説明

センサ制御装置

【課題】 回路基板上に設けた感温素子による回路基板20の温度の検出結果に応じ、ガスセンサによる特定ガスの濃度の検出結果を補正することで、特定ガスの濃度の検出をより精度よく行うことができるセンサ制御装置を提供する。
【解決手段】 NOxセンサのセンサ制御装置2では、回路基板20上において、比較的大きな電流が扱われるヒータ駆動回路28よりも、NOx濃度を検出するための微弱な電流Ip2が扱われるIp2セル制御回路27や、酸素濃度を検出するための微弱な電流Ip1が扱われるIp1セル/Vsセル制御回路26の近くに温度センサ29を配置している。そして、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27を構成する電子部品が回路基板20の温度に影響されることにより濃度の検出値に生じ得る誤差に対し、温度センサ29により検出した回路基板20の温度に応じた補正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定ガスの検出を行う検出素子を有するガスセンサと電気的に接続され、そのセンサの駆動制御を行うセンサ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特定ガスの検出を行うガスセンサの一例として、排気ガス中のNOx濃度の検出を行うNOxセンサが知られている。NOxセンサは固体電解質体から構成される第1酸素ポンプセルにより排気ガスに対し酸素の汲み入れ・汲み出しを行い排気ガス中の酸素濃度を調整した上で、排気ガスに含まれるNOx由来の酸素を運搬し、その時固体電解質体から構成される第2酸素ポンプセルに流れる電流に基づきNOx濃度を検出するものである。固体電解質体は常温で非導電性であり、加熱されることにより活性化して酸素の運搬が可能となる。このため、NOxセンサには固体電解質体の加熱を行うためのヒータ素子が併設されている。
【0003】
ところで加熱により活性化する固体電解質体は温度依存性があり、ヒータ素子による加熱以外にも高温の排気ガスに晒されることで熱の影響を受ける。NOx濃度検出のための電流は微弱であり、固体電解質体が周囲の温度の影響を受けその抵抗値が変化すると、濃度検出結果にも影響が及ぶ虞がある。こうしたことから固体電解質体の温度を検出し、フィードバック制御によりヒータ素子による加熱の安定化を図りつつ、目標温度との間にずれが生じた場合には、濃度検出結果に対し、温度のずれに応じた補正を行い、濃度検出の精度を高めている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−288595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的な電子部品には周囲の温度に対する温度依存性があり、センサの制御を行うセンサ制御装置の回路基板上に配設される電子部品が周囲の温度の影響(より具体的には、自身が配置される回路基板を介して伝導される熱の影響であり、すなわち回路基板の温度変動による影響)を受けた場合に、NOx濃度の検出電流の検出結果にずれが生ずる場合があった。そこで、温度依存性の少ない電子部品を用いて回路を構成することが考えられるが、こうした電子部品は高価であり、部品コストの高騰を招く虞があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、回路基板上に設けた感温素子による回路基板の温度の検出結果に応じ、ガスセンサによる特定ガスの濃度の検出結果を補正することで、特定ガスの濃度の検出をより精度よく行うことができるセンサ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のセンサ制御装置は、特定ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力する検出素子を有するガスセンサと離れた位置に配置され、前記ガスセンサと信号線を介し電気的に接続される回路基板を備えており、前記回路基板上に、前記ガスセンサの制御を行うと共に、前記濃度対応信号に基づいてガス濃度情報を算出し、前記ガス濃度情報を外部回路に出力する検出素子駆動部を実装してなるセンサ制御装置であって、前記回路基板上に、当該回路基板の温度に応じた温度対応信号を出力する感温素子と、前記温度対応信号に基づいて、前記回路基板の温度情報を算出する温度算出部と、前記検出素子駆動部により算出された前記ガス濃度情報を、前記温度算出部により算出された前記温度情報にて補正する濃度情報補正部とを実装してなることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明のセンサ制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記ガスセンサは、前記検出素子の活性化を行うためのヒータ素子を有しており、前記回路基板上に、前記ヒータ素子に駆動用の電流を流すヒータ素子駆動部が実装されており、前記回路基板上において、前記感温素子が、前記ヒータ素子駆動部の配置位置よりも前記検出素子駆動部の配置位置に近い位置、もしくは前記検出素子駆動部の配置位置内に配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明のセンサ制御装置は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記ガスセンサは被測定ガス中における前記第1特定ガスであるNOxの濃度を検出するNOxセンサであり、前記検出素子は、第1拡散抵抗部を介して被測定ガスが導入される第1検出室と、第1固体電解質体および当該第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極を有し、前記一対の第1電極のうちの一方の電極が前記第1検出室内に配置され、前記第1検出室に導入された被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素ポンプセルと、前記第1検出室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた排気ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2検出室と、第2固体電解質体および当該第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極を有し、前記一対の第2電極のうちの一方の電極が前記第2検出室内に配置され、前記第2検出室におけるNOx濃度に応じて電流が流れる第2酸素ポンプセルとを備え、前記濃度対応信号は、NOx濃度に応じて前記第2酸素ポンプセルに流れる電流に基づき得られる第1濃度対応信号であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明のセンサ制御装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記ガスセンサは、前記検出素子の活性化を行うためのヒータ素子を有しており、前記回路基板上に、前記ヒータ素子に駆動用の電流を流すヒータ素子駆動部が実装されており、前記回路基板上における前記検出素子駆動部の配置位置と前記ヒータ素子駆動部の配置位置とは互いに離間してなり、前記検出素子駆動部は、第1酸素ポンプセルに電圧を印加して当該第1酸素ポンプセルに電流を流す第1セル制御回路と、前記ヒータ素子駆動部からの距離が前記第1セル制御回路よりも遠ざかる位置に配置されると共に、前記第2酸素ポンプセルに電圧を印加して当該第2酸素ポンプセルに電流を流す第2セル制御回路と、を有し、前記感温素子は、前記回路基板上において、前記ヒータ素子駆動部の配置位置よりも前記検出素子駆動部の配置位置に近い位置、もしくは前記検出素子駆動部の配置位置内に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明のセンサ制御装置は、請求項3または4に記載の発明の構成に加え、前記濃度対応信号は、前記第1濃度対応信号の他に、前記第1酸素ポンプセルによって前記第1検出室に導入された被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われる際に、その被測定ガス中における第2特定ガスである酸素の濃度に応じて前記第1酸素ポンプセルに流れる電流に基づき得られる第2濃度対応信号を含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明のセンサ制御装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記感温素子は前記回路基板に接触し、前記回路基板の温度を検出するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
