説明

セルおよび磁場測定装置

【課題】簡単な構成で、磁場の3軸成分を測定する。
【解決手段】セルは、第1方向の法線を有する第1領域を有し、前記第1領域を介してプローブ光が入射される第1面と、前記第1方向と直交する第2方向の法線を有する第2領域を有し、前記第2領域を介してポンプ光が入射される第2面と、前記第1方向と直交しかつ前記第2方向となす角が90°未満の第3方向の法線を有する第3領域を有し、前記第3領域を介してポンプ光が入射される第3面と、前記第1方向と直交しかつ前記第3方向となす角が90°未満の第4方向の法線を有する第4領域を有し、前記第4領域を介してポンプ光が入射される第4面と、前記第1面、前記第2面、前記第3面、および前記第4面を構成する部材で囲まれた閉空間に封入され、磁場強度に応じて前記プローブ光の偏光面方位を変化させる媒体とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ポンピング方式を用いた磁場測定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓等の循環器系疾患の検査において、心電計を用いる手法、およびX線撮影装置とカ
テーテルとを併用する手法が知られている。しかし、心電計は精度が十分でなく、カテー
テルは被験者の身体的な負担が大きいという問題がある。このような問題を解決する技術
として、いわゆる光ポンピング方式の磁場測定装置が知られている。特許文献1および2
は、ポンピング光と直交する直線偏光のプローブ光を用いた磁場測定装置を開示している

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−236599号公報
【特許文献2】特開2006−340936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1または2に記載の技術においては、単一のガスセルを用いて磁場の3軸成分
を測定しようとすると、ポンプ光およびプローブ光の照射および検出をする光学系を、各
軸に1つずつ設置しなければならず、装置構成が複雑になってしまうという問題があった

これに対し本発明は、より簡単な構成で、磁場の3軸成分を測定する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1方向の法線を有する第1領域を有し、前記第1領域を介してプローブ光
が入射される第1面と、前記第1方向と直交する第2方向の法線を有する第2領域を有し
、前記第2領域を介してポンプ光が入射される第2面と、前記第1方向と直交しかつ前記
第2方向となす角が90°未満の第3方向の法線を有する第3領域を有し、前記第3領域
を介してポンプ光が入射される第3面と、前記第1方向と直交しかつ前記第3方向となす
角が90°未満の第4方向の法線を有する第4領域を有し、前記第4領域を介してポンプ
光が入射される第4面と、前記第1面、前記第2面、前記第3面、および前記第4面を構
成する部材で囲まれた閉空間に封入され、磁場強度に応じて前記プローブ光の偏光面方位
を変化させる媒体とを有するセルを提供する。
このセルによれば、直方体のセルと比較して、ポンプ光およびプローブ光の光源の配置
、およびプローブ光の検出部の配置に関して、より簡単な構成で磁場の3軸成分の測定が
可能になる。
【0006】
好ましい態様において、前記第2面、前記第3面、および前記第4面が、同一の面であ
ってもよい。
このセルによれば、第2面、第3面、および第4面の間に角が存在する構成と比較して
、セル、光学系または検出部の配置の自由度を向上させることができる。
【0007】
別の好ましい態様において、前記面の前記第1方向に垂直な方向の断面形状は、円弧で
あってもよい。
このセルによれば、この断面形状が円弧でない場合と比較して、セル、光学系または検
出部の配置の自由度を向上させることができる。
【0008】
また、本発明は、上記いずれかのセルと、前記プローブ光を出射する第1光源と、前記
ポンプ光を出射する第2光源と、前記プローブ光の偏光面の回転角を検出する検出部とを
有する磁場測定装置を提供する。
この磁場測定装置によれば、直方体のセルを用いた場合と比較して、ポンプ光およびプ
ローブ光の光源の配置、およびプローブ光の検出部の配置に関して、より簡単な構成で磁
場の3軸成分の測定が可能になる。
【0009】
好ましい態様において、前記第2光源は、前記第2領域に対して前記第2方向からプロ
ーブ光を出射する第1位置、前記第3領域に対して前記第3方向からプローブ光を出射す
る第2位置、および前記第4領域に対して前記第4方向からプローブ光を出射する第3位
置に移動可能であってもよい。
