説明

セルフチェックアウト端末およびプログラム

【課題】セルフチェックアウト端末を用いた処理に関わる各種時間を正確に計測でき、容易に管理するための手段を提供する。
【解決手段】実施形態のセルフチェックアウト端末は、購入する商品を収納する収納部材を選択する選択ボタンと、前記選択ボタンにより収納部材が選択された後、前記購入する商品を販売登録する登録手段と、前記販売登録された商品の代金の支払開始を指示する支払開始ボタンと、前記支払開始ボタンにより支払開始が指示された場合、1取引処理内において前記販売登録された商品の代金の支払処理を行う支払処理手段と、前記選択ボタンにより収納部材が選択されてから前記登録手段による商品の販売登録の終了までの第1所要時間、および前記支払開始ボタンにより支払開始が指示されてから前記支払処理手段による支払処理の終了までの第2所要時間を計測する計測手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、セルフチェックアウト端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店などにおいて、顧客が購入する商品の登録や精算処理を行って商品のチェックアウトを行うことができるセルフチェックアウト端末が使用されている。セルフチェックアウト端末は、顧客自らの操作により、購入しようとする商品の商品データが入力され、入力された商品データをメモリに記憶して商品登録を行う。さらに、セルフチェックアウト端末は、1取引処理内において前記メモリに記憶された商品データに基づいてその取引の合計代金を算出し、現金、クレジットカード、電子マネー等による代金の支払を受けて、1取引処理の精算処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−55460公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、セルフチェックアウト端末を使用した店舗によっては、セルフチェックアウト端末を操作する顧客が商品データの入力に関する処理を行う時間(商品登録時間)や、代金の支払等の精算処理を行う時間(締め登録時間)を計測し、セルフチェックアウト端末の操作性の評価に役立てることがある。現状では、商品登録時間および締め登録時間を計測する場合、ストップウォッチや時計を使用して手作業で計測している。また、計測した商品登録時間および締め登録時間も手作業でコンピュータに入力するなどして記録している。なお、セルフチェックアウト端末の操作性に関しては、独自にアンケート等で意見を集めることで集計を取っている。
【0005】
しかしながら、時間の計測や結果の記録を手作業で行うのは面倒であるし、正確性に欠ける。そのため、手間を掛けずにセルフチェックアウト端末を用いた処理に関わる各種時間を正確に計測でき、容易に管理するための手段が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のセルフチェックアウト端末は、購入する商品を収納する収納部材を選択する選択ボタンと、前記選択ボタンにより収納部材が選択された後、前記購入する商品を販売登録する登録手段と、前記販売登録された商品の代金の支払開始を指示する支払開始ボタンと、前記支払開始ボタンにより支払開始が指示された場合、1取引処理内において前記販売登録された商品の代金の支払処理を行う支払処理手段と、前記選択ボタンにより収納部材が選択されてから前記登録手段による商品の販売登録の終了までの第1所要時間、および前記支払開始ボタンにより支払開始が指示されてから前記支払処理手段による支払処理の終了までの第2所要時間を計測する計測手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】全体のシステム構成を示す模式図。
【図2】セルフチェックアウト端末を示す斜視図。
【図3】保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図。
【図4】決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図。
【図5】本実施形態にかかる決済端末の機能構成を示すブロック図。
【図6】計測結果ファイルのデータ構成の一例を示す図。
【図7】本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末における商品の販売登録および代金の支払処理の流れを示すフローチャート。
【図8】本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末における商品登録時間および締め登録時間の集計処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、全体のシステム構成を示す模式図である。本実施形態のシステムは、複数のセルフチェックアウトシステム11と、複数台のPOS(Point Of Sales)端末21と、ストアコントローラ31と、を通信ネットワーク41を介して接続している。セルフチェックアウトシステム11は、複数台のセルフチェックアウト端末101に一台のアテンダント端末500を割り当てている。セルフチェックアウト端末101は、顧客自らの操作により購入する商品のチェックアウトを行う端末である。本実施形態では、セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とを備えている。