ガスセンサの検出素子から出力される濃度対応信号は、mAあるいはμAオーダの微弱な電流であり、回路基板上の電子部品が回路基板の温度の影響を受け、その挙動にバラツキが生じた場合に、特定ガスの濃度の検出結果に影響を及ぼす場合がある。そこで、請求項1に係る発明のセンサ制御装置では、感温素子を回路基板上に設け、特定ガスの濃度の検出結果に対して回路基板の温度の検出結果(温度情報)に応じた補正を行っている。これにより、回路基板の温度の変化によって回路基板上の電子部品がその影響を受け、特定ガスの濃度の検出結果に誤差を生じても、補正により正確な検出結果を得ることができる。なお、本発明のセンサ制御装置によれば、電子部品として温度特性の比較的大きい安価なものを用いても、特定ガスの濃度の検出精度を低下させることがなくなるため、生産コストを低減できる。
【0013】
ところで、ガスセンサに設けられるヒータ素子には当該ヒータ素子を加熱させるために比較的大きな電流を流すので、ヒータ素子駆動部では回路基板上に設けられた電子部品に発熱を生ずる場合がある。そこで請求項2に係る発明のように、感温素子をヒータ素子駆動部の配置位置よりも検出素子駆動部の配置位置に近い位置、もしくは検出素子駆動部の配置位置内に配置すれば、微弱電流を扱う検出素子駆動部を構成する電子部品が受ける回路基板の温度の影響を捉えるべく、回路基板の温度を正確に検出することができる。従ってガス濃度情報(濃度対応信号)に対し、検出素子駆動部における回路基板の温度の影響により生じうる誤差の補正を正確に行うことができ、濃度検出の結果の精度を高めることができる。
【0014】
このように、ガスセンサによる特定ガスの検出精度を高めることができるセンサ制御装置は、請求項3に係る発明のように、NOx濃度に応じて第2酸素ポンプセルを流れる電流を反映した第1濃度対応信号を濃度対応信号の1つとして扱うNOxセンサのように、微弱な電流を扱うガスセンサに用いると好適であり、電子部品が受ける回路基板の温度の影響を考慮した補正を行えば、NOx濃度の検出精度を向上することができる。とりわけ、第1酸素ポンプセルと第2酸素ポンプセルとから構成される検出素子を有するNOxセンサでは、第2酸素ポンプセルを流れる電流がμAオーダの大きさであるため、温度の影響を考慮した補正を行うことは、非常に有益となる。
【0015】
なお、このようなNOxセンサにおいても、検出素子を加熱するためにヒータ素子が設けられることがあり、ヒータ素子を通電するためのヒータ素子駆動部が検出素子駆動部を実装する回路基板上に実装されることがある。ただし、ヒータ素子には当該ヒータ素子を加熱させるために比較的大きな電流を流すので、ヒータ素子駆動部では回路基板上に設けられた電子部品に発熱を生ずる場合がある。また、第1酸素ポンプセルと第2酸素ポンプセルとから構成されるNOxセンサでは、第1酸素ポンプセルに流れる電流(通常、mAオーダ)と比較して、第2酸素ポンプセルに流れる電流はμAオーダと小さいため、第1セル制御回路と第2セル制御回路とを比較すると、第2セル制御回路の通電回路に流れる電流の方が、回路基板の温度の変動の影響を受け易い傾向がある。
【0016】
そこで、請求項4に係る発明のように、検出素子駆動部を構成する第1セル制御回路、および、第2セル制御回路を回路基板上に配置させるにあたり、第2セル制御回路を、第1セル制御回路と比べて、ヒータ素子駆動部よりも遠ざかる位置に配置させた上で、感温素子をヒータ素子駆動部の配置位置よりも検出素子駆動部の配置位置に近い位置、もしくは検出素子駆動部の配置位置内に配置することが好ましい。このような構成を図ることで、第2セル制御回路を、第1セル制御回路と比べて、ヒータ素子駆動部よりも遠ざかる位置に配置させている関係上、ヒータ素子駆動部による発熱の影響が及び難く、第2セル制御回路での回路基板の温度変動が比較的小さく抑えられることになる。その結果、第1濃度対応信号に重畳する回路基板の温度変動の影響を小さくすることが可能となる。その上で、本発明では、感温素子をヒータ素子駆動部の配置位置よりも検出素子駆動部の配置位置に近い位置、もしくは検出素子駆動部の配置位置内に配置し、検出素子駆動部を構成する電子部品が受ける回路基板の温度を正確に検出するようにしているので、第1濃度対応信号に対する回路基板の温度の影響により生じうる誤差の補正の精度をより一層高めることができる。
【0017】
また、請求項5に係る発明のように、第1酸素ポンプセルと第2酸素ポンプセルとから構成される検出素子を有するNOxセンサにおいて、酸素濃度に応じて第1酸素ポンプセルを流れる微弱な電流を反映した第2濃度対応信号についても、温度補正される対象の濃度対応信号として扱ってもよい。このように、第2濃度対応信号に対して、電子部品が受ける回路基板の温度の影響を考慮した補正を行えば、酸素濃度の検出精度を向上することができる。
【0018】
また、回路基板上の電子部品が受ける熱の影響は、他の電子部品からの空気中の放射熱による影響よりも、回路基板を伝わる伝導熱による影響の方が大きい。そこで請求項6に係る発明のように、感温素子を回路基板に接触させ、回路基板を伝わる伝導熱を検出すれば、電子部品が受ける回路基板の温度の影響によって生じたガス濃度情報(濃度対応信号)への影響を正確に補正し、特定ガスの濃度検出をより精度よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化したセンサ制御装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照し、被測定ガスである排気ガス中における第1特定ガスとしてのNOxの濃度、第2特定ガスとしての酸素の濃度を検出することができるNOxセンサ10の制御を行うセンサ制御装置2を本発明に係るセンサ制御装置の一例とし、そのセンサ制御装置2が取り付けられる内燃機関1の概略的な構成について説明する。図1は、内燃機関1の排気系周りの概略的な構成を示す図である。
【0020】
図1に示す内燃機関1は自動車を駆動するためのエンジン5を有し、このエンジン5には、エンジン5から排出される排気ガスを車外に放出するための排気管6が接続されている。排気管6の経路上には排気ガスの浄化を行うためのNOx選択還元触媒7が設けられている。NOx選択還元触媒7は、公知の化学反応によってNOx還元剤と反応させて無害なN2とH2Oとに還元する触媒である。図示しないが、NOx選択還元触媒7の上流側(排気ガスの流路上流側)には、排気管6内を流れる排気ガスに対し尿素水を噴射するためのインジェクタが設けられている。
【0021】
