スロットベント開口を有するテストストリップ
テストストリップ(10)が、ベース基板(12)、スペース層(14)とボディカバー(18)および室カバー(20)を備えるカバー層(16)を含む。スペース層(14)は、ベース基板(12)およびカバー層(16)のあいだに延伸するサンプル受け取り室(24)を提供するための空隙部分(22)を含む。ベース基板(12)は、複数の電極(28)とコンタクトパッド(32)で終結する電極トレース(30)を含む電極システム(26)をもつ。電極は、サンプル受け取り室(24)内に位置決めされる電極トレース(30)の部分と定義される。適切な試薬システム(33)が、サンプル受け取り室内の電極に重なる。スペース層(14)に重なるボディカバー(18)および室カバーが、そのあいだのスロット(34)を定め、該スロットは、サンプル流体が端開口または流体受け取り開口(35)から室に入るにしたがって、空気を逃すことを可能にするためにサンプル受け取り室と連通するベント開口を定める。したがって、テストストリップは、投与端(36)および計量器挿入端(38)を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2003年6月20日に出願された米国特許仮出願番号第60/480397号に優先権を請求する。
[技術分野]
本発明は、一般的に、検体の濃度に関しての体液テストに関するものであり、さらに、詳細には、そのようなテストをするためのテストストリップあるいはバイオセンサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テストストリップは、テストサンプル中の選択された検体の存在および/または濃度を測定するために、しばしば使用されている。たとえば、種々のテストストリップが、糖尿病患者の血糖レベルをモニターするために、グルコース濃度を測定するために使用されている。これらのテストストリップは、試薬組成物が、堆積された反応室を含んでいる。テストストリップにおける最近の傾向は、より小さなサンプルとより早い分析時間を要求している。このことは、患者に対して有意な恩恵を提供し、体のより敏感でない領域から得ることができる小さな血液サンプルを使用することができる。さらに、テスト時間がより早くなり、またより正確な結果を得られるので、患者は、血糖レベルを良好に制御できる。
【0003】
より小さなサンプル容量に関しては、サンプル流体が、毛細管作用によりそこに引き込まれるように、充分に小さな反応室をもっているテストストリップを提供することは、公知であり、それは、サンプル流体の表面張力および表面積を最小にするための熱力学傾向から生じる現象である。たとえば、米国特許第5141868号は、毛細管作用によりそこにサンプル液体を引き込むために充分小さくされたキャビティをもつテストストリップを開示している。このキャビティは、プレートの横面に沿って、長さ方向に延びる2つのエポキシストリップにより、約1mmほど間隔をあけられた2つの平行なプレートにより定められる。このキャビティは、両端で開口しており、そのうちの1つは、サンプルを受け取り、他の端は、空気が逃げるようになっている。このキャビティは、電極構造を含み、またテストストリップにより行われるテストに適当な材料の塗布を行っている。
【0004】
他のさまざまなテストストリップデザインは、そこへサンプル流体を引き込み、かつ空気が逃げられるようなベント開口を含んだ毛細管キャビティを含んでいる。典型的には、ベント開口は、パンチで打ち抜かれ、あるいはサンプル受け取りキャビティを形成するトップあるいは底膜中に形成される。キャビティに対して正確にベント穴を置く必要があるために、製造問題が生じる。たとえば、キャビティが、テストストリップ内で、長さ方向に中央部に配置されるとすると、中央の左あるいは右に配列されるベント穴は、キャビティとは接続されないしあるいは連通しないことがある。ストリップは、典型的には、連続したウェブから、大量生産されるものであるから、ベント穴の配列におけるエラーは、数百あるいは数千のテストストリップに、影響するものとなる。
【0005】
さらに、ベント開口の穴を打ち抜くことは、別のプロセス工程と開口を形成するために切断金型あるいは他の機器を必要とする。最近のテストストリップにおいて、益々小さくなるキャビティサイズの観点から、ベント開口を形成することは、よりデリケートなプロセス工程になってきている。エラーの可能性を減少させ、かつ同じことを必要とするテストストリップ中のベント開口を形成することに関係するコストを削減することが望ましい。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、新しいスロットをもったカバー層付のテストストリップを提供する。該スロットは、該カバー層を2つの部分に分けて、そこに流体が、入ってくるにしたがい、テストストリップ中に形成されたキャビティあるいはサンプル受け取り室から、空気を逃すことができるベント開口を提供する。好ましい実施形態においては、カバー層は、透明であるため、使用者は、それを通してみることができるし、該スロットは、「充填ライン」としての2役を演じる。このようにして、使用者は、流体サンプルが、テストストリップに入ってくること、毛細管キャビティを進行することおよび該スロットあるいは充填ラインで停止することを、観察できる。これにより、サンプルサイズが、充分で、かつテストストリップが、正しく充填されたことを、使用者が確信できる。本発明のテストストリップは、テストストリップに対して横に該スロットを配列しなくても、またベント開口を打ち抜かなくても、大量生産できることが、有利である。
【0007】
その1つの形式において、本発明は、ベース基板に重なるカバー層を含むテストストリップを提供する。該ベース基板は、その上に配置された、流体サンプルと反応し、かつ測定される検体の濃度に相関できる測定可能な応答を生じる試薬層を、もっている。カバー層は、そのあいだにスロットをもつ室カバーおよびボディカバーを含んでいる。該スロットは、該試薬層上に置かれている。サンプル受け取り室は、該ベース基板および該カバー層のあいだに配置され、またスロットは、該サンプル受け取り室と連通している。該スロットは、流体が、入ってくるにしたがい、空気を逃すことができるベント開口を、カバー層中に定めている。
【0008】
カバー層は、その底に凹所あるいは溝を形成するスロットをもった単一構造をしているが、スロットはボディカバーと室カバーとのあいだに空間を形成するギャップが構成されることが好ましい。該スロットは、室カバーおよびボディカバーを互いに重ねることにより、形成することもできる。全ての場合において、該スロットは、まっすぐで、かつ、カバー層の幅を横切って、テストストリップの長さ方向あるいは縦軸に対して、実質的に垂直に配向して、延びていることが好ましい。該スロットのこの構造は、以下に述べるように、テストストリップを大量生産する場合に利点を提供する。
【0009】
他の好ましい形式において、テストストリップは、カバー層とベース基板とのあいだに配置されたスペース層を含んでいる。該スペース層は、カバー層とベース基板のあいだにあるサンプル受け取り室の高さ、周囲の長さ、および長さをさらに定める空隙を含んでいる。すなわち、該サンプル受け取り室は、該空隙により作られる縦壁によりその辺が境界され、そのトップはカバー層によって境界され、またその底は、好ましくはベース基板に重なる試薬層により境界されている。該空隙は、テストストリップの端における流体受け取り開口において始まり、ストリップの長さ方向に沿って延び、かつベント開口あるいはスロットで実質的に配列されている場所で終了する細長い経路として、形成されている。
【0010】
室カバーは、サンプル受け取り室の全長を実質的にかぶせるサイズに作られることが好ましく、その長さは、ここに考察するように、該スペース層中の空隙の長さに設定される。スロットの位置に対応する室カバーの内部端は、サンプル受け取り室の内部端とともに実質的に配列されている。この構造では、スロットにより定められる空気スペースおよびサンプル受け取り室の内部端により占められる空気スペースは、サンプル受け取り室が、スロットあるいはベント開口と連通するように結ばれ、オーバーラップしており、また空気がサンプル受け取り室を逃げる手段が、設けられている。このようにして、該サンプル受け取り室は、一方の端において該流体受け取り開口から、また他端においてはベント開口から、外気と連通している。小さなサイズのサンプル受け取り室は、流体サンプルをその中に迅速に引き込み、ベント開口を経由して空気を置換する毛細管効果を生じる。好ましい実施形態においては、該スロットは、ギャップとして形成され、かつ少なくとも置換された空気の一部は、テストストリップのトップから退出する。
【0011】
電極は、ベース基板上に形成され、かつサンプル受け取り室中に配置されることが、好ましい。以上に示したように、試薬層は、サンプル受け取り室中に配置されまた少なくとも1つおよび好ましくは両電極をカバーしている。より好ましくは、該試薬層は、スペース層の下に延び、また該スペース層と該ベース基板とのあいだに、実際に挟まれ、テストストリップの横端方向へ延びている。このようにして、該試薬層は、該サンプル受け取り室のほとんどあるいは、全部の底表面を定める。この試薬ストライプ構造は、以下に詳細に記述するように、製造における利点を提供する。
【0012】
本発明のテストストリップの他の好ましい態様は、サンプル受け取り室上に、透明あるいは半透明の室カバーを含んでいる。該サンプル受け取り室に入ってくる流体は、室カバーを経由して視認できる。さらに、テストストリップを使用する前には、サンプル受け取り室は、空でありまたその底は、室カバーを経由して視認できる。本発明のテストストリップが、流体サンプルとして、血液をテストするために使用される場合には、たとえば、血液の赤い色とは、対照をなす色として、試薬層を色付けすることが、望ましい。
【0013】
該スペース層は、流体サンプルの色および試薬層の色とは対照をなす不透明色で形成されることが好ましい。このようにして、該テストストリップのトップから見ると、使用者は、透明な室カバーを見通しまたスペース層の対照色により結ばれているサンプル受け取り室の床の色を見る。あるいは、対照色は、たとえば、透明な室カバー上に印刷することにより、提供しても良い。血液サンプルは、ストリップの端の流体受け取り開口に蓄積され、また迅速にサンプル受け取り室に引き込まれる。使用者は、対照的背景に対して、サンプル受け取り室中への赤色の血液の移動を見ることができるし、その背景により、使用者は、血液の充分なサイズのサンプルが提供されたという積極的な表示を提供される。
【0014】
本発明の他の好ましい態様においては、室カバーの少なくとも下側は、親水性であり、それは、少なくともベント開口まで延びた室中に、サンプルが迅速に移動(wicking)することを促進する。対照的に、ボディカバーは、疎水性であり、またボディカバーは、スロットの端を定めるから、それは、該スロットあるいはベント開口を超えて、流体サンプルが移動することを妨げる。これらの対照的な疎水性および親水性特性により、流体サンプルがサンプル受け取り室中に迅速に引き込まれ、また流体の移動は、サンプルが、スロットと並べられている室中の領域に到達するときには、迅速に止められる。該スロットが、実質的にまっすぐであるときには、サンプルは、そこで並べられる対応したまっすぐなターミナル端を形成する。室カバーおよび上に示した透明な他の好ましい特性と組み合わせると、使用者は、このように、スロットに対応して、明確に定められ、可視の「充填ライン」を提供される。使用者は、流体サンプルが、サンプル受け取り室に迅速に入っていき、かつその後充填ラインで停止するのを観察できるし、またサンプルサイズが、充分であり、かつテストストリップが、正しく充填されていることを確認できる。
【0015】
他の好ましい形式において、コンタクトパッドが、テストストリップの計量器挿入端において、ベース基板上に形成されまた電極トレースが、ベース基板に沿って延び、かつ電極を、コンタクトパッドに接続している。上述したカバー層および/またはスペース層は、テストストリップのほとんどの長さをカバーすることが好ましいが、計量器挿入端に届かずに終わり、それにより、ストリップの計量器挿入端において、コンタクトパッドを暴露する。このことにより、コンタクトパッドはテストストリップを読み取る計量器中に対応する電気的接続と一致することができる。
【0016】
その他の形式においては、本発明は、上記した新しいテストストリップを大量生産する方法を提供する。本発明方法において、ベース基板材料のウェブを提供する。複数の電極セットが、ウェブ上に形成される。好ましい実施形態において、該電極セットは、レーザー切除により形成され、より好ましくは、広領域レーザー切除により形成される。一連のキャビティも、ウェブ中に形成される。好ましい実施形態において、該キャビティは、等距離で切り出され、かつ間隔をあけられたキャビティの形状をもつスペース層材料の連続したウェブを設けることにより形成される。キャビティのそれぞれは、電極セットのそれぞれと並べられる。
【0017】
試薬層は、各電極セットの少なくとも1つの電極に設けられ、かつカバーされる。好ましい形式においては、試薬層はキャビティが、形成される前に、ウェブに適用され、その結果、試薬層は、均一な厚さの連続した「縞(ストライプ)」で、適用される。最後に、好ましくは2つの要素で作られているカバー層は、ウェブ上に置かれまた積層され、その結果、該2つの要素は、ギャップにより離され、かつこのギャップは、一連のキャビティ上に置かれる。好ましくは、カバー層の2つの要素は、同時に適用される。その後、ウェブは、複数のテストストリップに切断される。
【0018】
以上指摘したように、本大量生産法は、テストストリップに対して、ベント開口を横に並べる必要が無い。さらに、本発明方法は、カバー層あるいはベース層中に開口を形成する必要を避けるから、さらに有利である。本方法は、以下に記述するように、ロールプロセス技術により、テストストリップの大量生産に充分適している。
【0019】
その1つの形式において、本発明は、ベース基板に重なるカバー層からなるテストストリップを提供する。該ベース基板は、その上に配置された試薬層をもっている。該カバー層は、そのあいだにスロットをもっている室カバーとボディカバーを含んでいる。ボディカバーは、室カバーよりも厚い。サンプル受け取り室は、ベース基板およびカバー層とのあいだに配置され、またスロットは、サンプル受け取り室と連通している。該スロットは、流体が、サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すカバー層中にベント開口を定めている。
【0020】
より厚いボディカバーは、アセンブリが、プロセスのあいだに巻き取られ、かつ蓄えられる際に、ウェブに対して与えられる圧力あるいは力をより吸収し有利である。このようにして、それが巻き戻されるにしたがい、接着剤が、いくぶんかウェブからにじみ出る場合には、この接着剤は、典型的には、ボディカバーの周りには滲み出すが、室カバーにはにじみ出ない。このために、巻き取りプロセスのあいだに、室カバーの下から接着剤がにじみ出る可能性を減少でき、また最終的に生産されるテストストリップを劣化させあるいは破壊する毛細管ゾーンに入る可能性を減少させる。
【0021】
本発明は、非常に投与しやすいテストストリップを提供し、また堅固なしかし柔軟な製造プロセスを提供する。本発明を特性付ける種々の他の特性は、付属の請求項中の特殊性を用いて指摘される。本発明をさらに良く理解するために、その利点およびそれから得られる目的、参照は、図中にまた随伴する記述中に示すべきであり、そこでは、本発明の好ましい実施形態を説明し、かつ記述する。
【0022】
ここで図面を参照する。そこでは、同様の参照、数字および文字は、いくつかの図面に亘り対応する構造を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、ここに図示された具体的な実施形態を参照し、かつそれを記述するために、特定の語彙を使用する。にもかかわらず、本発明の範囲は、それによりなんら制限を、意図されるものではない。いかなる変更および記述されたプロセスあるいは装置のさらなる改質およびここに記述された発明の原理の更なる応用は、発明に関連する当業者なら通常考慮されるものと理解されるものとする。
【0024】
システム
本発明は、サンプル流体中の検体を試験するために有用なシステムに関する。本システムは、標的検体に関してサンプル流体を評価する装置および方法を包含している。以下より充分に説明するように、この評価とは、検体の存在を検出することから、検体の濃度を定量するという範囲である。検体およびサンプル流体は、テストシステムが、適当であればいかなるものでも良い。ただ説明のために、検体は、グルコースであり、かつサンプル流体は、血液あるいは間質性流体である好ましい実施形態を記載している。しかし、本発明は、それのみを範囲に限定しているものではないことは、明白である。
【0025】
センサー
本システムの1つの部品は、サンプル流体用のサンプル受け取り室およびテスト検体の存在下に電気化学的信号を生成するための適当な試薬を含む電気化学的センサーである。このセンサーは、使い捨てテストストリップ、特にサンプル受け取り室と連通して先端開口を提供する積層構造をもつものを含むことが好ましい。この試薬は、室内にも配置されている作用電極に対して電気化学的信号を提供するための位置づけで、サンプル受け取り室内に配置されている。グルコース検出などの適当な場合には、試薬は、酵素および随意的に媒介物を含んでいても良い。
【0026】
計量器
センサーは、サンプル流体中の検体の定量のための計量器と組み合わせて使用される。この計量器は、従来から、センサーの電極と検体の濃度に対応した電気化学的信号を評価するための回路との接続を含む。計量器は、サンプル流体が、センサーにより受領されたことおよびサンプル流体の量が、テスト用に充分であることを求める手段をも包含しても良い。計量器は、典型的には、分析の結果を蓄え、かつ表示するか、あるいはその代わりに、別の装置に対して、データを提供しても良い。
【0027】
検体−特性
システムは、検体に対する定性的あるいは定量的表示を提供する。1つの実施形態において、システムは、サンプル流体中の検体の存在を単純に表示する。システムは、サンプル流体の検体の定量あるいは濃度の読み取りをも提供する。好ましい実施形態において、検体濃度の高度の正確な、かつ精密な読み取りが、少量のサンプルから迅速に得られるということが、本発明の特徴である。
【0028】
検体−タイプ
本システムは、幅広い多様な検体の定量に有用である。たとえば、テストストリップは、検体の存在を評価するために使用できる適当な化学反応を用いた用途に容易に適用される。最も好ましくは、本システムは、生物学的流体中の検体のテスト用に構成されまた使用される。そのような検体としては、たとえば、グルコース、コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、乳酸塩、乳酸脱水酵素、アルコール、尿酸、および3−ヒドロキシ尿酸(ケトン体)が挙げられる。本システムに対する相応の改質は、当業者には自明であろう。説明の目的のためにおよび特に好ましい実施形態において、本システムは、生物学的流体中のグルコースの検出に関して記述する。
【0029】
干渉物
テストの方法論は、サンプル流体中の干渉物の存在により種々に影響を受ける。たとえば、血液サンプル中のグルコースに対するテストは、酸素、ビリルビン、ヘマトクリット、尿酸、アスコルビン酸塩、アセトアミノフェノン、ガラクトース、マルトースおよび脂質などの因子により、影響を受ける。本システムは、サンプル流体中にも存在する干渉物の有害影響を最小にし、あるいは除去するために用いられる。これらの作用は、影響を受けることが少ない化学反応の選択により、あるいは、とてもではないが、可能な干渉物により、テスト材料およびパラメーターの適当な選択により、行われる。当技術で公知のごとく、干渉物が、テストゾーンに入らないようにする塗膜あるいは膜の使用など干渉可能性のある作用を処理するために、他の工程を用いても良い。さらに、干渉物の作用を最小限にするために、電極構造あるいは質問方法の改質を使用することができる。
【0030】
流体タイプ
本システムは、幅広い多様なサンプル流体に有用であり、また好ましくは、生物学的流体中の検体の検出に使用される。この状況において、「生物学的流体」という語彙は、検体が測定可能なあらゆる体液、たとえば、間質流体、真皮流体、汗、涙、尿、羊膜流体、髄液および血液を包含している。本発明の背景における「血液」という語彙は、全血液および無細胞の成分、すなわち、血漿および血清を包含する。さらに、本システムは、テスト用システムの完全性を確かめるために、従来の方法で使用される参照流体と関連して有用である。
【0031】
好ましい実施形態において、本システムは、グルコースのテストに対して用いられる。この場合におけるサンプル流体は、たとえば、具体的には、指の先端あるいは許容された部位(たとえば、前腕、手のひら、上腕、ふくらはぎ、大腿部)から得られた新鮮な毛細管血液、新鮮な静脈血、およびシステムと共にあるいはシステムに対して供給される対照溶液を包含する。
【0032】
流体を、テストストリップに対して、どのような方法で取得しても良いし、運んでも良い。たとえば、従来の方法により、ランセットを用いて、皮膚に切り込みを入れて、その後皮膚表面に現れる流体とテストストリップを接触させることにより、取得してもよい。テストストリップは、非常に少量の流体サンプルで有用であるというのが、本発明の態様である。したがって、皮膚のわずかの切開のみで、テストに必要な容量の流体を生じ、この方法に関する痛みおよびその他の問題を、最小限にすることができるし、あるいは除去できるということが、本発明の望ましい特性である。
【0033】
皮膚上の異なった位置は、切開により多少の量の血液を生じるものだということもよく知られている。たとえば、指先は、切開により相対的に多量の血液を生じるから、血液サンプルを得るための一般に使用される部位である。しかし、多量の血液を生じる領域は、一般的に、使用者に対する大きな程度の痛みと関連している。したがって、サンプル流体の必要容量が、充分に小さくて、手のひらや上腕などの皮膚の生産的ではないが、痛みの少ない領域を切開して、典型的に得られる血液の量をもって、テストストリップが、有用であるということが、本システムのさらなる利点である。テスト用のサンプル流体を得るためにこれらの位置を用いることは、「代替部位テスト」とも言われる。本発明は、これらの代替部位において得られる血液あるいは間質流体などのサンプル流体を用いて使用するために、特に適している。
【0034】
テストストリップ−概要
緒言
テストストリップは、いくつかの基本的な部品を含んでいる。このストリップは、サンプル流体が、テストのために受け取られる室を定める小さなボディを含む。この「サンプル受け取り室」は、適当な手段により、好ましくは毛細管作用により、サンプル流体で充填されるが、随意的には圧力あるいは真空により支援される。該サンプル受け取り室は、サンプル流体中の検体を示す電気化学信号を生じるために適した電極および化学的性質を含む。
【0035】
基本的な記述
特に図面を参照して、本発明にしたがって、有用なテストストリップの好ましい実施形態を示す。テストストリップ10は、ベース基板12と、スペース層14と、さらにボディカバー18および室カバー20を含むカバー層16を包含する。スペース層14は、空隙部分22を含み、ベース基板12とカバー層16のあいだに延びるサンプル受け取り室24を提供する。
【0036】
ベース基板12は、複数の電極28およびコンタクトパッド32中に終わる電極トレース30を含む電極システム26をもっている。電極は、サンプル受け取り室24内に置かれている電極トレース30のこれらの部分として定められる。電極システム26の種々の構造は、以後説明するように、使用しても良い。適当な試薬システム33は、該サンプル受け取り室内の電極の部分あるいは電極対28と少なくとも部分的に重なっている。
【0037】
スペース層14に重なるボディカバー18および室カバー20は、そのあいだにスロット34を定め、該スロットは、サンプル受け取り室に連通しているベント開口を定め、サンプル流体が、端開口あるいは流体受け取り開口35から室に入ってくるにしたがって、空気が逃げることができる。したがって、テストストリップは、投与端36および計量器挿入端38を含む。投与端の形状は、使用者の助けになるように計量器端から、典型的には区別できる。さらに、ストリップグラフが、ストリップデザインの直感をさらに向上するために使用されるのが好ましい、たとえば、矢31は、計量器中へのストリップの挿入方向を示している。
【0038】
全般的寸法
テストストリップは、コンパクトで貯蔵と使用が容易なように設計されている相対的に小さな装置である。典型的な実施の形態においてストリップ長さは、長さで20から50mm程度であり、好ましくは、約33から約38mmであり、また幅で5から15mm程度、好ましくは、約7から約9mmである。スロットあるいはベント開口34から計量器の端までの距離は、血液のまったく無い「掴み領域」を提供し、かつ計量器接触領域の血液汚染に対するガードを行うために、サイズ設定されているし、そのために、それは、5から35mmの範囲、好ましくは13mm以上であってもよい。計量器中に挿入されるテストストリップ部分の長さ(計量器挿入端38からの)は、テストストリップの長軸に沿って6.0mm以下が好ましい。
【0039】
テストストリップの好ましい積層構造も、相対的に薄い装置を提供する。このストリップの最小厚みは、使用者にとって便利な適当な容器中に容易に包み込むことを可能にさせる。たとえば、テストストリップの全体の厚みは、約500から525μmであってもよい。計量器コンタクト中に挿入されるテストストリップ部分の厚さは、約250μmであってもよい。
【0040】
基板
テストストリップは、電極システムおよび他の部品を支持する絶縁性材料を含むベース基板12を含む。典型的には、ビニルポリマー、ポリイミド、ポリエステルおよびポリスチレンなどのプラスチックが、必要とされる電気的、かつ構造的特性を提供する。さらに、このテストストリップは、材料のロールから大量生産されるのが好ましいから、この材料特性が、ロール処理のために充分な柔軟性をもち、一方完成したストリップに対しては有用な剛性を与えるのに適していることが、望ましい。該ベース基板は、ポリエステルなどの柔軟性ポリマー材料、特に高温ポリエステル材料、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリイミド、あるいはこれらの2つ以上の混合物から選択可能である。ポリイミドは、たとえば、デラウエア州、ウィルミントンのイー アイ デュポン ドゥ ヌムールのカプトン(登録商標)の商品名で、市販されている。特に好ましいベース基板は、デュポン社から入手可能なメリネックス(登録商標)329である。
【0041】
電極
タイプ
本発明は、「電気化学的センサー」に関するものであり、これは、センサー内の電気化学的酸化還元反応により、検体の存在の有無を検出し、および/または濃度を測定するように構成されている装置である。これらの反応は、検体の量あるいは濃度に相関できる電気的信号に変換される。したがって、テストストリップは、測定電極セット、たとえば、サンプル受け取り室内の少なくとも作用電極および対極からなる電極システム26を包含する。サンプル受け取り室は、室に入ってくるサンプル流体が、作用電極および対極の両者に電気的に接触しておかれるように構成されている。これにより、電流は、検体の電気的酸化あるいは電気的還元を生じさせるために、電極間に流れることができる。
【0042】
本発明の背景において、「作用電極」とは、酸化還元媒介物の作用を用いてあるいは用いないで、検体を酸化あるいは還元する電極である。「対極」という語彙は、ここでは、作用電極と対をなしており、またそれを経由して、大きさで同等の電気化学的電流および作用電極を経由して流れる電流のサインとは逆の電流を通す電極をいう。「対極」という語彙は、参照電極(すなわち、対極/参照あるいは補助電極)としても機能する対極を包含することを意味する。
【0043】
電極材料
作用電極および対極および電極システムの残存部分は、公知の技術のように、種々の材料から形成しても良い。電極は、相対的に低い電気抵抗をもつべきであり、またテストストリップの操作範囲に亘り電気的に不活性であるべきである。作用電極用の適当な導電体としては、金、パラジウム、白金、炭素、チタン、二酸化ルテニウム、インジュウム錫オキサイド、イリジウムのみならず、他のものが、挙げられる。対極は、同一の材料でも、異なる材料によって作られていてもよい。好ましい実施形態においては、作用電極および対極の両電極は、金電極である。
【0044】
電極適用
この電極は、充分な導電性と完全さをもった電極を生じる方法で、ベース基材に用いてよい。典型的なプロセスは、当技術には公知であり、かつたとえば、スパッタ、印刷などを包含する。好ましい実施形態においては、金電極は、ベース基板を塗布し、その後塗膜の選択された部分を除去することにより提供され、電極システムを生成する。好ましい除去方法は、レーザー切除であり、さらに好ましくは、参照として上記に組み入れられた、「バイオセンサーの制作方法」という発明の名称の米国特許出願連続番号10/601144(2003年6月20日にファイルされた)に開示されているように、広領域レーザー切除である。
【0045】
レーザー切除技術は、典型的には、単一金属層あるいは絶縁材料および伝導性材料たとえば、絶縁材料(以下に考察する)上に塗布された、あるいは積層される金属層の金属積層体を含む多層組成物の切除を含む。金属層は、純金属、合金、あるいは金属伝導体である他の材料を含んでもよい。金属あるいは金属様伝導体の例としては、アルミニウム、炭素(グラファイトなど)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオビウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(高度にドープされた多結晶シリコン)、銀、タンタル、錫、タングステン、ウラン、ヴァナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、および合金あるいはこれらの材料の固溶体が、挙げられる。この材料は、生物学的システムに対して、基本的に反応性が無いように選択することが好ましく、そのような材料として、金、パラジウム、白金、イリジウム、銀、あるいはこれらの金属の合金、インジュウム錫オキサイドが、挙げられる。金属層は、いかなる厚みでも良い。好ましい実施形態において、厚さは、約500nmである。
【0046】
構造
電極システムは、テストストリップおよび計量器の操作に適した種々の構造をしている。いかなる実施形態に対しても、作用電極および対極は、それらをカバーするのに必要なサンプル流体の容量が最小になるように位置づけ、かつ寸法設計されることが好ましい。相対的に安価な携帯型の計量器を使用して、測定できるように、電極は、電流フラックスの充分な大きさを維持するように構成されることも好ましい。
【0047】
さらなる例として、好ましい実施形態は、作用電極の両側に延びる対極を含む。したがって、対極は、2つのエレメントをもち、またサンプル流体が、サンプル受け取り室に入ってくる際に、1つのエレメントは、作用電極の前に、また他のエレメントは、作用電極の後ろにある。さらに具体的には、対極は、該サンプル受け取り室を横切って延びるエレメント40および42を含んでいる。これらのエレメントのそれぞれは、幅が約250μmである。作用電極44は、約250μmの幅をもち、かつ2つの対極エレメントのそれぞれから、約255μm間隔があいている。これが、測定電極用の多数の構造の1つであることが理解される。
【0048】
トレース30およびコンタクトパッド32は、テストストリップに対して意図される機能と一致するように、多様に設けても良い。この電極システムのこれらの部品は、電極と同一材料から構成されていることが好ましく、またベース基板に対して、電極の適用と同様にまた同時に適用されることが好ましい。好ましい実施形態において、トレースおよびコンタクトパッドは、金であり、また特に、参照として上記に組み入れられた開示である、「バイオセンサーの制作方法」という発明の名称の米国特許出願連続番号10/601144(2003年6月20日にファイルされた)に記載されているように、レーザー切除により形成される。しかし、代替材料と適用方法も用いられる。
【0049】
化学的性質
試薬組成物
本テストストリップは、テスト検体と反応して、サンプル流体中の検体の存在を表す電気化学的信号を生じるために、サンプル受け取り室内に、化学試薬を含んでいる。試薬層は、種々の検体の有無および/または濃度を定量するために選択される種々の活性成分を含むことができる。したがって、テストの化学的性質は、評価される予定の検体に関して選択される。当技術でよく知られているように、種々の検体の各々に用いられる多くの化学的性質がある。たとえば、好ましい実施形態において、本発明のテストストリップは、血液中のグルコースの存在を決定するために選択できる1つ以上の酵素、補酵素、補助要因を含むことができる。それゆえ、適当な化学的性質の選択は、当業者には公知であり、また種々の検体を用いたテストストリップを作り、かつ使用することができるようにするためのさらなる記述は必要でない。
【0050】
補助剤
従来の方法では、試薬の化学的性質は、試薬性質あるいは特性を高めるために、種々の補助剤を含んでいてもよい。たとえば、この化学品は、テストストリップ上に試薬組成物を配置することが便利なように、またストリップへの接着性を向上させるために、あるいはサンプル流体による試薬組成物の水和速度を増加させるための材料を含んでいても良い。さらに、試薬層は、得られる乾燥した試薬層の物理特性および分析用の液体テストサンプルの取得を高めるために、選択される部品を含むことができる。試薬組成物とともに使用される補助材料の例としては、増粘剤、粘度改良剤、膜形成剤、安定剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開け剤、着色剤およびチキソトロピー付与剤が挙げられる。
【0051】
テストサンプルの好ましい実施形態において、使用前には、室の大多数は、空である。本発明によるテストストリップの非常に小さいサンプル室においては、試薬層は、薄くて均一であることが好ましい。サンプル受け取り室は、大変小さくて約1μl未満であるから、室の深さあるいは縦の高さは、小さい。したがって、試薬層は、室の内部キャビティの大部分を占めるべきではない。試薬層は、室中のテストサンプルに対する広いスペースを残すように充分に薄くするべきである。さらに、液体テストサンプルは、この薄い試薬層をより迅速に水和しあるいは溶解する。上記の反応スキーム中で考察したように、媒介物および媒介物レドックス生成物は、試薬層を経由してあるいは試薬層内部で/電極に対して斜めに拡散する。反応性成分および中間物は、薄い試薬を経由して拡散する距離が短いので、電極への拡散は、より短時間で生じる。さらに電極における媒介物レドックス生成物の捕捉効率は、厚い層よりも酵素の薄い層に対して大きくなる。
【0052】
