説明

セリウム酸化物およびコロイド状二酸化ケイ素を含む分散液

セリウム酸化物粒子およびコロイド状二酸化ケイ素粒子を含む分散液において、該二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が負であり、且つ該セリウム酸化物粒子のゼータ電位が正またはゼロに等しく、且つ該分散液のゼータ電位が全体的に負であり、且つ該セリウム酸化物粒子の平均粒径が200nm以下であり、且つ該二酸化ケイ素粒子の平均粒径が100nm以下であり、該セリウム酸化物粒子の平均粒径が該二酸化ケイ素粒子の平均粒径よりも大きく、セリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比が1.1:1〜100:1であり、且つ該分散液のpHが7.5〜10.5である分散液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセリウム酸化物の粒子および二酸化ケイ素の粒子を含む分散液、およびその製造および使用に関する。
【0002】
US5891205号は、二酸化ケイ素およびセリウム酸化物を含むアルカリ性分散液を開示する。セリウム酸化物粒子の粒径は、二酸化ケイ素粒子のサイズ以下である。気相法から生じる分散液中に存在するセリウム酸化物粒子は凝集せず、且つ、100nm以下の粒径を有している。US5891205号によれば、セリウム酸化物粒子および二酸化ケイ素粒子の存在の結果として、材料除去率が急激に上昇し得る。これを実現するために、二酸化ケイ素/セリウム酸化物の質量比は7.5:1〜1:1でなければならない。該二酸化ケイ素は好ましくは50nm未満の粒径を有し、且つ該セリウム酸化物は40nm未満の粒径を有している。要約すれば、a) 二酸化ケイ素の割合はセリウム酸化物の割合よりも高く、且つb) 二酸化ケイ素粒子はセリウム酸化物粒子よりも大きい。
【0003】
US5891205号に開示されている分散液は、セリウム酸化物粒子のみに基づく分散液よりも著しく高い材料除去を可能にする。かかる分散液はセリウム酸化物粒子のみに基づく分散液よりも著しく高い材料除去を可能にする。しかしながら、かかる分散液は高い欠陥率を引き起こす。
【0004】
望まれているのは、低い欠陥率および高い選択性を有して高い材料除去率をもたらす分散液である。ウェハーの研磨および洗浄の後、もしあるにしても少量の堆積物のみが表面上に存在すべきである。
【0005】
驚くべきことに、セリウム酸化物粒子およびコロイド状二酸化ケイ素粒子を含む下記の分散液によって該目的が達成されることが判明した:
− 二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が負であり、且つセリウム酸化物粒子のゼータ電位が正またはゼロに等しく、且つ該分散液のゼータ電位は全体的に負であり、
− セリウム酸化物粒子の平均粒径が200nm以下であり、且つ二酸化ケイ素粒子の平均粒径が100nm以下であり、二酸化セリウム粒子の平均粒径は二酸化ケイ素粒子の平均粒径よりも大きく、
− セリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比が1.1:1〜100:1であり、且つ
− 該分散液のpHが7.5〜10.5である。
【0006】
コロイド状二酸化ケイ素粒子は、互いに架橋しておらず、球状あるいは非常に実質的に球状の個別の粒子の形態で存在し、且つ表面がヒドロキシル化されているものを意味すると理解される。
【0007】
粒子の表面電荷の1つの目安はゼータ電位である。ゼータ電位は、分散液中の粒子/電解質の電気化学的二重層内での滑り面での電位を意味すると理解される。ゼータ電位に関して重要なパラメータは、粒子に対する等電点(IEP)である。IEPはゼータ電位がゼロであるところでのpHと規定する。ゼータ電位がより大きいほど、分散液はより安定である。
【0008】
表面での電荷密度は、取り囲んでいる電解質中で電位決定イオンの濃度を変えることによって影響され得る。
【0009】
同一の材料の粒子は、同一の符号の表面電荷を有し、従って互いに反発する。しかしながら、ゼータ電位が小さすぎると、反発力が粒子のファンデルワールス引力を補償できず、粒子の凝集および場合によっては沈降が生じる。
【0010】
ゼータ電位は例えば、分散液のコロイド振動電流(CVI)を測ることによって、あるいは電気泳動の移動度を測定することによって測定される。
【0011】
さらには、ゼータ電位は界面動電音響振幅法(ESA)によって測定できる。
【0012】
本発明の分散液は、好ましくは−20〜−100mVのゼータ電位、およびより好ましくは−25〜−50mVのゼータ電位を有している。
【0013】
