センサデータ管理装置
【課題】 異なる周期で収集されるセンサデータであっても、同周期で収集されるセンサデータのように取り扱うことのできるセンサデータを出力するセンサデータ管理装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、外部機器から所定時刻におけるセンサデータの出力要求があった場合に(S11)、当該所定時刻におけるセンサデータが存在しない場合であっても、他の時刻におけるセンサデータの当該所定時刻における信頼度を算出し(S14)、算出された信頼度と、当該他の時刻におけるセンサデータを出力(S15)する。これにより、センサデータ処理側においては、当該信頼度を参照することにより、センサデータを同期データのように処理することができるものである。
【解決手段】 本発明は、外部機器から所定時刻におけるセンサデータの出力要求があった場合に(S11)、当該所定時刻におけるセンサデータが存在しない場合であっても、他の時刻におけるセンサデータの当該所定時刻における信頼度を算出し(S14)、算出された信頼度と、当該他の時刻におけるセンサデータを出力(S15)する。これにより、センサデータ処理側においては、当該信頼度を参照することにより、センサデータを同期データのように処理することができるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサデータの管理を行なうセンサデータ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、大量に収集されてくるセンサデータに、そのセンサデータの取得時刻を付加して時系列的に蓄積することによりセンサデータの管理を容易にするセンサデータ管理装置がある(特許文献1参照。)。
このようなセンサデータ管理装置においては、例えば、作業対象物を撮影した画像情報と、システムが発生する複数のシステムの情報とを取得して蓄積しようとする場合、個々の情報が他の情報と異なった周期で収集されることになるが、上述のセンサデータ管理装置によれば、時刻情報と関連付けてセンサデータを蓄積することから、その管理が容易になる。
【0003】
【特許文献1】特開平10−049209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、異なる周期で収集した情報同士を比較する場合、時刻情報のみでは対応するデータが存在しない場合がある。例えば、3秒周期で取得するデータ系列A(t)と5秒周期で取得するデータ系列B(t)とを時刻t=5で比較したい場合には、データ系列A(t)のデータが存在しないので比較を行なうことができない。
【0005】
また、同期データが存在する場合であっても、当該取得したセンサデータに誤りがある場合であって、当該誤りがあるセンサデータを使用してデータ処理を行なうと適切なデータ処理を行なうことができないという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、異なる周期で収集されるセンサデータであっても、同周期で収集されるセンサデータのように取り扱うことができるようにセンサデータとともに信頼度を出力するセンサデータ管理装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、センサデータに誤りがある場合であっても、後に取得されたセンサデータと相関がある場合に、データ処理装置側でセンサデータの適切な処理を行なうことができるように誤りがあるセンサデータとともに、その信頼度を出力することができるセンサデータ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明によれば、センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースと、外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定する決定手段と、前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出する算出手段と、前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力する出力手段と
を具備することを特徴とするセンサデータ管理装置、である。
【0008】
また、本発明の第2の発明によれば、センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースと、外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定する決定手段と、前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出する算出手段と、前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力する出力手段とを具備することを特徴とするセンサデータ管理装置、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異なる周期で収集されるセンサデータであっても、同周期で収集されるセンサデータのように取り扱うことができるようにセンサデータを出力することのできるセンサデータ管理装置を提供することができる。
また、本発明によれば、センサデータに誤りがある場合であっても、後に取得されたセンサデータと相関がある場合に、データ処理装置側でセンサデータの適切な処理を行なうことができるように誤りがあるセンサデータとともに、その信頼度を出力することができるセンサデータ管理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置の構成を示す図である。
同図に示すように、センサデータ管理装置1には、センサデータを出力するセンサ2−1〜2−nが直接接続され、センサ2−1〜2−nからのセンサデータを管理する。また、センサデータ管理装置1は、外部機器3からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求に基づいて、センサデータ及びその信頼度を出力する。
【0011】
センサデータ管理装置1は、データ入力部11、データ管理部12、タイマ13、データベース14及びデータ出力インターフェイス15を具備している。
データ入力部11は、センサ2−1〜2−nからのセンサデータを入力してデータ管理部12に引き渡すためのものであり、センサ2−1〜2−nに対応するデータ入力部11−1〜11−nを有している。
【0012】
なお、ここでは、センサ2がデータ入力部11に直接接続されている場合を示しているが、センサデータをネットワークを介して受信する場合には、ネットワークインターフェイスをデータ入力部11に設け、データ入力部11−1〜11−nを1つに集約してもよい。