【0009】
図2は、セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末101は、上述したように、決済端末201と秤装置301とを備えている。
【0010】
決済端末201は、顧客が購入しようとする商品を入れた籠(図示せず)を載置するための商品籠載置台102が脇から突出したハウジング202を有している。
【0011】
決済端末201のハウジング202は、床面に設置されるベースハウジング202aと、当該ベースハウジング202aの上面に載置される上部ハウジング202bと、を有している。ベースハウジング202aの前面は、下方に向かうほどベースハウジング202aの投影面積を狭めるように傾斜している。つまり、ベースハウジング202aは、下方に向かうほど奥側にオフセットした形状となっている。
【0012】
また、決済端末201は、上部ハウジング202bの商品籠載置台102側にカラーCCD(Charged Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像部203を配置している。さらに、決済端末201は、上部ハウジング202bの商品籠載置台102の反対側にプリンタカバー204を配置している。さらに、決済端末201は、撮像部203とプリンタカバー204との間に、カード挿入口212を配置している。
【0013】
決済端末201は、ガラス板で形成されている読取窓203aの内部に撮像部203を内蔵している。撮像部203は、販売登録する商品の画像を含む画像を撮像するためのものである。本実施形態では、撮像部203は、30fpsの動画像の撮像を行う。そして、撮像部203は、所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像をRAM254(図4参照)に保存する。
【0014】
また、決済端末201は、上部ハウジング202bに対して開閉自在にプリンタカバー204を取り付けている。プリンタカバー204は、レシート発行口208を有している。決済端末201は、プリンタカバー204の奥側に、レシートプリンタ251(図4参照)を内蔵する。そして、決済端末201は、レシートプリンタ251によって印字される図示しないレシートを、レシート発行口208から発行する。
【0015】
また、決済端末201は、カード挿入口212の内部に、磁気カードに対するデータの読み書きを可能とする磁気カードリーダライタであるカードリーダライタ(R/W)252(図4参照)を内蔵している。カード挿入口212は、磁気カードとしてクレジットカードが挿入されるものである。
【0016】
また、決済端末201は、上部ハウジング202bに、販売登録する商品の商品名や重量や価格や画像等、商品を特定する商品情報を買物客に表示する表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display)210を有している。さらに、決済端末201は、LCD210の画面上に、販売登録した商品を収納する収納部材(例えば、レジ袋やエコバックなど)を選択するレジ袋選択ボタンや、1取引処理内において販売登録した商品の代金の支払開始を指示する支払開始ボタンや、販売登録する商品の商品コード等の入力を受け付ける各種キー、商品代金の決済に必要な各種キー(例えば、小計キーや締めキーなど)等が配置されている入力部としてのタッチパネル211を積層配置している。
【0017】
また、決済端末201は、ベースハウジング202aに、硬貨と紙幣との入出金装置221(図4参照)を内蔵している。さらに、決済端末201は、入出金装置221の一部として、ベースハウジング202aの中央上面に硬貨投入口213を配置し、当該硬貨投入口213の左側に硬貨払出口214を配置している。また、決済端末201は、硬貨投入口213の右側に、紙幣投入口215と紙幣払出口216とを配置している。このような入出金装置221は、硬貨および紙幣の取扱いを可能にする機構部と当該機構部を制御する制御部とを有している(いずれも図示せず)。硬貨および紙幣の取扱いを可能にする機構部の構造および当該機構部を制御する制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【0018】
さらに、決済端末201は、ベースハウジング202aの背面から、セルフチェックアウト端末101の現在の状態を表示する警報装置としての表示ポール217を立設している。表示ポール217は、先端部に青色と赤色とに選択的に発光する発光部218を有する。
【0019】
次に、図2および図3を用いて、秤装置301について説明する。図3は、保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。秤装置301は、秤ハウジング302の上部に秤皿303を有し、秤皿303に載置された商品の重量を計量する計量部である。また、秤装置301は、秤皿303に袋保持具304を取り付けている。より具体的には、秤皿303は、上面に載置台303aを有する。そして、秤装置301は、載置台303aに袋保持具304を取り付けている。したがって、袋保持具304からすると、秤皿303は、台座を構成する。つまり、秤装置301は、載置台303aの後方中央部に、ポール形状のアーム支持部305を立設している。また、秤装置301は、アーム支持部305の上端に、品物を載置するための一時置き台306を固定している。一時置き台306は、上面が平坦面となっており、決済端末201の撮像部203により画像を撮像した後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台303aおよび一時置き台306は、共に、商品コードが入力されて販売登録された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【0020】