この磁場測定装置によれば、光を分岐させる部材を用いなくても、第1位置、第2位置
、および第3位置から光を照射することができる。
【0010】
さらに、本発明は、第1方向の法線を有する第1領域を有し、前記第1領域を介してポ
ンプ光が入射される第1面と、前記第1方向と直交する第2方向の法線を有する第2領域
を有し、前記第2領域を介してプローブ光が入射される第2面と、前記第1方向と直交し
かつ前記第2方向となす角が90°未満の第3方向の法線を有する第3領域を有し、前記
第3領域を介してプローブ光が入射される第3面と、前記第1方向と直交しかつ前記第3
方向となす角が90°未満の第4方向の法線を有する第4領域を有し、前記第4領域を介
してプローブ光が入射される第4面と、前記第1面、前記第2面、前記第3面、および前
記第4面を構成する部材で囲まれた閉空間に封入され、磁場強度に応じて前記プローブ光
の偏光面方位を変化させる媒体とを有するセルを提供する。
このセルによれば、直方体のセルと比較して、ポンプ光およびプローブ光の光源の配置
、およびプローブ光の検出部の配置に関して、より簡単な構成で磁場の3軸成分の測定が
可能になる。
【0011】
好ましい態様において、前記第2面、前記第3面、および前記第4面が、同一の面であ
ってもよい。
このセルによれば、第2面、第3面、および第4面の間に角が存在する構成と比較して
、セル、光学系または検出部の配置の自由度を向上させることができる。
【0012】
さらに別の好ましい態様において、前記面の前記第1方向に垂直な方向の断面形状は、
円弧であってもよい。
このセルによれば、この断面形状が円弧でない場合と比較して、セル、光学系または検
出部の配置の自由度を向上させることができる。
【0013】
さらに、本発明は、上記いずれかのセルと、前記プローブ光を出射する第1光源と、前
記ポンプ光を出射する第2光源と、前記第2領域を介して入射された前記プローブ光の偏
光面の回転角を検出する第1検出部と、前記第3領域を介して入射された前記プローブ光
の偏光面の回転角を検出する第2検出部と、前記第4領域を介して入射された前記プロー
ブ光の偏光面の回転角を検出する第3検出部とを有する磁場測定装置を提供する。
この磁場測定装置によれば、直方体のセルを用いた場合と比較して、ポンプ光およびプ
ローブ光の光源の配置、およびプローブ光の検出部の配置に関して、より簡単な構成で磁
場の3軸成分の測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態に係る磁場測定装置1の構成を示す模式図。
【図2】セル10の概要を説明する図。
【図3】図2のIII−III断面におけるセル10の断面構造を示す模式図。
【図4】ポンプ光照射部30の構成を示す図。
【図5】分配機構34を介して伝送されるレーザー光が照射される様子を示す図。
【図6】分配機構35を介して伝送されるレーザー光が照射される様子を示す図。
【図7】比較例として、立方体(直方体)のセルを用いた磁場測定の例を示す図。
【図8】変形例1に係るセル10の構成を例示する図。
【図9】変形例2に係るセル10の構成を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、一実施形態に係る磁場測定装置1の構成を示す模式図である。磁場測定装置1
は、いわゆる光ポンピング式磁気センサーである。磁場測定装置1は、n個のセル10と
、n個の検出部20と、ポンプ光照射部30と、プローブ光照射部40とを有する。磁場
測定装置1は、例えば心磁計であり、被検体である生体Tの心臓の状態を磁気により観測
する装置である。詳細は後述するが、磁場の測定は、ポンプ光照射部30から出力される
ポンプ光とプローブ光照射部40から出力されるプローブ光を用いて行われる。ポンプ光
照射部30およびプローブ光照射部40は、例えばレーザー光を照射する。検出部20は
、ビームスプリッターと、2分割PD(Photo Detector、光検出器)とを有する。このビ
ームスプリッターは、反射透過面を有する。ビームスプリッターは、反射透過面に入射し
た光のうち、ある偏光成分を反射し、それと直交する偏光成分を透過する。すなわち、ビ
ームスプリッターは、入射した光(セルを透過した光)を、直交する2つの偏光成分に分
離する。ビームスプリッターは、反射透過面が、セルに入射する前の光の偏光面と45°
で交わるように設置される。2分割PDは、レーザー光の波長に感度を有する。2分割P
Dは、第1偏光成分および第2偏光成分のそれぞれの光量に応じた電流(光電流)を出力
する。第1偏光成分および第2偏光成分の光電流の和をとることにより、測定軸における
磁場に関する情報を得ることができる。この測定軸は、ポンプ光およびプローブ光の双方
