説明

ゼブラフィッシュをスクリーニングするための、自動システムおよび方法

少なくとも一時的に、スクリーニングされるゼブラフィッシュの画像を保存するための保存デバイス;ゼブラフィッシュアトラス;および、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を、1つまたはそれ以上の標準と自動的に比較することにより、ゼブラフィッシュを自動的にスクリーニングする操作デバイスを含む、ゼブラフィッシュをスクリーニングするためのシステムおよび方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2008年11月7日に出願された米国特許出願番号12/267,019の一部継続である、2009年3月13日に出願された米国特許出願番号12/403,587に基づく優先権を主張し、その開示全体を、本明細書中で参照として援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本発明は、一般に、ゼブラフィッシュをスクリーニングするための、自動システムおよび方法に関連する。
[0003] ゼブラフィッシュは、発生生物学、分子遺伝学、および毒性学的研究における、よく知られた脊椎動物モデルである。ゼブラフィッシュは、ゼブラフィッシュの小さいサイズ、低い飼育費用、子宮外の透明な胚、初期の形態識別、交配当たりに産生される多数の胚、およびヒトのゲノムに対するそのゲノムの類似性を含む、マウスなどのその他の研究モデルよりも多くの利点を提供する。ゼブラフィッシュは、一般に、特異的催奇形性アッセイなど、細胞のアポトーシス、器官発生(例えば、脳、肝臓、尾、耳)、並びに心臓系および神経系の機能に対する、様々な薬物の毒性効果を研究するために使用される。一般に、催奇形性スクリーニングは、多数の試料を処理することができ、漸進的発生を提供し、催奇形性メカニズムに関連し、そして実行および解釈が容易であるべきである(T.J. Haley W.O. Brendt;Toxicology;(1987)、 p. 265)。
【0003】
[0004] ゼブラフィッシュをモデル生物として使用する研究は、ヒト疾患のモデル化、および、生物内の器官における細胞集団の形成および機能の分析にまで、広がってきた。この研究は、新たなヒト疾患モデルを生み出し、そして疾患状態を改善する遺伝子や疾患から器官を救う化学物質を含む、可能性のある治療を見出し始めている。
【0004】
[0005] 遺伝生化学についてのモデルとしてのゼブラフィッシュの近年の開発は、細胞株またはin vitroにおける、より古いスクリーニング技術に付加されるものとして、in vivoにおける化学スクリーニングを確立した。可溶性化学物質は、ゼブラフィッシュ胚の中に浸透し、そして特異的効果を産生する。in vitro技術によるスクリーニングとは対照的に、ゼブラフィッシュは、化学物質の生物活性を研究するための、in vivoの脊椎動物モデルを提供する。それに加えて、多数のゼブラフィッシュ変異体が使用できることは、化学抑制剤のスクリーニングを迅速かつ容易にする。ゼブラフィッシュにおいて、疾患の表現型を防止または治癒させることが見出された化学物質の標的は、一般に、ヒトにおいても非常に近い性質のものを有するであろう。そのため、これらのスクリーニングは、新たな治療薬の開発への重要な入り口を提供する見込みがある。
【0005】
[0006] その他の脊椎動物モデルとは対照的に、ゼブラフィッシュは、受精後、最初の72時間で、胚形成を完了する。心臓血管系、消化管、肝臓、および腎臓を含む、内臓器官のほとんどは、最初の24時間から48時間に、急速に発生する。ゼブラフィッシュ胚はまた、透明でもあり、それは観察および分析を容易にする。脳、目、心臓、および筋肉組織のすべての前駆組織は、光学顕微鏡検査を用いて、簡単に可視化することができる。この動物モデルの別の重要な利点は、組織および器官発生の形態的および分子的基礎が、一般に、ヒトを含むその他の脊椎動物と、同一かまたは類似しているかどちらかであることである。発生の最初の5〜6日は、1つの胚を100μlという小容量の液体中に維持することができるため、それらを、個別のマイクロタイターウェル内に維持することができる。次に、薬物の分注を単純化し、そして分析を容易にするために、胚を発生させる溶液に、試薬を直接添加することができる。低分子が透過可能であるゼブラフィッシュ胚は、薬物投与および生体染色色素に、容易に接近させることを提供する。ペプチド、色素、および薬物を含む低分子は、サカナの水の中に容易に溶解することができ、そして担体(例えば、0.1%ジメチルスルホキシド、DMSO)の非存在下または存在下において、ゼブラフィッシュによって取り込まれることができる。化合物処理は、96-ウェルまたは384-ウェルのマイクロウェルにおいて、従来の液体の取扱方法および定量的ELISAフォーマットを使用して、実行することができる。薬物スクリーニングのための、代替動物モデルとしてのゼブラフィッシュの使用は、薬物スクリーニング過程を大きく加速し、費用を低減し、そして細胞に基づくアッセイよりも正確な結果を提供することができる。前臨床薬物スクリーニングにおける、哺乳動物(例えば、げっ歯類、霊長類など)に対する代替動物モデルとしてのゼブラフィッシュの使用は、発見過程を大きく加速し、費用を低減し、そして伝統的な動物試験よりもより高いスループットを可能にすることができる。薬物毒性学および環境毒性学における使用は、スループットを増加し、そして動物の権利の懸案の一部を緩和することができる。
【0006】
[0007] しかしながら、そのような試験は、限定するものではないが、肝臓のサイズ、尾の長さおよび曲率、斑点のサイズおよび頻度、および、軸索が存在するかしないかなどの、様々な計測値に依存する。現在は、これらの計測値は、典型的に、手作業で、または一般的な画像化ソフトウェアおよび画像特性を手でトレースすることを用いて得られる。前記方法は、これらの研究モデルのサイズが小さいことを考えれば、時間を要し、かつ非効率的であり、そして人間のバイアスの影響を受ける。
【0007】
[0008] 現在のところ、ゼブラフィッシュおよびゼブラフィッシュ発生に対する化合物の効果を計測および定量するための、自動化された、高含量、ミディアムスループットまたはハイスループットのシステムおよび方法は存在しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】T.J. Haley W.O. Brendt;Toxicology;(1987)、 p. 265
【発明の概要】
【0009】
[0009] 1つまたはそれ以上の態様におけるシステムおよび方法は、毒性の証拠についてゼブラフィッシュをスクリーニングするための、高含量、ミディアムスループットの自動システムおよび方法を提供することにより、ゼブラフィッシュにおける毒性試験を容易にする。これらのシステムおよび方法は、時間をかけて、そして異なる用量にわたって、ゼブラフィッシュにおける、化合物および環境化学物質、さらにそれらの副作用の、in vivoでの評価を可能にする。高含量の自動システムにおいて使用される場合、このシステムおよび方法は、化合物ライブラリーのスクリーニングなどの、迅速、自動化、かつ、広範囲の、化合物スクリーニングを可能にする。
【0010】
[0010] ゼブラフィッシュのスクリーニングのための、本発明のシステムの態様は、一般に以下:スクリーニングされるゼブラフィッシュの画像を、少なくとも一時的に保存する、保存デバイス;ゼブラフィッシュアトラス;および、少なくとも部分的には、部分的にはゼブラフィッシュアトラスを使用して決定されるゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を、1つまたはそれ以上の標準と自動的に比較することにより、ゼブラフィッシュを自動的にスクリーニングする操作デバイス;を含み、ここでゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴は、ゼブラフィッシュ、体、脊索、尾、胴体、心嚢水腫領域(pericardial edema region)、目、頭、腹部、浮袋、顎、心腔、胃腸管、または肝臓の計測値を含むことができる。ゼブラフィッシュの解剖学的特徴は、斑点、脳の色、脳のテクスチャ、尾の形状、体節の形状、目の色、体の色、脊索の真直度、ヒレの形状、腸の形状、腸の色、軸索の存在、または細胞または組織の壊死、を含む。システムのアトラスはまた、自動的に適合可能であってもよい。標準は、限定するものではないが、対照のサカナ、ゼブラフィッシュの過去の画像、ライブラリーに基づく標準、または複数のサカナの融合、を含むことができる。
