説明

ゼオライトタイプのモレキュラーシーブ触媒による、環を有するピリジン類の液相合成方法

本発明は、環境に優しく、経済的で高い選択性の不均一系の方法における、モレキュラーシーブタイプの触媒の存在下において、環状ケトン、アルデヒド及びアンモニアを反応させることにより、環を有するピリジン類を生成する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、モレキュラーシーブ触媒による、環を有するピリジン類(縮合したピリジン類)の向上した液相合成方法に関する。特に、本発明は、液相においてシクロヘキサノン及びホルムアルデヒドとアンモニアを反応させることにより、モレキュラーシーブ触媒で、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアクリジン及びオクタヒドロフェナントリジンを、高い収率及び選択性と共に生成する方法を提供する。本発明は、触媒の寿命がより長く、該触媒を多くの回数リサイクル及び再使用することができる非腐食性の環境に優しい方法、化合物のより少ない消耗(例えば高い原子選択性)及び生成物の高い選択性を提供する。
【0002】
(本発明の背景)
環を有するピリジン類、例えば9−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロアクリジン(タクリン)は、種々の病気、例えば老人における痴呆の最も一般的な原因である、アルツハイマー病に対する医薬品又は医薬品中間体である。ピリジン塩基の多くの生成方法が知られており、例えば、脂肪族アルデヒド及び/又はケトンとアンモニアを、気相において固形物酸触媒、例えばアモルファスのアルミノシリケート等を用いて反応させる方法である(日本特許出願公開(公開された)第63176/76(特開昭51−63176)、日本特許公告第341546/71(特公昭46−341546)及び32790/69(特公昭44−32790))。結晶性のアルミノシリケートは、ゼオライトと呼ばれ、脂肪族アルデヒド及びケトン(又はホルムアルデヒド)及びアンモニアから、ピリジン塩基の生成のための触媒として用いられる(米国特許4220783、日本特許出願公開(公開された)第38362/85(特開昭60−38362)、インド特許第IN−185390、IN−185654)。これらの方法に従って、環が一つのピリジン化合物が生成するが、ゼオライトモレキュラーシーブ触媒による縮合した環状ヘテロ環化合物は、いまだ報告されていない。これら環を有するピリジン類の利用の増加は、環境に優しく、経済的であり及び取扱の自由な方法を求める。本発明は、環境に優しくかつ経済的な、種々のこれら化合物の合成方法を提供する。
【0003】
オクタヒドロアクリジン及びオクタヒドロフェナントリジンの合成は、均一系触媒、例えばアンモニウムアセテート及び水酸化アンモニウムを使用して行われたが、その収率は54%よりも低く、及び均一系触媒の通常の不利な点が見られた(J.Org.Chem.42(No.16),p2742(1977))。オクタヒドロフェナントリジンの合成は、2(1−シクロヘキセニル)−シクロヘキサノン及びRCONH2から、均一系触媒(群)としてのp−トルエンスルホン酸及びPOCl3を用いて行われた(米国特許4006236(1977))。該反応時間はより長く、10−24時間であり、及び該触媒は再使用できず、及び特定の生成物に対する低い選択性を伴って、気相における180−425℃の比較的高い反応温度でのシリカ−アルミナ、クロニア(chronia)又はマグネシア触媒(群)であった。モレキュラーシーブを用いる本発明者らの方法は、環境に優しく、触媒は再使用可能であり、分離が容易かつ選択的である。
【0004】
(本発明の目的)
本発明の主な目的は、環境に優しい不均一系触媒の方法である、(修飾した又は修飾していない)ゼオライト又はモレキュラーシーブ触媒を用いる事による、オクタヒドロアクリジン、オクタヒドロフェナントリジン及びこれらの誘導体の合成方法を提供することである。
本発明の他の目的は、該生成物の収率及び選択性を向上させることである。
【0005】
(本発明の概要)
本発明は、モレキュラーシーブ触媒による、環を有するピリジン類の向上した合成方法を提供し、該方法は、5−8個の炭素を有する環状ケトン、及びR1が水素又は1から4個の炭素原子を有するアルキル基である式R1CHOの脂肪族アルデヒドと、アンモニアを、ゼオライトタイプのモレキュラーシーブ又は不均一系触媒の存在下において有機溶媒中で反応させること、並びに該触媒を分離して所望の生成物を得ることを含む。