また、秤装置301は、一時置き台306の下面に、一対の保持アーム307とフック308を取り付けている。つまり、秤装置301は、一時置き台306の下面両端位置に、アーム取付具309(図3参照)を固定している。具体的には、秤装置301は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってアーム取付具309を、一時置き台306の下面両端位置に固定している。そして、秤装置301は、アーム取付具309のそれぞれに、保持アーム307を埋設している。また、秤装置301は、一時置き台306の下面中央位置に、フック取付具310(図3参照)を固定している。具体的には、秤装置301は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によって、フック取付具310を、一時置き台306の下面中央位置に固定している。そして、秤装置301は、フック取付具310に、フック308を埋設している。
【0021】
保持アーム307は、例えばスーパーマーケット等で顧客に提供するビニール袋等の収納部材としてのレジ袋401、つまり、開口部402とこの開口部402から突出する一対の把手403とを有してこれらの把手403が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋401を保持するために、一対の把手403を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、レジ袋401は、把手403に、スリット404を有している。また、レジ袋401は、一対の把手403の間に位置させてミシン目405で脱落可能な一対の耳部406を有している。そして、耳部406は、引掛け穴407を有している。フック308は、引掛け穴407を挿通して、レジ袋401を保持アーム307と共に保持する。
【0022】
図4は、決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。決済端末201は、内部に情報処理部としての制御部253を有する。制御部253は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM(Random Access Memory)254等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであってもよい。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部253を紹介する。
【0023】
制御部253の中核をなすのはCPU(Central Processing Unit)255である。そして、制御部253は、CPU255に、固定データを固定的に記憶するROM(Read Only Memory)256と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM254と、LCD210に表示する表示画像を生成するVRAM257と、HDD258と、をシステムバス259を介して接続している。
【0024】
また、決済端末201は、制御部253に、システムバス259を介して、撮像部203、LCD210、タッチパネル211、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、発光部218、時計回路262、入出金装置221との間でのデータ通信を媒介するインターフェース260を接続している。そして、撮像部203、LCD210、タッチパネル211、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、発光部218、時計回路262、インターフェース260は、制御部253による制御を受ける。また、決済端末201は、制御部253に、システムバス259を介して通信インターフェース261も接続している。通信インターフェース261は、通信ネットワーク41に接続され、アテンダント端末500およびストアコントローラ31とセルフチェックアウト端末101との間のデータ通信を実現する。なお、決済端末201は、制御部253に、図示はしないが、システムバス259を介して、秤装置301との間のデータ通信を実現させるインターフェースも接続している。時計回路262は、例えば、年、月、日、時、分、秒の単位で時刻を計測する。
【0025】
HDD258は、制御部253を動作させるプログラムの他に、商品マスタファイル、売上マスタファイル、計測結果ファイル等を格納している。商品マスタファイルは、各商品の商品コードに対応付けて、商品の名称や単価や重量や商品画像等の商品情報を記憶している。売上マスタファイルは、販売登録された商品の商品情報を記憶している。計測結果ファイルは、後述する計測処理により計測された第1所要時間および第2所要時間等を累積記憶している。
