説明

セメントキルン抽気ガスの処理システム及び処理方法

【課題】湿式集塵機を用いたセメントキルン抽気ガスの処理にあたっての水の使用量を低減し、運転コスト削減や十分な水量を確保し難い地域への対応を図る。
【解決手段】セメントキルン2の窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された抽気ガスG1に含まれるダストを湿式集塵機6によって湿式集塵するセメントキルン抽気ガスの処理システム1であって、湿式集塵機6から排出される排ガスG3中の水分を回収する。また、湿式集塵機6から排出される排ガスG3を冷却し、排ガスG3中の水蒸気を凝縮させて水を回収する熱交換器8を備えることができ、さらに、熱交換器8によって水分が回収された後の排ガスG3’からダイオキシン類等を吸着除去する除去装置9を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントキルン抽気ガスの処理システム及び処理方法に関し、特に、セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した抽気ガスに含まれるダストを湿式集塵するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特に問題となることに着目し、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気して塩素を除去する塩素バイパス設備が用いられている。
【0003】
この塩素バイパス設備は、図5に示すように、セメントキルン42の窯尻から最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気するプローブ43と、プローブ43に冷風を供給する冷却ファン44と、プローブ43で抽気した燃焼ガスに含まれるダストの粗粉を分離するサイクロン45と、サイクロン45の排ガスに含まれる微粉を湿式集塵する湿式集塵機46と、湿式集塵機46から排出されるスラリーを固液分離して石膏と塩水とを得るための固液分離器47と、湿式集塵機46から排出される清浄ガス(以下、「湿式集塵機の排ガス」という)を誘引する誘引ファン48等で構成される。
【0004】
また、湿式集塵機46は、微粉を含む抽気ガスをスラリー中の水分と接触させて冷却するスクラバ46aと、スクラバ46aとの間で集塵ダストスラリーを循環させる循環液槽46bと、工水を噴霧する洗浄塔46cとを備える。
【0005】
上記構成において、セメントキルン42の燃焼ガスの一部をプローブ43で冷却しながら抽気すると、塩素化合物の結晶が生成される。その際、抽気した排ガスに含まれるダストの微粉側に塩素が偏在しているため、サイクロン45で分級した粗粉をセメントキルン系に戻すとともに、塩素含有率の高い微粉及びガスを湿式集塵機46に導き、循環液槽46bから供給されるスラリーの水分等によって冷却する。そして、ガス中の微粉を湿式集塵機46によって集塵し、集塵ダストスラリーを固液分離器47によって石膏と、KClを含む塩水とに分離し、石膏を回収するとともに、分離された塩水をセメント粉砕工程に添加したり、水処理後に下水又は海洋に放流して処理する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−331474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、セメントキルン抽気ガスの処理に湿式集塵機46を用いた場合には、多量の工水が必要になるため、運転コストの増大を招く要因となる。また、十分な水量を確保し易い場所でなければ、設備を導入することが困難となるため、導入可能な国や地域が制限されるという問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、湿式集塵機を用いたセメントキルン抽気ガスの処理にあたっての水の使用量を低減することができ、運転コストの削減や十分な水量を確保し難い地域への対応を図ることが可能な処理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明者は、先ず、セメントキルン抽気ガスを湿式集塵機により処理した場合の水量バランスに着目し、処理設備の全体において、各所の水量を調査した。その結果、下記のように、設備から排出される物質の一部に偏った状態で水分が存在し、また、それらを大気放出していることが判明した。
【0010】
図1は、50m3N/minのセメントキルン抽気ガスを湿式集塵機を用いて処理した場合の水量バランスの測定例を示すものであるが、同図に示されるように、湿式集塵機の後段に設置した固液分離器のろ液及びケーキに含まれる水量が合計で3.6kg/minであるのに対して、湿式集塵機の排ガスに含まれる水量が約2倍の7.0kg/minとなっている。すなわち、湿式集塵機で与えた水分(工水)の多くが排ガス側に移行しており、これらの水分は、排ガスとともに大気へ放出されている。
【0011】
本発明は、水分含有率の高い湿式集塵機の排ガスに着目した上で、その有効利用を図ったものであり、セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された抽気ガスに含まれるダストを湿式集塵機によって湿式集塵するセメントキルン抽気ガスの処理システムであって、前記湿式集塵機から排出される排ガス中の水分を回収することを特徴とする。