【0011】
[0011] 操作デバイスは、ゼブラフィッシュが対応する系統を同定することも可能であり、この系統は、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュを、操作デバイスにアクセス可能である候補となるゼブラフィッシュ系統のライブラリーと比較することによって、または1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を、ライブラリー中の1つまたはそれ以上の候補となるゼブラフィッシュ系統と比較することによって、同定することができる。解剖学的特徴は、ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の計測値を含むことができ、操作デバイスは、少なくとも部分的には、1つまたはそれ以上の計測値を毒性標準と比較することにより、毒性についてゼブラフィッシュをスクリーニングする。計測は、長さ、面積、曲率、色、テクスチャ、形状、強度、およびそれらの組み合わせの1つまたはそれ以上を含むことができる。操作デバイスは、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュにおける1つまたはそれ以上の発生上の欠陥を、自動的に同定することによって、ゼブラフィッシュのスクリーニングをすることができる。
【0012】
[0012] このシステムはさらに画像化デバイスを含み、スクリーニングされるゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の画像を作成することもできる。画像化デバイスを使用して、例えば、様々なレベルの解像度でゼブラフィッシュの複数の画像を撮ることができ、ここで画像の1つはゼブラフィッシュ全体のより低い解像度の画像であってもよく、そして画像の1つはゼブラフィッシュ内の1つまたはそれ以上の器官のより高い解像度の画像である。操作システムは、1つまたはそれ以上の低解像度の画像に対してリアルタイムアトラス分析を適用するように設定して、少なくとも部分的には、器官を同定し、かつ、高倍率視野において器官を中心に置くことによって、1つまたはそれ以上の高解像度画像の取得を開始することができる。画像化デバイスは、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュの画像をゼブラフィッシュアトラスと比較することに基づいて、様々なレベルの解像度において複数の画像を自動的に撮ることもできる。
【0013】
[0013] 保存デバイスは、1つまたはそれ以上の化学物質に関する情報を保存することもでき、そして操作デバイスはゼブラフィッシュ内の1つまたはそれ以上の器官に関連するデータを収集し、そしてデータを1つまたはそれ以上の化学物質に関する情報と相関させ、操作デバイスは、器官のデータと化学物質の情報との相関関係に基づいて、1つまたはそれ以上の毒性レベルを決定することができる。
【0014】
[0014] ゼブラフィッシュのスクリーニングのための本発明の方法の例は、一般に以下:スクリーニングされるゼブラフィッシュの画像を提供する工程;ゼブラフィッシュアトラスを提供する工程、および少なくとも部分的にはアトラスを使用して、1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を自動的に計測する工程;および、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を、1つまたはそれ以上の標準と自動的に比較することによって、ゼブラフィッシュをスクリーニングする工程;を含む。計測値および標準は、長さ、面積、曲率、色、テクスチャ、形状、強度、およびそれらの組み合わせの1つまたはそれ以上を含むことができる。この方法はさらに、幅の広い胚(broad embryo)、幼生および成体段階、およびより特異的な下位段階などの、ゼブラフィッシュの発生上の段階を自動的に決定する工程を含むことができる。
【0015】
[0015] ゼブラフィッシュの解剖学的特徴は、ゼブラフィッシュの体、軸索、尾、胴体、心嚢水腫領域(pericardial edema region)、目、頭、腹部、浮袋、顎、心腔、胃腸管、または肝臓を含むことができる。ゼブラフィッシュの解剖学的特徴はまた、斑点、脳の色、脳のテクスチャ、尾の形状、体節の形状、目の色、体の色、脊索の真直度、ヒレの形状、腸の形状、腸の色、軸索の存在、または細胞または組織の壊死を含むこともできる。
【0016】
[0016] 標準は、限定するものではないが、対照のサカナ、ゼブラフィッシュの過去の画像、ライブラリーに基づく標準、または複数のサカナの融合、を含むことができ、ここで融合は、ゼブラフィッシュの解剖学的特徴に相当する、複数のサカナの1つまたはそれ以上の特徴の計算統計値を含むことができる。
【0017】
[0017] この方法はさらに、ゼブラフィッシュが対応する系統を同定する工程を含むことができ、この系統は、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュを、操作システムにアクセス可能である候補となるゼブラフィッシュ系統のライブラリーと自動的に比較することによって、同定される。この方法はまた、ゼブラフィッシュの表現型または遺伝子型を決定することもできる。
【0018】
[0018] ゼブラフィッシュを毒性に関してスクリーニングする場合、毒性を、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュにおける1つまたはそれ以上の発生上の欠陥を、自動的に同定することによって、スクリーニングすることができる。この方法はまた、ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の器官における、1つまたはそれ以上の毒性レベルを決定する工程を含むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[0019] 本発明の、これらおよびその他の特性、観点、および利点は、図を通して類似の特徴が類似の部分を表す添付される図を参照して、以下の詳細な説明が読まれる場合に、よりよく理解されるようになるであろう:
【図1】[0020] 図1は、本発明のシステムおよび方法の1つまたはそれ以上において有用である、アトラスの態様の図である。
【図2】[0021] 図2は、図1に示されるアトラスの下位区分の態様の図である。
【図3】[0022] 図3は、120時間の4つのゼブラフィッシュ試料を示し、その中の3つは、それぞれ異なる化合物によって処理されており、そして4番目は対照として扱う。
【図4】[0023] 図4は、対照のゼブラフィッシュ、および変形した頭部および尾部の湾曲を見せる処理されたゼブラフィッシュを示す、毒性の指標となる発生上の変形の例を説明する。
【図5】[0024] 図5は、明確に形成された目をもつ対照のゼブラフィッシュ、および目の領域および脳において薬物により制御されるアポトーシスを見せる処理されたゼブラフィッシュを示す、神経毒性の指標となる細胞死の例を説明する。
【図6】[0025] 図6は、対照のゼブラフィッシュ、および変形した頭部および尾部の湾曲を見せる処理されたゼブラフィッシュを示す、毒性の指標となる別の発生上の変形の例を説明する。
【図7】[0026] 図7は、着目する生物の下位領域の拡大図の態様である。
【図8】[0027] 図8は、一連のゼブラフィッシュの計測評価項目の態様の図である。
【図9】[0028] 図9は、1つまたはそれ以上の本発明のシステムおよび方法において有用である、アトラスに基づく計測過程の態様の流れ図である。
【図10】[0029] 図10は、自動的に適合されたアトラス(実線)と、手作業で適合されたアトラス(点線)の比較の例である。