【0026】
次に、本実施形態にかかる決済端末201が有する特徴的な機能について説明する。図5は、本実施形態にかかる決済端末の機能構成を示すブロック図である。CPU255は、RAM254に展開されたHDD258が記憶するプログラムに従って動作することで、図5に示すように、登録部501、支払処理部502、計測部503、算出部504、出力部505として機能する。
【0027】
登録部501は、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下された後、顧客が購入する商品の販売登録を行うものである。
【0028】
本実施形態では、登録部501は、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下されると、撮像部203に撮像オン信号を出力して撮像部203に撮像動作を開始させる。そして、登録部501は、撮像部203が撮像した撮像エリアのフレーム画像を取り込んで、RAM254に格納する。
【0029】
また、登録部501は、RAM254に格納されたフレーム画像からバーコードや2次元コードなどのコードシンボルを検出するとともに、検出したコードシンボルが示す商品コードを読み取る。なお、本実施形態では、登録部501は、コードシンボルから商品コードを読み取っているが、これに限定するものではなく、商品マスタファイルに記憶された商品画像を参照して、RAM254に格納されたフレーム画像から商品を認識しても(読み取っても)よい。若しくは、登録部501は、LCD210に表示された各種キーの操作により、商品コードの入力を受け付けてもよい。
【0030】
ここで、フレーム画像から商品を認識する処理について具体的に説明する。登録部501は、商品マスタファイルに記憶された商品画像を参照して、RAM254に記憶されたフレーム画像から、特徴量として色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体として商品を認識する。なお、登録部501は、処理時間の短縮を図るため、商品の輪郭や大きさは考慮しないものとする。
【0031】
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
【0032】
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
【0033】
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
また、登録部501は、HDD258に記憶された商品マスタファイルから、読み取った商品コードと対応付けて記憶された商品情報(商品名、単価、重量、商品画像など)を抽出する。そして、登録部501は、抽出した商品情報を、HDD258に記憶された売上マスタファイルに取引処理毎に記録することにより、読み取った商品コードが示す商品を販売登録する。登録部501は、LCD210に表示された小計キーが押下されるまで商品の販売登録を継続して実行する。
【0034】
さらに、登録部501は、LCD210に表示された小計キーが押下されると、HDD258に記憶された売上マスタファイルから、1取引処理内において販売登録された商品の商品情報を読み込む。そして、登録部501は、読み込んだ商品情報に含まれる商品の単価に基づいて合計金額を算出する。その際、登録部501は、読み込んだ商品情報や算出した合計金額等をLCD210に表示する。これにより、顧客は、LCD210に表示された商品情報や合計金額等を見て、販売登録した商品があるか否か確認することができる。
【0035】
支払処理部502は、LCD210に表示された支払開始ボタンが押下されて販売登録された商品の支払が指示されると、売上マスタファイルに記憶された商品情報を参照して、1取引処理内において販売登録された商品の代金の支払処理を行う。
【0036】
本実施形態では、LCD210に表示された支払開始ボタンが押下されると、支払処理部502は、販売登録された商品の代金の支払方法を選択するためのボタン等を表示して、顧客に支払方法(例えば、クレジットカードまたは現金)の選択を促す。次いで、支払処理部502は、クレジットカードによる支払が選択された場合、カードR/W252によりクレジットカードを読み取らせることにより、クレジットカードによる支払を実行する。また、支払処理部502は、現金による支払が選択された場合、インターフェース260を介して、入出金装置221を制御することにより、現金による支払を実行する。なお、本実施形態では、支払処理部502は、クレジットカードまたは現金による支払について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、電子マネーの読取装置をセルフチェックアウト端末101に接続し、電子マネーでの代金の支払を可能にしてもよい。
【0037】
また、支払処理部502は、販売登録された商品の代金の支払処理が実行されると、販売登録された商品の商品情報、つまり、売上マスタファイルに記憶された商品情報等が印字されたレシートやクレジット伝票をレシートプリンタ251から発行する。
【0038】
