センサ付き照明制御装置およびセンサ付き照明器具
【課題】
不必要な点灯状態が抑制されるセンサ付き照明制御装置およびセンサ付き照明器具を提供する。
【解決手段】
センサ付き照明制御装置1は、発光ダイオード2と、発光ダイオード2を点灯させる点灯装置3と、人体の検出に応じて検知信号を出力する検知装置4と、人体が所定領域内に入場したことを検知装置4が検出したときに発光ダイオード2を所定の低光度で点灯させ、この後の所定期間内に検知装置4が再び人体を検出したときに発光ダイオード2を所定の低光度よりも高い光度で点灯させるように点灯装置3を制御する制御装置5を具備している。
不必要な点灯状態が抑制されるセンサ付き照明制御装置およびセンサ付き照明器具を提供する。
【解決手段】
センサ付き照明制御装置1は、発光ダイオード2と、発光ダイオード2を点灯させる点灯装置3と、人体の検出に応じて検知信号を出力する検知装置4と、人体が所定領域内に入場したことを検知装置4が検出したときに発光ダイオード2を所定の低光度で点灯させ、この後の所定期間内に検知装置4が再び人体を検出したときに発光ダイオード2を所定の低光度よりも高い光度で点灯させるように点灯装置3を制御する制御装置5を具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、人感センサを有するセンサ付き照明制御装置およびこのセンサ付き照明制御装置を備えるセンサ付き照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
光源としてLEDを用いたLED照明器具は、LEDが省電力であり長寿命であることなどにより、蛍光ランプや白熱ランプなどを光源とする照明器具に替えて急速に普及している。そして、LED照明器具においても、センサの検出による人体の有無や周囲の明るさなどに応じて、LEDの点灯状態を制御することが行われている。例えば天井に埋設されるダウンライトにおいては、特許文献1に示すように、環状ケースの下面側にセンサ部(受光部)が設けられ、環状ケースの外面側にスイッチが設けられている。
【0003】
LEDは、人感センサが人体を検出すると直ちに点灯され、人感センサが人体を検出しなくなると前記スイッチにより設定された所定時間後に消灯される。ここで、LEDは、応答が速く急速に立ち上がるとともに、輝度が高いので、点灯したときに人に眩しく感じられることがある。このため、LEDの立ち上がりにおいては、特許文献2に示すように、蛍光ランプや白熱ランプなどの光源と同様に、光束の単位時間あたりの変化量を徐々に増加(フェードイン)させることが一般的に考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−141926号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】特開平9−289082号公報(第4頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フェードインによる光源の点灯は、通常、人体が人感センサの検知範囲内に完全に侵入(入場)した時点では定格(100%)点灯されるので、光束を徐々に増加させる時間(フェード時間)が比較的短時間に設定される。これにより、人によっては、フェードインによる立ち上がりであっても、LEDの点灯が眩しく感じられるという欠点を有する。
【0006】
また、人感センサの検知範囲の境界付近で検出した人体が検知範囲内に完全に侵入しなくても、光源は所定時間に亘って点灯されることになり、この点灯が無駄になることがあるという欠点を有する。
【0007】
本実施形態は、不必要な点灯状態が抑制可能なセンサ付き照明制御装置およびセンサ付き照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態のセンサ付き照明制御装置は、発光ダイオード、点灯装置、検知装置および制御装置を有して構成される。
【0009】
発光ダイオードは、光源となるものであり、点灯装置によって点灯される。
【0010】
点灯装置は、発光ダイオードを点灯させるように形成される。
【0011】
検知装置は、所定領域内の人体を検出し、この人体の検出に応じて検知信号を出力するように形成される。
【0012】
制御装置は、検知装置による人体の検出に応じて点灯装置を制御する。すなわち、制御装置は、人体が所定領域内に入場したことを検知装置が検出したときに発光ダイオードを所定の低光度で点灯させ、この後の所定期間内に検知装置が再び人体を検出したときに発光ダイオードを前記低光度よりも高い光度で点灯させるように形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、制御装置による点灯装置の制御により、人体が所定領域内に入場したときに、発光ダイオードが所定の低光度で点灯され、この後の所定期間内に検知装置が再び人体を検出したときに発光ダイオードが所定の低光度よりも高い光度で点灯されるので、人体が所定領域内に完全に入場しないときに発光ダイオードを高い光度で点灯させなくすることができて、無駄な電力消費を抑制できることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すセンサ付き照明制御装置の概略回路図である。
【図2】同じく、制御装置の出力電圧波形を示し、(a)は正弦波交流電圧波形図、(b)は位相制御交流電圧波形図である。
【図3】同じく、発光ダイオードの光束の立ち上がりを示す変化図である。
【図4】同じく、発光ダイオードの別の光束の立ち上がりを示す変化図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示すセンサ付き照明器具であり、(a)は概略正面図、(b)は概略下面図である。
【図6】同じく、センサ付き照明器具であり、(a)は図6(b)のA−A方向の概略側断面図、(b)はLEDランプを取り外した状態の概略下面図である。
【図7】同じく、センサ付き照明器具の概略右側面図である。
【図8】同じく、環状体の概略一部縦断面図である。
【図9】同じく、人感センサの概略模式図である。
【図10】同じく、LEDランプを示し、(a)は概略正面図、(b)は概略下面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示すセンサ付き照明器具の概略斜視図である。
【図12】同じく、直管形LEDランプが装着されていないときのセンサ付き照明器具の一部切り欠き概略側面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態は、センサ付き照明制御装置1であり、図1に示すように、発光ダイオード2、点灯装置3、検知装置4および制御装置5を有して構成されている。
【0017】
発光ダイオード2は、照明光例えば白色光を放射するものであり、複数個が直列接続されたLED回路6を形成している。発光ダイオード2は、表面実装型のパッケージ品または基板上にCOB(Chip On Board)方式により実装されたLEDベアチップのいずれであってもよい。
【0018】
点灯装置3は、発光ダイオード2に電流を供給して発光ダイオード2を点灯させるものであり、外部の交流電源(商用交流電源)Vsを直流電源に変換するAC−DC変換回路7、このAC−DC変換回路7から発光ダイオード2に供給する電流を可変する電流調整回路8および発光ダイオード2に所定の電流が供給されるように電流調整回路8を制御する制御回路9を有して形成されている。
【0019】
そして、点灯装置3は、その入力端子10a,10bが制御装置5を介して商用交流電源Vsに接続され、その出力端子11a,11bがLED回路6に接続されている。入力端子10a,10bには、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧または当該正弦波交流電圧が位相制御された所定の位相制御交流電圧が入力される。
【0020】
AC−DC変換回路7は、ダイオードブリッジからなる整流器12、逆流防止用ダイオードD1および平滑用コンデンサC1を有して形成されている。整流器12は、その入力間が抵抗R1を介して点灯装置3の入力端子10a,10bに接続され、制御装置5から出力された交流電圧すなわち正弦波交流電圧または位相制御交流電圧を入力する。そして、整流器12の出力間は、逆流防止用ダイオードD1を介して平滑用コンデンサC1に接続されている。AC−DC変換回路7は、制御装置5から出力された交流電圧を直流電圧に変換して平滑用コンデンサC1の両端間に出力する。
【0021】
また、整流器12の出力間には、抵抗R2および抵抗R3の直列回路からなる電圧検出回路13が設けられている。整流器12の出力電圧(整流電圧)は、電圧検出回路13により検出されて制御回路9に入力される。
【0022】
電流調整回路8は、電界効果トランジスタQ1、ダイオードD2、インダクタL1およびコンデンサC2を有する既知の降圧チョッパ回路に形成されている。そして、コンデンサC2の両端が電流検出回路14を介して点灯装置3の出力端子11a,11bに接続されている。また、電界効果トランジスタQ1のゲート(制御端子)は、制御回路9に接続されている。
【0023】
制御回路9は、図示しないマイコンを有してなり、電圧検出回路13により検出された整流器12の出力電圧に応じて電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御するように形成されている。これにより、電流調整回路8は、AC−DC変換回路7から出力された直流電圧を整流器12の出力電圧、言い換えれば、整流器12に入力される交流電圧に応じた直流電圧に変換してコンデンサC2の両端間に出力する。
【0024】
出力端子11a,11bに接続されたLED回路6には、整流器12に入力される交流電圧(入力電圧)に応じた電流が供給される。ここで、制御回路9は、整流器12の入力電圧が正弦波交流電圧であるときには、発光ダイオード2が定格(100%)点灯するように電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御し、整流器12の入力電圧が所定の位相制御交流電圧であるときには、発光ダイオード2が所定の低光度例えば定格点灯の20%で点灯するように電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御する。
【0025】
また、制御回路9は、発光ダイオード2に流れる電流が一定となるように、すなわち当該電流が変動しないように、電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御するように形成されている。発光ダイオード2に流れる電流は、電流検出回路14によって検出される。電流検出回路14は、例えば抵抗R4からなり、発光ダイオード2に流れる電流を抵抗R4の両端間電圧に変換している。制御回路9は、抵抗R4の両端間電圧を入力し、当該両端間電圧が一定となるように電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御している。
【0026】