に垂直な方向を向いている。
【0016】
図2は、セル10の概要を説明する図である。この例で、セル10は、半円柱形状を有
している。セル10は、面11、面12、面13、および面14を有する。セル10の構
造を説明するため、3次元直交座標系が用いられる。この座標系は、プローブ光が進行す
る方向をy軸正方向とする右手系の3次元直交座標系である。面11および面12は、y
軸に垂直な面であり、半円柱の上半円面および下半円面に相当する。面13は、y軸に垂
直な断面形状が円弧である面であり、半円柱の側面に相当する。面14は、xy平面に平
行な面であり、円柱を半分に切断した場合の切断面に相当する。面14は、磁場源である
被検体Tに対向している。これらの面のうち、面11からプローブ光が入射する。プロー
ブ光はセル10内を進行して面12から出射する。ポンプ光は、面13から入射する。面
13は、角の無い滑らかな曲面であるので、円弧が形成されている範囲(この円弧の中心
をxyz座標系の原点とした場合、z軸座標が正の範囲)においては、任意の角度でポン
プ光を照射することができる。これは、例えば直方体形状のセルを用いる場合と比較して
、ポンプ光の照射角度の自由度が増大すること、換言すると、磁場測定装置1が測定(検
出)できる磁場の成分の軸(以下、「計測軸」という)の自由度が増大することを意味す
る。図2の例では、3つの異なる角度でポンプ光が照射される様子が示されている。
【0017】
図3は、図2のIII−III断面におけるセル10の断面構造を示す模式図である。セル1
0は、石英またはガラス等の光透過性を有する材料で形成された隔壁と、隔壁により形成
された平空間に封入された媒体とを有する。この媒体は、被検体が発生する磁場に応じて
プローブ光の偏光面を回転させる媒体、例えば、アルカリ金属原子(セシウム、カリウム
等)のガスである。アルカリ金属原子のスピンは、ポンプ光により揃えられる。この状態
でセル10に磁場が印加されると、スピンは磁場の強さに応じて歳差運動を行う。セル1
0に入射したプローブ光の偏光面は、この歳差運動の角周波数に応じて回転する、すなわ
ち、ファラデー効果を受ける。偏光面の回転角は、検出部20により検出される。磁場測
定装置1は、このような原理で動作する。
【0018】
図4は、ポンプ光照射部30の構成を示す図である。ポンプ光照射部30は、光源31
と、分配機構32と、分配機構33と、分配機構34と、分配機構35とを有する。光源
31は、例えばチューナブルレーザーである。チューナブルレーザーは、セル10内に封
入された媒体(例えばアルカリ金属原子)と相互作用するレーザー光を出力する。このレ
ーザー光は、アルカリ金属原子がセシウムの場合、例えばセシウムのD1吸収線に相当す
る894nmの波長を有する。レーザー光は、連続的に一定の光量を有するいわゆるCW
(Continuous Wave)光である。レーザー光の出力は、セルに入射するビームの光量が数
十μWのオーダーになるように調整される。分配機構32は、光源31から出力されたレ
ーザー光を、ポンプ光の照射角度の種類に応じた数(この例では3つ)に分岐させる光学
系である。分配機構32は、例えば、ビームスプリッターおよびミラーを含む。分配機構
32により3つに分岐されたレーザー光は、光ファイバー等の伝送媒体を介して、分配機
構33、分配機構34、および分配機構35に供給される。分配機構33は、レーザー光
をセル10の数(この例ではn本)に分岐させる光学系である。n本に分岐されたレーザ
ー光は、伝送媒体およびその伝送媒体の出力端に設けられた光学部材(図示略)を介して
、ポンプ光として出力される。光学部材は、例えば、コリメートレンズ、偏光版、1/4
波長板を含む。出力端の光学部材により、ポンプ光は、第1方向からセル10に入射する
。この例で、プローブ光は、紙面の表から裏に向かう向きに進行する。第1方向から入射
するポンプ光による計測軸は、第1方向およびプローブ光の進行方向の双方に垂直な方向
である。
【0019】
図5は、分配機構34を介して伝送されるレーザー光が照射される様子を示す図である
。分配機構34は、レーザー光をセル10の数(この例ではn本)に分岐させる光学系で
ある。n本に分岐されたレーザー光は、伝送媒体およびその伝送媒体の出力端に設けられ
た光学部材(図示略)を介して、ポンプ光として出力される。光学部材は、例えば、コリ
メートレンズ、偏光版、1/4波長板を含む。出力端の光学部材により、ポンプ光は、第
2方向からセル10に入射する。この例で、第2方向は、第1方向と異なる方向であり、
第1方向となす角が90°未満の方向である。第2方向から入射するポンプ光による計測
軸は、第2方向およびプローブ光の進行方向の双方に垂直な方向である。
【0020】