計測部503は、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下されて収納部材が選択されてから、登録部501による商品の販売登録の終了までの第1所要時間を計測する。本実施形態では、計測部503は、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下された際の時刻を登録開始時刻として時計回路262から取得する。さらに、計測部503は、LCD210に表示された小計キーが押下された際の時刻を登録終了時刻として時計回路262から取得する。そして、計測部503は、取得した登録開始時刻と、取得した登録終了時刻との差を第1所要時間として計測する。また、計測部503は、LCD210に表示された小計キーが複数回押下された場合(一旦小計キーが押下された後に新たな商品の販売登録が行われた場合など)、レジ袋選択ボタンが押下されてから、最後に小計キーが押下された際の時刻を登録終了時刻として時計回路262から取得するものとする。
【0039】
なお、本実施形態では、計測部503は、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下されてから、第1所要時間の計測を開始しているが、これに限定するものではなく、例えば、セルフチェックアウト端末101が有する各種キーやボタンのうち、最初のキーまたはボタンの操作に応じて、第1所要時間の計測を開始してもよい。また、セルフチェックアウト端末11が人感センサを有している場合には、計測部503は、人感センサにより顧客が検知されてから、第1所要時間の計測を開始してもよい。
【0040】
また、計測部503は、時計回路262を制御して、LCD210に表示された支払開始ボタンが押下されてから、支払処理部502による支払処理の終了までの第2所要時間を計測する。本実施形態では、計測部503は、LCD210に表示された支払開始ボタンが押下された際の時刻を締め開始時刻として時計回路262から取得する。さらに、計測部503は、LCD210に表示された締めキーが押下された際の時刻を締め終了時刻として時計回路262から取得する。そして、計測部503は、取得した締め開始時刻と、取得した締め終了時刻との差を第2所要時間として計測する。
【0041】
なお、本実施形態では、計測部503は、LCD210に表示された締めキーが押下に応じて、第2所要時間の計測を終了しているが、これに限定するものではなく、例えば、セルフチェックアウト端末101が有する各種キーやボタンのうち、最後のキーまたはボタンの操作に応じて、第2所要時間の計測を終了してもよい。また、セルフチェックアウト端末101が人感センサを有している場合には、計測部503は、人感センサにより顧客が検知されなくなったことに応じて、第2所要時間の計測を終了してもよい。
【0042】
算出部504は、各取引処理について計測部503により計測された第1所要時間を集計した商品登録時間、および各取引処理について計測部503により計測された第2所要時間を集計した締め登録時間を算出するものである。
【0043】
本実施形態では、算出部504は、各取引処理について計測部503により計測された第1所要時間を、登録部501により商品コードの入力を行った入力方法(コードシンボルからの商品コードの読み取り、フレーム画像からの商品の認識、LCD210に表示された各種キーによる商品コードの入力など)毎に集計した商品登録時間を算出するものとする。また、算出部504は、各取引処理について計測部503により計測された第2所要時間を、支払処理部502により代金の支払を行った支払方法(クレジットカード、現金など)毎に集計した締め登録時間を算出するものとする。
【0044】
また、本実施形態では、算出部504は、各取引処理について登録部501により登録した商品の点数を、登録部501により商品コードの入力を行った入力方法毎に集計した商品登録点数を算出する。また、算出部504は、各取引処理に支払処理部502により商品の支払処理を行った客数を、支払処理部502により代金の支払を行った支払方法毎に集計した客数を算出するものとする。
【0045】
そして、算出部504は、算出した商品登録時間に、算出した商品登録点数を付加して、計測結果ファイルRに記憶させる。また、算出部504は、算出した締め登録時間に、算出した客数を付加して、計測結果ファイルRに記憶させる。
【0046】
図6は、計測結果ファイルのデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、計測結果ファイルRは、商品登録時間および商品登録点数を商品コードの入力方法毎に記憶するとともに、締め登録時間および客数を代金の支払方法毎に記憶している。算出部504は、計測結果ファイルRに記憶された商品登録時間に、計測部503により計測された第1所要時間を加算することにより商品登録時間を算出するとともに、計測結果ファイルRに記憶された商品登録点数に、登録部501により販売登録した商品の数を加算することにより商品登録点数を算出する。
【0047】
また、算出部504は、計測結果ファイルRに記憶された締め登録時間に、計測部503により計測された第2所要時間を加算することにより締め登録時間を算出するとともに、計測結果ファイルRに記憶された客数を、支払処理部502により支払処理を行う度にインクリメントすることにより、客数を算出する。
【0048】
