説明

センサシステム

本発明は、センサアレイを有するセンサシステムであり、センサアレイは、基板層と所望のパラメータを測定する複数の個々の第1のセンサ素子とを有し、第1のセンサ素子は、基板層の上に配されてセンサ面を規定する、当該センサシステムであって、センサアレイは、他の所望のパラメータを測定する1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子を更に有し、当該センサシステムは、1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータに依存して第1のセンサ素子からのセンサデータを処理する当該センサシステムに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサシステムの分野に関し、より具体的には、人、すなわち、生体、特に、センサシステム上に位置する幼児又は患者を監視するために用いられるフレキシブルセンサシステムに関する。本発明は、更に、センサシステムから受け取ったセンサデータを処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センサシステムは、広く知られており、ほぼ無限の数のアプリケーション及び応用領域において広く用いられている。一つの特定のタイプのセンサシステムは、所謂フレキシブル大面積センサキャリア又はFLASCを有している。そのようなセンサシステムは、例えば、臨床BPMS(登録商標)システム(体圧測定システム)を作り出したTekscan社から知られている。典型的には、そのようなシステムは、電極が互いに対向するように導電性の電極が配されたフレキシブルなポリエステルのシートを有している。電極は、パターン化されて設けられている。既知のBPMS(登録商標)システムは、導電性の電極間にコーティング部が与えられた感圧抵抗システムである。コーティング部に圧力が印加されると、電気抵抗が変化し、従って、圧力データが得られる。容量システムと例えば光ファイバ及びフォトダイオードを用いるシステムとのような異なるタイプの感圧センサシステムも既知である。
【0003】
圧力センサシステムの一例は、患者の褥瘡を防ぐシステムが開示された米国特許出願公開US2009/0070939号公報に示されている。このシステムは、圧力変換器のアレイが設けられた平坦なクッションパッドを有している。このシステムは、更に、アレイ中のセンサから生じる信号を収集するために設けられた処理器を有している。上記処理器は、センサからの信号を分析するソフトウェアを実行し、圧力データのグラフィカルマップを示す(コンピュータ)ディスプレイに結果を与える。上記システムは、センサのアレイを伴うクッションパッドの上に配置可能な被覆部材を備えている。上記のケースでは、患者はシステムを使用する間、この被覆部材の上に寝ている。上記被覆部材は、吸湿材料の層に取り付けられた薄い多孔質の布地である。
【0004】
上記布地の材料は、使い捨て可能であり、センサのアレイを伴うクッションパッドから取り外され得る。
【0005】
同様に、これらのセンサシステムは、ベッド又はベビーサークルの中の乳幼児を監視するためにも用いられる。一例として、感圧センサ上の赤ちゃんからの圧力データを分析することにより得られる情報は、
姿勢についての情報、例えば、腹ばい又はあおむけになって寝ている、座っている、立っている等、
位置及び向きについての情報、例えば、ベッドの中央又は中心から離れたところに寝ている、回転している、逆さまになっている等、
活動のレベル及びタイプについての情報、例えば、静かに寝ている又は動いていることが多い、及び動いている場合には動きのタイプについての情報(回転、はいはい、歩いている等)、
身体測定の特性についての情報、例えば、体の大きさ及び体重、
呼吸数及び体の動きのようなバイタルサインについての情報
を含んでいる。
【0006】
現在のセンサシステムの問題は、センサシステムの使用中に生じる多くの異なる状況のために、センサシステムにより得られるセンサデータの解釈が十分に詳細ではないこと及び/又はセンサデータが歪められ、これがセンサデータから有益な情報を得る可能性を低下させることである。
【0007】
一例として、大部分の感圧システムの良い性質は、システムが対称であることであり、これは、センサシステムが逆さまの状態で用いられる際、基本的には同じセンサデータが得られることを意味する。しかしながら、これは、乳幼児が中心から離れたところに寝ているかどうかを示す情報は得られるが、乳幼児が右側にいるのか左側にいるのかという詳細な情報は得られない。
【0008】
他の例は、一種のインターフェースとしても用いられ、前述の例のように対称であるセンサシステムに基づいている。この例では、センサシステム上に座っている時に、左手でのセンサシステムのタッチは作用yを引き起こし、右手でのセンサシステムのタッチは作用xを引き起こす。センサシステムの特定の領域の機能性は、センサ上の人の位置に関連して規定される。センサシステムが逆さまの状態でも用いられ得る場合、原理的には、特定の領域の機能性は入れ替わる。
【0009】
更に他の例は、センサシステム上に複数の対象(例えば、赤ちゃん)が配置されていることである。どのデータがどの赤ちゃんに関するものであるかについての詳細な情報が望まれるが、現在のセンサシステムによっては常に得られるわけではない。赤ちゃんと生きていない対象とがセンサシステム上に配置されている時に、同じことが当てはまる。
【0010】