本発明の一態様において、該環状ケトンはシクロヘキサノンである。
本発明の他の態様において、該脂肪族アルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒドから成る群より選択される。
本発明の他の態様において、環状ケトン:脂肪族アルデヒド:アンモニアのモル比率は、1:1:0.5から5.0の範囲にある。
本発明の他の態様において、該反応は、環状ケトンに対するアンモニアのモル比率が0.5から5.0の範囲にある液相中で、かつ100℃から250℃の範囲における温度で、4−8時間の間行われる。
【0006】
本発明の他の態様において、該反応はオートクレーブ中で行われる。
本発明の他の態様において、該有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル及びアセトンから成る群、好ましくはメタノールから選択される。
本発明の他の態様において、該触媒は、H−ベータ(Hβ)、HY、40−300の範囲におけるSi/Al比率を有するHZSM−5、H−モルデナイト、モンモリロナイト及びSiO2−Al23ゼオライト及びモレキュラーシーブH−AlMCM−41から成る群より選択される。
本発明の他の態様において、ゼオライト触媒におけるSiとAlの比率は、2.5−300の範囲内である。
本発明の他の態様において、該触媒は再使用可能である。
本発明の他の態様において、得られる環を有するピリジンは、1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロフェナントリジン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアクリジン、6−メチルオクタヒドロフェナントリジン、6−エチルオクタヒドロフェナントリジン及び6−プロピルオクタヒドロフェナントリジンを含む。
【0007】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、モレキュラーシーブによる、環状ケトン及び脂肪族アルデヒドとアンモニアからの、以下の式番号1から9のオクタヒドロアクリジンの調製方法を提供する。これら環を有するピリジン類、例えば9−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロアクリジン(タクリン)は、種々の病気、例えば、老人における痴呆の最も一般的な原因であるアルツハイマー病に対する医薬品分子又は医薬品中間体である。
【化1】

【0008】
(該方法の特徴)
(a)本発明は、環境的に清浄な及び経済的な技術を含み、触媒の再使用を可能にする方法を提供する。
(b)該方法は、生成物に対する高い選択性を有した、環境に優しい方法を提供する。
(c)該方法は、より長い寿命を有する選択性の不均一系触媒を提供する。
(d)この方法は、環を有するピリジン類の種類及び組成を、出発材料の変化により変化させることができる経路を提供する。
(e)該方法は、種々のモレキュラーシーブ触媒により、シクロヘキサノン及びホルムアルデヒドとアンモニアから、オクタヒドロアクリジン及びオクタヒドロフェナントリジンを合成する効果的、経済的な方法も提供する。
本発明は、市販の又は合成された触媒存在下における液相において、環状ケトン及び脂肪族アルデヒドとアンモニアを反応させることにより、環を有するピリジン類を生成する方法に関する。
【0009】
本発明において使用する脂肪族環状ケトンは、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン及びシクロオクタノンを含む。該脂肪族アルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド及びホルムアミドを含む。出発材料として異なる環状ケトン及び脂肪族アルデヒドの組み合わせが、生成されるべき環を有するピリジンの主な化合物を決定する。典型的な例が、表1において与えられる。
表1:
【表1】

【0010】
本発明の反応は、オートクレーブ中のバッチモードにおいて行っても良い。
バッチモードにおける反応は、継続的な攪拌(1分当たり30−60の回転数)の下、100−250℃の反応温度範囲におけるParrオートクレーブ(600ml)において行われた。シクロヘキサノン:ホルムアルデヒド:NH3の典型的なモル比率は、1:1:3であり、及び222mLメタノールが溶媒として使用された。オートクレーブの時間は6時間であった。