そして、排気管6の経路上でNOx選択還元触媒7の下流側には、NOx選択還元触媒7を通過した排気ガス中のNOxの濃度を検出するためのNOxセンサ10が配設されている。NOxセンサ10は、自身とは離れた位置に配設されるセンサ制御装置2とハーネス(信号線束)4を介して電気的に接続されており、センサ制御装置2によって制御されてNOx濃度の検出を行う。センサ制御装置2はバッテリ8から電力の供給を受けて駆動し、NOxセンサ10を用いて検出したNOx濃度の検出信号を、CAN(車載用ネットワーク)91を介して接続されたエンジン制御装置(ECU)9に出力する。
【0022】
次に、センサ制御装置2とNOxセンサ10の詳細について説明する。図2は、センサ制御装置2と、センサ制御装置2に接続されたNOxセンサ10の概略的な構成を示す図である。なお、図2において、NOxセンサ10のセンサ素子100は、先端側部分における内部構造を示す断面図をもって図示しており、図中左側がセンサ素子100の先端側となっている。
【0023】
図2に示すNOxセンサ10は、細長で長尺な板状体の形状をなすセンサ素子100を、排気管6(図1参照)に取り付けるためのハウジング(図示外)内で保持した構造を有する。NOxセンサ10からは、このセンサ素子100の出力する信号を取り出すためのハーネス4が引き出されており、上記のようにNOxセンサ10とは離れた位置に取り付けられるセンサ制御装置2のセンサ端子部30に接続され、NOxセンサ10とセンサ制御装置2とが電気的に接続されている。
【0024】
まず、センサ素子100の構造について説明する。センサ素子100は、3枚の板状の固体電解質体111,121,131の間にアルミナ等からなる絶縁体140,145をそれぞれ挟み、層状をなすように形成したものである。また、固体電解質体131側の外層(図1における下側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層181,182を積層し、その間にPtを主体とするヒータパターン183を埋設したヒータ素子180が設けられている。
【0025】
固体電解質体111,121,131はジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。センサ素子100の積層方向において固体電解質体111の両面には、固体電解質体111を挟むように多孔質性の電極112,113がそれぞれ設けられている。この電極112,113は、PtまたはPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成されている。また、電極112,113の表面上にはセラミックスからなる多孔質性の保護層114が設けられており、電極112,113が排気ガスに含まれる被毒成分に晒されることにより劣化しないように保護している。なお、固体電解質体111および固体電解質体131が、それぞれ、本発明における「第1固体電解質体」および「第2固体電解質体」に相当する。
【0026】
固体電解質体111は、両電極112,113間に電流を流すことで、電極112の接する雰囲気(センサ素子100の外部の雰囲気)と電極113の接する雰囲気(後述する第1測定室150内の雰囲気)との間で、酸素の汲み出しおよび汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行うことができる。本実施の形態では、固体電解質体111および電極112,113を、Ip1セル110と称することとする。なお、Ip1セル110が、本発明における「第1酸素ポンプセル」に相当し、電極112,113が、本発明における「一対の第1電極」に相当する。
【0027】
次に、固体電解質体121は、絶縁体140を挟んで固体電解質体111と対向するように配置されている。センサ素子100の積層方向における固体電解質体121の両面にも、固体電解質体121を挟むように多孔質性の電極122,123がそれぞれ設けられており、同様に、PtまたはPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成されている。そのうちの電極122は、固体電解質体111と向き合う側の面に形成されている。
【0028】
また、固体電解質体111と固体電解質体121との間には小空間としての第1測定室150が形成されており、固体電解質体111側の電極113と、固体電解質体121側の電極122とが第1測定室150内に配置されている。この第1測定室150は、排気管6(図1参照)内を流通する排気ガスがセンサ素子100内に最初に導入される小空間である。第1測定室150のセンサ素子100における先端側には、第1測定室150内外の仕切りとして、第1測定室150内への排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質性の第1拡散抵抗部151が設けられている。同様に、第1測定室150のセンサ素子100における後端側にも、後述する第2測定室160につながる開口部141と第1測定室150との仕切りとして、ガスの単位時間あたりの流通量を制限する第2拡散抵抗部152が設けられている。なお、第1測定室150が、本発明における「第1検出室」に相当する。
【0029】
固体電解質体121および両電極122,123は、主として、固体電解質体121により隔てられた雰囲気(電極122の接する第1測定室150内の雰囲気と、電極123の接する基準酸素室170(後述)内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生することができるものである。本実施の形態では、固体電解質体121および電極122,123を、Vsセル120と称することとする。
【0030】
次に、固体電解質体131は、絶縁体145を挟んで固体電解質体121と対向するように配置されている。固体電解質体131の固体電解質体121側の面にも同様に、PtまたはPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成された多孔質性の電極132,133がそれぞれ設けられている。なお、電極132,133が、本発明における「一対の第2電極」に相当する。
【0031】
電極132が形成された位置には絶縁体145が配置されておらず、独立した小空間としての基準酸素室170が形成されている。この基準酸素室170内には、Vsセル120の電極123が配置されるようにもなっている。なお、基準酸素室170内には、セラミック製の多孔質体が充填されている。また、電極133が形成された位置にも絶縁体145が配置されておらず、基準酸素室170との間に絶縁体145を隔て、独立した小空間としての第2測定室160が形成されている。そして、この第2測定室160に連通するように、固体電解質体121および絶縁体140のそれぞれに開口部125および開口部141が設けられており、前述したように、第1測定室150と開口部141とが、間に第2拡散抵抗部152を挟んで接続されている。
【0032】
固体電解質体131および両電極132,133は、絶縁体145により隔てられた雰囲気(電極132が晒される雰囲気と、電極133の接する第2測定室160内の雰囲気)間にて酸素の汲み出しを行うことができるものである。本実施の形態では、固体電解質体131および両電極132,133を、Ip2セル130と称することとする。なお、Ip2セル130が、本発明における「第2酸素ポンプセル」に相当する。
【0033】
次に、NOxセンサ10のセンサ素子100と電気的に接続されたセンサ制御装置2の構成について説明する。センサ制御装置2の有する回路基板20上には、マイクロコンピュータ22、Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27、ヒータ駆動回路28、温度センサ29等が実装され、同様に実装された電源回路21からそれぞれ電力の供給を受けている。電源回路21は、外部回路端子部31のBATポート,GNDポートを通じて接続されたバッテリ8から電力の供給を受け、上記の各回路に供給する電流や電圧の安定化を行う。
