説明

セルフバックホールセルにおけるハンドオーバ中のデータ送信

【課題】他のeNodeBも含むネットワークのアンカeNodeBのメッセージ転送方法を提供する。
【解決手段】アンカeNodeB125は無線インタフェースでセルフバックホールeNodeB130と通信する。UE110−3が第1のセルフバックホールeNodeB130から他のeNodeB155へハンドオフ中か判定するステップを含む。判定は、アンカeNodeB125に命令して、UE110−3へのパケットの配信を中断させるメッセージを無線インタフェースでセルフバックホールeNodeB130から受信することに基づく。判定に基づきUE110−3に対する受信パケットを記憶するステップと、UE110−3への配信に、トランスポートネットワークで他のeNodeBへ記憶パケットを転送するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで説明する実施形態は、広く無線通信システムに関し、より具体的には、セルフバックホール基地局を使用する通信システムにおけるハンドオーバ中のデータ送信に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)標準化団体は、目下、発展型3Gモバイルシステムの規格に取り組んでいる。発展型3Gモバイルシステムでは、アーキテクチャのコアネットワーク関連の発展はSAE(System Architecture Evolution:システムアーキテクチャ発展)や発展型パケットコア(EPC:Evolved Packet Core)ということが多く、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)の発展は長期発展(LTE:Long Term Evolution)や発展型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(E-UTRAN:Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)という。SAE/LTEや発展型パケットシステム(EPS:Evolved Packet System)という名称は全体的なシステムを指す。3GPP規格のリリース8仕様書は、2008年に完成することになっており、SAE/LTE発展型システムの使用が含まれることになっている。アーキテクチャのLTE部分の全体的な説明については3GPP TS 36.300「E-UTRA, E-UTRAN Overall Description(E−UTRA、E−UTRANの全体的な説明)」を、SAE部分については3GPP TS 23.401「General Packet Radio Service Enhancements for E-UTRAN Access(E−UTRANアクセスのための一般的なパケット無線サービスの拡張)」を参照のこと。
【0003】
SAE/LTEアーキテクチャは、ユーザ機器(UE:User Equipment)とコアネットワークとの間で、ユーザプレーンパスでもコントロールプレーンパスでも2つのノードしか論理的に関与していないため、2ノードアーキテクチャということも多い。この2つのノードは、3GPPの用語でeNodeBという基地局であり、ユーザプレーンではサービングゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)といい、制御プレーンではモビリティ管理体(MME:Mobility Management Entity)という。ネットワークには複数のS−GWノードとMMEノードとがある。
【0004】
S−GWは、パケットのフィルタリングや分類を含むルータ機能と同様の一般的なパケット処理機能を果たす。MMEは、いわゆるUEとの非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングプロトコルを終了し、確立されたベアラ、セキュリティコンテキスト、UEの位置を含むUEコンテキストを維持する。
【0005】
LTEアーキテクチャでは、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)プロトコルと媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)プロトコルとを含む無線リンク固有のプロトコルはeNodeBで終了される。制御プレーンでは、eNodeBは無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)プロトコルを使用して、例えば、あるサービス品質(QoS:Quality of Service)特性の無線ベアラの確立や、UE測定の制御、ハンドオーバの制御など、より長いタイムスケールのリソース制御をUEに対して実行する。
【0006】
eNodeBとEPCネットワークとの間のネットワークインタフェースは、S1インタフェースといい、MMEに接続する制御プレーン部分(S1−CP)と、S−GWに接続するユーザプレーン部分(S1−UP)とを有する。S1インタフェースのユーザプレーン部分はGPRSトンネリングプロトコル(GTP:GPRS Tunneling Protocol)に基づく。トンネリング機構は、UEが現在位置している正しいeNodeBにUE宛のインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)パケットを配信できることを確証するために必要である。例えば、元のIPパケットが、適当なeNodeB宛の外部IPパケットにカプセル化される。
【0007】
S1制御プレーンプロトコルはS1−APといい、ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP:Stream Control Transmission protocol)/IPの最上部で搬送される。MMEはS1−APプロトコルを使用してeNodeBと通信する。例えば、無線ベアラの確立を要求してUEのQoSサービスのサポートを行う。隣接eNodeB間にもネットワークインタフェースがあり、X2インタフェースといって、制御プロトコルをX2−APという以外はS1インタフェースと同様のプロトコル構造を有する。X2インタフェースは、第1に、あるeNodeBからその他へのUEのハンドオーバの実行に使用されるが、セル間インタフェース調整など、他の無線リソース管理機能のセル間調整にも使用される。ハンドオーバ実行中、ソースeNodeBはX2−APプロトコルによってeNodeBと通信してハンドオーバの準備を行い、そのハンドオーバ実行中に、ペンディングのユーザプレーンパケットをターゲットeNodeBへ送信する。このユーザプレーンパケットは、ターゲットeNodeBに到着すると、UEへ配信される。パケット送信は、S1インタフェースのユーザプレーンと同様のGTPトンネリングプロトコルを使用しているX2ユーザプレーンによって行われる。
【0008】
例えばeNodeB、MME、S−GWなど様々なネットワークノードの接続に使用されるネットワークインフラストラクチャはIPベースのトランスポートネットワークであり、様々な技術を有するL2ネットワーク、すなわちSDHリンク、イーサネット(登録商標)リンク、デジタルサブスクライバライン(DSL:Digital Subscriber Line)リンク、マイクロ波リンクなどを含むことができる。使用するトランスポートネットワークおよびL2技術の種類は展開の問題であり、かかるネットワークを特定の展開シナリオにおいた際の利用可能性、コスト、オーナーシップ、オペレータ嗜好などに依存する。しかしながら、一般的に、トランスポートネットワークに関するコストが、ネットワークのオペレーションコスト全体において大きな割合を占めることが多いのが本当のところである。
【0009】
LTE改良型という、LTEシステムのさらなる拡張では、3GPPは、UEにサービングを行うだけではなく、他のeNodeBに接続するバックホールリンクとしてのサービングも行うためにeNodeBからのLTE無線インタフェースを使用する解決手段の可能性を議論する。つまり、eNodeBが、他のeNodeBによるLTE無線接続を使用する他のeNodeBのトランスポートネットワーク接続性を提供することができる。この方法は、無線リンク自体を基地局のいくつかのトランスポートリンクとしても使用するため、セルフバックホーリングという。セルフバックホーリングを使用するLTEシステムでは、無線接続によってネットワークに接続されたeNodeBをセルフバックホールeNodeBといい、短縮してB−eNodeBというが、他のeNodeBにバックホール無線接続を提供しているeNodeBはアンカeNodeBといい、短縮してA−eNodeBという(「eNodeB」自体は普通のeNodeBを指し、セルフバックホールeNodeBでもアンカeNodeBでもない)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで説明する実施形態例は、無線電気通信システムにおけるセルフバックホーリングの改善について多くの解決手段を提示する。ある解決手段では、アンカeNodeBからのパケット転送は「ショートカット」であり、パケット転送の際の無線バックホールリンクでの不要なオーバヘッドを回避する。アンカeNodeBからの転送をショートカットするために、主に2つの代替解決手段をここで提案する。第1の解決手段は、B−eNodeBとA−eNodeBとの間に導入され、B−eNodeBが使用して、A−eNodeBからの転送を制御するシグナリング機構に基づくものとすることができる。第2の解決手段では、A−eNodeBが自動的に動作し、ハンドオーバが進行中のとき、通常X2およびS1シグナリングのスニフィングから検出し、そして自動的に転送を実行する。別の解決手段では、S−GWによる非効率的なルーティングを避けるため、アンカeNodeBにおけるX2トラフィックが「ブレークアウト」される。アンカeNodeBにおいてX2トラフィックをブレークアウトするために、トラフィックを発信するセルフバックホールeNodeBの(すなわちX2トラフィックの)S−GW機能をアンカeNodeBに統合し、B−eNodeBに個別ベアラ使用してX2トラフィックを搬送することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一観点によれば、ネットワークのアンカeNodeBに方法を実装できる。アンカeNodeBは、無線インタフェースによってセルフバックホールeNodeBと通信する。ネットワークは他のeNodeBをさらに含む。当該方法は、ユーザ機器(UE:user equipment)が第1のセルフバックホールeNodeBから他のeNodeBへハンドオフされているかどうかを判定することを含む。判定は、アンカeNodeBに命令して、UEに向かうパケットの配信を中断させるメッセージを無線インタフェースによってセルフバックホールeNodeBから受信すること、またはセルフバックホールeNodeBから他のeNodeBへ送信された1または2以上のメッセージにスニフして、UEがセルフバックホールeNodeBから他のeNodeBへハンドオフされていることを識別することに基づく。当該方法は、UEがハンドオフされているかどうかの判定に基づいて、受信したUEに向かうパケットを記憶することと、UEへの配信のため、トランスポートネットワークによって他のeNodeBへ記憶したパケットを転送することとをさらに含む。
