説明

ソフトウェア配布運用管理装置、方法、およびプログラム

【課題】 きめ細かなソフトウェアの配布運用管理を行うことができるソフトウェア配布管理装置を提供する。
【解決手段】 複数のコンピュータに接続され、所定のソフトウェアを配布するソフトウェア配布管理装置であって、ソフトウェアの配布に関する要求を前記コンピュータから受け取る手段と、前記コンピュータを所有する部門に関する組織体系を調べる手段と、前記部門が前記ソフトウェアの未使用ライセンスを所有しているかどうかを調べる手段と、前記部門が前記ライセンスを所有している場合に、該コンピュータに該ソフトウェアを配布する手段と、前記部門が前記ライセンスを所有しない場合に、該部門が属する部門体系内の他の部門が前記ライセンスを所有しているかどうかを調べる手段と、前記他の部門が前記ライセンスを所有している場合に、前記コンピュータに前記ソフトウェアを配布する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入等により入手したソフトウェアの資産データに基づいて、企業内のソフトウェア配布計画、配布状態の管理、および配布されたソフトウェアの利用を監視、制御するための一連の手段を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業で使用されているコンピュータなどの情報は、最近ではネットワークを介してインベントリ情報として自動収集することが可能となっている。このインベントリ情報を利用して、主にソフトウェアのライセンスを管理する方法が提案されている。
(例えば、引用文献1参照)
特許文献1によると、収集したインベントリ情報から部門ごとにライセンス利用数を集計して、購入ライセンス数が不足している時は購入を促す情報を出力、遊休ライセンスの付替えなどを可能としている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−222424号公報(全文)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、引用文献1の技術では下記の通りの課題が残る。
(1) 引用文献1の技術は、インストールがされた事後にインベントリ情報を収集し利用ライセンスをチェックする方式であり、事前に組織部門・拠点体系および資産情報などと合わせて、ソフトウェアの配布計画を行うことができないと共に、配布状況を管理し、配布されたソフトウェアの利用を監視、制御することができない。ソフトウェアの配布計画から利用制御までをトータルでサポートすることができない。
(2)引用文献1によると、企業内の部門ごとに所有するライセンスを、該当部門が所有するコンピュータに配布可能であるが、他部門には配布できないようにするなどの配布制限を行うことができない。
また、上位部門が所有するライセンスは、その下位に属する部門が所有するコンピュータに配布可能であるが、それ以外の部門には配布できないようにするなどの仕組みがない。(親部門、子部門の実態を反映した、実組織体系に即した配布管理方法の実現)
【0005】
(3)企業内の複数部門でライセンスを共有する場合において、分割するライセンス数、負担費用を組織部門ごとに管理することができない。
(4)ソフトウェア配布の実行時、企業内ネットワーク構成により、配布経路を分散してネットワーク負荷の集中を回避することができない。さらにソフトウェアの配布が失敗したコンピュータがある場合、別経路にある配布サーバから再配布を実行することができない。
【0006】
(5)ソフトウェアの配布計画にないコンピュータに対して不正にインストールされてしまった場合、特定ソフトウェアの利用を制限する仕組みがない。
(6)ソフトウェアの利用期限などが設定できないため、組織部門、コンピュータごとに将来の利用計画を立てることができない。
【0007】
従って、本発明の課題は、きめ細かなソフトウェアの配布運用管理を行うことができるソフトウェア配布管理装置、方法、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために創案された請求項1の発明は、複数のコンピュータと配布拠点サーバとに通信可能に接続されることで企業ネットワークシステムを構成し、前記配布拠点サーバ経由で前記複数のコンピュータに所定のソフトウェアを配布し、かつ該コンピュータ上での配布済みのソフトウェアの利用を管理するソフトウェア配布管理装置であって、
管理部門、識別ID、ソフトウェア名称、バージョン情報を含む、前記複数のコンピュータに配布するためのソフトウェアに関する情報が予め登録された配布ソフトウェア情報テーブルと、
前記複数のコンピュータからインベントリ情報を収集する手段と、
配布ソフトウェア管理ID、配布開始日、配布期限、配布先コンピュータ情報、利用許可期間、同時利用許可数を含む、ソフトウェアの配布計画に関する情報が予め登録された配布計画情報テーブルと、
前記企業ネットワークシステムを使用する部門の組織体系に関する情報が予め登録された部門情報テーブルと、
管理ID、拠点名称を含む、前記配布拠点サーバに関する情報が予め登録された配布拠点情報テーブルと、
配布ソフトウェア管理ID、履歴管理ID、利用監視結果を含む、配布したソフトウェアの利用履歴をソフトウェア毎、コンピュータ毎に管理するソフトウェア利用履歴情報テーブルと、
を備え、
さらに前記ソフトウェア配布管理装置は、
前記配布ソフトウェア情報テーブルに登録されたソフトウェアの中から選択された所定のソフトウェアについての配布に関する要求を前記複数のコンピュータの何れかから受け取る手段と、
前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアを前記配布計画情報テーブルに登録する手段と、
前記部門情報テーブルを参照して前記配布要求元のコンピュータを所有する部門に関する組織体系を調べる手段と、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有しているかどうかを調べる手段と、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアについての未使用ライセンスを所有している場合に、該コンピュータに該ソフトウェアを配布する手段と、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有していない場合に、該部門が属する部門体系内の他の部門が前記未使用のライセンスを所有しているかどうかを調べる手段と、
前記他の部門が前記未使用のライセンスを所有している場合に、前記配布要求元のコンピュータに前記要求を受けたソフトウェアを配布する手段と、
前記ソフトウェアを配布するときに、前記配布拠点情報テーブルを参照して前記ソフトウェア送付先のコンピュータに前記企業ネットワーク上で最も近いサーバを選択し、このサーバ経由で該ソフトウェアを配布する手段と、
を備え、
さらに、前記ソフトウェア配布管理装置は、
(a)前記コンピュータに所定のソフトウェアを配布した後に、該コンピュータから該配布した所定のソフトウェアに対する利用の要求を受け取る手段と、