【0034】
マイクロコンピュータ22は、公知の構成のCPU23、ROM24およびRAM25を内蔵している。また、外部回路端子部31のCAN(+)ポート,CAN(−)ポートを通じて接続されたCAN91を介してECU9と通信すると共に、A/Dコンバータ222を介してIp1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27、および温度センサ29と接続される信号入出力部221を有する。
【0035】
Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27およびヒータ駆動回路28は、マイクロコンピュータ22による制御を受けて、NOxセンサ10のセンサ素子100を用いた排気ガス中のNOx濃度の検出を行う。Ip1セル/Vsセル制御回路26は、基準電圧比較回路261、Ip1ドライブ回路262、Vs検出回路263、およびIcp供給回路264から構成されている。基準電圧比較回路261は、Vs検出回路263に検出されたVsセル120の電極122,123間の電圧Vsを、基準となる基準電圧(例えば425mV)と比較するための回路であり、その比較結果をIp1ドライブ回路262に対し出力する。Ip1ドライブ回路262は、センサ端子部30のIP1ポート,COMポートを通じて接続されたIp1セル110の電極112,113間に電流Ip1を供給するための回路であり、基準電圧比較回路261の出力に基づいて電流Ip1の大きさや流れる向きを調整する。Vs検出回路263は、センサ端子部30のVSポート,COMポートを通じて接続された電極122,123間の電圧Vsを検出するための回路であり、その検出値を基準電圧比較回路261に対し出力する。Icp供給回路264は、Vsセル120の電極122,123間に電流Icpを供給し、第1測定室150内から基準酸素室170内への酸素の汲み出しを行っている。なお、Ip1セル110の第1測定室150側の電極113、Vsセル120の第1測定室150側の電極122、および後述するIp2セル130の第2測定室160側の電極133は、センサ端子部30のCOMポートを通じて基準電位に接続されている。なお、Ip1ドライブ回路262を含むIp1セル/Vsセル制御回路26が、本発明における「第1セル制御回路」に相当する。
【0036】
電流Ip1の大きさや流れる向きは、基準電圧比較回路261によるVsセル120の電極122,123間の電圧の比較結果に基づいて、Vsセル120の電極122,123間の電圧が予め設定された基準電圧と略一致するように調整される。その結果、Ip1セル110により、第1測定室150内からセンサ素子100外部への酸素の汲み出し、あるいはセンサ素子100外部から第1測定室150内への酸素の汲み入れが行われる。換言すると、Ip1セル110では、Vsセル120の電極122,123間の電圧が一定値(基準電圧の値)に保たれるように、第1測定室150内における酸素濃度の調整が行われる。
【0037】
次に、Ip2セル制御回路27は、Ip2検出回路271、およびVp2印加回路272から構成されている。Ip2検出回路271は、センサ端子部30のIP2ポートを通じて接続されたIp2セル130の電極132からCOMポートを通じて接続された電極133に流れた電流Ip2の値の検出を行う回路である。Vp2印加回路272は、Ip2セル130の電極132,133間へ電圧Vp2(例えば450mV)を印加するための回路であり、第2測定室160内から基準酸素室170へ酸素の汲み出しが行われる。なお、Ip2セル制御回路26が、本発明における「第2セル制御回路」に相当する。
【0038】
また、ヒータ駆動回路28は、CPU23により制御され、ヒータ素子180のヒータパターン183へ電流を流し、固体電解質体111,121,131(換言すると、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130)の加熱を行う回路である。さらにヒータ駆動回路28は、固体電解質体111,121,131が狙いとする温度になるように、ヒータパターン183をPWM通電制御してヒータパターン183に電流を流す公知の制御を行う。ヒータパターン183は、ヒータ素子180内で繋がる一本の電極パターンであり、一方の端部がセンサ端子部30のGNDポートを通じて接地され、他方の端部がHTRポートを通じてヒータ駆動回路28に接続されている。なお、ヒータ駆動回路28が、本発明における「ヒータ素子駆動部」に相当する。
【0039】
次に、本実施の形態のセンサ制御装置2には、回路基板20上に、回路基板20の温度を測定するための温度センサ29が実装されている。温度センサ29には、例えばチップ抵抗型のサーミスタが用いられ、一端が接地されており、他端が分圧抵抗291を介して電源回路21に接続されて、電力の供給を受ける。温度センサ29は回路基板20の温度に応じて抵抗値が変化するものであり、自身と分圧抵抗291との間の分圧点における電位Vtがその温度に応じて変化する。この分圧点の電位Vtが温度センサ29の検出値としてマイクロコンピュータ22のA/Dコンバータ222に入力されてA/D変換され、信号入出力部221を介してCPU23に入力される。なお、温度センサ29が、本発明における「感温素子」に相当し、電位Vtが、本発明における「温度対応信号」に相当する。
【0040】
次に、回路基板20上におけるセンサ制御装置2の各回路の概略的な配置構成について、図3を参照して説明する。図3は、センサ制御装置2の回路基板20上に搭載された電子部品等の概略的な配置構成を示す図である。
【0041】
図3に示すように、センサ制御装置2の回路基板20上には、電源回路21、マイクロコンピュータ22、Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27、ヒータ駆動回路28、温度センサ29、センサ端子部30、およびECU端子部(外部回路端子部)31が実装されている。センサ端子部30は、NOxセンサ10(図1参照)と接続するためのハーネス4の各線が接続される各端子(IP1,IP2,VS,COM,HTR,GNDポート)が列設された端子部であり、回路基板20の板面において、一縁端に寄って配置されている。外部回路端子部31は、このセンサ端子部30と並んで同一縁端に沿って配置されている。外部回路端子部31には、ECU9との通信用のCAN91、バッテリ8からの信号線、および接地用の信号線を接続するための各端子(CAN(+),CAN(−),BAT,GNDポート)が列設されている。なお、便宜上、回路基板20は矩形の板状をなすものとし、四方の縁端のうち、センサ端子部30や外部回路端子部31が配置された縁端を下端と称し、下端と反対側の縁端を上端と称する。また、残る2つの縁端のうち、センサ端子部30寄りの縁端を左端、外部回路端子部31寄りの縁端を右端と称して以下の説明を行うものとする。
【0042】