【0012】
さらなる観点によれば、第1の基地局が無線インタフェースによってネットワークにおける第2の基地局に接続できる。第1の基地局は、第2の基地局からダウンリンクでユーザ機器(UE)に向かうパケットを受信し、UEからアップリンクでパケットを受信する。第1の基地局は、ターゲットハンドオーバ基地局への配信のため、第2の基地局へ無線インタフェースによってUEに関するハンドオーバ要求を送信し、無線インタフェースによって第2の基地局から、ターゲットハンドオーバ基地局から送信されたハンドオーバ応答を受信し、第2の基地局に命令して、UEに向かうダウンリンクパケットの配信を中断させる通知メッセージを第2の基地局へ送信する送受信部を備えたものとしてもよい。第1の基地局は、第2の基地局から事前に受信したUEに向かうパケットを記憶する記憶部をさらに備えたものとしてもよい。また、第1の基地局は、ハンドオーバ応答の受信の前に記憶部に記憶されたパケットを取り出し、ターゲットハンドオーバ基地局への配信のため、無線インタフェースによって第2の基地局へ送信するため、送受信部に取り出したパケットを渡す処理部を備えたものとしてもよい。
【0013】
別の態様によれば、セルラネットワークに関するシステムが、第1の無線インタフェースによってユーザ機器(UE)と第2の基地局とに接続された第1の基地局と、トランスポートネットワークに接続された第2の基地局を含むことができる。当該システムは、トランスポートネットワークに接続された第3の基地局と、第2の無線インタフェースによって第3の基地局に接続された第4の基地局とをさらに含んだものとしてもよい。第4の基地局はUEに無線サービスを提供する。第1の基地局は、第2の基地局、トランスポートネットワーク、および第3の基地局によって第4の基地局へUEに関するハンドオーバ要求を送信し、第3の基地局、トランスポートネットワーク、および第2の基地局によって第4の基地局からハンドオーバ応答を受信してもよい。ハンドオーバ応答は、第1の基地局(130)から第4の基地局(150)へのUE(110−3)のハンドオーバを許可する。第1の基地局は、さらに、UEへの配信のため、第2の基地局、トランスポートネットワーク、および第3の基地局によって第4の基地局へUEに向かうパケットを転送してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、1または2以上のセルフバックホールeNodeBを含む通信システム例を示す。
【図2】図2は、図1のアンカeNodeBおよび/またはセルフバックホールeNodeBに対応させることができる装置の構成要素例を示す。
【図3A】図3Aは、図1のUEの構成要素例を示す。
【図3B】図3Bは、UEがセルラ無線電話を備えた図3AのUEの実施形態例を示す。
【図4A】図4Aは、無線通信システムにおける第1のセルフバックホールeNodeBから第2のセルフバックホールeNodeBへのUEのハンドオフ例を示す。
【図4B】図4Bは、無線通信システムにおける第1のセルフバックホールeNodeBから第2のセルフバックホールeNodeBへのUEのハンドオフ例を示す。
【図5A】図5Aは、無線通信システムにおけるセルフバックホールeNodeBからeNodeBへのUEのハンドオフ例を示す。
【図5B】図5Bは、無線通信システムにおけるセルフバックホールeNodeBからeNodeBへのUEのハンドオフ例を示す。
【図6】図6は、第1実施形態例に係る図4Aのアンカノード(A−eNodeB1)におけるX2トラフィックに関するプロトコルスタックを示す。
【図7】図7は、第2実施形態例に係る図4Aのアンカノード(A−eNodeB1)におけるX2トラフィックに関するプロトコルスタックを示す。
【図8】図8は、第1のセルフバックホールeNodeBがサービングを行うUEの、第2のセルフバックホールeNodeBへのハンドオフに関する処理例のフローチャートであり、第1のセルフバックホールeNodeBと第2のセルフバックホールeNodeBとの間で専用シグナリングを使用して、UE宛のデータの送信を制御する。
【図9】図9は、第1実施形態に係る、図8のハンドオフ処理中の、第1セルフバックホールeNodeBから第2のセルフバックホールeNodeBへのUE宛のデータの送信に関するメッセージング図である。
【図10】図10は、マルチホップシグナリングを採用する第2実施形態に係る、図8のハンドオフ処理中の、第1セルフバックホールeNodeBから第2のeNodeBへのUE宛のデータの送信に関するメッセージング図である。
【図11】図11は、第1のセルフバックホールeNodeBによるサービスを受けるUEの、第2のセルフバックホールeNodeBへのハンドオフに関する処理例のフローチャートであり、第1のセルフバックホールeNodeBにサービングを行うアンカeNodeBは、第1のセルフバックホールeNodeBと第2のセルフバックホールeNodeBとの間で送信されたメッセージへ「スニフ」する。
【図12】図12は、「スニフィング」を採用する図11の実施形態例に係る、図10のハンドオフ処理中の、第1のセルフバックホールeNodeBから第2のeNodeBへのUE宛のデータの送信に関するメッセージング図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の本発明の詳細な説明では添付図面を参照する。異なる図面における同一の参照番号は、同一または同様の要素を識別したものである場合がある。また、以下の詳細な説明は本発明を限定するものではない。
【0016】
図1は、SAE/LTEネットワークに接続されたUE装置110−1、110−2、110−3を含むことが可能な通信システム例100を示しており、SAE/LTEネットワークは、eNodeBノードとMMEノードとS−GWノードとを含むことが可能であり、eNodeBノードとMMEノードとS−GWノードとはすべてトランスポートネットワーク120によって接続されている。図1に示すように、システム100は、無線インタフェース135によってセルフバックホールeNodeB(B−eNodeB1)に接続するアンカeNode125(A−eNodeB1)と、無線インタフェース145によってセルフバックホールeNodeB(B−eNodeB2)に接続するアンカeNodeB140を含むことができる。アンカeNodeB125およびアンカeNodeB140は、セルフバックホールeNodeB130やセルフバックホールeNodeB150などの他のeNodeBに接続するための「バックホール」リンクを提供することに加えて、UEにサービングすることができる。したがって、アンカeNodeB125は無線インタフェース135を使用してセルフバックホールeNodeB130にトランスポートリンクを提供し、アンカeNodeB140は無線インタフェース145を使用してセルフバックホールeNodeB150にトランスポートリンクを提供することができる。ここでいう「セルフバックホールeNodeB」とは、無線接続によってトランスポートネットワーク120に接続されたeNodeBを含んだものである。ここでいう「アンカeNodeB」とは、1または2以上の他のeNodeBに(例えばセルフバックホールeNodeBに)バックホール無線接続を提供するeNodeBを含んだものである。
【0017】
単純にするため、図1ではアンカeNodeBおよびセルフバックホールeNodeBを2つ示している。しかしながら、システム100は、図1に示すよりも多くのアンカeNodeBおよびセルフバックホールeNodeBを含んだものとすることもできるし、図1に示すよりも少ないアンカeNodeBおよびセルフバックホールeNodeBを含んだものとすることもできる。システム100は、アンカeNodeB125および140に加えて、1または2以上の他のeNodeB(例えば図1に示すeNodeB155)をさらに含むことも可能であり、この他のeNodeBは他のeNodeBへのバックホールリンクを提供しないものとすることができる。この他のeNodeB(例えばeNodeB155)は、アンカeNodeBでもセルフバックホールeNodeBでもないeNodeBを含む。
【0018】
システム100は、追加的に、1または2以上のサービングゲートウェイ(S−GW)160−1〜160−Nと、1または2以上のモビリティ管理体(MME)165−1〜165−Mとを含むことができる。
【0019】
UE装置110−1〜110−3としては、例えば、セルラ無線電話、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、パーソナルコミュニケーションシステム(PCS:Personal Communications Systems)端末、ラップトップ型コンピュータ、パームトップ型コンピュータ、あるいはUE装置110が無線リンクによって他の装置と通信できる通信送受信部を含む他の種類の装置や機器が挙げられる。PCS端末は、例えばセルラ無線電話にデータ処理機能、ファクシミリ機能、データ通信機能を組み合わせたものとすることができる。PDAは、例えば、無線電話、ポケットベル、インターネット/イントラネットアクセス装置、ウェブブラウザ、オーガナイザ、カレンダ、および/または全地球測位システム(GPS:global positioning system)受信機を含むことができる。UE装置110は、「広汎性コンピューティング(pervasive computing)」装置ということもできる。