なお、制御回路9、図示しないバッテリを有し、このバッテリがコンデンサC1の両端間電圧により常時充電され、動作電源が確保されている。
【0027】
検出装置4は、人体の存否を検出するものであり、人体を検出したときに検知信号を制御装置5に出力するものである。検知装置4は、人感センサ15、制御部16、出力部17およびスイッチ18を有して形成されている。
【0028】
人感センサ15は、所定領域内の人体を検出するものであり、例えば焦電型赤外線センサからなっている。ここで、所定領域は、人感センサ15が人体を検出する検知領域を意味する。人感センサ15は、入射する赤外線が所定量の変化することにより、人体の存在を検出する。そして、人体を検出する毎に、例えばパルス状の検出信号を出力する。
【0029】
制御部16は、図示しないマイコンを有してなり、人感センサ15から出力された検出信号に応じて検知信号を出力部17から出力するように形成されている。検知信号は、人感センサ15が人体を検出する毎に出力される。
【0030】
スイッチ18は、人感センサ15が人体を検出しなくなった時点から発光ダイオード2を消灯させるまでの遅延時間を設定するものである。スイッチ18を例えば10秒、1分、3分の表示位置に移動させることにより、前記遅延時間が設定可能となっている。制御部16は、スイッチ18の位置に応じて遅延時間データ信号を出力部17から制御装置5に出力する。
【0031】
制御装置5は、商用交流電源Vsと点灯装置3との間に設けられており、検知装置4から出力された検知信号を入力し、当該検知信号に応じて発光ダイオード2の点灯状態が制御されるように点灯装置3を制御するものである。すなわち、人感センサ15の人体の検出状態に応じて、点灯装置3の入力端子10a,10bに商用交流電源Vsの正弦波交流電圧を入力させて発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)よりも高い光度である定格(100%)点灯させるか、正弦波交流電圧を位相制御した所定の位相制御交流電圧を入力させて発光ダイオード2を所定の低光度で点灯させるかのいずれかを行うものである。このため、本実施形態では、制御装置5は、入力部19、主制御部20、記憶部21、第1のリレー22、第2のリレー23および位相制御器24を有して形成されている。
【0032】
第1のリレー22は、常開接点22a1,22a2および常開接点22a3,22a4を有し、第2のリレー23は、常開接点23a1,23a2を有している。そして、第1のリレー22の常開接点22a1および常開接点22a3は、制御装置5の入力端子25a,25bにそれぞれ接続されている。第1のリレー22の常開接点22a2は、第2のリレー23の常開接点23a1に接続され、第1のリレー22の常開接点22a4は、制御装置5の出力端子26bに接続されている。また、第2のリレー23の常開接点23a2は、制御装置5の出力端子26aに接続されている。
【0033】
そして、第2のリレー23の常開接点23a1,23a2には、位相制御器24の入力端子24a,24bがそれぞれ接続されている。そして、制御装置5の入力端子25a,25bは、商用交流電源Vsに接続され、出力端子26a,26bは、点灯装置3の入力端子10a,10bにそれぞれ接続されている。こうして、制御装置5は、商用交流電源Vsと点灯装置3との間に接続されている。
【0034】
入力部19は、検知装置4から出力された検知信号や遅延時間データ信号を入力し、主制御部20に送出するように形成されている。主制御部20は、図示しないマイコンを有してなり、遅延時間データ信号に付与された遅延時間を記憶部21に記憶させるように形成されている。記憶部21は、上書き可能な不揮発性メモリに形成されている。
【0035】
また、主制御部20は、検知信号に応じて第1のリレー22,23を制御するように形成されている。すなわち、当初の検知信号を入力すると、第1のリレー22の図示しないリレーコイルを付勢する。ここで、「当初の検知信号」とは、人感センサ15が人体を検出する所定領域内に人体が始めに入場したときの検出装置4から出力された検知信号を意味する。第1のリレー22の常開接点22a1,22a2および常開接点22a3,22a4は、それぞれ接続バー22d1,22d2によって接続され、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧が位相制御器24に入力される。正弦波交流電圧は、位相制御器24によって位相制御される。制御装置5の出力端子26a,26bから所定の位相制御交流電圧が出力されて、点灯装置3の入力端子10a,10bに入力される。
【0036】
そして、主制御部20は、当初の検知信号を入力した後に、第1の経過時間が経過した後の所定期間(第2の経過時間)内に検知信号を入力すると、第2のリレー23の図示しないリレーコイルを付勢する。ここで、第1の経過時間は、例えば2秒、所定期間(第2の経過時間)は、例えば記憶部21に記憶されている遅延時間とすることができる。第1の経過時間は、人体が所定領域内に完全に入場したことを確定させるための設定時間である。
【0037】
第2のリレー23のリレーコイルが付勢されると、常開接点23a1,23a2は、接続バー23d1によって接続され、位相制御器24の入力端子24a,24b間が短絡される。制御装置5の出力端子26a,26b間には、図2(a)に示すように、正弦波交流電圧が出力され、点灯装置3の入力端子10a,10b間に入力される。
【0038】
そして、主制御部20は、直近の検知信号の入力から記憶部21に記憶している遅延時間が経過すると、第1のリレー22,23のそれぞれのリレーコイルを消勢する。これにより、第1のリレー22の常開接点22a1,22a2、常開接点22a3,22a4および第2のリレー23の常開接点23a1,23a2は、それぞれ開放状態となり、制御装置5の出力端子26a,26b間には交流電圧が出力されなくなる。
【0039】
位相制御器24は、その入力端子24a,24bが商用交流電源Vsおよび点灯装置3の入力端子10aにそれぞれ接続されている。そして、位相制御器24は、その入力端子24a,24bにインダクタL2およびコンデンサC3からなるノイズフィルター回路27を介して位相制御素子としてのトライアック28と、可変抵抗VR1および抵抗R5の直列回路とが接続されている。そして、トライアック28のゲートと、可変抵抗VR1および抵抗R5の接続点a1との間には、ダイアック29が接続され、抵抗R5にコンデンサC4が並列接続されている。ノイズフィルター回路27は、トライアック28の導通時に発生するノイズを抑制する。また、当該ノイズは、AC−DC変換回路7の抵抗R1および平滑用コンデンサC1によっても抑制される。
【0040】
可変抵抗VR1は、図示しないつまみに接続されていて、このつまみが回動されることにより抵抗値が可変される。これにより、トライアック28の導通のタイミングが可変されて、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧の導通角が可変される。ここでは、点灯装置3において、発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)で点灯することができるように可変抵抗VR1の抵抗値が設定され、図2(b)に示すように、正弦波交流電圧の導通角を大きくしている。なお、発光ダイオード2の所定の低光度が絶対的なものであるときには、可変抵抗VR1に固定抵抗を用いてもよい。
【0041】
上述したように、制御装置5は、その出力端子10a,10b間に、検知装置4から当初の検知信号を入力したときに所定の位相制御交流電圧を出力させ、この後に検知装置4から第1の経過時間が経過した所定期間(第2の経過時間)内に再び検知信号を入力したときに商用交流電源Vsの正弦波交流電圧を出力させる。そして、点灯装置3は、その入力端子10a,10b間に所定の位相制御交流電圧が入力されると、発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)で点灯させ、この点灯している時に、入力端子10a,10b間に正弦波交流電圧が入力されると、発光ダイオード2を定格(100%)点灯させる。このように、制御装置5は、検知装置4からの検知信号に応じて、点灯装置3を制御し、発光ダイオード2の点灯状態を制御するものである。
【0042】
そして、発光ダイオード2は、応答性が速いので、図3に示すように、消灯から所定の低光度(20%)まで直に立ち上がって点灯し、所定の低光度(20%)から定格(100%)光度まで直に立ち上がって点灯する。発光ダイオード2の点灯により、発光ダイオード2の照射領域(照明領域)が照明される。
【0043】
そして、人感センサ15が人体を検出した直近の時点から遅延時間後には、制御装置5の制御により、点灯装置3の入力端子10a,10b間には商用交流電源Vsからの交流電圧が入力されなくなる。点灯装置3の制御回路9は、電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作を停止して、発光ダイオード2に電流を供給させなくし、発光ダイオード2を消灯させる。ここで、入力端子10a,10b間に交流電圧が入力されなくなった時点では、AC−DC変換回路7の平滑用コンデンサC1の両端間に直流電源が残っているので、制御回路9は、発光ダイオード2に供給する電流を直に停止するのではなく、当該電流を徐々に減少させるようにしてもよい。これにより、図3に示すように、発光ダイオード2は、定格点灯から徐々に減光して消灯される。すなわち、発光ダイオード2は、フェードアウト点灯される。
【0044】
また、点灯装置3は、発光ダイオード2を消灯状態から所定の低光度(20%)に点灯させるときに、発光ダイオード2に供給する電流を徐々に増加させるようにしてもよい。これにより、発光ダイオード2は、図4に示すように、消灯から徐々に増光して所定の低光度(20%)で点灯される。すなわち、発光ダイオード2は、フェードイン点灯されるようにしてもよい。
【0045】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。
【0046】
人体は、人感センサ15が人体を検出する所定領域(検知領域)の境界付近から所定領域内に入場する。所定領域内に人体が入場すると、人感センサ15に入射する赤外線の入射量が変化し、人感センサ15から人体の検出信号が出力される。検知装置4の制御部16は、当該検出信号に応じて出力部17から検知信号を出力する。この検知信号は、当初の検知信号となる。
【0047】
制御装置5の主制御部20は、当初の検知信号を入力すると、第1のリレー22を付勢して常開接点22a1,22a2間および常開接点22a3,22a4間をそれぞれ短絡する。制御装置5の入力端子25a,25bは、位相制御器24を介して出力端子26a,26bに接続される。入力端子25a,25bに入力された商用交流電源Vsの正弦波交流電圧は、移送制御器24により位相制御され、出力端子26a,26bには、図2(b)に示す所定の位相制御交流電圧が出力される。所定の位相制御交流電圧は、点灯装置3の入力端子10a,10aに入力される。
【0048】