【0013】
データ管理部12は、データ入力部11から引き渡されたセンサデータを取得するとともに、その取得時刻をタイマ13から取得して、これら取得したセンサデータ及び取得時刻を組としてデータベース14に格納する処理、外部機器3からデータ出力インターフェイス15を介して入力されるどのセンサのどの時刻のセンサデータの取得を要求するかを示す取得要求に基づいて得られるセンサデータ及び信頼度をデータ出力インターフェイス15を介して外部機器3に出力する処理など本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置全体の処理を司る。
【0014】
データベース14は、図2に示すように、センサIDと信頼度関数とが対応付けられたテーブルと、図3に示すように、データID、センサID、時刻及びセンサデータが対応付けられたテーブルを具備している。図2に示したテーブルと、図3に示したテーブルとは、センサIDをキーとして関連付けられている。
【0015】
データ出力インターフェイス15は、外部機器3からのどのセンサのどの時刻のセンサデータの取得を要求するかを示す取得要求をデータ管理部12に引き渡すとともに、データ管理部12から出力されたセンサデータ及び信頼度を外部機器3に出力する。
図4は、センサーデータと信頼度関数との関係を示す図である。図2に示したように、信頼度関数はセンサID毎に関連付けて記憶されている。図4(a)はセンサ2−1のセンサデータを示しており、図4(b)はセンサ2−1に対応付けられた信頼度関数を示しており、時間と共に直線的に減少する信頼度関数である。図4(c)はセンサ2−2のセンサデータを示しており、図4(d)はセンサ2−2に対応付けられた信頼度関数を示しており、時間と共に逆放物線状に減少する信頼度関数である。図4(e)はセンサ2−nのセンサデータを示しており、図4(f)はセンサ2−nに対応付けられた信頼度関数を示しており、時間と共に放物線状に減少する信頼度関数である。
【0016】
図4において、データ管理部12がデータ出力インターフェイス15を介して時刻t1のデータ取得要求を受けた場合について説明する。データ取得要求がセンサ2−1のデータ取得要求の場合、時刻t1におけるデータが存在するので、当該時刻t1におけるセンサ2−1のセンサデータと、当該時刻t1における信頼度関数の値、ここでは100%を出力する。センサ2−2のデータ取得要求の場合、時刻t1におけるデータは存在しないので、センサ2−2の直前のセンサデータと、当該時刻t1における信頼度関数の値、ここでは0%を出力する。センサ2−nのデータ取得要求の場合、時刻t1におけるデータは存在しないので、センサ2−nの直前のセンサデータと、当該時刻t1における信頼度関数の値、ここでは40%を出力する。
【0017】
図5は、センサデータ管理部のセンサデータの収集動作を説明するためのフローチャートである。
まず、データ管理部12は、センサ2からデータ入力部11を介してセンサデータの入力があるか否かの判断を行なう(S1)。S1においてセンサデータの入力があると判断された場合には、タイマ13から現在時刻を取得して(S2)、取得した現在時刻(データ受信時刻)とセンサデータをセンサIDと関連付けて図3に示したテーブルに格納して(S3)、S1の処理に戻る。
【0018】
図6は、データ管理部におけるセンサデータの出力方法を説明するためのフローチャートである。
データ管理部12は、外部機器3からデータ出力インターフェイス15を介してデータ出力要求があるか否かの判断を行なう(S11)。S11においてデータ出力要求があると判断された場合には、タイマ13から現在時刻を取得して(S12)、データベース12からデータ出力要求のあったセンサの最新のセンサデータと、当該最新のセンサデータに対応する受信時刻を取得する(S13)。
【0019】
その後、図2に示すデータベースからデータ出力要求の行なわれたセンサのIDに対応する信頼度関数を取得し、S12において取得された現在時刻と、S13において取得されたデータ受信時刻とに基づいて、信頼度関数を使用することにより信頼度を算出し(S14)、S13において取得された最新のセンサーデータと、S14において算出された信頼度とを出力し(S15)、S11の処理に戻る。
【0020】
次に、S14における信頼度の算出方法について具体的に説明する。
ここでは、センサ2−1の信頼度を求める方法について説明する。
例えば、図1乃至図4に示すセンサ2−1に対して設定される信頼度関数A(t)を信頼度を0〜1として、下記のように設定すると仮定する。
【0021】
A(t) = 1 − at … (1)
ここで、aは正の整数である。このような信頼度関数A(t)が設定されている場合、データ管理部12がセンサデータを受信した時点(t=0)における信頼度は「1」であるが、時間と共にそのセンサデータの信頼度は単調に減少して、t=1/aの時点で「0」となる。
【0022】
ここで、信頼度関数A(t)において使用されるパラメータtの値は、図6のS12において取得されたデータ出力要求を受信した時刻を示す現在時刻と、センサ2−1からのセンサデータに対応するデータ受信時刻との時間差である。
例えば、図7において、データ出力を要求した時刻を現在時刻tnowとし、最新のセンサデータの取得時刻をtnewとした場合には、最新のセンサデータであるセンサデータ2が出力されるとともに、信頼度関数のパラメータtとして(tnow−tnew)が与えられ、図8に示すようにセンサデータ2における現在時刻の信頼度はαとなる。
【0023】
なお、上述の説明においては、データ出力要求を受信した現在時刻において、最新のセンサデータにおける信頼度を算出する方法について説明したが、これに限られるものではなく、任意の時刻において、任意の時刻に取得したセンサデータの信頼度を算出してもよい。
【0024】
図9は、任意の時刻において、その時刻に最も近い時刻に取得したセンサデータの信頼度の算出方法を説明するためのフローチャートである。
データ管理部12は、外部機器3からデータ出力インターフェイス15を介してデータ出力要求があるか否かの判断を行なう(S21)。S21においてデータ出力要求があると判断された場合には、データ出力要求に含まれる信頼度の算出対象とする時刻を取得して(S22)、データベース12から算出対象とする時刻より過去に取得したセンサデータのうち最新のセンサデータを取得するとともに、当該最新のセンサデータに対応する受信時刻を取得する(S23)。
【0025】
その後、図2に示すデータベースからデータ出力要求の行なわれたセンサのIDに対応する信頼度関数を取得し、S22において取得された算出対象とする時刻と、S23において取得されたデータ受信時刻との時刻差に基づいて、信頼度関数を使用することにより信頼度を算出し(S24)、S23において取得された最新のセンサーデータと、S24において算出された信頼度とを出力し(S25)、S21の処理に戻る。
