溶解し、0℃に冷却し、撹拌しながら水素化ホウ素ナトリウム(0.04g、0.94mmol)を加えた後、室温にて2時間撹拌した。反応液を減圧留去し、残渣に水をとエーテルを加え、水層を分離した。得られた水層を希釈塩酸で酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、目的の2−フルオロ−3−クロロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−ヒドロキシメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.2 g、収率99%)を得た。
H−NMR (300MHz, CDCl) δ 4.00(6H,s), 4.96(1H,d), 6.02(1H,s), 6.09(1H,d), 6.59(1H,t), 7.32−7.50(2H,m), 10.73(1H,br).
【0138】
参考例2 (別法)
【0139】
【化40】

2−フルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]−N−ジフルオロメタンスルフォンアニリド(1.96g,4.62mmol)のN,N−ジメチルフォルムアミド(20ml)溶液に, 炭酸カリウム(1.95g,13.85mmol)を加え室温で撹拌しながらヨウ化メチル(0.86ml、13.85mmol)を加えた。その後室温にて48時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え有機層を分取し、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水で洗浄、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去した。得られた油状物をヘキサンと酢酸エチルの3:2混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的とする2−フルオロ−6−[4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)カルボニル]−N−メチル−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(1.08g、収率57.5%)を白色結晶(mp 104−107℃)として得た。
H−NMR (300MHz, CDCl) δ 3.26(3H,s), 4.12(6H,s), 6.21(1H,t), 7.39−7.45(1H,m), 7.50−7.57(1H,m), 7.64−7.67(1H,m).
【0140】
上記合成例1〜6及び参考例1〜2と同様にして得られる化合物を、合成例1〜6で合成した化合物及び参考例1〜2の化合物と共に下記第1表に示し、それらの物理化学的性質を第2表に示す。
【0141】
下記第1表において、OPrはn−プロピルオキシを示し、OiPrはイソプロピルオキシを示し、OBuはn−ブチルオキシを示し、OCHcPrはシクロプロピルメチルオキシを示し、OiBuはiso−ブチルオキシを示し、propargylはプロパルギルを示し、2−butynylは2−ブチニルを示し、(E)及び(Z)はE,Z命名法による幾何異性を示す。
【0142】
【表1】













【0143】
【表2】



*1: 化合物番号9は、回転異性体、A対Bが約3.0対1の割合の混合物である。
*2: 化合物番号46は、回転異性体、A対Bが約1.9対1の割合の混合物である。
*3: 化合物番号49は、回転異性体、A対Bが約2.5対1の割合の混合物である。
*4: 化合物番号76は、回転異性体、A対Bが約3.2対1の割合の混合物である。
*5: 化合物番号77は、回転異性体、A対Bが約2.2対1の割合の混合物である。
*6: 化合物番号80は、回転異性体、A対Bが約6.8対1の割合の混合物である。
*7: 化合物番号86は、回転異性体、A対Bが約4.6対1の割合の混合物である。
*8: 化合物番号166は、回転異性体、A対Bが約3.0対1の割合の混合物である。
【0144】
参考例3 原料の製造
【0145】
【化39】

【0146】
2,3−ジフルオロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]アニリン(3.67g,13.0mmol)とピリジン(1.65g,20.8mmol)の塩化メチレン(25ml)の溶液にジフルオロメタンスルホニルクロリド(3.13g,20.8mmol)の塩化メチレン(5ml)溶液を−30C以下で滴下し1時間撹拌した。反応溶液を室温にし2日間撹拌した。反応溶液に水で洗浄し,有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後,減圧濃縮した。得られた残渣をアセトンとヘキサンの1:3混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、目的とする2,3−ジフルオロ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(1.54g、収率 29.9%)で得た。
H−NMR (CDCl3, 300MHz) 4.05(6H,s), 4.18(2H,s), 6.55(1H,t), 7.0−7.18 (2H,m).
【0147】
参考例4 原料の製造
【0148】
【化40】