【図11】[0030] 図11は、一連の試料ゼブラフィッシュの計測の例の、マトリックスプロットである。
【図12】[0031] 図12は、正常の120時間のゼブラフィッシュにおける、体長計測の比較の例である。
【図13】[0032] 図13は、A)解剖学的に関連する計測値を決定するため、B)器官を同定するため、およびC)特定の集団におけるアトラスを調節するための、方法およびシステムの態様の流れ図を含む。
【図14】[0033] 図14は、本発明の自動システムの態様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0034] 1つまたはそれ以上の態様におけるシステムおよび方法は、ゼブラフィッシュにおける、毒性に関する、ミディアムスループットの自動スクリーニングを可能にし、そしていくつかのより特異的な態様において、毒性の型および程度を決定することができる。このシステムおよび方法は、ゼブラフィッシュの表現型および遺伝子型のライブラリー、並びに、化学物質、バイオマーカー、およびプローブに関するライブラリーの使用を容易にすることができる。
【0021】
[0035] 1つまたはそれ以上の態様は、計測値および/または研究に関連するその他の情報の組み合わせに基づくスコアを生じるように設定されることもできる。例えば、特定のアッセイについて、形態学的記述子およびテクスチャ記述子の組み合わせを、スクリーニングされるそれぞれのサカナから、およびサカナ内の特定の器官および器官の下位部分についても、抽出することができる。システムおよび方法の1つまたはそれ以上の態様において、ゼブラフィッシュのアトラスは、スクリーニングされるゼブラフィッシュがそれと比較される、標準またはモデルとして使用される。前記の形状記述子および外観記述子は、このシステムの態様のいくつかにおいて、メタデータとして保存されるか、そうでなければシステムの操作サブシステムにアクセス可能である。1つまたはそれ以上の例となる態様において、特定のサカナに関するクエリは、個々の毒性学的評価項目についての様々なスコアを結果としてもたらすであろう。1つまたはそれ以上の例となる態様において、特定の毒性学的評価項目に関するクエリは、評価項目に関する特定の特徴についての高スコアを有するサカナを提示するであろう。
【0022】
[0036] この方法およびシステムの1つまたはそれ以上の態様は、それによって毒性が連続的尺度で定量的に評価され、そして限定されない例として、その形態学的特性または相対強度特性に基づいて、表現型が客観的に同定される、毒性スクリーニングにおいて適用される。
【0023】
[0037] 請求項に記載される発明の主題をより明確かつ正確に記述し、そして指摘するために、以下の定義が特定の用語について提供され、それは以下の記載および添付の請求項において使用される。明細書を通して、特定の用語の例示は、限定しない例としてみなされるべきである。
【0024】
[0038] 本明細書中で使用される場合、“アトラス”という用語は、生物の解剖学的オントロジーのデジタルグラフィック描写を言う。アトラスは、生物全体のグラフィック描写であるか、あるいは生物の部分または領域に分けることができる。アトラスは限定するものではないが、正常生物、野生型生物、変異体生物、トランスジェニック生物、薬剤処理された生物、プローブ処理された生物、遺伝子組み換えされた生物、改変された生物、または人工的に作成された生物を含む、生物の様々な型またはバージョンの描写であってもよい。描写は、単一の生物由来であるか、または生物の1または複数の群から合成するかそうでなければ、計算するかまたは人工的に作成する(例えば平均化する)ことができる。アトラスは、その上に描写の空間的広がりおよび座標が定義される、生物の1つまたはそれ以上の描写;用語のオントロジー;および、描写とオントロジー間の、マッピング、または解説;を含むことができる。オントロジーは、生物の発生の間(例えば、胚発生段階)に生じる構造的な変化を含むことができ、そしてさらに、発生段階を生物の内側または外側の形態的特徴によって特徴づけることができる各発生段階について、1つまたはそれ以上のヒエラルキーを含むことができる。
【0025】
[0039] 本明細書中で使用される場合、“注釈”という用語は、付加、削除、修正、または置換することができる、単語、記号、文字、画像、数字、マーク、および表現を言う。注釈は、あらかじめ設定されたガイドラインまたはルールに基づくシステムによって、またはシステムに適応できるガイドラインまたはルールによって、あるいは、システムの使用者によって、入力することができる。注釈は、手動によって、自動によって、あるいはキーボード、スタイラス、タッチパッドを使用して、または言語認識ソフトウェアを使用して電子的に入力することができる。入力の手段は、配線で接続されているか、または無線であってよい。注釈は、限定するものではないが、意味的な、テキストの、説明的な、解釈的な、例証的な、自動化された、絵で表した、聴覚による、または言語による性質のものであってよい。注釈は、限定することなく、観察者が見ることができるスクリーン上の組み込まれた、ハイパーテキストの、保存された、または回収可能であるものであって良い。
【0026】
[0040] 本明細書中で使用される場合、“化学物質”という用語は、限定するものではないが、例えば、薬剤的、治療的、薬理学的、環境的または農業的な汚染物質または化合物、毒物、水中汚染物質、薬用化粧品、薬物、毒物、天然産物、合成化合物、または化学化合物を含む、あらゆる要素、化合物、化合物カクテル、または存在物を言う。
【0027】
[0041] 本明細書中で使用される場合、“バイオマーカー”および“チャネルマーカー”という用語は、限定するものではないが、特定の波長の光への暴露によって励起される場合、異なる波長で発光する、蛍光画像試薬および化学化合物であるフルオロフォアを含む。フルオロフォアは、その発光プロファイルまたは“色”に関して、記述することができる。グリーンフルオロフォア(例えば、Cy3、FITC、およびオレゴングリーン)は、一般に、515〜540ナノメートルの範囲の波長でのその発光によって、特徴づけられることができる。レッドフルオロフォア(例えば、テキサスレッド、Cy5、およびテトラメチルローダミン)は、一般に、590〜690ナノメートルの範囲の波長でのその発光によって、特徴づけることができる。オレンジフルオロフォアの例は、核および細胞質の両方を染色する、1,5-ビス{[2-(ジ-メチルアミノ)エチル]アミノ}-4,8-ジヒドロキシアントラセン-9,10-ジオンの誘導体(CyTRAK OrangeTM)であり、そして遠赤色フルオロフォアの例は、1,5-ビス{[2-(ジ-メチルアミノ)エチル]アミノ}-4,8-ジヒロドキシアントラセン-9,10-ジオン(DRAQ5TM)蛍光DNA色素、および1,5-ビス({[2-(ジ-メチルアミノ)エチル]アミノ}-4,8-ジヒロドキシアントラセン-9,10-ジオン)-N-オキシド(APOPTRAKTM)細胞プローブである。フルオロフォアの例には、限定するものではないが、4-アセトアミド-4'-イソチオシアネートスチルベン-2,2'ジスルホン酸、アクリジン、アクリジンの誘導体、およびアクリジンイソチオシアネート、5-(2'-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)、4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド-3,5ジスルホン酸塩(ルシファーイエローVS)、N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、ブリリアントイエロー、クマリン、クマリン誘導体、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-トリフルオロメチルクルアリン(couluarin)(クマラン(Coumaran)151)、シアノシン;4',6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、5',5"-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド)、7-ジエチルアミノ-3-(4'-イソチオシアネートフェニル)4-メチルクマリン、4,4'-ジイソチオシアネートジヒドロ-スチルベン-2,2'-ジスルホン酸、4,4'-ジイソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルホン酸、5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド)、エオジン、エオジンイソチオシアネートなどのエオジンの誘導体、エリトロシン、エリトロシンBおよびエリトロシンイソチオシアネートなどのエリトロシンの誘導体;エチジウム;フルオレセイン、および、5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2'7'-ジメトキシ-4'5'-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、QFITC(XRITC)などの誘導体;フルオレスカミン誘導体(アミンとの反応により蛍光を発する);IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;フェノールレッド、B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド誘導体(アミンとの反応により蛍光を発する);ピレン、および、ピレン、ピレンブチレート、およびスクシンイミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;リアクティブレッド4(Cibacron.RTM.ブリリアントレッド3B-A)、ローダミンおよび6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、およびスルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド)などの誘導体;N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;ロゾール酸、およびラタニドキレート誘導体、量子ドット、シアニン、ピリリウム(pyrelium)色素、およびスクアラインが含まれる。
【0028】
[0042] 本明細書中で使用される場合、“発生上の欠陥”という用語は、生物の組織、器官、またはその他の身体の構成要素の発生における、正常の発生と比較した、欠陥、不完全、または差異を言う。前記欠陥は、生物の組織、器官、またはその他の身体の構成要素の発生における、完成または適切な働きにおいて必要であるか、またはのぞましい何かの、変化、差異、または欠損として同定することができる。
【0029】
[0043] 本明細書中で使用される場合、“器官”という用語は、特定の機能、または機能の群を実行する、組織の群を言う(例えば、心臓、肺、脳、目、胃、脾臓、骨、膵臓、腎臓、肝臓、腸、皮膚、膀胱、および生殖器官)。
【0030】
[0044] 本明細書中で使用される場合、“プローブ”という用語は、シグナル発生剤(signal generator)または酵素などの、結合剤および標識を有する化学物質を言う。いくつかの態様において、結合剤および標識(シグナル発生剤または酵素)は、単一体中に一体化される。結合剤および標識は、直接(例えば、結合剤に取り込まれる蛍光分子を介して)、または間接的に(例えば、切断部位を含むことができる、リンカーを介して)、付加することができ、そして単一の工程において、生体試料に適用することができる。別の態様において、結合剤および標識は、分離体中に一体化される(例えば、標的および酵素を結合することができる一次抗体、または一次抗体に結合することができる、シグナル発生剤で標識された二次抗体)。結合剤および標識(シグナル発生剤または酵素)が、別々の成分である場合、それらは、生体試料に、単一工程または複数工程において、適用することができる。本明細書中で使用される場合、“蛍光プローブ”という用語は、蛍光シグナル発生剤と結合している結合剤を有する化学物質を言う。
【0031】
[0045] 本明細書中で使用される場合、“毒物”という用語は、生物に害を及ぼす可能性を有する、あらゆる物質を言う。
[0046] 本明細書中で使用される場合、“標準”という用語には、限定するものではないが、比較のための基準値としての役割を果たす、あらゆる情報が含まれる。例えば、標準は、限定するものではないが、真のまたは人工に作成または定義された1つまたはそれ以上のパラメータまたはポイント(例えば、長さ、面積、曲率、色、テクスチャ、形状、強度、それらの組み合わせ)、対照のサカナ、ゼブラフィッシュの過去の画像(例えば、化学物質またはプローブの適用の前に撮られたもの)、あらかじめ決められた標準(例えば、保存される標準のライブラリー、専門家に基づく標準)、分析においてリアルタイムに作成される基準値(例えば、システムにより自動的に、または使用者により手動で)、下位集団により決定される(例えば、手動または自動で)、対照の実行、長期的な研究に基づく標準(例えば、1つまたは集団の固定された時点に基づくもの)、または複数のサカナの融合、を含むことができる。融合は、例えば、複数のサカナ、または1つまたはそれ以上のサカナの複数の画像の、1つまたはそれ以上の特徴の計算統計値を含むことができ、それはスクリーニングされるゼブラフィッシュの着目する解剖学的特徴に相当する。
【0032】
[0047] 例となる方法およびシステムは、毒性学研究などの様々な研究およびスクリーニング研究について、ゼブラフィッシュの分析を自動化する。限定するものではないが、サカナの長さ、頭および尾にある斑点の数、尾の曲率、および肝臓の縮小量などの、サカナの計測値は、サカナのモデルに基づいた、様々な形状記述子を自動的に使用して、実行される。これらの計測値は次に、例えば、用量反応、半数効果濃度(EC50)、および半数阻害濃度(IC50)などの、様々な薬物関連指標を計算するために使用されることができる。画像は、透過光および蛍光画像化によって、様々な撮影手段によって、取得することができ、それぞれは様々なスペクトル帯によって、またはハイパースペクトル画像化を構成する組み合わせにおいてである。形状記述子は、システム内の記憶デバイス内のデータベースに保存することができるか、またはそうでなければ、取り外し可能な記憶デバイスを介して、またはサーバーを通して、システムにアクセス可能であることができる。これらの形状記述子は、スクリーニングされる着目する生物に対する、サカナの表現型の検索および比較を容易にする。さらに、前記データベースは、その他のゼブラフィッシュデータベース(例えば、ZFINの遺伝子データベース)と統合することができる。器官レベルにおける形状および外観的特徴の抽出は、毒物学者の現在のアプローチを模倣する。しかしながら、データベースは、発見ツールとして機能することもでき、その中においていくつかの特徴を組み合わせて、表現型を取得することができる。いくつかの表現型の相関およびクラスタリングパターンが、ヒトによる外観検査によっては容易に検出されない、小さい生物または高等哺乳動物における毒性の発生の兆候を構成することができると理解されるべきである。
【0033】
[0048] この方法およびシステムの1つの観点は、ゼブラフィッシュの発生段階の検出および同定を可能にすることである。着目する生物に応じて、特定のゼブラフィッシュの発生段階は、ゼブラフィッシュの生体構造を検出および同定する際に重要である。この方法およびシステムの少なくとも1つの例となる態様は、ゼブラフィッシュの発生段階を自動的に検出する。この方法およびシステムの別の観点は、化合物処理研究の開始前の、最初のスクリーニングにおける、ゼブラフィッシュの生存能力の検出および同定を可能にすることである(死んでいるか、生きているか)。
【0034】
[0049] 例えば、ゼブラフィッシュはその胚段階において、透明である。様々な適用のためにゼブラフィッシュの発生段階は、重要であり、その限定しない例が下記に記載される:
6時間:6時間において、品質管理の計測として、受精が成功であるかを検出することが可能である;
48時間:48時間において、心臓機能および形態が標準から逸脱するかを決定することが可能である;
96時間:96時間において、胃腸毒性が生じたかを決定することが可能であり、浮袋を分析することもできる;