<他の実施の形態>
上述の実施の形態においては、センサ毎に予め信頼度関数を設定する方法により信頼度を求める方法について説明したが、センサ毎に予め信頼度決定アルゴリズムを設定することにより信頼度を求めてもよい。
【0026】
図10は、センサデータ管理装置とセンサとの関係を示す図である。同図に示すように、センサデータ管理装置21にはセンサの役割を有するカメラ22と、センサの役割を有するタグリーダ23が接続されている。
カメラ22はカメラ画像をセンサデータ管理装置21に出力し、タグリーダ23は複数のRF(Radio Frequency)タグ31−1〜31−nを検知して、その検知信号をセンサデータ管理装置21に出力する。
【0027】
センサデータ管理装置21は、タグリーダ23からの検知信号と、カメラ22からのカメラ画像を取得し、ある時刻において、RFタグ31−1〜31−nがタグリーダ23の検知可能な領域内に存在するか否かの判断を行ない、領域内であれば取得したカメラ画像を表示するものであることを想定する。
【0028】
図11(a)は、タグリーダのRFタグのエリア内外における検知信号のレベルを説明するための図であり、図11(b)は、タグリーダの出力を説明するための図であり、図11(c)は取りこぼしたデータの信頼度D(t)を説明するための図である。
図11(a)に示すように、RFタグがエリア外にある場合には検知信号のレベルは0(low)であり、エリア内にある場合には検知信号のレベルは一定の値(high)である。
【0029】
タグリーダ23は、所定の取得周期Δtでデータを出力するが、図11(b)に示すように、RFタグがエリア内にあるにもかかわらず検出に失敗する場合がある(図11(b)のデータ3)。
図11(c)に示すように、データ3における信頼度D(t)は該当するデータを取得した時刻以降に取得したセンサデータの値に応じて該当するセンサデータの信頼度が算出される。
【0030】
図12は、図11(b)に示すように一定期間同じセンサデータが取得されると想定されるセンサにおいて取りこぼしたセンサデータの信頼度をセンサ毎に予め設定された信頼度決定アルゴリズムを使用して算出する方法を説明するためのフローチャートである。
【0031】
まず、前提としてt0においては値が0というデータ自体は信頼度は「1」とする。
初期値として、n=0と設定され(S31)、tn=t0におけるセンサデータA(t0)が取得される(S32)。この時のセンサデータA(t0)は、図11(b)に示すように「0」である。また、図11(c)に示すように、信頼度D(0)=1である(S33)。
【0032】
次に、n=n+1とされ(S34)、Δt後のセンサデータA(tn)を取得する(S35)。そして、A(t0)=A(tn)であるか否かの判断が行なわれ(S36)、A(t0)=A(tn)が成立しない場合には、信頼度D(n)=D(n−1)×bとされる(S37)。ここで、bは減少率である。
【0033】
一方、S36において、A(t0)=A(tn)が成立すると判断された場合には、信頼度D(n)=D(n−1)とされる(S38)。S37或いはS38における処理終了後、時刻tnが現在時刻より前の時刻であるか否かの判断(tn<現在時刻)が行なわれる(S39)。
【0034】
S39において、時刻tnが現在時刻より前の時刻でないと判断された場合には、処理を終了する。一方、S39において時刻tnが現在時刻より前の時刻であると判断された場合には、n>N(N:繰り返し回数)であるかの判断が行なわれ(S40)、n>Nでないと判断された場合には、S34の処理に戻る。
【0035】
一方、S40においてn>Nであると判断された場合には、n=n+1と設定(S41)、D(n)=D(n−1)と設定(S42)が行なわれ、時刻tnが現在時刻より前の時刻であるか否かの判断(tn<現在時刻)が行なわれる(S43)。
S43において、時刻tnが現在時刻より前の時刻でないと判断された場合には、処理を終了する。一方、S43において時刻tnが現在時刻より前の時刻であると判断された場合には、S41の処理に戻る。
【0036】
本発明の他の実施の形態によれば、t0におけるセンサデータとt1におけるセンサデータとを比較し、同じ値であれば信頼度はそのまま維持する。異なる値であれば、取りこぼしの可能性があるため、信頼度は減少率bを乗じた値とする。以降、現在時刻に到るか、或いは予め設定した繰り返し回数まで上記の処理を繰り返す。
【0037】
すなわち、本発明の他の実施の形態によれば、時間経過と共にその後のデータの値に応じて信頼度を付与することにより、誤検出を判定することができる。例えば、図11(b)の「取りこぼし」のデータに関しては,その後の1ステップ後,2ステップ後の値が続けて「エリア内」であることから、徐々に信頼度を下げることにより誤検出データが信頼度の低いデータとして扱うことができる。
【0038】
なお、画像の取得周期が長い場合、時間経過と共に表示時の明度を下げる(薄く)することにより、直感的にその時刻の画像なのか、古い画像なのかを判別することができるようにしてもよい。
したがって、本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置によれば、要求された時刻のセンサデータが存在しない場合であっても、当該要求された時刻以外の時刻のセンサデータと、当該センサデータの要求された時刻における信頼度とを出力することができるので、センサデータ処理装置側においては、センサデータの信頼度を基に、他のセンサデータと同期処理を行なうことができる。その結果、センサデータに関して、正確な制御を行なうことができる。
【0039】
また、センサデータに誤りがある場合であっても、当該センサデータを取得した後に取得されたセンサデータとの相関を利用して、その時点における誤りのあるセンサデータの信頼度を出力することにより、データ処理側において信頼度を考慮した適切なデータ処理を行なわさせることができる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0041】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置の構成を示す図である。
【図2】センサIDと信頼度関数とが対応付けられたテーブルを示す図である。
【図3】センサID、時刻及びセンサデータが対応付けられたテーブルを示す図である。
【図4】センサーデータと信頼度関数との関係を示す図である。
【図5】センサデータ管理部のセンサデータの収集動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】データ管理部におけるセンサデータの出力方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】センサデータと時刻との関係を説明するための図である。
【図8】センサデータの信頼度関数を説明するための図である。
【図9】任意の時刻において、その時刻に最も近い時刻に取得したセンサデータの信頼度の算出方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】センサデータ管理装置とセンサとの関係を示す図である。
【図11】(a)は、タグリーダのRFタグのエリア内外における検知信号のレベルを説明するための図、(b)は、タグリーダの出力を説明するための図、(c)は取りこぼしたデータの信頼度D(t)を説明するための図である。
【図12】一定期間同じセンサデータが取得されると想定されるセンサにおいて取りこぼしたセンサデータの信頼度をセンサ毎に予め設定された信頼度決定アルゴリズムを使用して算出する方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1…センサデータ管理装置、2…センサ、3…外部機器、11…データ入力部、12…データ管理部、13…タイマ、14…データベース、15…データ出力インターフェイス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサデータの管理を行なうセンサデータ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、大量に収集されてくるセンサデータに、そのセンサデータの取得時刻を付加して時系列的に蓄積することによりセンサデータの管理を容易にするセンサデータ管理装置がある(特許文献1参照。)。
このようなセンサデータ管理装置においては、例えば、作業対象物を撮影した画像情報と、システムが発生する複数のシステムの情報とを取得して蓄積しようとする場合、個々の情報が他の情報と異なった周期で収集されることになるが、上述のセンサデータ管理装置によれば、時刻情報と関連付けてセンサデータを蓄積することから、その管理が容易になる。
【0003】
【特許文献1】特開平10−049209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、異なる周期で収集した情報同士を比較する場合、時刻情報のみでは対応するデータが存在しない場合がある。例えば、3秒周期で取得するデータ系列A(t)と5秒周期で取得するデータ系列B(t)とを時刻t=5で比較したい場合には、データ系列A(t)のデータが存在しないので比較を行なうことができない。
【0005】
また、同期データが存在する場合であっても、当該取得したセンサデータに誤りがある場合であって、当該誤りがあるセンサデータを使用してデータ処理を行なうと適切なデータ処理を行なうことができないという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、異なる周期で収集されるセンサデータであっても、同周期で収集されるセンサデータのように取り扱うことができるようにセンサデータとともに信頼度を出力するセンサデータ管理装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、センサデータに誤りがある場合であっても、後に取得されたセンサデータと相関がある場合に、データ処理装置側でセンサデータの適切な処理を行なうことができるように誤りがあるセンサデータとともに、その信頼度を出力することができるセンサデータ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明によれば、センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースと、外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定する決定手段と、前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出する算出手段と、前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力する出力手段と
を具備することを特徴とするセンサデータ管理装置、である。
【0008】
また、本発明の第2の発明によれば、センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースと、外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定する決定手段と、前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出する算出手段と、前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力する出力手段とを具備することを特徴とするセンサデータ管理装置、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異なる周期で収集されるセンサデータであっても、同周期で収集されるセンサデータのように取り扱うことができるようにセンサデータを出力することのできるセンサデータ管理装置を提供することができる。
また、本発明によれば、センサデータに誤りがある場合であっても、後に取得されたセンサデータと相関がある場合に、データ処理装置側でセンサデータの適切な処理を行なうことができるように誤りがあるセンサデータとともに、その信頼度を出力することができるセンサデータ管理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置の構成を示す図である。
同図に示すように、センサデータ管理装置1には、センサデータを出力するセンサ2−1〜2−nが直接接続され、センサ2−1〜2−nからのセンサデータを管理する。また、センサデータ管理装置1は、外部機器3からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求に基づいて、センサデータ及びその信頼度を出力する。
【0011】
センサデータ管理装置1は、データ入力部11、データ管理部12、タイマ13、データベース14及びデータ出力インターフェイス15を具備している。
データ入力部11は、センサ2−1〜2−nからのセンサデータを入力してデータ管理部12に引き渡すためのものであり、センサ2−1〜2−nに対応するデータ入力部11−1〜11−nを有している。
【0012】
なお、ここでは、センサ2がデータ入力部11に直接接続されている場合を示しているが、センサデータをネットワークを介して受信する場合には、ネットワークインターフェイスをデータ入力部11に設け、データ入力部11−1〜11−nを1つに集約してもよい。
【0013】