本発明の分散液のpHは、好ましくは9〜10である。
【0014】
本発明の分散液中のセリウム酸化物の割合は、広範囲にわたって変化し得る。好ましくは、セリウム酸化物の含有率は、分散液に対して0.01〜50質量%であってよい。例えば輸送コストを最小化することを意図しているのであれば、高い含有率が望ましい。研磨剤として使用する場合、セリウム酸化物の含有率は、分散液に対して好ましくは0.1〜5質量%、およびより好ましくは0.2〜1質量%である。
【0015】
コロイド状二酸化ケイ素の含有率は、分散液に対して好ましくは0.01〜10質量%、およびより好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0016】
本発明の分散液中でのセリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比は1.1:1〜100:1である。
研磨工程においては、セリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比が1.25:1〜5:1であれば有利であることが判明した。
【0017】
さらには、セリウム酸化物粒子およびコロイド状二酸化ケイ素粒子以外に、さらなる粒子が存在しない本発明の分散液が好ましい。
【0018】
本発明の分散液中でのセリウム酸化物粒子の平均粒径は200nm以下である。40〜90nmの範囲が好ましい。この範囲内で、研磨工程において、材料除去、選択性および欠陥率に関して最良の結果が得られる。
【0019】
該セリウム酸化物粒子は孤立した個々の粒子として、あるいは凝集した一次粒子の形態で存在してよい。本発明の分散液は、好ましくは、凝集したセリウム酸化物粒子を含むか、あるいはセリウム酸化物粒子がほとんど、または完全に凝集した形態で存在する。
【0020】
特に適したセリウム酸化物粒子は、それらの表面および表面近傍層内に炭酸基を含有するもの、特にDE−A−102005038136号内に開示されているものであると判明した。
【0021】
それらは、
− 25〜150m2/gのBET比表面積を有し、
− 一次粒子が5〜50nmの平均粒径を有し、
− 表面近傍の一次粒子の層が約5nmの深さを有し、
− 表面近傍層において、炭酸濃度が、該炭酸濃度が最高値である表面から内部に向かって減少し、
− 炭酸基から生じる炭素含有率が表面上で5〜50面積パーセントであり、且つ、表面近傍層において、約5nmの深さで0〜30面積パーセントであり、
− CeO2として計算され、且つ粉末に関するセリウム酸化物の含有率が、少なくとも99.5質量%であり、且つ
− 有機および無機の炭素を含む炭素含有率が、粉末に対する0.01〜0.3質量%である、セリウム酸化物粒子である。
【0022】
炭酸基は、セリウム酸化物粒子の表面と約5nmまでの深さとの両方で検知できる。該炭酸基は化学的に結合し、且つ、例えば構造a〜cのように配置される。
【0023】
【化1】

【0024】
該炭酸基を、例えばXPS/ESCA分析で検知できる。表面近傍層における炭酸基を検知するために、表面を部分的にアルゴンイオン衝撃によって削磨し、そして生成させた新しい表面をXPS/ESCAによって同様に分析できる(XPS=X線光電子分光法;ESCA=化学分析用電子分光法)。
【0025】
ナトリウムの含有率は一般に5ppm以下であり、且つ、塩素の含有率は20ppm以下である。述べられた元素は、一般に、化学機械研磨において少量のみが許容される。
【0026】
好ましく使用されるセリウム酸化物粒子は、30〜100m2/g、およびより好ましくは40〜80m2/gのBET比表面積を有する。
【0027】
本発明の分散液のコロイド状二酸化ケイ素粒子は100nm未満の平均粒径を有している。好ましいのは3〜50nmの範囲であり、且つ特に好ましいのは10〜35nmの範囲である。
【0028】
本発明の分散液の液相は、水、有機溶剤、および水と有機溶剤との混合物を含む。一般に、液相の>90質量%の含有率を有する主成分は水である。
【0029】
さらに、本発明の分散液は酸、塩基、塩も含んでよい。pHを、酸または塩基を用いて調整することができる。使用される酸は無機酸、有機酸、あるいは上記のものの混合物であってよい。使用される無機酸は、特に、リン酸、亜リン酸、硝酸、硫酸、それらの混合物、およびそれらの酸性塩であってよい。使用される有機酸は、好ましくは一般式Cn2n+1CO2H [n=0〜6またはn=8、10、12、14、16]のカルボン酸、または一般式HO2C(CH2nCO2H [n=0〜4]のジカルボン酸、または一般式R12C(OH)CO2H [R1=H、R2=CH3、CH2CO2H、CH(OH)CO2H]のヒドロキシカルボン酸、またはフタル酸またはサリチル酸、あるいは上述の酸の酸性塩、または、上述の酸とそれらの塩との混合物である。pHを、アンモニア、アルカリ金属水酸化物またはアミンを添加することによって増加できる。