出力部505は、通信I/F261を介して、計測結果ファイルRに記憶されたデータをストアコントローラ31(上位機器)に出力する。そして、出力部505は、計測結果ファイルRに記憶されたデータをクリアする。ストアコントローラ31では、セルフチェックアウト端末101から受信した計測結果ファイルRを例えば営業日毎に記憶管理する。
【0049】
ストアコントローラ31の管理者は、ストアコントローラ31のキーボード等を操作して、過去にセルフチェックアウト端末101から受信した計測結果ファイルRを用いてセルフチェックアウト端末101の使い易さに関する分析を行うことができる。例えば、計測結果ファイルRに記憶された商品登録時間を商品登録点数で除算すれば1商品当りの平均商品登録時間を算出でき、締め登録時間を客数で除算すれば1取引当りの平均締め登録時間を算出することができる。このように算出した平均登録時間および平均締め登録時間を用いれば、セルフチェックアウト端末101の使い易さを的確に評価できる。
【0050】
次に、図7を用いて、セルフチェックアウト端末101における商品の販売登録および代金の支払処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末における商品の販売登録および代金の支払処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
登録部501は、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下されるのを待つ(Act701のNo)。そして、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下されると(Act701のYes)、登録部501は、撮像部203により撮像されたフレーム画像に含まれるコードシンボルから商品コードを読み取り、読み取った商品コードにより特定される商品の販売登録を行う(Act702)。
【0052】
登録部501は、LCD210に表示された小計キーが押下されるまで、商品の販売登録を継続して実行する(Act703のNo)。そして、小計キーが押下されると(Act703のYes)、支払処理部502は、LCD210に表示された支払開始ボタンが押下されたか否かを判断する(Act704)。LCD210に表示された支払開始ボタンが押下されなかった場合(Act704のNo)、Act702に戻り、登録部501が、再び、商品の販売登録を行う。
【0053】
一方、LCD210に表示された支払開始ボタンが押下されて販売登録された商品の支払が指示されると(Act704のYes)、支払処理部502は、売上マスタファイルに記憶された商品情報を参照して、1取引処理内において販売登録された商品の代金の支払処理を行う(Act705)。代金の支払処理が行われた後、LCD210に表示された締めキーが押下されると(Act706のYes)、支払処理部502は、販売登録された商品の商品情報等が印字されたレシートやクレジット伝票をレシートプリンタ251から発行する(Act707)。なお、LCD210に表示された締めキーが押下されなかった場合(Act706のNo)、Act705に戻り、支払処理部502は、代金の支払処理を継続する。
【0054】
次に、図8を用いて、セルフチェックアウト端末101における商品登録時間および締め登録時間の集計処理の流れについて説明する。図8は、本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末における商品登録時間および締め登録時間の集計処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
計測部503は、LCD210に表示されたレジ袋選択ボタンが押下されて収納部材が選択されてから、LCD210に表示された小計キーが最後に押下されるまでの第1所要時間を計測する(Act801)。さらに、計測部503は、LCD210に表示された支払開始ボタンが押下されてから、LCD210に表示された締めキーが押下されるまでの第2所要時間を計測する(Act801)。
【0056】
算出部504は、計測した第1所要時間を、計測結果ファイルRに記憶された商品登録時間に加算して新たな商品登録時間を算出し、さらに販売登録した商品の点数を、計測結果ファイルRに記憶された商品登録点数に加算して新たな商品登録点数を算出する。そして、算出部504は、算出した商品登録時間および商品登録点数を計測結果ファイルRに記憶させる(Act802)。
【0057】
さらに、算出部504は、計測した第2所要時間を、計測結果ファイルRに記憶された締め登録時間に加算して新たな締め登録時間を算出し、さらに計測結果ファイルRに記憶された客数をインクリメントして新たな客数を算出する。そして、算出部504は、算出した締め登録時間および客数を計測結果ファイルRに記憶させる(Act803)。
【0058】
このように本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末101によれば、LCD210に表示されたレジ選択ボタンが押下されて収納部材が選択された後、購入する商品を販売登録する登録部501と、LCD210に表示された支払開始ボタンにより支払開始が指示された場合、1取引処理内において販売登録された商品の代金の支払処理を行う支払処理部502と、レジ袋選択ボタンにより収納部材が選択されてから登録部501による商品の販売登録の終了までの第1所要時間、および支払開始ボタンにより支払開始が指示されてから支払処理部502による支払処理の終了までの第2所要時間を計測する計測部503と、を備えることにより、第1所要時間および第2所要時間を手作業で行う必要がなくなるので、第1所要時間および第2所要時間を正確に計測でき、当該第1所要時間および当該第2所要時間を容易に管理するための手段を提供することができる。