データ管理部12は、データ入力部11から引き渡されたセンサデータを取得するとともに、その取得時刻をタイマ13から取得して、これら取得したセンサデータ及び取得時刻を組としてデータベース14に格納する処理、外部機器3からデータ出力インターフェイス15を介して入力されるどのセンサのどの時刻のセンサデータの取得を要求するかを示す取得要求に基づいて得られるセンサデータ及び信頼度をデータ出力インターフェイス15を介して外部機器3に出力する処理など本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置全体の処理を司る。
【0014】
データベース14は、図2に示すように、センサIDと信頼度関数とが対応付けられたテーブルと、図3に示すように、データID、センサID、時刻及びセンサデータが対応付けられたテーブルを具備している。図2に示したテーブルと、図3に示したテーブルとは、センサIDをキーとして関連付けられている。
【0015】
データ出力インターフェイス15は、外部機器3からのどのセンサのどの時刻のセンサデータの取得を要求するかを示す取得要求をデータ管理部12に引き渡すとともに、データ管理部12から出力されたセンサデータ及び信頼度を外部機器3に出力する。
図4は、センサーデータと信頼度関数との関係を示す図である。図2に示したように、信頼度関数はセンサID毎に関連付けて記憶されている。図4(a)はセンサ2−1のセンサデータを示しており、図4(b)はセンサ2−1に対応付けられた信頼度関数を示しており、時間と共に直線的に減少する信頼度関数である。図4(c)はセンサ2−2のセンサデータを示しており、図4(d)はセンサ2−2に対応付けられた信頼度関数を示しており、時間と共に逆放物線状に減少する信頼度関数である。図4(e)はセンサ2−nのセンサデータを示しており、図4(f)はセンサ2−nに対応付けられた信頼度関数を示しており、時間と共に放物線状に減少する信頼度関数である。
【0016】
図4において、データ管理部12がデータ出力インターフェイス15を介して時刻t1のデータ取得要求を受けた場合について説明する。データ取得要求がセンサ2−1のデータ取得要求の場合、時刻t1におけるデータが存在するので、当該時刻t1におけるセンサ2−1のセンサデータと、当該時刻t1における信頼度関数の値、ここでは100%を出力する。センサ2−2のデータ取得要求の場合、時刻t1におけるデータは存在しないので、センサ2−2の直前のセンサデータと、当該時刻t1における信頼度関数の値、ここでは0%を出力する。センサ2−nのデータ取得要求の場合、時刻t1におけるデータは存在しないので、センサ2−nの直前のセンサデータと、当該時刻t1における信頼度関数の値、ここでは40%を出力する。
【0017】
図5は、センサデータ管理部のセンサデータの収集動作を説明するためのフローチャートである。
まず、データ管理部12は、センサ2からデータ入力部11を介してセンサデータの入力があるか否かの判断を行なう(S1)。S1においてセンサデータの入力があると判断された場合には、タイマ13から現在時刻を取得して(S2)、取得した現在時刻(データ受信時刻)とセンサデータをセンサIDと関連付けて図3に示したテーブルに格納して(S3)、S1の処理に戻る。
【0018】
図6は、データ管理部におけるセンサデータの出力方法を説明するためのフローチャートである。
データ管理部12は、外部機器3からデータ出力インターフェイス15を介してデータ出力要求があるか否かの判断を行なう(S11)。S11においてデータ出力要求があると判断された場合には、タイマ13から現在時刻を取得して(S12)、データベース12からデータ出力要求のあったセンサの最新のセンサデータと、当該最新のセンサデータに対応する受信時刻を取得する(S13)。
【0019】
その後、図2に示すデータベースからデータ出力要求の行なわれたセンサのIDに対応する信頼度関数を取得し、S12において取得された現在時刻と、S13において取得されたデータ受信時刻とに基づいて、信頼度関数を使用することにより信頼度を算出し(S14)、S13において取得された最新のセンサーデータと、S14において算出された信頼度とを出力し(S15)、S11の処理に戻る。
【0020】
次に、S14における信頼度の算出方法について具体的に説明する。
ここでは、センサ2−1の信頼度を求める方法について説明する。
例えば、図1乃至図4に示すセンサ2−1に対して設定される信頼度関数A(t)を信頼度を0〜1として、下記のように設定すると仮定する。
【0021】
A(t) = 1 − at … (1)
ここで、aは正の整数である。このような信頼度関数A(t)が設定されている場合、データ管理部12がセンサデータを受信した時点(t=0)における信頼度は「1」であるが、時間と共にそのセンサデータの信頼度は単調に減少して、t=1/aの時点で「0」となる。
【0022】
ここで、信頼度関数A(t)において使用されるパラメータtの値は、図6のS12において取得されたデータ出力要求を受信した時刻を示す現在時刻と、センサ2−1からのセンサデータに対応するデータ受信時刻との時間差である。
例えば、図7において、データ出力を要求した時刻を現在時刻tnowとし、最新のセンサデータの取得時刻をtnewとした場合には、最新のセンサデータであるセンサデータ2が出力されるとともに、信頼度関数のパラメータtとして(tnow−tnew)が与えられ、図8に示すようにセンサデータ2における現在時刻の信頼度はαとなる。
【0023】
なお、上述の説明においては、データ出力要求を受信した現在時刻において、最新のセンサデータにおける信頼度を算出する方法について説明したが、これに限られるものではなく、任意の時刻において、任意の時刻に取得したセンサデータの信頼度を算出してもよい。
【0024】
図9は、任意の時刻において、その時刻に最も近い時刻に取得したセンサデータの信頼度の算出方法を説明するためのフローチャートである。
データ管理部12は、外部機器3からデータ出力インターフェイス15を介してデータ出力要求があるか否かの判断を行なう(S21)。S21においてデータ出力要求があると判断された場合には、データ出力要求に含まれる信頼度の算出対象とする時刻を取得して(S22)、データベース12から算出対象とする時刻より過去に取得したセンサデータのうち最新のセンサデータを取得するとともに、当該最新のセンサデータに対応する受信時刻を取得する(S23)。
【0025】
その後、図2に示すデータベースからデータ出力要求の行なわれたセンサのIDに対応する信頼度関数を取得し、S22において取得された算出対象とする時刻と、S23において取得されたデータ受信時刻との時刻差に基づいて、信頼度関数を使用することにより信頼度を算出し(S24)、S23において取得された最新のセンサーデータと、S24において算出された信頼度とを出力し(S25)、S21の処理に戻る。
<他の実施の形態>
上述の実施の形態においては、センサ毎に予め信頼度関数を設定する方法により信頼度を求める方法について説明したが、センサ毎に予め信頼度決定アルゴリズムを設定することにより信頼度を求めてもよい。
【0026】
図10は、センサデータ管理装置とセンサとの関係を示す図である。同図に示すように、センサデータ管理装置21にはセンサの役割を有するカメラ22と、センサの役割を有するタグリーダ23が接続されている。
カメラ22はカメラ画像をセンサデータ管理装置21に出力し、タグリーダ23は複数のRF(Radio Frequency)タグ31−1〜31−nを検知して、その検知信号をセンサデータ管理装置21に出力する。
【0027】
センサデータ管理装置21は、タグリーダ23からの検知信号と、カメラ22からのカメラ画像を取得し、ある時刻において、RFタグ31−1〜31−nがタグリーダ23の検知可能な領域内に存在するか否かの判断を行ない、領域内であれば取得したカメラ画像を表示するものであることを想定する。
【0028】
図11(a)は、タグリーダのRFタグのエリア内外における検知信号のレベルを説明するための図であり、図11(b)は、タグリーダの出力を説明するための図であり、図11(c)は取りこぼしたデータの信頼度D(t)を説明するための図である。
図11(a)に示すように、RFタグがエリア外にある場合には検知信号のレベルは0(low)であり、エリア内にある場合には検知信号のレベルは一定の値(high)である。
【0029】
タグリーダ23は、所定の取得周期Δtでデータを出力するが、図11(b)に示すように、RFタグがエリア内にあるにもかかわらず検出に失敗する場合がある(図11(b)のデータ3)。
図11(c)に示すように、データ3における信頼度D(t)は該当するデータを取得した時刻以降に取得したセンサデータの値に応じて該当するセンサデータの信頼度が算出される。
【0030】
図12は、図11(b)に示すように一定期間同じセンサデータが取得されると想定されるセンサにおいて取りこぼしたセンサデータの信頼度をセンサ毎に予め設定された信頼度決定アルゴリズムを使用して算出する方法を説明するためのフローチャートである。
【0031】
まず、前提としてt0においては値が0というデータ自体は信頼度は「1」とする。
初期値として、n=0と設定され(S31)、tn=t0におけるセンサデータA(t0)が取得される(S32)。この時のセンサデータA(t0)は、図11(b)に示すように「0」である。また、図11(c)に示すように、信頼度D(0)=1である(S33)。
【0032】
次に、n=n+1とされ(S34)、Δt後のセンサデータA(tn)を取得する(S35)。そして、A(t0)=A(tn)であるか否かの判断が行なわれ(S36)、A(t0)=A(tn)が成立しない場合には、信頼度D(n)=D(n−1)×bとされる(S37)。ここで、bは減少率である。
【0033】
一方、S36において、A(t0)=A(tn)が成立すると判断された場合には、信頼度D(n)=D(n−1)とされる(S38)。S37或いはS38における処理終了後、時刻tnが現在時刻より前の時刻であるか否かの判断(tn<現在時刻)が行なわれる(S39)。
【0034】
S39において、時刻tnが現在時刻より前の時刻でないと判断された場合には、処理を終了する。一方、S39において時刻tnが現在時刻より前の時刻であると判断された場合には、n>N(N:繰り返し回数)であるかの判断が行なわれ(S40)、n>Nでないと判断された場合には、S34の処理に戻る。
【0035】
一方、S40においてn>Nであると判断された場合には、n=n+1と設定(S41)、D(n)=D(n−1)と設定(S42)が行なわれ、時刻tnが現在時刻より前の時刻であるか否かの判断(tn<現在時刻)が行なわれる(S43)。
S43において、時刻tnが現在時刻より前の時刻でないと判断された場合には、処理を終了する。一方、S43において時刻tnが現在時刻より前の時刻であると判断された場合には、S41の処理に戻る。
【0036】
本発明の他の実施の形態によれば、t0におけるセンサデータとt1におけるセンサデータとを比較し、同じ値であれば信頼度はそのまま維持する。異なる値であれば、取りこぼしの可能性があるため、信頼度は減少率bを乗じた値とする。以降、現在時刻に到るか、或いは予め設定した繰り返し回数まで上記の処理を繰り返す。
【0037】
すなわち、本発明の他の実施の形態によれば、時間経過と共にその後のデータの値に応じて信頼度を付与することにより、誤検出を判定することができる。例えば、図11(b)の「取りこぼし」のデータに関しては,その後の1ステップ後,2ステップ後の値が続けて「エリア内」であることから、徐々に信頼度を下げることにより誤検出データが信頼度の低いデータとして扱うことができる。
【0038】
なお、画像の取得周期が長い場合、時間経過と共に表示時の明度を下げる(薄く)することにより、直感的にその時刻の画像なのか、古い画像なのかを判別することができるようにしてもよい。
したがって、本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置によれば、要求された時刻のセンサデータが存在しない場合であっても、当該要求された時刻以外の時刻のセンサデータと、当該センサデータの要求された時刻における信頼度とを出力することができるので、センサデータ処理装置側においては、センサデータの信頼度を基に、他のセンサデータと同期処理を行なうことができる。その結果、センサデータに関して、正確な制御を行なうことができる。
【0039】
また、センサデータに誤りがある場合であっても、当該センサデータを取得した後に取得されたセンサデータとの相関を利用して、その時点における誤りのあるセンサデータの信頼度を出力することにより、データ処理側において信頼度を考慮した適切なデータ処理を行なわさせることができる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0041】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係るセンサデータ管理装置の構成を示す図である。
【図2】センサIDと信頼度関数とが対応付けられたテーブルを示す図である。
【図3】センサID、時刻及びセンサデータが対応付けられたテーブルを示す図である。
【図4】センサーデータと信頼度関数との関係を示す図である。
【図5】センサデータ管理部のセンサデータの収集動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】データ管理部におけるセンサデータの出力方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】センサデータと時刻との関係を説明するための図である。
【図8】センサデータの信頼度関数を説明するための図である。
【図9】任意の時刻において、その時刻に最も近い時刻に取得したセンサデータの信頼度の算出方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】センサデータ管理装置とセンサとの関係を示す図である。