【0030】
特定の用途においては、本発明の分散液が0.3〜20質量%の酸化剤を含有するときに有利であり得る。この目的のために、過酸化水素、過酸化水素付加物、例えばウレア付加物、有機過酸、無機過酸、イミノ過酸、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、酸化金属塩および/または上記の混合物を使用することが可能である。より好ましくは、過酸化水素が使用される。いくつかの酸化剤は本発明の分散液の他の成分に対して安定性が低いので、それらを分散液の使用の直前まで添加しないことが望ましい。
【0031】
本発明の分散液はさらに酸化活性剤を含んでもよい。適した酸化活性剤は、Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、Vの金属塩およびそれらの混合物であってよい。カルボン酸、ニトリル、ウレア、アミドおよびエステルもまた適している。硝酸鉄(II)が、特に好ましい。酸化触媒の濃度は酸化剤および研磨作業に依存し、0.001〜2質量%の間の範囲内で変化してよい。
【0032】
より好ましくは、該範囲は0.01〜0.05質量%であってよい。
【0033】
浸食防止剤は、本発明の分散液中に一般に0.001〜2質量%の含有率で存在し、該浸食防止剤は窒素含有複素環式化合物、例えばベンゾトリアゾール、置換ベンズイミダゾール、置換ピラジン、置換ピラゾールおよびそれらの組み合わせであってよい。
【0034】
本発明はさらに、
a) 粉末形態のセリウム酸化物粒子を、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液内に導入して、その後分散させるか、あるいは
b) セリウム酸化物粒子を含む予備分散液と、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液とを混合し、そして次に分散させ、且つ
c) 随意に、a)またはb)の変形物の分散工程の後、酸化剤、酸化触媒および/または浸食防止剤を添加する
方法も提供する。
【0035】
適した分散ユニットは、特に少なくとも約200kJ/m3のエネルギー入力をもたらすものである。これらは、ローター・ステーターの原理によって稼働する系、たとえばultra−turrax機、または攪拌ボールミルを含む。より高いエネルギーの入力は、遊星歯車ニーダ/ミキサを用いて可能である。しかしながら、この系の効率は、粒子を分割するのに必要な高い剪断エネルギーを導入するために、加工される混合物の十分に高い粘度と関わっている。
【0036】
高圧ホモジナイザーを使用して、2つの予め分散された懸濁液流を、ノズルを通して高圧下で放出する。この2つの分散液ジェットがちょうど互いにぶつかり合い、そして粒子が互いに粉砕する。他の実施態様においては、該予備分散液を同様に高圧下に設置するが、しかし粒子が取り囲んでいる壁の部分に衝突する。この作業を任意の回数繰り返して、より小さい粒径を得ることができる。
【0037】
さらには、該エネルギー入力を超音波でも実施できる。
【0038】
該分散装置および粉砕装置を、組み合わせて使用してもよい。酸化剤および添加剤を、異なる時間に分散液に供給してもよい。例えば、酸化剤および酸化活性剤を、もし適切であればより低いエネルギー入力で、分散の最後まで混合させないことも有利であり得る。
【0039】
使用されるコロイド状二酸化ケイ素粒子のゼータ電位は、好ましくは、pH7.5〜10.5で−20〜−100mVである。
【0040】
使用されるセリウム酸化物粒子のゼータ電位は、好ましくは、pH7.5〜10.5で0〜40mVである。
【0041】
本発明はさらに、本発明の分散液を研磨に用いる使用を提供する。
【0042】
実施例
分析
比表面積をDIN 66131に従って測定する。
【0043】
表面特性を広範囲(1cm2)のXPS/ESCA分析によって測定する(XPS=X線光電子分光法; ESCA=化学分析用電子分光法)。この評価は、英国、テディントンの国立物理学研究所のDIN Technical Report No.39、DMA(A)97による一般的な推奨規格、および"表面および微細領域分析(Surface and Micro Range)"研究委員会NMP816(DIN)の開発に伴う標準化に関するこれまでの知見に基づいている。さらには、それぞれの場合において、技術文献から入手可能な比較スペクトルを考慮に入れる。それぞれの場合において報告されている電子準位の相対感度係数を考慮して、バックグラウンド除去によって値を計算する。本データは面積パーセントである。精度は相対的に+/−5%と見積もられる。