更なる例は、センサシステムがフレキシブルセンサシステムである時に、センサシステムが完全に平らな向きに置かれず、曲げられる又は折り畳まれることである。センサの向きの変化は、センサシステム上で遊んでいる子供によっても引き起こされる。特に、センサシステムの大きさがベッド又はプレイサークルの大きさに適合していない時に、センサシステムは適合するように、場合によってはマットレスの周りに折り畳まれる。これは、センサシステムにより得られるセンサデータを歪め、場合によってはデータの解釈の可能性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解釈の可能性が高められた改善されたセンサシステムを提供することが望ましい。より多くの状況で有利に用いられる改善されたセンサシステムを提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの問題の1つ又はそれ以上により良く対処するために、本発明の第1の観点では、センサアレイを有するセンサシステムであり、上記センサアレイは、基板層と所望のパラメータを測定する複数の個々の第1のセンサ素子とを有し、第1のセンサ素子は、上記基板層の上に配され、センサ面を規定する当該センサシステムであって、上記センサアレイは、他の所望のパラメータを測定する1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子を更に有し、当該センサシステムは、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータに依存して上記第1のセンサ素子からのセンサデータを処理することを特徴とする当該センサシステムが与えられる。
【0013】
1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子を与えることにより、これらの第2のセンサ素子によって生成されるセンサデータは、第2のセンサ素子が存在しない時にはより困難又は不可能であるやり方で第1のセンサ素子からのセンサデータを解釈するために有利に用いられる。一例として、歪みが1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子により検出され、第1のセンサ素子からの対応するセンサデータが無視される。他の例は、第1及び/又は第2のセンサ素子のセンサデータのより詳細な解釈を可能にするためにセンサデータが組み合わせられることである。
【0014】
パラメータの測定に関しては、温度、圧力、湿度等のような物理量が意味される。
【0015】
一形態では、上記センサシステムは、上記第1のセンサ素子からのセンサデータを受け取る第1の入力部及び上記第2のセンサ素子からのセンサデータを受け取る第2の入力部と、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子のセンサデータに依存して上記第1のセンサ素子のセンサデータに基づいて出力信号を与える出力部とを備えた制御ユニットを有している。このやり方では、第1のセンサ素子からのセンサデータ及び第2のセンサ素子からのセンサデータの両方が単一の制御ユニットにおいて利用可能である。この形態では、上記第2のセンサ素子のセンサデータは、第1のセンサ素子からのセンサデータに影響を及ぼす又は操作するために用いられており、例えば、歪められていないセンサデータのみが出力信号に含まれる。
【0016】
一形態では、上記制御ユニットは、第2のセンサ素子のセンサデータに基づいて第2の出力信号を与える第2の出力部を有している。従って、制御ユニットは、第1のセンサ素子からのセンサデータ及び第2のセンサ素子からのセンサデータの両方に基づいて制御を与えることができる。この形態では、第2のセンサ素子のセンサデータは、第1のセンサ素子からのセンサデータに影響を及ぼす又は操作するために用いられている。しかしながら、第1及び第2のセンサ素子の両方のセンサデータは、その後の操作又は組み合わせのために依然として利用可能である。
【0017】
一形態では、上記センサアレイはフレキシブル大面積センサキャリアであり、これは、センサアレイ、すなわち、第1及び/又は第2のセンサ素子を支持する費用対効果の高い基板を与える。
【0018】
一形態では、上記第1のセンサ素子及び/又は1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子は、感圧素子、すなわち、圧力センサを有している。感圧素子は、好ましくは、感圧抵抗素子、感圧容量素子、圧電素子、圧電抵抗素子及び光学素子を有する群から選択される。これは、強くて費用対効果の高い形態を与える。
【0019】
一形態では、上記第1のセンサ素子及び/又は1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子は、加速度計を有している。加速度計は、センサシステムの少なくとも一部の向きを決定するために有利に用いられる。センサアレイの基板層がわずかな変形を許可する硬質の場合、単一の加速度計が、例えば、重力の方向を決定することによりセンサアレイのどの側が上を向いているか及びどの側が下を向いているかを決定するために用いられる。上記基板層がよりフレキシブルであり、折り畳みも可能である時は、センサ面の形状を決定するためにより多くの加速度計が用いられ得る。原理的には、センサシステムがフレキシブルであるほど、センサ面の形状を正確に決定するためにより多くの加速度計が用いられなければならない。
【0020】
上記加速度計は、一方向のみの重力のような加速度を決定する。変形例では、加速度計は、1つよりも多い方向、好ましくは、より詳細にはセンサ面の部分的な向きを決定することを可能にする3つの直交する方向の加速度を決定する。
【0021】
加速度計は、センサ面の向きを決定するために基準として重力を用いる。しかしながら、(地球)磁場又は光源のような他の基準も用いられ得る。特に逆さまの方向の場合、空気流が基準として用いられることも想定される。センサシステムがベッド又はベビーサークル内で用いられる時は、典型的には一方の側はセンサシステムを支持する基底部に面し、他方の側は空気に曝される。センサシステムのどの側が空気流を経験するかを決定することにより、どの側が上を向いているか及びどの側が基底部と向かい合っているかが決定され得る。
【0022】
上記センサシステムの向きは、どの側に生体が横たわっているか又はセンサシステムが、例えばマットレスの周りにどのように折り畳まれているかを決定するために有利に用いられ得る。上記加速度計は、動き、折り畳み又は向きの変化を検出するためにも用いられ得る。そのような検出に依存して、センサシステムは、例えば警報を与えることにより、処理を停止したり新しい処理を開始したりする。
【0023】
センサシステムの平坦性を決定するために加速度計が用いられると、ユーザにセンサシステムの正確な調整を知らせることが可能である。非平坦性は折り畳みの結果であるか、又は、センサシステムが測定物体の一番上に置かれて、困った状況若しくは更にはけがを引き起こすことになる。加速度計は、センサシステムが置かれている表面の形状を評価するためにも用いられ得る。例えば、加速度計に基づいて、ベッドの形状が決定される。センサシステムがシート、例えばチャイルドシート内で用いられていることを検出することも可能である。