(b)前記配布計画情報テーブルを参照して、前記所定のソフトウェアが利用許可期限内であるかどうかを調べる手段と、
(c)前記所定のソフトウェアが同時利用許可数に達しているかどうかを調べる手段と、
前記(b)および(c)の条件を満足している場合には前記要求元のコンピュータに前記所定のソフトウェアが利用許可であることを通知し、満足していない場合には利用不許可であることを通知する手段と、
前記所定のソフトウェアの利用履歴を前記ソフトウェア利用履歴情報テーブルに登録する手段と、
を備えることを特徴とするソフトウェア配布管理装置である。
【0009】
上記課題を達成するために創案された請求項2の発明は、複数のコンピュータと配布拠点サーバとに通信可能に接続されることで企業ネットワークシステムを構成し、前記配布拠点サーバ経由で前記複数のコンピュータに所定のソフトウェアを配布し、かつ該コンピュータ上での配布済みのソフトウェアの利用を管理するソフトウェア配布管理装置によって行われる、ソフトウェア配布および利用管理方法であって、
前記ソフトウェア配布管理装置は、
管理部門、識別ID、ソフトウェア名称、バージョン情報を含む、前記複数のコンピュータに配布するためのソフトウェアに関する情報が予め登録された配布ソフトウェア情報テーブルと、
前記複数のコンピュータからインベントリ情報を収集する手段と、
配布ソフトウェア管理ID、配布開始日、配布期限、配布先コンピュータ情報、利用許可期間、同時利用許可数を含む、ソフトウェアの配布計画に関する情報が予め登録された配布計画情報テーブルと、
前記企業ネットワークシステムを使用する部門の組織体系に関する情報が予め登録された部門情報テーブルと、
管理ID、拠点名称を含む、前記配布拠点サーバに関する情報が予め登録された配布拠点情報テーブルと、
配布ソフトウェア管理ID、履歴管理ID、利用監視結果を含む、配布したソフトウェアの利用履歴をソフトウェア毎、コンピュータ毎に管理するソフトウェア利用履歴情報テーブルと、
を備え、
前記ソフトウェア配布および利用管理方法は、
前記配布ソフトウェア情報テーブルに登録されたソフトウェアの中から選択された所定のソフトウェアについての配布に関する要求を前記複数のコンピュータの何れかから受け取るステップと、
前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアを前記配布計画情報テーブルに登録するステップと、
前記部門情報テーブルを参照して前記配布要求元のコンピュータを所有する部門に関する組織体系を調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアについての未使用ライセンスを所有している場合に、該コンピュータに該ソフトウェアを配布するステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有していない場合に、該部門が属する部門体系内の他の部門が前記未使用のライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記他の部門が前記未使用のライセンスを所有している場合に、前記配布要求元のコンピュータに前記要求を受けたソフトウェアを配布するステップと、
前記ソフトウェアを配布するときに、前記配布拠点情報テーブルを参照して前記ソフトウェア送付先のコンピュータに前記企業ネットワーク上で最も近いサーバを選択し、このサーバ経由で該ソフトウェアを配布するステップと、
を含み、
さらに、前記ソフトウェア配布および利用管理方法は、
(a)前記コンピュータに所定のソフトウェアを配布した後に、該コンピュータから該配布した所定のソフトウェアに対する利用の要求を受け取るステップと、
(b)前記配布計画情報テーブルを参照して、前記所定のソフトウェアが利用許可期限内であるかどうかを調べるステップと、
(c)前記所定のソフトウェアが同時利用許可数に達しているかどうかを調べるステップと、
前記(b)および(c)の条件を満足している場合には前記要求元のコンピュータに前記所定のソフトウェアが利用許可であることを通知し、満足していない場合には利用不許可であることを通知するステップと、
前記所定のソフトウェアの利用履歴を前記ソフトウェア利用履歴情報テーブルに登録するステップと、
を含むことを特徴とするソフトウェア配布および利用管理方法である。
【0010】
上記課題を達成するために創案された請求項3の発明は、複数のコンピュータと配布拠点サーバとに通信可能に接続されることで企業ネットワークシステムを構成し、前記配布拠点サーバ経由で前記複数のコンピュータに所定のソフトウェアを配布し、かつ該コンピュータ上での配布済みのソフトウェアの利用を管理する機能をソフトウェア配布管理装置に実行させるためのプログラムであって、
前記ソフトウェア配布管理装置は、
管理部門、識別ID、ソフトウェア名称、バージョン情報を含む、前記複数のコンピュータに配布するためのソフトウェアに関する情報が予め登録された配布ソフトウェア情報テーブルと、
前記複数のコンピュータからインベントリ情報を収集する手段と、
配布ソフトウェア管理ID、配布開始日、配布期限、配布先コンピュータ情報、利用許可期間、同時利用許可数を含む、ソフトウェアの配布計画に関する情報が予め登録された配布計画情報テーブルと、
前記企業ネットワークシステムを使用する部門の組織体系に関する情報が予め登録された部門情報テーブルと、
管理ID、拠点名称を含む、前記配布拠点サーバに関する情報が予め登録された配布拠点情報テーブルと、
配布ソフトウェア管理ID、履歴管理ID、利用監視結果を含む、配布したソフトウェアの利用履歴をソフトウェア毎、コンピュータ毎に管理するソフトウェア利用履歴情報テーブルと、
を備え、
前記プログラムは前記ソフトウェア配布管理装置に、
前記配布ソフトウェア情報テーブルに登録されたソフトウェアの中から選択された所定のソフトウェアについての配布に関する要求を前記複数のコンピュータの何れかから受け取るステップと、
前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアを前記配布計画情報テーブルに登録するステップと、
前記部門情報テーブルを参照して前記配布要求元のコンピュータを所有する部門に関する組織体系を調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアについての未使用ライセンスを所有している場合に、該コンピュータに該ソフトウェアを配布するステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有していない場合に、該部門が属する部門体系内の他の部門が前記未使用のライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記他の部門が前記未使用のライセンスを所有している場合に、前記配布要求元のコンピュータに前記要求を受けたソフトウェアを配布するステップと、