所定の位相制御交流電圧は、点灯装置3のAC−DC変換回路7により直流電圧(直流電源)に変換される。平滑用コンデンサC1の両端間には、所定の位相制御交流電圧に応じた直流電圧が発生する。また、所定の位相制御交流電圧は、電圧検出回路13により検出されて制御回路9に入力される。
【0049】
制御回路9は、発光ダイオード2が所定の低光度(20%)で点灯するように電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作を制御する。これにより、平滑用コンデンサC2から発光ダイオード2に所定の電流が供給されて、発光ダイオード2は、図3に示すように、消灯から光束が急速に立ち上がって低光度(20%)で点灯する。こうして、人体が所定領域内に入場した当初は、発光ダイオード2は、所定の低光度(20%)で点灯される。
【0050】
そして、所定領域内に入場した人体がさらに所定領域内に移動(侵入)すると、人感センサ15への赤外線の入射量が変化し、人感センサ15から検出信号が出力され、検知装置4から再び検知信号が出力される。制御装置5の主制御部20は、当該検知信号を当初の検知信号が入力された後の第1の経過時間(例えば2秒)ないし所定期間(例えば記憶部21に記憶された遅延時間)に入力したときには、所定領域内に人体が存在するものとし、第2のリレー23を付勢して常開接点23a1,23a2間を短絡する。これにより、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧が制御装置5の入力端子25a、25bおよび出力端子26a,26bを介して点灯装置3の入力端子10a,10bに入力する。
【0051】
点灯装置3の平滑用コンデンサC1の両端間には、正弦波交流電圧に応じた直流電圧が発生する。また、入力端子10a,10bに入力された正弦波交流電圧は、電圧検出回路13により検出されて制御回路9に入力される。
【0052】
制御回路9は、発光ダイオード2が定格(100%)点灯するように電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作を制御する。これにより、平滑用コンデンサC2から発光ダイオード2に定格電流が供給されて、発光ダイオード2は、図3に示すように、所定の低光度(20%)の点灯状態から光束が急速に立ち上がって定格で点灯する。こうして、人体が所定領域内に入場していくと、発光ダイオード2は定格(100%)点灯される。この定格点灯は、人感センサ15が人体を検出しなく、検知装置4から検知信号が出力されなくなった時点から記憶部21に記憶されている遅延時間に亘って継続される。
【0053】
また、所定領域内に入場した人体が入場時点から第1の経過時間(例えば2秒)内に所定領域外に退場すると、人感センサ15が入射する赤外線の入射量が変化して、人感センサ15から検出信号が出力され、検知装置4から検知信号が出力される。しかし、制御装置5の主制御部20は、当該検知信号を当初の検知信号が入力された後の第1の経過時間(例えば2秒)ないし所定期間(例えば記憶部21に記憶された遅延時間)に入力しないので、第2のリレー23を付勢しない。これにより、点灯装置3の入力端子10a,10bには、所定の位相制御交流電圧が継続して入力される。点灯装置3は、発光ダイオード2を所定の低光度(20%)で点灯し続ける。そして、人体が所定領域外に退場した時点から記憶部21に記憶されている遅延時間が経過した後に、発光ダイオード2は消灯される。
【0054】
上述したように、本実施形態のセンサ付き照明制御装置1は、制御装置5によって点灯装置3への入力電圧を正弦波交流電圧または所定の位相制御交流電圧に可変することにより、人体が所定領域内に入場した当初に、発光ダイオード2が所定の低光度(20%)で点灯され、この後に第1の経過時間(例えば2秒)ないし所定期間(例えば遅延時間)内に人体が所定領域内に入場したときに発光ダイオード2が定格点灯されるので、人体が所定領域内に完全に入場しないときに発光ダイオード2を所定の低光度で継続点灯させて、定格点灯させなくすることができ、これにより、無駄な電力消費を抑制できるという効果を有する。
【0055】
また、人体が所定領域内に継続して入場したときに、発光ダイオード2は、所定の低光度(20%)で点灯された後に定格点灯されるので、発光ダイオード2の光束の立上げの制御を簡易して、光束の立上げ時の眩しさを抑制できるという効果を有する。
【0056】
なお、本実施形態は、制御装置5により点灯装置3の入力電圧を正弦波交流電圧または所定の位相制御交流電圧に制御して、人感センサ15の人体検出時における発光ダイオード2の光束の立ち上りを制御したが、これに限らず、制御装置5は、当初の検知信号およびその後の検知信号に応じた制御信号を点灯装置3の制御回路9に出力し、点灯装置3は、正弦波交流電圧を入力し、前記制御信号に応じて電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1を制御するように構成されてもよい。
【0057】
また、点灯装置3および制御装置5は、所定期間内に人体が完全に入場したときに発光ダイオード2を定格点灯させるように形成したが、これに限らず、発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)よりも高い光度で点灯させるように形成されていればよいものである。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0059】
本実施形態は、センサ付き照明器具31であり、図5ないし図10に示すように構成される。なお、図1と同一部分および同一部分に相当する部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0060】
図5において、センサ付き照明器具31は、天井等の造営物に埋め込まれて設置されるダウンライトであり、LEDランプ32、器具本体33、図1に示す検知装置4および制御装置5を有して構成されている。また、センサ付き照明器具31は、一対の取付けばね34,34(図中、一方のみを示す。)を備えており、当該取付けばね34,34により造営物に固定されている。
【0061】
LEDランプ32は、フラット形に形成され、器具本体33内に配設されている。図10(a)に示すように、LEDランプ32は、一端側35aに透光性の保護カバー36を取り付け、他端側35bにGX53形の口金部37が形成された略円筒状の筐体35と、この筐体35内に配設された発光ダイオードとしてのLEDベアチップ38を有してなる発光体39およびLEDベアチップ38を点灯する点灯装置3を備えて形成されている。発光体39は、基板40の一面に複数個のLEDベアチップ38がマトリックス状に実装され、LEDベアチップ38を覆って図示しない封止樹脂が設けられている。筐体35は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂にて形成され、保護カバー36は、例えばポリカーボネート(PC)樹脂にて成型されている。
【0062】
口金部37は、筐体35の上面35cの中央部に突出形成された円筒状の突出部41およびこの突出部41に隣接し突出部41に対して互いに180°の回転位置に配設された一対のランプピン42,42からなっている。一対のランプピン42,42は、例えば黄銅からなり、先端側が径大の略円筒状に形成され、筐体35内に配線されたリード線により点灯装置3の入力端子10a,10b(図示しない。)に接続されている。突出部41の外周面41aには、略L形のキー溝部43が互いに180°の回転位置となるように一対形成されている。このキー溝部43は、LEDランプ32が装着されるソケットに設けられるキー凸部に嵌合し、ソケットを介して筐体35を器具本体33に固定するものである。
【0063】
そして、筐体35の口金部37側の外周面35dには、放熱面積を増加させるための三角形状の凹部44が一定の間隔で形成されている。また、保護カバー36の外面36aは、平面に形成され、その周縁側には直方体状の指掛け部45,45が突出形成されている。図10(b)に示すように、指掛け部45,45は、180°回転対称に設けられている。また、外面36aの周縁側には、器具本体33への装着位置を表示する三角形のマーク46が形成されている。
【0064】
図6において、器具本体33は、合成樹脂例えばABS樹脂にて成型され、一端側33aに円形状の開口47、この開口47の周縁から開口47の周回に亘って外方に突出する円形状のフランジ部48を有する略円錐台状に形成されている。そして、器具本体33の他端側33bの頂部としての上面33cに、天板49が図示しないねじにより取り付けられている。
【0065】
器具本体33の上面33cの反対側の下面33dには、図6(a)に示すように、4本のリブ50が立設されている。このリブ50に、図6(b)に示すように、LEDランプ32が装着されるソケット51がねじ52により取り付けられている。ソケット51は、合成樹脂例えばABS樹脂からなり、その外周側に切り欠き53,54を有するリング状に形成されている。ソケット51は、中央孔55を有する円筒体56(図6(a)に示す。)が背面側(器具本体33の下面33d側)に突出するように設けられ、中央孔55の周りに互いに180°回転対称となるように一対のだるま孔56,56が形成されている。
【0066】
そして、LEDランプ32の突出部41が中央孔55に挿入され、一対のランプピン42,42が一対のだるま孔56,56に挿入される。そして、LEDランプ32が回動されることにより、一対のランプピン42,42がソケット51の背面側にだるま孔56に沿うように設けられている図示しない一対の受け金にそれぞれ接続する。
【0067】
また、LEDランプ32のキー溝部43に円筒体56に設けられた図示しないキー凸部が嵌合し、LEDランプ32がソケット51に固定される。ソケット51の一対の受け金は、図示しないリード線により制御装置5に接続されている。すなわち、器具本体33の外面33eの下面33d側には、リード線が相通される図示しない挿通口が形成されている。この挿通口からソケット51に接続されたリード線が導出されて、制御装置5に接続されている。こうして、器具本体33は、他端側33bの内側にLEDランプ32を配設している。
【0068】
そして、図7に示すように、器具本体33は、その外面33e側に一対の取付けばね34,34が設けられている。器具本体33は、一対の取付けばね34,34と器具本体33のフランジ部48とにより造営物としての天井57を挟持することにより、天井57に取り付けられる。なお、図5(b)および図6においては、一対の取付けばね34,34は省略している。
【0069】
また、器具本体33は、図5に示すように、その上面33cに天板49を図示しないねじにより取り付けている。天板49は、例えば金属製の平板からなり、略長方形に形成されていて、その一部49cが器具本体33の側方に突出している。すなわち、天板49は、器具本体33の側方に突出する突出部49cを有している。天板49の長手方向の両端側の一部は、ほぼ直角に折曲されている。
【0070】