【0024】
加速度計に加えて、小さいおもりを含む小型フォームファクタスイッチ又は(サーモスタットにおいても用いられているような)電気回路を開く若しくは閉じる流体を含むスイッチのような出力が重力に対するセンサの相対的な向きに依存する他のセンサも用いられ得る。
【0025】
一形態では、上記第1のセンサ素子及び/又は1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子は、温度センサを有している。通常、温度センサとして設計されていないセンサ素子は、依然として温度への望ましくない依存性を示す。温度センサは、ここでは、他のセンサ素子を較正するため又は温度によって引き起こされる変化について他のセンサ素子からのセンサデータを補償するために用いられる。
【0026】
温度センサは、他のセンサ素子からのどのセンサデータが生体に関連し、どのセンサデータが非生物(non-live object)に関連しているかを決定するためにも用いられ得る。
【0027】
更に、上記温度センサからのセンサデータは、他のセンサ素子からのどのセンサデータが、センサシステム上の生体の体のどの部分に関連しているかを決定するために用いられ得る。場合によっては、上記センサデータは、体の一部が布地によって覆われているか否かを決定するためにも用いられ得る。
【0028】
上記温度センサは、例えば赤ちゃんの頭部の温度を測定することにより赤ちゃんの体の一部が毛布で覆われているかどうかを調べるために用いられ、赤ちゃんの温度の調節は主に赤ちゃんの頭部によって進められ、頭部の高すぎる温度は乳幼児突然死症候群(SIDS)の既知の危険因子であることがよく知られているので、これは有利である。そのようなケースでは、赤ちゃんの頭部の位置は、圧力データに基づいて決定される。その後、推定される頭部の位置の付近の温度センサから頭部の温度が推定される。従って、この例では、温度センサからの信号は圧力センサに基づいて調節又は選択される。よって、本発明によれば、この例では、第1のセンサ素子は温度センサを有し又は温度センサであり、圧力センサは第2のセンサ素子の一部である。センサデータの用途及び使用に依存して、逆のケースも可能である。
【0029】
一形態では、上記第1のセンサ素子及び/又は1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子は、光検出器を有している。上を向いている側は、一般に、下を向いている側よりも多くの光に曝されるので、光検出器は向きを決定するために用いられ得る。上記光検出器は、対話型システム用の入力又は出力としても用いられ得る。
【0030】
一形態では、上記第1のセンサ素子及び/又は1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子は、(吐いたために)頭の近くのような体の一部がぬれているかどうか又は任意の他の体の一部がぬれているかどうか(汗又は尿)を検出するために用いられる湿度センサを有している。
【0031】
上記第1及び/又は第2のセンサ素子は、本発明の範囲に入る多様なタイプのセンサを有することを理解されたい。従って、第1及び/又は第2のセンサ素子は、同時に加速度計、温度センサ、圧力センサ等を有し得る。
【0032】
一形態では、各第1のセンサ素子は、関連する第2のセンサ素子を有している。好ましくは、この関連は空間的に関係しており、これは、第1のセンサ素子が、少なくとも平面図で見て関連する第2のセンサ素子に又はその近くに位置することを意味する。これは、第1のセンサ素子及び対応する第2のセンサ素子からのセンサデータはセンサ面の同じ領域に関連しているので、第1及び第2のセンサ素子からのセンサデータを組み合わせることをより簡単にする。
【0033】
処理システム、すなわち、制御システムは、好ましくは、関連する第2のセンサ素子からのセンサデータに依存して第1のセンサ素子からのセンサデータを処理する。
【0034】
一形態では、上記第1又は第2のセンサ素子の1つは、センサアレイの周辺に配されている。これは、センサ面の向きの検出に特に有利である。例えば、第2のセンサ素子は、センサアレイの各角部に設けられる。他の利点は、センサ素子がセンサアレイの周囲又はその近くに位置する時にセンサ素子への配線がより容易であることである。
【0035】
一形態では、上記センサアレイの外側形状(outer contour)に従う形状(contour)を形成している複数の第2のセンサ素子が与えられている。そのような形状に沿ってセンサデータを解釈することによって、例えば内挿法によりセンサアレイ全体についての情報が得られる。この形態は、第2のセンサ素子が向きの検出用の加速度計である時に特に適している。
【0036】
センサ面にわたってより均一に分散されたセンサデータも必要とされる時、例えば、温度センサのケース又はセンサシステムが非常にフレキシブルである時、センサ面の外側形状内に複合的な形状を形成している複数の第2のセンサ素子が与えられる。これらの複合的な形状は、互いに等距離にある及び/又は同心性である。同心性は、円形に限定されるものではなく、楕円形又は長方形のような他の形状にも適用することが可能であることに注意されたい。
【0037】
一形態では、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子も、上記基板層上に配されている。しかしながら、第2のセンサ素子のための分離した基板層も与えられ得る。好ましくは、第2のセンサ素子により規定されるセンサ面は、第1のセンサ素子により規定されるセンサ面と平行であり、より好ましくは、両方のセンサ面は同一平面上にある。
【0038】
一形態では、上記センサシステムは、センサ面を覆うために少なくとも上記基板層の上に取り外し可能に配置することができる被覆部材を有している。好ましくは、上記センサシステムは、更に、少なくとも1つの検出器及び被覆部材に関連する識別データを伝える少なくとも1つのデータキャリアの組み合わせを有している。検出器は、センサアレイ及び被覆部材の1つに設けられ、データキャリアはセンサアレイ及び被覆部材の他の1つに設けられる。データキャリアは検出器により検出可能であり、検出器は上記識別データを読むために更に配されている。