逆に、厚い試薬層は、液体テストサンプルが、水和しあるいは溶解するためにより時間がかかり、厚い試薬層は、媒介物/媒介物レドックス生成物が、電極に近づくための時間を増すことになる。このために、検体濃度を求める時間が遅れて、定量にエラーを導くことになる。
【0053】
試薬層は、均一な厚みをもつことが好ましい。厚さの不均一性は、検体濃度を定量するにあたり、変化を生じる。好ましい実施形態において、試薬層はサンプル受け取り室全体にわたり均一な厚みをもつ。この好ましい実施形態において、試薬層は、室を定める縦側壁に隣接するサンプル受け取り室の周囲あたりが、室の中央部分よりは厚くはならない。したがって、試薬層はメニスカスプロファイルを示さない。
【0054】
試薬組成物は、薄い均一な層で、ベース層上に堆積されうる粘凋な液として調製される。試薬組成物は、試薬層の物理的性質を高めるために増粘剤およびチキソトロピー剤を含んでいる。増粘剤は、そこに均一に分散された残存成分をもつ厚い液体マトリックスを提供するために選択される。増粘剤およびチキソトロピー剤も、液体あるいは半糊状材料が、堆積された後およびそれが乾燥する前に、ベース層の表面上に流れることあるいは広がることを抑制する。試薬組成物が、堆積された後、それは迅速に乾燥し、水和可能なマトリックスとなる。
【0055】
試薬組成物は、空気乾燥あるいは加熱乾燥により、迅速に乾燥するように提供される。乾燥後、堆積された試薬層は、約1ミクロンから約20ミクロンのあいだの厚さを示す。より好ましくは、乾燥された試薬層は、約2ミクロンから約6ミクロンのあいだの厚さを示す。
【0056】
試薬組成物を、カーテン塗布、熱溶解塗布、回転スクリーン塗布、ドクターブレード塗布あるいはエアーナイフ塗布、マイヤーバー塗布および逆ロール塗布技術などを含めた種々の塗布法を用いて、テストストリップの表面上に堆積できる。これらの技術は、当業者には、公知である。好ましくは、試薬層は、湿潤した試薬組成物として、約40μmから約100μmのあいだの厚さで、柔軟性ウェブ上に堆積される。より好ましくは、試薬層は、湿潤した試薬組成物として、約60μmから約80μmのあいだの厚さで堆積される。この組成物は、連続した細い帯として、直接測定電極のトップ上に、かつ複数のテストストリップのウェブの長さに沿って、試薬の均一で薄い層として、直接に適用しても良い。好ましい実施形態において、この細い帯は、約7mmから約8mmのあいだの幅で、かつ約3mmから約20mmのあいだの乾燥厚さである。この組成物は、そのような異質の電極の所望の機能より、サンプル受け取り室中に存在する他の電極上に適用しても良い。
【0057】
スペース層
構造
テストストリップは、ベース基板に重なり、かつ部分的にサンプル受け取り室を定めるスペース層14を含む。特に、スペース層14は、サンプル受け取り室24の高さおよび周囲を実質的に定める空隙部22を含んでいる。空隙部22は、先端開口をもつように便宜的に置かれ、それによりサンプル流体は、先端開口に接触して、サンプル受け取り室に入る。先端開口は横端上に置くことも有用であるということが理解されるが、該先端開口が、テストストリップの端に置かれることが好ましい。
【0058】
材料
スペース層14は、テストストリップと共に組み立てるために有用な材料ならどんな材料で作ってもよい。スペース層は、部分的には、サンプル受け取り室の高さを定めるものであるから、その材料は、室の所望の高さに適する厚みで、充分な強度をもつべきである。スペース層の他の機能は、ベース基板12の上面に沿って延びる電極トレースを保護することである。この材料は、感熱性接着剤あるいは感圧性接着剤により、あるいは熱あるいはレーザー溶接などの他の手段により、ベース基板およびカバー材料に容易に接着される。適当な材料の例としては、100μmPET、アドヘッシブズ リサーチ社から入手されるARケア90132などの接着剤を用いて塗布されるあるいは組み合わされるPEN箔などが、挙げられる。
【0059】
カバー層
構造
カバー層16は、スペース層14上で受け取られ、かつ接着される。カバー層の機能の一つは、サンプル受け取り室のトップ表面を形成することである。他の機能は、テストサンプルの取得において、助けとするために、親水性表面を提供することである。さらに、カバー層16は、サンプル流体が、サンプル受け取り室中に入ってきてさらに移動するにしたがい、室内部から空気を逃すことができるベント開口34を定めることが好ましい。
【0060】
カバー層は、図1Bに示されているように、その下側に凹所として、形成されるスロット34’をもった単一要素として形成できる。大量生産の目的のためには、スロット34’は、示されているように、実質的にまっすぐであり、テストストリップの全幅を横切って延びており、その結果、空気は、サンプル受け取り室24からテストストリップの反対の横がわに形成されたベント開口へと抜けていく。しかし、そのような構造は、大量生産の目的には好ましくないが、該スロットは、室24からテストストリップの片側までのみ延びている溝あるいは凹所を含むことができる。
【0061】
他の代替的実施形態は、図1C中に示されており、室カバー20が、ボディカバー18に「オーバーラップしている」。この配置においては、カバー層20の小端部分37は、上に曲げられまたボディカバー18の端を横切って延びている。それにより、ストリップの端で見るときにおおよそ三角形断面をもつスロット34”は、形成され、そこでは、空気を逃すことができる三角形状の開口がある。この「重なった」配置において、ストリップの長さ方向に沿っているボディカバー18に対しての室カバー20の正確な配置は、決定的に重要ではない。すなわち、ボディカバー18にオーバーラップしている室カバー材料の量は、スロットの寸法あるいは位置に影響を与えることなく、変化することができる。このことは、以下の考察を参照して、明らかになるように、製造において有利である。
【0062】
好ましくは、ボディカバー18および室カバー20は、ベント開口を形成し、かつ組立て易くするために、2つの部材を含む。ボディカバー18および室カバー20は、両者とも実質的に同一水平面上に配置されている。室カバー20は、スペース層の空隙部分22を実質的にカバーしておりまたサンプル受け取り室のトップを形成している。室カバーは、以下により詳細に記述するように、好ましくは、その下側に親水性塗膜あるいは処置21を含む。ボディカバーおよび室カバーは、テストストリップに沿って端と端を結んで置かれ、また図1Aに示すように、そのあいだにスロット34を含む。スロットは、スペース層の空隙部分22の内部端に隣接して位置しており、図1A中の好ましい実施形態においては、ボディカバー18から室カバー20を隔てさせている小さなギャップを形成している。このギャップは、サンプル受け取り室に連通しているベント開口34を構成している。スロット34は、実質的にまっすぐで、テストストリップ10の幅を横切って延びている。スロット34は、テストストリップ10の縦軸あるいは長軸に対して、実質的に垂直に配向している。サンプル受け取り室に入るサンプル流体は、スロット34により定められるベント開口を経由して、空気を追い出す。スロットが、ギャップとして形成される場合には、追い出される空気の幾分かあるいはほとんどは、テストストリップのトップから抜け出る。
【0063】
スロットは、電極システム26の位置の内側であるサンプル受け取り室に対した位置に置かれる。サンプル受け取り室に入るサンプル流体は、ベント開口まで進行するが、それ以上は進まない。トップから見ると、ここで記述するように、「充填ライン」の可視表示を提供する。したがって、充分なサンプル流体が、電極システムを充分カバーするために受け取ることができることを、ベント開口の設置が保証している。同時に、ベント開口の配置は、電極システムの領域を超えて、サンプル流体の連続した移動を禁止する。
【0064】
ボディカバーおよび室カバーの離間によるスロットおよびベント開口の形成は、その形成が、カバー層あるいはベース層中の開口を形成する必要性を避けるから、さらに有利である。先行技術においては、サンプル受け取り室を形成するトップ膜あるいは底の膜中に穴を打ち抜くことにより、ベント開口を形成するアプローチであったが、それは、サンプル受け取り室に対して、穴を正確に置く必要があるという理由のために、作製上の問題を提示している。このアプローチも、テストストリップに対しては適しているが、ここに記述する好ましいデザインは、テストストリップに対して横方向にベント開口を並べる必要性を避けている。さらに、本デザインは、以後記述するように、ロール処理技術によるテストストリップの大量生産に良く適している。
【0065】
同時に、ベント構造は、サンプル受け取り室24に重なる中間領域を超えて、スロットに沿って横方向にサンプル流体が、移動することを阻止するように作られる。たとえば、図3に示すように、接着剤46により、ボディカバーが、スペース層に固定されることが好ましい。疎水性の接着剤の使用は、毛細管作用により、横に延びているスロットに沿って、血液、間質流体および他の水性液体が移動することを阻止する。全ボディカバーあるいはベント開口に近接している部分も、移動を阻止するために疎水性であってもよい。材料の表面を疎水性特性にするための材料および方法は、公知の技術である。以下に説明するように、室カバーは、接着剤46と同じかあるいは異なる接着剤により、スペース層に固定されていても良い。
【0066】
接着剤49は、スペース層をベース基板12に固定する。接着剤49およびスペース層14用の材料のみならず、接着剤46は、図示された実施形態において、疎水性材料で全て形成されている。または、ストリップ10中に形成される毛細管室の縦壁は、疎水性である。対照的に、室の床は、親水性試薬でカバーされ、また層20の下側は、親水性塗膜21(図2)を用いて塗布されている。換言すれば、毛細管中の水平面は、親水性であるが、縦表面は、疎水性である。このことは、サンプルの毛細管室中へ良好な移動を促進するが、たとえば、スペース層とベース基板とのあいだで、室からの横へのサンプルの望ましくない移動を防止しているということが見出された。
【0067】
材料
ボディカバーおよび室カバーは、テストストリップとの作製に対して有用などのような材料で作られていてもよい。ボディカバーおよび室カバー用の材料は、同一でもよいしあるいは異なっていても良い。この材料は、感熱性接着剤あるいは感圧性接着剤により、あるいは熱あるいはレーザー溶接などの他の手段により、スペース層に容易に接着されるべきである。ボディカバーおよび室カバー用の適当な材料の例としては、ほぼ127μm厚みのPET箔が、挙げられる。室カバーは、WO02/085185、アドヘッシブズ リサーチ社製のARフロー(登録商標)90191に開示されているような親水性層21を含んでいることが、好ましい。
【0068】
カバー層16も、サンプル流体が、サンプル受け取り室中に入っていく際に、サンプル流体を観察しやすくするために使用されている。このことは、室および周囲領域のあいだの色のコントラストあるいは濃淡を提供することにより、達成される。たとえば、1つのアプローチにおいては、間隙22を囲むスペース層14の部分は、サンプル受け取り室の底の色とは対照となる色、たとえば、室の底に置かれている化学試薬層の色を用いて提供されている。この対照となる色はたとえば、インクまたは他の着色剤によってサンプル受け取り室に隣接したスペース層の部分に提供される。層14の着色された部分23は、図2中に描かれている。そこで、室カバー20は、使用者が、室および隣接するスペース層を見ることができる透明あるいは半透明材料として、提供される。サンプル流体が、テストストリップの端から入るにしたがい、使用者は、毛細管作用によりベント開口に向けて、サンプル流体が、移動していくときに、その進行を観察することができる。このタイプの特性は、さらに、1999年12月7日に、クリスモアらに対して発行された米国特許第5997817号に記載されており、ここに、参照として組み入れられている。
【0069】
毛細管
ベース基板と、スペース層と室カバーとにより形成されているサンプル受け取り室は、サンプル流体が、移動するいくつかの部分を含んでいる。第1の入り口部分48は、端開口から測定電極システムまで延びている。第2のテスト部分50は、電極システムの領域を経由して延びている。第3の部分52は、測定電極システムからベント開口まで延びている。サンプル流体のテストは、テスト部分における電極システムの領域において生じるということを理解されるものとする。しかし、サンプル流体は、テストストリップを充填する過程で、室の他の部分をも充填することになる。
【0070】
寸法
サンプル受け取り室の高さと幅は、テストされる流体および問題となっている検体を含めて、種々の考察に基づいて選択される。たとえば、室の寸法は、テスト流体の室中への毛細管流入を促進する大きさにされることが好ましい。血液の使用に対する好ましい室高さは、たとえば、約50から200μmまた最も好ましくは、120から180μmである。好ましい実施形態においては、室高さは、約150μmである。室の幅は、所望のサンプル流体および検体に合うように、同様に選択しても良い。たとえば、室は、所望の量の作用電極および対極を暴露するために充分に広くするべきであり、テスト用の必要以上の量のサンプル流体の要求を避けるために充分狭くなるようにするべきである。サンプル受け取り室の幅および作用電極の幅は、作用電極の面積を定める。この面積は、それが信号振幅および装置デザインに関係するため、さらなるデザイン考察を表示している。
【0071】
容量
サンプル受け取り室は、テストを行うために必要なサンプル流体の量を削減するために、最小容量をもつ室として設けられることが好ましい。端開口からベント開口まで延びる3つの部分の全てを含む全サンプル受け取り室は、端からベントまでの室の面積およびベース基板から室カバー20までの室の高さの因子と考えることができる全容量をもっている。しかしながら、「正味の室容量」は、このスペースを充填するために必要なサンプル流体の容量を含む。サンプル受け取り室の正味の室容量は、電極、試薬およびもし含まれるとすれば、吸着剤材料などの他の項目によって占められる容量を差し引いた全室容量の等価であろう。
【0072】
以前に指摘したように、全サンプル受け取り室の容量は、室の3つの部分に帰せられる容量からなっている。これらの部分の各々は、一般的に、テストストリップの操作を実施するために充分小さい大きさにされる。しかしながら、各部分のサイズにインパクトを与える考慮およびおそらく他の機能がある。
【0073】
室の容量は、高さと面積の両方の因子である。高さは、スペース層の厚みとスペース層を他の層に固定するために使用される接着剤の厚みとの結果である。たとえば、ベース基板と室カバーは、スペース層の反対側に接着される。接着の1つの方法は、材料の加熱あるいはレーザーシールである。しかし、これらの層は、感熱性接着剤あるいは感圧性接着剤などの適当な接着剤の使用により、接着することが好ましい。このアプローチにおいては、サンプル受け取り室の高さ、すなわち、底基板と室カバーとの対向する面のあいだの距離は、接着剤層の厚みにより影響を受ける。図3に示すように、室24は、試薬層33によって底側を、また室カバー20によって上側が境界されている。しかしスペース層14のみならず、接着剤層46および49は、室24の全高さを定める。
【0074】
さらに、好ましい実施形態においては、試薬層33は、ベース基板12およびスペース層14のあいだに広がり、また以下に記述するように、テストストリップの全幅を広げている。したがって、室の高さもスペース層の下にある試薬層の存在により、増加され得る。本実施形態においては、また接着剤を用いる場合には、少なくとも試薬中におよび試薬の周りに接着剤を充填させる程度に、接着剤は、テスト試薬と結合することが見出された。したがって、試薬および接着剤層の高さは、最終のテストストリップ中に、必ずしも付加されるものではない。むしろ、ベース基板とスペース層のあいだの得られたスペースの高さは、積層前の別の試薬の高さと接着剤層の高さの組み合わせよりいくらか小さい。
【0075】
接着剤と試薬の組み合わせは、サンプル受け取り室の端に沿って、シール形成するのに役立つということも見出された。これが、テストを行う必要のある時間フレームにおいて、ベース基板およびスペース層のあいだの層に存在する試薬材料中に、サンプル流体が移動することを阻止する。
【0076】
第1の入り口区分は、サンプル流体を受け取り、かつそれを測定電極に向かわせる。この第1区分は、きわめて大きさが小さく、かつ室の短い区分のみを含んでも良い。この区分の長さは、1200μm未満であることが好ましい。
【0077】
第2のテスト区域は、テスト電極あるいは測定電極を含み、かつサンプル流体の最小容量を必要とする大きさにされている。この第2の区分のサイズを制御する主要な因子は、タイプ、数、サイズ、信号強度および測定電極の構造である。この区分の長さは、約1260μmであることが、好ましい。好ましい容量は、毛細管高さの0.15mmおよび毛細管幅の1.4mmをベースとして、約0.265μLである。
【0078】
サンプル流体は、測定電極を過ぎて移動し、第3の区分中に移動する。このことにより、測定電極が、正しく湿潤しているという確信が提供され、かつ特定の確認ができるので好ましい。この確認は、使用者により、目視観察で行っても良いし、あるいは自動的検出手段によっても良い。たとえば、投与充実電極は、サンプル流体が、測定電極の湿潤が確かめられる点まで、この区分中に進行するとき、検出するためにこの区分に置いても良い。これが、電極に対して電位を印加することを開始するトリガーとして使用することができる。この区分の長さは、50から500μmであることが好ましく、255から400μmであることがより好ましい。この容量は、0.01から0.1μLであり、かつ0.05から0.08μLであることがさらに好ましい。
【0079】
好ましい実施形態においては、サンプル受け取り室の全正味の室容量は、約1μL未満であり、かつ約0.5μL未満であることが、さらに好ましい。サンプル受け取り室の正味の室容量に対する望ましい範囲は、約0.15から約1.4μLの容量を含み、またより好ましくは、約0.4μLから約0.7μLである。
【0080】
吸収剤
サンプル室は、さもなければ空であることが、好ましくあるいは、その代わりに吸収剤材料を含んでいても良い。適当な吸収剤材料としては、ポリエステル、ナイロン、セルロースおよびニトロセルロースなどのセルロース誘導体が、挙げられる。吸収剤材料は、流体が、室中に移動する際には補助することにより、サンプル流体の摂取を促進するために含むことができる。吸収剤材料の使用は、サンプル流体を受け取るためのサンプル受け取り室の空隙容量をさらに減少させることに役立つ。
【0081】
充填方法
サンプル室を充填するための好ましい方法は、毛細管作用による方法である。さらに、テストストリップの充填は、サンプル流体上に圧力を印加してサンプル室中にそれを押し込むこと、および/またはサンプル室に真空を作り出し、サンプル流体を室中に引き込むことなどの他の方法により、増補することができる。
【0082】
親水性塗膜
サンプル受け取り室の毛細管充填の目的で、種々のアプローチが、サンプル流体の室中への移動を促進させるために使用される。たとえば、室を定める表面のどれかあるいは全てが、親水性を向上するために選択または処理される。そのような処置は、公知の親水性材料を使用すること、表面上への親水性材料の適用、あるいは以下に記述するように、親水性を増加させるために、表面の処置を行うことを含んでも良い。さらに、試薬組成物は、容易に水和されるように、またサンプル受け取り室の充填を促進するために、調製しても良い。以前指摘したように、吸収剤も使用しても良い。
【0083】
検体に対するテスト
電気化学的センサーは、作用電極および対極を横切ってまた投与充実電極を横切って、適当な電位あるいは一連の電位を印加することにより、操作される。媒介物が使用される場合には、作用電極および対極を横断する必要な電位の大きさは、酸化還元媒介物に依存するであろう。さらに、検体が、電解される電極における電位は、典型的には、電気化学的反応を起こさせるに充分なあるいは、完成に近い大きさであるが、電位の大きさは、干渉物の有意な電気化学的反応を誘導するためには、充分な大きさではないことが、好ましい。たとえば、グルコースに対しては、印加電位差が、典型的には、約+100mVであり、DC電位を使用するときには、約+550mVである。AC電位を使用するときには、典型的には、5から100mVRMSであり得る。
【0084】
電位は、サンプルがサンプル受け取り室に入り始める前あるいは後において、印加しても良い。しかし、サンプルが、サンプル受け取り室に入った後において、電位が印加されることが好ましく、テストを行うために、サンプル受け取り室中のサンプル量が、充分であるということを決定された後に行うことがより好ましい。電位の印加のタイミングは、使用者による可視観察、テストストリップに対する流体のサンプリングに続く時間差、室中へのサンプル流体の十分な量の電気的検出あるいは自動検出などの種々の方法によりトリガーされる。可視法およびその代替方法は、装置の正しい操作を確かなものとするために、重複する安全装置として作用する。好ましくは、テストストリップおよびシステムは、サンプル流体が、充分に室を充填したときを決定するために、投与充実電極などの別の検出手段を利用する。
【0085】
電位を、印加し、かつサンプル受け取り室中にサンプル流体が、あるときには、電流は、作用電極および対極のあいだに流れる。充分な大きさの電位を印加するときには、サンプル流体中の検体の電解の結果、電流が生じうる。この場合、電気化学的反応が、以前記述したように、一般的にレドックス媒介体を経由して、起こる。小さな振幅の電位を印加する場合には、特に、AC電位の場合は、ただ単に電解により生じるだけでなく、イオン移動およびサンプル室中の誘電体の応答により、生じる。この技術における当業者らは、同一結果を達成する多くの異なった反応メカニズムが、あるということを認識することになろう。
【0086】
対照溶液
対照溶液投与されたかどうか、および正しい対照溶液が、投与されたかどうかを確かめるために投与後、テストストリップに対してテストを行う。全システムが、デザイン仕様内で機能しているかどうか、およびテストストリップが、不正に貯蔵されたかどうかあるいはそうでなければ、誤った処置をしたかどうかを確かめるときに、この対照溶液が使用者に役立つ。許容されるストリップは、テストされる特定のストリップロットに対して、特定の許容範囲内の値を取り戻す。問題になる許容範囲は、容器ラベル上の各ストリップロットに対して公表される。
【0087】
ストリップ製作方法
好ましい実施形態においては、このセンサーは、多積層体テストストリップ10を含む。以前記述したように、積層体は、ベース基板12、スペース層14およびカバー層16を含んでいる。これらの部品は、種々の方法で組み立てられる。たとえば、これらの部品は、接着剤、加熱シール、レーザー溶接および隣接する材料を固定するための種々の他の適当な技術により、組み立てられる。テストストリップは、単一のシートあるいはウェブ上で多量に組み立てられ、またその後このストリップは、貯蔵および使用のために分離される。
【0088】
積層体テストストリップは、1度に1層を連続的に置くことにより、連続して組み立てられる。あるいは、テストストリップは、個々の部品あるいは層を組み立てまた処理することにより製作され、かつその後それらは、共に積層され、機能性テストストリップを与える。1つの好ましい形式においては、テストストリップの2つ以上の基本的な部品は、同時に製作される。その後、1つの積層工程あるいは一連の積層工程において、基本的部品は、テストストリップを作るために組み合わされ、それは、それ以上の処理を必要とするか、あるいは必要としない。好ましい実施形態においては、3つの基本的な部品、好ましくは基板上に定められる金属電極上に塗布された試薬層をもった金属性基板、その中にあらかじめ形成されたキャビティをもつスペース層、および1つ以上のトップあるいはカバー層から組み立てられる。
【0089】
サンプル受け取り室に対するそのような小さな寸法を用いて、試薬層の特性は、特に水和および混合特性の観点から、テストストリップの操作に有意な影響を与えうる。したがって、試薬層の量、位置、厚さおよび他の特性の再現性が重要である。したがって、この組成物は、適用される層の均一性および平坦性などの物理特性を特に高める材料を含むことが好ましい。
【0090】
1つの特定の態様においては、テストストリップは、試薬を組み入れるユニークな方法を含んでいる。この試薬は、サンプル受け取り室中の少なくとも作用電極上および好ましくは、対極上にも置かれている。試薬は、当技術においてよく理解されているように、種々の方法でテストストリップに適用されても良い。好ましい実施形態においては、試薬組成物は、ベース基板上に支持されている電極上の薄い塗膜として適用される。
【0091】
具体的には、試薬はベース基板とスペース層とのあいだに試薬組成物を置く方法で、ベース基板上に置かれる。この適用方法が、試薬層をより平坦にまた厚みを均一にするのに役立つ。対照的に、先行技術の手法は、まず第1に、反応ウエルあるいはキャビティを作り、次に試薬をこのウエル中に充填する。しかし、このことは、ウエルの周囲におけるメニスカスの形成などの現象により、より不均一な層を生じることになる。同様に、これが、内部よりも反応ウエルの側壁に隣接して、異なる厚さをもつ試薬を生成させ、それが、室の充填における不調和、長時間の溶解間隔、およびサンプル流体と試薬の不調和な混合および最終のテスト結果を生じる。スペース層が加えられる前に、試薬をベース基板上に置くことにより、試薬がベース基板上で乾燥されるときに、試薬の均一層を妨害するメニスカス作用は生じない。さらに、この適用方法は、テストストリップの大量生産を推進する。
【0092】
図を参照して、テストストリップ10は、ベース基板12およびスペース層14のあいだに延びる試薬層33を含むものとして示されている。具体的に、試薬はベース基板12のトップ表面および電極28の双方をカバーする層33を形成する。試薬は、少なくとも作用電極をカバーし、また好ましくは、対極をもカバーする。最も好ましい実施形態においては、試薬層はテストストリップの全幅に延びている。この試薬層も、終端からベント開口まで延びている。このようにして、試薬層はスペース層の下に広がり、かつスペース層およびベース基板間に挟まれている。
【0093】
試薬組成物は、最終的には、スペース層の下に延びている所望の均一層を提供する適当な方法で底あるいはベース基板に適用されている。試薬は、ベース基板上にまたその上に受け取られる電極上に直接に連続塗膜で適用されることが、好ましい。以下に記述されているように、試薬組成物は、材料のウェブ上の大量のテストストリップを生産する過程で、適用されるのが最も好ましい。この方法においては、試薬は後に個々のテストストリップに分離される基板ロール上に延びる材料の連続ストライプとして適用しても良い。この試薬組成物は、乾燥されあるいはそうでなければ、配置されて、スペース層がその上に適用される。
【0094】
関係する態様において、スペース層を底基板に固定する好ましい方法は、接着剤を使用することである。層を固定するためには、さらに、底基板とスペース層とのあいだにある空間をシールする手助けとなるように、接着剤を、試薬組成物と充分にかみ合わせることが、見いだされた。接着剤は、ベース基板上に積層されるスペース層上に置かれるのが好ましい。これにより、スペース層の下に延びる試薬の部分と接触する。
【0095】
図示されている実施形態のスペース層はその両側に接着剤を用いて、メリネックス(登録商標)材料から形成されているが、両面テープなどの連続接着材料として、スペース層14を形成することも可能である。
【0096】
更なる態様においては、検体が、グルコースである好ましい実施形態を記述する。グルコースの場合には、試薬組成物の活性成分は、典型的には、グルコースに対する酵素として、オキシドリアクターゼ、状況に応じて、補酵素あるいは共同因子、およびレドックス媒介物を含む。これらの成分は、典型的には、マトリックス中に溶解されあるいは懸濁される。液体テストサンプルは、マトリックスを水和しあるいは溶解し、検体は、マトリックス中を拡散し、1つ以上の活性成分と反応する。典型的には、酵素は、酵素は、テストサンプル中のグルコースを酸化して、グルコノラクトンおよび/またはグルコン酸にする。順番に、媒介物は、還元された酵素と反応するかあるいは酸化し、結果として媒介物はこの方法で還元される。還元された媒介物はテストストリップの電極のひとつにおいて検出される。
【0097】
ヒトの血液中のグルコースの検出に有用な酸化/還元反応スキームの具体的な例において、グルコースを含むテストサンプルは、グルコース−ジオキシドリダクターゼ(Gluc−Dor)などの酵素と反応し、状況に応じて、レドックス媒介物の存在下に、ピロロ−キノリン−キノン(PQQ)などの補酵素あるいは共同因子と反応する。たとえば、この媒介物としては、ベンゾキノン、遷移金属錯体、たとえば、フェリシアナイドカリウム、オスミウム誘導体(たとえば、WO98/35225記述されているようなオスミウムビリジル錯体)およびニトロアニリン誘導体(米国特許第5286362を参照のこと)などが、挙げられる。この手法は、検体の酸化された形態、グルコノラクトンおよびレドックス媒介物の還元された形態を生成する。その後、媒介物が媒介生成物と還元媒介物のレドックス等価物のあいだを往復し、拡散により電極表面に達する。そこで、媒介物は定量的に定められた陽極電位で酸化され、そして生じた電流が、見かけのグルコース濃度に関係する。
【0098】
ニトロソアニリン誘導体を用いた反応システムに対する連続反応の表示を、式1中に、以下に示す。
【0099】
【化1】
【0100】
示されたように、ニトロソアニリン誘導体であるo−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリンは、最初は、互いに平衡して、2つの異性体あるいは互変異性体の混合物として存在する。テストサンプル中でのグルコースとGluc−Dorの反応により、グルコノラクトンおよび還元された形態のGluc−Dor(Gluc−Dor2H+)を生成する。還元された形態のGluc−Dor(Gluc−Dor2H+)は、還元されGluc−Dorを再生するニトロソアニリン誘導体と迅速に反応する。その後還元されたニトロソアニリン誘導体は、加水分解を受けて、キノンジイミン(QD)を形成する。第2酵素レドックス反応においては、Gluc−Dorは、グルコースと反応して、他の分子のGluc−Dor2H+およびグルコノラクトンを生成する。Gluc−Dor2H+は、(酸化により)キノンジイミンと反応して、Gluc−Dorを再生し、またフェニレンジアミン誘導体(PD)を生成する。その後PDは、作用電極において酸化されて、グルコース濃度に関係する電流を生じる。さらに、対極においては、QDは、PDに還元されうる。
【0101】
補助剤
サンプル受け取り室に対するこのような小さい寸法を用いた場合、試薬層の特性は、特に水和および混合特性の観点から、テストストリップの操作に対して、有意な影響を与えうる。量、位置、幅、厚みおよび他の試薬層の特性の制御および再現性は、室容量が小さくなり、かつテスト時間が減少するにしたがって、より重要になる。したがって、この組成は、用いられる層の均一性および平坦性などの物理特性を特に高める材料を含むことが、望ましい。さらに、適用方法が、試薬層の物理特性、制御および再現性に影響を与えうる。
【0102】
したがって、試薬組成物は、試薬の反応性あるいは特性を高めるために種々の補助剤を含むことができる。たとえば、この組成物は反応組成物のテストストリップへの配置を促進するために、またストリップへの粘着性を向上させるために、補助材料を含んでも良い。組成物は、水和速度を増加させる材料および/またはテストストリップをもっている室を充填するための毛細管作用に対する影響を増加させるための材料も含んでもよい。反応組成物と共に用いられる補助材料の例としては、増粘剤、粘度改質剤、膜形成剤、安定剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開口剤、着色剤およびチキソトロピー性を与える剤が挙げられる。
【0103】
補助材料あるいは補助成分は、試薬層の適用性、再現性および物理特性に影響を与えうる。補助材料は、次の1つあるいはそれ以上を含むことができる。
【0104】
増粘剤としては、たとえば、(1)澱粉、ガム(たとえば、ペクチン、グアガム、イナゴマメ(カロブ豆)ガム、コンジャックガム、キサンタンガム、アルギニンおよび寒天)、カゼイン、ゼラチンおよびフィココロイド、(2)セルロース、および半合成セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)、(3)ポリビニルアルコールおよびカルボキシビニルエステル、および(4)ベントナイト、ケイ酸塩およびコロイドシリカが挙げられる。好ましい増粘剤は、米国CPケルコ社のケルトロールFの商品名で販売されているキサンタンガムおよびハーキュリーズ社アクアロン事業部によりアクアロン(登録商標)CMC7FPHの商品名で販売されているカルボキシメチルセルロースの組み合わせである。
【0105】
試薬組成物中で有用な膜形剤およびチキソトロピー剤としては、ポリマーおよびシリカが挙げられる。好ましいチキソトロピー剤としては、デグッサ社により珪酸シペルナートFK320DSの商品名で販売されているシリカが挙げられる。好ましい膜形成剤としては、BASF社によりポリビニルピロリドン・コリドン25の商品名で販売されているポリビニルピロリドンおよびポリビニルプロピオン酸塩が挙げられる。
【0106】
試薬中の酵素用安定剤は、サッカリドおよびモノあるいはジ−脂肪酸塩から選択できる。好ましい安定剤としては、シグマケミカル社によりD(+)トレハロース2水和物の商品名で販売されているトレハロースおよび琥珀酸ナトリウムが挙げられる。
【0107】
洗浄剤は、水溶性石けん、ならびに、たとえばオレイン酸またはステアリン酸のような高脂肪酸の、アルカリ、アルカリ土類または任意に置換されたアンモニウム塩、たとえばココナッツまたはタロー油からの天然脂肪酸の混合物、脂肪硫酸、スルホン酸のエステル、脂肪酸のアルカリスルホン酸タウリン塩の塩、脂肪酸アミドおよびエステルアミドのような、水溶性合成表面活性化合物から選択可能である。本発明のために好ましい洗浄剤には、エステルアミド、ドジンドウ モレキュラー テクノロジーズ社(Dojindo Molecular Technologies,Inc.)によって、商標名Mega−8で販売されている、n−オクタノイル−N−メチルグルカミド、および脂肪酸塩、ローディアHPCII(ホーム、パーソナルケア アンド インダストリアル イングリディエンツ(Rhodia HPCII(Home, Personal Care and Industrial Ingredients))によって、商標名Geropon T77で販売されている、N−メチルオレイルタウリン酸ナトリウム塩が含まれる。
【0108】
以上記述した特定の添加物は、さらなる特性を示すことができるし、またその結果、以上示した1つ以上の項目中において、分類され得ることを理解するべきである。
【0109】
媒介物