天板49の突出部49cの下面49bには、図5(b)に示すように、一対の端子台58,59が並設されている。すなわち、外部の交流電源としての商用交流電源に接続される入力用端子台58と、並設されている他のセンサ付き照明器具31に交流電源を接続する送り用端子台59とが配設されている。そして、一対の端子台58,59間に制御装置5が配設されている。制御装置5は、一対の端子台58,59およびソケット51に接続されており、入力用端子台58に入力される交流電源が入力される。
検知装置4は、環状体60に設けられている。この環状体60は、図6(a)に示すように、器具本体33のフランジ部48に取り付けられている。
【0071】
環状体60は、合成樹脂例えばABS樹脂により、器具本体33のフランジ部48よりも若干径大であって断面略長方形の環状に形成され、その中央に円形状であって器具本体33の開口47とほぼ同径の連通口61を有している。そして、環状体60は、ダボ62に螺着されたねじ63により、器具本体33のフランジ部48に取り付けられている。ダボ62は、環状体60内に環状体60と一体化されて形成され、環状体60の周回方向に複数個が設けられている。
【0072】
そして、環状体60は、図8に示すように、内部に内壁面60cおよび外壁面60dに沿う環状溝64が周回に亘って形成されている。また、環状体60の下面60bには、環状溝64に連通する円形状の開口65が形成されている。また、外壁面60dの上面60a側には、周回方向に所定長に亘って切り欠きされた切り欠き部66を有している。そして、環状溝64に検知装置4が収納されている。
【0073】
なお、環状体60は、検知装置4が設けられる部位を除き、中実な構造であってもよい。しかし、環状体60を可能な限り軽量にするなどの点からして、環状体60の周回に亘って環状溝64が形成されているのが好適である。
【0074】
検知装置4は、図1に示したように、人感センサ15、制御部16、出力部17およびスイッチ18を有して形成され、人感センサ15を除く部分がセンサユニット67に形成されている。
【0075】
人感センサ15は、受光部68およびレンズ付きカバー69を有して形成されている。受光部68は、例えば円形状の基板70に実装されているとともに、基板70に取り付けられた略砲弾状のレンズ付きカバー69により覆われている。レンズ付きカバー69は、高密度ポリエチレンにより形成され、図示しない係止爪により基板70に取り付けられている。
【0076】
レンズ付きカバー69は、その内面側に、図9に示すように、略四角形状のレンズ部69aが大小多数形成されている。また、受光部68は、図示しない複数の小受光部が集合して形成されている。
【0077】
人感センサ15は、図8に示すように、そのレンズ付きカバー69が環状体60の開口65から下面60bの外方に突出されて、受光部68が下方に露出するように環状溝64内に配設されている。そして、人感センサ15は、リード線71によりセンサユニット67に接続され、人体の検出に応じた検出信号をセンサユニット67に出力する。
【0078】
センサユニット67は、制御部16および出力部17を形成するIC部品や電子部品、さらにスイッチ18が回路基板72に実装されて形成されている。すなわち、センサユニット67は、人感センサ15の人体の検出に応じてLEDランプ32の点灯状態を制御する検知信号を制御装置5に出力するように、回路基板72に電気回路が形成されている。また、センサユニット67は、スイッチ18に接続されていて、スイッチ18の選択に応じた制御信号を制御装置5に出力するように形成されている。
【0079】
センサユニット67は、リード線73により制御装置5に接続されている。リード線73は、図5において、器具本体33のフランジ部48の図示しない挿通孔から器具本体33の外面33e側に導かれ、当該外面33e上に沿って配設され、天板49の突出部49cの下面49b側に配設されている制御装置5に接続されている。なお、リード線73は、複数本からなっている。また、リード線71も複数本からなっている。
【0080】
スイッチ18は、図8に示すように、回路基板72に実装されたスイッチ本体74と、選択的に手動操作される操作子75を有して形成されている。回路基板72は、環状溝64に沿う長形の形状に形成されて、環状溝64内に設けられている。スイッチ本体74は、その操作子75が環状体60の切り欠き部66から外壁面60dに露出するように回路基板72に実装されている。すなわち、操作子75は、環状体60の外壁面60dに設けられていて、環状体60の外側から操作可能となっている。
【0081】
スイッチ18は、人感センサ15が人体を検出しなくなった時点からLEDランプ32を消灯させる遅延時間を設定するものである。すなわち、操作子74を環状体60の外壁面60dに表示している例えば「10秒」、「1分」、「3分」の位置(図示しない。)に移動させることにより、人感センサ15が人体を検出しなくなった時点から制御装置5に設けられているタイマーがカウントを開始し、LEDランプ32は、当該設定時間後に消灯される。
【0082】
こうして、検知装置4は、環状体60の内部に形成された環状溝64に収納されて、制御装置5に接続されている。そして、検知装置4は、環状体60に収納されていることにより、器具本体33のフランジ部48に取り付けられている。
【0083】
そして、人感センサ15は。図7に示すように、器具本体33直下の所定領域に入場する人体を検出する。ここでは、所定領域は、LEDランプ32の直接光および器具本体33の反射光で照明される照明領域よりも幾分広く形成されている。
【0084】
次に、本発明の第2の実施形態の作用について述べる。
【0085】
人体が所定領域の境界付近に達すると、人感センサ15が人体を検出し、検知装置4から検知信号が出力される。制御装置5は、当該検知信号に応じてLEDランプ32が所定の低光度(例えば定格点灯の20%)で点灯するように点灯装置3を制御する。これにより、器具本体33の開口47より所定の低光度の照明光が出射され、照明領域が照明される。
【0086】
そして、人体が所定領域の内側に入場すると、制御装置5は、検知装置4から再び出力された検知信号に応じて、LEDランプ32が定格点灯するように点灯装置3を制御する。これにより、照明領域は、定格点灯の照明光に明るく点灯される。
【0087】
また、所定領域に達した人体が所定領域内に入場せずに所定領域外に移動すると、検知装置4から人体の検知信号が出力されないので、制御装置5は、LEDランプ32が所定の低光度で継続して点灯するように点灯装置3を制御する。
【0088】
そして、制御装置5は、検知装置4から直近の検知信号を入力した時点からスイッチ18で設定された遅延時間後にLEDランプ32が消灯するように点灯装置3を制御する。
【0089】
本実施形態によれば、フランジ部48にその下方に人感センサ15が露出するように検知装置4が配設された埋込形照明器具(ダウンライト)31において、人感センサ15が人体を検出する所定領域内に人体が完全に入場しないときには、設定された遅延時間に亘ってLEDランプ32を所定の低光度で点灯させるので、LEDランプ32が定格点灯されるよりも消費電力を削減することができ、無駄な電力消費を抑制できるという効果を有する。
【0090】
なお、本実施形態において、人感センサ15は、検出対象である人体を検出できれば、環状体60の下面60bから突出させるように設けなくてもよく、開口65に正対するように環状溝64内に設けられてもよい。また、光源として、GX53形のLEDランプ32で説明したが、これに限らず、LED電球など、発光ダイオード2の照明光を放射するものであればよい。
【0091】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0092】
図11および図12は、本発明の第3の実施形態を示し、図11はセンサ付き照明器具の概略斜視図、図12は管形発光ランプが装着されていないときのセンサ付き照明器具の一部切り欠き概略側面図である。なお、図1と同一部分および同一部分に相当する部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0093】
図11において、センサ付き照明器具81は、天井面に設置されるものであり、器具本体82、図1に示す照明制御装置1、すなわち直管形LEDランプ83、点灯装置3、検知装置4および制御装置5を有して構成されている。器具本体82は、冷間圧延鋼板等によって形成され、ソケット84,85を除いて従来の直管形蛍光ランプが装着される既知の構成を成している。
【0094】
直管形LEDランプ83は、長尺の円筒状であって透光性を有する直管バルブ86内に発光ダイオード2(図示しない。)が配設され、直管バルブ86の長手方向両端にそれぞれ口金87,88を配設している。発光ダイオード2は、長尺の基板に実装されて直管バルブ86内に収納されている。
【0095】
器具本体82は、その長手方向の両端側82a,82bに2個の直管形LEDランプ83が着脱されるソケット84,85を一対取り付けている。一方のソケット84は、直管形LEDランプ83の口金87に設けた一対の給電用接触子(図示しない。)が差し込まれて接続される構造に形成されている。また、他方のソケット85は、直管形LEDランプ83の口金88に設けた1個の接地用接触子(図示しない。)が差し込まれて接続される構造に形成されている。
【0096】
そして、図12に示すように、器具本体82は、天井面に図示しないねじ等により取り付けられる基台89と、器具本体82にねじ90により固定された反射体91を備えている。基台89は、長形の略長方形に形成され、反射体91は、長形であって長手方向と直交する断面が略五角形である箱状に形成されている。
【0097】
点灯装置3、検知装置4および制御装置5は、基台89に取り付けられ、図1に示すように配線されている。また、人感センサ15は、反射体91の長手方向略中央部であって短手方向中央部に下方に露出するように、反射体91に取り付けられている。
【0098】
点灯装置3は、図示しない一対の出力線が一方のソケット84に接続され、図示しないアース線が他方のソケット85に接続されている。こうして、直管形LEDランプ83、点灯装置3、検知装置4および制御装置5は、器具本体82に配設されている。
【0099】
本実施形態のセンサ付き照明器具81は、人感センサ15が人体を検出した後に人体が所定領域内に完全に入場しないときには、設定された遅延時間に亘って直管形LEDランプ83を所定の低光度で点灯させるので、人体が所定領域内に入場しないことによる無駄な電力消費を抑制できるという効果を有する。
【0100】
なお、センサ付き照明器具81は、天井等に設置される直付け形照明器具で説明したが、これに限らず、吊り下げ形照明器具などであってもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…センサ付き照明制御装置、 2…発光ダイオード、 3…点灯装置、 4…検知装置、 5…制御装置、 31,81…センサ付き照明器具、 33,82…器具本体
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、人感センサを有するセンサ付き照明制御装置およびこのセンサ付き照明制御装置を備えるセンサ付き照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