【0039】
被覆部材に関連する識別データを与えることにより、センサアレイ上に位置する被覆部材を識別することができる情報が利用可能である。被覆部材のそのような識別は、例えば、上記識別データに含まれるコードにより行われ、そのため、当該コードは制御ユニット内に存在する比較表と比較される。用いられる被覆部材に関する情報を利用すると、センサデータを評価する際にその情報を考慮に入れることが可能である。
【0040】
一形態では、上記被覆部材は、物体又は生体を支持する支持面を有している。好ましくは、上記被覆部材は、支持面に対して実質的に垂直な方向に大きさを持ち、1×10と1×10Pa/mとの間である上記材料のヤング率と上記大きさとの間の比を持つ材料を有している。
【0041】
通常は厚さを示す上記大きさと被覆部材が作られる材料の機械的特性であるヤング率との上記比により特徴付けられる被覆部材を与えることにより、機械的ローパスフィルタが与えられる。そのようなローパスフィルタは、被覆部材の支持面に位置する物体又は生体によりもたらされる負荷又は圧力が支持面と向かい合う物体又は生体の実面積よりも大きい面積にわたって広がるという効果がある。従って、もたらされる最大圧力は、物体又は生体の実際の形状及び位置への依存性が低下する。更に、もたらされる圧力の広がりは、より多くのセンサ素子がゆっくりと空間的に変化する圧力パターンを検出する結果を有するので、より小さい物体が検出可能であり、空間エイリアシングが低減する。追加の利点として、負荷の広がりは圧力プロファイルを平坦化し、最大圧力値が低下するので、センサ素子のダイナミック圧力レンジが低減される。更に他の利点として、被覆部材の断熱特性のために圧力センサに対する温度の影響が低減される。
【0042】
一形態では、上記センサシステムは、第1及び/又は第2のセンサ素子からのセンサデータに基づいてフィードバック信号を与えるアクチュエータを有している。このフィードバック信号は、望ましくない状況が検出された際に警告又は警報信号、例えば、センサシステムが乳幼児を監視する際の親への警告信号として用いられる。しかしながら、上記フィードバック信号は、システムと情報をやり取りするために乳幼児用にも用いられ、第1及び/又は第2のセンサ素子により検出される生体からセンサシステムへの入力に基づいて光又は音信号が与えられる。
【0043】
センサシステムが逆さまであるか否かを検出する可能性と組み合わせて、本発明は、異なる機能性をセンサシステムの両側に割り当てるためにも用いられ得る。例えば、センサシステムの一方の側はゲーム用であり、他方の側は、その上に立っている人を検出することによって警報センサとしての役割を果たす。他の例は、一方の側は9か月までの赤ちゃん用であり、赤ちゃんがセンサシステムから離れた時に警報が与えられ、他方の側は突然センサシステムから離れる可能性がある3歳までの幼児用である。
【0044】
本発明の他の観点によれば、センサシステムからのセンサデータを処理する方法であって、上記センサシステムは、所望のパラメータを測定し、第1のセンサ面を規定する複数の個々の第1のセンサ素子と、更なる所望のパラメータを測定する1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子とを備えたセンサアレイを有し、上記第1のセンサ素子からのセンサデータは、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータに依存して処理される当該方法が与えられる。
【0045】
この方法は、センサシステムのより用途の広い使用を可能にし、センサシステムの解釈の可能性を高める。
【0046】
一形態では、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータは、上記第1のセンサ素子からの上記センサデータを較正するために用いられる。一例として、第2のセンサ素子からのセンサデータは、第1のセンサ素子のセンサデータに望ましくない影響を及ぼす第2のセンサ素子により測定されるパラメータ、例えば、温度を補償するために用いられる。
【0047】
一形態では、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータは、上記第1のセンサ素子からのどのセンサデータが無視され、どのセンサデータが無視されないかを決定する。一例として、センサシステムがマットレスの周りに折り畳まれている時に、マットレスの側面及び下側に位置する第1のセンサ素子からのセンサデータは、正しく用いられず、解釈の間無視され、それにより、センサデータに基づく間違った解釈の可能性を低減する。
【0048】
一形態では、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータは上記センサアレイの向きを決定し、上記第1のセンサ素子からのセンサデータは上記センサアレイの上記向きに基づいて解釈される。
【0049】
一形態では、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子は温度センサを有し、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータは、上記第1のセンサ素子からのどのセンサデータが生体に関連し、どのセンサデータが非生物に関連しているかを決定するために用いられる。
【0050】
一形態では、上記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子は温度センサであり、上記第1及び第2のセンサ素子からのセンサデータは、どのセンサデータがセンサアレイ上の生体の体のどの部分に関連しているかを決定するために組み合わせられる。
【0051】
一形態では、第1及び/又は第2のセンサ素子により望ましくない状況が検出された時に、警報信号が与えられる。
【0052】
一形態では、第1及び/又は第2のセンサ素子により検出されるセンサアレイ上の生体からの入力に基づいてフィードバック信号が生成される。
【0053】
一形態では、第1及び/又は第2のセンサ素子のセンサデータは、後の検索、分析又は検査のために記憶される。
【0054】