【図11】(a)は、タグリーダのRFタグのエリア内外における検知信号のレベルを説明するための図、(b)は、タグリーダの出力を説明するための図、(c)は取りこぼしたデータの信頼度D(t)を説明するための図である。
【図12】一定期間同じセンサデータが取得されると想定されるセンサにおいて取りこぼしたセンサデータの信頼度をセンサ毎に予め設定された信頼度決定アルゴリズムを使用して算出する方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1…センサデータ管理装置、2…センサ、3…外部機器、11…データ入力部、12…データ管理部、13…タイマ、14…データベース、15…データ出力インターフェイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースと、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、
前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定する決定手段と、
前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出する算出手段と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力する出力手段と
を具備することを特徴とするセンサデータ管理装置。
【請求項2】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースと、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、
前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定する決定手段と、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出する算出手段と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力する出力手段と
を具備することを特徴とするセンサデータ管理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定の時刻以降の時刻のセンサデータの値とを比較する処理を、前記所定の時刻以降にデータ取得周期毎に取得されるセンサデータに対して順次行なう比較手段と、
前記比較の結果に基づいて、前記所定の時刻の現在時刻におけるセンサデータの信頼度を決定する決定手段と
を具備することを特徴とする請求項2記載のセンサデータ管理装置。
【請求項4】
前記比較手段は、前記比較処理を予め定められた回数行なうことを特徴とする請求項3記載のセンサデータ管理装置。
【請求項5】
前記比較手段は、前記比較処理を前記所定の時刻の次のデータ取得周期における時刻のセンサデータから現在時刻のセンサデータに対して順次行なうことを特徴とする請求項3記載のセンサデータ管理装置。
【請求項6】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置におけるセンサデータ管理方法において、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信し、
前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定し、
前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出し、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力することを特徴とするセンサデータ管理方法。
【請求項7】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置におけるセンサデータ管理方法において、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信し、
前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定し、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出し、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力することを特徴とするセンサデータ管理方法。
【請求項8】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置において使用されるプログラムにおいて、
前記プログラムは、前記センサデータ管理装置に、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信させる機能と、
前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定させる機能と、
前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出させる算出機能と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力させる出力機能と
を具備することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置におけるプログラムにおいて、
前記プログラムは、前記センサデータ管理装置に、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信させる受信機能と、
前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定させる決定機能と、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出させる算出機能と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力させる出力機能と
を具備することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記算出機能は、前記センサデータ管理装置に、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定の時刻以降の時刻のセンサデータの値とを比較する処理を、前記所定の時刻以降にデータ取得周期毎に取得されるセンサデータに対して順次行なわさせる比較機能と、
前記比較の結果に基づいて、前記所定の時刻の現在時刻におけるセンサデータの信頼度を決定させる決定機能と
を具備することを特徴とする請求項9記載のプログラム。