【0012】
そして、本発明によれば、水分含有率の高い湿式集塵機の排ガスから水分を回収するため、効率的に水分を回収することができ、例えば、回収した水分を湿式集塵時の工水として再利用することで、水の使用量を効果的に低減することが可能になる。これにより、運転コストを削減したり、十分な水量を確保し難い地域への設備の導入を促進することが可能になる。
【0013】
上記セメントキルン抽気ガスの処理システムにおいて、前記湿式集塵機から排出される排ガス中の水蒸気を凝縮させて水を回収する凝縮装置を備えることができる。これによれば、排ガス中の水分を効率的に回収することができ、湿式集塵時の工水等として有効に活用することが可能になる。また、湿式集塵機の排ガスを誘引するファンでの異物の付着を抑制することもでき、振動や騒音を低減することが可能になる。
【0014】
上記セメントキルン抽気ガスの処理システムにおいて、前記凝縮装置により水分が回収された後の排ガスから有機有害物質を吸着除去する除去装置を備えることができ、これにより、有機有害物質を効率よく除去することが可能になる。
【0015】
上記セメントキルン抽気ガスの処理システムにおいて、前記除去装置が、水分の回収後に再加熱された排ガスから有機有害物質を吸着除去することができる。
【0016】
上記セメントキルン抽気ガスの処理システムにおいて、前記湿式集塵機から排出された排ガスを、前記キルン排ガス流路より抽気した抽気ガスを冷却する冷風として使用し、冷却後の抽気ガスに同伴させて前記湿式集塵機の入口部に導くことができる。これによれば、湿式集塵機の排ガスに含まれていた水分の多くを、湿式集塵機の入口部に戻して回収することができ、その結果として、湿式集塵機での工水の噴霧量を低減することが可能になる。
【0017】
上記セメントキルン抽気ガスの処理システムにおいて、前記湿式集塵機から排出された排ガスに含まれる有機有害物質を分解除去する除去装置を備えることができる。
【0018】
また、本発明は、セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された抽気ガスに含まれるダストを湿式集塵するセメントキルン抽気ガスの処理方法であって、湿式集塵後の抽気ガスに含まれる水分を回収することを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、効率的に水分を回収することができ、例えば、回収した水分を湿式集塵時の工水として再利用することで、水の使用量を効果的に低減することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、湿式集塵機を用いたセメントキルン抽気ガスの処理にあたっての水の使用量を低減することができ、運転コストの削減や十分な水量を確保し難い地域への対応を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】セメントキルン抽気ガスを湿式集塵機を用いて処理した場合の水量バランスの一例を示す図である。
【図2】本発明にかかるセメントキルン抽気ガスの処理システムの第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図3】図2の処理システムの変更例を示すフローチャートである。
【図4】本発明にかかるセメントキルン抽気ガスの処理システムの第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】従来のセメントキルン抽気ガスの処理システムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図2は、本発明にかかるセメントキルン抽気ガスの処理システムの第1の実施形態を示し、この処理システム1は、セメントキルン2の窯尻からプレヒータの最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気するプローブ3と、プローブ3に冷風を供給する冷却ファン4と、抽気ガスG1に含まれる粗粉D1を分離する分級機としてのサイクロン5と、サイクロン5の排ガスG2に含まれる微粉D2を湿式集塵する湿式集塵機6と、湿式集塵機6から排出される排ガスG3を冷却し、排ガスG3に含まれる水分を回収する熱交換器8と、冷却後の排ガスG3’からダイオキシン類等の有機有害物質を除去する除去装置9と、湿式集塵機6の排ガスG3を誘引する誘引ファン10等で構成される。
【0023】
湿式集塵機6は、サイクロン5の排ガスG2に含まれる水溶性成分(主として塩素化合物)を溶解させたり、排ガスG2中の硫黄分(SO2)を、微粉D2に含まれる生石灰(CaO)が水と反応して生じた消石灰(Ca(OH)2)や、消石灰貯槽(不図示)から添加した消石灰と反応させ、石膏(CaSO4・2H2O)を生成するなどの目的で備えられる。この湿式集塵機6は、排ガスG2をスラリーS中の水分と接触させてガスの冷却、硫黄分の除去、除塵を行うスクラバ6aと、スクラバ6aからのスラリーを受け、スクラバ6aに供給するための循環液槽6bと、工水を噴霧する洗浄塔6cとから構成される。また、スクラバ6aと循環液槽6bとの間には、スラリーSを循環させるためのポンプ6dが設けられる。
【0024】