オクタヒドロアクリジン及びオクタヒドロフェナントリジンの生成のための、環状ケトン、脂肪族アルデヒド及びアンモニア(又は窒素源)の組み合わせは、1:1:0.5−5のモル比率において得られた。(液体)出発材料が水、メタノール又は同様の溶媒を含む場合、該反応はトラブルを伴うことなく、及び多くのコーキングを伴うことなく達成できる。ホルムアルデヒドは、ホルマリンの形態において使用できる。他の工業的方法との比較において、堆積したコークの量はより少なく、従ってより高い生成物の収率が得られた。該コークは、該触媒を450℃から550℃で約4−10時間加熱することにより除去できる。
【0011】
本発明は以下の説明及び制限されない例を参照して、以下に説明される。
(例1)
シクロヘキサノン、ホルムアルデヒド及びアンモニアの反応が、溶媒としてメタノールの存在するオートクレーブ(600ml)内で行われた。Hβ(H−ベータ)が触媒として用いられた。該反応は、100℃から215℃の範囲の温度において6時間行われた。触媒の量は2gであった。シクロヘキサン:ホルムアルデヒド:アンモニアのモル比率は、1:1:3であった。該液体:触媒比率は、質量により104.8であった。典型的な実験において、該反応(オートクレーブ)の温度は150℃であった。オクタヒドロフェナントリジンの選択性は、100℃(0.41MPa(4atm))、150℃(1.42MPa(14atm))、170℃(2.03MPa(20atm))及び215℃(4.96MPa(49atm))の反応温度で、それぞれ、53.0、83.0、97.7及び98.7パーセントのシクロヘキサノンの転換において、50.2、60.5、44.8及び32.2パーセントであった。オクタヒドロアクリジンの選択性は、それぞれ7.7、21.7、39.4及び42.2パーセントであった。オートクレーブの温度の増加に伴って、内部圧力が増加した。オートクレーブの温度の増加に伴って、オクタヒドロアクリジンへの転換及び選択性が増加し、一方でオクタヒドロフェナントリジンに対する選択性は減少した。他の生成物はシクロヘキサアミン及びシクロヘキサノンオキシムであった。超臨界条件に似た条件の下及び反応温度の増加に伴い、反応性の衝突の実質的な増加が存在し、混和性が増加し、物質移動及び熱移動の効果が向上し、活性ゼオライト触媒を用いたオクタヒドロアクリジンの好ましく増加した収率に帰着する。
【0012】
(例2)
該反応は、HZSM−5触媒を用いて、例1において説明したように行った。オートクレーブの温度は150℃であった。オクタヒドロフェナントリジン及びオクタヒドロアクリジンの選択性は、HZSM−5(SiO2/Al23=40)による、シクロヘキサノンの80.3パーセントの転換で、54.6及び28.8パーセントであった。
(例3)
反応は、触媒としてHYゼオライトを用いて例1において記載したように行った。オクタヒドロフェナントリジン及びオクタヒドロアクリジンに対する選択性は、HYゼオライトによる、シクロヘキサノンの57.2%の転換で、62.3%及び31.2%であった。オートクレーブの温度は、150℃であった。
(例4)
反応を、触媒としてH−モルデナイトを用いて、例1において記載したように行った。オクタヒドロフェナントリジン及びオクタヒドロアクリジンの選択性は、H−モルデナイトゼオライトによる、シクロヘキサノンの89.1%の転換で、70.8%及び19.8%であった。オートクレーブの温度は150℃であった。
【0013】
(例5)
シクロヘキサノン、ホルムアルデヒド及びアンモニアの反応を、触媒としてHMCM−41(SiO2/Al23=30)を用いて、例1において記載したように行った。オクタヒドロフェナントリジン及びオクタヒドロアクリジンの選択性は、HMCM−41メソ細孔モレキュラーシーブ触媒による、シクロヘキサノンの91.6%の転換で、64.6%及び24.1%であった。オートクレーブの温度は、150℃であった。
(例6)
シクロヘキサノン、ホルムアルデヒド及びアンモニアの反応を、触媒としてHZSM−5(SiO2/Al23=40−280)を用いて、例1において記載したように行った。オクタヒドロフェナントリジンの選択性は、HZSM−5(SiO2/Al23=280)、HZSM−5(150)及びHZSM−5(40)ゼオライトによる、それぞれ71.3%、81.0%及び80.3%のシクロヘキサノンの転換で、40.4%、48.7%及び54.6%であった。オクタヒドロアクリジンの選択性は、それぞれ10.6%、18.4%及び28.8%であった。オートクレーブの温度は150℃であった。
【0014】
(例7)