2,3−ジフルオロ−6−[1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.32g、0.73mmol)を酢酸(4ml)で希釈し、33%過酸化水素水(1.5g)を室温加え、室温で2時間撹拌後、80℃でさらに3時間撹拌した。その反応溶液を室温に戻し、水で希釈後、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた油状物を酢酸エチルとヘキサンの1:2混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、目的とする2,3−ジフルオロ−6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]−N−ジフルオロメタンスルホンアニリド(0.25g、収率84.3%)で得た。
H−NMR (CDCl3, 300MHz) δ 3.98(6H,s), 4.74(2H,s), 6.21(1H,s), 6.51(1H,t), 7.14(1H,m), 7.61(1H,m).
【0149】
合成例7 (中間体)
【0150】
【化41】

2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]アニリン(0.90g、3.26mmol)をジクロロメタン(3ml)に溶解し、ピリジン(0.28g、3.58mmol)を加えた。その溶液を−5oCに冷却し、そこへジフルオロメタンスルホニルクロライド(0.54g、3.58mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加えた。その反応溶液を室温にて2日間撹拌し、水を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、得られた油状物を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、目的とする2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]−N−ジフルオロメタンスルフォンアニリド(0.8g、収率63%)を油状物として得た。
H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 3.89(3H,s), 4.04(6H,s), 4.21(2H,s), 6.68(1H,t), 6.90(1H,dd), 7.00(1H,dd), 7.20(1H,t), 9.86(1H,br).
【0151】
合成例8 (中間体)
【0152】
【化42】

2−メトキシ−6−[1−(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)−1−メチルチオメチル]アニリン(3.20g、9.93mmol)と塩化ニッケル(II)六水和物(4.72g、19.85mmol)をメタノール(30ml)に溶解し、0oCに冷却した。その溶液に水素化ホウ素ナトリウム(1.50g、39.70mmol)をゆっくり加えた。その反応溶液を室温にて2時間撹拌後、メタノールを減圧留去した。得られる固体物をアンモニア水と酢酸エチルに溶解し、沈殿物をろ過した。ろ液の有機層を分取し、さらに水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた油状物を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、目的とする2−メトキシ−6−[(4,6−ジメトキシトリアジン−2−イル)メチル]アニリン(1.00g、収率36%)を得た。
H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 3.84(3H,s), 3.98(2H,s), 4.00(6H,s), 4.71(2H,br), 6.66−6.74(2H,m), 6.88−6.91(1H,m).
【0153】
合成例9 (中間体)
【0154】
【化43】

6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルチオ)メチル]−3−フルオロ−2−メトキシアニリン(1.93g、5.69mmol)をジクロロメタン(10ml)で希釈し、氷冷下、ジフロロメタンスルフォニルクロライド(1.28g、8.53mmol)、続いてピリジン(0.9g、11.4mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。再度氷冷下、ジフロロメタンスルフォニルクロライド(0.43g、2.84mmol)、続いてピリジン(0.45g、5.69mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。飽和塩化アンモニア水溶液で希釈後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた油状物を酢酸エチルとヘキサンの1:5混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、目的とするN−{6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルチオ)メチル]−3−フルオロ−2−メトキシフェニル]−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド(0.75g、収率27%)を得た。
H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 2.06(3H, s), 3.98(6H, s), 4.00(3H, s), 5.25(1H, s), 5.95(1H, s), 6.73(1H, t), 7.00(1H, m), 7.35(1H, m), 10.8(1H, m).
【0155】
合成例10 (中間体)
【0156】
【化44】

3−フルオロ−2−メトキシアニリン(1.28g、9.08mmol)と4,6−ジメトキシ−2−[(メチルチオ)メチル]ピリミジン(2.00g、9.99mmol)をジクロロメタン(50ml)で希釈し、ドライアイス−メタノールバスでマイナス60度に冷却し、t−ブトキシハイポクロライド (1.18g、10.9mmol)を加え、そのまま1時間攪拌した。28%ナトリウムメトキサイドメタノール溶液(3.50g、18.2mmol)を加え、室温まで自然昇温させながら3時間攪拌した。飽和塩化アンモニア水溶液で希釈後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた油状物を酢酸エチルとヘキサンの1:5混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、目的とする6−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルチオ)メチル]−3−フルオロ−2−メトキシアニリン(1.92g、収率62%)を得た。
H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 2.04(3H, s), 3.91(3H, s), 3.92(6H, s), 4.91(2H, br s), 5.08(1H, s), 5.90(1H, s), 6.45(1H, m), 7.17(1H, m).
【0157】
上記合成例7と同様にして得られる化合物を、合成例7で合成した化合物と共に下記第3表に示し、
上記合成例8と同様にして得られる化合物を、合成例8で合成した化合物と共に下記第4表に示し、
上記合成例9と同様にして得られる化合物を、合成例9で合成した化合物と共に下記第5表に示し、
上記合成例10と同様にして得られる化合物を、合成例10で合成した化合物と共に下記第6表に示し、それらの物理化学的性質を第7表に示す。
【0158】
下記第3〜6表において、OPrはn−プロピルオキシを示し、OiPrはイソプロピルオキシを示し、OBuはn−ブチルオキシを示し、OCHcPrはシクロプロピルメチルオキシを示し、OiBuはiso−ブチルオキシを示す。
【0159】
【表3】