試薬組成物中で使用される媒介物は、酵素、検体および任意で共同因子を含む反応スキームおよびその反応生成物に関与し、検出可能な反応生成物を作り出す化学種(一般的に電気活性)のいずれかとして選択できる。典型的には、反応中の媒介物の関与は、検体、酵素あるいは共同因子のいずれかとの相互作用による、酸化状態の変化(たとえば還元)、あるいはこれら1つの反応生成物である種(たとえば、異なる酸化状態に対して反応する共同因子)を含む。種々の媒介物は、適当な電気化学的挙動を示す。媒介物は、好ましくは、酸化された形態において安定させることもできるし、必要により、逆レドックス電気化学を示しても良いし、好ましくは水溶液中で良好な溶解性を示し、また好ましくは、迅速に反応して、電気活性の反応性生物を生じる。適当な媒介物の例としては、ベンゾキニン、メルドラ青、他の遷移金属錯体、カリウム鉄シアナミド、オスミウム誘導体(WO98/35225)およびニトロアニリン系媒介物(米国特許第5,286,362)が、挙げられる。好ましい実施形態においては、ニトロソアニリン系化学性を応用する。
【0110】
好ましい媒介物としては、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−p−ニトロソフェニルピペラジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、p−ヒドロキシニトロソベンゼン、N−メチル−N’−(4−ニトロソフェニル)−ピペラジン、p−キノンジオキシム、N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン、N,N−ジエチル−p−ニトロソアニリン、N−(4−ニトロソフェニル)−モルフォリン、N−ベンジル−N−(5’−カルボキシペンチル)−p−ニトロソアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソ−1−ナフチルアミン、N,N,3−トリメチル−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−5−ニトロソインドリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、2,4−ジメトキシ−ニトロソベンゼン、N,N−ビス−(2−メトキシエチル)−4−ニトロソアニリン、3−メトキシ−4−ニトロソフェノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−6−ニトロソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノン、N,N−ジメチル−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルチオ−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが、挙げられる。本発明による特に、好ましい媒介物としては、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、およびN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが、挙げられる。
【0111】
典型的な試薬組成物は、表1中に以下記入している。
【0112】
【表1】
【0113】
混合
試薬組成物の成分は、水と混合され均一な粘り気のある懸濁液を与える。添加の順序は、本発明に対して重大なことではない。試薬組成物を約pH7で維持するために、充分な量の緩衝液を添加する。典型的には、選択した成分を水とあらかじめ混合して種々の原料溶液を提供する。該原料溶液は組み合わせて最終試薬組成物を得ることができる。たとえば、緩衝液は、リン酸塩および必要により琥珀酸ナトリウムを組み合わせることにより、調製できる。他の原液は、増粘剤すなわち、ケルトロールFおよびカルボキシメチルセルロース、界面活性剤すなわちゲロポンT77およびメガ8、酵素および補酵素あるいは共同因子、および媒介物を含んでいる。
【0114】
次は、試薬組成物の調製の一例を提供している。試薬組成物は、まず次の原液を調製することにより調製できる。
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】
【0123】
【表10】
【0124】
緩衝液、ケルトロールF溶液、CMC溶液およびシリカ懸濁液は、前日に調製した。その後、これらの溶液を、以下の記述のように組み合わせて、試薬組成物を調製した。
【0125】
【表11】
【0126】
塗布前のこの試薬に対して、最終pHが、6.96であって、また5NKOH溶液で調整する必要が無かった。測定された粘度は、111mPasで、それは、105から115mPaの塗膜用の正しい範囲に入っていた。
【0127】
図5および図5Aは、本発明にしたがった有用なテストストリップを調製するための好ましいプロセス100を説明するフローチャートを提示している。プロセス100は、ベース層あるいはベース基板に対する膜材料の選択をして、工程102における中央プロセスライン101で始まる。好ましい実施形態において、膜は、多数のテストストリップを組み立てるために適した幅と長さをもった連続ロールとして、提供される。続く仕上げ工程においては、プロセスフィルムは、テストストリップの長さに近づけた幅をもつ単一のストリップあるいはウェブを与えるために分けられ、そして一連のテストストリップを含み、あるいは、個々のテストセンサー提供するために、ダイカットをすることができる。
【0128】
工程102から、この膜は、金属膜を受けるために事前処理され、かつ1つの連続プロセスにおいて金属で塗布された工程104に進む。前処理は、表面を洗浄あるいは改質し、次の金属処理された層の均一な塗膜厚および良好な接着を与えるために使用できる。前処理は、膜をコロナ放電あるいはアルゴンプラズマを受けさせることを含んでいる。この前処理のすぐ後に、106に示されているように、均一導電性膜を膜に適用する。あるいは、金属膜をもった適当な基板を、市販されているものから得ることができる。
【0129】
金属層は、金属様導電体である純金属、合金あるいは他の材料を含んでいても良い。金属あるいは金属性導電体の例としては、アルミニウム、炭素(グラファイトなど)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオビウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(高度にドープされた多結晶シリコン)、銀、タンタル、錫、タングステン、ウラン、ヴァナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、および合金あるいはこれらの材料の固溶体が、挙げられる。材料は、生物学的システムに対して本質的に不活性であるように選択されることが好ましく、その材料としては、金、白金、パラジウム、インジウム、あるいは、これらの金属の合金が含まれる。金属層は所望の厚みでよい。
【0130】
導電性塗膜は、スパッタリングに限定されるものではないが、物理的蒸気蒸着(PVD)、プラズマ補助装置付きの蒸気蒸着(PAVD)、化学蒸気蒸着(CVD)、電子ビーム物理蒸気蒸着(EBPVD)および/または有機金属化学蒸気蒸着(MOCVD)を含めた種々の方法により適用される金属層であることが、好ましい。蒸気蒸着は、典型的には、真空下で行われる。これらの技術は、当技術では良く知られており、基板上に金属の均一な薄い塗膜を選択的に設けるために使用される。得られた金属処理された膜は、金属塗膜が均一で、かつ材料欠陥の無いことを検査することができる。
【0131】
金属処理された膜のロールは、次に工程108に遭遇し、そこでは、さらに分割され、および/または個々のテストストリップの最終長さに近接する幅をもったウェブを与える大きさにされる。薄く切り取ることは、当技術で公知の固定されたナイフスリット装置を使用して達成できる。
【0132】
単一ウェブは、電極、トレースおよびコンタクトあるいはパッドの模様を付けるための工程110に進む。この工程において、電極、トレースおよびコンタクトパッドは、ウェブストリップの表面から金属を除去することにより、形成できる。余剰金属は、当技術で公知の種々の技術を用いて除去できる。この工程において、1つ以上の指標付けマークあるいは登録マークは、電極に近接している第1端、電極パッドに近接した向かい側の第2端上に、両端上にあるいはそのあいだのいずれかの場所上に形成できる。指標付けマーク、特に端にあるものは、次の操作中に使用できて、別の操作において事前に組み立てられた層付きの部品を配列する。
【0133】
好ましい方法において、金属は、金属の望ましくない部分を除去するためにレーザー切除されて、所望の電気的部品を残す。この方法にしたがって、選択された領域は、「広領域」で、集束レーザービームの線形移動に対して、同時にレーザーエッチングされる。この広領域レーザー切除法は、正確な金属パターンを、迅速に、かつ他のアプローチに比較して削減されたコストで提供する。その後、模様を付けられた基板のコロナ処理を工程111で行う。
【0134】
模様を付けられたウェブは、試薬層が電極上に堆積される工程112まで続いている。好ましい実施形態においては、試薬層は、第1端に隣接しあるいは近接して延びており、かつ模様を付けられたウェブ上に形成された測定電極に重なる連続電極として堆積される。以前に指摘したように、したがって、試薬は、サンプル受け取り室の横の外側およびベース基板とスペース層とのあいだにある領域を含めて、テストストリップの全幅を横切って置かれる。また指摘したように、このことが、不連続性の無い、端効果のないあるいはサンプル受け取り室内の薄い、平坦で均一な試薬層を提供することを損なう他の変化の無い試薬の乾燥を促進する。この試薬は、成分の組み合わせを包含し、かつ蒸着の後の流出を最小または無くして迅速に乾燥するように調製される。
【0135】
このストライプは、所望の程度および厚みの均一性、ストライプ端の精度、均一性などを提供する適当な方法に適用しても良い。好ましい方法は、所望の塗膜を比較的迅速で高いバッチサイズで適用可能である。適用の好ましい方法は、当技術では公知であり、またしたがって、ここでは詳しく記述しない。
【0136】
スペース層の調製
ここで、プロセスライン114を参照して、スペース層の調製するためのプロセスフローを説明する。工程116で始めて、材料は、工程112で調製した試薬塗布ウェブのトップ上に積層するためのスペース層を調製するために選択される。基板用のベース膜は、多くの材料から選択できる。ベース層と同様にスペース層材料は、便利に迅速にかつ高効率で処理できる長いロールとして提供できる。好ましい材料としては、デュポン社によりメリネックス(登録商標)の商品名で販売されているポリエステルフィルムが含まれる。本発明での使用に適した他の材料は、PENを含むことができる。スペース層材料は、他のストリップ部品に対するスペーサを積層するために使用される連結層の厚みと組み合わされたとき、テストストリップの各々に所望の室深さ(あるいは高さ)を提供するために、特に選択される厚みをもっている。好ましい実施形態において、スペース層は、約75μmから約150μm、さらに好ましくは、約100μmから約125μmのあいだの厚みをもつように選択される。以上で指摘したように、スペース層を、両面接着剤で形成することができる。
【0137】
該スペース層は、底基板ウェブ上に電極と共に配列する一連のギャップをもつ連続膜として、形成されることが好ましい。スペース層および底基板を接合している方法は、スペース層を作る方法に影響を与える。たとえば、スペース層が、底基板に対して熱溶接される場合には、スペース層は、単純にダイカットされて、適当に間隔をあけた室ギャップを提供しても良い。しかし、好ましい方法は、隣の層と接合する薄い非干渉性接着剤の使用である。この好ましい方法にしたがって、スペース層は、以下に記述されるように、以前記述された基板ウェブと組み合わせるために製作される。
【0138】
テストストリップ部品の残りと組み合わせるために所望の幅をもったスペース層膜が作られる。スペース層膜は不透明な部分を含んでいても良く、たとえば部分23は、他で記述したように、サンプル受け取り室を可視化するときに使用するために、青色あるいは他の色にプリントされる。スペース層膜は、組み合わせ接着剤およびリリースライナーを用いて、底側上に積層されまた、同様の組み合わせ接着剤およびライナーを用いてトップ側に積層される。
【0139】
工程118においては、2つの転写接着剤が、スペース層材料に積層される、第1転写接着剤は、スペース層のトップ表面に積層されまた第2転写接着剤は、スペース層の底表面に積層される。好ましくは、転写接着剤は、同じ接着剤である、しかし、他の実施形態においては、第1転写接着剤および第2転写接着剤は互いに異なることができる。好ましい実施形態においては、転写接着剤は、感圧接着剤を含めた通常に使用される公知の接着剤から選択される。好ましい接着剤は、室中のテストサンプルが、スペース層と試薬層あるいはベース基板のあいだから外れて移動することを避けるため、あるいは阻止するために、充分な疎水性を示す。適当な感性接着剤の例は、アドヘッシブズ リサーチ社からのARケア90132である。接着剤には、処理中にスペース層の時期尚早の接着を避けるために、リリースライナーが設けられる。このリリースライナーは、第1転写接着剤および第2転写接着剤の外部表面上に配置され、それは、スペース層材料から外側に面している。
【0140】
トップおよび底面に接着剤リリースライナーをもったスペース層は、工程120に進む。工程120において、サンプル受け取り室を形成するキャビティが、スペース層内に打ち抜かれる。1つの実施形態において、キャビティは、「キスカット」法を用いて打ち抜かれる。キスカット法とは、上部のリリースライナーを通って、上部の接着剤、スペース層、下部の接着剤をカットするが、下部のリリースライナーを通ってはカットしない。次の操作において、単純に下部のリリースライナーを除去することは、その後、下部の接着剤、スペース層、上部の接着剤および上部リリースライナーの打ちぬかれた部分を除去する。他の実施形態においては、キャビティは、中空の金型を用いて打ち抜かれる。中空の金型は、スペース層、2つの接着剤、および2つのリリースライナーを打ち抜くかあるいは切り取り、続いて中空の金型中に打ち抜かれた部分が除去される。各キャビティ間のスペースあるいはピッチが求められ、かつ正確に制御されて、試薬塗布ウェブ中にパターニングされた指標付けされたマークの1つあるいは双方を用いて、電極上に打ち抜かれたスペース層の正確な対形成を可能にする。
【0141】
工程122において、スペース層上の下部のリリースライナーは、キスカット部分と共に除去され、スペース層の下側の表面上に接着剤を暴露する。プロセスライン101中の工程124上に進行して、スペース層は、ウェブ上に事前に模様付けされた1つ以上の指標付けマークを用いて、電極セットのトップの直上に、打ち抜かれたスペース層中に形成される各キャビティを正しく配列させ、ウェブスペース積層体を設けることにより、試薬を塗布されたウェブ上に積層される。中央プロセスライン101中の工程126において、ウェブスペース積層体上の上部接着剤をカバーしている上部のリリースライナーは、カバー層を接着させるための調整にあたり除去される。
【0142】
カバー部分上への積層
工程128において、ボディカバー用材料が、プロセス中に導入される。好ましい例においては、この材料は、柔軟性のあるポリマー材料であり、たとえば、デュポン社のメリネックス454あるいはメリネックス339を選択しても良い。ボディカバー用材料は、テストストリップのサンプル受け取り室中の電極トレースの少なくとも一部に重ねるため充分な幅をもつような大きさにされている。
【0143】
ここでプロセスライン130を参照して、工程131のはじめから、膜材料が選択され、キャビティ上への室カバー、試薬およびウェブスペース積層体上への測定電極が設けられる。好ましい実施形態において、室カバー材料は、約100μmと約200μmのあいだの厚みをもった透明なポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)膜として、設けられる。塗膜は、好ましくは、ウェブスペース層上に積層する直前に除去することができるリリースライナーを含んでもよい。室カバーは、好ましくは、親水性材料から作られており、あるいは室カバーの底表面は、134に示されているように、それを親水性にするように処理しあるいは塗布してもよい。
【0144】
工程138においては、フィルム材料は、キャビティおよび電極に重なるように室カバーを形成するに充分な所望の幅をもつような大きさにすることができる。
【0145】
工程140に進んで、工程128からのボディカバーおよび工程138からの室カバーは、ウェブスペース積層体に積層される。好ましい実施形態において、ボディカバーおよび室カバーは、同時に、ウェブスペース積層体を用いて積層される。ボディカバーは、ベース基板上に形成される電極近くの電極トレースの部分上に置かれる。室カバーは、ウェブスペース積層体上にあるキャビティ、試薬、および測定電極上に置かれる。ボディカバーおよび室カバーは、ギャップにより隔てられ、テストストリップ中に形成されているキャビティの内部端においてベントを形成する。
【0146】
記述したように、室カバーは、ストリップの端近くに置かれ、スペース層の切り出し部分に重なり、切り出しの最内部をカバーしないままにしておく。まさに記述したように、この室カバーは、試薬室中への流体の移動を促進するために、親水性裏面を含んでいることが好ましい。室カバーは、ボディカバーからわずかに隔てられ、それにより、サンプル受け取り室と連通し、かつ上記したように、流体が室に入って来るにしたがって、空気を逃がすベント開口として働くギャップを形成している。
【0147】
スペース層の不透明性および室カバーの透明性は、共同して、最終テストストリップの使用者が、テストの進行を充分に観察することができる。構成したように、底基板あるいはその上に塗布される試薬層は、スペース層中の切り出しを通してまた透明な室カバーを通して見える。底基板および/または試薬は、明るい色であり、たとえば、明るい黄色をしており、スペース層の不透明着色と対照を成している。したがって、毛細管経路を経由した流体の進行は、テストを使用する人により容易に監視できる。さらに、スロット34は、ボディカバー上では疎水性になるように、また室カバー側上には、親水性になるように構成されているので、流体がスロットに到達するときには急速に停止し、このようにして、明確に定められた充填ラインを提示し、これによって充分な流体サンプルが室中に受け取られたという明瞭な指示を使用者に提供する。
【0148】
テストストリップの分離
工程140から、テストストリップの作製のための仕上げ処理工程が行われる。工程142において、以上で考察した単一テストストリップ10に類似している単一切り出しテストストリップを作るかどうかが決定される。もしそうであれば、工程142からの多積層体は、工程144に進み、単一テストストリップに切り出される。
【0149】
もうひとつの方法として、工程142からの多積層体は、工程148に進み、そこでは、個々のテストストリップ定めるために、またリボン上の隣接テストストリップ間の境界を穿孔するために、あるいは弱めるために、キスカットされる。さらに、工程149においては、テストストリップの端は、積層されたリボンに沿って切り出される。ウェブの一端は、キャビティ中に導かれるY−形状の開口をもったテストセンサーの流体受け取り端を形成するためにカットされる。テストストリップは、多数の、たとえば25本のストリップを含むカードに分割しても良く、それらは、フェンスカットされるだけであり、その後ガラス瓶あるいは散布器中に折りたたまれ、重ねられる。
【0150】
工程144あるいは工程149から進んで、加工されたストリップあるいはストリップのリボンは、工程146あるいは工程150それぞれにおいて、消費者による使用のために検査と最終梱包を受けることになる。
【0151】
図6〜図16は、部品のいくつかおよび/または図5および図5Aに関して先に記述したプロセス工程をより詳細に図示している。図6は、テストストリップを形成する際に使用するベース膜の一実施形態の斜視図である。ローラ間の材料上に進行するプロセス164および166で、1つ以上のローラ162上に巻き取られるベース膜160は、柔軟性の膜あるいはウェブ材料として供給されることが好ましい。
【0152】
この膜の前処理された上面を、参照番号166により説明し、かつさらに以上で完全に記述したスパッタリング、PVD、CVD、EBPVD、MOCVDあるいは他の適当なプロセスを用いて金属化処理をして、金属あるいは金属合金の均一膜を堆積させる。このプロセスは、金属層に対して、単一あるいは多重のターゲット源を使用することができる。金属化処理された膜168は次に、参照番号172により示されているように、膜をカットしあるいはスライスすることにより、複数の金属化処理された膜たとえば、170a、170bおよび170cに区分または分割されうる。導電性の、金属化処理された膜170の各分離されたロールを、その後、単一コア上に巻き取ることができ、あるいは好ましくは、複数の異なるコア上に巻き取ることができる。
【0153】
電気部品は、図7の一実施形態に示すように、導電性膜から形成されている。膜170の金属表面は、電極、トレ−ス、コンタクトパッドあるいは他の意図される機能を形成するために不要な金属部品を除去するために処理される。本プロセスは、レーザー切除あるいは他の技術を用いて正確に制御できる。本プロセスは、複数のセットの電極182、トレース184、およびコンタクトパッド186を提供する。本プロセスは、複数の指標付けマークあるいは登録マーク176を第1端178に沿って提供し、および/または反対の端180に沿って同様の登録マーク177を提供することもできる。図7に示すように、電極パターンの反復特性は、登録マーク177を形成する。好ましくは、各セットの電極および/またはコンタクトは、それぞれ、少なくとも1つの指標マークあるいは登録マーク176および177と関連している。
【0154】
図8は、試薬塗布ウェブ188の一部を図示している。試薬組成物は、柔軟なウェブ材料の表面上に堆積される。試薬層190は、カーテン塗布、熱融解塗布、回転スクリーン塗布、ドクターブレード塗布あるいはエアーナイフ塗布、マイヤーバー塗布および逆ロール塗布技術を含む種々の塗布方法を用いて堆積される。好ましくは、試薬層は、約50μmから約100μmのあいだの厚み、より好ましくは、約60μmから約80μmのあいだの厚みで、湿潤した組成物として柔軟性ウェブ上に堆積される。ウェブ188は、連続した細いバンド192として、直接電極セット182のトップ上およびウェブ188の長さに沿って試薬190の均一で薄い層を塗布することにより設けられる。好ましい実施形態において、細いバンド192は、約5mmから9mmのあいだの幅と約2μmから約10μmのあいだの乾燥厚みをもっている。図8に描かれたように、試薬層190は、半透明である。
【0155】
図9は、本発明にしたがって組み立てることができるスペース層アセンブリ194の分解組立図である。スペース層アセンブリ194は、好ましくはポリマー材料で形成されているスペース層196を含んでいる。スペース層196は、着色された(図2、部分23に相当する)バンドあるいは部分197を含んでいる。製造プロセスにおいては、スペース層196は、ロール198中に設けられ、さらにトップと底上で接着剤を用いて上塗りされる。
【0156】
トップ接着剤は、トップあるいは「きつい」リリースライナー202をさらに含むロール200中に設けられ、それは、更なる処理、接着剤204および低いあるいは「ゆるい」リリースライナー206に耐えられるように適用されている。本発明において使用するための好ましい接着剤204は、アドヘッシブズ リサーチ社によりARケア90132の商品名で販売されている感圧接着剤を含む。組み立てのあいだ、底リリースライナー206は除去され、かつまだ存在しているトップリリースライナー202を有する得られた生成接着剤208は、図9のトップに示しているように、スペース層196に接着されている。
【0157】
同様に、底の接着剤は、トップあるいは「きつい」リリースライナー212をさらに含むロール210内に設けられ、そしてリリースライナーは、接着剤214および下部のあるいは「ゆるい」リリースライナー216の処理に耐えるように適用される。本発明において使用するための好ましい接着剤214は、アドヘッシブズ リサーチ社によりARケア90132の商品名で販売されている感圧接着剤を含む。組み立てのあいだ、底リリースライナー216は除去され、かつスペース層196から離れて対面しているトップリリースライナー212を有する得られた生成接着剤218は、図9に示しているように、スペース層196に接着されている。接着剤204は、接着剤214と同一かあるいは異なっていても良い。
【0158】
図10は、前毛細管220a、220b、220cなどを形成するための切り込まれたスペース層196を示しており、また図8を参照して記述されているように、ベース基板材料188のウェブに対して積層される状態にある。前毛細管220は「キスカット」技術を用いて形成することができ、そこではトップリリースライナー202、接着剤204、スペース層196および接着剤214を介してカットするが、上に示したように、スペース層196から離れて対面しているリリースライナー212をカットしない。そこで、リリースライナー212は、トップリリースライナー202の部分、接着剤204、スペース層196および既にカットされた接着剤214と共に除去される。切り開かれているこれらの部分は、「毛細管トリム」すなわち、前毛細管220のような形状をしたサンドウィッチの層を含む。この「トリム」は、なんらかの材料が欠けているキャビティ220を残して、リリースライナー212と共に除去される。リリースライナー212が除去されると、先ほど記述した毛細管トリムを常に含んでいることを確かめることが検査できる。得られた一連のキャビティ220は、テストストリップ中に測定電極セット上に、一連の経路220の各1つの経路を直接置くために、選択された所望の距離だけ互いに離れて置かれる。そこで、暴露される下部接着剤をもっているスペース層196は、指標付けマーク176によりウェブ188に配列され、そこへ積層される。一連の経路220の各毛細管経路は、1セットの測定電極182に重なる。
【0159】
図11は、ウェブ188に対してスペース層196を積層することにより形成されるアセンブリ230を図示している。図11では、上部リリースライナー202はトップ接着剤208から除去され、それにより、アセンブリ230がそこへ追加の材料を組み立てる準備ができる。図12に示しているように、室カバー層材料のウェブ240およびボディカバー材料のウェブ234が、アセンブリ230の暴露された上部接着剤208の上に配列され、またそこへ接着されようとしている。図12に描かれているように、室カバー層240は、クリアであり、またキャビティ220に面している側に少なくとも親水性塗膜(塗膜21、図2を参照のこと)を含んでいる。このことが、サンプル受け取り室中へのまた電極および試薬層上への、液体サンプルの移動あるいは移送を促進する。ボディカバー234は、不透明で、示されているように着色され、また好ましくは疎水性である。カバー層240およびボディカバー234は、図9を参照して上記したものと同様に、リール上に設けることができる。
【0160】
好ましくは、室カバー材料240は、ボディカバー材料234よりわずかに薄い。室カバー材料240およびボディカバー材料234が他の層(以下に記述する)に積層された後、アセンブリは最終処理工程を待つために巻き戻される。ボディカバー材料234が室カバー材料240より厚い場合には、ボディカバー材料234は巻き戻され、かつ貯蔵される際に、ウェブに与えられるより多くの圧力あるいは力を吸収する。このように、巻き戻されるにしたがってウェブから接着剤がにじみ出てくる場合には、この接着剤は、ボディカバー材料234の周りにはにじみ出てくるが、室カバー材料240の周りには、にじみ出てこない。このように、より薄い室カバーが、ロール処理のあいだにその下から接着剤がにじみ出てくる可能性を減少し、最終的に生成されるテストストリップを劣化または破壊させうる毛細管領域への侵入の可能性を減少させるために有利である。
【0161】
図13に示されているアセンブリ260は、図12に示されているアセンブリ230に対してウェブ234および240を積層して、かつその後投与端250を形成させるためにウェブの端を切り取ることにより生産される。投与端250は、矢印252により示されているように、カットブレードが、ウェブ端を横断して移動するせん断カットにより形成されるのが好ましい。対照的に、毛細管を損傷することなく、金型打ち抜き技術を使用することはより難しい。投与端250に沿ってのせん断カットも、前毛細管220の一部を切り取り、かつ毛細管222の最終容量を定める。毛細管222は、示されているように、張り出しのあるいはY字形状の開口を含んでいることが好ましい。好ましくは、室カバーウェブおよびボディカバーウェブのあいだに、ギャップ262が形成され、かつこのギャップが、個々のテストストリップ中のベント開口を、最終的に提供することになる。好ましい実施形態においては、ギャップは、1.0mmおよび約1.6mmのあいだの幅をもっている。しかし、上記で示したように、このギャップは、その下側(図1B)に形成される切り欠きをもつ単一カバー層を有することにより、あるいはボディカバーに重なる室カバーをもつカバー層を使用することまたはその逆により(図1C)置き換えることができる。
【0162】
図13を参照して、アセンブリ260は、点線262および264により示されるように、さらなる処理をする準備ができている。図14では、複数の個々のテストストリップたとえば、脱着可能に接続されている278a、278bおよび278cをもっているキスカット・ストリップ276がある。キスカット・ストリップ276は、図13中のライン262に沿って上端で切り取られあるいはカットされ、一連の毛細管経路222の各々の中に、非常に小さな流体サンプルを補足しやすくするために適したプロファイルおよび/または構造をもっていることが観察できる。図示した実施形態においては、キスカット・ストリップ276は、Yカット毛細管経路222のセットの端を暴露する平坦な作業端280をもっている。第2端282の得られる構造は、単一ストリップを計量器(図示せず)中に挿入し易いように設けることができる。たとえば、第2端282は、登録マークおよび/またはタブ、カットスロット、あるいは一方向のみで計量器中に挿入可能なように設計された構造をもっている(図1の矢印31を参照のこと)。
【0163】
図13を参照して、コンタクトパッド288の端177は、示されているように一定ピッチ「P」だけ、隔てられており、したがって、端177は登録マークとして使用できる。他の処理工程においては、第1端および/または第2端上のいずれかの指標付けマークあるいは登録マーク176および177は、正確に「キスカット」するために使用可能であり、積層構造260から個々のテストストリップを切り取る。
【0164】
図15は、図13および図14中に示されている点線264を通してカットされて形成されるうち抜かれたテストストリップ290の一実施形態の斜視図である。図15に図示されているストリップ290は、実質的にはテストストリップ10として上述してきた。ストリップ290は、他のテストストリップとは別に、個々のテストストリップとして提供される。
【実施例】
【0165】
具体例によれば、テストストリップは、記載された方法に基づいておよび次のような材料を使用することにより形成される。底基板は、50nmの金層を用いて表面塗布されており、また43〜45mmの幅に切られている。ほぼ40mm×10mmのフィールドサイズを用いて、レーザー切除(308nm)を行う。スペース層アセンブリは、白のメリネックス(商標)339のスペース層フィルムで厚みが、0.1016あるいは0.127mm(4あるいは5mil)を含む。底接着剤およびトップ接着剤は、接着研究所アーケア90132接着剤で、0.0254あるいは0.0127mm(1あるいは1/2mil)であり、厚みが0.0508mm(2mil)であるリリースライナー間に挟まれている。毛細管経路は、1.500mm±0.050mmの幅と9mm±0.150mmのピッチ(スペース)をもって形成されている。
【0166】
ボディカバー18は、メリネックス454、453あるいは339材料で、厚さ0.127mm(5mil)のストリップを含んでいる。室カバー20は、たとえば、厚さ0.1016mm(4mil)のメリネックス454あるいは453から形成されたポリエステルあるいはポリエチレンナフタレート材料を含んでいる。示されているように、室カバーは、好ましくは、毛細管経路に隣接して親水性の裏面をもつように処理されあるいは塗布されており、血液試料品の経路中への移動を促進する。好ましい実施形態において、室カバー20用のメリネックス453箔(4mil)が、アドヘッシブズ リサーチ社からのARケア90037を用いて、親水性材料21のその裏面上に塗布されている。好ましくは、室カバー材料は、当初は、幅広い材料として形成され、また調製後所望の幅に切り取られる。
【0167】
テストストリップの例
次の材料を、ストリップ中で使用する:
ベース基板層12 メリネックス329 9milまたは329 10mil
導電性層26 スパッタされた金 50nm
下部接着剤層49 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
スペース層14 メリネックス329または339 4〜5mil
接着層46 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
ボディカバー18 メリネックス339または329または454 5mil
室カバー20 メリネックス339または329または454 4mil
親水性フォイル21 ARケア90037
【0168】
ストリップの貯蔵
ストリップは、種々の方法で包装しても良い。たとえば、押し上げ式プラスチック瓶(たとえば、10、25あるいは50カウント)中に詰めても良い。全ての容器は、許容される保管寿命を保証するために必要な乾燥材料を含む。テストストリップは、好ましくは、提供されているように密閉容器内で4℃〜32℃のあいだで貯蔵したとき18ヶ月の最低保管寿命を示す。
【0169】
本発明の原理を組み入れた好ましい実施形態は、以上で開示してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されない。その代わりに、この応用は、本発明が関係し、かつ従属クレームの制限内に入る技術において、公知のあるいは通例の実践以内に来るような本開示からの逸脱をカバーすることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明にしたがうテストストリップあるいはバイオセンサーの透視図である。
【図1A】図1に示したテストストリップの拡大部分透視図であり、新しいベント開口あるいはスロットの1つの実施形態を図示している。
【図1B】本発明にしたがったベント開口あるいはスロットの他の実施形態を図示する拡大部分透視図である。