光源としてLEDを用いたLED照明器具は、LEDが省電力であり長寿命であることなどにより、蛍光ランプや白熱ランプなどを光源とする照明器具に替えて急速に普及している。そして、LED照明器具においても、センサの検出による人体の有無や周囲の明るさなどに応じて、LEDの点灯状態を制御することが行われている。例えば天井に埋設されるダウンライトにおいては、特許文献1に示すように、環状ケースの下面側にセンサ部(受光部)が設けられ、環状ケースの外面側にスイッチが設けられている。
【0003】
LEDは、人感センサが人体を検出すると直ちに点灯され、人感センサが人体を検出しなくなると前記スイッチにより設定された所定時間後に消灯される。ここで、LEDは、応答が速く急速に立ち上がるとともに、輝度が高いので、点灯したときに人に眩しく感じられることがある。このため、LEDの立ち上がりにおいては、特許文献2に示すように、蛍光ランプや白熱ランプなどの光源と同様に、光束の単位時間あたりの変化量を徐々に増加(フェードイン)させることが一般的に考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−141926号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】特開平9−289082号公報(第4頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フェードインによる光源の点灯は、通常、人体が人感センサの検知範囲内に完全に侵入(入場)した時点では定格(100%)点灯されるので、光束を徐々に増加させる時間(フェード時間)が比較的短時間に設定される。これにより、人によっては、フェードインによる立ち上がりであっても、LEDの点灯が眩しく感じられるという欠点を有する。
【0006】
また、人感センサの検知範囲の境界付近で検出した人体が検知範囲内に完全に侵入しなくても、光源は所定時間に亘って点灯されることになり、この点灯が無駄になることがあるという欠点を有する。
【0007】
本実施形態は、不必要な点灯状態が抑制可能なセンサ付き照明制御装置およびセンサ付き照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態のセンサ付き照明制御装置は、発光ダイオード、点灯装置、検知装置および制御装置を有して構成される。
【0009】
発光ダイオードは、光源となるものであり、点灯装置によって点灯される。
【0010】
点灯装置は、発光ダイオードを点灯させるように形成される。
【0011】
検知装置は、所定領域内の人体を検出し、この人体の検出に応じて検知信号を出力するように形成される。
【0012】
制御装置は、検知装置による人体の検出に応じて点灯装置を制御する。すなわち、制御装置は、人体が所定領域内に入場したことを検知装置が検出したときに発光ダイオードを所定の低光度で点灯させ、この後の所定期間内に検知装置が再び人体を検出したときに発光ダイオードを前記低光度よりも高い光度で点灯させるように形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、制御装置による点灯装置の制御により、人体が所定領域内に入場したときに、発光ダイオードが所定の低光度で点灯され、この後の所定期間内に検知装置が再び人体を検出したときに発光ダイオードが所定の低光度よりも高い光度で点灯されるので、人体が所定領域内に完全に入場しないときに発光ダイオードを高い光度で点灯させなくすることができて、無駄な電力消費を抑制できることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すセンサ付き照明制御装置の概略回路図である。
【図2】同じく、制御装置の出力電圧波形を示し、(a)は正弦波交流電圧波形図、(b)は位相制御交流電圧波形図である。
【図3】同じく、発光ダイオードの光束の立ち上がりを示す変化図である。
【図4】同じく、発光ダイオードの別の光束の立ち上がりを示す変化図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示すセンサ付き照明器具であり、(a)は概略正面図、(b)は概略下面図である。
【図6】同じく、センサ付き照明器具であり、(a)は図6(b)のA−A方向の概略側断面図、(b)はLEDランプを取り外した状態の概略下面図である。
【図7】同じく、センサ付き照明器具の概略右側面図である。
【図8】同じく、環状体の概略一部縦断面図である。
【図9】同じく、人感センサの概略模式図である。
【図10】同じく、LEDランプを示し、(a)は概略正面図、(b)は概略下面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示すセンサ付き照明器具の概略斜視図である。
【図12】同じく、直管形LEDランプが装着されていないときのセンサ付き照明器具の一部切り欠き概略側面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態は、センサ付き照明制御装置1であり、図1に示すように、発光ダイオード2、点灯装置3、検知装置4および制御装置5を有して構成されている。
【0017】
発光ダイオード2は、照明光例えば白色光を放射するものであり、複数個が直列接続されたLED回路6を形成している。発光ダイオード2は、表面実装型のパッケージ品または基板上にCOB(Chip On Board)方式により実装されたLEDベアチップのいずれであってもよい。
【0018】
点灯装置3は、発光ダイオード2に電流を供給して発光ダイオード2を点灯させるものであり、外部の交流電源(商用交流電源)Vsを直流電源に変換するAC−DC変換回路7、このAC−DC変換回路7から発光ダイオード2に供給する電流を可変する電流調整回路8および発光ダイオード2に所定の電流が供給されるように電流調整回路8を制御する制御回路9を有して形成されている。
【0019】
そして、点灯装置3は、その入力端子10a,10bが制御装置5を介して商用交流電源Vsに接続され、その出力端子11a,11bがLED回路6に接続されている。入力端子10a,10bには、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧または当該正弦波交流電圧が位相制御された所定の位相制御交流電圧が入力される。
【0020】
AC−DC変換回路7は、ダイオードブリッジからなる整流器12、逆流防止用ダイオードD1および平滑用コンデンサC1を有して形成されている。整流器12は、その入力間が抵抗R1を介して点灯装置3の入力端子10a,10bに接続され、制御装置5から出力された交流電圧すなわち正弦波交流電圧または位相制御交流電圧を入力する。そして、整流器12の出力間は、逆流防止用ダイオードD1を介して平滑用コンデンサC1に接続されている。AC−DC変換回路7は、制御装置5から出力された交流電圧を直流電圧に変換して平滑用コンデンサC1の両端間に出力する。
【0021】
また、整流器12の出力間には、抵抗R2および抵抗R3の直列回路からなる電圧検出回路13が設けられている。整流器12の出力電圧(整流電圧)は、電圧検出回路13により検出されて制御回路9に入力される。
【0022】
電流調整回路8は、電界効果トランジスタQ1、ダイオードD2、インダクタL1およびコンデンサC2を有する既知の降圧チョッパ回路に形成されている。そして、コンデンサC2の両端が電流検出回路14を介して点灯装置3の出力端子11a,11bに接続されている。また、電界効果トランジスタQ1のゲート(制御端子)は、制御回路9に接続されている。
【0023】
制御回路9は、図示しないマイコンを有してなり、電圧検出回路13により検出された整流器12の出力電圧に応じて電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御するように形成されている。これにより、電流調整回路8は、AC−DC変換回路7から出力された直流電圧を整流器12の出力電圧、言い換えれば、整流器12に入力される交流電圧に応じた直流電圧に変換してコンデンサC2の両端間に出力する。
【0024】
出力端子11a,11bに接続されたLED回路6には、整流器12に入力される交流電圧(入力電圧)に応じた電流が供給される。ここで、制御回路9は、整流器12の入力電圧が正弦波交流電圧であるときには、発光ダイオード2が定格(100%)点灯するように電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御し、整流器12の入力電圧が所定の位相制御交流電圧であるときには、発光ダイオード2が所定の低光度例えば定格点灯の20%で点灯するように電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御する。
【0025】
また、制御回路9は、発光ダイオード2に流れる電流が一定となるように、すなわち当該電流が変動しないように、電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御するように形成されている。発光ダイオード2に流れる電流は、電流検出回路14によって検出される。電流検出回路14は、例えば抵抗R4からなり、発光ダイオード2に流れる電流を抵抗R4の両端間電圧に変換している。制御回路9は、抵抗R4の両端間電圧を入力し、当該両端間電圧が一定となるように電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御している。
【0026】
なお、制御回路9、図示しないバッテリを有し、このバッテリがコンデンサC1の両端間電圧により常時充電され、動作電源が確保されている。
【0027】
検出装置4は、人体の存否を検出するものであり、人体を検出したときに検知信号を制御装置5に出力するものである。検知装置4は、人感センサ15、制御部16、出力部17およびスイッチ18を有して形成されている。
【0028】
人感センサ15は、所定領域内の人体を検出するものであり、例えば焦電型赤外線センサからなっている。ここで、所定領域は、人感センサ15が人体を検出する検知領域を意味する。人感センサ15は、入射する赤外線が所定量の変化することにより、人体の存在を検出する。そして、人体を検出する毎に、例えばパルス状の検出信号を出力する。
【0029】
制御部16は、図示しないマイコンを有してなり、人感センサ15から出力された検出信号に応じて検知信号を出力部17から出力するように形成されている。検知信号は、人感センサ15が人体を検出する毎に出力される。
【0030】
スイッチ18は、人感センサ15が人体を検出しなくなった時点から発光ダイオード2を消灯させるまでの遅延時間を設定するものである。スイッチ18を例えば10秒、1分、3分の表示位置に移動させることにより、前記遅延時間が設定可能となっている。制御部16は、スイッチ18の位置に応じて遅延時間データ信号を出力部17から制御装置5に出力する。
【0031】