Ip2セル制御回路27はセンサ端子部30よりも上端側で左端に沿って配置されている。また、外部回路端子部31よりも上端側で右端寄りの位置には電源回路21とヒータ駆動回路28が配置され、そのうちの電源回路21がヒータ駆動回路28よりも上端側に配置されている。マイクロコンピュータ22はIp2セル制御回路27と電源回路21との間で上端寄りの位置に配置され、マイクロコンピュータ22とセンサ端子部30との間に、Ip1セル/Vsセル制御回路26が配置されている。Ip1セル/Vsセル制御回路26はIp2セル制御回路27と隣り合うように配置されており、ヒータ駆動回路28とは離れて配置されている。とりわけ、本実施形態では、Ip2セル制御回路27が、Ip1セル/Vsセル制御回路26に対して、ヒータ駆動回路28からより遠ざかる位置となるように、回路基板20上に、Ip1セル/Vsセル制御回路26とIp2セル制御回路27とが実装されている。そして、マイクロコンピュータ22とIp1セル/Vsセル制御回路26との間に、温度センサ29が配置されている。温度センサ29は、Ip2セル制御回路27にも隣接している。なお、Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27、電源回路21、ヒータ駆動回路28といった各回路は、回路基板20の片面に実装されていてもよく、また、当該各回路の実装領域(配置領域)が回路基板20の表裏面をみたときに重なるように、両面に実装されていてもよい。
【0043】
このような構成のセンサ制御装置2によって、NOxセンサ10のセンサ素子100を用いた排気ガス中のNOx濃度の検出が行われる。ここで、NOxセンサ10を用いたNOx濃度の検出の際の動作について説明する。図2に示す、NOxセンサ10のセンサ素子100を構成する固体電解質体111,121,131は、ヒータ駆動回路28から駆動電流が流されたヒータパターン183の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110、Vsセル120およびIp2セル130が動作するようになる。
【0044】
排気管6(図1参照)内を流通する排気ガスは、第1拡散抵抗部151による流通量の制限を受けつつ第1測定室150内に導入される。ここで、Icp供給回路264によりVsセル120には電極123から電極122側へ電流Icpが流されている。このため排気ガス中の酸素は、酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、電極122,123間で電流Icpが流されることによって、第1測定室150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれている。
【0045】
Vs検出回路263では電極122,123間の電圧が検出されており、基準電圧比較回路261により基準電圧(425mV)と比較されて、その比較結果がIp1ドライブ回路262に対し出力されている。ここで、電極122,123間の電位差が425mV付近で一定となるように、第1測定室150内の酸素濃度を調整すれば、第1測定室150内の排気ガス中の酸素濃度は所定値(10−8〜10−9atm)に近づくこととなる。
【0046】
そこで、Ip1ドライブ回路262では、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より薄い場合、電極112側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、センサ素子100外部から第1測定室150内へ酸素の汲み入れを行う。一方、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より濃い場合、Ip1ドライブ回路262は、電極113側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、第1測定室150内からセンサ素子100外部へ酸素の汲み出しを行う。このときの電流Ip1の大きさと流れる向きから、排気ガス中の酸素濃度の検出が可能である。
【0047】
このように、第1測定室150において酸素濃度が調整された排気ガスは、第2拡散抵抗部152を介し、第2測定室160内に導入される。第2測定室160内で電極133と接触した排気ガス中のNOxは、電極133を触媒としてN2とO2に分解(還元)される。そして分解された酸素は、電極133から電子を受け取り、酸素イオンとなって固体電解質体131内を流れ、基準酸素室170内に移動する。このとき、第1測定室150に残留する残留酸素も同様に、Ip2セル130によって基準酸素室170内に移動する。このため、Ip2セル130を流れる電流は、NOx由来の電流および残留酸素由来の電流となる。ここで、第1測定室で汲み残された残留酸素の濃度は所定値に調整されているため、その残留酸素由来の電流は略一定とみなすことができ、NOx由来の電流の変動に対する影響は小さい。従ってIp2セル130を流れる電流の変動は、NOx濃度に比例することとなる。センサ制御装置2では、Ip2検出回路271によりIp2セル130を流れる電流Ip2を検出し、その電流値から、公知の残留酸素由来のオフセット電流の補正計算処理を行い、排気ガス中のNOx濃度の検出を行うのである。なお、電流Ip1,Ip2(より詳細には、この電流Ip1、Ip2を電圧変換した信号)が、本発明における「第1濃度対応信号」、「第2濃度対応信号」にそれぞれ相当する一方、「濃度対応信号」に相当する。
【0048】
ところで、本実施の形態のセンサ制御装置2では、回路基板20上に当該回路基板20の温度の検出を行う温度センサ29を設け、その配置位置を、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27の配置位置に近い位置としている。Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27で取り扱われる電流Ip1はmAオーダ、電流Ip2はμAオーダとそれぞれ微弱な電流であり、これらの回路に用いられる電子部品が回路基板20の温度の影響を受けた場合には、NOx濃度の検出値に誤差を生ずる虞がある。例えば、差動増幅回路に用いられる抵抗の場合、抵抗値が温度により変化すると増幅率が変わってしまい、その結果、NOx濃度の検出値に誤差を生ずることとなる。一方、ヒータ駆動回路28や電源回路21では上記の電流Ip1、電流Ip2よりも大きな電流が扱われ、回路基板20の温度の影響を受けても生ずる誤差が小さく、自身の作動状態や作動結果には反映されにくい。また、大電流を扱うが故に回路上の電子部品に発熱を生ずる場合がある。そこで本実施の形態では、ヒータ駆動回路28や電源回路21など、回路基板20の温度の影響が反映されにくい回路よりも、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27など、回路基板20の温度の影響が反映されやすい回路の近くに、温度センサ29を配置している。そして、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27を構成する電子部品が影響を受ける回路基板20の温度を正確に検出し、予め求めておいた回路基板20の温度とNOx濃度の検出値に生ずる誤差との関係に基づいて、NOx濃度の検出値に対する補正を行っている。
【0049】
なお、第1酸素ポンプセルに流れる電流、即ち、Ip1セル/Vsセル制御回路26で取り扱われる電流Ip1がmAオーダであるのに比して、第2酸素ポンプセルに流れる電流、即ち、Ip2セル制御回路27で取り扱われる電流Ip2はμAオーダと小さいため、電流Ip1に対して電流Ip2に流れる電流の方が回路基板20の温度の変動の影響を受け易い傾向がある。そこで、本実施形態では、Ip2セル制御回路27を回路基板20上に配置させるにあたり、Ip2セル制御回路27を、回路基板20の表面に沿って見たときに、Ip1セル/Vsセル制御回路26と比べて、ヒータ素子駆動回路28よりも遠ざかる位置に配置させている(図3参照)。これにより、ヒータ駆動回路28による発熱の影響がIp2セル制御回路27に及び難くなり、Ip2セル制御回路27での回路基板20の温度変動の影響を小さく抑えるようにしている。その上で、温度センサ29の配置位置を、ヒータ素子駆動回路28よりもIp1セル/Vsセル制御回路26及びIp2セル制御回路27の配置位置に近づくように設定している。そのため、NOx濃度の検出値に対する補正の精度を良好に確保できるというメリットがある。