本発明は、本発明に係るセンサシステムを有するマットレスにも関連している。本発明は、更に、本発明に係るセンサシステムを備えた布地に関連している。また、本発明は、人、すなわち生体、特に幼児又は患者を監視する本発明に係るセンサシステム、マットレス又は布地の使用にも関連している。
【0055】
本発明のこれらの観点及び他の観点は、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解され、同様の参照符号は同様の構成要素を示す添付の図面に関連して考えられるようになるので、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係るセンサシステムの例示的な実施の形態の分解図を示している。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る感圧センサアレイの模式図を示している。
【図3】第1の状況における更に他の実施の形態に係るセンサシステムの複数の第2のセンサ素子の使用を示している。
【図4】第2の状況における図3のセンサシステムの複数の第2のセンサ素子の使用を示している。
【図5】第3の状況における図3のセンサシステムの複数の第2のセンサ素子の使用を示している。
【図6】第4の状況における図3のセンサシステムの複数の第2のセンサ素子の使用を示している。
【図7A】本発明に係るセンサシステムに複数の第2のセンサ素子を配する種々のやり方を示している。
【図7B】本発明に係るセンサシステムに複数の第2のセンサ素子を配する種々のやり方を示している。
【図7C】本発明に係るセンサシステムに複数の第2のセンサ素子を配する種々のやり方を示している。
【図7D】本発明に係るセンサシステムに複数の第2のセンサ素子を配する種々のやり方を示している。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、本発明の一実施の形態に係るセンサシステム100を示している。図1は、センサシステム100の分解模式図である。センサシステム100は、センサアレイ110を有している。センサアレイ110は、第1の基板層120と、複数の個々の第1のセンサ素子130とを有しており、センサ素子130はこのケースでは感圧素子の形態である。第1のセンサ素子130は、支持体表面161上に位置する物体又は生体(図示せず)によってセンサアレイに及ぼされる圧力を測定するために第1の基板層120に配されている。図から分かるように、図示されている例の第1のセンサ素子130は、実質的に平坦なセンサ面140を規定している。
【0058】
図1の例では、第1のセンサ素子130は、第1の基板層120と同様の大きさの第2の基板層150により覆われている。第2の基板層150を与えることは必須ではないが、センサ素子130を保護するのに便利である。
【0059】
この例では、センサアレイは、更に、所望のパラメータを測定する1つの第2のセンサ素子200を有している。この例では、第2のセンサ素子200は加速度を測定する加速度計である。加速度計を用いると、重力方向及び場合によってはセンサアレイの動きを決定することが可能である。
【0060】
上記センサシステムは、第2のセンサ素子200からのセンサデータに依存して第1のセンサ素子130からのセンサデータを処理するように構成されている。
【0061】
センサシステム100は、制御ユニット170を有している。制御ユニット170は、センサアレイ110の第1のセンサ素子130により生成される第1の入力信号D1又はセンサデータを受け取る第1の入力部171を有している。制御ユニット170は、更に、第2のセンサ素子200により生成される第2の入力信号D3又はセンサデータを受け取る第2の入力部173を有している。制御ユニット170は、また、第1のセンサ素子130のセンサデータの少なくとも一部を有する第1の出力信号D2を与える第1の出力部172を有している。第1の出力信号D2は、第2のセンサ素子200のセンサデータに依存する第1のセンサ素子130からのセンサデータに基づいている。第1の出力信号D2は、例えば、更なる制御ユニット、コンピュータシステム又は出力信号が例えば表示デバイス上における表示の目的に適するように更に操作される同類のものに供給される。
【0062】
制御ユニット170は、第2のセンサ素子からのセンサデータに基づいて第2の出力信号を与える第2の出力部(図示せず)も有していてもよい。
【0063】
図1のセンサシステム100は、更に、図1の例では第2の基板層150の上に配されている実質的に平坦な被覆部材160を有している。しかしながら、第2の基板層150が存在しない場合、被覆部材160は、上記センサ面140を被覆するようにセンサアレイ110の上に及び従って少なくとも第1の基板層120を覆って配され得る又は直接的に設けられ得る。
【0064】
センサシステム100の加速度計200は、センサアレイのどの側が上向きになっているか及びどの側が下向きになっているかを決定するために用いられる。この情報は、上記第1のセンサ素子のセンサデータを解釈するために用いられ、センサアレイ上の生体の正確な姿勢についての情報が必要とされる場合、又はセンサシステムが対話型システムにおいて用いられる際に例えばセンサアレイのどの領域が例えば左手及び/又は右手によって引き起こされるどの機能性に対応するかについての情報が必要とされる時に有利である。
【0065】
図2(上側半分)は、センサアレイ110の模式的な例を平面図で示しており、センサアレイ110は、第2の基板層150に取り付けられた複数の第1の電極135と、第1の基板層120に取り付けられた複数の第2の電極136とを有している。図2において分かるように、第1の電極135と第2の電極136とは、互いに対して直交している。しかしながら、他のパターンも考えられ、本発明は図2に示されている例に限定されない。
【0066】
第1及び第2の電極135,136は、導電性の電極である。第1の電極と第2の電極との間の電極が交差する位置には、感圧抵抗材料137が与えられている。これは、模式的な断面図を示した図2の下側半分に示されている。
【0067】