【0020】
トランスポートネットワーク120は、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)、都市エリアネットワーク(MAN:metropolitan area network)、衛星ネットワーク、イントラネット、インターネット、ネットワークの組合せを含むいかなる種類の1または2以上のネットワークを含んでもよい。eNodeB125〜155、S−GW160−1〜160−N、MME165−1〜165MはSAE/LTEネットワークにあり、トランスポートネットワーク120によって接続されているものとすることができる。
【0021】
図2は、装置200の実装例を示しており、アンカeNodeB125および140、セルフバックホールeNodeB130および150、eNodeB155に対応させることができる。装置200は、送受信部205と、処理部210と、記憶部215と、インタフェース220と、バス225とを備えることができる。装置200は、セルフバックホールeNodeB130または150に対応させた場合には、有線インタフェース220を省略することができる(しかし、装置200はMME165および/またはS−GW160への論理インタフェースを有することができる)。
【0022】
送受信部205は、1または2以上のアンテナによって無線周波数信号を使用したシンボルシーケンスの送信および/または受信を行う送受信回路を備えることができる。処理部210は、命令の解釈および実行が可能なプロセッサ、マイクロプロセッサ、または処理回路を備えることができる。処理部210は装置データ処理機能全てを行うことができる。記憶部215は、処理部210が装置処理機能の実行の際に使用するデータおよび命令の永久、準永久、または一時的作業ストレージを提供することができる。記憶部215としては、読出専用メモリ(ROM:read only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、磁気および/または光記録媒体およびその対応デバイスなどの大容量記憶デバイス、および/または他の種類の記憶デバイスが挙げられる。インタフェース220は、トランスポートネットワーク120に接続するリンクとのインタフェースを行う回路を備えることができる。バス225は、装置200の様々な構成要素を相互接続して、構成要素が互いに通信できるようにすることが可能である。
【0023】
図2に示す装置200の構成要素の構成は例示のみを目的としたものである。構成要素を多くしたり、少なくしたり、異なるものとした他の構成も実装可能である。
【0024】
図3Aは、UE110の構成要素例を示している。UE110は、送受信部305と、処理部310と、記憶部315と、入力デバイス320と、出力デバイス325と、バス330とを備えることができる。
【0025】
送受信部305は、1または2以上のアンテナによって無線周波数信号を使用したシンボルシーケンスの送信/受信を行う送受信回路を備えることができる。処理部310は、命令の解釈および実行が可能なプロセッサ、マイクロプロセッサ、または処理回路を備えることができる。処理部310は、データバッファリング、およびコール処理制御やユーザインタフェース制御などの装置制御機能を含むデータの入力、出力、処理のデータ処理機能全てを行うことができる。
【0026】
記憶部315は、処理部310が装置処理機能の実行の際に使用するデータおよび命令の永久、準永久、または一時的作業ストレージを提供することができる。記憶部315としては、ROM、RAM、磁気および/または光記録媒体およびその対応デバイスなどの大容量記憶デバイス、および/または他の種類の記憶デバイスが挙げられる。入力デバイス320はUE110へのデータの入力の機構を備えることができる。例えば、入力デバイス320としては、キーパッド(図示せず)、マイクロフォン(図示せず)、ディスプレイユニット(図示せず)が挙げられる。キーパッドは、UE110へのデータの手動ユーザ入力を可能とすることができる。マイクロフォンは、を変換する機構を備えることができる。ディスプレイユニットは、ユーザが装置機能を選択できるユーザインタフェース(例えばグラフィカルユーザインタフェース)を提供可能なスクリーンディスプレイを備えることができる。ディスプレイユニットのスクリーンディスプレイはいかなる種類の視覚的ディスプレイを備えたものとすることも可能であり、例えば液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、プラズマスクリーンディスプレイ、発光ダイオード(LED:light-emitting diode)ディスプレイ、ブラウン管(CRT:cathode ray tube)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED:organic light-emitting diode)ディスプレイなどが挙げられる。
【0027】
出力デバイス325は、オーディオ形式、ビデオ形式、および/またはハードコピー形式データを出力する機構を備えることができる。例えば、出力デバイス325は、電気信号を視覚的出力に変換する機構を備えたスピーカ(図示せず)を備えることができる。出力デバイス325は、ユーザに出力データを表示するディスプレイユニットをさらに備えることができる。例えば、ディスプレイユニットは、ユーザに出力データを表示するグラフィカルユーザインタフェースを提供することができる。バス330は、UE110の様々な構成要素を相互接続して、構成要素が互いに通信できるようにすることが可能である。
【0028】
図3Aに示すUE110の構成要素の構成は例示のみを目的としたものである。構成要素を多くしたり、少なくしたり、異なるものとした他の構成も実装可能である。
【0029】
図3BはUE110の実施形態例を示しており、UE110はセルラ無線電話を備えている。図3Bに示すように、セルラ無線電話は、UE110にオーディオ情報を入力するマイクロフォン335(例えば入力デバイス320のもの)と、UE110からオーディオ出力を提供するスピーカ340(例えば出力デバイス325のもの)と、データの手動入力または装置機能の選択のためのキーパッド345(例えば入力デバイス320のもの)と、ユーザにデータを視覚的に表示可能、および/またはユーザが(キーパッド345と関連させて)データを入力したり装置機能を選択したりできるユーザインタフェースを提供可能なディスプレイ350(入力デバイス320または出力デバイス325のもの)とを備えることができる。
【0030】
図4Aおよび4Bは、セルフバックホールeNodeB130からセルフバックホールeNodeB150へハンドオフされるUE110−3を示している。図4Aおよび4Bに示すように、UE110−3は、まず、無線インタフェース135およびアンカeNodeB125を介してセルフバックホールeNodeB130によってサービングされているセル1 410にあるものとする。しかしながら、無線インタフェース145およびアンカeNodeB140を介してセルフバックホールeNodeB150によってサービングされているセル2 420にUE110−3が入ると、UE110−3は、セルフバックホールeNodeB150へハンドオフ400することができる。図4Aおよび4Bに示すように、セルフバックホールeNodeB150は、無線インタフェース145およびアンカeNodeB140によってトランスポートネットワーク120に接続することができる。ハンドオフ400に続き、セルフバックホールeNodeB150は、UE110−3がセル2 420にある間、無線インタフェース145およびアンカeNodeB140によってUE110−3にサービングすることができる。
【0031】
図5Aおよび5Bは、セルフバックホールeNodeB130からセルフバックホールeNodeBではないeNodeB(例えばeNodeB155)へハンドオフされているUE110−3を示している。図5Aおよび5Bに示すように、UE110−3は、まず、無線インタフェース135およびアンカeNodeB125を介してセルフバックホールeNodeB130によってサービングされているセル1 510にあるものとする。しかしながら、eNodeB155によってサービングされているセル2 520にUE110−3が入ると、UE110−3はeNodeB155へハンドオフ500することができる。図5Aに示すように、eNodeB155はトランスポートネットワーク120にあるものとすることができる。ハンドオフ500に続き、eNodeB155は、UE110−3がセル2 520にある間、UE110−3にサービングすることができる。
【0032】
ある状況では、セルフバックホールeNodeBから別のeNodeBへのハンドオーバパケット転送中、トランスポートインフラストラクチャ(例えばトランスポートネットワーク120)の有線部分に非効率的なルーティングが発生することがある。転送されたパケット、およびX2で送信された制御プレーンメッセージは、ここで説明する修正がないと、セルフバックホールeNodeBと他のeNodeBとの間を直接ルーティングするかわりに、1または2以上のS−GW160−1から160−Nによってルーティングする必要がある。S−GW160によるX2トラフィックのこの間接的ルーティングは非効率であろう。ここで説明する態様では、セルフバックホールeNodeB由来のトラフィック(例えばX2トラフィック)のS−GW機能は、セルフバックホールeNodeBにサービングするアンカeNodeBに統合して、X2制御プレーンおよびユーザプレーントラフィックの直接ルーティングを可能にできる。加えて、個別ベアラをセルフバックホールeNodeBに使用して、X2トラフィックを搬送することもできる。直接ルーティングを達成するために、セルフバックホールeNodeBは、S1通信とは異なるX2通信のインターネットプロトコル(IP)アドレスを有することができる。したがって、A−eNodeBに統合されたS−GWに関する個別IPアドレスをセルフバックホールeNodeBに割り当てて、X2トラフィックに使用することができる。加えて、セルフバックホールeNodeBとアンカeNodeBとの間の個別無線ベアラを、X2トラフィックの搬送のために確立することもできる。このようなベアラの確立は、セルフバックホールeNodeBのセットアップ/構成時に、MMEからのシグナリングによって行うことができる。しかしながら、セルフバックホールeNodeBによってサービングされるUE由来のユーザデータは、なおもトランスポートネットワーク120に位置するS−GWを終点とするが、セルフバックホールeNodeB由来のX2データについては、サービングアンカeNodeBがS−GWとしてふるまうことができる。