制御装置5は、商用交流電源Vsと点灯装置3との間に設けられており、検知装置4から出力された検知信号を入力し、当該検知信号に応じて発光ダイオード2の点灯状態が制御されるように点灯装置3を制御するものである。すなわち、人感センサ15の人体の検出状態に応じて、点灯装置3の入力端子10a,10bに商用交流電源Vsの正弦波交流電圧を入力させて発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)よりも高い光度である定格(100%)点灯させるか、正弦波交流電圧を位相制御した所定の位相制御交流電圧を入力させて発光ダイオード2を所定の低光度で点灯させるかのいずれかを行うものである。このため、本実施形態では、制御装置5は、入力部19、主制御部20、記憶部21、第1のリレー22、第2のリレー23および位相制御器24を有して形成されている。
【0032】
第1のリレー22は、常開接点22a1,22a2および常開接点22a3,22a4を有し、第2のリレー23は、常開接点23a1,23a2を有している。そして、第1のリレー22の常開接点22a1および常開接点22a3は、制御装置5の入力端子25a,25bにそれぞれ接続されている。第1のリレー22の常開接点22a2は、第2のリレー23の常開接点23a1に接続され、第1のリレー22の常開接点22a4は、制御装置5の出力端子26bに接続されている。また、第2のリレー23の常開接点23a2は、制御装置5の出力端子26aに接続されている。
【0033】
そして、第2のリレー23の常開接点23a1,23a2には、位相制御器24の入力端子24a,24bがそれぞれ接続されている。そして、制御装置5の入力端子25a,25bは、商用交流電源Vsに接続され、出力端子26a,26bは、点灯装置3の入力端子10a,10bにそれぞれ接続されている。こうして、制御装置5は、商用交流電源Vsと点灯装置3との間に接続されている。
【0034】
入力部19は、検知装置4から出力された検知信号や遅延時間データ信号を入力し、主制御部20に送出するように形成されている。主制御部20は、図示しないマイコンを有してなり、遅延時間データ信号に付与された遅延時間を記憶部21に記憶させるように形成されている。記憶部21は、上書き可能な不揮発性メモリに形成されている。
【0035】
また、主制御部20は、検知信号に応じて第1のリレー22,23を制御するように形成されている。すなわち、当初の検知信号を入力すると、第1のリレー22の図示しないリレーコイルを付勢する。ここで、「当初の検知信号」とは、人感センサ15が人体を検出する所定領域内に人体が始めに入場したときの検出装置4から出力された検知信号を意味する。第1のリレー22の常開接点22a1,22a2および常開接点22a3,22a4は、それぞれ接続バー22d1,22d2によって接続され、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧が位相制御器24に入力される。正弦波交流電圧は、位相制御器24によって位相制御される。制御装置5の出力端子26a,26bから所定の位相制御交流電圧が出力されて、点灯装置3の入力端子10a,10bに入力される。
【0036】
そして、主制御部20は、当初の検知信号を入力した後に、第1の経過時間が経過した後の所定期間(第2の経過時間)内に検知信号を入力すると、第2のリレー23の図示しないリレーコイルを付勢する。ここで、第1の経過時間は、例えば2秒、所定期間(第2の経過時間)は、例えば記憶部21に記憶されている遅延時間とすることができる。第1の経過時間は、人体が所定領域内に完全に入場したことを確定させるための設定時間である。
【0037】
第2のリレー23のリレーコイルが付勢されると、常開接点23a1,23a2は、接続バー23d1によって接続され、位相制御器24の入力端子24a,24b間が短絡される。制御装置5の出力端子26a,26b間には、図2(a)に示すように、正弦波交流電圧が出力され、点灯装置3の入力端子10a,10b間に入力される。
【0038】
そして、主制御部20は、直近の検知信号の入力から記憶部21に記憶している遅延時間が経過すると、第1のリレー22,23のそれぞれのリレーコイルを消勢する。これにより、第1のリレー22の常開接点22a1,22a2、常開接点22a3,22a4および第2のリレー23の常開接点23a1,23a2は、それぞれ開放状態となり、制御装置5の出力端子26a,26b間には交流電圧が出力されなくなる。
【0039】
位相制御器24は、その入力端子24a,24bが商用交流電源Vsおよび点灯装置3の入力端子10aにそれぞれ接続されている。そして、位相制御器24は、その入力端子24a,24bにインダクタL2およびコンデンサC3からなるノイズフィルター回路27を介して位相制御素子としてのトライアック28と、可変抵抗VR1および抵抗R5の直列回路とが接続されている。そして、トライアック28のゲートと、可変抵抗VR1および抵抗R5の接続点a1との間には、ダイアック29が接続され、抵抗R5にコンデンサC4が並列接続されている。ノイズフィルター回路27は、トライアック28の導通時に発生するノイズを抑制する。また、当該ノイズは、AC−DC変換回路7の抵抗R1および平滑用コンデンサC1によっても抑制される。
【0040】
可変抵抗VR1は、図示しないつまみに接続されていて、このつまみが回動されることにより抵抗値が可変される。これにより、トライアック28の導通のタイミングが可変されて、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧の導通角が可変される。ここでは、点灯装置3において、発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)で点灯することができるように可変抵抗VR1の抵抗値が設定され、図2(b)に示すように、正弦波交流電圧の導通角を大きくしている。なお、発光ダイオード2の所定の低光度が絶対的なものであるときには、可変抵抗VR1に固定抵抗を用いてもよい。
【0041】
上述したように、制御装置5は、その出力端子10a,10b間に、検知装置4から当初の検知信号を入力したときに所定の位相制御交流電圧を出力させ、この後に検知装置4から第1の経過時間が経過した所定期間(第2の経過時間)内に再び検知信号を入力したときに商用交流電源Vsの正弦波交流電圧を出力させる。そして、点灯装置3は、その入力端子10a,10b間に所定の位相制御交流電圧が入力されると、発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)で点灯させ、この点灯している時に、入力端子10a,10b間に正弦波交流電圧が入力されると、発光ダイオード2を定格(100%)点灯させる。このように、制御装置5は、検知装置4からの検知信号に応じて、点灯装置3を制御し、発光ダイオード2の点灯状態を制御するものである。
【0042】
そして、発光ダイオード2は、応答性が速いので、図3に示すように、消灯から所定の低光度(20%)まで直に立ち上がって点灯し、所定の低光度(20%)から定格(100%)光度まで直に立ち上がって点灯する。発光ダイオード2の点灯により、発光ダイオード2の照射領域(照明領域)が照明される。
【0043】
そして、人感センサ15が人体を検出した直近の時点から遅延時間後には、制御装置5の制御により、点灯装置3の入力端子10a,10b間には商用交流電源Vsからの交流電圧が入力されなくなる。点灯装置3の制御回路9は、電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作を停止して、発光ダイオード2に電流を供給させなくし、発光ダイオード2を消灯させる。ここで、入力端子10a,10b間に交流電圧が入力されなくなった時点では、AC−DC変換回路7の平滑用コンデンサC1の両端間に直流電源が残っているので、制御回路9は、発光ダイオード2に供給する電流を直に停止するのではなく、当該電流を徐々に減少させるようにしてもよい。これにより、図3に示すように、発光ダイオード2は、定格点灯から徐々に減光して消灯される。すなわち、発光ダイオード2は、フェードアウト点灯される。
【0044】
また、点灯装置3は、発光ダイオード2を消灯状態から所定の低光度(20%)に点灯させるときに、発光ダイオード2に供給する電流を徐々に増加させるようにしてもよい。これにより、発光ダイオード2は、図4に示すように、消灯から徐々に増光して所定の低光度(20%)で点灯される。すなわち、発光ダイオード2は、フェードイン点灯されるようにしてもよい。
【0045】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。
【0046】
人体は、人感センサ15が人体を検出する所定領域(検知領域)の境界付近から所定領域内に入場する。所定領域内に人体が入場すると、人感センサ15に入射する赤外線の入射量が変化し、人感センサ15から人体の検出信号が出力される。検知装置4の制御部16は、当該検出信号に応じて出力部17から検知信号を出力する。この検知信号は、当初の検知信号となる。
【0047】
制御装置5の主制御部20は、当初の検知信号を入力すると、第1のリレー22を付勢して常開接点22a1,22a2間および常開接点22a3,22a4間をそれぞれ短絡する。制御装置5の入力端子25a,25bは、位相制御器24を介して出力端子26a,26bに接続される。入力端子25a,25bに入力された商用交流電源Vsの正弦波交流電圧は、移送制御器24により位相制御され、出力端子26a,26bには、図2(b)に示す所定の位相制御交流電圧が出力される。所定の位相制御交流電圧は、点灯装置3の入力端子10a,10aに入力される。
【0048】
所定の位相制御交流電圧は、点灯装置3のAC−DC変換回路7により直流電圧(直流電源)に変換される。平滑用コンデンサC1の両端間には、所定の位相制御交流電圧に応じた直流電圧が発生する。また、所定の位相制御交流電圧は、電圧検出回路13により検出されて制御回路9に入力される。
【0049】
制御回路9は、発光ダイオード2が所定の低光度(20%)で点灯するように電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作を制御する。これにより、平滑用コンデンサC2から発光ダイオード2に所定の電流が供給されて、発光ダイオード2は、図3に示すように、消灯から光束が急速に立ち上がって低光度(20%)で点灯する。こうして、人体が所定領域内に入場した当初は、発光ダイオード2は、所定の低光度(20%)で点灯される。
【0050】
そして、所定領域内に入場した人体がさらに所定領域内に移動(侵入)すると、人感センサ15への赤外線の入射量が変化し、人感センサ15から検出信号が出力され、検知装置4から再び検知信号が出力される。制御装置5の主制御部20は、当該検知信号を当初の検知信号が入力された後の第1の経過時間(例えば2秒)ないし所定期間(例えば記憶部21に記憶された遅延時間)に入力したときには、所定領域内に人体が存在するものとし、第2のリレー23を付勢して常開接点23a1,23a2間を短絡する。これにより、商用交流電源Vsの正弦波交流電圧が制御装置5の入力端子25a、25bおよび出力端子26a,26bを介して点灯装置3の入力端子10a,10bに入力する。
【0051】