感圧抵抗材料137は、第1及び第2の電極135,136間の直接的な接触を防止する。感圧抵抗材料137は、例えば、薄い半導電性のコーティング(インク)であり、この材料137は、圧力変化を受けると変動する電気抵抗を有している。従って、センサアレイ110は、第1の電極135と第2の電極136との各交差部に形成された(図2に点線の円で示されている)複数の圧力センサ素子130を有している。センサアレイ110は、例えば、物体が第2の基板層150上に配されている時に、各交差部における電極135,136間の電流の流れの変化を測定する。(感圧抵抗材料の抵抗の変化から生じる)測定された電流の流れの変化は、センサデータD1(図1参照)を表す。
【0068】
第1及び第2の基板層120,150の間のより粗いグリッドに、複数の第2のセンサ素子210が設けられており、この第2のセンサ素子は第1及び第2の電極135,136の近傍、すなわち、第1のセンサ素子130の近傍に位置している。この例における第2のセンサ素子は、簡単にするために非常に模式的に示されている。第2のセンサ素子も、図示されていないが、配線(図示せず)によって制御ユニットに接続されていることを理解されたい。第2のセンサ素子は、センサアレイ110の向き又は形状を測定する加速度計であってもよいが、温度を測定する温度センサであってもよい。
【0069】
図2の例では、センサシステム100は、第1のセンサ素子としての感圧センサ素子を形成するために感圧抵抗材料を使用している。電極が空隙によって分離され、電極間の距離が印加圧力の測定値である感圧容量センサ素子のような他の解決法も知られている。他の解決法は、圧電素子又は光学素子の使用を含んでいる。そのような代替の解決法はそれ自体既知であり、当業者に知られている。図1及び図2に模式的に示されているような所謂FLASC又はフレキシブル大面積センサキャリアの一例は、Tekscan社のBPMS(登録商標)システムである。BPMS(登録商標)システムは、例えば、潰瘍の発生を避けるために寝ている患者を監視するために用いられる。他の用途は、ベッド又はベビーサークルの中の乳幼児の監視である。
【0070】
一例として、温度センサである第2のセンサ素子を備えた図2のセンサシステムの利用は、圧力センサからのセンサデータを温度センサのセンサデータと組み合わせることであり、どの温度測定値が例えば子供の頭部又は例えば子供の臀部に関係しているかを決定することを可能にする。更に、例えば、子供を覆う毛布がかぶせられているかどうか又は頭を覆っているかどうかを推測することを可能にする。これらは呼吸の問題及び頭部の温度の上昇を招いてしまう場合がある。
【0071】
上記温度センサから、体の一部が布地、例えば靴下で覆われているかどうかを決定することも可能である。後頭部の温度は前頭部又は側頭部の温度よりも低いので、上記情報は、頭位の検出の精度を高めるために圧力センサからのセンサデータとも組み合わせられ得る。乳児がいるところで非常に温かい又は熱い測定物体が検出された場合、警報を発することも可能である。
【0072】
温度センサは、それ自体既知であり、当業者に知られている温度感受性抵抗材料、熱電センシング素子、温度計、サーミスタ等の群から選択され得る。
【0073】
上記温度センサは、温度変化に関して圧力センサからのセンサデータを補正するためにも用いられ得る。
【0074】
図3ないし図6は、4つの異なる状況における正方形のセンサシステム100を示している。各図の一番上には、センサシステム100が平面図で示されている。センサシステムの平面図の隣りには、座標系が上記平面図との関係において定義されている。座標系は、センサシステム自体に対して3つの直交する方向x、y及びzを規定しており、zは面外に方向付けられている。センサシステムの平面図の下側に、状況が側面図で示されており、どのようにセンサシステムが基底部300により支持されているのかが容易に分かる。各図の一番下には、センサシステムに設けられた複数の第2のセンサ素子200のセンサ信号が、センサシステムの平面図に示されている外周A−B−C−D−Aに沿って示されている。第2のセンサ素子は、このケースでは、平面図のx、y及びz方向に対応する3つの直交する方向の加速度を測定することができる加速度計である。従って、第2のセンサ素子のx、y及びzセンサ信号は、これらの方向における測定された加速度を示している。
【0075】
図3では、センサシステムは平坦であり、基底部300により支持されている。重力がz方向のみに向けられ、他の加速度は与えられないので、x及びyセンサ信号はゼロであり、zセンサ信号は正の信号を示している。zセンサ信号がこの向きにおいて正であるということは、設計上の選択であり、必須ではない。
【0076】
センサシステムが逆さまに置かれることが可能である。この状況は、第2のセンサ素子が負のzセンサ信号を出力する、すなわち、zセンサ信号が図3における信号と逆であるので、図3の状況と区別される。上記2つの状況、すなわち、センサシステムが逆さまであるか正しい上下の向きであるかを区別する能力は、
センサシステムの機能がセンサシステムの向きの変化に対して変わらないように第1のセンサ素子からのセンサデータを処理するため、及び/又は
例えばセンサシステムがユーザインターフェースの一部である時に、該センサシステムの両側に異なる機能性を割り当てるため
に用いられ得る。
【0077】
異なる機能性の割り当ての一例として、
一方の側はゲーム用であり、他方の側は、その上に立っている人を検出することによって警報センサとしての役割を果たす、
一方の側は9か月までの赤ちゃん用であり、赤ちゃんがセンサシステムから離れた時に警報が与えられ、他方の側は突然センサシステムから離れる可能性がある3歳までの幼児用である、又は、
一方の側はベッド内において用いられ、他方の側はベビーサークル内において用いられる。
【0078】
図4では、側面図において一番よく分かるように、センサシステムが、基底部300の縁部を覆ってラインQ1−Q2に沿って折り曲げられている。側面を覆って折り曲げられたセンサシステムの部分に関して、重力は、第2のセンサ素子200のx方向に向けられ、z方向にはもはや向けられない。従って、外周のQ1−B−C−Q2の部分については、xセンサ信号はゼロではなく、y及びzセンサ信号はゼロである。
【0079】
異なる向きのために、垂直方向に向けられたセンサシステムの部分における第1のセンサ素子からのセンサデータは、役立たない。第2のセンサ素子のセンサ信号に基づいて、どの第1のセンサ素子が役立たないかが決定され、その後、これらのセンサからのセンサデータはセンサデータの解釈において無視される。
【0080】