前記ソフトウェアを配布するときに、前記配布拠点情報テーブルを参照して前記ソフトウェア送付先のコンピュータに前記企業ネットワーク上で最も近いサーバを選択し、このサーバ経由で該ソフトウェアを配布するステップと、
を実行させ、
さらに、前記プログラムは前記ソフトウェア配布管理装置に、
(a)前記コンピュータに所定のソフトウェアを配布した後に、該コンピュータから該配布した所定のソフトウェアに対する利用の要求を受け取るステップと、
(b)前記配布計画情報テーブルを参照して、前記所定のソフトウェアが利用許可期限内であるかどうかを調べるステップと、
(c)前記所定のソフトウェアが同時利用許可数に達しているかどうかを調べるステップと、
前記(b)および(c)の条件を満足している場合には前記要求元のコンピュータに前記所定のソフトウェアが利用許可であることを通知し、満足していない場合には利用不許可であることを通知するステップと、
前記所定のソフトウェアの利用履歴を前記ソフトウェア利用履歴情報テーブルに登録するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、きめ細かなソフトウェアの配布運用管理を行うことができるソフトウェア配布管理装置、方法、ソフトウェア、並びにコンピュータ可読媒体を提供するが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態のソフトウェア配布管理装置の構成を示す図面である。
【図3】本発明における配布管理情報部の構成例を示す図面である。
【図4】本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェア配布管理の各工程を示すフローチャートである。
【図5】本発明のソフトウェア配布管理装置によるソフトウェア配布計画の登録処理を示す図面であり、図5(a)は、本発明のソフトウェア配布管理装置によるソフトウェア配布計画の登録処理を示すフローチャートであり、図5(b)は、ソフトウェア配布計画の登録処理を行う場合の組織体系図の一例を示す図面である。
【図6】図6(a)は、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの配布実行方法を示すフローチャートであり、図6(b)は、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの配布実行を行う際の企業のネットワーク例を示す図面である。
【図7】本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの利用監視処理方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたアラート監視情報の登録処理方法を示すフローチャートである。
【図9】発明の特定の実施形態における資産管理システムを示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。まず、本発明の基本構造を図1〜図3に基づいて説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の構成を示す概略図であり、図2は、本発明の第1実施形態のソフトウェア配布管理装置の構成を示す図面であり、そして図3は本発明における配布管理情報部の構成例を示す図面である。
【0015】
図1は、他の資産情報を管理するサーバに組み込まれたソフトウェア配布管理装置の例を示すものであり、企業内のLANシステムにネットワークを介して接続されている。
【0016】
他の資産管理システムとは、本願出願人が先に「資産管理システム、資産管理方法及びプログラム」の名称で特願2006−187280(出願日2006年7月6日、非公開)として出願した資産管理システムであって、図9に示す通り、下記項目に関するものである。
なお、図9は、本発明の特定の実施形態における資産管理システムを示す概略図である。
(1) 企業内LANの一部のコンピュータシステムに組み込まれ、
前記企業内にあるハードウェア資産、ソフトウェア資産及びハードウェア及びソフトウェア資産を管理するための管理システムであり、そして利用状況と、減価償却費を含む経費情報と、支払い費用と、組織情報と、日付情報を含む要素を組み合わせて管理するための資産管理システムであって、前記コンピュータシステムは、組織の部門、従業員及び場所情報を登録・管理・格納する組織場所情報管理部と、資産情報を登録・管理・格納する資産情報管理部と、インベントリ情報を登録・管理・格納するインベントリ情報管理部と、を備え、
前記組織場所情報管理部と、前記資産情報管理部とは、適用開始日、適用終了日によって期間指定されて各情報を履歴管理し、
前記システムは、さらに前記資産情報が購入品であり、減価償却が発生するものに関しては、期首適用年、償却適用年月によって期間指定されて各情報を履歴管理し、
前記システムは、前記企業内の資産を入手した際には資産情報を資産情報管理部に登録し、組織、場所情報を組織場所情報管理部に登録し、
前記システムは、さらに前記資産情報が購入品であり、減価償却が発生するものに関しては、データ登録時に償却可能限度額または残存価額に達するまでの減価償却計算を、期首毎、月毎に自動算出してデータ登録するための減価償却の算出手段、及び
前記資産情報がリース品/レンタル品/保守契約で、支払いが発生するものに関しては、データ登録時に支払い費用を算出してデータ登録する支払い費用の算出手段、
の少なくとも1つの算出手段を備えることを特徴とする、資産管理システム。
【0017】
(2) 前記システムは、さらにライセンス及び保守管理情報を登録・管理・格納するライセンス及び保守管理情報管理部を備え、
登録した「資産情報」に関して、「ライセンス」または「保守契約」で管理される資産がある場合は、「資産情報」と「ライセンス管理」、「保守管理」を手動で関連付けするライセンス割当て手段を備えることを特徴とする(1)に記載の資産管理システム。
【0018】
(3) 前記システムは、前記登録した情報の[適用開始日]と現時点を監視するデータ監視手段を備え、現時点が監視対象時点に到達した場合の、アラート情報を登録するアラート登録手段を備えることを特徴とする(1)又は(2)に記載の資産管理システム。
【0019】
(4) 前記インベントリ情報管理部は、インベントリ収集手段により、前記企業内の各コンピュータからインベントリ情報を収集してデータ登録することを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の資産管理システム。
【0020】
(5) 前記インベントリ情報は、インベントリ識別IDを含み、前記登録された「資産情報」データ内の[インベントリ識別ID]と、収集した「インベントリ情報」でデータが一致するレコードがあった場合は、資産情報とインベントリ情報とを自動的にリンクすることを特徴とする(4)に記載の資産管理システム。
【0021】