【図1C】本発明にしたがったベント開口あるいはスロットの他の実施形態を図示するおよびバイオセンサーのサンプル受け取り室に対する開口の他の構造をも図示する拡大部分透視図である。
【図2】図1のバイオセンサーの分解斜視図である。
【図3】図1のバイオセンサーの一部の断面図であり、さらに図1および2から外された接着剤層を図示している。
【図4】基礎となる詳細を示すために壊された部分をもった図1のバイオセンサーの部分の平面図である。
【図5】本発明にしたがうバイオセンサーの製造法用のプロセスフロー図を示している。
【図5A】本発明にしたがうバイオセンサーの製造法用のプロセスフロー図を示している。
【図6】本発明のバイオセンサーの底基板を形成する際に有用なウェブ材料のオープンリール式の処理およびカットを示す透視図である。
【図7】ベース基板上の電気部品の典型的なパターンを示す帯紐部分の透視図である。
【図8】そこに塗布された試薬組成物を含んだ図7の帯紐部分の透視図である。
【図9】スペース層および関連接着剤層およびリリースライナーを示す分解斜視図である。
【図10】切り出された前毛細管室をもったスペース層およびその上に電極パターンをもったベース基板に積層するために並べられるスペース層の分解斜視図である。
【図11】スペース層を用いたベース基板の組み立ての透視図である。
【図12】ベース基板およびスペース層上へのアセンブリ用のボディカバーおよび室カバーの組み合わせを示す分解斜視図である。
【図13】バイオセンサーからなるいくつかの層を含むアセンブリの部分を示す帯紐部分の透視図である。
【図14】いくつかの脱着可能なバイオセンサーを含む帯紐部分の透視図である。
【図15】組み立てられた帯紐から離れた単一バイオセンサーの透視図である。
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2003年6月20日に出願された米国特許仮出願番号第60/480397号に優先権を請求する。
[技術分野]
本発明は、一般的に、検体の濃度に関しての体液テストに関するものであり、さらに、詳細には、そのようなテストをするためのテストストリップあるいはバイオセンサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テストストリップは、テストサンプル中の選択された検体の存在および/または濃度を測定するために、しばしば使用されている。たとえば、種々のテストストリップが、糖尿病患者の血糖レベルをモニターするために、グルコース濃度を測定するために使用されている。これらのテストストリップは、試薬組成物が、堆積された反応室を含んでいる。テストストリップにおける最近の傾向は、より小さなサンプルとより早い分析時間を要求している。このことは、患者に対して有意な恩恵を提供し、体のより敏感でない領域から得ることができる小さな血液サンプルを使用することができる。さらに、テスト時間がより早くなり、またより正確な結果を得られるので、患者は、血糖レベルを良好に制御できる。
【0003】
より小さなサンプル容量に関しては、サンプル流体が、毛細管作用によりそこに引き込まれるように、充分に小さな反応室をもっているテストストリップを提供することは、公知であり、それは、サンプル流体の表面張力および表面積を最小にするための熱力学傾向から生じる現象である。たとえば、米国特許第5141868号は、毛細管作用によりそこにサンプル液体を引き込むために充分小さくされたキャビティをもつテストストリップを開示している。このキャビティは、プレートの横面に沿って、長さ方向に延びる2つのエポキシストリップにより、約1mmほど間隔をあけられた2つの平行なプレートにより定められる。このキャビティは、両端で開口しており、そのうちの1つは、サンプルを受け取り、他の端は、空気が逃げるようになっている。このキャビティは、電極構造を含み、またテストストリップにより行われるテストに適当な材料の塗布を行っている。
【0004】
他のさまざまなテストストリップデザインは、そこへサンプル流体を引き込み、かつ空気が逃げられるようなベント開口を含んだ毛細管キャビティを含んでいる。典型的には、ベント開口は、パンチで打ち抜かれ、あるいはサンプル受け取りキャビティを形成するトップあるいは底膜中に形成される。キャビティに対して正確にベント穴を置く必要があるために、製造問題が生じる。たとえば、キャビティが、テストストリップ内で、長さ方向に中央部に配置されるとすると、中央の左あるいは右に配列されるベント穴は、キャビティとは接続されないしあるいは連通しないことがある。ストリップは、典型的には、連続したウェブから、大量生産されるものであるから、ベント穴の配列におけるエラーは、数百あるいは数千のテストストリップに、影響するものとなる。
【0005】
さらに、ベント開口の穴を打ち抜くことは、別のプロセス工程と開口を形成するために切断金型あるいは他の機器を必要とする。最近のテストストリップにおいて、益々小さくなるキャビティサイズの観点から、ベント開口を形成することは、よりデリケートなプロセス工程になってきている。エラーの可能性を減少させ、かつ同じことを必要とするテストストリップ中のベント開口を形成することに関係するコストを削減することが望ましい。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、新しいスロットをもったカバー層付のテストストリップを提供する。該スロットは、該カバー層を2つの部分に分けて、そこに流体が、入ってくるにしたがい、テストストリップ中に形成されたキャビティあるいはサンプル受け取り室から、空気を逃すことができるベント開口を提供する。好ましい実施形態においては、カバー層は、透明であるため、使用者は、それを通してみることができるし、該スロットは、「充填ライン」としての2役を演じる。このようにして、使用者は、流体サンプルが、テストストリップに入ってくること、毛細管キャビティを進行することおよび該スロットあるいは充填ラインで停止することを、観察できる。これにより、サンプルサイズが、充分で、かつテストストリップが、正しく充填されたことを、使用者が確信できる。本発明のテストストリップは、テストストリップに対して横に該スロットを配列しなくても、またベント開口を打ち抜かなくても、大量生産できることが、有利である。
【0007】
その1つの形式において、本発明は、ベース基板に重なるカバー層を含むテストストリップを提供する。該ベース基板は、その上に配置された、流体サンプルと反応し、かつ測定される検体の濃度に相関できる測定可能な応答を生じる試薬層を、もっている。カバー層は、そのあいだにスロットをもつ室カバーおよびボディカバーを含んでいる。該スロットは、該試薬層上に置かれている。サンプル受け取り室は、該ベース基板および該カバー層のあいだに配置され、またスロットは、該サンプル受け取り室と連通している。該スロットは、流体が、入ってくるにしたがい、空気を逃すことができるベント開口を、カバー層中に定めている。
【0008】
カバー層は、その底に凹所あるいは溝を形成するスロットをもった単一構造をしているが、スロットはボディカバーと室カバーとのあいだに空間を形成するギャップが構成されることが好ましい。該スロットは、室カバーおよびボディカバーを互いに重ねることにより、形成することもできる。全ての場合において、該スロットは、まっすぐで、かつ、カバー層の幅を横切って、テストストリップの長さ方向あるいは縦軸に対して、実質的に垂直に配向して、延びていることが好ましい。該スロットのこの構造は、以下に述べるように、テストストリップを大量生産する場合に利点を提供する。
【0009】
他の好ましい形式において、テストストリップは、カバー層とベース基板とのあいだに配置されたスペース層を含んでいる。該スペース層は、カバー層とベース基板のあいだにあるサンプル受け取り室の高さ、周囲の長さ、および長さをさらに定める空隙を含んでいる。すなわち、該サンプル受け取り室は、該空隙により作られる縦壁によりその辺が境界され、そのトップはカバー層によって境界され、またその底は、好ましくはベース基板に重なる試薬層により境界されている。該空隙は、テストストリップの端における流体受け取り開口において始まり、ストリップの長さ方向に沿って延び、かつベント開口あるいはスロットで実質的に配列されている場所で終了する細長い経路として、形成されている。
【0010】
室カバーは、サンプル受け取り室の全長を実質的にかぶせるサイズに作られることが好ましく、その長さは、ここに考察するように、該スペース層中の空隙の長さに設定される。スロットの位置に対応する室カバーの内部端は、サンプル受け取り室の内部端とともに実質的に配列されている。この構造では、スロットにより定められる空気スペースおよびサンプル受け取り室の内部端により占められる空気スペースは、サンプル受け取り室が、スロットあるいはベント開口と連通するように結ばれ、オーバーラップしており、また空気がサンプル受け取り室を逃げる手段が、設けられている。このようにして、該サンプル受け取り室は、一方の端において該流体受け取り開口から、また他端においてはベント開口から、外気と連通している。小さなサイズのサンプル受け取り室は、流体サンプルをその中に迅速に引き込み、ベント開口を経由して空気を置換する毛細管効果を生じる。好ましい実施形態においては、該スロットは、ギャップとして形成され、かつ少なくとも置換された空気の一部は、テストストリップのトップから退出する。
【0011】
電極は、ベース基板上に形成され、かつサンプル受け取り室中に配置されることが、好ましい。以上に示したように、試薬層は、サンプル受け取り室中に配置されまた少なくとも1つおよび好ましくは両電極をカバーしている。より好ましくは、該試薬層は、スペース層の下に延び、また該スペース層と該ベース基板とのあいだに、実際に挟まれ、テストストリップの横端方向へ延びている。このようにして、該試薬層は、該サンプル受け取り室のほとんどあるいは、全部の底表面を定める。この試薬ストライプ構造は、以下に詳細に記述するように、製造における利点を提供する。
【0012】
本発明のテストストリップの他の好ましい態様は、サンプル受け取り室上に、透明あるいは半透明の室カバーを含んでいる。該サンプル受け取り室に入ってくる流体は、室カバーを経由して視認できる。さらに、テストストリップを使用する前には、サンプル受け取り室は、空でありまたその底は、室カバーを経由して視認できる。本発明のテストストリップが、流体サンプルとして、血液をテストするために使用される場合には、たとえば、血液の赤い色とは、対照をなす色として、試薬層を色付けすることが、望ましい。
【0013】
該スペース層は、流体サンプルの色および試薬層の色とは対照をなす不透明色で形成されることが好ましい。このようにして、該テストストリップのトップから見ると、使用者は、透明な室カバーを見通しまたスペース層の対照色により結ばれているサンプル受け取り室の床の色を見る。あるいは、対照色は、たとえば、透明な室カバー上に印刷することにより、提供しても良い。血液サンプルは、ストリップの端の流体受け取り開口に蓄積され、また迅速にサンプル受け取り室に引き込まれる。使用者は、対照的背景に対して、サンプル受け取り室中への赤色の血液の移動を見ることができるし、その背景により、使用者は、血液の充分なサイズのサンプルが提供されたという積極的な表示を提供される。
【0014】
本発明の他の好ましい態様においては、室カバーの少なくとも下側は、親水性であり、それは、少なくともベント開口まで延びた室中に、サンプルが迅速に移動(wicking)することを促進する。対照的に、ボディカバーは、疎水性であり、またボディカバーは、スロットの端を定めるから、それは、該スロットあるいはベント開口を超えて、流体サンプルが移動することを妨げる。これらの対照的な疎水性および親水性特性により、流体サンプルがサンプル受け取り室中に迅速に引き込まれ、また流体の移動は、サンプルが、スロットと並べられている室中の領域に到達するときには、迅速に止められる。該スロットが、実質的にまっすぐであるときには、サンプルは、そこで並べられる対応したまっすぐなターミナル端を形成する。室カバーおよび上に示した透明な他の好ましい特性と組み合わせると、使用者は、このように、スロットに対応して、明確に定められ、可視の「充填ライン」を提供される。使用者は、流体サンプルが、サンプル受け取り室に迅速に入っていき、かつその後充填ラインで停止するのを観察できるし、またサンプルサイズが、充分であり、かつテストストリップが、正しく充填されていることを確認できる。
【0015】
他の好ましい形式において、コンタクトパッドが、テストストリップの計量器挿入端において、ベース基板上に形成されまた電極トレースが、ベース基板に沿って延び、かつ電極を、コンタクトパッドに接続している。上述したカバー層および/またはスペース層は、テストストリップのほとんどの長さをカバーすることが好ましいが、計量器挿入端に届かずに終わり、それにより、ストリップの計量器挿入端において、コンタクトパッドを暴露する。このことにより、コンタクトパッドはテストストリップを読み取る計量器中に対応する電気的接続と一致することができる。
【0016】
その他の形式においては、本発明は、上記した新しいテストストリップを大量生産する方法を提供する。本発明方法において、ベース基板材料のウェブを提供する。複数の電極セットが、ウェブ上に形成される。好ましい実施形態において、該電極セットは、レーザー切除により形成され、より好ましくは、広領域レーザー切除により形成される。一連のキャビティも、ウェブ中に形成される。好ましい実施形態において、該キャビティは、等距離で切り出され、かつ間隔をあけられたキャビティの形状をもつスペース層材料の連続したウェブを設けることにより形成される。キャビティのそれぞれは、電極セットのそれぞれと並べられる。
【0017】
試薬層は、各電極セットの少なくとも1つの電極に設けられ、かつカバーされる。好ましい形式においては、試薬層はキャビティが、形成される前に、ウェブに適用され、その結果、試薬層は、均一な厚さの連続した「縞(ストライプ)」で、適用される。最後に、好ましくは2つの要素で作られているカバー層は、ウェブ上に置かれまた積層され、その結果、該2つの要素は、ギャップにより離され、かつこのギャップは、一連のキャビティ上に置かれる。好ましくは、カバー層の2つの要素は、同時に適用される。その後、ウェブは、複数のテストストリップに切断される。
【0018】
以上指摘したように、本大量生産法は、テストストリップに対して、ベント開口を横に並べる必要が無い。さらに、本発明方法は、カバー層あるいはベース層中に開口を形成する必要を避けるから、さらに有利である。本方法は、以下に記述するように、ロールプロセス技術により、テストストリップの大量生産に充分適している。
【0019】
その1つの形式において、本発明は、ベース基板に重なるカバー層からなるテストストリップを提供する。該ベース基板は、その上に配置された試薬層をもっている。該カバー層は、そのあいだにスロットをもっている室カバーとボディカバーを含んでいる。ボディカバーは、室カバーよりも厚い。サンプル受け取り室は、ベース基板およびカバー層とのあいだに配置され、またスロットは、サンプル受け取り室と連通している。該スロットは、流体が、サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すカバー層中にベント開口を定めている。
【0020】
より厚いボディカバーは、アセンブリが、プロセスのあいだに巻き取られ、かつ蓄えられる際に、ウェブに対して与えられる圧力あるいは力をより吸収し有利である。このようにして、それが巻き戻されるにしたがい、接着剤が、いくぶんかウェブからにじみ出る場合には、この接着剤は、典型的には、ボディカバーの周りには滲み出すが、室カバーにはにじみ出ない。このために、巻き取りプロセスのあいだに、室カバーの下から接着剤がにじみ出る可能性を減少でき、また最終的に生産されるテストストリップを劣化させあるいは破壊する毛細管ゾーンに入る可能性を減少させる。
【0021】
本発明は、非常に投与しやすいテストストリップを提供し、また堅固なしかし柔軟な製造プロセスを提供する。本発明を特性付ける種々の他の特性は、付属の請求項中の特殊性を用いて指摘される。本発明をさらに良く理解するために、その利点およびそれから得られる目的、参照は、図中にまた随伴する記述中に示すべきであり、そこでは、本発明の好ましい実施形態を説明し、かつ記述する。
【0022】
ここで図面を参照する。そこでは、同様の参照、数字および文字は、いくつかの図面に亘り対応する構造を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、ここに図示された具体的な実施形態を参照し、かつそれを記述するために、特定の語彙を使用する。にもかかわらず、本発明の範囲は、それによりなんら制限を、意図されるものではない。いかなる変更および記述されたプロセスあるいは装置のさらなる改質およびここに記述された発明の原理の更なる応用は、発明に関連する当業者なら通常考慮されるものと理解されるものとする。
【0024】
システム
本発明は、サンプル流体中の検体を試験するために有用なシステムに関する。本システムは、標的検体に関してサンプル流体を評価する装置および方法を包含している。以下より充分に説明するように、この評価とは、検体の存在を検出することから、検体の濃度を定量するという範囲である。検体およびサンプル流体は、テストシステムが、適当であればいかなるものでも良い。ただ説明のために、検体は、グルコースであり、かつサンプル流体は、血液あるいは間質性流体である好ましい実施形態を記載している。しかし、本発明は、それのみを範囲に限定しているものではないことは、明白である。
【0025】
センサー
本システムの1つの部品は、サンプル流体用のサンプル受け取り室およびテスト検体の存在下に電気化学的信号を生成するための適当な試薬を含む電気化学的センサーである。このセンサーは、使い捨てテストストリップ、特にサンプル受け取り室と連通して先端開口を提供する積層構造をもつものを含むことが好ましい。この試薬は、室内にも配置されている作用電極に対して電気化学的信号を提供するための位置づけで、サンプル受け取り室内に配置されている。グルコース検出などの適当な場合には、試薬は、酵素および随意的に媒介物を含んでいても良い。
【0026】
計量器
センサーは、サンプル流体中の検体の定量のための計量器と組み合わせて使用される。この計量器は、従来から、センサーの電極と検体の濃度に対応した電気化学的信号を評価するための回路との接続を含む。計量器は、サンプル流体が、センサーにより受領されたことおよびサンプル流体の量が、テスト用に充分であることを求める手段をも包含しても良い。計量器は、典型的には、分析の結果を蓄え、かつ表示するか、あるいはその代わりに、別の装置に対して、データを提供しても良い。
【0027】
検体−特性
システムは、検体に対する定性的あるいは定量的表示を提供する。1つの実施形態において、システムは、サンプル流体中の検体の存在を単純に表示する。システムは、サンプル流体の検体の定量あるいは濃度の読み取りをも提供する。好ましい実施形態において、検体濃度の高度の正確な、かつ精密な読み取りが、少量のサンプルから迅速に得られるということが、本発明の特徴である。
【0028】
検体−タイプ
本システムは、幅広い多様な検体の定量に有用である。たとえば、テストストリップは、検体の存在を評価するために使用できる適当な化学反応を用いた用途に容易に適用される。最も好ましくは、本システムは、生物学的流体中の検体のテスト用に構成されまた使用される。そのような検体としては、たとえば、グルコース、コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、乳酸塩、乳酸脱水酵素、アルコール、尿酸、および3−ヒドロキシ尿酸(ケトン体)が挙げられる。本システムに対する相応の改質は、当業者には自明であろう。説明の目的のためにおよび特に好ましい実施形態において、本システムは、生物学的流体中のグルコースの検出に関して記述する。
【0029】
干渉物
テストの方法論は、サンプル流体中の干渉物の存在により種々に影響を受ける。たとえば、血液サンプル中のグルコースに対するテストは、酸素、ビリルビン、ヘマトクリット、尿酸、アスコルビン酸塩、アセトアミノフェノン、ガラクトース、マルトースおよび脂質などの因子により、影響を受ける。本システムは、サンプル流体中にも存在する干渉物の有害影響を最小にし、あるいは除去するために用いられる。これらの作用は、影響を受けることが少ない化学反応の選択により、あるいは、とてもではないが、可能な干渉物により、テスト材料およびパラメーターの適当な選択により、行われる。当技術で公知のごとく、干渉物が、テストゾーンに入らないようにする塗膜あるいは膜の使用など干渉可能性のある作用を処理するために、他の工程を用いても良い。さらに、干渉物の作用を最小限にするために、電極構造あるいは質問方法の改質を使用することができる。
【0030】
流体タイプ
本システムは、幅広い多様なサンプル流体に有用であり、また好ましくは、生物学的流体中の検体の検出に使用される。この状況において、「生物学的流体」という語彙は、検体が測定可能なあらゆる体液、たとえば、間質流体、真皮流体、汗、涙、尿、羊膜流体、髄液および血液を包含している。本発明の背景における「血液」という語彙は、全血液および無細胞の成分、すなわち、血漿および血清を包含する。さらに、本システムは、テスト用システムの完全性を確かめるために、従来の方法で使用される参照流体と関連して有用である。
【0031】
好ましい実施形態において、本システムは、グルコースのテストに対して用いられる。この場合におけるサンプル流体は、たとえば、具体的には、指の先端あるいは許容された部位(たとえば、前腕、手のひら、上腕、ふくらはぎ、大腿部)から得られた新鮮な毛細管血液、新鮮な静脈血、およびシステムと共にあるいはシステムに対して供給される対照溶液を包含する。
【0032】
流体を、テストストリップに対して、どのような方法で取得しても良いし、運んでも良い。たとえば、従来の方法により、ランセットを用いて、皮膚に切り込みを入れて、その後皮膚表面に現れる流体とテストストリップを接触させることにより、取得してもよい。テストストリップは、非常に少量の流体サンプルで有用であるというのが、本発明の態様である。したがって、皮膚のわずかの切開のみで、テストに必要な容量の流体を生じ、この方法に関する痛みおよびその他の問題を、最小限にすることができるし、あるいは除去できるということが、本発明の望ましい特性である。
【0033】
皮膚上の異なった位置は、切開により多少の量の血液を生じるものだということもよく知られている。たとえば、指先は、切開により相対的に多量の血液を生じるから、血液サンプルを得るための一般に使用される部位である。しかし、多量の血液を生じる領域は、一般的に、使用者に対する大きな程度の痛みと関連している。したがって、サンプル流体の必要容量が、充分に小さくて、手のひらや上腕などの皮膚の生産的ではないが、痛みの少ない領域を切開して、典型的に得られる血液の量をもって、テストストリップが、有用であるということが、本システムのさらなる利点である。テスト用のサンプル流体を得るためにこれらの位置を用いることは、「代替部位テスト」とも言われる。本発明は、これらの代替部位において得られる血液あるいは間質流体などのサンプル流体を用いて使用するために、特に適している。
【0034】
テストストリップ−概要
緒言
テストストリップは、いくつかの基本的な部品を含んでいる。このストリップは、サンプル流体が、テストのために受け取られる室を定める小さなボディを含む。この「サンプル受け取り室」は、適当な手段により、好ましくは毛細管作用により、サンプル流体で充填されるが、随意的には圧力あるいは真空により支援される。該サンプル受け取り室は、サンプル流体中の検体を示す電気化学信号を生じるために適した電極および化学的性質を含む。
【0035】
基本的な記述
特に図面を参照して、本発明にしたがって、有用なテストストリップの好ましい実施形態を示す。テストストリップ10は、ベース基板12と、スペース層14と、さらにボディカバー18および室カバー20を含むカバー層16を包含する。スペース層14は、空隙部分22を含み、ベース基板12とカバー層16のあいだに延びるサンプル受け取り室24を提供する。
【0036】
ベース基板12は、複数の電極28およびコンタクトパッド32中に終わる電極トレース30を含む電極システム26をもっている。電極は、サンプル受け取り室24内に置かれている電極トレース30のこれらの部分として定められる。電極システム26の種々の構造は、以後説明するように、使用しても良い。適当な試薬システム33は、該サンプル受け取り室内の電極の部分あるいは電極対28と少なくとも部分的に重なっている。
【0037】
スペース層14に重なるボディカバー18および室カバー20は、そのあいだにスロット34を定め、該スロットは、サンプル受け取り室に連通しているベント開口を定め、サンプル流体が、端開口あるいは流体受け取り開口35から室に入ってくるにしたがって、空気が逃げることができる。したがって、テストストリップは、投与端36および計量器挿入端38を含む。投与端の形状は、使用者の助けになるように計量器端から、典型的には区別できる。さらに、ストリップグラフが、ストリップデザインの直感をさらに向上するために使用されるのが好ましい、たとえば、矢31は、計量器中へのストリップの挿入方向を示している。
【0038】
全般的寸法
テストストリップは、コンパクトで貯蔵と使用が容易なように設計されている相対的に小さな装置である。典型的な実施の形態においてストリップ長さは、長さで20から50mm程度であり、好ましくは、約33から約38mmであり、また幅で5から15mm程度、好ましくは、約7から約9mmである。スロットあるいはベント開口34から計量器の端までの距離は、血液のまったく無い「掴み領域」を提供し、かつ計量器接触領域の血液汚染に対するガードを行うために、サイズ設定されているし、そのために、それは、5から35mmの範囲、好ましくは13mm以上であってもよい。計量器中に挿入されるテストストリップ部分の長さ(計量器挿入端38からの)は、テストストリップの長軸に沿って6.0mm以下が好ましい。
【0039】
テストストリップの好ましい積層構造も、相対的に薄い装置を提供する。このストリップの最小厚みは、使用者にとって便利な適当な容器中に容易に包み込むことを可能にさせる。たとえば、テストストリップの全体の厚みは、約500から525μmであってもよい。計量器コンタクト中に挿入されるテストストリップ部分の厚さは、約250μmであってもよい。
【0040】
基板
テストストリップは、電極システムおよび他の部品を支持する絶縁性材料を含むベース基板12を含む。典型的には、ビニルポリマー、ポリイミド、ポリエステルおよびポリスチレンなどのプラスチックが、必要とされる電気的、かつ構造的特性を提供する。さらに、このテストストリップは、材料のロールから大量生産されるのが好ましいから、この材料特性が、ロール処理のために充分な柔軟性をもち、一方完成したストリップに対しては有用な剛性を与えるのに適していることが、望ましい。該ベース基板は、ポリエステルなどの柔軟性ポリマー材料、特に高温ポリエステル材料、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリイミド、あるいはこれらの2つ以上の混合物から選択可能である。ポリイミドは、たとえば、デラウエア州、ウィルミントンのイー アイ デュポン ドゥ ヌムールのカプトン(登録商標)の商品名で、市販されている。特に好ましいベース基板は、デュポン社から入手可能なメリネックス(登録商標)329である。
【0041】
電極
タイプ
本発明は、「電気化学的センサー」に関するものであり、これは、センサー内の電気化学的酸化還元反応により、検体の存在の有無を検出し、および/または濃度を測定するように構成されている装置である。これらの反応は、検体の量あるいは濃度に相関できる電気的信号に変換される。したがって、テストストリップは、測定電極セット、たとえば、サンプル受け取り室内の少なくとも作用電極および対極からなる電極システム26を包含する。サンプル受け取り室は、室に入ってくるサンプル流体が、作用電極および対極の両者に電気的に接触しておかれるように構成されている。これにより、電流は、検体の電気的酸化あるいは電気的還元を生じさせるために、電極間に流れることができる。
【0042】
本発明の背景において、「作用電極」とは、酸化還元媒介物の作用を用いてあるいは用いないで、検体を酸化あるいは還元する電極である。「対極」という語彙は、ここでは、作用電極と対をなしており、またそれを経由して、大きさで同等の電気化学的電流および作用電極を経由して流れる電流のサインとは逆の電流を通す電極をいう。「対極」という語彙は、参照電極(すなわち、対極/参照あるいは補助電極)としても機能する対極を包含することを意味する。
【0043】
電極材料
作用電極および対極および電極システムの残存部分は、公知の技術のように、種々の材料から形成しても良い。電極は、相対的に低い電気抵抗をもつべきであり、またテストストリップの操作範囲に亘り電気的に不活性であるべきである。作用電極用の適当な導電体としては、金、パラジウム、白金、炭素、チタン、二酸化ルテニウム、インジュウム錫オキサイド、イリジウムのみならず、他のものが、挙げられる。対極は、同一の材料でも、異なる材料によって作られていてもよい。好ましい実施形態においては、作用電極および対極の両電極は、金電極である。
【0044】
電極適用
この電極は、充分な導電性と完全さをもった電極を生じる方法で、ベース基材に用いてよい。典型的なプロセスは、当技術には公知であり、かつたとえば、スパッタ、印刷などを包含する。好ましい実施形態においては、金電極は、ベース基板を塗布し、その後塗膜の選択された部分を除去することにより提供され、電極システムを生成する。好ましい除去方法は、レーザー切除であり、さらに好ましくは、参照として上記に組み入れられた、「バイオセンサーの制作方法」という発明の名称の米国特許出願連続番号10/601144(2003年6月20日にファイルされた)に開示されているように、広領域レーザー切除である。
【0045】
レーザー切除技術は、典型的には、単一金属層あるいは絶縁材料および伝導性材料たとえば、絶縁材料(以下に考察する)上に塗布された、あるいは積層される金属層の金属積層体を含む多層組成物の切除を含む。金属層は、純金属、合金、あるいは金属伝導体である他の材料を含んでもよい。金属あるいは金属様伝導体の例としては、アルミニウム、炭素(グラファイトなど)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオビウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(高度にドープされた多結晶シリコン)、銀、タンタル、錫、タングステン、ウラン、ヴァナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、および合金あるいはこれらの材料の固溶体が、挙げられる。この材料は、生物学的システムに対して、基本的に反応性が無いように選択することが好ましく、そのような材料として、金、パラジウム、白金、イリジウム、銀、あるいはこれらの金属の合金、インジュウム錫オキサイドが、挙げられる。金属層は、いかなる厚みでも良い。好ましい実施形態において、厚さは、約500nmである。
【0046】
構造
電極システムは、テストストリップおよび計量器の操作に適した種々の構造をしている。いかなる実施形態に対しても、作用電極および対極は、それらをカバーするのに必要なサンプル流体の容量が最小になるように位置づけ、かつ寸法設計されることが好ましい。相対的に安価な携帯型の計量器を使用して、測定できるように、電極は、電流フラックスの充分な大きさを維持するように構成されることも好ましい。
【0047】
さらなる例として、好ましい実施形態は、作用電極の両側に延びる対極を含む。したがって、対極は、2つのエレメントをもち、またサンプル流体が、サンプル受け取り室に入ってくる際に、1つのエレメントは、作用電極の前に、また他のエレメントは、作用電極の後ろにある。さらに具体的には、対極は、該サンプル受け取り室を横切って延びるエレメント40および42を含んでいる。これらのエレメントのそれぞれは、幅が約250μmである。作用電極44は、約250μmの幅をもち、かつ2つの対極エレメントのそれぞれから、約255μm間隔があいている。これが、測定電極用の多数の構造の1つであることが理解される。
【0048】
トレース30およびコンタクトパッド32は、テストストリップに対して意図される機能と一致するように、多様に設けても良い。この電極システムのこれらの部品は、電極と同一材料から構成されていることが好ましく、またベース基板に対して、電極の適用と同様にまた同時に適用されることが好ましい。好ましい実施形態において、トレースおよびコンタクトパッドは、金であり、また特に、参照として上記に組み入れられた開示である、「バイオセンサーの制作方法」という発明の名称の米国特許出願連続番号10/601144(2003年6月20日にファイルされた)に記載されているように、レーザー切除により形成される。しかし、代替材料と適用方法も用いられる。
【0049】
化学的性質
試薬組成物
本テストストリップは、テスト検体と反応して、サンプル流体中の検体の存在を表す電気化学的信号を生じるために、サンプル受け取り室内に、化学試薬を含んでいる。試薬層は、種々の検体の有無および/または濃度を定量するために選択される種々の活性成分を含むことができる。したがって、テストの化学的性質は、評価される予定の検体に関して選択される。当技術でよく知られているように、種々の検体の各々に用いられる多くの化学的性質がある。たとえば、好ましい実施形態において、本発明のテストストリップは、血液中のグルコースの存在を決定するために選択できる1つ以上の酵素、補酵素、補助要因を含むことができる。それゆえ、適当な化学的性質の選択は、当業者には公知であり、また種々の検体を用いたテストストリップを作り、かつ使用することができるようにするためのさらなる記述は必要でない。
【0050】
補助剤
従来の方法では、試薬の化学的性質は、試薬性質あるいは特性を高めるために、種々の補助剤を含んでいてもよい。たとえば、この化学品は、テストストリップ上に試薬組成物を配置することが便利なように、またストリップへの接着性を向上させるために、あるいはサンプル流体による試薬組成物の水和速度を増加させるための材料を含んでいても良い。さらに、試薬層は、得られる乾燥した試薬層の物理特性および分析用の液体テストサンプルの取得を高めるために、選択される部品を含むことができる。試薬組成物とともに使用される補助材料の例としては、増粘剤、粘度改良剤、膜形成剤、安定剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開け剤、着色剤およびチキソトロピー付与剤が挙げられる。
【0051】