シクロヘキサノン、ホルムアルデヒド及びアンモニアの反応が、触媒としてH−ベータ(1−4g)を用いて、例1において記載したように行った。オクタヒドロフェナントリジンの選択性は、H−ベータ(1g)、H−ベータ(2g)及びH−ベータ(4g)ゼオライトによる、それぞれ75.6、83.0及び94.4パーセントのシクロヘキサノンの転換で、38.4、60.6及び73.6パーセントであった。オクタヒドロアクリジンの選択性はそれぞれ12.6、21.7及び19.7パーセントであった。オートクレーブの温度は150℃であった。
(例8)
シクロヘキサノン、ホルムアルデヒド及びアンモニアの反応は、触媒としてH−ベータ(2g)を用いて、例1において記載したように行った。溶媒の効果を検討した。溶媒の量は222mlであった。オクタヒドロフェナントリジンの選択性は、溶媒としてメタノール(p=1.42MPa(14atm))、エタノール(p=1.11MPa(11atm))、アセトニトリル(p=1.01MPa(10atm))及びアセトン(p=1.32MPa(13atm))に対して、それぞれ83.0、84.4、77.7、76.4及び83.6パーセントのシクロヘキサノンの転換で、60.6、44.1、37.7、20.4及び8.4パーセントであった。オクタヒドロアクリジンの対応する選択性は、それぞれ21.7、38.3、40.1、12.9及び2.2パーセントであった。シクロヘキサノン:ホルムアルデヒド:アンモニアのモル比率は、1:1:3であった。
【0015】
(例9)
シクロヘキサノン、ホルムアルデヒド及びアンモニアの反応は、触媒としてH−ベータ(2g)を用いて、例1に記載したように行った。該反応は、228℃のオートクレーブ(反応)温度で行われ、及び圧力は6.48MPa(64atm)であった。該反応条件は、溶媒としてメタノール(220ml)を用いて、6時間の間、超臨界条件と同じである。オクタヒドロフェナントリジン及びオクタヒドロアクリジンに対する選択性は、98.4パーセントのシクロヘキサノンの転換で、23.9及び40.6パーセントであった。
(例10)
シクロヘキサノン、脂肪族アルデヒド及びアンモニアの反応が、触媒としてH−ベータ(2g)を用いて、例1において記載したように行った。該反応は、溶媒としてメタノール(220ml)を用いた150℃で行い、シクロヘキサノン:脂肪族アルデヒド:アンモニアのモル比率は1:1:3であった。6−メチルオクタヒドロフェナントリジン、6−エチルオクタヒドロフェナントリジン、6−プロピルオクタヒドロフェナントリジン及び6−ブチルオクタヒドロフェナントリジンの選択性は、それぞれ97.0、90.0、96.4及び93.5パーセントのシクロヘキサノンの転換で、80.9、45.4、63.2及び27.7パーセントであった。
【0016】
(例11)
シクロヘキサノン、アセトアルデヒド及びアンモニアの反応は、触媒として種々のゼオライトを変動することにより、溶媒としてメタノール(220ml)を用いて、例1において記載したように行った。該反応は、150℃で行われ、及びシクロヘキサノン:アセトアルデヒド:アンモニアのモル比率は、1:1:3であった。6−メチルフェナントリジンに対する選択性は、H−ベータ、HZSM−5(SiO2/Al23=280)、HZSM−5(40)、HY、H−モルデナイト、HMCM−41(SiO2/Al23=30)、モンモリロナイト(K−10)及びSiO2−Al23(アモルファス)触媒による、それぞれ97.0、84.9、94.9、87.3、96.7、95.8、87.7及び90.3パーセントのシクロヘキサノンの転換で、80.9、39.5、54.3、32.2、56.9、79.8、47.1、48.4パーセントであった。
【0017】
(例12)
シクロヘキサノン、プロピオンアルデヒド及びアンモニアの反応が、触媒として特定のゼオライトを変動することにより、溶媒としてメタノール(220ml)を用いて、例1において記載したように行った。該反応は150℃で行われ、シクロヘキサノン:プロピオンアルデヒド:アンモニアのモル比率は1:1:3であった。6−エチルオクタヒドロフェナントリジンに対する選択性は、H−ベータ、HZSM−5(SiO2/Al23=300)、HZSM−5(SiO2/Al23=150)、HZSM−5(SiO2/Al23=40)、HY、H−モルデナイト、HMCM−41(SiO2/Al23=30)、モンモリロナイト及びSiO2−Al23(アモルファス)触媒を用いて、それぞれ90.0、77.4、83.3、75.5、80.0、90.7、78.2、92.8及び89.1パーセントのシクロヘキサノンの転換で、45.4、41.8、37.7、35.3、39.0、43.4、41.5、51.3、28.4パーセントであった。