【0033】
図6は、X2制御プレーンのプロトコルアーキテクチャ600例を示しており、上述のように、S−GW機能はアンカeNodeB(例えばA−eNodeB1 125およびA−eNodeB2140)に統合され、セルフバックホールeNodeBから別のeNodeBへのパケットの直接ルーティングを可能としている。図示するように、S−GW610は、セルフバックホールeNodeB(B−eNodeB1)130にサービングする第1のアンカeNodeB(A−eNodeB1)125に統合することができる。S−GW610によってB−eNodeB1 130にIPアドレス620を割り当てて、B−eNodeB1 130のX2通信に使用することができる。さらに図示するように、S−GW630は、セルフバックホールeNodeB(B−eNodeB2)150にサービングする別のアンカeNodeB(A−eNodeB2)140に統合することもできる。S−GW630によってIPアドレス640をB−eNodeB2 150に割り当てて、B−eNodeB2 150のX2通信に使用することができる。X2トラフィックは、アンカノードA−eNodeB1 125およびA−eNodeB2 140の各々に統合されたS−GWによって割り当てられたIPアドレス620および640を使用して、B−eNodeB1 130とB−eNodeB2 150との間でルーティングすることができる。
【0034】
X2のS−GW機能をアンカeNodeBに置くことによる、X2トラフィックのセルフバックホールeNodeBの個別IPアドレスの予約を、S1インタフェースにも、特にS1制御プレーン(S1−CP)にも使用することができる。このようにして、セルフバックホールeNodeBのS−GWによってMME165−1〜165−Mの1つを行き来するS1−CPメッセージのルーティングを回避して、セルフバックホールeNodeBにサービングするMMEへ直接このメッセージをルーティングできることがある。S1−CPメッセージのセルフバックホールeNodeBに割り当てられたIPアドレスは、X2通信のIPアドレスと同一であっても同一でなくてもよい。
【0035】
アンカeNodeBにおけるS−GW機能(例えばS−GW610およびS−GW630)は、X2パケットを識別して別々に処理できる(例えば適当な無線ベアラにマッピングして、トランスポートネットワークに直接ブレークアウトする)ようにパケットフィルタリング/分類規則で構成することができる。
【0036】
パケット分類は、以下の選択肢の1または2以上の実施形態を含むことができる。
1)異なるトランスポートネットワークQoSクラスにシグナリングトラフィックがマッピングされると想定し、パケットIPヘッダにおけるトランスポートネットワークQoSインジケータまたはIPアドレスに基づいて分類する、
2)上位レイヤプロトコルヘッダ(例えばストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)ヘッダ(X2制御プレーンの場合)またはGTPヘッダ(X2ユーザプレーンの場合))を調査するIPヘッダにおける深いパケット調査に基づいて分類する、および/または
3)アンカeNodeBにおけるS−GWエンティティ間でGTPトンネリングベースルーティングを使用し、GTPトンネルのトンネル終点識別子(TEID:Tunnel Endpoint Identifier)に基づいてパケットを分類する。
アンカeNodeB間でGTPトンネリングを使用する場合、必ずしもX2トラフィックのセルフバックホールeNodeBの個別IPアドレスを有する必要はない。セルフバックホールeNodeBは、X2トラフィックおよびS1トラフィックの両方に同一のIPアドレスを有することが可能であり、アンカeNodeBはX2パケットをフィルタリングして(例えば送信先アドレスに基づいて)、適当なトンネルでターゲットセルフバックホールeNodeBへ送信することができる。この場合、X2トラフィックの個別無線ベアラは必要でないことがある。
【0037】
セルフバックホールeNodeBおよびそのサービングアンカeNodeBは、無線カバーエリアにおいてそれらが隣接するものとすると、それらの間に自身のX2インタフェースを有することができる。さもなくば、この2つのノード間のX2トラフィックはS−GWによってルーティングされ、アンカeNodeBとS−GWとの間に行ったりきたりするルーティングを起こすため、X2トラフィックのブレークアウトは、セルフバックホールeNodeB/アンカeNodeBX2インタフェースの観点から有用であることがある。同様に、2つのセルフバックホールeNodeBが同一のアンカeNodeBによってサービングされる場合も、ここで説明した実施形態を使用すると、2つのセルフバックホールeNodeB間へのトラフィックが、S−GWへ行くことなく、サービングアンカeNodeBにおいてショートカットされることが確証できる。
【0038】
図7はプロトコルアーキテクチャ例700をさらに示しており、サービングアンカeNodeB(例えばA−eNodeB125)はトランスポートネットワークの一部である正規のルータとしてふるまう。この実施形態例では、アンカeNodeB(A−eNodeB1 125)におけるセルフバックホールeNodeB(例えばB−eNodeB1 130)から到着するパケットがX2通信経路710によって、その方向においてIPルーティング機構によって定められた最小の経路で転送できる。
【0039】
ハンドオーバ中のアンカeNodeBにおけるパケットの転送を制御するため、セルフバックホールeNodeBとアンカeNodeBとの間で専用シグナリングを使用できる。セルフバックホールeNodeBとアンカeNodeBとの間の専用シグナリングはX2シグナリング、RRCシグナリングまたはマルチホップX2シグナリング(以下でさらに説明する)に基づいたものとすることができる。セルフバックホールeNodeBとアンカeNodeBとの間のX2ベースのシグナリングについて、以下、図8のフローチャートでさらに説明する。セルフバックホールeNodeBとアンカeNodeBとの間のシグナリングは、セルフバックホールeNodeB(UEとしてふるまう)とアンカeNodeBとの間に存在可能なRRCシグナリングによって支援することもできる。RRCシグナリングを使用して、アンカeNodeBからの転送を制御するのに使用する「X2のような」メッセージをトンネルすることができる。マルチホップX2シグナリングを図10に示し、以下でさらに説明する。この実施形態例では、X2シグナリングメッセージはB−eNodeB1 130、A−eNodeB1 125、A−NodeB2 140、B−eNodeB2 150経路によってマルチホップ式で進む。この実施形態では、進行中のハンドオーバ準備について、アンカeNodeBに明示的に通知できる。図10に示すように、ハンドオーバにおけるパケット転送に使用するパケットユーザプレーントンネルも、制御プレーンシグナリングが異なるノードを通過する際に、マルチホップ式で確立することができる。
【0040】
図8は、第1のセルフバックホールeNodeBによってサービングされているUEの第2のセルフバックホールeNodeBへのハンドオフに関する処理例のフローチャートであり、第1のセルフバックホールeNodeBと第2のセルフバックホールeNodeB専用シグナリングを使用して、ハンドオフ中のUE宛のデータの転送を制御する。図8の処理例は、セルフバックホールeNodeB130(B−eNodeB1)によって実施することができる。図8の処理例の以下の説明は、例示を目的として、図9のメッセージング図例を参照しながら説明する。
【0041】
この処理例は、ある特定のUE(例えばUE110−3)について、ターゲットセルフバックホールeNodeB(例えばB−eNodeB2 150)にハンドオーバ要求を送信することから開始できる(ブロック805)。B−eNodeB1 130が、ある特定のUEのハンドオーバをターゲットeNodeB(例えばB−eNodeB2 150)へ行うと決めると、B−eNodeB1 130はターゲットeNodeBへのハンドオーバ準備シグナリングを開始する。図0のメッセージング図例に示すように、B−eNodeB1 130は、X2制御プレーンシグナリングによってハンドオーバターゲットeNodeB(例えばセルフバックホールB−eNodeB2 150)へハンドオーバ要求900を送信する。代替の実施形態では、ハンドオーバシグナリングは、各eNodeBがX2メッセージを解釈するようにマルチホップ式で、関与するeNodeB(例えばB−eNodeB1、A−eNodeB1、B−eNodeB2、A−eNodeB2)によって送信することもできる。例えば、図10に示すように、ハンドオーバ要求はB−eNodeB1 130からA−eNodeB1 125へ(例えばハンドオーバ要求1000)、A−eNodeB1 125からA−eNodeB2 140へ(例えばハンドオーバ要求1005)、A−eNodeB2 140からB−eNodeB2 150へ(例えばハンドオーバ要求1010)ホップごとに進むものとすることができる。
【0042】