(6) 企業内LANの一部に組み込まれ、組織及び場所情報を登録・管理・格納する組織場所情報管理部と、資産情報を登録・管理・格納する資産情報管理部と、インベントリ情報を登録・管理・格納するインベントリ情報管理部と、を有するコンピュータシステムにより前記企業内にあるハードウェア資産、ソフトウェア資産及びハードウェア及びソフトウェア資産を管理するための管理システムを用いて、利用状況と、減価償却費を含む経費情報と、支払い費用と、組織情報と、日付情報を含む要素を組み合わせて管理する資産管理方法であって、
前記資産情報管理部に資産情報を入力するに当って、前記組織場所情報管理部と、前記資産情報管理部とは、適用開始日、適用終了日によって期間指定されて各情報を履歴管理し、前記企業内の資産を入手した際には資産情報を資産情報管理部に登録し、組織、場所情報を組織場所情報管理部に登録し、前記資産情報が購入品であり、減価償却が発生するものの場合に、データ登録時に償却可能限度額または残存価額に達するまでの減価償却計算を、期首毎、月毎に自動算出してデータ登録し、前記資産情報がリース品/レンタル品/保守契約で、支払いが発生するものの場合には、データ登録時に支払い費用を算出してデータ登録することを特徴とする、資産管理方法。
【0022】
(7) 前記登録した「資産情報」に関して、「ライセンス」または「保守契約」で管理される資産がある場合は、「資産情報」と「ライセンス管理」、「保守管理」を関連付けする段階を含むことを特徴とする(6)に記載の資産管理方法。
【0023】
(8) 前記システムは、登録した情報の[適用開始日]と現時点を監視するデータ監視手段を備え、現時点が監視対象時点に到達した場合は、アラート情報を登録することを特徴とする(6)又は(7)に記載の資産管理方法。
【0024】
(9) 前記インベントリ情報管理部は、インベントリ収集手段により、前記企業内の各コンピュータからインベントリ情報を収集してデータ登録することを特徴とする(6)から(8)のいずれか1項に記載の資産管理方法。
【0025】
(10) 「組織、場所情報」の変更が発生した場合は、該当する[部門識別ID]の変更前と変更後のデータ、および[適用開始日]を指定して、「資産情報」の[管理部門][費用負担部門]を一括変更する段階を含むことを特徴とする(6)から(9)のいずれか1項に記載の資産管理方法。
【0026】
(11) 「インベントリ情報」収集の後にチェックを行ない、ライセンスを所有する部門で管理するコンピュータ以外にソフトウェアがインストールされた場合は、アラートを発生する段階を含むことを特徴とする(6)から(10)のいずれか1項に記載の資産管理方法。
【0027】
(12) 「インベントリ情報」収集の後にチェックを行ない、ライセンス管理されたソフトウェアが、関連付けされたコンピュータ以外にインストールされた場合は、アラートを発生する段階を含むことを特徴とする(6)から(11)のいずれか1項に記載の資産管理方法。
【0028】
(13) 資産に割当てられたライセンスが有効期限に達した場合は、アラートを発生する段階を含むことを特徴とする(6)から(12)のいずれか1項に記載の資産管理方法。

【0029】
(14) 企業内LANの一部に組み込まれ、組織及び場所情報を登録・管理・格納する組織場所情報管理部と、資産情報を登録・管理・格納する資産情報管理部と、インベントリ情報を登録・管理・格納するインベントリ情報管理部と、を有するコンピュータシステムにより前記企業内にあるハードウェア資産、ソフトウェア資産及びハードウェア及びソフトウェア資産を管理するための管理システムを用いて、利用状況と、減価償却費を含む経費情報と、支払い費用と、組織情報と、日付情報を含む要素を組み合わせて管理するための資産管理プログラムであって、
前記資産情報管理部に資産情報を入力するに当って、前記組織場所情報管理部と、前記資産情報管理部とは、適用開始日、適用終了日によって期間指定されて各情報を履歴管理し、さらに前記資産情報が購入品であり、減価償却が発生するものに関しては、期首適用年、償却適用年月によって期間指定されて各情報を履歴管理し、前記企業内の資産を入手した際には資産情報を資産情報管理部に登録し、組織、場所情報を組織場所情報管理部に登録し、前記資産情報が購入品であり、減価償却が発生するものの場合に、データ登録時に償却可能限度額または残存価額に達するまでの減価償却計算を、期首毎、月毎に自動算出してデータ登録し、前記資産情報がリース品/レンタル品/保守契約で、支払いが発生するものの場合には、データ登録時に支払い費用を算出してデータ登録する各段階を実行することを特徴とする、資産管理プログラム。
【0030】
このような資産管理システムは、下記のような効果を有している。
(1)現時点より先(未来)の期間指定をして、組織情報、資産情報のデータ登録することができるようになり、期間ごとに登録された複数件の情報を、一度にシミュレーションすることができるようになった。
(2)組織情報、資産情報を関連付けて、期間ごとに登録された情報をまとめてシミュレーションができるようになった。
(3)上記シミュレーションにおいて、資産の経費(減価償却費、資産価値、レンタル支払い額、リース支払額、ライセンス支払額)を混在表示することができるようになった。
(4)上記シミュレーションにおいて、部門、場所ごとにまとめて資産の経費を確認できるようになった。
(5)上記シミュレーションにおいて、過去、未来のデータを一度にまとめて確認できるようになった。
【0031】
(6) 上記シミュレーションにおいて、物品・利用状況の情報(インベントリ情報)と経費情報をまとめて確認できるようになった。
(7)購入品で減価償却資産においては、登録時に償却可能限度額又は残存価額に達するまでの減価償却の計算を行ない、そのデータを予め登録し、都度計算する手間を省いたので、表示の時間が高速化された。
(8)現時点より先(未来)の期間指定をして登録されたデータに関しては、現時点が該当データの[適用開始日]に到達したことを管理するアラート機能により、管理者の監視ポイントが明確になった。
常に現時点では実際の資産情報に更新できることで、過去から現在までの資産管理と未来の資産管理(シミュレーション)が、時間的な切れ目なしに整合性が保たれた状態で管理ができるようになった。
(9)その他、契約期間などの監視動作を個別に設定できるアラート機能により、管理者の監視ポイントが明確になった。
(10)アラート機能により、対象資産に実施するアクションを明確にすることが可能となった。
【0032】
この実施形態では、このような資産管理システムと連動して、本発明のソフトウェア配布管理装置を組み込んでいるが、本発明はこのような資産管理システムと連動することなく、単独で企業内のLANシステムに組み込むことは可能である。
また、実施形態では、ネットワークを介して複数の配布拠点サーバを介して接続された配布対象コンピュータ1・・・nから構成されている。その他所望に応じて企業のLANシステムは、WWWサーバ、メールサーバなどの各種サーバ類から構成されている。
【0033】
そして、図2に示す通り、本発明のソフトウェア配布管理装置は、
前記各コンピュータに配布する前記ソフトウェアの情報を管理する配布ソフトウェア情報テーブルと、前記ソフトウェアの配布に関する情報を管理する配布計画情報テーブルと、所望に応じて配布拠点情報テーブルと、ソフトウェア利用履歴情報テーブルとを有している。