【0050】
以下、図2,図4を参照し、回路基板20の温度の検出値に応じて行われるNOx濃度の検出値に対する補正について説明する。図4は、NOx濃度補正処理のフローチャートである。なお、NOx濃度補正処理は、センサ制御装置2によりNOxセンサ10の制御を行うメインプログラム(図示外)からコールされるサブルーチンのうちの1つであり、マイクロコンピュータ22のROM24に記憶され、CPU23により実行される。図4に示すフローチャートの各ステップについては「S」と略記する。
【0051】
センサ制御装置2のメインプログラム(図示外)では、NOx濃度補正処理を含む複数のサブルーチンを実行する時期や条件の管理を行っており、図4に示す、NOx濃度補正処理は、そのメインプログラムからコールされることにより実行される。このNOx濃度補正処理がコールされる前にはNOx濃度の検出を行う処理(図示外)がコールされ、前述した動作に従いNOxセンサ10を制御して得られたNOx濃度の検出値が、RAM25に記憶された状態となっている。
【0052】
図4に示すように、NOx濃度補正処理がコールされると、まず、温度センサ29の検出値の取得が行われる(S11)。具体的には、図2に示すように、温度センサ29と分圧抵抗291との間に生ずる電位Vtが、回路基板20の温度に応じて温度センサ29の抵抗値が変化することにより変化する。この電位Vt(温度対応信号)が検出値として、A/Dコンバータ222を介してCPU23に入力される。
【0053】
温度センサ29の検出値と回路基板20の温度との関係は、予め実験等により、関係式あるいはテーブルとして求められており、ROM24に記憶されている。温度センサ29の検出値がその関係式に代入されることにより、あるいはそのテーブルの参照により換算が行われ、温度センサ29の検出した回路基板20の温度(温度情報)が求められる(S12)。
【0054】
そして、求められた回路基板20の温度(温度情報)が35℃より大きかった場合には(S15:YES)、RAM25に記憶されたNOx濃度の検出値に対し、高温時の補正が行われる(S16)。この補正は、予め求められROM24に記憶された補正式に、回路基板20の温度とNOx濃度の検出値とが代入され、NOx濃度の補正値が算出されることにより行われる。
【0055】
なお、この補正式は、例えば製品検査時に以下のように作成され、ROM24に記憶される。まず、回路基板20の温度が35℃になるように回路基板20を加熱(あるいは冷却)し、センサ端子部30のIp2ポートに0μAの電流を流す。すなわち、擬似的にNOx濃度が0ppmである状態とする。この状態で通常のNOx濃度の検出処理を行い、図5に示す、検出値P35を得る。次に、回路基板20の温度が100℃になるように加熱し、同様に、センサ端子部30のIp2ポートに0μAの電流を流した状態でNOx濃度の検出処理を行い、検出値P100を得る。そして得られた回路基板20の温度とNOx濃度の検出値との関係から関係式Q(直線式)を求める。この関係式Qは、電子部品の温度依存性が少ない場合であれば、その傾きがほぼ0に等しくなる。従って、関係式Qを用い、回路基板20の温度が35℃より大きな任意の温度TにおけるNOx濃度の検出値PTを、回路基板20の温度が35℃であるときのNOx濃度の検出値P35に一致させるための補正係数Kを求める式を導き、P×Kを補正式としてROM24に記憶させる。
【0056】
S16におけるNOx濃度の高温時の補正処理では、この補正式PT×KHを用いて求められたNOx濃度の補正値で、RAM25に記憶された元のNOx濃度の検出値を上書きし、補正処理を完了する。その後、メインプログラム(図示外)に戻る。
【0057】
また、S12で求められた回路基板20の温度(温度情報)が35℃未満であった場合も同様に(S15:NO,S20:YES)、RAM25に記憶されたNOx濃度の検出値に対し、低温時の補正が行われる(S21)。この場合にも同様に、予め製品検査時などに補正式P×Kを作成してROM24に記憶させておく。すなわち、回路基板20の温度を35℃とした場合にIp2ポートに0μAの電流を流した状態でNOx濃度の検出処理を行って得た検出値P35と、−40℃にした場合に得た検出値P−40とを用い、関係式Rを求める(図5参照)。そして関係式Rを用い、回路基板20の温度が35℃未満の任意の温度TにおけるNOx濃度の検出値Pを、回路基板20の温度が35℃であるときのNOx濃度の検出値P35に一致させるための補正係数KLを求める式を導き、P×Kを補正式としてROM24に記憶させる。S21におけるNOx濃度の低温時の補正処理では、この補正式P×Kを用いて求められたNOx濃度の補正値で、RAM25に記憶された元のNOx濃度の検出値を上書きし、補正処理を完了する。その後、メインプログラム(図示外)に戻る。
【0058】
そして、S12で求められた回路基板20の温度(温度情報)が35℃であった場合には(S15:NO,S20:NO)、補正は行わず、そのままメインプログラム(図示外)に戻る。なお、メインプログラムでは、NOx濃度補正処理の後に、RAM25に記憶されたNOx濃度の補正値をECU9に対し出力する。
【0059】
このように、本実施の形態のセンサ制御装置2では、回路基板20上に設けた温度センサ29により回路基板20の温度を検出し、回路基板20上の電子部品が回路基板20の温度に影響されることにより生じたNOx濃度の検出値に対する誤差を、その回路基板20の温度の検出結果に基づいて補正することで、NOx濃度の検出精度を高めることができる。さらに、回路基板20上において、回路基板20の温度の影響が反映されにくい回路の配置位置よりも、回路基板20の温度の影響が反映されやすい回路の配置位置の近くに温度センサ29を配置することで、狙いの回路が配置された位置における回路基板20の温度を正確に検出することができる。
【0060】
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。
例えば、本実施の形態では、回路基板20上における温度センサ29の配置位置を、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27の配置位置に近い位置としたが、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27の配置位置内としてもよい。また、ヒータ駆動回路28や電源回路21など回路基板20の温度の影響が反映されにくい回路の配置位置と、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27など回路基板20の温度の影響が反映されやすい回路の配置位置とが、互いに離間している構成とした。このような回路基板20上における電子部品の配置構成は、温度センサ29が狙いの回路が配置された位置における回路基板20の温度を検出する上で、他の回路の影響を受けにくくするためにも好ましい。こうした場合、例えば、回路基板20上で、回路基板20の温度の影響が反映されにくい回路の配置位置と回路基板20の温度の影響が反映されやすい回路の配置位置との間に仮想直線を描き、その仮想直線により分割される2つの領域のうち、回路基板20の温度の影響が反映されやすい回路が配置された側の領域に、温度センサ29を配置する構成としてもよい。
【0061】