【0018】
(例13)
シクロヘキサノン、ブチルアルデヒド及びアンモニアの反応は、触媒として特定の種々のゼオライト(2g)を変動することにより、溶媒としてメタノール(220ml)を用いて、例1において記載するように行った。該反応は、150℃で行われ、及びシクロヘキサノン:ブチルアルデヒド:アンモニアのモル比率は1:1:3であった。6−プロピルフェナントリジンに対する選択性は、HZSM−5(SiO2/Al23=150)、HZSM−5(40)、HY、H−モルデナイト及びNaYゼオライトを用いて、それぞれ95.8、95.7、91.1、96.4及び95.6パーセントのシクロヘキサノンの転換で、46.8、47.0、36.5、63.2及び42.1パーセントであった。主な副生成物は、シクロヘキサンオキシムであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−8個の炭素原子を有する環状ケトン、及びR1が水素又は1から4個の炭素原子を有するアルキル基である式R1CHOの脂肪族アルデヒドと、アンモニアを、ゼオライトタイプのモレキュラーシーブ又は不均一系触媒の存在下における有機溶媒中で反応させること、並びに該触媒を分離して所望の生成物を得ることを含む、モレキュラーシーブ触媒による、環を有するピリジン類の合成方法。
【請求項2】
該環状ケトンが、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン及びシクロオクタノンから成る群より選択される、請求項1に記載する方法。
【請求項3】
該脂肪族アルデヒドが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド及びホルムアミドから成る群より選択される、請求項1に記載する方法。
【請求項4】
該環状ケトンがシクロヘキサノンである、請求項1に記載する方法。
【請求項5】
環状ケトン:脂肪族アルデヒド:アンモニアのモル比率が、1:1:0.5から5.0の範囲にある、請求項1に記載する方法。
【請求項6】
該反応が、環状ケトンに対するアンモニアのモル比率が0.5から5.0の範囲にある液相中で、かつ100℃から250℃の範囲における温度で4−8時間の間行われる、請求項1に記載する方法。
【請求項7】
該反応が、オートクレーブ中で行われる、請求項1に記載する方法。
【請求項8】
該有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル及びアセトンから成る群より選択される、請求項1に記載する方法。
【請求項9】
該溶媒がメタノールである、請求項1に記載する方法。
【請求項10】
該触媒が、H−ベータ(Hβ)、HY、40−300の範囲におけるSi/Al比率を有するHZSM−5、H−モルデナイト、モンモリロナイト及びSiO2−Al23ゼオライト及びモレキュラーシーブH−AlMCM−41から成る群より選択される、請求項1に記載する方法。
【請求項11】
該ゼオライト触媒におけるAlに対するSiの比率が、2.5−300の範囲にある、請求項1に記載する方法。
【請求項12】
該触媒が再使用可能である、請求項1に記載する方法。
【請求項13】
得られる環を有するピリジンが、1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロフェナントリジン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアクリジン、6−メチルオクタヒドロフェナントリジン、6−エチルオクタヒドロフェナントリジン及び6−プロピルオクタヒドロフェナントリジンを含む、請求項1に記載する方法。

【公表番号】特表2008−526730(P2008−526730A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548974(P2007−548974)
【出願日】平成16年12月31日(2004.12.31)
【国際出願番号】PCT/IN2004/000442
【国際公開番号】WO2006/070403
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(595023873)カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ (69)
【Fターム(参考)】