120時間:120時間において、肝臓毒性の検査をすることが可能である。
【0035】
[0050] ゼブラフィッシュにおける毒性に関連する解剖学的特徴には、限定するものではないが、ゼブラフィッシュの体全体、軸索、尾、胴体、心嚢水腫(pericardial edema)、目、頭、腹部、浮袋、顎、心腔、胃腸管、および肝臓が含まれる。ゼブラフィッシュの解剖学的特徴はまた、全体的な斑点、脳の色、脳のテクスチャ、尾の形状、体節の形状、目の色、体の色、心臓の変化(例えば、時間に伴うもの)、脊索の真直度、ヒレの形状、腸の形状、腸の色、軸索の存在、または細胞または組織の壊死を含むこともできる。
【0036】
[0051] 例えば、図3は、4匹の120時間のゼブラフィッシュ試料を示し、それらの3つは、それぞれ異なる化合物によって処理されており、そして4番目は対照として扱う。図4および6は、対照のゼブラフィッシュ、および変形した頭部および尾部の湾曲を見せる、処理されたゼブラフィッシュを示す、毒性の指標となる発生上の変形を説明する。図5は、明確に形成された目をもつ対照のゼブラフィッシュ、および目の領域および脳において薬物により制御されるアポトーシスを見せる処理されたゼブラフィッシュを示す、神経毒性の指標となる細胞死を説明する。
【0037】
[0052] 評価プロトコルは、生物の特定の発生段階において考案される。例えば、以下は、5日齢のゼブラフィッシュ(120時間)を評価する、例示的なプロトコルである:
心臓の形態:心臓全体の形態および機能の評価。心臓の物理的構造を調査することができる。流動不同時性(Flow asynchronies)もまた、モニターすることができる。心嚢水腫(pericardial edema)の長さなどの、様々な形態学的特徴を計測して、異常、および時間に伴う心臓の変化を、決定および検出することができる。
【0038】
胴体/浮袋:頭の領域における、浮腫についてのスクリーニング。
出血:蓄積した血液の領域を検出。これらの領域は、サカナにおいて暗赤色斑点として現れるだろう。
【0039】
脳の形態:サカナの軸方向および矢状方向の両方の視点を使用して、脳の形態における変化を使用して、異常を決定および検出することができる。
脳組織:脳に対する毒性効果は、脳の色およびテクスチャを使用して決定することができる。例えば、脳組織が不透明になり、そして画像の全体の強度が、大幅により暗くなるだろう。
【0040】
顎の形態:頭の形態における微妙な変化は、顎の発生が影響を受けたことを示す可能性がある。
尾の形態:尾における曲率およびねじれ(図4)などの、尾の形状における変化は、発生上の欠陥を示す可能性がある。サカナの尾にある平行線である体節を、分断することもできる。
【0041】
目の色:もはや黒ではない目の領域は、色素細胞がもはや存在しないことを示し、そして目は、透明になるだろう。
体の色:サカナの表面上の黒い斑点の全体数における変化は、発生上の欠陥を示す可能性がある。
【0042】
脊索の形態:正常のサカナの脊索は、2本の実質的に平行な線によって描写される。これらの線が、波状になるか、またはそうでなければまっすぐでない場合、これは発生上の欠陥を示す可能性がある。
【0043】
ヒレの形態:軸方向または背部の視点を使用して、サカナの側面のヒレが変形しているか、あるいは発生していなかった場合、これは発生上の欠陥を示す可能性がある。
肝臓組織:肝臓の色およびテクスチャにおける変化は、欠陥の指標となる可能性がある。例えば、肝臓の色は、茶色になる可能性があり、そして組織はあらゆる表面テクスチャをもたないように見える可能性がある。
【0044】
腸の形態:胃腸管の変形は、欠陥の指標となる可能性がある。
腸組織:正常GI管の組織は、わずかに黄色であり、そして腸のひだを可視化することが可能である。腸における色およびひだの変化は、欠陥の指標となる可能性がある。
【0045】
[0053] この方法およびシステムのいくつかの態様における別の特徴は、自動画像分析である。自動画像分析は、ゼブラフィッシュおよびその器官発生に対する薬物および毒物の効果をスクリーニングするために非常に重要である、標準化の過程を可能にする。例えば、ゼブラフィッシュの自動画像分析は、反復作業、希少事象の検出、異なるの染色の度合いの定量、多数の特徴の分類および計数、および手動の顕微鏡の性能を超える疑問に答えることを可能にする。モデル化の文脈において、生物学的で画像に基づく実験の定量データを有することは、不可欠である。ハイスループット画像分析は、前記作業を達成するための最も実用的な方法である。
【0046】
[0054] 1つまたはそれ以上の態様における別の特徴は、部分的には、スクリーニングされるゼブラフィッシュをデジタルゼブラフィッシュアトラスと比較することにより、生物の解剖学的構造を検出および同定することである。この方法およびシステムの少なくとも1つの態様は、生物の様々な発生段階を検出および同定するように、設定されることができる。アトラスは、様々な方法によって構築することができるが、アトラスの少なくとも1つの態様は、二次元可塑性メッシュを使用して構築される。計測値の特定の組み合わせは、メッシュの交点を使用して、定義することができる。
【0047】
[0055] 特定の生物に関するアトラスは、生物の関連するすべての領域をとらえるべきである。前記アトラスの限定しない例は、約5日齢(120時間)であるゼブラフィッシュについて、図1に示される。アトラス10は、12の生体構造領域を含む。この例において、示される領域は、目12、中脳14、耳16、顎18、肝臓20、腸22、後脳24、嚢26、脊索28、筋肉30、ヒレ32、および心臓34である。この例において、下位区分表面36は、複数の解像度において、個々のサカナの形状および領域をモデル化するために取り込まれる。この方法を使用して、3次元(3D)におけるアトラスを構築することもできる。アトラス生成および自動アトラス登録の両方は、データの次元に依存しない。例えば、アトラスは、サカナの画像が三次元(3D)であってよく、それにより矢状方向または軸方向に対して直交して撮られたZ-stack画像の組み合わせとして、あるいは、立体的な2つの画像または2つの異なる軸における2つの画像として取得される。アトラスは、時間成分(2D+時間、または3D+時間)を取り込むこともでき、その場合、画像が継時的に繰り返し撮影される(例えば、心拍数の測定のため)。
【0048】
[0056] 図2は、メッシュ下位区分の2つのレベルを示すアトラスの例である。一番目のレベルは、各領域を大きい下位領域38に区分し、そして二番目のレベルは、各領域をより小さい下位領域40に区分する。下位区分のサイズ、形状、および目的における多様性は、特定の適用において適応することができる。これらの例となるアトラスは、ゼブラフィッシュの主な解剖学的特性のすべてを含むが、これらの例は、限定するものではない。アトラスは、特定の生物について必要であるように、使用者によって改良および適応されることができる。例えば、使用者は、着目する領域としてのアトラスの特定の下位領域に、注釈をつけることができる。
【0049】
[0057] アトラスはまた、表現型の研究などの様々な使用において、作成されることもできる。例えば、アトラスは、変異系統などの下位集団において、またはノックアウト研究において使用される下位集団において、作成されることができる。
【0050】
[0058] この方法およびシステムの1つまたはそれ以上の態様において、自動適合アルゴリズムを使用して登録するか、またはそうでなければ、アトラスを個々のサカナの例と一致させるかまたは比較する。いったん登録されると、システムは様々な計測を実行し、そして試験される試料のサカナを分析するように設定することができる。計測および分析の型は、例えば、生物の型、アッセイ、またはテストに基づくシステムによって、自動的に生成されることができる。使用者もまた、必要に応じて、選択をするか、またはシステムに、カスタマイズされた指示を入力することができる。
【0051】