【0044】
ゼータ電位を、界面動電音響振幅法(ESA)を用いて、pH3〜12の範囲で測定する。このために、1%のセリウム酸化物を含む懸濁液を調製する。分散を超音波プローブ(400W)で実施する。該懸濁液を磁気攪拌機で攪拌し、且つ蠕動ポンプを用いてMatec ESA−8000装置のPPL−80センサを通してポンピングする。5MのNaOHを用いた電圧滴定を初期のpHから開始し、pH12まで行う。pH4までの逆滴定を、5MのHNO3を用いて行う。その評価を、該装置のソフトウェア version pcava 5.94を用いて実施する。
【0045】
【数1】

【0046】
平均凝集径はHoriba LB−500粒径分析器を用いて測定される。
【0047】
原料
分散液を調製するために使用された原料は、DE−A−102005038136号、実施例2に記載の熱分解法セリウム酸化物であり、且つ使用されたコロイド状二酸化ケイ素はH.C.Starck製のLevasil(登録商標)の2つのタイプである。
【0048】
表1:原料
【表1】

【0049】
セリウム酸化物はさらに、下記の値を有する:
99.79質量%のCeO2、0.14質量%のC、pH=5でのゼータ電位48mV、pH9.8でのIEP、C1s 合成/スパッタ 19.0/11.2面積%(スパッタ:アルゴンイオン衝撃による表面の削磨後、5keV、約10分;炭酸C:束縛エネルギー約289eV)。
【0050】
ウェハー/パッド
二酸化ケイ素(200mm、層厚1000nm、熱酸化、SiMat製)および窒化ケイ素(200mm、層厚160nm、LPCVD、SiMat製)。Rodel IC 1000−A3パッド。
【0051】
分散液の調製
D1:該分散液を、セリウム酸化物粉末を水に添加し、そして超音波フィンガーを用いた超音波処理(Bandelin製 UW2200/DH13G、レベル8、100%;5分)によってそれを分散させることによって得る。その後、アンモニア水を用いてpHを7.5に調節する。
【0052】
D2〜D5:該分散液を、セリウム酸化物および水からなる予備分散液と、コロイド状二酸化ケイ素および水からなる予備分散液とを混合し、超音波フィンガーを用いた超音波処理(Bandelin製 UW2200/DH13G、レベル8、100%;5分)によってそれを分散させることによって得て、そしてその後、アンモニア水でpHを9.5に調節する。表2は得られる分散液の重要なパラメータを示す。
【0053】
表2:分散液
【表2】

【0054】
*粒子数に対して計量。
【0055】
表3:研磨結果
【表3】

【0056】
表3は、分散液の作製後、14日後、および44日後の研磨による削磨および選択性を示す。本発明の分散液の使用は、二酸化ケイ素粒子を含有しない分散液(D1)と比較して削磨速度の減少をもたらす。しかしながら、これは先行技術からの有機添加剤を含む公知の分散液と比較して充分であるとみなされる。
【0057】
ウェハーおよびパッド上の研磨残滓の評価
研磨残滓を視覚的に評価する(64倍までの拡大率の範囲の光学顕微鏡も用いる)。
【0058】
このために、分散液D1(比較)およびD2、D4(本発明)の粒径を研磨直後に分析する:
− D1は不安定であり且つわずか数分後に沈殿する。測定された粒径は1マイクロメートルより著しく大きい。
【0059】
− それに対して、D2、D4は研磨後でもまだ安定である。これは本発明の分散液の場合、大きな凝集物の形成がないことを意味する。D2、D4で研磨されたウェハーはまた、非常に低い水準の残滓を示す。
【0060】
負に帯電したコロイド状二酸化ケイ素粒子の添加は、研磨残滓の割合を減少させることによってセリウム酸化物を含む分散液の研磨品質に好影響を与える。
【0061】
可能性のある1つのメカニズムは、負に帯電したコロイド状二酸化ケイ素粒子によって正に帯電したセリウム酸化物粒子の外側を遮蔽することが、セリウム酸化物粒子の電荷の効率的な反転を確実にすることを含む。この電荷の反転の結果として、本発明の分散液は、とりわけ、セリウム酸化物単独のIEPに近いpH値での研磨の可能性を提供する。その相互作用は静電気力の相互作用であるため、コロイド状二酸化ケイ素粒子は研磨作業の間に剪断され、そのためセリウム酸化物の研磨作用が維持される。全ての粒子が研磨作業全体の間、常に外側が負に帯電している結果として、凝集物の形成が著しく減少する。長時間の分析は安定性および研磨特性が長期にわたって維持されていることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セリウム酸化物粒子およびコロイド状二酸化ケイ素粒子を含む分散液において、
