説明

ソフトキャンディ及びその製造方法

【課題】カロリーが低く、糖アルコール成分によるべたつきを抑え、食した際の歯つきを押さえたソフトキャンディ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリデキストロースを35〜50重量%、エリスリトールを5〜25重量%、リンゴ酸および酒石酸塩を0.001〜1.0重量%含有し、かつ100g当たりのカロリーが170〜240kcalの範囲内であることを特徴とするソフトキャンディ。該ソフトキャンディは、少なくとも、糖質、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤からなるシュガーベースのソフトキャンディ生地と、少なくともエリスリトール、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤、リンゴ酸および酒石酸塩からなるノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を40:60〜60:40の重量比率で混合して得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なソフトキャンディ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトキャンディとは、砂糖、水飴等の糖質を主原料とし、副原料に油脂、乳化剤、起泡剤、香料などを配合して製造されており、身近な嗜好食品として多くの消費者に慣れ親しまれており、一つの市場を形成している。本件出願人も様々な形で提案し、広く消費者に受け入れられた商品となっている(特許文献1、2、3、4参照)。
【0003】
しかしながら、ここ数年その市場は伸び悩んでいる。その大きな要因として、消費者の健康志向の高まりにより、カロリーが高いソフトキャンディを敬遠する傾向があるからである。例えば、現在市場で見受けられるソフトキャンディの代表的なものを例示すると、森永株式会社製「ハイチュウ(登録商標)」は、約400kcal/100g、味覚糖株式会社製「ぷっちょ(登録商標)」は、約400kcal/100g、森永株式会社製「森永ミルクキャラメル(登録商標)」は、約420kcal/100gといったようにカロリーが高い商品が中心である。
【0004】
このような背景の下において、ポリデキストロースをカロリー低減の目的で使用した提案としては、例えば、ポリデキストロースとガムベースからなる低カロリーのチューイングガムに関する発明(特許文献5参照)、糖類および糖アルコールから選ばれた糖質と、還元ポリデキストロースを主剤とすることを特徴とするハードキャンディに関する発明(特許文献6参照)、エリスリトールとポリデキストロースを重量比で20:1〜1:2の割合で含むことを特徴とする低カロリーのゼリーに関する発明(特許文献7参照)などが開示されている。しかしながら、いずれの発明もソフトキャンディに関する発明ではない。
【0005】
また、ソフトキャンディにおける低カロリーやシュガーレスといった提案としては、例えば、糖アルコールとラクチトールを用いたソフトキャンディに関する発明(特許文献8参照)、糖アルコールとエリスリトールを用いたソフトキャンディに関する発明(特許文献9参照)、糖アルコールとしてマンニトールおよび/またはマルチトールを用いたソフトキャンディに関する発明(特許文献10参照)、糖アルコールを主体とする混合液を、酒石酸塩の存在下で糖アルコールの結晶を晶出させることを特徴とするソフトキャンディに関する発明(特許文献11参照)などが開示されている。しかしながら、本発明者らが再現したところ、特許文献8、9、10に関しては、糖アルコールの結晶化の制御、食した際に歯に付着しやすいなどの問題が有り、特許文献11に関しては、糖アルコールの結晶化の制御という面ではある程度の効果はあるものの、不十分であった。
【0006】
これらの結果から分かるように、いずれの発明においても糖アルコールを用いたソフトキャンディとして十分な品質改善が達成されたわけでは無く、特に糖アルコールの結晶化の制御、製造工程における装置への付着、食した際に歯へ付着しやすいことなど、製造工程や最終商品としたときの物性について未だ解決すべき問題点が残されている。
【特許文献1】特許第3405323号公報
【特許文献2】特許第3794416号公報
【特許文献3】特開2006−158386号公報
【特許文献4】特許第3555597号公報
【特許文献5】特公平4−20574号公報
【特許文献6】特許第3199531号公報
【特許文献7】特開2007−185187号公報
【特許文献8】特開平7−67537号公報
【特許文献9】特開平7−123923号公報
【特許文献10】特開平9−75005号公報
【特許文献11】特開2006−158234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、カロリーが低く、糖アルコール成分によるべたつきを抑え、食した際の歯つきを押さえたソフトキャンディ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、従来からあるシュガーベースソフトキャンディが有していたカロリーに対する課題、糖アルコールを用いたソフトキャンディが有していた結晶化の制御やべたつきなどといった物性や製造工程上の課題、食した際に歯へ付着しやすいといった課題に対し、鋭意研究を重ねた結果、特定量のポリデキストロースを含み、エリスリトールと、リンゴ酸および酒石酸塩とを混合することによって、前記課題を全て解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の要旨は、
(1)ポリデキストロースを35〜50重量%、エリスリトールを5〜25重量%、リンゴ酸および酒石酸塩を0.001〜1.0重量%含有し、かつ100g当たりのカロリーが170kcal〜240kcalの範囲内であることを特徴とするソフトキャンディ、
(2)前記酒石酸塩が、酒石酸ナトリウムであることを特徴とするソフトキャンディ、