図8に戻ると、ハンドオーバターゲットeNodeB(例えばB−eNodeB2)からハンドオーバ応答を受信できる(ブロック810)。ハンドオーバ要求900を受信すると、B−eNodeB2 150は、ハンドオーバ要求を許可するかどうか判定することが可能であり、ハンドオーバ要求が許可される場合には図9に示すようにハンドオーバ応答メッセージ910をB−eNodeB1 130へ返信できる。また、B−eNodeB2 150はX2転送TEIDを予約905できる。図10に示す代替マルチホップ実施形態では、ハンドオーバ応答は、関与するeNodeBによって送信し、各eNodeBがメッセージを解釈することもできる。例えば、図10に示すように、B−eNodeB2 150がX2転送TEIDを予約905し、制御プレーンによってA−eNodeB2 140へX2ハンドオーバ応答を送信することができる。さらに、A−eNodeB2 140がX2転送TEIDを予約1020し、制御プレーンによってA−eNodeB1 125へX2ハンドオーバ応答1025を送信することができる。また、A−eNodeB1 125がX2転送TEIDを予約1030し、制御プレーンによってB−eNodeB1 130へX2ハンドオーバ応答1035を送信することができる。
【0043】
図8に戻ると、ターゲットセルフバックホールeNodeBへハンドオフされている当該UEへハンドオーバ命令を送信できる(ブロック815)。ターゲットセルフバックホールeNodeBからハンドオーバ応答を受信すると、B−eNodeB1 130は、図9に示すように、UE110−3へハンドオーバ命令915を送信し、ターゲットセルフバックホールeNodeBによってサービスされているセルへのそのハンドオフを通知できる。
【0044】
現時点のサービングアンカeNodeB(例えばA−eNodeB1 125)へ通知メッセージを送信し、アンカeNodeBに命令して、当該UEに対するダウンリンクデータの配信を一時中断させることができる(ブロック820)。図9に示すように、B−eNodeB1 130は、A−eNodeB1 125へ制御プレーンでX2メッセージ920を送信して、A−eNodeB1 125に命令し、当該UE(例えばUE110−3)に向けたB−eNodeB1 130へのダウンリンクでのデータ配信を中断させることができる。図9にさらに示すように、メッセージ920を受信すると、A−eNodeB1 125は、当該UEへ向かうそれぞれのダウンリンク(DL)トンネルで到着するパケットのバッファリング925を開始できる。A−eNodeB1 125は、バッファリングの代わりにパケットのキャッシングを行うことが可能であり、送信されたパケットのコピーの保持は含まれるが、パケットの送信の一時中断は含まれない。パケットキャッシングがA−eNodeBによって行われる場合、A−eNodeB1 125は、そのキャッシュにおける最後のパケットのIDをB−eNodeB1 130に示すことができる(すなわち、B−eNodeB1 130は返信する必要がない)。これについては、A−eNodeBキャッシュにおける最古のパケットのシーケンス番号を搬送する、「DL配信中断」メッセージに応じて送信される応答メッセージ(例えば「DL配信中断のACK」)を導入することによって達成できる。B−eNodeB1 130は、対応するS1インタフェースGTPトンネルによる(すなわちB−eNodeB1を終点とするトンネルに基づく)一時中断およびバッファリングによるUEベアラの識別が可能であり、この情報を「DL配信中断」メッセージに含めることができる。内的GTPトンネルID(TEID)はA−eNodeBにおいて直接的に可視ではないことがあり、そのため、A−eNodeBは内的ヘッダを調べて、内的GTPヘッダに基づいて関連UEに属するベアラをフィルタする必要がある場合もある。
【0045】
メッセージ920は、図9に示したものと異なる別の時点で送信することもできる。例えば、ハンドオーバ命令915をUE110−3へ送信する前にメッセージ920を送信できる。別の例として、DLバッファ飽和レベルに基づく時点でメッセージ920を送信できる。したがって、図9に示すメッセージの順序はメッセージ順序の一例を表したもので、図示したメッセージは、図9に示したものとは異なる順序で送信することもできる。
【0046】
図8に戻ると、ハンドオーバ前にB−eNodeB1のバッファに記憶された当該UEのパケットを送信できる(ブロック825)。図9に示すように、B−eNodeB1 130は、ユーザプレーンにおけるX2インタフェースを使用してB−eNodeB2 150へパケット930を転送できる。図10に示す代替マルチホップ実施形態では、B−eNodeB1 130は、転送されたパケットをA−eNodeB1 125に送信可能であり、パケットはホップごとにB−eNodeB2 150へ転送できる。例えば、図10に示すように、B−eNodeB1 130は、ユーザプレーンにおけるX2インタフェースを使用して、A−eNodeB1 125へパケットを転送1040できる。今度は、A−eNodeB1 125は、ユーザプレーンにおけるX2インタフェースを使用して、A−eNodeB2 140へパケットを転送1045できる。A−eNodeB2 140はB−eNodeB2 150へパケットを転送1050して、ホップごとの転送処理を完了できる。
【0047】
図8に戻ると、A−eNodeB1へメッセージを送信し、A−eNodeB1に命令して、A−eNodeB1がそのバッファに当該UEに対して有するパケットをターゲットeNodeBへ転送開始させることができる(ブロック830)。B−eNodeB1 130は、B−eNodeB1 130がそのバッファに残っているパケットの転送を終了した後にA−eNodeB1 125へメッセージを送信できる。図9に示すように、B−eNodeB1 130はメッセージ935を送信し、そのアンカノード(例えばA−eNodeB1 125)に命令して、A−eNodeB1 125がそのバッファ/キャッシュに当該UEに対して有するパケットを転送させることができる。メッセージ935の受信に応じて、図9に示すように、アンカノード(例えばA−eNodeB1 125)は、S1ダウンリンクトンネルで受信されたパケットをそれぞれのX2転送トンネルに切り換える940ことができる。さらに図9に示すように、A−eNodeB1 125は、ターゲットeNodeB(例えばeNodeB2 150)へのS1パケットの転送945を開始できる。
【0048】
図8の処理例は、第1のセルフバックホールeNodeBから第2のセルフバックホールeNodeBへのハンドオフについて説明した。しかしながら、図8の処理例は、セルフバックホールeNodeBからセルフバックホールeNodeBではないeNodeBへのハンドオフに応用することもできる。
【0049】
A−eNodeB1 125からの転送中、A−eNodeB1 125は、UEの任意のベアラに応じて、A−eNodeBに向かう適当なX2転送トンネルにS1 GTPトンネルを切り換えることが可能であり、このトンネルはハンドオーバ準備中に確立されたものである。これをA−eNodeB1 125が達成するために、A−eNodeB1 125は、B−eNodeB宛で有効な転送GTP TEIDについての通知が必要ないことがある。この情報は、GTPトンネル切換規則(すなわち、どのS1 GTP TEIDをどの転送TEIDに切り換える必要があるかを示す規則)とともに「転送開始」メッセージでA−eNodeB1 125へ送信できる。B−eNodeBB2 150は、B−eNodeB1 130のIPアドレスと異なるIPアドレスから転送されたバケットを受領する準備をしなければならないことがある。ブロック830はハンドオーバ処理を完了できる。
【0050】
他の実施形態では、B−eNodeBとA−eNodeBとの間のシグナリングの少なくともいくつかを、X2シグナリングの代わりに、RRCシグナリングによってもサポートできる。RRCシグナリングを使用して、A−eNodeBからの転送の制御に使用する「X2のような」メッセージをトンネルすることができる。例えば、図9に示すメッセージ920および935はRRCメッセージによってトンネルすることができる。
【0051】
図10に示し、上述したマルチホップシグナリング実施形態は、B−eNodeB1、A−eNodeB1、A−eNodeB2、B−eNodeB2経路によってX2シグナリングメッセージがマルチホップ式に進めるようにする。この実施形態では、進行中のハンドオーバ準備について明示的にアンカeNodeBに通知できる。図10に示すように、ハンドオーバにおけるパケット転送に使用するユーザプレーントンネルも、異なるノードを通過する制御プレーンシグナリングのようにマルチホップ式で確立できる。マルチホップシグナリング実施形態は、UEがセルフバックホールeNodeBによって接続される場合のハンドオーバ実行のさらなる最適化を導入できるようにする。このような最適化は、例えば、ターゲットB−eNodeBによってサービングされる新たなセルにUEを受け入れる際のターゲットA−eNodeBにおけるバックホール無線リンクステータス(例えばリソースの使用可能性)のチェックを含むことができる。また、マルチホップシグナリング実施形態は、新たなX2メッセージの導入が省略できる実施形態に基づいて直接、より賢く「スニフ」する実施形態を可能にすることもできる(以下の実施形態に基づく「スニフィング」の説明を参照)。アンカeNodeBは、進行中のハンドオーバ手続の存在を判定し、自動でパケット転送を実行するために迂回シグナリングメッセージから必要な情報を取得できる。大体マルチホップX2シグナリング実施形態をサポートするために、2次隣接関係のコンセプトで通常X2隣接コンセプトを拡張することが必要な場合がある。eNodeBは、その直接のネイバを維持するだけでなく、第2のホップのネイバ(すなわちその直接のネイバのネイバ)も維持することが必要な場合がある。
【0052】