【0034】
図3に示す通り、前記配布ソフトウェア情報テーブルは、各ソフトウェアを資産管理するための資産情報識別IDと、ソフトウェア配布を管理するための配布ソフトウェア管理IDと、ソフトウェアを識別するための項目を含んでいる。
【0035】
また、前記配布計画情報テーブルは、図3に示す通り、各ソフトウェアの配布計画を管理するための配布計画管理IDと、前記配布ソフトウェア情報テーブルと関連付けするための配布ソフトウェア管理IDと、配布開始日、配布期限、前記LANシステムを構成するコンピュータを管理する配布先コンピュータ情報およびソフトウェアの同時利用可能数を管理するための同時利用許可数に関する項目を含んでいる。
【0036】
配布拠点情報テーブルは、配布拠点となるサーバの情報を管理するためのテーブルであって、そして図3に示す通り配布拠点サーバ管理ID、配布ソフトウェア管理ID、資産情報識別ID、拠点名称、生存状態等に関する項目を含んでいる。
【0037】
ソフトウェア利用履歴情報テーブルは、配布したソフトウェアの利用履歴をソフトウェア毎、コンピュータ毎に管理するためのテーブルであって、そして図3に示す通り、配布ソフトウェア管理ID、資産情報識別ID、履歴管理ID、利用監視結果、利用禁止要因、利用開始日時、利用終了日時等に関する項目を含んでいる。
【0038】
ここで、利用監視結果とは、ソフトウェアの利用問い合わせ結果(利用許可/利用不許可)を意味し、そして利用禁止要因とは、ソフトウェアの利用を禁止する要因、例えば、利用許可の期間外/同時利用許可数超過を意味する。
【0039】
アラート情報テーブルとは、監視種別の登録、ライセンス数(残り)に関する監視、配布開始日、終了日に関する監視、配布結果に関する監視、ソフトウェア利用履歴に関する監視等を行うためのテーブルであって、例えば図3に示す通り監視種別、残日数、監視フラグ、アラート手段等に関する項目を含んでいる。
【0040】
このように構成された本発明のソフトウェア配布管理装置は、これらのテーブルの情報に基づいて、ソフトウェアの前記LANシステムを構成する各コンピュータにおけるソフトウェアの管理を行う。
【0041】
以下、図4から図8に基づいて、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いた、具体的な配布管理方法について説明する。
【0042】
図4は、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェア配布管理の各工程を示すフローチャートである。
図1に示す通りの資産管理システムと連動させて本発明のソフトウェア配布管理を行う場合には、まず、資産情報を登録し、保守情報を登録し、管理部門、管理場所などの登録を行い、そして各コンピュータの情報であるインベントリ情報の収集を行う(オプション)。
次いで、配布拠点となるサーバの配布拠点情報を登録する。配布拠点情報は、「配布拠点情報」テーブルに登録管理され、配布ソフトウェアを配布拠点サーバに登録管理する機能「配布拠点サーバ登録手段」を備える。
【0043】
次いで、配布ソフトウェア情報を登録する。配布ソフトウェア情報は、バージョンごとに「配布ソフトウェア情報」テーブルに登録管理され、資産情報と関連付けする「配布ソフトウェア登録手段」を備える。
【0044】
そして、ソフトウェアの配布計画を登録し、配布失敗時などのアラート情報を登録し、各クライアント(コンピュータ)にてソフトウェアのインストールを実施し、登録情報、配布結果状況、アラート情報などを表示し、そしてインストールされたソフトウェアの利用監視を行う。
【0045】
このように構成することによって、配布するソフトウェアの情報は「資産情報」、「組織、場所情報」、「保守情報」から検索でき、該当ソフトウェアを保有する組織部門・場所の特定、および組織部門単位・拠点単位で利用計画を立てることが可能となる。
【0046】
次に、図5に基づいてソフトウェア配布計画の登録処理方法について説明する。図5は、本発明のソフトウェア配布管理装置によるソフトウェア配布計画の登録処理を示す図面であり、図5(a)は、本発明のソフトウェア配布管理装置によるソフトウェア配布計画の登録処理を示すフローチャートであり、図5(b)は、ソフトウェア配布計画の登録処理を行う場合の組織体系図の一例を示す図面である。
【0047】
図5(a)に示す通り、まず、資産情報から配布するソフトウェアを選択し、ソフトウェアの管理部門を取得し、配布するソフトウェアを配布ソフトウェア情報に登録し、配布ソフトウェアを選択して配布計画情報に設定し、そして配布計画情報テーブルに配布計画の設定値を登録する。
【0048】
そして、配布先コンピュータを登録するか否かを判断し、登録する場合には資産情報から配布先のコンピュータを選択して、配布先コンピュータ部門を取得して、部門情報から組織体系をチェックする(例えば図5(b)参照)。
一方、配布先コンピュータに登録するか否かを判断し、登録しない場合には終了する(END)。
【0049】
組織体系をチェックした後、配布するソフトウェア部門に属するかどうかをチェックし(図5(b)参照)、配布するソフトウェア部門に属していない場合には配布先コンピュータの登録を終了するか否かを判断し、一方、配布するソフトウェア部門に属する場合には、ライセンス数を確認する。ライセンス数に問題がある場合には配布先コンピュータの登録を終了するか否かを判断し,ライセンス数に問題ない場合には、配布先コンピュータ情報テーブルに設定値を登録する。そして、配布先コンピュータの登録を終了するか否かを判断し、登録を終了しない場合には、再び配布先コンピュータを登録するか否かを判断する。一方、配布先コンピュータの登録を終了する場合には、登録処理を終了する(END)。
【0050】
この際に、配布するソフトウェア部門に属するか否かは、図5(b)に示す通り、配布するソフトウェアを所有する管理部門と、配布先コンピュータを所有する管理部門を部門情報の組織体系からチェックし、図5(a)のフローチャートの判定「配布するソフトウェアの管理部門に属する」は、以下(1)、(2)のいずれかを満たす場合「Yes」となる。
(1)配布するソフトウェアの管理部門と、配布先コンピュータの管理部門が同じ。
(2)配布先コンピュータの管理部門は、配布するソフトウェアの管理部門の組織体系に含まれる。図5(b)の円内S1〜S5を配布するソフトウェア、M1を配布先コンピュータで示す。例えば、S5のライセンスが不足し、S2のライセンスが余っている場合は、組織体系上の上位組織であるS2のライセンスをM1に与えることが可能であり、図5(b)の情報は未来を含めて履歴管理されるため、実際の組織に即した配布計画が可能である。
【0051】
このように構成することによって、配布ソフトウェアのライセンス数と配布先コンピュータの台数をチェックし、配布ソフトウェアを、所有する組織部門で管理するコンピュータには配布可能とし、他部門の所有コンピュータには配布できなくすることが可能となる。