[0059] 図7に示される通り、試験される生物の領域および下位領域は、自動的または選択的に、システムまたは使用者によって、拡大され、強調されるか、またはそうでなければ、分析されることができる。例えば、アッセイまたは毒性試験が、肝臓への効果を対象とする場合、このシステムは、自動的に肝臓領域を同定し、そして次に自動的に拡大するか、またはそうでなければ、デジタル的または光学的に肝臓領域を強調し、および/または分析することができる。続いて、下位領域が、肝臓領域内の着目する下位領域として同定される場合、次に、このシステムはさらに、着目する下位領域を、拡大し、強調し、および/または分析することができる。特定のアッセイまたは試験の対象である生物の画像は、システムまたは使用者によって自動的にまたは手動で注釈が加えられ、例えば、異常を示す下位領域にマークをつけることができる。
【0052】
[0060] 別の例として、特定のアッセイが、ゼブラフィッシュ脊索の領域において、蛍光マーカーの取り込みを計測する必要がある場合、使用者は、アトラスにおいて、着目する領域として、その領域をマークすることができる。システムは、次に、着目する領域を計測しおよび/または分析することができ、そして領域または下位領域の1つまたはそれ以上の特性または特徴の報告または分析を生成することができる。
【0053】
[0061] 1つまたはそれ以上の態様における特徴は、アトラスを使用する場合、アトラスの構造によって定義されるなどの解剖学的に関連する計測を自動的に実行する、システムの能力である。いったんアトラスが特定のサカナ試料に登録されると、いずれかまたは全ての計測を、自動的に算定することができる。可能性のある面積および長さ計測値の組み合わせの例が、5日齢のゼブラフィッシュについて、図8に示される。この例において、長さの計測値は、少なくとも部分的には、適合マップ上の点線に基づく。面積の計測値は、少なくとも部分的には、適合マップ上の実線に基づく。例示のみのために、図8に示す通り、ゼブラフィッシュについての面積および長さの計測値は、以下を含むことができる:
長さ計測
AB 体長
BC 脊索の長さ
BD 尾の長さ
AD 胴体の長さ
EF 心嚢水腫(pericardial edema)の長さ
GH 目のサイズ
IJ 頭の幅
KL 腹部の幅
面積計測

浮袋

心腔
胃腸管
肝臓。
【0054】
[0062] アトラスに基づく計測過程の例の、一般的な流れ図が、図9に示される。この例における過程は、好ましくは透過光画像撮影法によって取得される、ゼブラフィッシュのデジタル画像によって始まる。前処理段階において、サカナに属する表面領域を抽出し、そして頭、目、および尾などの重要な特徴が検出され、そしてマッピングされる。
【0055】
[0063] 重要な特徴は、例えば、ゼブラフィッシュの目を検出するには、最適な半径について二分探索を用いる、多重解像度ハフサークル(Hough circle)適合アルゴリズムを含む、アルゴリズムを使用して、検出することができる。ゼブラフィッシュの体全体の分割は、限定するものではないが、領域分散に基づく画像の四分木分解、および類似するブロックの統合(merging)を含むアルゴリズムを使用して、達成することができる。
【0056】
[0064] 前処理工程の後、そして計測値が抽出される前において、その例が図1に示されるアトラスは、次に登録され、またはそうでなければ、試料生物のマップされた特徴と比較され、そして分割境界が精緻化される。いったん登録されると、システムは次に、自動的にあらかじめ決められるか、同時に起こるように選択されるか、あるいは手動で入力されるガイドラインまたは指示に従って、試料の1つまたはそれ以上の領域、下位領域、解剖学的構造、特性、または特徴を、計測および/または分析する。
【0057】
[0065] 自動アトラス登録を使用して、ゼブラフィッシュなどの生物の形状および重要な生体領域をそのデジタルアトラスと適合し、それにより特定の解剖学的計測を、自動的に推定または決定することができる。前処理段階は、生物の着目する1つまたはそれ以上の領域を同定する。広範囲の登録を適用し、画像における生物の全体的な方向および位置を推測する。1つの試料生物を含む、結果として着目する領域が与えられる場合、生物の輪郭は、画像分割を使用して同定される。態様の1つにおいて、画像分割のための四分木法を適用して、試料の輪郭を同定する。
【0058】
[0066] 動的形状モデル(ASM)アルゴリズムを使用して、試料にアトラスを登録することができる。ASMは、形状モデルおよび外観モデルを含む。形状は、あらかじめ指定される目印の組み合わせを使用して表される。ASMは、観察されたデータからの主成分分析(PCA)モデルを調節することにより、形状の多様性を捕らえる。それぞれの目印において、局所テクスチャモデルは、形状曲線の正常な方向に沿って観察される輪郭テクスチャを使用して、ガウスモデルを調節することにより得られる。生物の形状は、標準から大幅に変化する可能性があるため、生物の輪郭を使用して、ASMアルゴリズムをその大域的最適に非常に近い解において初期化する。
【0059】
[0067] 図9に示される通り、サカナの輪郭に沿ったASM目印は、目印部分の長さ、曲率および画像テクスチャ観察の尤度を最適化することによって同定される。輪郭の点は、状態とみなすことができ、そして輪郭に沿った連続する目印の割り当ては、最適化される軌跡とみなすことができる。ASM目印の広域最適化割り当ては、動的プログラミングアルゴリズムを使用して得ることができる。外側のASM目印の割り当ての後、内側のASM目印が、最尤推定によって初期化される。この例において、サカナの外側境界の形状の統計は、サカナの内側の形状構造の統計と相関しているため、サカナの内側形状の最尤初期化は、グランドトルースに近い。次に、ASM適合アルゴリズムを使用して、サカナの内側のテクスチャ観察の尤度を最大にして、検出されたサカナの輪郭上にASM輪郭目印を固定する。さらに、ASM適合の精緻化がActive Contoursにより達成され、それにより形状および配置を、より高い正確性において適合することができる。最後に、自動サカナ計測は、登録されたアトラスに基づいて実行される。
【0060】
[0068] 図10は、自動的に適合されたアトラス(実線)と、手動で手によって適合されたアトラス(点線)の目視比較の例を示す。
[0069] 試料生物の計測値をあらかじめ決められた計測の範囲と比較して、例えば、特定の計測値が、計測値の正常範囲の外側に収まるかを決定することができる。ハイスループットスクリーニング計測もまた、例えば、特定の実行においてスクリーニングされるすべての生物について抽出することもできる。限定するものではないが、平均値および分散などのパラメータを使用して、正常、野生型、異常、および処理および未処理生物、ならびに毒性および毒性レベルの間を識別することができる。計測は、幾何学的な計測に限定されず、そして限定するものではないが、長さ、面積、曲率、色、テクスチャ、形状、強度、およびその組み合わせにおける、変動を含むことができる。
【実施例】
【0061】
計測値のデータセットは、正常ゼブラフィッシュ11匹、野生型ゼブラフィッシュ8匹、および処理されたゼブラフィッシュ1匹にアトラスを適合させた後、一セットのサカナにより自動的に生成された。図11は、面積計測のマトリックスプロットである。
【0062】
[0070] 図12は、120時間の正常ゼブラフィッシュにおける、体長計測値の比較の例である。例として、体長は、手動計測および自動計測において、比較される。ひし形は、生物学者によって行われた手動計測を示す;三角は自動計測を示す;四角はアトラスの手動適合による計測を示す。
【0063】
[0071] この方法およびシステムは、生物の発生段階を同定するように、そして特定の器官およびその器官内の下位領域を同定するように、設定されることができる。いったん同定されると、器官および下位領域についての情報をさらに使用して、アッセイおよび/または1つまたはそれ以上の蛍光に基づくチャネルの画像による情報と相関を調べることができる。生物のアトラスを、1つまたはそれ以上の態様において使用して、例えば、ゼブラフィッシュ内の異なる器官を自動的に位置づけ、そして次に、その情報を、あらかじめ決められた一連のルールおよびガイドラインと関連づける。
【0064】
[0072] 図13は、この方法およびシステムの限定しない使用を説明する。例えば、この方法およびシステムを使用して、解剖学的に関連する計測値を測定し、生物内の器官を同定し、そして特定の下位集団についてのアトラスを調節することができる。計測値には、限定するものではないが、長さ、面積、曲率、色、グレースケール、強度、テクスチャ、形状、蛍光、およびそれらの組み合わせにおける変動が含まれていてもよい。