ハンドオーバ中にソースセルフバックホールeNodeBとターゲットeNodeBとの間の専用シグナリングの使用を含む上述の実施形態例は、セルフバックホールeNodeBからターゲットeNodeBへのUEのハンドオフを可能にする数拡張を含む。1つの拡張は、セルフバックホールeNodeBとアンカeNodeBとの間に、それらが無線カバーエリアにおいてネイバでなくとも、X2インタフェースを確立することを含む。別の拡張は、アンカeNodeBからの転送の制御に使用する制御メッセージを搬送するためにX2−APプロトコルまたはRRCプロトコルを含む。X2ベースのシグナリングの場合、X2シグナリングはマルチホップ式で実施することもできる。さらなる拡張では、ハンドオーバ中のソースセルフバックホールeNodeBからターゲットeNodeBへのデータの転送の制御に2つの追加的制御メッセージを使用できる。制御メッセージの1つは、ソースセルフバックホールeNodeBへの、アンカeNodeBに命令して、ある特定のUEに対するDLでのパケット配信を中断させる「DL配信中断」メッセージを含むことができる。制御メッセージの別の1つは、UEがハンドオフされているターゲットeNodeBへの、アンカeNodeBに命令して、当該UEに向けたパケットの転送を開始させる「転送開始」メッセージを含むことができる。「DL配信中断」メッセージは、転送のUEベアラのGTP TEIDを含むことができる。「転送開始」メッセージは、S1のUEベアラのGTP TEIDをX2のターゲットeNodeB(例えばB−eNodeB2)における宛先転送TEIDにマッピングするトンネル切換情報を含むことができる。さらなる拡張は、アンカeNodeBに、内的GTPヘッダを(すなわち、ターゲットB−eNodeBwo終点とするGTPトンネルのヘッダフィールドを)調べて、転送のベアラのパケットを識別し、フィルタする能力を与えることを含む。
【0053】
ハンドオーバ中のアンカeNodeBにおける転送を制御できる別の実施形態例は、荷煮のUEがハンドオフされているeNodeBに向かってアンカeNodeBを横切るアンカeNodeBにおけるシグナリングに「スニフ」することを含むことができる。この実施形態例では、アンカeNodeBは、セルフバックホールeNodeBとUEがハンドオフされているターゲットeNodeBとの間で進行中のX2および/またはS1シグナリングにスニフすることで、ハンドオーバが発生しようとしていることがわかり、その後アンカeNodeBはターゲットeNodeBへのパケット転送を自動で実行する。この実施形態例では、アンカeNodeBはX2ハンドオーバ準備シグナリングメッセージを検出し、検出したシグナリングメッセージに基づいて、どのUEがハンドオーバに関与しているか判定する。アンカeNodeBは、ターゲットeNodeB(例えばB−eNodeB2)に関する転送TEIDを抽出し、当該UEのベアラをS1のTEIDに関連させる。したがって、アンカeNodeBは、いつある特定のUEに対してベアラがセットアップ/解放されるか識別するため、S1シグナリングにも「スニフ」し、UEベアラGTP TEIDマッピングのデータベースを維持する。
【0054】
図11は、第1のセルフバックホールeNodeBによってサービスされているUEの、第2のセルフバックホールeNodeBへのハンドオフに関する処理例のフローチャートであり、第1のセルフバックホールeNodeBにサービングするアンカeNodeBが、ハンドオフ中のUEに向かうデータの転送を制御するために、第1および第2のセルフバックホールeNodeB間で送信されたメッセージに「スニフ」する。図11の処理例はアンカeNodeB125(A−eNodeB1)によって実施できる。図12は、図11の処理例に関するメッセージング図例を示している。
【0055】
この処理例は、B−eNodeB1からB−eNodeB2に向かう迂回ハンドオーバ要求を受信し、「スニフ」し、ハンドオーバ準備が開始されたことがわかる(ブロック1105)ことから開始できる。ターゲットeNodeB(例えばeNodeB2 150)へのある特定のUEのハンドオーバを行うとソースeNodeB(例えばB−eNodeB1 130)が決定すると、B−eNodeB1 130は、ターゲットeNodeBに向かうハンドオーバ準備シグナリングを開始する。図12のメッセージング図例に示すように、B−eNodeB1 130は、X2制御プレーンシグナリングによってハンドオーバターゲットeNodeBへハンドオーバ要求1200を送信する。迂回ハンドオーバ要求がアンカノードA−eNodeB1 125を横切る際、A−eNodeB1 125は、メッセージのコンテンツを調査することでメッセージに「スニフ」できる。メッセージのコンテンツの調査は、メッセージがハンドオーバ要求メッセージであることを識別することが可能であり、したがって、UEのハンドオフが進行中であることを示す。また、A−eNodeB1 125は、ハンドオーバ要求メッセージからUE識別子を抽出し、S1インタフェースで使用されるある特定のUEのIDにUE識別子をバインド可能であるが、これについてはS1シグナリングでの「スニフィング」から事前にわかっている。与えられたUEに対応するS1トンネルを選択し、正しいUEに対する転送を実行可能にするためには、S1 UE IDへのバインディングが必要となることがある。ハンドオーバ要求1200を受信すると、B−eNodeB2 150は、ハンドオーバ要求を許可するかどうか判定可能であり、ハンドオーバ要求を許可する場合、図12に示すように、A−eNodeB1 125によってB−eNodeB1 130へハンドオーバ応答メッセージ1215を返信できる。また、B−eNodeB2 150は、X2転送トンネル終点識別子(TEID)を予約1210できる。
【0056】
図11に戻ると、B−eNodeB2 150からB−eNodeB1 130に向かう迂回ハンドオーバ応答を受信し、「スニフ」して、ハンドオーバが許可されたことがわかる(ブロック1110)。図12に示すように、迂回ハンドオーバ応答メッセージ1215がB−eNodeB1 130へ向かう途中にA−eNodeB1 125を横切る際、A−eNodeB1 125は、メッセージにスニフ1220して、ハンドオーバ準備ができたことを知ることが可能であり、ハンドオーバ応答メッセージからターゲットB−eNodeB2で有効な転送TEIDを抽出できる。ターゲットセルフバックホールeNodeB(例えばB−eNodeB2 150)からハンドオーバ応答メッセージを受信すると、B−eNodeB1 130は、図12に示すように、UE110−3へハンドオーバ命令1225を送信して、ターゲットeNodeB(例えばB−eNodeB2 150)によってサービスされているセルへのそのハンドオフをUE110−3に通知できる。また、ターゲットセルフバックホールeNodeBからハンドオーバ応答メッセージを受信すると、A−eNodeB1 125は、ハンドオフされているUEに向かう受信したパケットのバッファリングおよび/またはキャッシングを開始できる。そして、B−eNodeB1 130は、X2インタフェースによってB−eNodeB2 150へ転移ステータスメッセージ1230(SN転移ステータスメッセージ)を送信できる。転移ステータスメッセージ1230は、例えば正しく受信したパケットおよび/または欠損パケットのシーケンス番号など、ソースセルフバックホールeNodeB(例えばeNodeB1 130)の受信部/送信部に関するステータス情報を含むことができる。
【0057】
図11に戻ると、B−eNodeB1からB−eNodeB2に向かう迂回ステータス転移メッセージを受信し、「スニフ」して、ハンドオーバが実行されたことがわかる(ブロック1115)。図12に示すように、迂回ステータス転移メッセージ1230はB−eNodeB1 130に向かう途中でA−eNodeB1 125を横切り、A−eNodeB1 125は、ステータス転移メッセージ1230にスニフ1235して、ハンドオーバが実際に実行されたことを知ることができる。ステータス転移メッセージ1230へのスニフィングは、ステータス転移メッセージ1230のあるコンテンツを調査し、ハンドオーバが実行されたとわかることを含むことができる。転移ステータスメッセージ1230の送信に続いて、B−eNodeB1 130は、B−eNodeB2 150へのユーザプレーンにおけるX2によってデータの転送を開始できる。
【0058】
図11に戻ると、A−eNodeB1 125は、B−eNodeB2への、当該UEに対してそのバッファ/キャッシュに有するパケットの転送を開始できる(ブロック1120)。A−eNodeB1 125は、ハンドオーバが実行されたと判定した後、どの時点でも、転送開始を決定できる。例えば、A−eNodeB1 125は、A−eNodeB1 125がそのバッファ/キャッシュに有するパケットの転送1245を開始するまえに、B−eNodeB1 130が自身のバッファに有する全パケットの転送を完了するまで、ある時間待機できる。この形式における転送の遅延は、パケットの無秩序の回避をアシストできる。A−eNodeB1 125は、実施形態によっては、ユーザプレーンに対してスニフして、いつB−eNodeB1 130がB−eNodeB2 150へのパケットの転送を完了したか判定できる。図12に示すように、A−eNodeB1 125は、B−eNodeB2 150へユーザプレーンにおけるX2によってパケットを転送1250できる。A−eNodeB1 125がB−eNodeB2 150へのパケットの転送を終了したら、図11のハンドオーバ処理は完了できる。
【0059】
図12に示すメッセージの順序は、ある具体例を示すことを目的としたつもりであり、限定的なものとするつもりはない。他の実施形態では、図12のメッセージの異なる順序を使用できる。ソースおよびターゲットセルフバックホールeNodeB間のX2インタフェース(例えばIPsec)に暗号化を使用する場合、暗号化(例えばIPsecトンネル)は、セルフバックホールeNodeBではなく、アンカeNodeBを終点とすべきである。さもなければ、X2メッセージのスニフィングがアンカeNodeBで不可能となることがある。
【0060】
図11の処理例は、第1のセルフバックホールeNodeBから第2のセルフバックホールeNodeBへのハンドオフについて説明した。しかしながら、図11の処理例は、セルフバックホールeNodeBからセルフバックホールeNodeBではないeNodeBへのハンドオフにも応用できる。
【0061】
本発明に関連する実施形態の例E1〜E22は、以下のとおりである。
(E1)
ネットワークのアンカeNodeBにおいて実装される方法であって、前記アンカeNodeBは無線インタフェースによってセルフバックホールeNodeBと通信し、前記ネットワークは他のeNodeBをさらに含み、前記方法は、
前記無線インタフェースによって前記セルフバックホールeNodeBから、前記アンカeNodeBに命令して、前記UEに向かうパケットの配信を中断させるメッセージを受信すること(820)、または、
前記セルフバックホールeNodeBから前記他のeNodeBへ送信された1または2以上のメッセージにスニフして、前記UEが前記セルフバックホールeNodeBから前記他のeNodeBへハンドオフされていることを識別すること(1105、1110、1115)