テストサンプルの好ましい実施形態において、使用前には、室の大多数は、空である。本発明によるテストストリップの非常に小さいサンプル室においては、試薬層は、薄くて均一であることが好ましい。サンプル受け取り室は、大変小さくて約1μl未満であるから、室の深さあるいは縦の高さは、小さい。したがって、試薬層は、室の内部キャビティの大部分を占めるべきではない。試薬層は、室中のテストサンプルに対する広いスペースを残すように充分に薄くするべきである。さらに、液体テストサンプルは、この薄い試薬層をより迅速に水和しあるいは溶解する。上記の反応スキーム中で考察したように、媒介物および媒介物レドックス生成物は、試薬層を経由してあるいは試薬層内部で/電極に対して斜めに拡散する。反応性成分および中間物は、薄い試薬を経由して拡散する距離が短いので、電極への拡散は、より短時間で生じる。さらに電極における媒介物レドックス生成物の捕捉効率は、厚い層よりも酵素の薄い層に対して大きくなる。
【0052】
逆に、厚い試薬層は、液体テストサンプルが、水和しあるいは溶解するためにより時間がかかり、厚い試薬層は、媒介物/媒介物レドックス生成物が、電極に近づくための時間を増すことになる。このために、検体濃度を求める時間が遅れて、定量にエラーを導くことになる。
【0053】
試薬層は、均一な厚みをもつことが好ましい。厚さの不均一性は、検体濃度を定量するにあたり、変化を生じる。好ましい実施形態において、試薬層はサンプル受け取り室全体にわたり均一な厚みをもつ。この好ましい実施形態において、試薬層は、室を定める縦側壁に隣接するサンプル受け取り室の周囲あたりが、室の中央部分よりは厚くはならない。したがって、試薬層はメニスカスプロファイルを示さない。
【0054】
試薬組成物は、薄い均一な層で、ベース層上に堆積されうる粘凋な液として調製される。試薬組成物は、試薬層の物理的性質を高めるために増粘剤およびチキソトロピー剤を含んでいる。増粘剤は、そこに均一に分散された残存成分をもつ厚い液体マトリックスを提供するために選択される。増粘剤およびチキソトロピー剤も、液体あるいは半糊状材料が、堆積された後およびそれが乾燥する前に、ベース層の表面上に流れることあるいは広がることを抑制する。試薬組成物が、堆積された後、それは迅速に乾燥し、水和可能なマトリックスとなる。
【0055】
試薬組成物は、空気乾燥あるいは加熱乾燥により、迅速に乾燥するように提供される。乾燥後、堆積された試薬層は、約1ミクロンから約20ミクロンのあいだの厚さを示す。より好ましくは、乾燥された試薬層は、約2ミクロンから約6ミクロンのあいだの厚さを示す。
【0056】
試薬組成物を、カーテン塗布、熱溶解塗布、回転スクリーン塗布、ドクターブレード塗布あるいはエアーナイフ塗布、マイヤーバー塗布および逆ロール塗布技術などを含めた種々の塗布法を用いて、テストストリップの表面上に堆積できる。これらの技術は、当業者には、公知である。好ましくは、試薬層は、湿潤した試薬組成物として、約40μmから約100μmのあいだの厚さで、柔軟性ウェブ上に堆積される。より好ましくは、試薬層は、湿潤した試薬組成物として、約60μmから約80μmのあいだの厚さで堆積される。この組成物は、連続した細い帯として、直接測定電極のトップ上に、かつ複数のテストストリップのウェブの長さに沿って、試薬の均一で薄い層として、直接に適用しても良い。好ましい実施形態において、この細い帯は、約7mmから約8mmのあいだの幅で、かつ約3mmから約20mmのあいだの乾燥厚さである。この組成物は、そのような異質の電極の所望の機能より、サンプル受け取り室中に存在する他の電極上に適用しても良い。
【0057】
スペース層
構造
テストストリップは、ベース基板に重なり、かつ部分的にサンプル受け取り室を定めるスペース層14を含む。特に、スペース層14は、サンプル受け取り室24の高さおよび周囲を実質的に定める空隙部22を含んでいる。空隙部22は、先端開口をもつように便宜的に置かれ、それによりサンプル流体は、先端開口に接触して、サンプル受け取り室に入る。先端開口は横端上に置くことも有用であるということが理解されるが、該先端開口が、テストストリップの端に置かれることが好ましい。
【0058】
材料
スペース層14は、テストストリップと共に組み立てるために有用な材料ならどんな材料で作ってもよい。スペース層は、部分的には、サンプル受け取り室の高さを定めるものであるから、その材料は、室の所望の高さに適する厚みで、充分な強度をもつべきである。スペース層の他の機能は、ベース基板12の上面に沿って延びる電極トレースを保護することである。この材料は、感熱性接着剤あるいは感圧性接着剤により、あるいは熱あるいはレーザー溶接などの他の手段により、ベース基板およびカバー材料に容易に接着される。適当な材料の例としては、100μmPET、アドヘッシブズ リサーチ社から入手されるARケア90132などの接着剤を用いて塗布されるあるいは組み合わされるPEN箔などが、挙げられる。
【0059】
カバー層
構造
カバー層16は、スペース層14上で受け取られ、かつ接着される。カバー層の機能の一つは、サンプル受け取り室のトップ表面を形成することである。他の機能は、テストサンプルの取得において、助けとするために、親水性表面を提供することである。さらに、カバー層16は、サンプル流体が、サンプル受け取り室中に入ってきてさらに移動するにしたがい、室内部から空気を逃すことができるベント開口34を定めることが好ましい。
【0060】
カバー層は、図1Bに示されているように、その下側に凹所として、形成されるスロット34’をもった単一要素として形成できる。大量生産の目的のためには、スロット34’は、示されているように、実質的にまっすぐであり、テストストリップの全幅を横切って延びており、その結果、空気は、サンプル受け取り室24からテストストリップの反対の横がわに形成されたベント開口へと抜けていく。しかし、そのような構造は、大量生産の目的には好ましくないが、該スロットは、室24からテストストリップの片側までのみ延びている溝あるいは凹所を含むことができる。
【0061】
他の代替的実施形態は、図1C中に示されており、室カバー20が、ボディカバー18に「オーバーラップしている」。この配置においては、カバー層20の小端部分37は、上に曲げられまたボディカバー18の端を横切って延びている。それにより、ストリップの端で見るときにおおよそ三角形断面をもつスロット34”は、形成され、そこでは、空気を逃すことができる三角形状の開口がある。この「重なった」配置において、ストリップの長さ方向に沿っているボディカバー18に対しての室カバー20の正確な配置は、決定的に重要ではない。すなわち、ボディカバー18にオーバーラップしている室カバー材料の量は、スロットの寸法あるいは位置に影響を与えることなく、変化することができる。このことは、以下の考察を参照して、明らかになるように、製造において有利である。
【0062】
好ましくは、ボディカバー18および室カバー20は、ベント開口を形成し、かつ組立て易くするために、2つの部材を含む。ボディカバー18および室カバー20は、両者とも実質的に同一水平面上に配置されている。室カバー20は、スペース層の空隙部分22を実質的にカバーしておりまたサンプル受け取り室のトップを形成している。室カバーは、以下により詳細に記述するように、好ましくは、その下側に親水性塗膜あるいは処置21を含む。ボディカバーおよび室カバーは、テストストリップに沿って端と端を結んで置かれ、また図1Aに示すように、そのあいだにスロット34を含む。スロットは、スペース層の空隙部分22の内部端に隣接して位置しており、図1A中の好ましい実施形態においては、ボディカバー18から室カバー20を隔てさせている小さなギャップを形成している。このギャップは、サンプル受け取り室に連通しているベント開口34を構成している。スロット34は、実質的にまっすぐで、テストストリップ10の幅を横切って延びている。スロット34は、テストストリップ10の縦軸あるいは長軸に対して、実質的に垂直に配向している。サンプル受け取り室に入るサンプル流体は、スロット34により定められるベント開口を経由して、空気を追い出す。スロットが、ギャップとして形成される場合には、追い出される空気の幾分かあるいはほとんどは、テストストリップのトップから抜け出る。
【0063】
スロットは、電極システム26の位置の内側であるサンプル受け取り室に対した位置に置かれる。サンプル受け取り室に入るサンプル流体は、ベント開口まで進行するが、それ以上は進まない。トップから見ると、ここで記述するように、「充填ライン」の可視表示を提供する。したがって、充分なサンプル流体が、電極システムを充分カバーするために受け取ることができることを、ベント開口の設置が保証している。同時に、ベント開口の配置は、電極システムの領域を超えて、サンプル流体の連続した移動を禁止する。
【0064】
ボディカバーおよび室カバーの離間によるスロットおよびベント開口の形成は、その形成が、カバー層あるいはベース層中の開口を形成する必要性を避けるから、さらに有利である。先行技術においては、サンプル受け取り室を形成するトップ膜あるいは底の膜中に穴を打ち抜くことにより、ベント開口を形成するアプローチであったが、それは、サンプル受け取り室に対して、穴を正確に置く必要があるという理由のために、作製上の問題を提示している。このアプローチも、テストストリップに対しては適しているが、ここに記述する好ましいデザインは、テストストリップに対して横方向にベント開口を並べる必要性を避けている。さらに、本デザインは、以後記述するように、ロール処理技術によるテストストリップの大量生産に良く適している。
【0065】
同時に、ベント構造は、サンプル受け取り室24に重なる中間領域を超えて、スロットに沿って横方向にサンプル流体が、移動することを阻止するように作られる。たとえば、図3に示すように、接着剤46により、ボディカバーが、スペース層に固定されることが好ましい。疎水性の接着剤の使用は、毛細管作用により、横に延びているスロットに沿って、血液、間質流体および他の水性液体が移動することを阻止する。全ボディカバーあるいはベント開口に近接している部分も、移動を阻止するために疎水性であってもよい。材料の表面を疎水性特性にするための材料および方法は、公知の技術である。以下に説明するように、室カバーは、接着剤46と同じかあるいは異なる接着剤により、スペース層に固定されていても良い。
【0066】
接着剤49は、スペース層をベース基板12に固定する。接着剤49およびスペース層14用の材料のみならず、接着剤46は、図示された実施形態において、疎水性材料で全て形成されている。または、ストリップ10中に形成される毛細管室の縦壁は、疎水性である。対照的に、室の床は、親水性試薬でカバーされ、また層20の下側は、親水性塗膜21(図2)を用いて塗布されている。換言すれば、毛細管中の水平面は、親水性であるが、縦表面は、疎水性である。このことは、サンプルの毛細管室中へ良好な移動を促進するが、たとえば、スペース層とベース基板とのあいだで、室からの横へのサンプルの望ましくない移動を防止しているということが見出された。
【0067】
材料
ボディカバーおよび室カバーは、テストストリップとの作製に対して有用などのような材料で作られていてもよい。ボディカバーおよび室カバー用の材料は、同一でもよいしあるいは異なっていても良い。この材料は、感熱性接着剤あるいは感圧性接着剤により、あるいは熱あるいはレーザー溶接などの他の手段により、スペース層に容易に接着されるべきである。ボディカバーおよび室カバー用の適当な材料の例としては、ほぼ127μm厚みのPET箔が、挙げられる。室カバーは、WO02/085185、アドヘッシブズ リサーチ社製のARフロー(登録商標)90191に開示されているような親水性層21を含んでいることが、好ましい。
【0068】
カバー層16も、サンプル流体が、サンプル受け取り室中に入っていく際に、サンプル流体を観察しやすくするために使用されている。このことは、室および周囲領域のあいだの色のコントラストあるいは濃淡を提供することにより、達成される。たとえば、1つのアプローチにおいては、間隙22を囲むスペース層14の部分は、サンプル受け取り室の底の色とは対照となる色、たとえば、室の底に置かれている化学試薬層の色を用いて提供されている。この対照となる色はたとえば、インクまたは他の着色剤によってサンプル受け取り室に隣接したスペース層の部分に提供される。層14の着色された部分23は、図2中に描かれている。そこで、室カバー20は、使用者が、室および隣接するスペース層を見ることができる透明あるいは半透明材料として、提供される。サンプル流体が、テストストリップの端から入るにしたがい、使用者は、毛細管作用によりベント開口に向けて、サンプル流体が、移動していくときに、その進行を観察することができる。このタイプの特性は、さらに、1999年12月7日に、クリスモアらに対して発行された米国特許第5997817号に記載されており、ここに、参照として組み入れられている。
【0069】
毛細管
ベース基板と、スペース層と室カバーとにより形成されているサンプル受け取り室は、サンプル流体が、移動するいくつかの部分を含んでいる。第1の入り口部分48は、端開口から測定電極システムまで延びている。第2のテスト部分50は、電極システムの領域を経由して延びている。第3の部分52は、測定電極システムからベント開口まで延びている。サンプル流体のテストは、テスト部分における電極システムの領域において生じるということを理解されるものとする。しかし、サンプル流体は、テストストリップを充填する過程で、室の他の部分をも充填することになる。
【0070】
寸法
サンプル受け取り室の高さと幅は、テストされる流体および問題となっている検体を含めて、種々の考察に基づいて選択される。たとえば、室の寸法は、テスト流体の室中への毛細管流入を促進する大きさにされることが好ましい。血液の使用に対する好ましい室高さは、たとえば、約50から200μmまた最も好ましくは、120から180μmである。好ましい実施形態においては、室高さは、約150μmである。室の幅は、所望のサンプル流体および検体に合うように、同様に選択しても良い。たとえば、室は、所望の量の作用電極および対極を暴露するために充分に広くするべきであり、テスト用の必要以上の量のサンプル流体の要求を避けるために充分狭くなるようにするべきである。サンプル受け取り室の幅および作用電極の幅は、作用電極の面積を定める。この面積は、それが信号振幅および装置デザインに関係するため、さらなるデザイン考察を表示している。
【0071】
容量
サンプル受け取り室は、テストを行うために必要なサンプル流体の量を削減するために、最小容量をもつ室として設けられることが好ましい。端開口からベント開口まで延びる3つの部分の全てを含む全サンプル受け取り室は、端からベントまでの室の面積およびベース基板から室カバー20までの室の高さの因子と考えることができる全容量をもっている。しかしながら、「正味の室容量」は、このスペースを充填するために必要なサンプル流体の容量を含む。サンプル受け取り室の正味の室容量は、電極、試薬およびもし含まれるとすれば、吸着剤材料などの他の項目によって占められる容量を差し引いた全室容量の等価であろう。
【0072】
以前に指摘したように、全サンプル受け取り室の容量は、室の3つの部分に帰せられる容量からなっている。これらの部分の各々は、一般的に、テストストリップの操作を実施するために充分小さい大きさにされる。しかしながら、各部分のサイズにインパクトを与える考慮およびおそらく他の機能がある。
【0073】
室の容量は、高さと面積の両方の因子である。高さは、スペース層の厚みとスペース層を他の層に固定するために使用される接着剤の厚みとの結果である。たとえば、ベース基板と室カバーは、スペース層の反対側に接着される。接着の1つの方法は、材料の加熱あるいはレーザーシールである。しかし、これらの層は、感熱性接着剤あるいは感圧性接着剤などの適当な接着剤の使用により、接着することが好ましい。このアプローチにおいては、サンプル受け取り室の高さ、すなわち、底基板と室カバーとの対向する面のあいだの距離は、接着剤層の厚みにより影響を受ける。図3に示すように、室24は、試薬層33によって底側を、また室カバー20によって上側が境界されている。しかしスペース層14のみならず、接着剤層46および49は、室24の全高さを定める。
【0074】
さらに、好ましい実施形態においては、試薬層33は、ベース基板12およびスペース層14のあいだに広がり、また以下に記述するように、テストストリップの全幅を広げている。したがって、室の高さもスペース層の下にある試薬層の存在により、増加され得る。本実施形態においては、また接着剤を用いる場合には、少なくとも試薬中におよび試薬の周りに接着剤を充填させる程度に、接着剤は、テスト試薬と結合することが見出された。したがって、試薬および接着剤層の高さは、最終のテストストリップ中に、必ずしも付加されるものではない。むしろ、ベース基板とスペース層のあいだの得られたスペースの高さは、積層前の別の試薬の高さと接着剤層の高さの組み合わせよりいくらか小さい。
【0075】
接着剤と試薬の組み合わせは、サンプル受け取り室の端に沿って、シール形成するのに役立つということも見出された。これが、テストを行う必要のある時間フレームにおいて、ベース基板およびスペース層のあいだの層に存在する試薬材料中に、サンプル流体が移動することを阻止する。
【0076】
第1の入り口区分は、サンプル流体を受け取り、かつそれを測定電極に向かわせる。この第1区分は、きわめて大きさが小さく、かつ室の短い区分のみを含んでも良い。この区分の長さは、1200μm未満であることが好ましい。
【0077】
第2のテスト区域は、テスト電極あるいは測定電極を含み、かつサンプル流体の最小容量を必要とする大きさにされている。この第2の区分のサイズを制御する主要な因子は、タイプ、数、サイズ、信号強度および測定電極の構造である。この区分の長さは、約1260μmであることが、好ましい。好ましい容量は、毛細管高さの0.15mmおよび毛細管幅の1.4mmをベースとして、約0.265μLである。
【0078】
サンプル流体は、測定電極を過ぎて移動し、第3の区分中に移動する。このことにより、測定電極が、正しく湿潤しているという確信が提供され、かつ特定の確認ができるので好ましい。この確認は、使用者により、目視観察で行っても良いし、あるいは自動的検出手段によっても良い。たとえば、投与充実電極は、サンプル流体が、測定電極の湿潤が確かめられる点まで、この区分中に進行するとき、検出するためにこの区分に置いても良い。これが、電極に対して電位を印加することを開始するトリガーとして使用することができる。この区分の長さは、50から500μmであることが好ましく、255から400μmであることがより好ましい。この容量は、0.01から0.1μLであり、かつ0.05から0.08μLであることがさらに好ましい。
【0079】
好ましい実施形態においては、サンプル受け取り室の全正味の室容量は、約1μL未満であり、かつ約0.5μL未満であることが、さらに好ましい。サンプル受け取り室の正味の室容量に対する望ましい範囲は、約0.15から約1.4μLの容量を含み、またより好ましくは、約0.4μLから約0.7μLである。
【0080】
吸収剤
サンプル室は、さもなければ空であることが、好ましくあるいは、その代わりに吸収剤材料を含んでいても良い。適当な吸収剤材料としては、ポリエステル、ナイロン、セルロースおよびニトロセルロースなどのセルロース誘導体が、挙げられる。吸収剤材料は、流体が、室中に移動する際には補助することにより、サンプル流体の摂取を促進するために含むことができる。吸収剤材料の使用は、サンプル流体を受け取るためのサンプル受け取り室の空隙容量をさらに減少させることに役立つ。
【0081】
充填方法
サンプル室を充填するための好ましい方法は、毛細管作用による方法である。さらに、テストストリップの充填は、サンプル流体上に圧力を印加してサンプル室中にそれを押し込むこと、および/またはサンプル室に真空を作り出し、サンプル流体を室中に引き込むことなどの他の方法により、増補することができる。
【0082】
親水性塗膜
サンプル受け取り室の毛細管充填の目的で、種々のアプローチが、サンプル流体の室中への移動を促進させるために使用される。たとえば、室を定める表面のどれかあるいは全てが、親水性を向上するために選択または処理される。そのような処置は、公知の親水性材料を使用すること、表面上への親水性材料の適用、あるいは以下に記述するように、親水性を増加させるために、表面の処置を行うことを含んでも良い。さらに、試薬組成物は、容易に水和されるように、またサンプル受け取り室の充填を促進するために、調製しても良い。以前指摘したように、吸収剤も使用しても良い。
【0083】
検体に対するテスト
電気化学的センサーは、作用電極および対極を横切ってまた投与充実電極を横切って、適当な電位あるいは一連の電位を印加することにより、操作される。媒介物が使用される場合には、作用電極および対極を横断する必要な電位の大きさは、酸化還元媒介物に依存するであろう。さらに、検体が、電解される電極における電位は、典型的には、電気化学的反応を起こさせるに充分なあるいは、完成に近い大きさであるが、電位の大きさは、干渉物の有意な電気化学的反応を誘導するためには、充分な大きさではないことが、好ましい。たとえば、グルコースに対しては、印加電位差が、典型的には、約+100mVであり、DC電位を使用するときには、約+550mVである。AC電位を使用するときには、典型的には、5から100mVRMSであり得る。
【0084】
電位は、サンプルがサンプル受け取り室に入り始める前あるいは後において、印加しても良い。しかし、サンプルが、サンプル受け取り室に入った後において、電位が印加されることが好ましく、テストを行うために、サンプル受け取り室中のサンプル量が、充分であるということを決定された後に行うことがより好ましい。電位の印加のタイミングは、使用者による可視観察、テストストリップに対する流体のサンプリングに続く時間差、室中へのサンプル流体の十分な量の電気的検出あるいは自動検出などの種々の方法によりトリガーされる。可視法およびその代替方法は、装置の正しい操作を確かなものとするために、重複する安全装置として作用する。好ましくは、テストストリップおよびシステムは、サンプル流体が、充分に室を充填したときを決定するために、投与充実電極などの別の検出手段を利用する。
【0085】
電位を、印加し、かつサンプル受け取り室中にサンプル流体が、あるときには、電流は、作用電極および対極のあいだに流れる。充分な大きさの電位を印加するときには、サンプル流体中の検体の電解の結果、電流が生じうる。この場合、電気化学的反応が、以前記述したように、一般的にレドックス媒介体を経由して、起こる。小さな振幅の電位を印加する場合には、特に、AC電位の場合は、ただ単に電解により生じるだけでなく、イオン移動およびサンプル室中の誘電体の応答により、生じる。この技術における当業者らは、同一結果を達成する多くの異なった反応メカニズムが、あるということを認識することになろう。
【0086】
対照溶液
対照溶液投与されたかどうか、および正しい対照溶液が、投与されたかどうかを確かめるために投与後、テストストリップに対してテストを行う。全システムが、デザイン仕様内で機能しているかどうか、およびテストストリップが、不正に貯蔵されたかどうかあるいはそうでなければ、誤った処置をしたかどうかを確かめるときに、この対照溶液が使用者に役立つ。許容されるストリップは、テストされる特定のストリップロットに対して、特定の許容範囲内の値を取り戻す。問題になる許容範囲は、容器ラベル上の各ストリップロットに対して公表される。
【0087】
ストリップ製作方法
好ましい実施形態においては、このセンサーは、多積層体テストストリップ10を含む。以前記述したように、積層体は、ベース基板12、スペース層14およびカバー層16を含んでいる。これらの部品は、種々の方法で組み立てられる。たとえば、これらの部品は、接着剤、加熱シール、レーザー溶接および隣接する材料を固定するための種々の他の適当な技術により、組み立てられる。テストストリップは、単一のシートあるいはウェブ上で多量に組み立てられ、またその後このストリップは、貯蔵および使用のために分離される。
【0088】
積層体テストストリップは、1度に1層を連続的に置くことにより、連続して組み立てられる。あるいは、テストストリップは、個々の部品あるいは層を組み立てまた処理することにより製作され、かつその後それらは、共に積層され、機能性テストストリップを与える。1つの好ましい形式においては、テストストリップの2つ以上の基本的な部品は、同時に製作される。その後、1つの積層工程あるいは一連の積層工程において、基本的部品は、テストストリップを作るために組み合わされ、それは、それ以上の処理を必要とするか、あるいは必要としない。好ましい実施形態においては、3つの基本的な部品、好ましくは基板上に定められる金属電極上に塗布された試薬層をもった金属性基板、その中にあらかじめ形成されたキャビティをもつスペース層、および1つ以上のトップあるいはカバー層から組み立てられる。
【0089】
サンプル受け取り室に対するそのような小さな寸法を用いて、試薬層の特性は、特に水和および混合特性の観点から、テストストリップの操作に有意な影響を与えうる。したがって、試薬層の量、位置、厚さおよび他の特性の再現性が重要である。したがって、この組成物は、適用される層の均一性および平坦性などの物理特性を特に高める材料を含むことが好ましい。
【0090】
1つの特定の態様においては、テストストリップは、試薬を組み入れるユニークな方法を含んでいる。この試薬は、サンプル受け取り室中の少なくとも作用電極上および好ましくは、対極上にも置かれている。試薬は、当技術においてよく理解されているように、種々の方法でテストストリップに適用されても良い。好ましい実施形態においては、試薬組成物は、ベース基板上に支持されている電極上の薄い塗膜として適用される。
【0091】
具体的には、試薬はベース基板とスペース層とのあいだに試薬組成物を置く方法で、ベース基板上に置かれる。この適用方法が、試薬層をより平坦にまた厚みを均一にするのに役立つ。対照的に、先行技術の手法は、まず第1に、反応ウエルあるいはキャビティを作り、次に試薬をこのウエル中に充填する。しかし、このことは、ウエルの周囲におけるメニスカスの形成などの現象により、より不均一な層を生じることになる。同様に、これが、内部よりも反応ウエルの側壁に隣接して、異なる厚さをもつ試薬を生成させ、それが、室の充填における不調和、長時間の溶解間隔、およびサンプル流体と試薬の不調和な混合および最終のテスト結果を生じる。スペース層が加えられる前に、試薬をベース基板上に置くことにより、試薬がベース基板上で乾燥されるときに、試薬の均一層を妨害するメニスカス作用は生じない。さらに、この適用方法は、テストストリップの大量生産を推進する。
【0092】
図を参照して、テストストリップ10は、ベース基板12およびスペース層14のあいだに延びる試薬層33を含むものとして示されている。具体的に、試薬はベース基板12のトップ表面および電極28の双方をカバーする層33を形成する。試薬は、少なくとも作用電極をカバーし、また好ましくは、対極をもカバーする。最も好ましい実施形態においては、試薬層はテストストリップの全幅に延びている。この試薬層も、終端からベント開口まで延びている。このようにして、試薬層はスペース層の下に広がり、かつスペース層およびベース基板間に挟まれている。
【0093】
試薬組成物は、最終的には、スペース層の下に延びている所望の均一層を提供する適当な方法で底あるいはベース基板に適用されている。試薬は、ベース基板上にまたその上に受け取られる電極上に直接に連続塗膜で適用されることが、好ましい。以下に記述されているように、試薬組成物は、材料のウェブ上の大量のテストストリップを生産する過程で、適用されるのが最も好ましい。この方法においては、試薬は後に個々のテストストリップに分離される基板ロール上に延びる材料の連続ストライプとして適用しても良い。この試薬組成物は、乾燥されあるいはそうでなければ、配置されて、スペース層がその上に適用される。
【0094】
関係する態様において、スペース層を底基板に固定する好ましい方法は、接着剤を使用することである。層を固定するためには、さらに、底基板とスペース層とのあいだにある空間をシールする手助けとなるように、接着剤を、試薬組成物と充分にかみ合わせることが、見いだされた。接着剤は、ベース基板上に積層されるスペース層上に置かれるのが好ましい。これにより、スペース層の下に延びる試薬の部分と接触する。
【0095】
図示されている実施形態のスペース層はその両側に接着剤を用いて、メリネックス(登録商標)材料から形成されているが、両面テープなどの連続接着材料として、スペース層14を形成することも可能である。
【0096】
更なる態様においては、検体が、グルコースである好ましい実施形態を記述する。グルコースの場合には、試薬組成物の活性成分は、典型的には、グルコースに対する酵素として、オキシドリアクターゼ、状況に応じて、補酵素あるいは共同因子、およびレドックス媒介物を含む。これらの成分は、典型的には、マトリックス中に溶解されあるいは懸濁される。液体テストサンプルは、マトリックスを水和しあるいは溶解し、検体は、マトリックス中を拡散し、1つ以上の活性成分と反応する。典型的には、酵素は、酵素は、テストサンプル中のグルコースを酸化して、グルコノラクトンおよび/またはグルコン酸にする。順番に、媒介物は、還元された酵素と反応するかあるいは酸化し、結果として媒介物はこの方法で還元される。還元された媒介物はテストストリップの電極のひとつにおいて検出される。
【0097】
ヒトの血液中のグルコースの検出に有用な酸化/還元反応スキームの具体的な例において、グルコースを含むテストサンプルは、グルコース−ジオキシドリダクターゼ(Gluc−Dor)などの酵素と反応し、状況に応じて、レドックス媒介物の存在下に、ピロロ−キノリン−キノン(PQQ)などの補酵素あるいは共同因子と反応する。たとえば、この媒介物としては、ベンゾキノン、遷移金属錯体、たとえば、フェリシアナイドカリウム、オスミウム誘導体(たとえば、WO98/35225記述されているようなオスミウムビリジル錯体)およびニトロアニリン誘導体(米国特許第5286362を参照のこと)などが、挙げられる。この手法は、検体の酸化された形態、グルコノラクトンおよびレドックス媒介物の還元された形態を生成する。その後、媒介物が媒介生成物と還元媒介物のレドックス等価物のあいだを往復し、拡散により電極表面に達する。そこで、媒介物は定量的に定められた陽極電位で酸化され、そして生じた電流が、見かけのグルコース濃度に関係する。
【0098】
ニトロソアニリン誘導体を用いた反応システムに対する連続反応の表示を、式1中に、以下に示す。
【0099】
【化1】
【0100】
示されたように、ニトロソアニリン誘導体であるo−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリンは、最初は、互いに平衡して、2つの異性体あるいは互変異性体の混合物として存在する。テストサンプル中でのグルコースとGluc−Dorの反応により、グルコノラクトンおよび還元された形態のGluc−Dor(Gluc−Dor2H+)を生成する。還元された形態のGluc−Dor(Gluc−Dor2H+)は、還元されGluc−Dorを再生するニトロソアニリン誘導体と迅速に反応する。その後還元されたニトロソアニリン誘導体は、加水分解を受けて、キノンジイミン(QD)を形成する。第2酵素レドックス反応においては、Gluc−Dorは、グルコースと反応して、他の分子のGluc−Dor2H+およびグルコノラクトンを生成する。Gluc−Dor2H+は、(酸化により)キノンジイミンと反応して、Gluc−Dorを再生し、またフェニレンジアミン誘導体(PD)を生成する。その後PDは、作用電極において酸化されて、グルコース濃度に関係する電流を生じる。さらに、対極においては、QDは、PDに還元されうる。
【0101】
補助剤
サンプル受け取り室に対するこのような小さい寸法を用いた場合、試薬層の特性は、特に水和および混合特性の観点から、テストストリップの操作に対して、有意な影響を与えうる。量、位置、幅、厚みおよび他の試薬層の特性の制御および再現性は、室容量が小さくなり、かつテスト時間が減少するにしたがって、より重要になる。したがって、この組成は、用いられる層の均一性および平坦性などの物理特性を特に高める材料を含むことが、望ましい。さらに、適用方法が、試薬層の物理特性、制御および再現性に影響を与えうる。
【0102】
したがって、試薬組成物は、試薬の反応性あるいは特性を高めるために種々の補助剤を含むことができる。たとえば、この組成物は反応組成物のテストストリップへの配置を促進するために、またストリップへの粘着性を向上させるために、補助材料を含んでも良い。組成物は、水和速度を増加させる材料および/またはテストストリップをもっている室を充填するための毛細管作用に対する影響を増加させるための材料も含んでもよい。反応組成物と共に用いられる補助材料の例としては、増粘剤、粘度改質剤、膜形成剤、安定剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開口剤、着色剤およびチキソトロピー性を与える剤が挙げられる。
【0103】
補助材料あるいは補助成分は、試薬層の適用性、再現性および物理特性に影響を与えうる。補助材料は、次の1つあるいはそれ以上を含むことができる。
【0104】
増粘剤としては、たとえば、(1)澱粉、ガム(たとえば、ペクチン、グアガム、イナゴマメ(カロブ豆)ガム、コンジャックガム、キサンタンガム、アルギニンおよび寒天)、カゼイン、ゼラチンおよびフィココロイド、(2)セルロース、および半合成セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)、(3)ポリビニルアルコールおよびカルボキシビニルエステル、および(4)ベントナイト、ケイ酸塩およびコロイドシリカが挙げられる。好ましい増粘剤は、米国CPケルコ社のケルトロールFの商品名で販売されているキサンタンガムおよびハーキュリーズ社アクアロン事業部によりアクアロン(登録商標)CMC7FPHの商品名で販売されているカルボキシメチルセルロースの組み合わせである。
【0105】
試薬組成物中で有用な膜形剤およびチキソトロピー剤としては、ポリマーおよびシリカが挙げられる。好ましいチキソトロピー剤としては、デグッサ社により珪酸シペルナートFK320DSの商品名で販売されているシリカが挙げられる。好ましい膜形成剤としては、BASF社によりポリビニルピロリドン・コリドン25の商品名で販売されているポリビニルピロリドンおよびポリビニルプロピオン酸塩が挙げられる。
【0106】
試薬中の酵素用安定剤は、サッカリドおよびモノあるいはジ−脂肪酸塩から選択できる。好ましい安定剤としては、シグマケミカル社によりD(+)トレハロース2水和物の商品名で販売されているトレハロースおよび琥珀酸ナトリウムが挙げられる。
【0107】
洗浄剤は、水溶性石けん、ならびに、たとえばオレイン酸またはステアリン酸のような高脂肪酸の、アルカリ、アルカリ土類または任意に置換されたアンモニウム塩、たとえばココナッツまたはタロー油からの天然脂肪酸の混合物、脂肪硫酸、スルホン酸のエステル、脂肪酸のアルカリスルホン酸タウリン塩の塩、脂肪酸アミドおよびエステルアミドのような、水溶性合成表面活性化合物から選択可能である。本発明のために好ましい洗浄剤には、エステルアミド、ドジンドウ モレキュラー テクノロジーズ社(Dojindo Molecular Technologies,Inc.)によって、商標名Mega−8で販売されている、n−オクタノイル−N−メチルグルカミド、および脂肪酸塩、ローディアHPCII(ホーム、パーソナルケア アンド インダストリアル イングリディエンツ(Rhodia HPCII(Home, Personal Care and Industrial Ingredients))によって、商標名Geropon T77で販売されている、N−メチルオレイルタウリン酸ナトリウム塩が含まれる。