【0160】
【表4】

【0161】
【表5】

【0162】
【表6】

【0163】
【表7】


【0164】
<生物試験例>
比較化合物
【0165】
【化45】

(C−1は特許文献2に開示される類似化合物)
【0166】
【化46】

(C−2は特許文献4に開示される類似化合物)
C−3 エトキシスルフロン(一般名)
C−4 ベンスルフロンメチル(一般名)
【0167】
試験例1 スルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草に対する除草効果試験
活性化合物の調合剤の調製
担体:DMF 5重量部
乳化剤:ベンジルオキシポリグリコールエーテル 1重量部
活性化合物の調合剤は、1重量部の活性化合物と、上記分量の担体および乳化剤とを混合することにより、乳剤として得られる。その調合剤の所定薬量を水で希釈する。
【0168】
温室内において、水田土壌を詰めた500cmポットに、スルホニルウレア系除草剤抵抗性が確認されている、イヌホタルイ(北海道産)、アゼナ(埼玉産)の各種子を、各々接種し、約2〜3cmの湛水条件とした。各雑草の発生初めに、前記調製法に従って調製した各活性化合物の調合剤の所定希釈液を水面施用した。処理後、3cmの湛水状態を保ち、処理3週間後に除草効果を調査した。なお、除草効果の評価は、完全枯死を100%とし、0%を除草効果なしとした。除草効果80%以上を示す場合が除草剤として実用性があると評価される。代表例として、化合物番号1、3、4、5、6、7、13、70、127、128および130の化合物における調査結果を下記第8表に示す。
【0169】
【表8】

【0170】
試験例2 移植水稲に対する薬害
温室内において、水田土壌を詰めた500cmポットに、水稲苗(品種:日本晴)を1ポットあたり1株3本で移植し(移植深度2cm)、約2〜3cmの湛水条件とした。水稲移植5日後、上記試験例1と同様にして調製した各活性化合物の調合剤の所定希釈液を水面施用した。処理後、3cmの湛水状態を保ち、処理3週間後に水稲薬害を調査した。なお、水稲薬害の評価は、完全枯死を100%とし、0%を薬害なしとした。薬害20%以下を示す場合が、水稲用除草剤として安全性が優れていると評価される。代表例として、化合物番号3、4、5、6、7、70、115、127、および128の化合物ならびに比較化合物C−2の化合物における調査結果を下記第9表に示す。
【0171】
【表9】

【0172】
試験例3 湛水直播水稲に対する安全性および除草効果
温室内において、水田土壌を詰めた100cmポットに、イネ(品種:バリーラ(Balilla))および雑草(ニクキビ、ショクヨウガヤツリ、コゴメガヤツリ、コヒメビエ、アゼガヤ、マルバアサガオ、アメリカツノクサネム)の種子を表層に播種・覆土した。水を添加して湿潤条件(水位0cm)とした後、一部ポットは播種後速やかに上記試験例1と同様にして調製した各活性化合物の調合剤の所定希釈液を土壌に散布処理し、残りのポットは温室内にて供試植物を1−3葉期まで生育させた後、植物体上方より散布処理した。化合物処理1日後に3cmの湛水条件とした。処理3週間後に各化合物の除草効果ならびに水稲への薬害を調査した。なお、除草効果と水稲薬害の評価は、完全枯死を100%とし、0%を除草効果なし、あるいは薬害なしとした。除草効果80%以上を示す場合が除草剤として実用性があると評価され、薬害20%以下を示す場合が、除草剤として安全性が優れていると評価される。代表例として、化合物番号1、2および9の化合物における調査結果を下記第10表および第11表に示す。
【0173】
【表10】