− 二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が負であり、且つセリウム酸化物粒子のゼータ電位が正またはゼロに等しく、且つ該分散液のゼータ電位は全体的に負であり、且つ、
− セリウム酸化物粒子の平均粒径が200nm以下であり、且つ二酸化ケイ素粒子の平均粒径が100nm以下であり、二酸化セリウム粒子の平均粒径は二酸化ケイ素粒子の平均粒径よりも大きく、
− セリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比が1.1:1〜100:1であり、且つ
− 該分散液のpHが7.5〜10.5である
を特徴とする分散液。
【請求項2】
分散液のゼータ電位が−20〜−100mVであることを特徴とする、請求項1に記載の分散液。
【請求項3】
pHが9〜10であることを特徴とする、請求項1および2に記載の分散液。
【請求項4】
セリウム酸化物の含有率が分散液に対して0.01〜50質量%であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項5】
セリウム酸化物の含有率が分散液に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項6】
コロイド状二酸化ケイ素の含有率が分散液に対して0.01〜10質量%であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項7】
セリウム酸化物/二酸化ケイ素の質量比が1.25:1〜5:1であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項8】
セリウム酸化物粒子および二酸化ケイ素粒子が分散液中の唯一の粒子であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項9】
セリウム酸化物粒子の平均粒径が40〜90nmであることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項10】
セリウム酸化物粒子が凝集した一次粒子の形態で存在することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項11】
セリウム酸化物粒子が、その表面および表面近傍層に炭酸基を含有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項12】
コロイド状二酸化ケイ素粒子が3〜50nmの平均粒径を有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項13】
水が分散液の液相の主成分であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項14】
酸、塩基、塩、酸化剤、酸化触媒および/または浸食防止剤を含む、請求項1から13までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の分散液の製造方法において、
a) 粉末形態のセリウム酸化物粒子を、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液内に導入し、そして次に分散させるか、あるいは
b) セリウム酸化物粒子を含む予備分散液と、コロイド状二酸化ケイ素粒子を含む予備分散液とを混合し、そして次に分散させ、且つ
c) 随意に、a)またはb)の変形物の分散工程の後、酸化剤、酸化触媒および/または浸食防止剤を添加する
ことを含む方法。
【請求項16】
コロイド状二酸化ケイ素粒子のゼータ電位が、pH7.5〜10.5で−20〜−100mVであることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
セリウム酸化物粒子のゼータ電位が、pH7.5〜10.5で0〜40mVであることを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の分散液を研磨に用いる使用。

【公表番号】特表2010−519157(P2010−519157A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550662(P2009−550662)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062102
【国際公開番号】WO2008/101553
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】