警報を鳴らすこと又は光信号を用いることによってセンサシステムの正確な調節をユーザに知らせることも可能である。
【0081】
図5では、センサシステムは、2回折り曲げられており、1回はラインQ1−Q2に沿って、1回はラインQ3−Q4に沿ってであり、センサシステムは基底部300の周囲に折り曲げられている。これは、例えば、センサシステムがベッド内で使用されるが、マットレスに対して大きすぎるケースである。
【0082】
ラインQ1−Q2とQ3−Q4との間のセンサシステムの部分に関しては、重力はx方向に向けられる。基底部300の底面の部分に関しては、重力はz方向に向けられるが、この方向は、センサ信号においても分かるように基底部300の上面の部分についての重力の方向と逆である。図4の例と同様に、ラインQ1−Q2の右側の領域(平面図参照)における第1のセンサ素子のセンサデータは、解釈の際、無視される。代替として、領域B−C−Q4−Q3におけるセンサからのセンサデータは、平面図において領域B−C−Q4−Q3と重なる領域A−Q1−Q2−Dの右側におけるセンサからのデータと組み合わせられる。
【0083】
図6では、センサシステムは、ラインQ1−Q2に沿って1回折り曲げられているが、この状況では、センサシステムの角部が基底部300の縁部を覆って折り曲げられている。側面を覆う部分に関して、重力は、センサ信号において分かるように、部分的にx方向に向けられるとともに、部分的にy方向に向けられる。従って、外周のQ1−B−Q2部分については、xセンサ信号及びyセンサ信号の両方がゼロではない。
【0084】
図3ないし図6に係る実施の形態の第2のセンサ素子は3つの直交する方向の加速度を測定することができるので、第2のセンサ素子のセンサデータは、センサシステムが配されている表面の形状を評価するために用いられる。
【0085】
動きを示すセンサシステムから生じる信号の一時的な挙動を分析することによって、センサシステム上で遊んでいる子供により生じるセンサシステムの動き又はセンサシステムの形状及び/又は向きに変化が起きたことを検出することも更に可能である。
【0086】
センサシステムが二つに折り曲げられており、両方の部分が互いに水平に及び上部に向けられていることを検出することも可能である。両方の部分のセンサデータが依然として用いられるが、一方の部分のセンサ信号は、一方の部分の向きが逆さまのために他方の部分のセンサ信号と逆である。センサシステムの向きを知っているために、センサシステムは、依然として第1のセンサ素子のセンサデータを適切に処理することができる。利点は、二つの部分がオーバーラップしている場合に、センサデータの分解能が高められることである。
【0087】
図7Aないし図7Dは、本発明に係るセンサシステムの種々の実施の形態を示しており、センサシステムに複数の第2のセンサ素子を配置する種々のやり方を示している。
【0088】
図7Aには、外側形状410を有する正方形のセンサシステム400が示されている。上記外側形状内には、複数の第2のセンサ素子が設けられており、センサの輪郭によって示されている複合的な形状420を形成している。この例では、上記複合的な形状は、互いに等距離にあり、同心性である。
【0089】
図7Bには、外側形状410を有する正方形のセンサシステム400が示されている。センサシステムの周囲の上記外側形状内に、複数の第2のセンサ素子の形状420が示されている。追加の第2のセンサ素子が、上記形状420の対角線上に設けられており、ライン430によって示されている。
【0090】
図7Cには、外側形状410を有する楕円形状のセンサシステム400が示されている。上記センサシステムの外側形状内には、複数の第2のセンサ素子で作られた2つの形状420が設けられており、この形状420は、外側形状410に従っている。2つの形状420は、この例では、同心性であり、等距離にある。
【0091】
図7Dには、外側形状410を有する楕円形状のセンサシステム400が示されている。上記センサシステムの外側形状内には、複数の第2のセンサ素子より成る複合的な形状420が設けられている。この例では、楕円状のセンサシステムは、センサシステムの表面領域にわたって第2のセンサ素子を分配するために長方形の形状で満たされている。長方形の形状は、等距離ではないが、互いに対して同心状である。
【0092】
必要に応じて、本発明の詳細な実施の形態が本明細書に開示されている。しかしながら、開示された実施の形態は、単に本発明の例示であり、種々の形態に具現化され得る。従って、本明細書に開示された特定の構造及び機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、専ら特許請求の範囲を基礎として及び実質的にいかなる適宜の詳細な構造においても本発明を様々に使用するための当業者への教示を代表的な基礎として解釈されるべきである。更に、本明細書において用いられている用語及び表現は、限定的に意図されてはおらず、本発明の理解可能な説明を与えるように意図されている。
【0093】
本明細書において用いられる「a」又は「an」という用語は、1つ又は1つよりも多いものとして定義される。本明細書において用いられる複数という用語は、2つ又は2つよりも多いものとして定義される。本明細書において用いられる他のという用語は、少なくとも第2又はそれ以上のものとして定義される。本明細書において用いられる含む(including)及び/又は有する(having)という用語は、有する(comprising)として定義される(すなわち、オープンランゲージ、他の構成要素又はステップを排除しない)。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号もが、特許請求の範囲又は本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【0094】
或る方策が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に用いられないことを示してはいない。
【0095】
単一の処理器又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されている幾つかのアイテムの機能を果たし得る。
【0096】