【0065】
[0073] この方法およびシステムの1つまたはそれ以上の態様は、試料生物の1つまたはそれ以上の画像を自動的に取得するための工程およびハードウェアを含むことができる。これらの自動画像取得工程、および生物の画像化に必要であるハードウェアは、GE Healthcareより入手可能であるIN Cell Analyzerシステムなどの、自動ハイスループットスクリーニングシステムに組み込むことができる。
【0066】
[0074] 最初の工程において、低解像度の試料生物の画像を撮り、生物の位置を特定し、そして生物内の1つまたはそれ以上の着目する器官の特定の位置を検出する。次に、この情報を適用して、自動的にシステムの対象を変化させ、そして可動性ステージの位置を合わせて、着目する器官の高解像度画像を撮る。アトラスを1つまたはそれ以上の態様において使用して、画像を補正するか、またはそうでなければ、例えば画像連結(image stitching)により自動的に画像を増感する。
【0067】
[0075] このシステムは、より低い解像度においてアトラスを自動的に使用して着目する領域を決定し、そしてより高い解像度において生物の体の領域に焦点を合わせそして画像化するように設定される、画像化デバイスを含むことができる。この方法において、画像化スループットを、有意に増加することができる。応用の例として、ゼブラフィッシュなどの生物が、96穴プレートのウェル内に、1ウェル当たり1匹の受精後5日のサカナである場合、そしてそれが心臓領域(約200マイクロメートル(um)のサイズ)の画像化に着目される場合、適切な解像度は、10×対物レンズ(objective)倍率を用いる画像化であることができる。この拡大の下で、自動高含量画像化システム、例えば、GE Healthcare由来のIN Cell Analyzerの、典型的な視野領域は、約0.6 mm2である。96穴プレートの円形ウェルは、直径約6.5 mm、または面積33 mm2を有する。このことは、心臓領域が画像化されるまでに、10×対物レンズによって、各ウェルにおいて、少なくとも50の画像が得られなければならないことを意味する。
【0068】
[0076] 操作デバイス使用して、例えば、以下の工程を使用するシステムのスピードを増加させることができる:(1)1×倍率の下、ウェル全体の単一の画像の取得;(2)心臓領域の位置を正確な値付近に位置づける、アトラス分析のオンライン使用;(3)光軸上で、心臓領域を横方向に動かし、そして中心に置く、電動XY-ステージ動作への自動コマンド;(4)10×対物レンズに交換させる、電動対物レンズ交換装置への自動コマンド;(5)対物レンズを軸方向に動かし、ウェルの底から上へ適切なレベル(例えば、よりよく焦点を合わせるために、300 um)にする、電動Z-ステージへの自動コマンド;および/または(6)心臓領域の透過光および/または蛍光画像の取得。いくつかの態様において、すべての操作を、部分的には、複数の画像が取得されるかに応じて、同時にまたはほとんど同時に行うことができる。本実施例の態様は、限定するものではないが、(a)高解像度画像スループットを、有意に増加させることができる(本実施例において少なくとも25倍);(b)多数の高解像度画像の後処理を必要としない(例えば、分析、連結、平面化補正);および(c)そのほとんどの領域が空である多数の不要画像の取得によって、システムメモリが妨害される必要がない;などの、利点を提供する。
【0069】
[0077] 自動システム50(図14)は、一般に以下を含む:生物のアトラスを少なくとも一時的に保存し、そして試料生物の画像を保存するための、記憶保存デバイス52;および、この方法の1つまたはそれ以上の工程を実行するための、プロセッサなどの操作デバイス54。記憶保存デバイスは、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、またはCPU(中央処理装置)のDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、あるいはDVDまたはCDなどのあらゆる適切なディスクドライブ記憶デバイス、あるいは、zipドライブ、あるいはメモリカードまたはメモリスティックなどの、処理デバイスに付随するあらゆる適切なハードドライブメモリを含むことができる。記憶保存デバイスは、プロセッサまたは画像を表示するためのディスプレイデバイスから、離れて配置されることができ、そしてさらに配線で接続されているか無線かにかかわらず、限定するものではないが、ローカルエリアネットワーク、ケーブルネットワーク、衛星ネットワーク、およびインターネットを含む、あらゆる適切な接続デバイスまたは通信ネットワークを介してアクセスされることができる。プロセッサまたはCPUは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、およびデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含むことができる。
【0070】
[0078] 保存デバイス52および操作デバイス54は、1つのシステム内で画像化および分析をする、自動高速システムなどの分析デバイスの構成要素として、組み込むことができる。前記システムの例には、限定するものではないが、General Electric IN Cell Analyzerシステム(ニュージャージー州、Piscataway、General Electric Healthcare Bio-Sciences Group)が含まれる。記述される通り、システム50はさらに、試料生物の1つまたはそれ以上の画像、アトラス、試料生物の画像に適合されるアトラス、計測結果、および/またはシステム使用者が見るために有用である、その他のあらゆる型の画像、レポート、またはデータを表示するためのディスプレイデバイス56;相互ビューアー58;仮想顕微鏡60;および/または1つまたはそれ以上の画像またはあらゆる関連データまたは分析情報を、通信ネットワーク64を介して、1つまたはそれ以上の遠隔地66に送信するためのデバイス62、を含むことができる。
【0071】
[0079] ディスプレイデバイス56は、限定するものではないが、LCDまたはCRTを内臓するデバイスなどの、デジタル画像を表示することができるあらゆる適切なデバイスを含むことができる。送信デバイス62は、限定するものではないが、配線で接続された、または無線の、デジタル通信システムを含む、通信ネットワークを介してデジタル情報を送信するための、あらゆる適切な手段を含むことができる。IN Cell Analyzerと同様に、このシステムはさらに、アッセイ、またはその他の適用される染色、マーカー、プローブまたはその他の同様の研究ツールを処理するための自動装置68;および、限定するものではないが、励起源72を含み、そして着目する試料生物のデジタル画像を取得することができる、蛍光画像化顕微鏡などの、デジタル画像化デバイス70を、含むことができる。前記画像化デバイスは、可動式ステージを有することができ、そして自動で焦点を合わせることができ、続いて、必要に応じて焦点特性を維持および追跡することができる。
【0072】
[0080] この方法およびシステムは、限定するものではないが、以下を含む、幅広い種類の用途において、使用されることができる:
器官特異的な毒性
神経毒性
心臓毒性
肝臓毒性
腎毒性
胃腸毒性
膵毒性
神経系のアッセイ
血管新生アッセイ
アポトーシスアッセイ
化学ライブラリーの高含量スクリーニング
心機能評価
遺伝子型研究
一般毒性
特異的毒性
遺伝毒性
病理学
細胞アッセイ:
フローサイトメトリー
細胞周期
遺伝子発現
化学ライブラリーのHTS
血管新生
アポトーシス
標的検証
腫瘍細胞移植。
【0073】
[0081] 発明の特定の特性のみが、本明細書中で説明および記述されているが、多くの修正および変換が、当業者によって生じるであろう。そのため、添付の請求の範囲は、発明の真の精神の範囲内におさまる限り、前記修正および変換のすべてを含めることを意図することが、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーニングされるゼブラフィッシュの画像を少なくとも一時的に保存するための、保存デバイス;