熱交換器8は、湿式集塵機6の洗浄塔6cから排出される排ガスG3を冷却するために備えられ、排ガスG3中の水蒸気を凝縮させて液状水に戻す凝縮装置としての役割を果たす。尚、洗浄塔6cの排ガスG3は比較的に温度が低い(50〜60℃)ため、熱交換器8として、圧縮機、凝縮器及び膨張弁を用いて循環熱媒を圧縮・膨張させながら熱交換を行う高効率の熱交換器を使用することができ、これにより、排ガスG3からの水分の回収率を向上させることが可能になる。
【0025】
除去装置9は、水分が回収された後の排ガスG3’に含まれるダイオキシン類等の有機有害物質を吸着して除去するために備えられる。吸着剤としては、例えば、活性炭を用いることができ、この場合には、排ガスG3’中に存在するダイオキシン類(PCDD、PCDF、co−PCB)及びポリ塩化ビフェニル(PCBs)等の残留性有機汚染物質(POPs)や揮発性有機汚染物質(VOC)等を除去することができ、さらには、排ガスG3’中の硫黄分を除去することもできる。尚、有機汚染物質の吸着剤には、活性炭以外にも、活性コークス、石炭、石炭灰、高炉灰及び未燃カーボンを含む灰等を用いることができる。また、除去装置9に触媒、例えば、チタン・バナジウム触媒等の酸化系触媒や、白金・パラジウム・ロジウム及びルテニウムから選択された貴金属を有する貴金属系触媒等、POPs、VOCを除去できるいずれの触媒を配置してもよい。
【0026】
次に、上記構成を有するセメントキルン抽気ガスの処理システム1の動作について、図2を参照しながら説明する。
【0027】
セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部をプローブ3によって抽気すると同時に、冷却ファン4からの冷風により、抽気した抽気ガスを塩素化合物の融点以下にまで冷却する。次いで、サイクロン5において、プローブ3から排気される抽気ガスG1を、粗粉D1と、微粉D2を含む排ガスG2とに分離し、粗粉D1をセメントキルン系に戻す。
【0028】
その一方で、サイクロン5の排ガスG2を湿式集塵機6に導入し、スクラバ6a、循環液槽6b及び洗浄塔6cを経て排ガスG2中のダストを湿式集塵する。その後、湿式集塵機6のスラリーSを固液分離器(不図示)に供給し、石膏と、KClを含む塩水とに分離する。
【0029】
これと併行して、湿式集塵機6の洗浄塔6cから排出される排ガスG3を熱交換器8に導いて冷却し、排ガスG3に含まれる水蒸気を凝縮させて液状水を生成する。生成した水は、回収して洗浄塔6cでの噴霧水に再利用したり、セメント製造工場内での他の設備で使用する工水として再利用する。
【0030】
熱交換器8での冷却後、水分を回収した排ガスG3’を除去装置9に導き、活性炭等の吸着剤を添加してダイオキシン類等を除去する。尚、吸着剤によるダイオキシン類等の除去にあたっては、処理対象ガスの水分含有率が高いと、ダイオキシン類等の吸着効率が低下するといった問題がある。しかし、本実施の形態においては、水分を回収した後の排ガスG3’を除去装置9に導くため、ダイオキシン類等の吸着効率を向上させることができ、有機有害物質を効率よく除去することが可能になる。
【0031】
ダイオキシン類等が除去された排ガスG4は、誘引ファン10により誘引されて大気に放出されたり、他のセメント製造工程において利用される。このとき、誘引ファン10に導入される排ガスG4は、水分が回収されて含水率が低くなっているため、誘引ファン10に異物(石膏等)が付着するのを抑制することができ、振動や騒音を低減することが可能になる。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、湿式集塵機6から排出された排ガスG3を冷却し、排ガスG3中の水蒸気を凝縮させて水分を回収するため、水の使用量を低減することが可能になる。すなわち、回収した水を洗浄塔6cでの噴霧水等に再利用することで、その分、新規水(再利用でない水)の使用量を減らすことができ、運転コストを削減したり、十分な水量を確保し難い地域への設備の導入を促進することが可能になる。特に、水分含有率の高い湿式集塵機6の排ガスG3から水分を回収するため、処理システム1内に存在する用済み水分を効率的に回収することができ、水の使用量を効果的に低減することが可能になる。
【0033】
尚、上記実施の形態においては、熱交換器8で冷却した排ガスG3’をそのまま除去装置9に導くが、排ガスG3’の温度が低くなり過ぎる場合もあるため、図3に示すように、冷却後の排ガスG3’を熱交換器8で再加熱してから除去装置9へ導くようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施の形態においては、サイクロン5で粗粉D1を分級した後に、微粉D2を含む排ガスG2を湿式集塵機6に導入するが、サイクロン5を設けることなく、プローブ3で抽気した抽気ガスG1を湿式集塵機6に直接導入してもよい。
【0035】
次に、本発明にかかるセメントキルン抽気ガスの処理システムの第2の実施形態について、図4を参照しながら説明する。尚、図4において、図2及び図3の処理システムと同一の構成要素については、同一符号を付す。
【0036】
同図に示すように、処理システム20は、セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気するプローブ3と、プローブ3に冷風を供給する冷却ファン4と、抽気ガスG1に含まれる粗粉D1を分離する分級機としてのサイクロン5と、サイクロン5の排ガスG2に含まれる微粉D2を湿式集塵する湿式集塵機6と、湿式集塵機6の排ガスG3を誘引する誘引ファン21と、排ガスG3の一部を抽気し、冷却ファン4に導く分岐管路22と、管路22を流れる排ガスG5からダイオキシン類等の有機有害物質を除去する除去装置23等で構成される。