組織情報は実組織の体系で管理されるため、上位組織の部門が所有するライセンスは、その下位組織に属する部門が所有するコンピュータに配布可能、それ以外は配布禁止にできる。
さらに、子部門でライセンス数が不足している場合で、親部門でライセンス数に余りがあればそれを配布可能にできる。
【0052】
次に、図6に基づいて、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの配布実行方法について説明する。図6(a)は、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの配布実行方法を示すフローチャートであり、図6(b)は、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの配布実行を行う際の企業のネットワーク例を示す図面である。
【0053】
図6(a)に示す通り、まず、ソフトウェアの配布を実行しようとするコンピュータは、まず、本発明のソフトウェア配布管理装置から自分のコンピュータ情報の読み込みを行い、そしてソフトウェア配布計画情報を読み込む。
【0054】
配布計画がある場合、配布期限の期間内か否かを判断し、配布期間内である場合には配布拠点情報を読み込む。そして配布拠点サーバの指定があるか否かを判断し、配布拠点サーバの経路を検出して配布拠点サーバを決定する。そしてソフトウェアのインストールをおこなう。
【0055】
例えば、図6(b)に示す通り、ソフトウェアを保持する配布拠点サーバまでのネットワーク経路情報を、ネットワークを調査するコマンドにより取得し、自コンピュータに最も近い配布拠点サーバを算出決定する(図6(b)例においては、配布拠点サーバはK1となる)。なお、図6(b)において、K1〜K3を配布拠点サーバ、M1を配布先コンピュータである。
【0056】
このようにして配布拠点サーバを決定した後、該当するソフトウェアの実行を行う。そして、リカバリが必要か否かを判断し、リカバリが不要な場合には実行結果を登録して終了する。一方、リカバリが必要な場合には再び配布拠点サーバを決定して、リカバリを実行する。決定した配布拠点サーバに何らかの問題が発生した場合は、経路情報から次に近い配布拠点サーバを算出決定する(図6(b)の例においては、配布拠点サーバはK2となる) 。
【0057】
このように構成することによって、本発明のソフトウェア配布管理装置は、配布対象のコンピュータと、配布拠点サーバとのネットワーク経路を確認することを可能にし、ネットワーク上で最も近くにある配布拠点サーバからソフトウェアをインストールできる。また、インストール実行時に配布拠点サーバに接続できない場合は、別経路で接続可能な配布拠点サーバからのリカバリ処理を可能にする。
【0058】
次に、図7に基づいて本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの利用監視処理方法を説明する。図7は、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたソフトウェアの利用監視処理方法を示すフローチャートである。
【0059】
図7に示す通り、クライアント側である企業LAN内のコンピュータは、起動要求があった場合にはそのソフトウェアが監視対象か否かを判断し、起動しようとするソフトウェが監視対象である場合、自己のコンピュータのMACアドレスを取得して、ソフトウェアの利用の可否について本発明のソフトウェア配布管理装置であるサーバ側に問い合わせを行う。
【0060】
クライアント側のコンピュータから問い合わせを受けると、サーバ側である本発明のソフトウェア配布管理装置は、ソフトウェア配布計画情報を取得し、ソフトウェアの利用を許可できるか否かを判断する。具体的には、配布計画があるか否かを判断する。配布計画がある場合、利用許可の期限内であるか否かを判断し、利用許可の期限内である場合には、さらに同時利用許可数に達していないか否かを判断する。
【0061】
ソフトウェア利用許可できる場合には、ソフトウェア利用履歴情報テーブルに利用履歴を登録して問い合わせを行ったコンピュータに許可応答をするとともに同時利用数インクリメントを行う。
一方ソフトウェア利用許可できない場合には、ソフトウェア利用履歴情報テーブルに利用履歴を登録して問い合わせを行ったコンピュータに不許可応答をする。
【0062】
利用許可応答を受けると、クライアントであるコンピュータは当該ソフトウェアの起動を行い、ソフトウェアの起動を本発明のソフトウェア配布管理装置に通知する。
さらに、クライアントであるコンピュータが当該ソフトウェアの終了を行う場合には、ソフトウェアの終了通知を本発明のソフトウェア配布管理装置に通知して、当該ソフトウェアを終了させる。
ソフトウェアの終了通知を受けると本発明のソフトウェア配布管理装置は、同時利用数デクリメントを行い、ソフトウェア利用履歴情報テーブルに登録を行い終了する。
【0063】
このように構成することによって、本発明のソフトウェア配布管理装置は、配布された特定のソフトウェアをユーザが利用する際、クライアントからサーバに対して利用許可の問い合わせを行い、該当ソフトウェアの利用を制限する機能を持つ。組織部門やコンピュータごとに利用できるソフトウェアを制限でき、設定された利用期間から外れる場合や同時利用許可数を超える場合にもソフトウェアの利用が制限できる。
なお、あらかじめコンピュータの機能(例えば経理用のコンピュータ、ソフトウェア開発用のコンピュータ、マネージメント用のコンピュータ等)を設定し、コンピュータの機能に応じて配布するソフトウェアを制限することも本発明の範囲内である。
【0064】
次に、図8に基づいて本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたアラート監視情報の登録処理方法を説明する。図8は、本発明のソフトウェア配布管理装置を用いたアラート監視情報の登録処理方法示すフローチャートである。
【0065】
図8に示す通り、まず本発明のソフトウェア配布管理装置に監視情報を入力し、そして監視種別、例えば、ライセンス数(残り)に関する監視、配布開始日、終了日に関する監視、配布結果に関する監視、ソフトウェア利用履歴に関する監視等の監視種別を登録する。
【0066】
次いで、本発明のソフトウェア配布管理装置に監視フラグ(有効/無効)を登録し、そしてアラートを発するまでの残日数を登録する。そして、アラートの表示の方法であるアラート表示手段・アラート表示の有無などを本発明のソフトウェア配布管理装置に登録する。そして、アラート表示方法(例えば、表示色変更、背景色変更、ブリンク等)を登録して、次いでメッセージ通知の有無を登録する。そして、監視情報を終了するか否かを判断し、終了する場合にはそのまま終了し、終了しない場合には再び監視種別の登録を行う。
【0067】
このように構成することによって、本発明のソフトウェア配布管理装置は、登録した情報「配布期限」、「配布結果」などのデータを監視する機能を備えることとなり、ソフトウェアの配布が失敗したコンピュータがある場合は、表示画面の該当レコード部分を違う色で表示し、資産の管理者にアラートメッセージを送信、またサーバ画面上にアラート表示する。アラート表示された画面上でソフトウェアの再配布が実行できる。また、監視種別を追加することによって、クライアント側であるコンピュータに対してアラートを発する機能を追加することがきる。