に基づき、ユーザ機器(UE)が前記第1のセルフバックホールeNodeBから前記他のeNodeBへハンドオフされているかどうかを判定するステップと、
前記UEがハンドオフされているかどうかの前記判定に基づいて、受信した前記UEに対するパケットを記憶するステップ(1120)と、
前記UEへの配信のため、トランスポートネットワークによって前記他のeNodeBへ記憶した前記パケットを転送するステップ(1120)と
を有することを特徴とする方法。
(E2)
前記他のeNodeBは、他の無線インタフェースによって他のセルフバックホールeNodeBと通信する他のアンカeNodeBを含む、(E1)に記載の方法。
(E3)
前記他のeNodeBへ記憶した前記パケットを転送するステップは、
前記他のセルフバックホールeNodeBおよび前記他の無線インタフェースによる前記UEへの配信のため、前記トランスポートネットワークによって前記他のアンカeNodeBへ記憶した前記パケットを転送するステップを含む、(E2)に記載の方法。
(E4)
前記アンカeNodeBによって、前記セルフバックホールeNodeBに対してインターネットプロトコル(IP)アドレス割り当てるステップと、
前記他のアンカeNodeBによって、前記他のセルフバックホールeNodeBに対してIPアドレスを割り当てるステップと、
前記IPアドレスを使用して記憶した前記パケットを転送し、前記他のセルフバックホールeNodeBへ通信をシグナリングするステップと、
をさらに含む、(E2)に記載の方法。
(E5)
前記セルフバックホールeNodeBから前記他のeNodeBへ送信された前記1または2以上のメッセージにスニフすることは、前記1または2以上のメッセージが前記アンカeNodeBを横切る際に、前記1または2以上のメッセージのコンテンツを調査して、前記UEが前記セルフバックホールeNodeBから前記他のeNodeBへハンドオフされていることを識別することを含む、(E1)に記載の方法。
(E6)
無線インタフェース(135)によってネットワークにおける第2の基地局(125)に接続された第1の基地局(130)であって、前記第1の基地局(130)は、前記第2の基地局(125)からダウンリンクでユーザ機器(UE)(110−3)に向かうパケットを受信し、前記UE(110−3)からアップリンクでパケットを受信し、前記第1の基地局(130)は、
ターゲットハンドオーバ基地局(150)への配信のため、前記第2の基地局(125)へ前記無線インタフェース(135)によって前記UE(110−3)に関するハンドオーバ要求を送信し、
前記無線インタフェース(135)によって前記第2の基地局(125)から、前記ターゲットハンドオーバ基地局(150)から送信されたハンドオーバ応答を受信し、
前記第2の基地局(125)に命令して、前記UE(110−3)に向かうダウンリンクパケットの配信を中断させる通知メッセージを、前記第2の基地局(125)へ送信する
送受信部(305)と、
前記第2の基地局から事前に受信した前記UE(110−3)に向かうパケットを記憶する記憶部(315)と、
前記ハンドオーバ応答の受信の前に前記記憶部(315)に記憶された前記パケットを取り出し、
前記ターゲットハンドオーバ基地局(150)への配信のため、前記無線インタフェース(135)によって前記第2の基地局(125)へ送信するため、取り出した前記パケットを前記送受信部(305)に渡す
処理部と、
を有することを特徴とする、第1の基地局。
(E7)
前記第1の基地局(130)は第1のセルフバックホールeNodeBを含み、前記第2の基地局(125)は第1のアンカeNodeBを含み、前記ターゲットハンドオーバ基地局(150)は第2のセルフバックホールeNodeBを含む、(E6)に記載の第1の基地局。
(E8)
前記第1の基地局(130)は第1のセルフバックホールeNodeBを含み、前記第2の基地局(125)は第1のアンカeNodeBを含み、前記ターゲットハンドオーバ基地局はeNodeBを含む、(E6)に記載の第1の基地局。
(E9)
前記ネットワーク(120)はインターネットプロトコル(IP)トランスポートネットワークを含む、(E6)に記載の第1の基地局。
(E10)
前記第1のセルフバックホールeNodeB(130)は、前記第1のアンカeNodeB(125)へ前記無線インタフェース(135)によって前記IPトランスポートネットワーク(120)と通信し、前記第1のアンカeNodeB(125)は、前記第1のセルフバックホールeNodeB(130)と前記IPトランスポートネットワーク(120)との間の中間ノードとして動作する、(E9)に記載の第1の基地局。
(E11)
前記送受信部(305)は、さらに、前記UE(110−3)に向かうパケットの転送を開始すると前記第2の基地局(125)に通知する第2のメッセージを前記第2の基地局(125)へ送信する、(E6)に記載の第1の基地局。
(E12)
前記通知メッセージおよび前記第2のメッセージは、X2シグナリングプロトコルに基づいて、または無線リソース制御(RRC)プロトコルに基づいて送信される、(E11)に記載の第1の基地局。
(E13)
セルラネットワークに関するシステムであって、
第1の無線インタフェース(135)によってユーザ機器(UE)(110−3)と第2の基地局(125)とに接続された第1の基地局(130)と、
トランスポートネットワーク(120)に接続された前記第2の基地局(125)と、
前記トランスポートネットワーク(120)に接続された第3の基地局(140)と、
第2の無線インタフェースによって前記第3の基地局(140)に接続された、前記UE(110−3)に無線サービスを提供する第4の基地局(150)と、
を有することを特徴とし、
前記第1の基地局(130)は、
前記第2の基地局(125)、前記トランスポートネットワーク(120)、および前記第3の基地局(140)によって前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)に関するハンドオーバ要求を送信し、
前記第3の基地局(140)、前記トランスポートネットワーク(120)、および前記第2の基地局(125)によって前記第4の基地局(150)から、前記第1の基地局(130)から前記第4の基地局(150)への前記UE(110−3)のハンドオーバを許可するハンドオーバ応答を受信し、
前記UE(110−3)への配信のため、前記第2の基地局(125)、前記トランスポートネットワーク(120)、および前記第3の基地局(140)によって前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)に向かうパケットを転送する、システム。
(E14)
前記第2の基地局(125)は、さらに、
前記第1の基地局(130)から送信された迂回メッセージをスニフし、前記第1の基地局(125)から前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)をハンドオフするハンドオーバが許可されたかどうかを判定し、
前記迂回メッセージの前記スニフに基づいて前記トランスポートネットワーク(120)および前記第3の基地局(140)によって前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)に向かうパケットを転送する、
(E13)に記載のシステム。
(E15)
前記第1の基地局(130)は、さらに、前記第2の基地局(125)を命令して、前記第1の基地局(130)への前記UE(110−3)に向かうパケットの配信を中断させる通知メッセージを前記第2の基地局(125)へ送信する、(E13)に記載のシステム。
(E16)
前記第2の基地局(125)は、前記通知メッセージの受信に続いて受信した前記UE(110−3)に向かうパケットを格納する、(E15)に記載のシステム。
(E17)
前記第2の基地局(125)は、さらに、受信した前記パケットの内的トンネルヘッダを調査して、UEベアラを識別する、(E16)に記載のシステム。
(E18)
前記第1の基地局(115)は、さらに、前記UE(120−3)への配信のため、前記第2の基地局(110)に命令して、前記第4の基地局(130)へ記憶したパケットの転送を開始させるメッセージを前記第2の基地局(110)へ送信する、(E16)に記載のシステム。
(E19)
前記第2の基地局(125)への前記メッセージおよび前記通知メッセージは、X2シグナリングプロトコルまたは無線リソース制御(RRC)シグナリングプロトコルに基づいて送信できる、(E18)に記載のシステム。
(E20)
前記第2の基地局は、さらに、前記メッセージが受信されると、前記トランスポートネットワーク(120)および前記第3の基地局(140)によって前記第4の基地局(150)へ、記憶した前記パケットおよび前記UE(110−3)に向かう着信ダウンリンクパケットを転送する、(E18)に記載のシステム。
(E21)
前記第1の基地局(130)は第1のセルフバックホールeNodeBを含み、前記第2の基地局(125)は第1のアンカeNodeBを含み、第3の基地局(140)は第2のアンカeNodeBを含み、前記第4の基地局(150)は第2のセルフバックホールeNodeBを含む、(E13)に記載のシステム。
(E22)
前記第2の基地局(125)は、前記トランスポートネットワーク(120)と前記第1の基地局(130)との間の中間ノードとして動作し、前記第3の基地局(140)は、前記トランスポートネットワーク(120)と前記第4の基地局(150)との間の中間ノードとして動作する、(E13)に記載のシステム。
【0062】
以上の実施形態の説明は、例示および説明を提供するものであり、排他的なものとしたり、開示した具体的形態に本発明を限定したりする意図はない。修正および変形が、以上の教示に照らして可能であり、あるいは本発明の実施から得ることができる。例えば、図8および11について一連のブロックを説明したが、本発明の原理に一致する他の実施形態ではブロックの順序を修正できる。さらに、独立したブロックは並行に実行できる。
【0063】