ゼブラフィッシュアトラス;および
少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュアトラスを少なくとも部分的に使用して決定されるゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を1つまたはそれ以上の標準と自動的に比較することにより、ゼブラフィッシュを自動的にスクリーニングする操作デバイス、
を含む、ゼブラフィッシュをスクリーニングするためのシステム。
【請求項2】
ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴が、ゼブラフィッシュ、体、脊索、尾、胴体、目、頭、腹部、浮袋、顎、心臓、胃腸管、または肝臓の計測を含む、請求項1のシステム。
【請求項3】
ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴が、斑点、脳の色、脳のテクスチャ、尾の形状、体節の形状、目の色、心臓の変化、体の色、脊索の真直度、ヒレの形状、腸の形状、腸の色、軸索の存在、または細胞または組織の壊死を含む、請求項1のシステム。
【請求項4】
操作デバイスがゼブラフィッシュの発生段階を決定する、請求項1のシステム。
【請求項5】
1つまたはそれ以上の標準が、対照のサカナである、請求項1のシステム。
【請求項6】
操作デバイスがゼブラフィッシュが対応する系統を同定する、請求項1のシステム。
【請求項7】
系統が、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュを、操作システムにアクセス可能である候補となるゼブラフィッシュ系統のライブラリーと比較することにより同定される、請求項6のシステム。
【請求項8】
系統が、1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を、ライブラリー中の1つまたはそれ以上の候補となるゼブラフィッシュ系統と比較することにより同定される、請求項7のシステム。
【請求項9】
解剖学的特徴が、ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の計測値を含み、そして操作デバイスが、少なくとも部分的には、1つまたはそれ以上の計測値を毒性標準と比較することにより、毒性についてゼブラフィッシュをスクリーニングする、請求項1のシステム。
【請求項10】
計測値が、長さ、面積、曲率、色、テクスチャ、形状、強度、およびそれらの組み合わせの1つまたはそれ以上を含む、請求項9のシステム。
【請求項11】
操作デバイスが、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュにおける1つまたはそれ以上の発生上の欠陥を自動的に同定することにより、毒性についてゼブラフィッシュをスクリーニングする、請求項1のシステム。
【請求項12】
さらに、画像化デバイスを含む、請求項1のシステム。
【請求項13】
画像化デバイスが様々なレベルの解像度でのゼブラフィッシュの複数の画像を撮る、請求項12のシステム。
【請求項14】
画像の1つはゼブラフィッシュ全体のより低い解像度の画像であり、そして画像の1つはゼブラフィッシュ内の1つまたはそれ以上の器官のより高い解像度の画像である、請求項13のシステム。
【請求項15】
操作システムが、1つまたはそれ以上の低解像度の画像に対して、リアルタイムアトラス分析を適用して、少なくとも部分的には、器官を同定し、そして高倍率視野において器官を中心に置くことによって、1つまたはそれ以上の高解像度画像の取得を開始する、請求項13のシステム。
【請求項16】
保存デバイスが、1つまたはそれ以上の化学物質に関する情報をさらに保存し、そして操作デバイスが、ゼブラフィッシュ内の1つまたはそれ以上の器官に関連するデータを収集し、そしてデータを1つまたはそれ以上の化学物質に関する情報と相関させる、請求項1のシステム。
【請求項17】
操作デバイスが、器官のデータと化学物質の情報との相関に基づいて、1つまたはそれ以上の毒性レベルを決定する、請求項16のシステム。
【請求項18】
アトラスが適合性である、請求項1のシステム。
【請求項19】
スクリーニングされるゼブラフィッシュの画像を提供する工程;
ゼブラフィッシュアトラスを提供する工程、そして少なくとも部分的にはアトラスを使用することにより、ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を自動的に計測する工程;および
少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴を、1つまたはそれ以上の標準と自動的に比較することにより、ゼブラフィッシュをスクリーニングする工程;
を含む、ゼブラフィッシュをスクリーニングするための方法。
【請求項20】
計測値が、長さ、面積、曲率、色、テクスチャ、形状、強度、およびそれらの組み合わせの1つまたはそれ以上を含む、請求項19の方法。
【請求項21】
1つまたはそれ以上の標準が、長さ、面積、曲率、色、テクスチャ、形状、強度、およびそれらの組み合わせの1つまたはそれ以上に対応する、請求項20の方法。
【請求項22】
ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴が、ゼブラフィッシュの体、脊索、尾、胴体、目、頭、腹部、浮袋、顎、心臓、胃腸管、または肝臓の計測を含む、請求項19の方法。
【請求項23】
ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の解剖学的特徴が、斑点、脳の色、脳のテクスチャ、尾の形状、体節の形状、心臓の変化、目の色、体の色、脊索の真直度、ヒレの形状、腸の形状、腸の色、軸索の存在、または細胞または組織の壊死を含む、請求項19の方法。
【請求項24】
ゼブラフィッシュの発生段階を自動的に決定する工程をさらに含む、請求項19の方法。
【請求項25】
1つまたはそれ以上の標準が、対照のサカナ、ゼブラフィッシュの過去の画像、ライブラリーに基づく標準、または複数のサカナの融合、を含む、請求項19の方法。
【請求項26】
融合が、ゼブラフィッシュの解剖学的特徴に対応する、複数のサカナの1つまたはそれ以上の特徴の計算統計値を含む、請求項19の方法。
【請求項27】
少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュを、操作システムにアクセス可能である候補となるゼブラフィッシュの系統のライブラリーと自動的に比較することにより系統を同定する、ゼブラフィッシュが対応する系統を同定する工程をさらに含む、請求項19の方法。
【請求項28】
毒性が、少なくとも部分的には、ゼブラフィッシュにおける1つまたはそれ以上の発生上の欠陥を自動的に同定することにより、スクリーニングされる、請求項19の方法。
【請求項29】
ゼブラフィッシュの1つまたはそれ以上の器官において、1つまたはそれ以上の毒性レベルを決定する工程をさらに含む、請求項19の方法。
【請求項30】
ゼブラフィッシュの表現型を決定する工程をさらに含む、請求項19の方法。
【請求項31】
ゼブラフィッシュの遺伝子型を決定する工程をさらに含む、請求項19の方法。

【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図14】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−508018(P2012−508018A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535658(P2011−535658)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/063342
【国際公開番号】WO2010/054041
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】