【0108】
以上記述した特定の添加物は、さらなる特性を示すことができるし、またその結果、以上示した1つ以上の項目中において、分類され得ることを理解するべきである。
【0109】
媒介物
試薬組成物中で使用される媒介物は、酵素、検体および任意で共同因子を含む反応スキームおよびその反応生成物に関与し、検出可能な反応生成物を作り出す化学種(一般的に電気活性)のいずれかとして選択できる。典型的には、反応中の媒介物の関与は、検体、酵素あるいは共同因子のいずれかとの相互作用による、酸化状態の変化(たとえば還元)、あるいはこれら1つの反応生成物である種(たとえば、異なる酸化状態に対して反応する共同因子)を含む。種々の媒介物は、適当な電気化学的挙動を示す。媒介物は、好ましくは、酸化された形態において安定させることもできるし、必要により、逆レドックス電気化学を示しても良いし、好ましくは水溶液中で良好な溶解性を示し、また好ましくは、迅速に反応して、電気活性の反応性生物を生じる。適当な媒介物の例としては、ベンゾキニン、メルドラ青、他の遷移金属錯体、カリウム鉄シアナミド、オスミウム誘導体(WO98/35225)およびニトロアニリン系媒介物(米国特許第5,286,362)が、挙げられる。好ましい実施形態においては、ニトロソアニリン系化学性を応用する。
【0110】
好ましい媒介物としては、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−p−ニトロソフェニルピペラジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、p−ヒドロキシニトロソベンゼン、N−メチル−N’−(4−ニトロソフェニル)−ピペラジン、p−キノンジオキシム、N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン、N,N−ジエチル−p−ニトロソアニリン、N−(4−ニトロソフェニル)−モルフォリン、N−ベンジル−N−(5’−カルボキシペンチル)−p−ニトロソアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソ−1−ナフチルアミン、N,N,3−トリメチル−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−5−ニトロソインドリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、2,4−ジメトキシ−ニトロソベンゼン、N,N−ビス−(2−メトキシエチル)−4−ニトロソアニリン、3−メトキシ−4−ニトロソフェノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−6−ニトロソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノン、N,N−ジメチル−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルチオ−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが、挙げられる。本発明による特に、好ましい媒介物としては、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、およびN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが、挙げられる。
【0111】
典型的な試薬組成物は、表1中に以下記入している。
【0112】
【表1】
【0113】
混合
試薬組成物の成分は、水と混合され均一な粘り気のある懸濁液を与える。添加の順序は、本発明に対して重大なことではない。試薬組成物を約pH7で維持するために、充分な量の緩衝液を添加する。典型的には、選択した成分を水とあらかじめ混合して種々の原料溶液を提供する。該原料溶液は組み合わせて最終試薬組成物を得ることができる。たとえば、緩衝液は、リン酸塩および必要により琥珀酸ナトリウムを組み合わせることにより、調製できる。他の原液は、増粘剤すなわち、ケルトロールFおよびカルボキシメチルセルロース、界面活性剤すなわちゲロポンT77およびメガ8、酵素および補酵素あるいは共同因子、および媒介物を含んでいる。
【0114】
次は、試薬組成物の調製の一例を提供している。試薬組成物は、まず次の原液を調製することにより調製できる。
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】
【0123】
【表10】
【0124】
緩衝液、ケルトロールF溶液、CMC溶液およびシリカ懸濁液は、前日に調製した。その後、これらの溶液を、以下の記述のように組み合わせて、試薬組成物を調製した。
【0125】
【表11】
【0126】
塗布前のこの試薬に対して、最終pHが、6.96であって、また5NKOH溶液で調整する必要が無かった。測定された粘度は、111mPasで、それは、105から115mPaの塗膜用の正しい範囲に入っていた。
【0127】
図5および図5Aは、本発明にしたがった有用なテストストリップを調製するための好ましいプロセス100を説明するフローチャートを提示している。プロセス100は、ベース層あるいはベース基板に対する膜材料の選択をして、工程102における中央プロセスライン101で始まる。好ましい実施形態において、膜は、多数のテストストリップを組み立てるために適した幅と長さをもった連続ロールとして、提供される。続く仕上げ工程においては、プロセスフィルムは、テストストリップの長さに近づけた幅をもつ単一のストリップあるいはウェブを与えるために分けられ、そして一連のテストストリップを含み、あるいは、個々のテストセンサー提供するために、ダイカットをすることができる。
【0128】
工程102から、この膜は、金属膜を受けるために事前処理され、かつ1つの連続プロセスにおいて金属で塗布された工程104に進む。前処理は、表面を洗浄あるいは改質し、次の金属処理された層の均一な塗膜厚および良好な接着を与えるために使用できる。前処理は、膜をコロナ放電あるいはアルゴンプラズマを受けさせることを含んでいる。この前処理のすぐ後に、106に示されているように、均一導電性膜を膜に適用する。あるいは、金属膜をもった適当な基板を、市販されているものから得ることができる。
【0129】
金属層は、金属様導電体である純金属、合金あるいは他の材料を含んでいても良い。金属あるいは金属性導電体の例としては、アルミニウム、炭素(グラファイトなど)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオビウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(高度にドープされた多結晶シリコン)、銀、タンタル、錫、タングステン、ウラン、ヴァナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、および合金あるいはこれらの材料の固溶体が、挙げられる。材料は、生物学的システムに対して本質的に不活性であるように選択されることが好ましく、その材料としては、金、白金、パラジウム、インジウム、あるいは、これらの金属の合金が含まれる。金属層は所望の厚みでよい。
【0130】
導電性塗膜は、スパッタリングに限定されるものではないが、物理的蒸気蒸着(PVD)、プラズマ補助装置付きの蒸気蒸着(PAVD)、化学蒸気蒸着(CVD)、電子ビーム物理蒸気蒸着(EBPVD)および/または有機金属化学蒸気蒸着(MOCVD)を含めた種々の方法により適用される金属層であることが、好ましい。蒸気蒸着は、典型的には、真空下で行われる。これらの技術は、当技術では良く知られており、基板上に金属の均一な薄い塗膜を選択的に設けるために使用される。得られた金属処理された膜は、金属塗膜が均一で、かつ材料欠陥の無いことを検査することができる。
【0131】
金属処理された膜のロールは、次に工程108に遭遇し、そこでは、さらに分割され、および/または個々のテストストリップの最終長さに近接する幅をもったウェブを与える大きさにされる。薄く切り取ることは、当技術で公知の固定されたナイフスリット装置を使用して達成できる。
【0132】
単一ウェブは、電極、トレースおよびコンタクトあるいはパッドの模様を付けるための工程110に進む。この工程において、電極、トレースおよびコンタクトパッドは、ウェブストリップの表面から金属を除去することにより、形成できる。余剰金属は、当技術で公知の種々の技術を用いて除去できる。この工程において、1つ以上の指標付けマークあるいは登録マークは、電極に近接している第1端、電極パッドに近接した向かい側の第2端上に、両端上にあるいはそのあいだのいずれかの場所上に形成できる。指標付けマーク、特に端にあるものは、次の操作中に使用できて、別の操作において事前に組み立てられた層付きの部品を配列する。
【0133】
好ましい方法において、金属は、金属の望ましくない部分を除去するためにレーザー切除されて、所望の電気的部品を残す。この方法にしたがって、選択された領域は、「広領域」で、集束レーザービームの線形移動に対して、同時にレーザーエッチングされる。この広領域レーザー切除法は、正確な金属パターンを、迅速に、かつ他のアプローチに比較して削減されたコストで提供する。その後、模様を付けられた基板のコロナ処理を工程111で行う。
【0134】
模様を付けられたウェブは、試薬層が電極上に堆積される工程112まで続いている。好ましい実施形態においては、試薬層は、第1端に隣接しあるいは近接して延びており、かつ模様を付けられたウェブ上に形成された測定電極に重なる連続電極として堆積される。以前に指摘したように、したがって、試薬は、サンプル受け取り室の横の外側およびベース基板とスペース層とのあいだにある領域を含めて、テストストリップの全幅を横切って置かれる。また指摘したように、このことが、不連続性の無い、端効果のないあるいはサンプル受け取り室内の薄い、平坦で均一な試薬層を提供することを損なう他の変化の無い試薬の乾燥を促進する。この試薬は、成分の組み合わせを包含し、かつ蒸着の後の流出を最小または無くして迅速に乾燥するように調製される。
【0135】
このストライプは、所望の程度および厚みの均一性、ストライプ端の精度、均一性などを提供する適当な方法に適用しても良い。好ましい方法は、所望の塗膜を比較的迅速で高いバッチサイズで適用可能である。適用の好ましい方法は、当技術では公知であり、またしたがって、ここでは詳しく記述しない。
【0136】
スペース層の調製
ここで、プロセスライン114を参照して、スペース層の調製するためのプロセスフローを説明する。工程116で始めて、材料は、工程112で調製した試薬塗布ウェブのトップ上に積層するためのスペース層を調製するために選択される。基板用のベース膜は、多くの材料から選択できる。ベース層と同様にスペース層材料は、便利に迅速にかつ高効率で処理できる長いロールとして提供できる。好ましい材料としては、デュポン社によりメリネックス(登録商標)の商品名で販売されているポリエステルフィルムが含まれる。本発明での使用に適した他の材料は、PENを含むことができる。スペース層材料は、他のストリップ部品に対するスペーサを積層するために使用される連結層の厚みと組み合わされたとき、テストストリップの各々に所望の室深さ(あるいは高さ)を提供するために、特に選択される厚みをもっている。好ましい実施形態において、スペース層は、約75μmから約150μm、さらに好ましくは、約100μmから約125μmのあいだの厚みをもつように選択される。以上で指摘したように、スペース層を、両面接着剤で形成することができる。
【0137】
該スペース層は、底基板ウェブ上に電極と共に配列する一連のギャップをもつ連続膜として、形成されることが好ましい。スペース層および底基板を接合している方法は、スペース層を作る方法に影響を与える。たとえば、スペース層が、底基板に対して熱溶接される場合には、スペース層は、単純にダイカットされて、適当に間隔をあけた室ギャップを提供しても良い。しかし、好ましい方法は、隣の層と接合する薄い非干渉性接着剤の使用である。この好ましい方法にしたがって、スペース層は、以下に記述されるように、以前記述された基板ウェブと組み合わせるために製作される。
【0138】
テストストリップ部品の残りと組み合わせるために所望の幅をもったスペース層膜が作られる。スペース層膜は不透明な部分を含んでいても良く、たとえば部分23は、他で記述したように、サンプル受け取り室を可視化するときに使用するために、青色あるいは他の色にプリントされる。スペース層膜は、組み合わせ接着剤およびリリースライナーを用いて、底側上に積層されまた、同様の組み合わせ接着剤およびライナーを用いてトップ側に積層される。
【0139】
工程118においては、2つの転写接着剤が、スペース層材料に積層される、第1転写接着剤は、スペース層のトップ表面に積層されまた第2転写接着剤は、スペース層の底表面に積層される。好ましくは、転写接着剤は、同じ接着剤である、しかし、他の実施形態においては、第1転写接着剤および第2転写接着剤は互いに異なることができる。好ましい実施形態においては、転写接着剤は、感圧接着剤を含めた通常に使用される公知の接着剤から選択される。好ましい接着剤は、室中のテストサンプルが、スペース層と試薬層あるいはベース基板のあいだから外れて移動することを避けるため、あるいは阻止するために、充分な疎水性を示す。適当な感性接着剤の例は、アドヘッシブズ リサーチ社からのARケア90132である。接着剤には、処理中にスペース層の時期尚早の接着を避けるために、リリースライナーが設けられる。このリリースライナーは、第1転写接着剤および第2転写接着剤の外部表面上に配置され、それは、スペース層材料から外側に面している。
【0140】
トップおよび底面に接着剤リリースライナーをもったスペース層は、工程120に進む。工程120において、サンプル受け取り室を形成するキャビティが、スペース層内に打ち抜かれる。1つの実施形態において、キャビティは、「キスカット」法を用いて打ち抜かれる。キスカット法とは、上部のリリースライナーを通って、上部の接着剤、スペース層、下部の接着剤をカットするが、下部のリリースライナーを通ってはカットしない。次の操作において、単純に下部のリリースライナーを除去することは、その後、下部の接着剤、スペース層、上部の接着剤および上部リリースライナーの打ちぬかれた部分を除去する。他の実施形態においては、キャビティは、中空の金型を用いて打ち抜かれる。中空の金型は、スペース層、2つの接着剤、および2つのリリースライナーを打ち抜くかあるいは切り取り、続いて中空の金型中に打ち抜かれた部分が除去される。各キャビティ間のスペースあるいはピッチが求められ、かつ正確に制御されて、試薬塗布ウェブ中にパターニングされた指標付けされたマークの1つあるいは双方を用いて、電極上に打ち抜かれたスペース層の正確な対形成を可能にする。
【0141】
工程122において、スペース層上の下部のリリースライナーは、キスカット部分と共に除去され、スペース層の下側の表面上に接着剤を暴露する。プロセスライン101中の工程124上に進行して、スペース層は、ウェブ上に事前に模様付けされた1つ以上の指標付けマークを用いて、電極セットのトップの直上に、打ち抜かれたスペース層中に形成される各キャビティを正しく配列させ、ウェブスペース積層体を設けることにより、試薬を塗布されたウェブ上に積層される。中央プロセスライン101中の工程126において、ウェブスペース積層体上の上部接着剤をカバーしている上部のリリースライナーは、カバー層を接着させるための調整にあたり除去される。
【0142】
カバー部分上への積層
工程128において、ボディカバー用材料が、プロセス中に導入される。好ましい例においては、この材料は、柔軟性のあるポリマー材料であり、たとえば、デュポン社のメリネックス454あるいはメリネックス339を選択しても良い。ボディカバー用材料は、テストストリップのサンプル受け取り室中の電極トレースの少なくとも一部に重ねるため充分な幅をもつような大きさにされている。
【0143】
ここでプロセスライン130を参照して、工程131のはじめから、膜材料が選択され、キャビティ上への室カバー、試薬およびウェブスペース積層体上への測定電極が設けられる。好ましい実施形態において、室カバー材料は、約100μmと約200μmのあいだの厚みをもった透明なポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)膜として、設けられる。塗膜は、好ましくは、ウェブスペース層上に積層する直前に除去することができるリリースライナーを含んでもよい。室カバーは、好ましくは、親水性材料から作られており、あるいは室カバーの底表面は、134に示されているように、それを親水性にするように処理しあるいは塗布してもよい。
【0144】
工程138においては、フィルム材料は、キャビティおよび電極に重なるように室カバーを形成するに充分な所望の幅をもつような大きさにすることができる。
【0145】
工程140に進んで、工程128からのボディカバーおよび工程138からの室カバーは、ウェブスペース積層体に積層される。好ましい実施形態において、ボディカバーおよび室カバーは、同時に、ウェブスペース積層体を用いて積層される。ボディカバーは、ベース基板上に形成される電極近くの電極トレースの部分上に置かれる。室カバーは、ウェブスペース積層体上にあるキャビティ、試薬、および測定電極上に置かれる。ボディカバーおよび室カバーは、ギャップにより隔てられ、テストストリップ中に形成されているキャビティの内部端においてベントを形成する。
【0146】
記述したように、室カバーは、ストリップの端近くに置かれ、スペース層の切り出し部分に重なり、切り出しの最内部をカバーしないままにしておく。まさに記述したように、この室カバーは、試薬室中への流体の移動を促進するために、親水性裏面を含んでいることが好ましい。室カバーは、ボディカバーからわずかに隔てられ、それにより、サンプル受け取り室と連通し、かつ上記したように、流体が室に入って来るにしたがって、空気を逃がすベント開口として働くギャップを形成している。
【0147】
スペース層の不透明性および室カバーの透明性は、共同して、最終テストストリップの使用者が、テストの進行を充分に観察することができる。構成したように、底基板あるいはその上に塗布される試薬層は、スペース層中の切り出しを通してまた透明な室カバーを通して見える。底基板および/または試薬は、明るい色であり、たとえば、明るい黄色をしており、スペース層の不透明着色と対照を成している。したがって、毛細管経路を経由した流体の進行は、テストを使用する人により容易に監視できる。さらに、スロット34は、ボディカバー上では疎水性になるように、また室カバー側上には、親水性になるように構成されているので、流体がスロットに到達するときには急速に停止し、このようにして、明確に定められた充填ラインを提示し、これによって充分な流体サンプルが室中に受け取られたという明瞭な指示を使用者に提供する。
【0148】
テストストリップの分離
工程140から、テストストリップの作製のための仕上げ処理工程が行われる。工程142において、以上で考察した単一テストストリップ10に類似している単一切り出しテストストリップを作るかどうかが決定される。もしそうであれば、工程142からの多積層体は、工程144に進み、単一テストストリップに切り出される。
【0149】
もうひとつの方法として、工程142からの多積層体は、工程148に進み、そこでは、個々のテストストリップ定めるために、またリボン上の隣接テストストリップ間の境界を穿孔するために、あるいは弱めるために、キスカットされる。さらに、工程149においては、テストストリップの端は、積層されたリボンに沿って切り出される。ウェブの一端は、キャビティ中に導かれるY−形状の開口をもったテストセンサーの流体受け取り端を形成するためにカットされる。テストストリップは、多数の、たとえば25本のストリップを含むカードに分割しても良く、それらは、フェンスカットされるだけであり、その後ガラス瓶あるいは散布器中に折りたたまれ、重ねられる。
【0150】
工程144あるいは工程149から進んで、加工されたストリップあるいはストリップのリボンは、工程146あるいは工程150それぞれにおいて、消費者による使用のために検査と最終梱包を受けることになる。
【0151】
図6〜図16は、部品のいくつかおよび/または図5および図5Aに関して先に記述したプロセス工程をより詳細に図示している。図6は、テストストリップを形成する際に使用するベース膜の一実施形態の斜視図である。ローラ間の材料上に進行するプロセス164および166で、1つ以上のローラ162上に巻き取られるベース膜160は、柔軟性の膜あるいはウェブ材料として供給されることが好ましい。
【0152】
この膜の前処理された上面を、参照番号166により説明し、かつさらに以上で完全に記述したスパッタリング、PVD、CVD、EBPVD、MOCVDあるいは他の適当なプロセスを用いて金属化処理をして、金属あるいは金属合金の均一膜を堆積させる。このプロセスは、金属層に対して、単一あるいは多重のターゲット源を使用することができる。金属化処理された膜168は次に、参照番号172により示されているように、膜をカットしあるいはスライスすることにより、複数の金属化処理された膜たとえば、170a、170bおよび170cに区分または分割されうる。導電性の、金属化処理された膜170の各分離されたロールを、その後、単一コア上に巻き取ることができ、あるいは好ましくは、複数の異なるコア上に巻き取ることができる。
【0153】
電気部品は、図7の一実施形態に示すように、導電性膜から形成されている。膜170の金属表面は、電極、トレ−ス、コンタクトパッドあるいは他の意図される機能を形成するために不要な金属部品を除去するために処理される。本プロセスは、レーザー切除あるいは他の技術を用いて正確に制御できる。本プロセスは、複数のセットの電極182、トレース184、およびコンタクトパッド186を提供する。本プロセスは、複数の指標付けマークあるいは登録マーク176を第1端178に沿って提供し、および/または反対の端180に沿って同様の登録マーク177を提供することもできる。図7に示すように、電極パターンの反復特性は、登録マーク177を形成する。好ましくは、各セットの電極および/またはコンタクトは、それぞれ、少なくとも1つの指標マークあるいは登録マーク176および177と関連している。
【0154】
図8は、試薬塗布ウェブ188の一部を図示している。試薬組成物は、柔軟なウェブ材料の表面上に堆積される。試薬層190は、カーテン塗布、熱融解塗布、回転スクリーン塗布、ドクターブレード塗布あるいはエアーナイフ塗布、マイヤーバー塗布および逆ロール塗布技術を含む種々の塗布方法を用いて堆積される。好ましくは、試薬層は、約50μmから約100μmのあいだの厚み、より好ましくは、約60μmから約80μmのあいだの厚みで、湿潤した組成物として柔軟性ウェブ上に堆積される。ウェブ188は、連続した細いバンド192として、直接電極セット182のトップ上およびウェブ188の長さに沿って試薬190の均一で薄い層を塗布することにより設けられる。好ましい実施形態において、細いバンド192は、約5mmから9mmのあいだの幅と約2μmから約10μmのあいだの乾燥厚みをもっている。図8に描かれたように、試薬層190は、半透明である。
【0155】
図9は、本発明にしたがって組み立てることができるスペース層アセンブリ194の分解組立図である。スペース層アセンブリ194は、好ましくはポリマー材料で形成されているスペース層196を含んでいる。スペース層196は、着色された(図2、部分23に相当する)バンドあるいは部分197を含んでいる。製造プロセスにおいては、スペース層196は、ロール198中に設けられ、さらにトップと底上で接着剤を用いて上塗りされる。
【0156】
トップ接着剤は、トップあるいは「きつい」リリースライナー202をさらに含むロール200中に設けられ、それは、更なる処理、接着剤204および低いあるいは「ゆるい」リリースライナー206に耐えられるように適用されている。本発明において使用するための好ましい接着剤204は、アドヘッシブズ リサーチ社によりARケア90132の商品名で販売されている感圧接着剤を含む。組み立てのあいだ、底リリースライナー206は除去され、かつまだ存在しているトップリリースライナー202を有する得られた生成接着剤208は、図9のトップに示しているように、スペース層196に接着されている。
【0157】
同様に、底の接着剤は、トップあるいは「きつい」リリースライナー212をさらに含むロール210内に設けられ、そしてリリースライナーは、接着剤214および下部のあるいは「ゆるい」リリースライナー216の処理に耐えるように適用される。本発明において使用するための好ましい接着剤214は、アドヘッシブズ リサーチ社によりARケア90132の商品名で販売されている感圧接着剤を含む。組み立てのあいだ、底リリースライナー216は除去され、かつスペース層196から離れて対面しているトップリリースライナー212を有する得られた生成接着剤218は、図9に示しているように、スペース層196に接着されている。接着剤204は、接着剤214と同一かあるいは異なっていても良い。
【0158】
図10は、前毛細管220a、220b、220cなどを形成するための切り込まれたスペース層196を示しており、また図8を参照して記述されているように、ベース基板材料188のウェブに対して積層される状態にある。前毛細管220は「キスカット」技術を用いて形成することができ、そこではトップリリースライナー202、接着剤204、スペース層196および接着剤214を介してカットするが、上に示したように、スペース層196から離れて対面しているリリースライナー212をカットしない。そこで、リリースライナー212は、トップリリースライナー202の部分、接着剤204、スペース層196および既にカットされた接着剤214と共に除去される。切り開かれているこれらの部分は、「毛細管トリム」すなわち、前毛細管220のような形状をしたサンドウィッチの層を含む。この「トリム」は、なんらかの材料が欠けているキャビティ220を残して、リリースライナー212と共に除去される。リリースライナー212が除去されると、先ほど記述した毛細管トリムを常に含んでいることを確かめることが検査できる。得られた一連のキャビティ220は、テストストリップ中に測定電極セット上に、一連の経路220の各1つの経路を直接置くために、選択された所望の距離だけ互いに離れて置かれる。そこで、暴露される下部接着剤をもっているスペース層196は、指標付けマーク176によりウェブ188に配列され、そこへ積層される。一連の経路220の各毛細管経路は、1セットの測定電極182に重なる。
【0159】
図11は、ウェブ188に対してスペース層196を積層することにより形成されるアセンブリ230を図示している。図11では、上部リリースライナー202はトップ接着剤208から除去され、それにより、アセンブリ230がそこへ追加の材料を組み立てる準備ができる。図12に示しているように、室カバー層材料のウェブ240およびボディカバー材料のウェブ234が、アセンブリ230の暴露された上部接着剤208の上に配列され、またそこへ接着されようとしている。図12に描かれているように、室カバー層240は、クリアであり、またキャビティ220に面している側に少なくとも親水性塗膜(塗膜21、図2を参照のこと)を含んでいる。このことが、サンプル受け取り室中へのまた電極および試薬層上への、液体サンプルの移動あるいは移送を促進する。ボディカバー234は、不透明で、示されているように着色され、また好ましくは疎水性である。カバー層240およびボディカバー234は、図9を参照して上記したものと同様に、リール上に設けることができる。
【0160】
好ましくは、室カバー材料240は、ボディカバー材料234よりわずかに薄い。室カバー材料240およびボディカバー材料234が他の層(以下に記述する)に積層された後、アセンブリは最終処理工程を待つために巻き戻される。ボディカバー材料234が室カバー材料240より厚い場合には、ボディカバー材料234は巻き戻され、かつ貯蔵される際に、ウェブに与えられるより多くの圧力あるいは力を吸収する。このように、巻き戻されるにしたがってウェブから接着剤がにじみ出てくる場合には、この接着剤は、ボディカバー材料234の周りにはにじみ出てくるが、室カバー材料240の周りには、にじみ出てこない。このように、より薄い室カバーが、ロール処理のあいだにその下から接着剤がにじみ出てくる可能性を減少し、最終的に生成されるテストストリップを劣化または破壊させうる毛細管領域への侵入の可能性を減少させるために有利である。
【0161】
図13に示されているアセンブリ260は、図12に示されているアセンブリ230に対してウェブ234および240を積層して、かつその後投与端250を形成させるためにウェブの端を切り取ることにより生産される。投与端250は、矢印252により示されているように、カットブレードが、ウェブ端を横断して移動するせん断カットにより形成されるのが好ましい。対照的に、毛細管を損傷することなく、金型打ち抜き技術を使用することはより難しい。投与端250に沿ってのせん断カットも、前毛細管220の一部を切り取り、かつ毛細管222の最終容量を定める。毛細管222は、示されているように、張り出しのあるいはY字形状の開口を含んでいることが好ましい。好ましくは、室カバーウェブおよびボディカバーウェブのあいだに、ギャップ262が形成され、かつこのギャップが、個々のテストストリップ中のベント開口を、最終的に提供することになる。好ましい実施形態においては、ギャップは、1.0mmおよび約1.6mmのあいだの幅をもっている。しかし、上記で示したように、このギャップは、その下側(図1B)に形成される切り欠きをもつ単一カバー層を有することにより、あるいはボディカバーに重なる室カバーをもつカバー層を使用することまたはその逆により(図1C)置き換えることができる。
【0162】
図13を参照して、アセンブリ260は、点線262および264により示されるように、さらなる処理をする準備ができている。図14では、複数の個々のテストストリップたとえば、脱着可能に接続されている278a、278bおよび278cをもっているキスカット・ストリップ276がある。キスカット・ストリップ276は、図13中のライン262に沿って上端で切り取られあるいはカットされ、一連の毛細管経路222の各々の中に、非常に小さな流体サンプルを補足しやすくするために適したプロファイルおよび/または構造をもっていることが観察できる。図示した実施形態においては、キスカット・ストリップ276は、Yカット毛細管経路222のセットの端を暴露する平坦な作業端280をもっている。第2端282の得られる構造は、単一ストリップを計量器(図示せず)中に挿入し易いように設けることができる。たとえば、第2端282は、登録マークおよび/またはタブ、カットスロット、あるいは一方向のみで計量器中に挿入可能なように設計された構造をもっている(図1の矢印31を参照のこと)。
【0163】
図13を参照して、コンタクトパッド288の端177は、示されているように一定ピッチ「P」だけ、隔てられており、したがって、端177は登録マークとして使用できる。他の処理工程においては、第1端および/または第2端上のいずれかの指標付けマークあるいは登録マーク176および177は、正確に「キスカット」するために使用可能であり、積層構造260から個々のテストストリップを切り取る。
【0164】
図15は、図13および図14中に示されている点線264を通してカットされて形成されるうち抜かれたテストストリップ290の一実施形態の斜視図である。図15に図示されているストリップ290は、実質的にはテストストリップ10として上述してきた。ストリップ290は、他のテストストリップとは別に、個々のテストストリップとして提供される。
【実施例】
【0165】
具体例によれば、テストストリップは、記載された方法に基づいておよび次のような材料を使用することにより形成される。底基板は、50nmの金層を用いて表面塗布されており、また43〜45mmの幅に切られている。ほぼ40mm×10mmのフィールドサイズを用いて、レーザー切除(308nm)を行う。スペース層アセンブリは、白のメリネックス(商標)339のスペース層フィルムで厚みが、0.1016あるいは0.127mm(4あるいは5mil)を含む。底接着剤およびトップ接着剤は、接着研究所アーケア90132接着剤で、0.0254あるいは0.0127mm(1あるいは1/2mil)であり、厚みが0.0508mm(2mil)であるリリースライナー間に挟まれている。毛細管経路は、1.500mm±0.050mmの幅と9mm±0.150mmのピッチ(スペース)をもって形成されている。
【0166】
ボディカバー18は、メリネックス454、453あるいは339材料で、厚さ0.127mm(5mil)のストリップを含んでいる。室カバー20は、たとえば、厚さ0.1016mm(4mil)のメリネックス454あるいは453から形成されたポリエステルあるいはポリエチレンナフタレート材料を含んでいる。示されているように、室カバーは、好ましくは、毛細管経路に隣接して親水性の裏面をもつように処理されあるいは塗布されており、血液試料品の経路中への移動を促進する。好ましい実施形態において、室カバー20用のメリネックス453箔(4mil)が、アドヘッシブズ リサーチ社からのARケア90037を用いて、親水性材料21のその裏面上に塗布されている。好ましくは、室カバー材料は、当初は、幅広い材料として形成され、また調製後所望の幅に切り取られる。
【0167】
テストストリップの例
次の材料を、ストリップ中で使用する:
ベース基板層12 メリネックス329 9milまたは329 10mil
導電性層26 スパッタされた金 50nm
下部接着剤層49 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
スペース層14 メリネックス329または339 4〜5mil
接着層46 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
ボディカバー18 メリネックス339または329または454 5mil
室カバー20 メリネックス339または329または454 4mil
親水性フォイル21 ARケア90037
【0168】
ストリップの貯蔵
ストリップは、種々の方法で包装しても良い。たとえば、押し上げ式プラスチック瓶(たとえば、10、25あるいは50カウント)中に詰めても良い。全ての容器は、許容される保管寿命を保証するために必要な乾燥材料を含む。テストストリップは、好ましくは、提供されているように密閉容器内で4℃〜32℃のあいだで貯蔵したとき18ヶ月の最低保管寿命を示す。
【0169】