【0068】
以上説明した本発明のソフトウェア配布管理装置は、以下のような優れた効果を奏する。
(1) 事前に組織部門・拠点体系および資産情報などと合わせてソフトウェアの配布計画ができ、配布状況の管理、および配布されたソフトウェアの利用を監視、制御することが可能となり、ソフトウェアの配布計画から利用制御までをトータルでサポートできる。
【0069】
(2) 企業内の組織部門が所有するライセンスを、該当部門が所有するコンピュータのみに配布可能とする配布制限ができる。また、上位部門が所有するライセンスは、その下位に属する部門が所有するコンピュータに配布可能で、それ以外には配布できないようにできる。親部門、子部門の実態を反映した、実組織体系に即したソフトウェアの配布管理方法が実現できる。
【0070】
(3) 配布経路を分散したソフトウェア配布方式を実現し、ネットワーク負荷の集中回避と、通信経路を意識したリカバリ運用ができる。
【0071】
(4) 配布計画にないコンピュータに対して、不正にインストールされた特定のソフトウェア利用を制限、禁止することができる。
【0072】
(5) 監視種別追加によるアラート機能の拡張が可能となる。
要するにソフトウェアの供給メーカ側は、利用者にソフトウェアの適正利用や管理を望んでおり、またソフトウェアの利用は、利用者側企業の組織形態や業務内容の変更によって変動するため、継続的に計画運用するには複雑な管理システムが求められる。
そのため、きめ細かなソフトウェアの配布運用管理システムへのニーズは今後ともいっそう高まってきているが、応えられるものがこれまではなかった。
本発明は、ソフトウェアの供給側、利用側双方のニーズに充分こたえられる管理を実現する技術であると言える。
【0073】
また、ソフトウェアの供給側メーカに対する要求に応じるために、本発明のソフトウェア配布管理装置とソフトウェア供給側メーカのサーバとを通信回線を接続することにより、ソフトウェアの供給側に登録したソフトウェアの運用状況を通知することができる。これにより、ソフトウェアの供給側メーカは企業に対する適正なソフトウェアの利用状況を把握できることとなり、また、本発明のソフトウェア管理装置を導入した企業側のLANシステムにおいてはソフトウェアのライセンスの追加、変更などをより迅速に行うことが可能となる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンピュータと配布拠点サーバとに通信可能に接続されることで企業ネットワークシステムを構成し、前記配布拠点サーバ経由で前記複数のコンピュータに所定のソフトウェアを配布し、かつ該コンピュータ上での配布済みのソフトウェアの利用を管理するソフトウェア配布管理装置であって、
管理部門、識別ID、ソフトウェア名称、バージョン情報を含む、前記複数のコンピュータに配布するためのソフトウェアに関する情報が予め登録された配布ソフトウェア情報テーブルと、
前記複数のコンピュータからインベントリ情報を収集する手段と、
配布ソフトウェア管理ID、配布開始日、配布期限、配布先コンピュータ情報、利用許可期間、同時利用許可数を含む、ソフトウェアの配布計画に関する情報が予め登録された配布計画情報テーブルと、
前記企業ネットワークシステムを使用する部門の組織体系に関する情報が予め登録された部門情報テーブルと、
管理ID、拠点名称を含む、前記配布拠点サーバに関する情報が予め登録された配布拠点情報テーブルと、
配布ソフトウェア管理ID、履歴管理ID、利用監視結果を含む、配布したソフトウェアの利用履歴をソフトウェア毎、コンピュータ毎に管理するソフトウェア利用履歴情報テーブルと、
を備え、
さらに前記ソフトウェア配布管理装置は、
前記配布ソフトウェア情報テーブルに登録されたソフトウェアの中から選択された所定のソフトウェアについての配布に関する要求を前記複数のコンピュータの何れかから受け取る手段と、
前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアを前記配布計画情報テーブルに登録する手段と、
前記部門情報テーブルを参照して前記配布要求元のコンピュータを所有する部門に関する組織体系を調べる手段と、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有しているかどうかを調べる手段と、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアについての未使用ライセンスを所有している場合に、該コンピュータに該ソフトウェアを配布する手段と、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有していない場合に、該部門が属する部門体系内の他の部門が前記未使用のライセンスを所有しているかどうかを調べる手段と、
前記他の部門が前記未使用のライセンスを所有している場合に、前記配布要求元のコンピュータに前記要求を受けたソフトウェアを配布する手段と、
前記ソフトウェアを配布するときに、前記配布拠点情報テーブルを参照して前記ソフトウェア送付先のコンピュータに前記企業ネットワーク上で最も近いサーバを選択し、このサーバ経由で該ソフトウェアを配布する手段と、
を備え、
さらに、前記ソフトウェア配布管理装置は、
(a)前記コンピュータに所定のソフトウェアを配布した後に、該コンピュータから該配布した所定のソフトウェアに対する利用の要求を受け取る手段と、
(b)前記配布計画情報テーブルを参照して、前記所定のソフトウェアが利用許可期限内であるかどうかを調べる手段と、
(c)前記所定のソフトウェアが同時利用許可数に達しているかどうかを調べる手段と、
前記(b)および(c)の条件を満足している場合には前記要求元のコンピュータに前記所定のソフトウェアが利用許可であることを通知し、満足していない場合には利用不許可であることを通知する手段と、
前記所定のソフトウェアの利用履歴を前記ソフトウェア利用履歴情報テーブルに登録する手段と、
を備えることを特徴とするソフトウェア配布管理装置。
【請求項2】
複数のコンピュータと配布拠点サーバとに通信可能に接続されることで企業ネットワークシステムを構成し、前記配布拠点サーバ経由で前記複数のコンピュータに所定のソフトウェアを配布し、かつ該コンピュータ上での配布済みのソフトウェアの利用を管理するソフトウェア配布管理装置によって行われる、ソフトウェア配布および利用管理方法であって、
前記ソフトウェア配布管理装置は、
管理部門、識別ID、ソフトウェア名称、バージョン情報を含む、前記複数のコンピュータに配布するためのソフトウェアに関する情報が予め登録された配布ソフトウェア情報テーブルと、
前記複数のコンピュータからインベントリ情報を収集する手段と、
配布ソフトウェア管理ID、配布開始日、配布期限、配布先コンピュータ情報、利用許可期間、同時利用許可数を含む、ソフトウェアの配布計画に関する情報が予め登録された配布計画情報テーブルと、