また、各回路の中心位置を求め、ヒータ駆動回路28や電源回路21など回路基板20の温度の影響が反映されにくい回路の中心位置よりも、Ip1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27など回路基板20の温度の影響が反映されやすい回路の中心位置に近い位置に、温度センサ29を配置してもよい。なお、各回路の中心位置は、例えば、以下のように求める。まず、回路基板20上の任意の位置を原点として定め、個々の電子部品の配置位置を、原点に対する絶対座標で求める。そして一の回路を構成する全電子部品の座標の平均座標を求め、これをその回路の中心位置の座標とすればよい。このようにすれば、各回路を構成する電子部品の一部が互いに入り組んだ配置となっている場合であっても、環境温度の影響が反映されやすい回路側において回路基板20の温度を正確に検出できる位置に、温度センサ29を配置することができる。
【0062】
また、NOx濃度補正処理では、35℃を基準とし、35℃より大きい場合と小さい場合とに場合分けして異なる補正式を用い、NOx濃度の検出値に対する補正を行った。この温度条件は一例に過ぎず、場合分けの基準とする温度を35℃に限るものではない。また、高温時の補正式や低温時の補正式を求める際に基準ガスのNOx濃度の検出を行った温度についても、100℃や−40℃に限るものではない。また、補正式の代わりに回路基板20の温度と係数との関係をテーブルデータとして作成し、回路基板20の温度に応じて参照により得られた係数を元のNOx濃度の検出値に掛け合わせて補正値を求めてもよい。
【0063】
また、本実施の形態では一例として、他のプログラムによって得られたNOx濃度の検出値に対し、回路基板20の温度に応じた補正を行ったが、電流Ip2をデジタルデータに換算した値(以下、「Ip2デジタル値」という。)、つまり、NOx濃度の検出値としてECU9に出力される値への濃度換算が行われる前のデータに対し、回路基板20の温度情報に応じた補正を行ってもよい。さらにはNOx濃度だけでなく、電流Ip1(第2濃度対応信号)に基づき得られる酸素濃度の検出値や、酸素濃度の検出値として濃度換算が行われる前のデータ、すなわち電流Ip1をデジタルデータに換算した値(以下、「Ip1デジタル値」という。)に対しても同様に、回路基板20の温度に応じた補正を行ってもよい。その具体的な補正方法の一例について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0064】
図6に示す、変形例としてのNOx濃度補正処理では、Ip1セル/Vsセル制御回路26およびIp2セル制御回路27からマイクロコンピュータ22に入力された電流Ip1および電流Ip2(より詳細には、電流Ip1,Ip2を電圧変換した信号)をA/D変換したデジタルデータ、すなわちIp1デジタル値およびIp2デジタル値に対し、それぞれ補正処理が行われる。なお、Ip1デジタル値およびIp2デジタル値は、メインルーチンからコールされる他のプログラム(図示外)の実行によって取得され、RAM25に記憶された状態となっている。変形例としてのNOx濃度補正処理がメインプログラム(図示外)からコールされると、まず、本実施の形態と同様に温度センサ29の検出値の取得が行われ(S11)、回路基板20の温度(温度情報)への換算が行われる(S12)。
【0065】
回路基板20の温度(温度情報)が35℃より大きかった場合(S15:YES)、まず、酸素濃度の高温時における補正係数αの導出が行われる(S17)。なお、この補正係数αは、予め製品検査時などに、本実施の形態で補正係数KHを求めた方法と同様の方法で回路基板20の温度との関係式として求めることができ、ROM24に記憶させておけばよい。具体的には回路基板20の温度を35℃にし、外部からIp1ポートに0μAの電流を流した状態で、Ip1セル/Vsセル制御回路26を介してマイクロコンピュータ22に入力されA/D変換されたIp1デジタル値U35と、100℃にした場合に得られたIp1デジタル値U100とを用い、その関係式を求める(図示外)。そして得られた関係式から、回路基板20の温度が35℃より大きい任意の温度TにおけるIp1デジタル値Uを、回路基板20の温度が35℃であるときのIp1デジタル値U35に一致させるための補正係数αを求める式を導き、ROM24に記憶させておく。S17では、S12で求められた回路基板20の温度を代入した補正計数αが導出され、RAM25に記憶される。
【0066】
次いで、NOx濃度の高温時における補正係数βHの導出が行われる(S18)。この補正係数βについても、予め製品検査時などに、補正係数αを求めた上記同様の方法で求め、ROM24に記憶させておけばよい。すなわち、Ip2ポートに0μAの電流を流した状態で、回路基板20の温度が35℃のときのIp2デジタル値V35と、100℃のときのIp2デジタル値V100、とを得て、任意の温度におけるIp2デジタル値Vと回路基板20の温度Tとの関係式を求め、回路基板20の温度が35℃であるときのIp2デジタル値V35に一致させるための補正係数βを求める式を導き、ROM24に記憶させておく。S18では、S12で求められた回路基板20の温度を代入した補正計数βが導出され、RAM25に記憶される。その後、S25に進む。
【0067】
一方、回路基板20の温度(温度情報)が35℃より小さかった場合(S15:NO,S20:YES)、同様に、酸素濃度の低温時における補正係数α導出と(S22)、NOx濃度の低温時における補正係数βの導出が行われる(S23)。なお、補正係数αは、予め製品検査時などに、Ip1ポートに0μAの電流を流した状態で、回路基板20の温度が35℃のときのIp1デジタル値U35と、−40℃のときのIp1デジタル値U−40、とを得て、35℃未満の任意の温度におけるIp1デジタル値Uと回路基板20の温度Tとの関係式を求め、回路基板20の温度が35℃であるときのIp1デジタル値U35に一致させるための補正係数αを求める式を導き、ROM24に記憶させておく。補正係数βも同様に、予め製品検査時などに、Ip2ポートに0μAの電流を流した状態で、回路基板20の温度が35℃のときのIp2デジタル値V35と、−40℃のときのIp2デジタル値U−40、とを得て、35℃未満の任意の温度におけるIp2デジタル値Vと回路基板20の温度Tとの関係式を求め、回路基板20の温度が35℃であるときのIp2デジタル値V35に一致させるための補正係数βを求める式を導き、ROM24に記憶させておく。S22で導出された補正係数αと、S23で導出された補正係数βとは、それぞれRAM25に記憶され、その後S25に進む。
【0068】
なお、S12で求められた回路基板20の温度(温度情報)が35℃であった場合には(S15:NO,S20:NO)、補正係数の導出は行われず、そのままS25に進む。
【0069】
次に、S25では、以下に示す(1)の式に基づき、酸素濃度の算出が行われる(S25)。
酸素濃度 = Ip1デジタル値U×Ip1ゲイン値−Ip1オフセット値×補正係数α(または補正係数α) ・・・ (1)
なお、Ip1ゲイン値およびIp1オフセット値は、センサ素子100の個体差を補正するために予め製品検査時に設定される所定の値であり、ここでは説明を省略する。
【0070】
次いで、以下に示す(2)の式に基づき、NOx濃度の暫定値(暫定NOx濃度)の算出が行われる(S26)。
暫定NOx濃度 = Ip2デジタル値V×Ip2ゲイン値−Ip2オフセット値×補正係数β(または補正係数β) ・・・ (2)
なお、Ip2ゲイン値およびIp2オフセット値は、センサ素子100の個体差を補正するために予め製品検査時に設定される所定の値であり、ここでは説明を省略する。
【0071】
そして、S25で求められた酸素濃度と、S26で求められた暫定NOx濃度とを用い、ECU9に出力するための最終的なNOx濃度の検出値(最終NOx濃度)の算出が、以下に示す(3)の式に基づき行われる(S27)。