本発明の原理を組み入れた好ましい実施形態は、以上で開示してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されない。その代わりに、この応用は、本発明が関係し、かつ従属クレームの制限内に入る技術において、公知のあるいは通例の実践以内に来るような本開示からの逸脱をカバーすることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明にしたがうテストストリップあるいはバイオセンサーの透視図である。
【図1A】図1に示したテストストリップの拡大部分透視図であり、新しいベント開口あるいはスロットの1つの実施形態を図示している。
【図1B】本発明にしたがったベント開口あるいはスロットの他の実施形態を図示する拡大部分透視図である。
【図1C】本発明にしたがったベント開口あるいはスロットの他の実施形態を図示するおよびバイオセンサーのサンプル受け取り室に対する開口の他の構造をも図示する拡大部分透視図である。
【図2】図1のバイオセンサーの分解斜視図である。
【図3】図1のバイオセンサーの一部の断面図であり、さらに図1および2から外された接着剤層を図示している。
【図4】基礎となる詳細を示すために壊された部分をもった図1のバイオセンサーの部分の平面図である。
【図5】本発明にしたがうバイオセンサーの製造法用のプロセスフロー図を示している。
【図5A】本発明にしたがうバイオセンサーの製造法用のプロセスフロー図を示している。
【図6】本発明のバイオセンサーの底基板を形成する際に有用なウェブ材料のオープンリール式の処理およびカットを示す透視図である。
【図7】ベース基板上の電気部品の典型的なパターンを示す帯紐部分の透視図である。
【図8】そこに塗布された試薬組成物を含んだ図7の帯紐部分の透視図である。
【図9】スペース層および関連接着剤層およびリリースライナーを示す分解斜視図である。
【図10】切り出された前毛細管室をもったスペース層およびその上に電極パターンをもったベース基板に積層するために並べられるスペース層の分解斜視図である。
【図11】スペース層を用いたベース基板の組み立ての透視図である。
【図12】ベース基板およびスペース層上へのアセンブリ用のボディカバーおよび室カバーの組み合わせを示す分解斜視図である。
【図13】バイオセンサーからなるいくつかの層を含むアセンブリの部分を示す帯紐部分の透視図である。
【図14】いくつかの脱着可能なバイオセンサーを含む帯紐部分の透視図である。
【図15】組み立てられた帯紐から離れた単一バイオセンサーの透視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なり、そのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備えるカバー層であって、該スロットが試薬層の上に位置決めされ、
ベース基板とカバー層のあいだに配置されるサンプル受け取り室とを備えるテストストリップであって、該スロットが、該サンプル受け取り室と連通しており、流体がサンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すことを可能にするカバー層中にベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項2】
該スロットが、該ボディカバーを該室カバーから間隔をあけるギャップを含むことを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項3】
該ギャップが、該カバー層の幅を横切って延びていることを特徴とする請求項2記載のテストストリップ。
【請求項4】
該カバー層が、単一であり、かつ該スロットが、その下側に形成された凹所を備え、該凹所が、テストストリップの横に延びかつベント開口で終わっていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項5】
該凹所は、該テストストリップの幅を横切って延びまた該ベント開口が、該テストストリップの反対側に配置された2つのベント開口を備えることを特徴とする請求項4記載のテストストリップ。
【請求項6】
該スロットが、実質的にまっすぐであることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項7】
該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項6記載のテストストリップ。
【請求項8】
該スロットが、該テストストリップの縦軸に対して実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項6記載のテストストリップ。
【請求項9】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一平面に配置されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項10】
該室カバーおよび該ボディカバーが、該テストストリップに沿って長さ方向に端と端をくっつけて配置されていることを特徴とする請求項9記載のテストストリップ。
【請求項11】
さらに該サンプル受け取り室中に配置された電極を備え、該電極が、試薬層でカバーされていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項12】
該室カバーが、該サンプル受け取り室に重なることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項13】
該スロットが、該ボディカバーに隣接する疎水性の側を備え、さらに該サンプル受け取り室に入ってくるサンプル流体が、該スロットまで進行するがそれ以上は進行せず、これにより該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項12記載のテストストリップ。
【請求項14】
該室カバーが、透明あるいは半透明であり、これにより該サンプル受け取り室中へのサンプル流体の該充填ラインまでの進行が可視であることを特徴とする請求項13記載のテストストリップ。
【請求項15】
該室カバーが、その裏面上の親水性表面を備え、これにより該サンプル受け取り室中からスロットまでの移動が促進されることを特徴とする請求項13記載のテストストリップ。
【請求項16】
該スロットが、該室カバーを該ボディカバーから間隔をあけているギャップを含むことを特徴とする請求項13記載のテストストリップ。
【請求項17】
該ボディカバーが、疎水性接着剤を用いて該テストストリップに接着されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項18】
該室カバーの裏面が、親水性であることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項19】
該室カバーの裏面が、親水性物質で塗布されていることを特徴とする請求項18記載のテストストリップ。
【請求項20】
該室カバーおよび該ボディカバーが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項21】
さらに該サンプル受け取り室に配置されている電極と、該テストストリップの計量器挿入端において該ベース基板上に形成されているコンタクトパッドと、
該ベース基板に沿って延びており、かつ該電極を該コンタクトパッドに接続している電極トレースをさらに備えるテストストリップであって、該カバー層が、該電極トレースをカバーし、かつ該コンタクトパッドを暴露することを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項22】
さらに該サンプル受け取り室内に配置された作用電極および対極を含み、該スロットが、該作用電極および対極の下流に位置決めされることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項23】
該室カバーが該サンプル受け取り室に重なり、また該室カバーが透明あるいは半透明であることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項24】
該スロットが、該サンプル受け取り室の内部端に実質的に配列されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項25】
さらに該カバー層と該ベース基板とのあいだに配置されているスペース層を備え、該スペース層が、該ベースと該カバー層のあいだの該サンプル受け取り室の高さおよび周辺を、さらに定める空隙部を定めることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項26】
該空隙部が、該テストストリップの端にある開口で始まる経路を形成し、該開口が、該サンプル受け取り室と連通していることを特徴とする請求項25記載のテストストリップ。
【請求項27】
該空隙部が、該スロットに実質的に配列されている位置で終わっていることを特徴とする請求項26記載のテストストリップ。
【請求項28】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なるカバー層であって、該カバー層がそのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備え、
該ベース基板と該カバー層のあいだに配置される単一スペース層で、該スペース層が、該ベース基板と該カバー層とのあいだにサンプル受け取り室を定める空隙を有するテストストリップであって、
該スロットが、サンプル受け取り室と連通しており、これにより、流体が該サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すこと可能にするカバー層中のベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項29】
該スロットが、該サンプル受け取り室の内部の端に実質的に配列されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項30】
該スペース層の1つの表面が、該ベース基板に接着され、かつ該スペース層の反対の面が、該カバー層に接着されることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項31】
該室カバーが、該サンプル受け取り室に隣接する親水性表面を含むことを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項32】
少なくとも1つの電極をカバーする該サンプル受け取り室中に配置されている試薬層をさらに含むことを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項33】
該試薬層が、該スペース層の下に延び、該スペース層および該ベース基板とのあいだに挟まれていることを特徴とする請求項32記載のテストストリップ。
【請求項34】
該試薬層が、該テストストリップの幅を横切って延びていることを特徴とする請求項33記載のテストストリップ。
【請求項35】
該試薬層が、該サンプル受け取り室の底を実質的にカバーしていることを特徴とする請求項32記載のテストストリップ。
【請求項36】
該スロットが、試薬層上に位置決めされることを特徴とする請求項32記載のテストストリップ。
【請求項37】
該サンプル受け取り室が、該室カバーによりそのトップ側を境界され、該室カバーの裏面が親水性であり、これにより該サンプル受け取り室中へのサンプルの移動が促進されることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項38】
該スロットが、該カバー層を横切って延び、かつ該室カバーから該ボディカバーを離すギャップを備え、該ボディカバーおよび該室カバーが、ギャップに隣接する実質的にまっすぐな端を有することを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項39】
該ギャップが、該テストストリップの縦軸に対して実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項38記載のテストストリップ。
【請求項40】
該サンプル受け取り室が、該テストストリップの端に配置されている流体受け取り開口と連通していることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項41】
該ボディカバーが、該スロットに隣接する疎水性部位を含むことを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項42】
該ボディカバーが、疎水性接着剤を用いて該スペース層に接着されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項43】
該室カバーおよび該ボディカバーが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項44】
該ボディカバーが疎水性物質で処理され、該室カバーが親水性物質で処理されていることを特徴とする請求項43記載のテストストリップ。
【請求項45】
さらに該ベース基板に沿った電極から延び、該テストストリップの計量器挿入端におけるコンタクトパッド中で終わる電極トレースを備え、該コンタクトパッドが、そこへの電気接続に対して暴露されることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項46】
該室カバーが、該サンプル受け取り室の全長に実質的に重なることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項47】
該室カバーが、該サンプル受け取り室上で透明あるいは半透明であり、これにより該サンプル受け取り室中に入る流体が該室カバーを通して可視であることを特徴とする請求項46記載のテストストリップ。
【請求項48】
該空隙に隣接する該スペース層のトップ表面および該サンプル受け取り室の底は、対照的色を有し、該室カバーを通して可視であることを特徴とする請求項47記載のテストストリップ。
【請求項49】
該ベース基板、該スペース層および該カバー層が、加熱溶接、レーザー溶接、感熱性接着剤、感圧接着剤およびそれらの組み合わせのうちの1つにより、互いに接着されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項50】
電極が、該サンプル受け取り室中に配置されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項51】
さらに該テストストリップの計量器挿入端に配置されているコンタクトパッドと電極を該コンタクトパッドに接続する該ベース基板に沿って延びる電極トレースを備えることを特徴とする請求項50記載のテストストリップ。
【請求項52】
該カバー層および該スペース層が、該コンタクトパッドを暴露するような大きさにされており、これにより該コンタクトパッドが計量器に電気的に接続可能になることを特徴とする請求項51記載のテストストリップ。
【請求項53】
該室カバーが、該サンプル受け取り室の全長に実質的に重なり、該サンプル受け取り室とほぼ同一の長さを有することを特徴とする請求項52記載のテストストリップ。
【請求項54】
該室カバーが、透明あるいは半透明であることを特徴とする請求項53記載のテストストリップ。
【請求項55】
該ボディカバーおよび該室カバーが、端と端を結んで配列され、かつ実質的に同一平面に配置されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項56】
複数のテストストリップを製造する方法であって、該方法が、
(a)ベース基板材料のウェブを提供すること、
(b)該ウェブ上に複数の電極セットを形成すること、
(c)各電極セットの少なくとも1つの電極をカバーする試薬層を提供すること、その後
(d)そこに形成されている一連のキャビティを有するスペース材料の連続ウェブを提供し、かつ各キャビティが、それぞれ1つの電極セットと配列するように、ベース基板材料の該ウェブ上にスペース材料のウェブを積層すること、
(e)2つの要素から作られるカバー層のウェブを提供し、かつ該2つの要素が、ギャップにより隔てられ、該ギャップが、一連のキャビティ上に位置決めされるように、これを該スペース材料のウェブ上に積層すること、および
(f)該ウェブを、複数のテストストリップに切断することを含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
該試薬層が、ベース基板材料のウェブに沿って連続ストライプとして均一厚さで適用されることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
工程(c)が、さらに複数の電極セット上に試薬ストライプ蒸着させることを含むことを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項59】
工程(b)が、導電性膜を該ベース基板のウェブに適用し、その後導電性膜の部分を除去して電極セットを形成することを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項60】
該導電性膜の部分が、レーザー切除により除去されることを特徴とする請求項59記載の方法。
【請求項61】
該レーザー切除が、広領域レーザー切除を含むことを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項62】
2つの要素が、実質的にまっすぐな端を有し、これにより該ギャップが実質的にまっすぐで、一連のキャビティ上に延びることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項63】
カバー材料の2つの要素の各々が、細長い連続ウェブを備えることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項64】
電極セットのあいだに一連の実質的に等距離のカットを行うことからなる方法であって、該カットが、該ギャップに対して実質的に垂直であり、これにより形成される個々のテストストリップが、そのカバー層を横切って延びるギャップを有し、個々のギャップが、各キャビティに連通するベント開口を形成することを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項65】
該カットが、該ウェブの一端をカットし、それらの端に開口を有するテストストライプの流体受け取り端を形成し、各開口が各キャビティ中に通じることを特徴とする請求項64記載の方法。
【請求項66】
該流体受け取り端が、Y形状であることを特徴とする請求項65記載の方法。
【請求項67】
該キャビティが、該テストストリップの端における開口から、該カバー層中に形成されるベント開口まで延びていることを特徴とする請求項65記載の方法。
【請求項68】
さらに一連のキャビティの内部端上に、該ギャップを位置決めすることを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項69】
さらに2つの要素を、実質的に同時に該ウェブに適用することを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項70】
さらに親水性表面をもった該カバー層ウェブの1つの要素と疎水性表面を有する該カバー層ウェブの他の要素を提供することを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項71】
テストストリップ本体と、
該テストストリップ本体中に配置されるサンプル受け取り室と、
該テストストリップ本体の端に配置され、かつ該サンプル受け取り室と連通する流体受け取り開口と、
該テストストリップ本体のトップを少なくとも部分的に定めるカバー層であって、該カバー層が、それらのあいだにスロットを有する2つの要素からなり、該スロットが、該サンプル受け取り室上におよびそれに連通して位置決めされるベント開口を形成し、これにより流体が該サンプル受け取り室に入るにしたがって、空気がベント開口から逃げ出し、
疎水性端からなるスロットを備えるテストストリップであって、サンプル流体が、該サンプル受け取り室中を、該スロットまで進行すること可能であるが、それ以上は進行せず、これにより該スロットが充填ラインを備えることを特徴とするテストストリップ。
【請求項72】
さらに試薬層と該サンプル受け取り室中に配置されている少なくとも1つの電極とを備えることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項73】
該スロットが、該試薬層上に置かれていることを特徴とする請求項72記載のテストストリップ。
【請求項74】
さらに該テストストリップ本体の底を定めるベース基板を備え、該ベース基板が、その上に形成されている電極を有することを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項75】
さらに少なくとも1つの電極をカバーする試薬層を備え、該少なくとも1つの電極が、該サンプル受け取り室内に置かれていることを特徴とする請求項74記載のテストストリップ。
【請求項76】
該テストストリップ本体が、さらに該テストストリップの底を定め、かつその上に形成される電極を有するベース基板層と、
該カバー層と該ベース基板層のあいだに配置されているスペース層とを備えるテストストリップであって、
該スペース層が該サンプル受け取り室の境界を部分的に定める空隙を有し、該空隙が該流体受け取り開口に始まり、かつ該スロットに実質的に配列する場所で終わることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項77】
該サンプル受け取り室が、該流体受け取り開口から内部に延び、該スロットと実質的に配列する場所で終わることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項78】
該カバー層の2つの要素の内の第1が、該サンプル受け取り室に重なり、該第1要素が、該流体受け取り開口と実質的に配列するその端を有することを特徴とする請求項77記載のテストストリップ。
【請求項79】
該テストストリップ本体が、細長い形状をしており、該サンプル受け取り室が、該テストストリップ本体に対して長さ方向に延びており、該流体受け取り開口が、該テストストリップ本体の端に配置されていることを特徴とする請求項78記載のテストストリップ。
【請求項80】
該カバー層の2つの要素が、同一材料で形成され、該要素の1つが、疎水性物質で処理されており、また他の要素が、親水性物質で処理されていることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項81】
疎水性物質で処理されている該カバー層の要素が、該サンプル受け取り室に重なることを特徴とする請求項80記載のテストストリップ。
【請求項82】
さらに該サンプル受け取り室中へのサンプルの移動を促進するために、該サンプル受け取り室中に親水性表面を備えることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項83】
該親水性表面が、該カバー層の第1要素の底を備えることを特徴とする請求項82記載のテストストリップ。
【請求項84】
該カバー層の2つの要素が、該テストストリップに沿っての長さ方向に端と端をつないで配置されていることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項85】
該カバー層の2つの要素が、実質的に同一面で配置されていることを特徴とする請求項84記載のテストストリップ。
【請求項86】
検体の存在あるいは濃度に対して、流体サンプルをテストする方法であって、
(a)その端にサンプル受け取り開口を有するテストストリップを提供することであって、該サンプル受け取り開口がテストストリップ中に延びるサンプル受け取りチャンバー中に通じており、
(b)該サンプル受け取り室に重なるスロットとともに形成される該テストストリップ用のカバー層を提供すること、
(c)該サンプル受け取り開口に、流体サンプルを置くこと、
(d)毛細管作用により該サンプル受け取り室中にサンプルを引き込み、同時に該スロットを経由して該サンプル受け取り室から空気を置換すること、
(e)該サンプルが該スロットに到達するまで、該サンプルを該サンプル受け取り室中に引き込み、その後、該サンプルのスロットを越えるさらなる進行を止め、これにより該スロットが充填ラインを含み、および
(f)検体の存在あるいは濃度を定量することを含むことを特徴とする方法。
【請求項87】
該カバー層が、該サンプル受け取り室に重なる透明あるいは半透明部分を有し、その結果該サンプル受け取り室が、該カバー層を通して可視であり、該方法が、さらに該サンプル受け取り開口から該スロットまでのサンプルの進行を観察することを含むことを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項88】
該スロットを越えての該サンプルのさらなる進行の停止が、疎水性端を有する該スロットを提供することを含むことを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項89】
該サンプル受け取り室中に試薬層を提供し、該試薬層上に該スロットを位置決めすることを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項90】
該スロットがギャップを備え、置換された空気の少なくとも一部が、該テストストリップのトップから退出することを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項91】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一面に配置されていることを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項92】
該室カバーおよび該ボディカバーが、端と端をつないで配置されていることを特徴とする請求項91記載の方法。
【請求項93】
検体の存在あるいは濃度に対して、流体サンプルをテストする方法であって、
(a)その端にサンプル受け取り開口を有するテストストリップを提供することであって、該サンプル受け取り開口がテストストリップ上の内側に延びるサンプル受け取りチャンバー中に通じており、
(b)そのあいだにギャップを有するボディカバーと室カバーとを備え、該テストストリップ用のカバー層を提供することであって、該ギャップがサンプル受け取り室の一部分と重なり、
(c)該サンプル受け取り開口に、流体サンプルを置くこと、
(d)毛細管作用により該サンプル受け取り室中にサンプルを引き込み、同時に該ギャップを経由して該サンプル受け取り室から空気を同時に置換し、置換された空気の少なくとも一部が、該テストストリップのトップから退出すること、および
(e)検体の存在あるいは濃度を定量することを含むことを特徴とする方法。
【請求項94】
該工程(d)が、さらに該サンプルが該ギャップに到達するまで、該サンプルを該サンプル受け取り室中に引き込み、その後該ギャップを越えての該サンプルのさらなる進行を停止することをさらに含み、該ギャップが充填ラインを備えていることを特徴とする請求項93記載のテストストリップ。
【請求項95】
該カバー層が、該サンプル受け取り室に重なる透明あるいは半透明部分を有し、その結果該サンプル受け取り室は、該カバー層を通して可視であり、該方法が、さらに該サンプル受け取り開口から該ギャップまでの該サンプルの進行を観察することを含むことを特徴とする請求項94記載の方法。
【請求項96】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一面に配置されていることを特徴とする請求項93記載の方法。
【請求項97】
該室カバーおよび該ボディカバーが、端と端を結んで配置されていることを特徴とする請求項96記載の方法。
【請求項98】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なり、そのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備え、該スロットが、該カバー層の下側と該カバー層および該室カバーのあいだの重なりに1つの切り込みとして形成され、
該ベース基板と該カバー層のあいだに配置されるサンプル受け取り室とを備えるテストストリップであって、
該スロットが、サンプル受け取り室と連通しており、流体が該サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すことを可能にするカバー層中にベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項99】
該スロットが、該試薬層上に置かれていることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項100】
該スロットが、該カバー層の幅を横切って延びていることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項101】
該カバー層が単一であり、該スロットが該切り込みを備えることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項102】
該スロットが、該カバー層および該ボディカバーのあいだの重なりを備えることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項103】
該重なりが、該ボディカバーの端をカバーしている該室カバーを備えることを特徴とする請求項102記載のテストストリップ。
【請求項104】
該スロットが、該テストストリップの幅を横切って延びており、該ベント開口が、該テストストリップの反対側に配置されている2つのベント開口を備えることを特徴とする請求項102記載のテストストリップ。
【請求項105】
該スロットが、実質的にまっすぐであることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項106】
該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項105記載のテストストリップ。
【請求項107】
該スロットが、該テストストリップの縦軸に対して、実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項108】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なり、そのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備えるカバー層を備え、該ボディカバーが該室カバーよりも厚いカバー層と、
該ベース基板と該カバー層のあいだに配置されるサンプル受け取り室を備えるテストストリップであって、
該スロットが、サンプル受け取り室と連通しており、また流体が、該サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すこと可能にするカバー層中にベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項109】
該スロットが、該ボディカバーを該室カバーから離間するギャップを含んでいることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項110】
該ギャップが、該カバー層の幅を横切って延びていることを特徴とする請求項109記載のテストストリップ。
【請求項111】
該スロットが、実質的にまっすぐであることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項112】
該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項111記載のテストストリップ。
【請求項113】
該スロットが、該テストストリップの縦軸に対して、実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項111記載のテストストリップ。
【請求項114】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一水平面に配置されていることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項115】
該室カバーおよび該ボディカバーが、該テストストリップに沿って長さ方向に、端と端を結んで置かれていることを特徴とする請求項114記載のテストストリップ。
【請求項116】
該室カバーが、該サンプル受け取り室に重なることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項117】
該スロットが、該ボディカバーに隣接する疎水性の側を備え、さらに該サンプル受け取り室に入ってくるサンプル流体が、該スロットまで進行するがそれ以上は進行せず、これにより該スロットが充填ラインを備えることを特徴とする請求項116記載のテストストリップ。
【請求項118】
該室カバーが、透明あるいは半透明であり、これにより該サンプル受け取り室中のサンプル流体の該充填ラインまでの進行が可視であることを特徴とする請求項116記載のテストストリップ。
【請求項119】
該室カバーが、その下側の親水性表面を備え、これにより該サンプル受け取り室中からスロットまでの移動が促進されることを特徴とする請求項117記載のテストストリップ。
【請求項120】
該スロットが、該室カバーを該ボディカバーから離間するギャップを備えることを特徴とする請求項117記載のテストストリップ。
【請求項121】
該室カバーおよび該ボディカバーが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項122】
テストストリップを製造する方法であって、該方法が、
(a)そこに形成される一連の間隔をあけたキャビティを有する材料の第1ウェブを提供し、該キャビティが、サンプル受け取り室の壁と床を定め、該キャビティが、それらのトップ上で開放されており、
(b)該材料の第1ウェブを材料の第2ウェブでカバーし、該材料の第2ウェブが、第1厚みをもつ第1部分と第1厚みよりも大きな第2厚みをもつ第2部分を有し、そこでは第1部分がキャビティ上に配列され、かつ該キャビティをカバーしており、
(c)工程(b)で作られた構造を該テストストリップに切断することを含むことを特徴とする方法。
【請求項123】
該第1部分と該第2部分が、ギャップにより隔てられるように、さらに第1ウェブ上に第2ウェブを積層することを含むことを特徴とする請求項122記載の方法。
【請求項124】
さらに一連のキャビティ上に該ギャップを置く事を含むことを特徴とする請求項123記載の方法。
【請求項125】
該第1部分と該第2部分のそれぞれが、実質的にまっすぐな端を有し、これにより該ギャップが、実質的にまっすぐであり、一連の該キャビティを越えて延びることを特徴とする請求項123記載の方法。