また、本発明の態様は方法および/またはコンピュータプログラムプロダクトでも実施できる。したがって、本発明は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)で具現化できる。さらに、本発明は、命令実行システムによってまたは接続して使用するために媒体において具現化されるコンピュータ使用可能プログラムコードまたはコンピュータ読出可能プログラムコードを有するコンピュータ使用可能記憶媒体またはコンピュータ読出可能記憶媒体上のコンピュータプログラムプロダクトの形態をとることができる。ここで説明した実施形態を実施するために使用される実際のソフトウェアコードまたは特定制御ハードウェアは本発明の限定ではない。したがって、当業者であれば、ここでの説明に基づいて態様を実施するためのソフトウェアおよび制御ハードウェアを設計できるという理解のもと、実施形態の動作および挙動は特定のソフトウェアコードを参照することなく説明した。
【0064】
さらに、本発明のある部分は、1または2以上の機能を実行する「回路(logic)」として実施できる。この回路は、特定用途向け集積回路または電界プログラム可能ゲートアレイなどのハードウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアとの組合せを含むことができる。
【0065】
特徴の特定の組合せについて請求項に記載がある、および/または明細書に開示があるとしても、かかる組合せに本発明を限定させる意図はない。実際、かかる特徴の多くは、請求項の記載および/または明細書の開示に具体的にはないやり方で組み合わせることができる。
【0066】
「comprises/comprising」という用語を本明細書で使用した場合、減給した特徴、整数、ステップ、構成要素、またはグループを特定するものするが、1または2以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが強調されるべきである。
【0067】
本出願で使用した要素、動作、または命令は、明示的な説明がない限り、本発明に対して決定的または本質的ではないと考えるべきである。また、ここで使用する冠詞「a」は1または2以上の項目を含むものと意図している。1つだけの項目を意図しているところでは、「1」または同様の言語が使用される。さらに、「based on(に基づく)」というフレーズは、明示的な言及がない限り、「based, at least in part, on(に少なくとも部分的に基づく)」を意味することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークのアンカ基地局において実装される方法であって、前記アンカ基地局は無線インタフェースによってセルフバックホール基地局と通信し、前記ネットワークは他の基地局をさらに含み、前記方法は、
前記セルフバックホール基地局または前記他の基地局からメッセージを受信するステップ(1105、1110)と、
受信した前記メッセージに基づき、ユーザ機器(UE)が前記セルフバックホール基地局から前記他の基地局へハンドオフされているかどうかを判定するステップと、
前記UEがハンドオフされているかどうかの前記判定に基づいて、受信した前記UEに対するパケットを記憶するステップ(1120)と、
前記UEへの配信のため、トランスポートネットワークによって前記他の基地局へ記憶した前記パケットを転送するステップ(1120)と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記他の基地局は、他の無線インタフェースによって他のセルフバックホール基地局と通信する他のアンカ基地局を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記他の基地局へ記憶した前記パケットを転送するステップは、
前記他のセルフバックホール基地局および前記他の無線インタフェースによる前記UEへの配信のため、前記トランスポートネットワークによって前記他のアンカ基地局へ記憶した前記パケットを転送するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アンカ基地局によって、前記セルフバックホール基地局に対してインターネットプロトコル(IP)アドレス割り当てるステップと、
前記他のアンカ基地局によって、前記他のセルフバックホール基地局に対してIPアドレスを割り当てるステップと、
前記IPアドレスを使用して記憶した前記パケットを転送し、前記他のセルフバックホール基地局へ通信をシグナリングするステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ機器(UE)がハンドオフされているかどうかを判定する前記ステップは、前記セルフバックホール基地局から前記他の基地局へ送信された1つ以上のメッセージにスニフすることに基づき、
前記スニフすることは、前記1つ以上のメッセージが前記アンカ基地局を横切る際に、前記1つ以上のメッセージのコンテンツを調査して、前記UEが前記セルフバックホール基地局から前記他の基地局へハンドオフされていることを識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ機器(UE)がハンドオフされているかどうかを判定する前記ステップは、受信した前記メッセージにスニフすることに基づく、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
受信した前記メッセージは、前記セルフバックホール基地局から受信したハンドオーバ要求である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
受信した前記メッセージは、前記他の基地局から受信したハンドオーバ応答である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークにおいて無線インターフェースによってセルフバックホール基地局と通信するアンカ基地局(200)であって、前記ネットワークは他の基地局をさらに含み、前記アンカ基地局(200)は送受信部(205)、処理部(210)、記憶部(215)及びインターフェース(220)を備え、前記アンカ基地局(200)は、
前記送受信機(205)によって前記セルフバックホール基地局から、又は前記インターフェース(220)によって前記他の基地局から、メッセージを受信し、
前記処理部(210)によって、受信した前記メッセージに基づき、ユーザ機器(UE)が前記セルフバックホール基地局から前記他の基地局へハンドオフされているかどうかを判定し、
前記記憶部(215)において、前記UEがハンドオフされているかどうかの前記判定に基づいて、受信した前記UEに対するパケットを記憶し、
前記インターフェース(220)によって、前記UEへの配信のため、トランスポートネットワークによって前記他の基地局へ記憶した前記パケットを転送する
ように適合される、アンカ基地局(200)。
【請求項10】
前記処理部(210)は、受信した前記メッセージにスニフすることに基づいて、前記ユーザ機器(UE)がハンドオフされているかどうかを判定するように適合される、請求項9に記載のアンカ基地局(200)。
【請求項11】
受信した前記メッセージは、前記セルフバックホール基地局から受信したハンドオーバ要求である、請求項9または10に記載のアンカ基地局(200)。
【請求項12】
受信した前記メッセージは、前記他の基地局から受信したハンドオーバ応答である、請求項9または10に記載のアンカ基地局(200)。
【請求項13】
セルラネットワークに関するシステムであって、
第1の無線インタフェース(135)によってユーザ機器(UE)(110−3)と第2の基地局(125)とに接続された第1の基地局(130)と、
トランスポートネットワーク(120)に接続された前記第2の基地局(125)と、
前記トランスポートネットワーク(120)に接続された第3の基地局(140)と、
第2の無線インタフェースによって前記第3の基地局(140)に接続された、前記UE(110−3)に無線サービスを提供するように構成される第4の基地局(150)と、
を有することを特徴とし、
前記第1の基地局(130)は、
前記第2の基地局(125)、前記トランスポートネットワーク(120)、および前記第3の基地局(140)によって前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)に関するハンドオーバ要求を送信し、
前記第3の基地局(140)、前記トランスポートネットワーク(120)、および前記第2の基地局(125)によって前記第4の基地局(150)から、前記第1の基地局(130)から前記第4の基地局(150)への前記UE(110−3)のハンドオーバを許可するハンドオーバ応答を受信し、
前記UE(110−3)への配信のため、前記第2の基地局(125)、前記トランスポートネットワーク(120)、および前記第3の基地局(140)によって前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)に向かうパケットを転送する
ように構成される、システム。
【請求項14】
前記第2の基地局(125)は、
前記第1の基地局(130)から送信された迂回メッセージをスニフし、前記第1の基地局(125)から前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)をハンドオフするハンドオーバが許可されたかどうかを判定し、
前記迂回メッセージの前記スニフに基づいて前記トランスポートネットワーク(120)および前記第3の基地局(140)によって前記第4の基地局(150)へ前記UE(110−3)に向かうパケットを転送する
ように構成される、請求項13に記載のシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−186814(P2012−186814A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−76572(P2012−76572)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2011−509433(P2011−509433)の分割
【原出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】