最終NOx濃度 = 暫定NOx濃度/(酸素濃度×X+Y) ・・・ (3)
ただし、X,Yは0より大きい所定の係数とする。このようにして求められた最終NOx濃度はRAM25に記憶され、その後メインプログラム(図示外)に戻ってから、NOx濃度の検出値としてECU9に出力される。
【0072】
以上説明したNOx濃度の補正処理の変形例は、Ip1オフセット値やIp2オフセット値に対して補正を行う例であるが、Ip1ゲイン値やIp2ゲイン値に対して回路基板の温度の影響を考慮した補正を行ってもよい。この場合にIp1ゲイン値やIp2ゲイン値に掛け合わされる補正係数は、Ip1ポートやIp2ポートに流す電流の値を適宜異ならせた状態で上記のように回路基板20の温度を設定し、得られるIp1デジタル値やIp2デジタル値から求めればよい。この場合においても、本実施の形態のようにNOx濃度の検出値に対して補正を行ってもよい。
【0073】
また、温度センサ29の一例としてチップ抵抗型のサーミスタを例に説明したが、熱電対や白金測温抵抗体などを用いてもよい。また、回路基板20の温度を検出するにあたって、温度センサ29を回路基板20に接触させ、熱伝導による温度検出を行えば、電子部品が影響される回路基板20の温度をより正確に検出することができ、望ましい。また、本実施の形態のセンサ制御装置2はNOxセンサ10の制御装置としたが、酸素センサやHCセンサなどその他のガスセンサの制御装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】内燃機関1の排気系周りの概略的な構成を示す図である。
【図2】センサ制御装置2と、センサ制御装置2に接続されたNOxセンサ10の概略的な構成を示す図である。
【図3】センサ制御装置2の回路基板20上に搭載された電子部品等の概略的な配置構成を示す図である。
【図4】NOx濃度補正処理のフローチャートである。
【図5】回路基板の温度とNOx濃度の検出値との関係について説明するためのグラフである。
【図6】変形例としてのNOx濃度補正処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
2 センサ制御装置
4 ハーネス
9 ECU
10 NOxセンサ
20 回路基板
22 マイクロコンピュータ
23 CPU
26 Ip1セル/Vsセル制御回路
27 Ip2制御回路
28 ヒータ駆動回路
29 温度センサ
100 センサ素子
110 Ip1セル
111 固体電解質体
112,113 電極
130 Ip2セル
131 固体電解質体
132,133 電極
150 第1測定室
151 第1拡散抵抗部
152 第2拡散抵抗部
160 第2測定室
180 ヒータ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力する検出素子を有するガスセンサと離れた位置に配置され、前記ガスセンサと信号線を介し電気的に接続される回路基板を備えており、前記回路基板上に、前記ガスセンサの制御を行うと共に、前記濃度対応信号に基づいてガス濃度情報を算出し、前記ガス濃度情報を外部回路に出力する検出素子駆動部を実装してなるセンサ制御装置であって、
前記回路基板上に、
当該回路基板の温度に応じた温度対応信号を出力する感温素子と、
前記温度対応信号に基づいて、前記回路基板の温度情報を算出する温度算出部と、
前記検出素子駆動部により算出された前記ガス濃度情報を、前記温度算出部により算出された前記温度情報にて補正する濃度情報補正部と
を実装してなることを特徴とするセンサ制御装置。
【請求項2】
前記ガスセンサは、前記検出素子の活性化を行うためのヒータ素子を有しており、
前記回路基板上に、前記ヒータ素子に駆動用の電流を流すヒータ素子駆動部が実装されており、
前記感温素子は、前記回路基板上において、前記ヒータ素子駆動部の配置位置よりも前記検出素子駆動部の配置位置に近い位置、もしくは前記検出素子駆動部の配置位置内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
【請求項3】
前記ガスセンサは被測定ガス中における第1特定ガスであるNOxの濃度を検出するNOxセンサであり、
前記検出素子は、
第1拡散抵抗部を介して被測定ガスが導入される第1検出室と、
第1固体電解質体および当該第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極を有し、前記一対の第1電極のうちの一方の電極が前記第1検出室内に配置され、前記第1検出室に導入された被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素ポンプセルと、
前記第1検出室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた排気ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2検出室と、
第2固体電解質体および当該第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極を有し、前記一対の第2電極のうちの一方の電極が前記第2検出室内に配置され、前記第2検出室におけるNOx濃度に応じて電流が流れる第2酸素ポンプセルと
を備え、
前記濃度対応信号は、NOx濃度に応じて前記第2酸素ポンプセルに流れる電流に基づき得られる第1濃度対応信号であることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ制御装置。
【請求項4】
前記ガスセンサは、前記検出素子の活性化を行うためのヒータ素子を有しており、
前記回路基板上に、前記ヒータ素子に駆動用の電流を流すヒータ素子駆動部が実装されており、
前記回路基板上における前記検出素子駆動部の配置位置と前記ヒータ素子駆動部の配置位置とは互いに離間してなり、
前記検出素子駆動部は、第1酸素ポンプセルに電圧を印加して当該第1酸素ポンプセルに電流を流す第1セル制御回路と、前記ヒータ素子駆動部からの距離が前記第1セル制御回路よりも遠ざかる位置に配置されると共に、前記第2酸素ポンプセルに電圧を印加して当該第2酸素ポンプセルに電流を流す第2セル制御回路と、を有し、
前記感温素子は、前記回路基板上において、前記ヒータ素子駆動部の配置位置よりも前記検出素子駆動部の配置位置に近い位置、もしくは前記検出素子駆動部の配置位置内に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のセンサ制御装置。
【請求項5】
前記濃度対応信号は、前記第1濃度対応信号の他に、前記第1酸素ポンプセルによって前記第1検出室に導入された被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われる際に、その被測定ガス中における第2特定ガスである酸素の濃度に応じて前記第1酸素ポンプセルに流れる電流に基づき得られる第2濃度対応信号を含むことを特徴とする請求項3または4に記載のセンサ制御装置。
【請求項6】
前記感温素子は前記回路基板に接触し、前記回路基板の温度を検出するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセンサ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−133834(P2009−133834A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271448(P2008−271448)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)