【0174】
【表11】

【0175】
試験例4 畑雑草に対する除草効果および畑作物に対する薬害試験(発生前土壌散布処理)
温室内において、畑土壌(砂壤土)を詰めた16cmポットに、畑作物(コムギ、ダイズ)および雑草(イヌビエ、エノコログサ)の種子を1ポットに1草種ずつ、表層に播種し、覆土した。播種後速やかに上記試験例1と同様にして調製した各活性化合物の調合剤の所定希釈液を土壌に散布処理した。処理3週間後に各化合物の除草効果ならびに作物への薬害を調査した。なお、除草効果と作物薬害の評価は、上記試験例3と同様にして行なった。代表例として、化合物番号1、24の化合物および比較化合物C−1の化合物における調査結果を下記第12表に示す。
【0176】
【表12】

【0177】
試験例5 畑雑草に対する除草効果および畑作物に対する薬害試験(発生後茎葉散布処理)
温室内において、畑土壌(砂壤土)を詰めた16cmポットに、畑作物(コムギ)および雑草(オオイヌノフグリ、スミレ)の種子を1ポットに1草種ずつ、表層に播種し、覆土した。温室内にて供試植物を2−3葉期まで生育させた後、上記試験例1と同様にして調製した各活性化合物の調合剤の所定希釈液を植物体上方より散布処理した。処理3週間後に各化合物の除草効果ならびに作物への薬害を調査した。なお、除草効果と作物薬害の評価は、上記試験例3と同様にして行なった。代表例として、化合物番号13の化合物および比較化合物C−1の化合物における調査結果を下記第13表に示す。
【0178】
【表13】

【0179】
<製剤例>
製剤例1(粒剤)
本発明化合物番号3(10部)、ベントナイト(モンモリロナイト)(30部)、タルク(滑石)(58部)及びリグニンスルホン酸塩(2部)の混合物に水(25部)を加え、良く捏化し、押し出し式造粒機により10〜40メッシュの粒状とし、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
【0180】
製剤例2(粒剤)
0.2〜2mmに粒度分布を有する粘土鉱物粒(95部)を回転混合機に入れ、回転下、液体希釈剤とともに本発明化合物番号5(5部)を噴霧し均等に湿らせた後、40〜50℃で乾燥し粒剤とする。
【0181】
製剤例3(乳剤)
本発明化合物番号13(30部)、キシレン(55部)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(8部)及びアルキルベンゼンンスルホン酸カルシウム(7部)を混合攪拌して乳剤とする。
【0182】
製剤例4(水和剤)
本発明化合物番号1(15部)、ホワイトカーボン(含水無結晶酸化ケイ素微粉末)と粉末クレーとの混合物(1:5)(80部)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(2部)及びアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン重合物(3部)を粉末混合し、水和剤とする。
【0183】
製剤例5(水和顆粒)
本発明化合物番号1(20部)、リグニンスルホン酸ナトリウム(30部)、ベントナイト(15部)及び焼成ケイソウ土粉末(35部)を十分に混合し、水を加え、0.3mmのスクリーンで押し出し乾燥して、水和顆粒とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