【請求項126】
さらに該材料の第1ウェブ上に、複数の電極セットを形成することを含むことを特徴とする請求項122記載の方法。
【請求項127】
さらに該キャビティの各1つを、それぞれ1つの該電極セットと配列することを含むことを特徴とする請求項126記載の方法。
【請求項128】
さらに該電極セットの少なくとも1つの電極をカバーする試薬層設けることを含むことを特徴とする請求項126記載の方法。
【請求項129】
該試薬層が、該材料の第1ウェブに沿って、連続ストライプとして均一な厚さで適用されることを特徴とする請求項128記載の方法。
【請求項130】
さらに複数の該電極セット上に、該試薬ストライプを堆積させることを含むことを特徴とする請求項129記載の方法。
【請求項131】
該第2ウェブが、該キャビティに重なるギャップにより離間されている2層の材料を含むことを特徴とする請求項122記載の方法。
【請求項1】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なり、そのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備えるカバー層であって、該スロットが試薬層の上に位置決めされ、
ベース基板とカバー層のあいだに配置されるサンプル受け取り室とを備えるテストストリップであって、該スロットが、該サンプル受け取り室と連通しており、流体がサンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すことを可能にするカバー層中にベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項2】
該スロットが、該ボディカバーを該室カバーから間隔をあけるギャップを含むことを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項3】
該ギャップが、該カバー層の幅を横切って延びていることを特徴とする請求項2記載のテストストリップ。
【請求項4】
該カバー層が、単一であり、かつ該スロットが、その下側に形成された凹所を備え、該凹所が、テストストリップの横に延びかつベント開口で終わっていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項5】
該凹所は、該テストストリップの幅を横切って延びまた該ベント開口が、該テストストリップの反対側に配置された2つのベント開口を備えることを特徴とする請求項4記載のテストストリップ。
【請求項6】
該スロットが、実質的にまっすぐであることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項7】
該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項6記載のテストストリップ。
【請求項8】
該スロットが、該テストストリップの縦軸に対して実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項6記載のテストストリップ。
【請求項9】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一平面に配置されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項10】
該室カバーおよび該ボディカバーが、該テストストリップに沿って長さ方向に端と端をくっつけて配置されていることを特徴とする請求項9記載のテストストリップ。
【請求項11】
さらに該サンプル受け取り室中に配置された電極を備え、該電極が、試薬層でカバーされていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項12】
該室カバーが、該サンプル受け取り室に重なることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項13】
該スロットが、該ボディカバーに隣接する疎水性の側を備え、さらに該サンプル受け取り室に入ってくるサンプル流体が、該スロットまで進行するがそれ以上は進行せず、これにより該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項12記載のテストストリップ。
【請求項14】
該室カバーが、透明あるいは半透明であり、これにより該サンプル受け取り室中へのサンプル流体の該充填ラインまでの進行が可視であることを特徴とする請求項13記載のテストストリップ。
【請求項15】
該室カバーが、その裏面上の親水性表面を備え、これにより該サンプル受け取り室中からスロットまでの移動が促進されることを特徴とする請求項13記載のテストストリップ。
【請求項16】
該スロットが、該室カバーを該ボディカバーから間隔をあけているギャップを含むことを特徴とする請求項13記載のテストストリップ。
【請求項17】
該ボディカバーが、疎水性接着剤を用いて該テストストリップに接着されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項18】
該室カバーの裏面が、親水性であることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項19】
該室カバーの裏面が、親水性物質で塗布されていることを特徴とする請求項18記載のテストストリップ。
【請求項20】
該室カバーおよび該ボディカバーが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項21】
さらに該サンプル受け取り室に配置されている電極と、該テストストリップの計量器挿入端において該ベース基板上に形成されているコンタクトパッドと、
該ベース基板に沿って延びており、かつ該電極を該コンタクトパッドに接続している電極トレースをさらに備えるテストストリップであって、該カバー層が、該電極トレースをカバーし、かつ該コンタクトパッドを暴露することを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項22】
さらに該サンプル受け取り室内に配置された作用電極および対極を含み、該スロットが、該作用電極および対極の下流に位置決めされることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項23】
該室カバーが該サンプル受け取り室に重なり、また該室カバーが透明あるいは半透明であることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項24】
該スロットが、該サンプル受け取り室の内部端に実質的に配列されていることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項25】
さらに該カバー層と該ベース基板とのあいだに配置されているスペース層を備え、該スペース層が、該ベースと該カバー層のあいだの該サンプル受け取り室の高さおよび周辺を、さらに定める空隙部を定めることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項26】
該空隙部が、該テストストリップの端にある開口で始まる経路を形成し、該開口が、該サンプル受け取り室と連通していることを特徴とする請求項25記載のテストストリップ。
【請求項27】
該空隙部が、該スロットに実質的に配列されている位置で終わっていることを特徴とする請求項26記載のテストストリップ。
【請求項28】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なるカバー層であって、該カバー層がそのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備え、
該ベース基板と該カバー層のあいだに配置される単一スペース層で、該スペース層が、該ベース基板と該カバー層とのあいだにサンプル受け取り室を定める空隙を有するテストストリップであって、
該スロットが、サンプル受け取り室と連通しており、これにより、流体が該サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すこと可能にするカバー層中のベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項29】
該スロットが、該サンプル受け取り室の内部の端に実質的に配列されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項30】
該スペース層の1つの表面が、該ベース基板に接着され、かつ該スペース層の反対の面が、該カバー層に接着されることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項31】
該室カバーが、該サンプル受け取り室に隣接する親水性表面を含むことを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項32】
少なくとも1つの電極をカバーする該サンプル受け取り室中に配置されている試薬層をさらに含むことを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項33】
該試薬層が、該スペース層の下に延び、該スペース層および該ベース基板とのあいだに挟まれていることを特徴とする請求項32記載のテストストリップ。
【請求項34】
該試薬層が、該テストストリップの幅を横切って延びていることを特徴とする請求項33記載のテストストリップ。
【請求項35】
該試薬層が、該サンプル受け取り室の底を実質的にカバーしていることを特徴とする請求項32記載のテストストリップ。
【請求項36】
該スロットが、試薬層上に位置決めされることを特徴とする請求項32記載のテストストリップ。
【請求項37】
該サンプル受け取り室が、該室カバーによりそのトップ側を境界され、該室カバーの裏面が親水性であり、これにより該サンプル受け取り室中へのサンプルの移動が促進されることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項38】
該スロットが、該カバー層を横切って延び、かつ該室カバーから該ボディカバーを離すギャップを備え、該ボディカバーおよび該室カバーが、ギャップに隣接する実質的にまっすぐな端を有することを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項39】
該ギャップが、該テストストリップの縦軸に対して実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項38記載のテストストリップ。
【請求項40】
該サンプル受け取り室が、該テストストリップの端に配置されている流体受け取り開口と連通していることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項41】
該ボディカバーが、該スロットに隣接する疎水性部位を含むことを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項42】
該ボディカバーが、疎水性接着剤を用いて該スペース層に接着されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項43】
該室カバーおよび該ボディカバーが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項44】
該ボディカバーが疎水性物質で処理され、該室カバーが親水性物質で処理されていることを特徴とする請求項43記載のテストストリップ。
【請求項45】
さらに該ベース基板に沿った電極から延び、該テストストリップの計量器挿入端におけるコンタクトパッド中で終わる電極トレースを備え、該コンタクトパッドが、そこへの電気接続に対して暴露されることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項46】
該室カバーが、該サンプル受け取り室の全長に実質的に重なることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項47】
該室カバーが、該サンプル受け取り室上で透明あるいは半透明であり、これにより該サンプル受け取り室中に入る流体が該室カバーを通して可視であることを特徴とする請求項46記載のテストストリップ。
【請求項48】
該空隙に隣接する該スペース層のトップ表面および該サンプル受け取り室の底は、対照的色を有し、該室カバーを通して可視であることを特徴とする請求項47記載のテストストリップ。
【請求項49】
該ベース基板、該スペース層および該カバー層が、加熱溶接、レーザー溶接、感熱性接着剤、感圧接着剤およびそれらの組み合わせのうちの1つにより、互いに接着されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項50】
電極が、該サンプル受け取り室中に配置されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項51】
さらに該テストストリップの計量器挿入端に配置されているコンタクトパッドと電極を該コンタクトパッドに接続する該ベース基板に沿って延びる電極トレースを備えることを特徴とする請求項50記載のテストストリップ。
【請求項52】
該カバー層および該スペース層が、該コンタクトパッドを暴露するような大きさにされており、これにより該コンタクトパッドが計量器に電気的に接続可能になることを特徴とする請求項51記載のテストストリップ。
【請求項53】
該室カバーが、該サンプル受け取り室の全長に実質的に重なり、該サンプル受け取り室とほぼ同一の長さを有することを特徴とする請求項52記載のテストストリップ。
【請求項54】
該室カバーが、透明あるいは半透明であることを特徴とする請求項53記載のテストストリップ。
【請求項55】
該ボディカバーおよび該室カバーが、端と端を結んで配列され、かつ実質的に同一平面に配置されていることを特徴とする請求項28記載のテストストリップ。
【請求項56】
複数のテストストリップを製造する方法であって、該方法が、
(a)ベース基板材料のウェブを提供すること、
(b)該ウェブ上に複数の電極セットを形成すること、
(c)各電極セットの少なくとも1つの電極をカバーする試薬層を提供すること、その後
(d)そこに形成されている一連のキャビティを有するスペース材料の連続ウェブを提供し、かつ各キャビティが、それぞれ1つの電極セットと配列するように、ベース基板材料の該ウェブ上にスペース材料のウェブを積層すること、
(e)2つの要素から作られるカバー層のウェブを提供し、かつ該2つの要素が、ギャップにより隔てられ、該ギャップが、一連のキャビティ上に位置決めされるように、これを該スペース材料のウェブ上に積層すること、および
(f)該ウェブを、複数のテストストリップに切断することを含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
該試薬層が、ベース基板材料のウェブに沿って連続ストライプとして均一厚さで適用されることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
工程(c)が、さらに複数の電極セット上に試薬ストライプ蒸着させることを含むことを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項59】
工程(b)が、導電性膜を該ベース基板のウェブに適用し、その後導電性膜の部分を除去して電極セットを形成することを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項60】
該導電性膜の部分が、レーザー切除により除去されることを特徴とする請求項59記載の方法。
【請求項61】
該レーザー切除が、広領域レーザー切除を含むことを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項62】
2つの要素が、実質的にまっすぐな端を有し、これにより該ギャップが実質的にまっすぐで、一連のキャビティ上に延びることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項63】
カバー材料の2つの要素の各々が、細長い連続ウェブを備えることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項64】
電極セットのあいだに一連の実質的に等距離のカットを行うことからなる方法であって、該カットが、該ギャップに対して実質的に垂直であり、これにより形成される個々のテストストリップが、そのカバー層を横切って延びるギャップを有し、個々のギャップが、各キャビティに連通するベント開口を形成することを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項65】
該カットが、該ウェブの一端をカットし、それらの端に開口を有するテストストライプの流体受け取り端を形成し、各開口が各キャビティ中に通じることを特徴とする請求項64記載の方法。
【請求項66】
該流体受け取り端が、Y形状であることを特徴とする請求項65記載の方法。
【請求項67】
該キャビティが、該テストストリップの端における開口から、該カバー層中に形成されるベント開口まで延びていることを特徴とする請求項65記載の方法。
【請求項68】
さらに一連のキャビティの内部端上に、該ギャップを位置決めすることを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項69】
さらに2つの要素を、実質的に同時に該ウェブに適用することを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項70】
さらに親水性表面をもった該カバー層ウェブの1つの要素と疎水性表面を有する該カバー層ウェブの他の要素を提供することを含むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項71】
テストストリップ本体と、
該テストストリップ本体中に配置されるサンプル受け取り室と、
該テストストリップ本体の端に配置され、かつ該サンプル受け取り室と連通する流体受け取り開口と、
該テストストリップ本体のトップを少なくとも部分的に定めるカバー層であって、該カバー層が、それらのあいだにスロットを有する2つの要素からなり、該スロットが、該サンプル受け取り室上におよびそれに連通して位置決めされるベント開口を形成し、これにより流体が該サンプル受け取り室に入るにしたがって、空気がベント開口から逃げ出し、
疎水性端からなるスロットを備えるテストストリップであって、サンプル流体が、該サンプル受け取り室中を、該スロットまで進行すること可能であるが、それ以上は進行せず、これにより該スロットが充填ラインを備えることを特徴とするテストストリップ。
【請求項72】
さらに試薬層と該サンプル受け取り室中に配置されている少なくとも1つの電極とを備えることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項73】
該スロットが、該試薬層上に置かれていることを特徴とする請求項72記載のテストストリップ。
【請求項74】
さらに該テストストリップ本体の底を定めるベース基板を備え、該ベース基板が、その上に形成されている電極を有することを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項75】
さらに少なくとも1つの電極をカバーする試薬層を備え、該少なくとも1つの電極が、該サンプル受け取り室内に置かれていることを特徴とする請求項74記載のテストストリップ。
【請求項76】
該テストストリップ本体が、さらに該テストストリップの底を定め、かつその上に形成される電極を有するベース基板層と、
該カバー層と該ベース基板層のあいだに配置されているスペース層とを備えるテストストリップであって、
該スペース層が該サンプル受け取り室の境界を部分的に定める空隙を有し、該空隙が該流体受け取り開口に始まり、かつ該スロットに実質的に配列する場所で終わることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項77】
該サンプル受け取り室が、該流体受け取り開口から内部に延び、該スロットと実質的に配列する場所で終わることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項78】
該カバー層の2つの要素の内の第1が、該サンプル受け取り室に重なり、該第1要素が、該流体受け取り開口と実質的に配列するその端を有することを特徴とする請求項77記載のテストストリップ。
【請求項79】
該テストストリップ本体が、細長い形状をしており、該サンプル受け取り室が、該テストストリップ本体に対して長さ方向に延びており、該流体受け取り開口が、該テストストリップ本体の端に配置されていることを特徴とする請求項78記載のテストストリップ。
【請求項80】
該カバー層の2つの要素が、同一材料で形成され、該要素の1つが、疎水性物質で処理されており、また他の要素が、親水性物質で処理されていることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項81】
疎水性物質で処理されている該カバー層の要素が、該サンプル受け取り室に重なることを特徴とする請求項80記載のテストストリップ。
【請求項82】
さらに該サンプル受け取り室中へのサンプルの移動を促進するために、該サンプル受け取り室中に親水性表面を備えることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項83】
該親水性表面が、該カバー層の第1要素の底を備えることを特徴とする請求項82記載のテストストリップ。
【請求項84】
該カバー層の2つの要素が、該テストストリップに沿っての長さ方向に端と端をつないで配置されていることを特徴とする請求項71記載のテストストリップ。
【請求項85】
該カバー層の2つの要素が、実質的に同一面で配置されていることを特徴とする請求項84記載のテストストリップ。
【請求項86】
検体の存在あるいは濃度に対して、流体サンプルをテストする方法であって、
(a)その端にサンプル受け取り開口を有するテストストリップを提供することであって、該サンプル受け取り開口がテストストリップ中に延びるサンプル受け取りチャンバー中に通じており、
(b)該サンプル受け取り室に重なるスロットとともに形成される該テストストリップ用のカバー層を提供すること、
(c)該サンプル受け取り開口に、流体サンプルを置くこと、
(d)毛細管作用により該サンプル受け取り室中にサンプルを引き込み、同時に該スロットを経由して該サンプル受け取り室から空気を置換すること、
(e)該サンプルが該スロットに到達するまで、該サンプルを該サンプル受け取り室中に引き込み、その後、該サンプルのスロットを越えるさらなる進行を止め、これにより該スロットが充填ラインを含み、および
(f)検体の存在あるいは濃度を定量することを含むことを特徴とする方法。
【請求項87】
該カバー層が、該サンプル受け取り室に重なる透明あるいは半透明部分を有し、その結果該サンプル受け取り室が、該カバー層を通して可視であり、該方法が、さらに該サンプル受け取り開口から該スロットまでのサンプルの進行を観察することを含むことを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項88】
該スロットを越えての該サンプルのさらなる進行の停止が、疎水性端を有する該スロットを提供することを含むことを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項89】
該サンプル受け取り室中に試薬層を提供し、該試薬層上に該スロットを位置決めすることを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項90】
該スロットがギャップを備え、置換された空気の少なくとも一部が、該テストストリップのトップから退出することを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項91】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一面に配置されていることを特徴とする請求項86記載の方法。
【請求項92】
該室カバーおよび該ボディカバーが、端と端をつないで配置されていることを特徴とする請求項91記載の方法。
【請求項93】
検体の存在あるいは濃度に対して、流体サンプルをテストする方法であって、
(a)その端にサンプル受け取り開口を有するテストストリップを提供することであって、該サンプル受け取り開口がテストストリップ上の内側に延びるサンプル受け取りチャンバー中に通じており、
(b)そのあいだにギャップを有するボディカバーと室カバーとを備え、該テストストリップ用のカバー層を提供することであって、該ギャップがサンプル受け取り室の一部分と重なり、
(c)該サンプル受け取り開口に、流体サンプルを置くこと、
(d)毛細管作用により該サンプル受け取り室中にサンプルを引き込み、同時に該ギャップを経由して該サンプル受け取り室から空気を同時に置換し、置換された空気の少なくとも一部が、該テストストリップのトップから退出すること、および
(e)検体の存在あるいは濃度を定量することを含むことを特徴とする方法。
【請求項94】
該工程(d)が、さらに該サンプルが該ギャップに到達するまで、該サンプルを該サンプル受け取り室中に引き込み、その後該ギャップを越えての該サンプルのさらなる進行を停止することをさらに含み、該ギャップが充填ラインを備えていることを特徴とする請求項93記載のテストストリップ。
【請求項95】
該カバー層が、該サンプル受け取り室に重なる透明あるいは半透明部分を有し、その結果該サンプル受け取り室は、該カバー層を通して可視であり、該方法が、さらに該サンプル受け取り開口から該ギャップまでの該サンプルの進行を観察することを含むことを特徴とする請求項94記載の方法。
【請求項96】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一面に配置されていることを特徴とする請求項93記載の方法。
【請求項97】
該室カバーおよび該ボディカバーが、端と端を結んで配置されていることを特徴とする請求項96記載の方法。
【請求項98】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なり、そのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備え、該スロットが、該カバー層の下側と該カバー層および該室カバーのあいだの重なりに1つの切り込みとして形成され、
該ベース基板と該カバー層のあいだに配置されるサンプル受け取り室とを備えるテストストリップであって、
該スロットが、サンプル受け取り室と連通しており、流体が該サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すことを可能にするカバー層中にベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項99】
該スロットが、該試薬層上に置かれていることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項100】
該スロットが、該カバー層の幅を横切って延びていることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項101】
該カバー層が単一であり、該スロットが該切り込みを備えることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項102】
該スロットが、該カバー層および該ボディカバーのあいだの重なりを備えることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項103】
該重なりが、該ボディカバーの端をカバーしている該室カバーを備えることを特徴とする請求項102記載のテストストリップ。
【請求項104】
該スロットが、該テストストリップの幅を横切って延びており、該ベント開口が、該テストストリップの反対側に配置されている2つのベント開口を備えることを特徴とする請求項102記載のテストストリップ。
【請求項105】
該スロットが、実質的にまっすぐであることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項106】
該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項105記載のテストストリップ。
【請求項107】
該スロットが、該テストストリップの縦軸に対して、実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項98記載のテストストリップ。
【請求項108】
その上に配置されている試薬層を有するベース基板と、
ベース基板に重なり、そのあいだにスロットを有する室カバーおよびボディカバーを備えるカバー層を備え、該ボディカバーが該室カバーよりも厚いカバー層と、
該ベース基板と該カバー層のあいだに配置されるサンプル受け取り室を備えるテストストリップであって、
該スロットが、サンプル受け取り室と連通しており、また流体が、該サンプル受け取り室に入ってくるにしたがい、空気を逃すこと可能にするカバー層中にベント開口を定めることを特徴とするテストストリップ。
【請求項109】
該スロットが、該ボディカバーを該室カバーから離間するギャップを含んでいることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項110】
該ギャップが、該カバー層の幅を横切って延びていることを特徴とする請求項109記載のテストストリップ。
【請求項111】
該スロットが、実質的にまっすぐであることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項112】
該スロットが、充填ラインを備えることを特徴とする請求項111記載のテストストリップ。
【請求項113】
該スロットが、該テストストリップの縦軸に対して、実質的に垂直に配向されていることを特徴とする請求項111記載のテストストリップ。
【請求項114】
該室カバーおよび該ボディカバーが、実質的に同一水平面に配置されていることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項115】
該室カバーおよび該ボディカバーが、該テストストリップに沿って長さ方向に、端と端を結んで置かれていることを特徴とする請求項114記載のテストストリップ。
【請求項116】
該室カバーが、該サンプル受け取り室に重なることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項117】
該スロットが、該ボディカバーに隣接する疎水性の側を備え、さらに該サンプル受け取り室に入ってくるサンプル流体が、該スロットまで進行するがそれ以上は進行せず、これにより該スロットが充填ラインを備えることを特徴とする請求項116記載のテストストリップ。
【請求項118】
該室カバーが、透明あるいは半透明であり、これにより該サンプル受け取り室中のサンプル流体の該充填ラインまでの進行が可視であることを特徴とする請求項116記載のテストストリップ。
【請求項119】
該室カバーが、その下側の親水性表面を備え、これにより該サンプル受け取り室中からスロットまでの移動が促進されることを特徴とする請求項117記載のテストストリップ。
【請求項120】
該スロットが、該室カバーを該ボディカバーから離間するギャップを備えることを特徴とする請求項117記載のテストストリップ。
【請求項121】
該室カバーおよび該ボディカバーが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項108記載のテストストリップ。
【請求項122】
テストストリップを製造する方法であって、該方法が、
(a)そこに形成される一連の間隔をあけたキャビティを有する材料の第1ウェブを提供し、該キャビティが、サンプル受け取り室の壁と床を定め、該キャビティが、それらのトップ上で開放されており、
(b)該材料の第1ウェブを材料の第2ウェブでカバーし、該材料の第2ウェブが、第1厚みをもつ第1部分と第1厚みよりも大きな第2厚みをもつ第2部分を有し、そこでは第1部分がキャビティ上に配列され、かつ該キャビティをカバーしており、
(c)工程(b)で作られた構造を該テストストリップに切断することを含むことを特徴とする方法。
【請求項123】
該第1部分と該第2部分が、ギャップにより隔てられるように、さらに第1ウェブ上に第2ウェブを積層することを含むことを特徴とする請求項122記載の方法。
【請求項124】
さらに一連のキャビティ上に該ギャップを置く事を含むことを特徴とする請求項123記載の方法。
【請求項125】
該第1部分と該第2部分のそれぞれが、実質的にまっすぐな端を有し、これにより該ギャップが、実質的にまっすぐであり、一連の該キャビティを越えて延びることを特徴とする請求項123記載の方法。
【請求項126】
さらに該材料の第1ウェブ上に、複数の電極セットを形成することを含むことを特徴とする請求項122記載の方法。
【請求項127】
さらに該キャビティの各1つを、それぞれ1つの該電極セットと配列することを含むことを特徴とする請求項126記載の方法。
【請求項128】
さらに該電極セットの少なくとも1つの電極をカバーする試薬層設けることを含むことを特徴とする請求項126記載の方法。
【請求項129】
該試薬層が、該材料の第1ウェブに沿って、連続ストライプとして均一な厚さで適用されることを特徴とする請求項128記載の方法。
【請求項130】
さらに複数の該電極セット上に、該試薬ストライプを堆積させることを含むことを特徴とする請求項129記載の方法。
【請求項131】
該第2ウェブが、該キャビティに重なるギャップにより離間されている2層の材料を含むことを特徴とする請求項122記載の方法。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2007−524822(P2007−524822A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517460(P2006−517460)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019685
【国際公開番号】WO2004/113901
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019685
【国際公開番号】WO2004/113901
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
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