点灯装置3の平滑用コンデンサC1の両端間には、正弦波交流電圧に応じた直流電圧が発生する。また、入力端子10a,10bに入力された正弦波交流電圧は、電圧検出回路13により検出されて制御回路9に入力される。
【0052】
制御回路9は、発光ダイオード2が定格(100%)点灯するように電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作を制御する。これにより、平滑用コンデンサC2から発光ダイオード2に定格電流が供給されて、発光ダイオード2は、図3に示すように、所定の低光度(20%)の点灯状態から光束が急速に立ち上がって定格で点灯する。こうして、人体が所定領域内に入場していくと、発光ダイオード2は定格(100%)点灯される。この定格点灯は、人感センサ15が人体を検出しなく、検知装置4から検知信号が出力されなくなった時点から記憶部21に記憶されている遅延時間に亘って継続される。
【0053】
また、所定領域内に入場した人体が入場時点から第1の経過時間(例えば2秒)内に所定領域外に退場すると、人感センサ15が入射する赤外線の入射量が変化して、人感センサ15から検出信号が出力され、検知装置4から検知信号が出力される。しかし、制御装置5の主制御部20は、当該検知信号を当初の検知信号が入力された後の第1の経過時間(例えば2秒)ないし所定期間(例えば記憶部21に記憶された遅延時間)に入力しないので、第2のリレー23を付勢しない。これにより、点灯装置3の入力端子10a,10bには、所定の位相制御交流電圧が継続して入力される。点灯装置3は、発光ダイオード2を所定の低光度(20%)で点灯し続ける。そして、人体が所定領域外に退場した時点から記憶部21に記憶されている遅延時間が経過した後に、発光ダイオード2は消灯される。
【0054】
上述したように、本実施形態のセンサ付き照明制御装置1は、制御装置5によって点灯装置3への入力電圧を正弦波交流電圧または所定の位相制御交流電圧に可変することにより、人体が所定領域内に入場した当初に、発光ダイオード2が所定の低光度(20%)で点灯され、この後に第1の経過時間(例えば2秒)ないし所定期間(例えば遅延時間)内に人体が所定領域内に入場したときに発光ダイオード2が定格点灯されるので、人体が所定領域内に完全に入場しないときに発光ダイオード2を所定の低光度で継続点灯させて、定格点灯させなくすることができ、これにより、無駄な電力消費を抑制できるという効果を有する。
【0055】
また、人体が所定領域内に継続して入場したときに、発光ダイオード2は、所定の低光度(20%)で点灯された後に定格点灯されるので、発光ダイオード2の光束の立上げの制御を簡易して、光束の立上げ時の眩しさを抑制できるという効果を有する。
【0056】
なお、本実施形態は、制御装置5により点灯装置3の入力電圧を正弦波交流電圧または所定の位相制御交流電圧に制御して、人感センサ15の人体検出時における発光ダイオード2の光束の立ち上りを制御したが、これに限らず、制御装置5は、当初の検知信号およびその後の検知信号に応じた制御信号を点灯装置3の制御回路9に出力し、点灯装置3は、正弦波交流電圧を入力し、前記制御信号に応じて電流調整回路8の電界効果トランジスタQ1を制御するように構成されてもよい。
【0057】
また、点灯装置3および制御装置5は、所定期間内に人体が完全に入場したときに発光ダイオード2を定格点灯させるように形成したが、これに限らず、発光ダイオード2を所定の低光度(例えば20%)よりも高い光度で点灯させるように形成されていればよいものである。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0059】
本実施形態は、センサ付き照明器具31であり、図5ないし図10に示すように構成される。なお、図1と同一部分および同一部分に相当する部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0060】
図5において、センサ付き照明器具31は、天井等の造営物に埋め込まれて設置されるダウンライトであり、LEDランプ32、器具本体33、図1に示す検知装置4および制御装置5を有して構成されている。また、センサ付き照明器具31は、一対の取付けばね34,34(図中、一方のみを示す。)を備えており、当該取付けばね34,34により造営物に固定されている。
【0061】
LEDランプ32は、フラット形に形成され、器具本体33内に配設されている。図10(a)に示すように、LEDランプ32は、一端側35aに透光性の保護カバー36を取り付け、他端側35bにGX53形の口金部37が形成された略円筒状の筐体35と、この筐体35内に配設された発光ダイオードとしてのLEDベアチップ38を有してなる発光体39およびLEDベアチップ38を点灯する点灯装置3を備えて形成されている。発光体39は、基板40の一面に複数個のLEDベアチップ38がマトリックス状に実装され、LEDベアチップ38を覆って図示しない封止樹脂が設けられている。筐体35は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂にて形成され、保護カバー36は、例えばポリカーボネート(PC)樹脂にて成型されている。
【0062】
口金部37は、筐体35の上面35cの中央部に突出形成された円筒状の突出部41およびこの突出部41に隣接し突出部41に対して互いに180°の回転位置に配設された一対のランプピン42,42からなっている。一対のランプピン42,42は、例えば黄銅からなり、先端側が径大の略円筒状に形成され、筐体35内に配線されたリード線により点灯装置3の入力端子10a,10b(図示しない。)に接続されている。突出部41の外周面41aには、略L形のキー溝部43が互いに180°の回転位置となるように一対形成されている。このキー溝部43は、LEDランプ32が装着されるソケットに設けられるキー凸部に嵌合し、ソケットを介して筐体35を器具本体33に固定するものである。
【0063】
そして、筐体35の口金部37側の外周面35dには、放熱面積を増加させるための三角形状の凹部44が一定の間隔で形成されている。また、保護カバー36の外面36aは、平面に形成され、その周縁側には直方体状の指掛け部45,45が突出形成されている。図10(b)に示すように、指掛け部45,45は、180°回転対称に設けられている。また、外面36aの周縁側には、器具本体33への装着位置を表示する三角形のマーク46が形成されている。
【0064】
図6において、器具本体33は、合成樹脂例えばABS樹脂にて成型され、一端側33aに円形状の開口47、この開口47の周縁から開口47の周回に亘って外方に突出する円形状のフランジ部48を有する略円錐台状に形成されている。そして、器具本体33の他端側33bの頂部としての上面33cに、天板49が図示しないねじにより取り付けられている。
【0065】
器具本体33の上面33cの反対側の下面33dには、図6(a)に示すように、4本のリブ50が立設されている。このリブ50に、図6(b)に示すように、LEDランプ32が装着されるソケット51がねじ52により取り付けられている。ソケット51は、合成樹脂例えばABS樹脂からなり、その外周側に切り欠き53,54を有するリング状に形成されている。ソケット51は、中央孔55を有する円筒体56(図6(a)に示す。)が背面側(器具本体33の下面33d側)に突出するように設けられ、中央孔55の周りに互いに180°回転対称となるように一対のだるま孔56,56が形成されている。
【0066】
そして、LEDランプ32の突出部41が中央孔55に挿入され、一対のランプピン42,42が一対のだるま孔56,56に挿入される。そして、LEDランプ32が回動されることにより、一対のランプピン42,42がソケット51の背面側にだるま孔56に沿うように設けられている図示しない一対の受け金にそれぞれ接続する。
【0067】
また、LEDランプ32のキー溝部43に円筒体56に設けられた図示しないキー凸部が嵌合し、LEDランプ32がソケット51に固定される。ソケット51の一対の受け金は、図示しないリード線により制御装置5に接続されている。すなわち、器具本体33の外面33eの下面33d側には、リード線が相通される図示しない挿通口が形成されている。この挿通口からソケット51に接続されたリード線が導出されて、制御装置5に接続されている。こうして、器具本体33は、他端側33bの内側にLEDランプ32を配設している。
【0068】
そして、図7に示すように、器具本体33は、その外面33e側に一対の取付けばね34,34が設けられている。器具本体33は、一対の取付けばね34,34と器具本体33のフランジ部48とにより造営物としての天井57を挟持することにより、天井57に取り付けられる。なお、図5(b)および図6においては、一対の取付けばね34,34は省略している。
【0069】
また、器具本体33は、図5に示すように、その上面33cに天板49を図示しないねじにより取り付けている。天板49は、例えば金属製の平板からなり、略長方形に形成されていて、その一部49cが器具本体33の側方に突出している。すなわち、天板49は、器具本体33の側方に突出する突出部49cを有している。天板49の長手方向の両端側の一部は、ほぼ直角に折曲されている。
【0070】
天板49の突出部49cの下面49bには、図5(b)に示すように、一対の端子台58,59が並設されている。すなわち、外部の交流電源としての商用交流電源に接続される入力用端子台58と、並設されている他のセンサ付き照明器具31に交流電源を接続する送り用端子台59とが配設されている。そして、一対の端子台58,59間に制御装置5が配設されている。制御装置5は、一対の端子台58,59およびソケット51に接続されており、入力用端子台58に入力される交流電源が入力される。
検知装置4は、環状体60に設けられている。この環状体60は、図6(a)に示すように、器具本体33のフランジ部48に取り付けられている。
【0071】
環状体60は、合成樹脂例えばABS樹脂により、器具本体33のフランジ部48よりも若干径大であって断面略長方形の環状に形成され、その中央に円形状であって器具本体33の開口47とほぼ同径の連通口61を有している。そして、環状体60は、ダボ62に螺着されたねじ63により、器具本体33のフランジ部48に取り付けられている。ダボ62は、環状体60内に環状体60と一体化されて形成され、環状体60の周回方向に複数個が設けられている。
【0072】
そして、環状体60は、図8に示すように、内部に内壁面60cおよび外壁面60dに沿う環状溝64が周回に亘って形成されている。また、環状体60の下面60bには、環状溝64に連通する円形状の開口65が形成されている。また、外壁面60dの上面60a側には、周回方向に所定長に亘って切り欠きされた切り欠き部66を有している。そして、環状溝64に検知装置4が収納されている。
【0073】
なお、環状体60は、検知装置4が設けられる部位を除き、中実な構造であってもよい。しかし、環状体60を可能な限り軽量にするなどの点からして、環状体60の周回に亘って環状溝64が形成されているのが好適である。
【0074】
検知装置4は、図1に示したように、人感センサ15、制御部16、出力部17およびスイッチ18を有して形成され、人感センサ15を除く部分がセンサユニット67に形成されている。