【請求項1】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースと、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、
前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定する決定手段と、
前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出する算出手段と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力する出力手段と
を具備することを特徴とするセンサデータ管理装置。
【請求項2】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースと、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信手段と、
前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定する決定手段と、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出する算出手段と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力する出力手段と
を具備することを特徴とするセンサデータ管理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定の時刻以降の時刻のセンサデータの値とを比較する処理を、前記所定の時刻以降にデータ取得周期毎に取得されるセンサデータに対して順次行なう比較手段と、
前記比較の結果に基づいて、前記所定の時刻の現在時刻におけるセンサデータの信頼度を決定する決定手段と
を具備することを特徴とする請求項2記載のセンサデータ管理装置。
【請求項4】
前記比較手段は、前記比較処理を予め定められた回数行なうことを特徴とする請求項3記載のセンサデータ管理装置。
【請求項5】
前記比較手段は、前記比較処理を前記所定の時刻の次のデータ取得周期における時刻のセンサデータから現在時刻のセンサデータに対して順次行なうことを特徴とする請求項3記載のセンサデータ管理装置。
【請求項6】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置におけるセンサデータ管理方法において、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信し、
前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定し、
前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出し、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力することを特徴とするセンサデータ管理方法。
【請求項7】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置におけるセンサデータ管理方法において、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信し、
前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定し、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出し、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力することを特徴とするセンサデータ管理方法。
【請求項8】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻と、前記センサデータに対する信頼度を算出するための時変数を有する信頼度関数とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置において使用されるプログラムにおいて、
前記プログラムは、前記センサデータ管理装置に、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信する受信させる機能と、
前記所定時刻の直前に取得されたセンサデータを前記データベースを検索することにより決定させる機能と、
前記所定時刻と、前記決定されたセンサデータの取得時刻との時間差をパラメータとして前記信頼度関数を使用することにより、前記決定されたセンサデータの信頼度を算出させる算出機能と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出されたセンサデータの信頼度を出力させる出力機能と
を具備することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
センサデータと、前記センサデータを取得した時刻とを関連付けて記憶するデータベースを具備するセンサデータ管理装置におけるプログラムにおいて、
前記プログラムは、前記センサデータ管理装置に、
外部からの所定時刻におけるセンサデータの取得要求を受信させる受信機能と、
前記データベースを検索することにより前記所定時刻におけるセンサデータを決定させる決定機能と、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定時刻以降に取得されたセンサデータの値とに基づいて、前記所定時刻のセンサデータの現在時刻における信頼度を算出させる算出機能と、
前記決定されたセンサデータ及び前記算出された現在時刻における信頼度を出力させる出力機能と
を具備することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記算出機能は、前記センサデータ管理装置に、
前記所定時刻のセンサデータの値と、前記所定の時刻以降の時刻のセンサデータの値とを比較する処理を、前記所定の時刻以降にデータ取得周期毎に取得されるセンサデータに対して順次行なわさせる比較機能と、
前記比較の結果に基づいて、前記所定の時刻の現在時刻におけるセンサデータの信頼度を決定させる決定機能と
を具備することを特徴とする請求項9記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−268369(P2006−268369A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84791(P2005−84791)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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