【0037】
分岐管路22は、湿式集塵機6の排ガスG3の70〜80%を抽気するために備えられ、湿式集塵機6の洗浄塔6cの出口から誘引ファン21に繋がる管路21aの途中に付設される。
【0038】
除去装置23は、抽気された排ガスG5に含まれるダイオキシン類等を分解除去するために備えられる。この除去装置23は、排ガスG5に水蒸気が多く含まれる点を積極的に利用してダイオキシン類等の分解除去を図るものであり、排ガスG5にオゾンO3を添加した上で、紫外線の照射や過酸化水素水(H22)の添加を行い、排ガスG5中の水蒸気、オゾンO3及び有機有害物質を反応させる。
【0039】
次に、上記構成を有するセメントキルン抽気ガスの処理システム20の動作について、図4を参照しながら説明する。但し、図2の処理システム1と同様の動作に関しては、適宜、説明を省略する。
【0040】
サイクロン5の排ガスG2に含まれるダストを湿式集塵機6で湿式集塵した後、洗浄塔6cから排出される排ガスG3の一部を分岐管路22を通じて冷却ファン4に導く。その過程で、除去装置23により、抽気した排ガスG5にオゾンO3を添加するとともに、紫外線の照射や過酸化水素水の添加を行う。この結果、排ガスG5においては、オゾンO3が励起されて酸素原子Oxが生成されるとともに(O3+hν→O2+Ox)、励起状態の酸素原子Oxに水蒸気成分が取り付いてヒドロキシルラジカルが生成される(H2O+Ox→2HO)。そして、ヒドロキシルラジカルの強い酸化力によりダイオキシン類が分解され、排ガスG5に含まれる有機有害物質が除去される。
【0041】
次いで、有機有害物質を除去した後の排ガスG6を冷却ファン4を介してプローブ3に供給し、キルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスを冷却する冷風として使用する。冷風として供給された排ガスG6は、プローブ3内に流入して抽気ガスと接触した後、冷却後の抽気ガスG1に同伴してプローブ3の出口部から排出される。
【0042】
その後は、サイクロン5を経て湿式集塵機6のスクラバ6aに導かれるため、洗浄塔6cの排ガスG3に含まれていた水分の多くは、湿式集塵機6のスクラバ6aに戻されて回収されることになる。これにより、湿式集塵機6への水分の持ち込み量が増加されるため、その分、洗浄塔6cでの工水の噴霧量を低減することができ、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることが可能になる。
【符号の説明】
【0043】
1 セメントキルン抽気ガスの処理システム
2 セメントキルン
3 プローブ
4 冷却ファン
5 サイクロン
6 湿式集塵機
6a スクラバ
6b 循環液槽
6c 洗浄塔
6d ポンプ
8 熱交換器
9 除去装置
10 誘引ファン
20 セメントキルン抽気ガスの処理システム
21 誘引ファン
21a 管路
22 分岐管路
23 除去装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された抽気ガスに含まれるダストを湿式集塵機によって湿式集塵するセメントキルン抽気ガスの処理システムであって、
前記湿式集塵機から排出される排ガス中の水分を回収することを特徴とするセメントキルン抽気ガスの処理システム。
【請求項2】
前記湿式集塵機から排出される排ガス中の水蒸気を凝縮させて水を回収する凝縮装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のセメントキルン抽気ガスの処理システム。
【請求項3】
前記凝縮装置により水分が回収された後の排ガスから有機有害物質を吸着除去する除去装置を備えることを特徴とする請求項2に記載のセメントキルン抽気ガスの処理システム。
【請求項4】
前記除去装置は、水分の回収後に再加熱された排ガスから有機有害物質を吸着除去することを特徴とする請求項3に記載のセメントキルン抽気ガスの処理システム。
【請求項5】
前記湿式集塵機から排出された排ガスを、前記キルン排ガス流路より抽気した抽気ガスを冷却する冷風として使用し、冷却後の抽気ガスに同伴させて前記湿式集塵機の入口部に導くことを特徴とする請求項1に記載のセメントキルン抽気ガスの処理システム。
【請求項6】
前記湿式集塵機から排出された排ガスに含まれる有機有害物質を分解除去する除去装置を備えることを特徴とする請求項5に記載のセメントキルン抽気ガスの処理システム。
【請求項7】
セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された抽気ガスに含まれるダストを湿式集塵するセメントキルン抽気ガスの処理方法であって、
湿式集塵後の抽気ガスに含まれる水分を回収することを特徴とするセメントキルン抽気ガスの処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−51839(P2011−51839A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202429(P2009−202429)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】