【0075】
人感センサ15は、受光部68およびレンズ付きカバー69を有して形成されている。受光部68は、例えば円形状の基板70に実装されているとともに、基板70に取り付けられた略砲弾状のレンズ付きカバー69により覆われている。レンズ付きカバー69は、高密度ポリエチレンにより形成され、図示しない係止爪により基板70に取り付けられている。
【0076】
レンズ付きカバー69は、その内面側に、図9に示すように、略四角形状のレンズ部69aが大小多数形成されている。また、受光部68は、図示しない複数の小受光部が集合して形成されている。
【0077】
人感センサ15は、図8に示すように、そのレンズ付きカバー69が環状体60の開口65から下面60bの外方に突出されて、受光部68が下方に露出するように環状溝64内に配設されている。そして、人感センサ15は、リード線71によりセンサユニット67に接続され、人体の検出に応じた検出信号をセンサユニット67に出力する。
【0078】
センサユニット67は、制御部16および出力部17を形成するIC部品や電子部品、さらにスイッチ18が回路基板72に実装されて形成されている。すなわち、センサユニット67は、人感センサ15の人体の検出に応じてLEDランプ32の点灯状態を制御する検知信号を制御装置5に出力するように、回路基板72に電気回路が形成されている。また、センサユニット67は、スイッチ18に接続されていて、スイッチ18の選択に応じた制御信号を制御装置5に出力するように形成されている。
【0079】
センサユニット67は、リード線73により制御装置5に接続されている。リード線73は、図5において、器具本体33のフランジ部48の図示しない挿通孔から器具本体33の外面33e側に導かれ、当該外面33e上に沿って配設され、天板49の突出部49cの下面49b側に配設されている制御装置5に接続されている。なお、リード線73は、複数本からなっている。また、リード線71も複数本からなっている。
【0080】
スイッチ18は、図8に示すように、回路基板72に実装されたスイッチ本体74と、選択的に手動操作される操作子75を有して形成されている。回路基板72は、環状溝64に沿う長形の形状に形成されて、環状溝64内に設けられている。スイッチ本体74は、その操作子75が環状体60の切り欠き部66から外壁面60dに露出するように回路基板72に実装されている。すなわち、操作子75は、環状体60の外壁面60dに設けられていて、環状体60の外側から操作可能となっている。
【0081】
スイッチ18は、人感センサ15が人体を検出しなくなった時点からLEDランプ32を消灯させる遅延時間を設定するものである。すなわち、操作子74を環状体60の外壁面60dに表示している例えば「10秒」、「1分」、「3分」の位置(図示しない。)に移動させることにより、人感センサ15が人体を検出しなくなった時点から制御装置5に設けられているタイマーがカウントを開始し、LEDランプ32は、当該設定時間後に消灯される。
【0082】
こうして、検知装置4は、環状体60の内部に形成された環状溝64に収納されて、制御装置5に接続されている。そして、検知装置4は、環状体60に収納されていることにより、器具本体33のフランジ部48に取り付けられている。
【0083】
そして、人感センサ15は。図7に示すように、器具本体33直下の所定領域に入場する人体を検出する。ここでは、所定領域は、LEDランプ32の直接光および器具本体33の反射光で照明される照明領域よりも幾分広く形成されている。
【0084】
次に、本発明の第2の実施形態の作用について述べる。
【0085】
人体が所定領域の境界付近に達すると、人感センサ15が人体を検出し、検知装置4から検知信号が出力される。制御装置5は、当該検知信号に応じてLEDランプ32が所定の低光度(例えば定格点灯の20%)で点灯するように点灯装置3を制御する。これにより、器具本体33の開口47より所定の低光度の照明光が出射され、照明領域が照明される。
【0086】
そして、人体が所定領域の内側に入場すると、制御装置5は、検知装置4から再び出力された検知信号に応じて、LEDランプ32が定格点灯するように点灯装置3を制御する。これにより、照明領域は、定格点灯の照明光に明るく点灯される。
【0087】
また、所定領域に達した人体が所定領域内に入場せずに所定領域外に移動すると、検知装置4から人体の検知信号が出力されないので、制御装置5は、LEDランプ32が所定の低光度で継続して点灯するように点灯装置3を制御する。
【0088】
そして、制御装置5は、検知装置4から直近の検知信号を入力した時点からスイッチ18で設定された遅延時間後にLEDランプ32が消灯するように点灯装置3を制御する。
【0089】
本実施形態によれば、フランジ部48にその下方に人感センサ15が露出するように検知装置4が配設された埋込形照明器具(ダウンライト)31において、人感センサ15が人体を検出する所定領域内に人体が完全に入場しないときには、設定された遅延時間に亘ってLEDランプ32を所定の低光度で点灯させるので、LEDランプ32が定格点灯されるよりも消費電力を削減することができ、無駄な電力消費を抑制できるという効果を有する。
【0090】
なお、本実施形態において、人感センサ15は、検出対象である人体を検出できれば、環状体60の下面60bから突出させるように設けなくてもよく、開口65に正対するように環状溝64内に設けられてもよい。また、光源として、GX53形のLEDランプ32で説明したが、これに限らず、LED電球など、発光ダイオード2の照明光を放射するものであればよい。
【0091】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0092】
図11および図12は、本発明の第3の実施形態を示し、図11はセンサ付き照明器具の概略斜視図、図12は管形発光ランプが装着されていないときのセンサ付き照明器具の一部切り欠き概略側面図である。なお、図1と同一部分および同一部分に相当する部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0093】
図11において、センサ付き照明器具81は、天井面に設置されるものであり、器具本体82、図1に示す照明制御装置1、すなわち直管形LEDランプ83、点灯装置3、検知装置4および制御装置5を有して構成されている。器具本体82は、冷間圧延鋼板等によって形成され、ソケット84,85を除いて従来の直管形蛍光ランプが装着される既知の構成を成している。
【0094】
直管形LEDランプ83は、長尺の円筒状であって透光性を有する直管バルブ86内に発光ダイオード2(図示しない。)が配設され、直管バルブ86の長手方向両端にそれぞれ口金87,88を配設している。発光ダイオード2は、長尺の基板に実装されて直管バルブ86内に収納されている。
【0095】
器具本体82は、その長手方向の両端側82a,82bに2個の直管形LEDランプ83が着脱されるソケット84,85を一対取り付けている。一方のソケット84は、直管形LEDランプ83の口金87に設けた一対の給電用接触子(図示しない。)が差し込まれて接続される構造に形成されている。また、他方のソケット85は、直管形LEDランプ83の口金88に設けた1個の接地用接触子(図示しない。)が差し込まれて接続される構造に形成されている。
【0096】
そして、図12に示すように、器具本体82は、天井面に図示しないねじ等により取り付けられる基台89と、器具本体82にねじ90により固定された反射体91を備えている。基台89は、長形の略長方形に形成され、反射体91は、長形であって長手方向と直交する断面が略五角形である箱状に形成されている。
【0097】
点灯装置3、検知装置4および制御装置5は、基台89に取り付けられ、図1に示すように配線されている。また、人感センサ15は、反射体91の長手方向略中央部であって短手方向中央部に下方に露出するように、反射体91に取り付けられている。
【0098】
点灯装置3は、図示しない一対の出力線が一方のソケット84に接続され、図示しないアース線が他方のソケット85に接続されている。こうして、直管形LEDランプ83、点灯装置3、検知装置4および制御装置5は、器具本体82に配設されている。
【0099】
本実施形態のセンサ付き照明器具81は、人感センサ15が人体を検出した後に人体が所定領域内に完全に入場しないときには、設定された遅延時間に亘って直管形LEDランプ83を所定の低光度で点灯させるので、人体が所定領域内に入場しないことによる無駄な電力消費を抑制できるという効果を有する。
【0100】
なお、センサ付き照明器具81は、天井等に設置される直付け形照明器具で説明したが、これに限らず、吊り下げ形照明器具などであってもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…センサ付き照明制御装置、 2…発光ダイオード、 3…点灯装置、 4…検知装置、 5…制御装置、 31,81…センサ付き照明器具、 33,82…器具本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードと;
この発光ダイオードを点灯させる点灯装置と;
人体の検出に応じて検知信号を出力する検知装置と;
人体が所定領域内に入場したことを前記検知装置が検出したときに前記発光ダイオードを所定の低光度で点灯させ、この後の所定期間内に前記検知装置が再び人体を検出したときに前記発光ダイオードを前記低光度よりも高い光度で点灯させるように前記点灯装置を制御する制御装置と;
を具備していることを特徴とするセンサ付き照明制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のセンサ付き照明制御装置と;
この照明制御装置を配設している器具本体と;
を具備していることを特徴とするセンサ付き照明器具。
【請求項1】
発光ダイオードと;
この発光ダイオードを点灯させる点灯装置と;
人体の検出に応じて検知信号を出力する検知装置と;
人体が所定領域内に入場したことを前記検知装置が検出したときに前記発光ダイオードを所定の低光度で点灯させ、この後の所定期間内に前記検知装置が再び人体を検出したときに前記発光ダイオードを前記低光度よりも高い光度で点灯させるように前記点灯装置を制御する制御装置と;
を具備していることを特徴とするセンサ付き照明制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のセンサ付き照明制御装置と;
この照明制御装置を配設している器具本体と;
を具備していることを特徴とするセンサ付き照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−30415(P2013−30415A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166914(P2011−166914)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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