本明細書において用いられるプログラム、ソフトウェアアプリケーション等の用語は、コンピュータシステム上で実行するために設計された一連の命令として定義される。プログラム、コンピュータプログラム又はソフトウェアアプリケーションは、サブルーチン、関数、手続き、オブジェクトメソッド、オブジェクトインプリメンテーション、実行可能アプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オブジェクトコード、共用ライブラリ/ダイナミックロードライブラリ及び/又はコンピュータシステム上で実行するために設計された他の一連の命令を含んでいる。
【0097】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに又は他のハードウェアの一部として与えられる光記憶媒体又はソリッドステート媒体のような適切な媒体に記憶及び/又は配布され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してのような他の形態でも配信され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアレイを有するセンサシステムであり、前記センサアレイは、基板層と所望のパラメータを測定する複数の個々の第1のセンサ素子とを有し、第1のセンサ素子は、前記基板層の上に配されてセンサ面を規定する、当該センサシステムであって、
前記センサアレイは、他の所望のパラメータを測定する1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子を更に有し、当該センサシステムは、前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータに依存して前記第1のセンサ素子からのセンサデータを処理することを特徴とする、当該センサシステム。
【請求項2】
前記第1のセンサ素子からのセンサデータを受け取る第1の入力部及び前記第2のセンサ素子からのセンサデータを受け取る第2の入力部と、前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子のセンサデータに依存して前記第1のセンサ素子のセンサデータに基づいて出力信号を与える出力部とを備えた制御ユニットを有する、請求項1記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記センサアレイが、フレキシブル大面積センサキャリアである、請求項1又は2記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記第1のセンサ素子又は前記1つ若しくはそれ以上の第2のセンサ素子が感圧素子を有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記第1のセンサ素子又は前記1つ若しくはそれ以上の第2のセンサ素子が加速度計を有する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記第1のセンサ素子又は前記1つ若しくはそれ以上の第2のセンサ素子が温度センサを有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項7】
各第1のセンサ素子が、好ましくは前記第1のセンサ素子と空間的に関係がある関連する第2のセンサ素子を有する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記センサアレイの外側形状に従う形状を形成している複数の第2のセンサ素子が与えられた、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記センサアレイの外側形状内に複合的な形状を形成している複数の第2のセンサ素子が与えられた、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記複合的な形状が同心性である、請求項9記載のセンサシステム。
【請求項11】
センサシステムからのセンサデータを処理する方法であって、前記センサシステムは、所望のパラメータを測定し、第1のセンサ面を規定する複数の個々の第1のセンサ素子と、更なる所望のパラメータを測定する1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子とを備えたセンサアレイを有し、前記第1のセンサ素子からのセンサデータは、前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータに依存して処理される、当該方法。
【請求項12】
前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータが、前記第1のセンサ素子からのセンサデータを較正するために用いられる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータが、前記第1のセンサ素子からのどのセンサデータが無視されるかを決定する、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータが前記センサアレイの向きを決定し、前記第1のセンサ素子からのセンサデータが前記センサアレイの前記向きに基づいて解釈される、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子が温度センサを有し、前記1つ又はそれ以上の第2のセンサ素子からのセンサデータが、前記第1のセンサ素子からのどのセンサデータが生体に関連し、どのセンサデータが非生物に関連しているかを決定するために用いられる、請求項11ないし14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公表番号】特表2013−514853(P2013−514853A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545497(P2012−545497)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055855
【国際公開番号】WO2011/077326
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】