前記企業ネットワークシステムを使用する部門の組織体系に関する情報が予め登録された部門情報テーブルと、
管理ID、拠点名称を含む、前記配布拠点サーバに関する情報が予め登録された配布拠点情報テーブルと、
配布ソフトウェア管理ID、履歴管理ID、利用監視結果を含む、配布したソフトウェアの利用履歴をソフトウェア毎、コンピュータ毎に管理するソフトウェア利用履歴情報テーブルと、
を備え、
前記ソフトウェア配布および利用管理方法は、
前記配布ソフトウェア情報テーブルに登録されたソフトウェアの中から選択された所定のソフトウェアについての配布に関する要求を前記複数のコンピュータの何れかから受け取るステップと、
前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアを前記配布計画情報テーブルに登録するステップと、
前記部門情報テーブルを参照して前記配布要求元のコンピュータを所有する部門に関する組織体系を調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアについての未使用ライセンスを所有している場合に、該コンピュータに該ソフトウェアを配布するステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有していない場合に、該部門が属する部門体系内の他の部門が前記未使用のライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記他の部門が前記未使用のライセンスを所有している場合に、前記配布要求元のコンピュータに前記要求を受けたソフトウェアを配布するステップと、
前記ソフトウェアを配布するときに、前記配布拠点情報テーブルを参照して前記ソフトウェア送付先のコンピュータに前記企業ネットワーク上で最も近いサーバを選択し、このサーバ経由で該ソフトウェアを配布するステップと、
を含み、
さらに、前記ソフトウェア配布および利用管理方法は、
(a)前記コンピュータに所定のソフトウェアを配布した後に、該コンピュータから該配布した所定のソフトウェアに対する利用の要求を受け取るステップと、
(b)前記配布計画情報テーブルを参照して、前記所定のソフトウェアが利用許可期限内であるかどうかを調べるステップと、
(c)前記所定のソフトウェアが同時利用許可数に達しているかどうかを調べるステップと、
前記(b)および(c)の条件を満足している場合には前記要求元のコンピュータに前記所定のソフトウェアが利用許可であることを通知し、満足していない場合には利用不許可であることを通知するステップと、
前記所定のソフトウェアの利用履歴を前記ソフトウェア利用履歴情報テーブルに登録するステップと、
を含むことを特徴とするソフトウェア配布および利用管理方法。
【請求項3】
複数のコンピュータと配布拠点サーバとに通信可能に接続されることで企業ネットワークシステムを構成し、前記配布拠点サーバ経由で前記複数のコンピュータに所定のソフトウェアを配布し、かつ該コンピュータ上での配布済みのソフトウェアの利用を管理する機能をソフトウェア配布管理装置に実行させるためのプログラムであって、
前記ソフトウェア配布管理装置は、
管理部門、識別ID、ソフトウェア名称、バージョン情報を含む、前記複数のコンピュータに配布するためのソフトウェアに関する情報が予め登録された配布ソフトウェア情報テーブルと、
前記複数のコンピュータからインベントリ情報を収集する手段と、
配布ソフトウェア管理ID、配布開始日、配布期限、配布先コンピュータ情報、利用許可期間、同時利用許可数を含む、ソフトウェアの配布計画に関する情報が予め登録された配布計画情報テーブルと、
前記企業ネットワークシステムを使用する部門の組織体系に関する情報が予め登録された部門情報テーブルと、
管理ID、拠点名称を含む、前記配布拠点サーバに関する情報が予め登録された配布拠点情報テーブルと、
配布ソフトウェア管理ID、履歴管理ID、利用監視結果を含む、配布したソフトウェアの利用履歴をソフトウェア毎、コンピュータ毎に管理するソフトウェア利用履歴情報テーブルと、
を備え、
前記プログラムは前記ソフトウェア配布管理装置に、
前記配布ソフトウェア情報テーブルに登録されたソフトウェアの中から選択された所定のソフトウェアについての配布に関する要求を前記複数のコンピュータの何れかから受け取るステップと、
前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアを前記配布計画情報テーブルに登録するステップと、
前記部門情報テーブルを参照して前記配布要求元のコンピュータを所有する部門に関する組織体系を調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアについての未使用ライセンスを所有している場合に、該コンピュータに該ソフトウェアを配布するステップと、
前記配布要求元のコンピュータを所有する部門が前記配布の要求を受けた所定のソフトウェアの未使用ライセンスを所有していない場合に、該部門が属する部門体系内の他の部門が前記未使用のライセンスを所有しているかどうかを調べるステップと、
前記他の部門が前記未使用のライセンスを所有している場合に、前記配布要求元のコンピュータに前記要求を受けたソフトウェアを配布するステップと、
前記ソフトウェアを配布するときに、前記配布拠点情報テーブルを参照して前記ソフトウェア送付先のコンピュータに前記企業ネットワーク上で最も近いサーバを選択し、このサーバ経由で該ソフトウェアを配布するステップと、
を実行させ、
さらに、前記プログラムは前記ソフトウェア配布管理装置に、
(a)前記コンピュータに所定のソフトウェアを配布した後に、該コンピュータから該配布した所定のソフトウェアに対する利用の要求を受け取るステップと、
(b)前記配布計画情報テーブルを参照して、前記所定のソフトウェアが利用許可期限内であるかどうかを調べるステップと、
(c)前記所定のソフトウェアが同時利用許可数に達しているかどうかを調べるステップと、
前記(b)および(c)の条件を満足している場合には前記要求元のコンピュータに前記所定のソフトウェアが利用許可であることを通知し、満足していない場合には利用不許可であることを通知するステップと、
前記所定のソフトウェアの利用履歴を前記ソフトウェア利用履歴情報テーブルに登録するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−191981(P2010−191981A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89568(P2010−89568)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【分割の表示】特願2007−41860(P2007−41860)の分割
【原出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(592161372)日本システムウエア株式会社 (31)
【Fターム(参考)】