図6は、分配機構35を介して伝送されるレーザー光が照射される様子を示す図である
。分配機構35は、レーザー光をセル10の数(この例ではn本)に分岐させる光学系で
ある。n本に分岐されたレーザー光は、伝送媒体およびその伝送媒体の出力端に設けられ
た光学部材(図示略)を介して、ポンプ光として出力される。光学部材は、例えば、コリ
メートレンズ、偏光版、1/4波長板を含む。出力端の光学部材により、ポンプ光は、第
3方向からセル10に入射する。この例で、第3方向は、第1方向および第2方向と異な
る方向であり、第1方向となす角が180°未満であり、第2方向となす角が90°未満
の方向である。第3方向から入射するポンプ光による計測軸は、第3方向およびプローブ
光の進行方向の双方に垂直な方向である。
【0021】
図7は、比較例として、立方体(直方体)のセルを用いた磁場測定の例を示す図である
。図7(A)の例では、y軸と平行な方向にポンプ光が入射され、x軸と平行な方向にプ
ローブ光が入射される。計測軸はz軸に平行な方向である。図7(B)の例では、y軸と
平行な方向にポンプ光が入射され、z軸と平行な方向にプローブ光が入射される。計測軸
はx軸に平行な方向である。図7(C)の例では、z軸と平行な方向にポンプ光が入射さ
れ、x軸と平行な方向にプローブ光が入射される。計測軸はy軸に平行な方向である。図
7の例では、xzyの3軸成分を測定するため、少なくとも2つの検出部を設け、ポンプ
光およびプローブ光をそれぞれ少なくとも2方向から照射しなければならない。セルを直
線上または平面上に複数配置する、いわゆるマルチセンサー構造を採用する場合、図7の
例では、セルとセルの間に検出部や光源を配置しなければならない場合があり、装置構成
が複雑になってしまうという問題がある。これに対して、セル10を用いた磁場測定装置
1によれば、滑らかな曲面を有さないセルを用いた場合と比較して、より簡単な構成で磁
場の3軸成分を測定することができる。
【0022】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以
下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用い
られてもよい。
【0023】
図8は、変形例1に係るセル10の構成を例示する図である。セル10の形状は、半円
中に限定されない。レーザー光の入射および出射の経路において角が含まれないような形
状であれば、どのような形状を有していてもよい。図8は、セル10が六角柱の形状を有
している例を示している。この例では、プローブ光は六角柱の上面から入射され、ポンプ
光は六角柱の3つの側面からそれぞれ入射される。
【0024】
要は、セル10は、第1面と、第2面と、第3面と、第4面とを有する。第1面は、第
1方向の法線を有する第1領域を有する。第1領域を介してプローブ光が入射される。第
2面は、第1方向と直交する第2方向の法線を有する第2領域を有する。第2領域を介し
てポンプ光が入射される。第3面は、第1方向と直交しかつ第2方向となす角が90°未
満の第3方向の法線を有する第3領域を有する。第3領域を介してポンプ光が入射される
。第4面は、第1方向と直交しかつ第3方向となす角が90°未満の第4方向の法線を有
する第4領域を有する。第4領域を介してポンプ光が入射される。さらに、セル10は、
第1面、第2面、第3面、および第4面を構成する部材で囲まれた閉空間に封入され、磁
場強度に応じてプローブ光の偏光面方位を変化させる媒体を有する。図2の例では、面1
1が第1面であり、面13が第2面、第3面、および第4面である(すなわち、図2の例
では、第2面、第3面、および第4面は同一の面である)。図8の例では、六角柱の上面
が第1面であり、3つの側面が第2面、第3面、および第4面である。なお、第2面、第
3面、および第4面のうち、少なくとも2つの面が同一面であってもよい。
【0025】
さらに別の例で、セル10は球形であってもよい。この場合、第1面、第2面、第3面
、および第4面は同一の面(球面)である。
【0026】
図9は、変形例2に係るセル10の構成を例示する図である。この例で、セル10は球
形を有している。図9の例は、図2および図8の例と異なり、ポンプ光を1方向から、プ
ローブ光を3方向から照射している。すなわち、図2および図8の例とは、ポンプ光とプ
ローブ光の位置関係が入れ替わっている。プローブ光を3方向から照射するので、このセ
ルを用いた磁場測定装置は、1個のセルにつき3個の検出部を有する。この構成を用いて
も同様の効果が得られる。
【0027】
図2および図8のように、ポンプ光を3方向から照射する場合において、ポンプ光の光
源31が移動可能であってもよい。この場合、光源31は、第2領域に対して第2方向か