【0059】
なお、本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムは、HDD等に予め組み込まれて提供されるが、これに限定するものではない。例えば、本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0060】
さらに、本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0061】
本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムは、上述した各部(登録部、支払処理部、計測部、算出部、出力部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記HDDからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、登録部、支払処理部、計測部、算出部、出力部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0062】
なお、本実施形態においては、セルフチェックアウト端末101側に登録部、支払処理部、計測部、算出部を備えるようにしたが、これに限るものではなく、POS端末21またストアコントローラ31側に登録部、支払処理部、計測部、算出部を備えるようにしてもよい。
【0063】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
101 セルフチェックアウト端末
210 LCD
254 RAM
255 CPU
258 HDD
501 登録部
502 支払処理部
503 計測部
504 算出部
505 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入する商品を収納する収納部材を選択する選択ボタンと、
前記選択ボタンにより収納部材が選択された後、前記購入する商品を販売登録する登録手段と、
前記販売登録された商品の代金の支払開始を指示する支払開始ボタンと、
前記支払開始ボタンにより支払開始が指示された場合、1取引処理内において前記販売登録された商品の代金の支払処理を行う支払処理手段と、
前記選択ボタンにより収納部材が選択されてから前記登録手段による商品の販売登録の終了までの第1所要時間、および前記支払開始ボタンにより支払開始が指示されてから前記支払処理手段による支払処理の終了までの第2所要時間を計測する計測手段と、
を備えたセルフチェックアウト端末。
【請求項2】
各取引処理における前記第1所要時間を集計した商品登録時間および各取引処理における前記第2所要時間を集計した締め登録時間を算出する算出手段を備えた請求項1に記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項3】
前記算出手段により算出した商品登録時間および締め登録時間を上位機器に出力する出力手段を備えた請求項2に記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項4】
コンピュータを、
購入する商品を収納する収納部材を選択する選択ボタンにより収納部材が選択された後、前記購入する商品を販売登録する登録手段と、
前記販売登録された商品の代金の支払開始を指示する支払開始ボタンにより支払開始が指示された場合、1取引処理内において前記販売登録された商品の代金の支払処理を行う支払処理手段と、
前記選択ボタンにより収納部材が選択されてから前記登録手段による商品の販売登録の終了までの第1所要時間、および前記支払開始ボタンにより支払開始が指示されてから前記支払処理手段による支払処理の終了までの第2所要時間を計測する計測手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
各取引処理における前記第1所要時間を集計した商品登録時間および各取引処理における前記第2所要時間を集計した締め登録時間を算出する算出手段として機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記算出手段により算出した商品登録時間および締め登録時間を上位機器に出力する出力手段として機能させるための請求項5に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45375(P2013−45375A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184214(P2011−184214)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.エコバック
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】