式中、
は水素、フッ素原子、塩素原子、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル−C1−4アルキルオキシ又はC1−4ハロアルコキシを示し、
は水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
は水素又はフッ素原子を示し、
は水素、場合によりC1−4アルコキシ置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6アルケニル又はC3−6アルキニルを示し、
は水素を示し、
はヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、
及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
XはCH又はNを示す、
但し、
(i)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、
(ii)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つR及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合、
(iii)RがC1−4アルキルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合、及び
(iv)RがC1−4アルキルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、R及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し且つXがCHを示す場合を除く、
で表されるスルホンアニリド類を有効成分として含有することを特徴とする除草剤。
【請求項2】
が水素、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
が水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
が水素又はフッ素原子を示し、
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
が水素を示し、
がヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、
及びRが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
XがCH又はNを示す、
但し、
(i)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、
(ii)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つR及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合、
(iii)Rがメチル又はエチルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合、及び
(iv)Rがメチル又はエチルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、R及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し且つXがCHを示す場合を除く、
請求項1記載の除草剤。
【請求項3】
がフッ素原子、塩素原子、メチル、エチル又はメトキシを示し、
が水素又はフッ素原子を示し、
が水素を示し、
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
が水素を示し、
がヒドロキシを示し、
及びRが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
XがNを示す、
但し、
(i)Rがフッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、
(ii)Rがフッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つR及びRは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成する場合を除く、
請求項1記載の除草剤。
【請求項4】
が水素、フッ素原子、塩素原子、メチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
が水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
が水素又はフッ素原子を示し、
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
が水素を示し、
がヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、そして
XがCHを示す、
但し、
(i)Rが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し且つRがヒドロキシを示す場合、及び
(ii)Rがメチルを示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rが水素を示し、Rがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合を除く、
請求項1記載の除草剤。
【請求項5】
式:
【化2】

式中、
1Aがメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
2Aが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
3Aが水素又はフッ素原子を示し、
4Aが水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
5Aが水素を示し、
6Aがヒドロキシを示し、
5A及びR6Aが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
がCH又はNを示す、
但し、
(i)R1Aがメチル又はエチルを示し、R2Aが水素を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5Aが水素を示し、R6Aがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合、及び
(ii)R1Aがメチル又はエチルを示し、R2Aが水素を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5A及びR6Aは一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し且つXがCHを示す場合、及び
(iii)R1Aがメトキシ又はジフルオロメトキシを示し、R2Aが水素を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5Aが水素を示し、R6Aがヒドロキシを示すか、もしくはR5A及びR6Aが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成し、且つXがCHを示す場合、及び
(iv)R1Aがメチルを示し、R2Aがフッ素原子を示し、R3Aが水素を示し、R4Aが水素を示し、R5Aが水素を示し、R6Aがヒドロキシを示し且つXがCHを示す場合を除く、
で表されるスルホンアニリド類。
【請求項6】
式:
【化3】

式中、
1Bがフッ素原子又は塩素原子を示し、
2Bが水素を示し、
3Bが水素を示し、
4Bがエチル、n−プロピル、n−ブチル、メトキシメチル、アリル、2−ブテニル、プロパルギル又は2−ブチニルを示し、
5Bが水素を示し、
6Bがヒドロキシを示し、
5B及びR6Bが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共にC=Oを形成していてもよく、そして
がNを示す、
で表されるスルホンアニリド類。
【請求項7】
式:
【化4】

式中、
1Cがフッ素原子を示し、
2Cがフッ素原子を示し、
3Cが水素を示し、
4Cが水素を示し、
5Cが水素を示し、
6Cがヒドロキシ、フッ素原子又は塩素原子を示し、そして
がCH又はNを示す、
但し
がNを示す場合、R6Cはヒドロキシを示し、そして
がCHを示す場合、R6Cはフッ素原子又は塩素原子を示す、
で表されるスルホンアニリド類。
【請求項8】
式:
【化5】

式中、
1Dがメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、シクロプロピルメチルオキシ又はジフルオロメトキシを示し、
2Dが水素、フッ素原子又は塩素原子を示し、
3Dが水素又はフッ素原子を示し、
6Dが水素又はメチルチオを示し、そして
7Dが水素又はジフルオロメタンスルホニルを示す、
但し、
(i)R1Dがメトキシ又はジフルオロメトキシを示し、R2Dが水素を示し、R3Dが水素を示し、R6Dが水素又はメチルチオを示し、且つR7Dがジフルオロメタンスルホニルを示す場合、及び
(ii)R1Dがメチルを示し、R2Dが水素又はフッ素原子を示し、R3Dが水素を示し、R6Dが水素を示し、且つR7Dがジフルオロメタンスルホニルを示す場合を除く、
で表わされる化合物。
【請求項9】
式:
【化6】

式中、
1Eがメチル、エチル又はメトキシを示し、
2Eが水素又はフッ素原子を示し、
3Eが水素を示し、
6Eが水素又はメチルチオを示し、そして
7Eが水素又はジフルオロメタンスルホニルを示す、
で表わされる化合物。

【公開番号】特開2007−106745(P2007−106745A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184101(P2006−184101)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】