らプローブ光を出射する第1位置、第3領域に対して第3方向からプローブ光を出射する
第2位置、および第4領域に対して第4方向からプローブ光を出射する第3位置に移動可
能である。
【0028】
セル10内に封入される媒体やレーザー光の波長および強度はあくまで例示であり、実
施形態で説明したものに限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0029】
1…磁場測定装置、10…セル、11…面、12…面、13…面、14…面、20…検出
部、30…ポンプ光照射部、31…光源、32…分配機構、33…分配機構、34…分配
機構、35…分配機構、40…プローブ光照射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向の法線を有する第1領域を有し、前記第1領域を介してプローブ光が入射され
る第1面と、
前記第1方向と直交する第2方向の法線を有する第2領域を有し、前記第2領域を介し
てポンプ光が入射される第2面と、
前記第1方向と直交しかつ前記第2方向となす角が90°未満の第3方向の法線を有す
る第3領域を有し、前記第3領域を介してポンプ光が入射される第3面と、
前記第1方向と直交しかつ前記第3方向となす角が90°未満の第4方向の法線を有す
る第4領域を有し、前記第4領域を介してポンプ光が入射される第4面と、
前記第1面、前記第2面、前記第3面、および前記第4面を構成する部材で囲まれた閉
空間に封入され、磁場強度に応じて前記プローブ光の偏光面方位を変化させる媒体と
を有するセル。
【請求項2】
前記第2面、前記第3面、および前記第4面が、同一の面である
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項3】
前記面の前記第1方向に垂直な方向の断面形状は、円弧である
ことを特徴とする請求項2に記載のセル。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のセルと、
前記プローブ光を出射する第1光源と、
前記ポンプ光を出射する第2光源と、
前記プローブ光の偏光面の回転角を検出する検出部と
を有する磁場測定装置。
【請求項5】
前記第2光源は、前記第2領域に対して前記第2方向からプローブ光を出射する第1位
置、前記第3領域に対して前記第3方向からプローブ光を出射する第2位置、および前記
第4領域に対して前記第4方向からプローブ光を出射する第3位置に移動可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の磁場測定装置。
【請求項6】
第1方向の法線を有する第1領域を有し、前記第1領域を介してポンプ光が入射される
第1面と、
前記第1方向と直交する第2方向の法線を有する第2領域を有し、前記第2領域を介し
てプローブ光が入射される第2面と、
前記第1方向と直交しかつ前記第2方向となす角が90°未満の第3方向の法線を有す
る第3領域を有し、前記第3領域を介してプローブ光が入射される第3面と、
前記第1方向と直交しかつ前記第3方向となす角が90°未満の第4方向の法線を有す
る第4領域を有し、前記第4領域を介してプローブ光が入射される第4面と、
前記第1面、前記第2面、前記第3面、および前記第4面を構成する部材で囲まれた閉
空間に封入され、磁場強度に応じて前記プローブ光の偏光面方位を変化させる媒体と
を有するセル。
【請求項7】
前記第2面、前記第3面、および前記第4面が、同一の面である
ことを特徴とする請求項6に記載のセル。
【請求項8】
前記面の前記第1方向に垂直な方向の断面形状は、円弧である
ことを特徴とする請求項7に記載のセル。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載のセルと、
前記プローブ光を出射する第1光源と、
前記ポンプ光を出射する第2光源と、
前記第2領域を介して入射された前記プローブ光の偏光面の回転角を検出する第1検出
部と、
前記第3領域を介して入射された前記プローブ光の偏光面の回転角を検出する第2検出
部と、
前記第4領域を介して入射された前記プローブ光の偏光面の回転角を検出する第3検出
部と
を有する磁場測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−237698(P2012−237698A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107940(P2011−107940)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)