(3)少なくとも、糖質、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤からなるシュガーベースのソフトキャンディ生地と、少なくともエリスリトール、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤、リンゴ酸および酒石酸塩からなるノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を40:60〜60:40の重量比率で混合することを特徴とするソフトキャンディの製造方法
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、従来からあるシュガーベースソフトキャンディが有していたカロリーに対する課題、糖アルコールを用いたソフトキャンディが有していた結晶化の制御やべたつきなどといった物性や製造工程上の課題、食した際に歯へ付着しやすいといった課題が解決された新規なソフトキャンディを得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のソフトキャンディは、ポリデキストロースを35〜50重量%、エリスリトールを5〜25重量%、リンゴ酸および酒石酸塩を0.001〜1.0重量%含有し、かつ100g当たりのカロリーが170〜240kcalの範囲内であることを特徴とする。かかる特徴を有することで、従来からあるシュガーベースソフトキャンディが有していたカロリーに対する課題、糖アルコールを用いたソフトキャンディが有していた結晶化の制御やべたつきなどといった物性や製造工程上の課題、食した際に歯へ付着しやすいといった課題が解決された新規なソフトキャンディを得ることが出来る。
【0012】
本発明におけるポリデキストロースとは、非栄養性の炭水化物代替物であり、ポリカルボン酸触媒およびポリオールの存在下におけるグルコースの重合により製造することができる人工の水溶性食物繊維であり、ドリンク類や菓子類などに使用されている。本発明のソフトキャンディ中においてその効果を得るために使用するポリデキストロースの含有量は、35〜50重量%である。前記含有量が35%未満であると、目的としている100g当たりのカロリーが170〜240kcalの範囲内から外れる。また50重量%を超える場合には粘度が高くなりすぎてソフトキャンディを製造するのが困難になる。なお、前記のポリデキストロースの含有量は、ソフトキャンディ中の総量をいう。
【0013】
本発明では、糖アルコールとして、エリスリトールを使用することで、ソフトキャンディのカロリーを低減することが可能になる。本発明の効果を得るために使用するエリスリトールの含有量は、5〜25重量%である。前記含有量が5重量%未満であると、目的としている100g当たりのカロリーを170〜240kcalの範囲内にするには、必然的に他の糖類を増やさなければならず、その場合100g当たりのカロリーを170〜240kcalの範囲内にするのが困難になる。また、25重量%を超える場合には糖アルコールを用いたソフトキャンディが有していた結晶化の制御やべたつきなどといった物性や製造工程上の課題、食した際に歯へ付着しやすいといった課題が解決されない。前記含有量としては、10〜20重量%が好ましい。
【0014】
また、本発明の効果を得るために使用するリンゴ酸および酒石酸塩の含有量としては0.001〜1.0重量%であり、好ましくは、0.1〜0.5重量%である。リンゴ酸および酒石酸塩の添加量をこれらの範囲内に収めることで、糖アルコールを用いたソフトキャンディが有していた結晶化の制御が困難であった問題を解決することができる。前記含有量は、リンゴ酸及び酒石酸の合計量である。
また、本発明におけるリンゴ酸と酒石酸塩の重量比率としては3:1〜1:1が好ましい。
また、本発明においては酒石酸塩として酒石酸ナトリウムを用いるのがより好ましい態様である。
【0015】
本発明において、リンゴ酸及び酒石酸塩は、エリスリトールと混合されることでエリスリトールの結晶化を制御してべたつきを抑えることが可能になる。例えば、リンゴ酸および酒石酸塩はシュガーレス生地に含有させることが好ましい。上述の効果は、シュガーレス生地にリンゴ酸および酒石酸塩を含有する場合にのみ特異的に見られる効果であり、リンゴ酸のみでは効果が無く、また、酒石酸塩だけでも効果は見られない。さらに、リンゴ酸および酒石酸塩以外の有機酸や有機酸塩でも効果は見られない。
エリスリトールとリンゴ酸及び酒石酸塩は、これらの3成分が均一に混合されればよく、混合手段としては公知のキャンディ製造機を用いればよく、特に限定はない。
また、リンゴ酸及び酒石酸塩はエリスリトールの結晶を晶出させる際に添加するのがより好ましい態様である。
【0016】
さらに、本発明のソフトキャンディは、上記成分の他にソフトキャンディに通常使用される原料の糖質、油脂、ゼラチン等を使用することができる。
【0017】
前記糖質としては、砂糖、ぶどう糖、果糖、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖、水飴及び粉飴等の公知の糖質の中から選択された1種以上の糖質を用いることができる。ソフトキャンディ中の糖質の含有量としては、15〜45重量%の範囲が好ましい。
【0018】
前記油脂としては、植物油脂あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂エステル交換油脂、バター、生クリーム等の乳脂肪分の中から1種又は2種以上を併用することができる。ソフトキャンディ中の油脂含有量としては1〜5重量%の範囲が好ましい。
【0019】
前記ゼラチンとしては、豚皮ゼラチン、牛骨ゼラチン、フィッシュゼラチン等を用いることが出来る。ソフトキャンディ中のゼラチン含有量としては1〜5重量%の範囲が好ましい。
【0020】
また、本発明のソフトキャンディ中には、上記した成分以外に、フォンダンやその他香料、甘味料、着色料、酸味料、乳化剤、更にはpH調整の為のカルボン酸塩、及び上記以外のでんぷん由来の鎖状化合物、ビタミン剤、カルシウム剤、蛋白質剤、起泡剤、塩類、香辛料、果汁、動植物抽出物及びその化合物、ゼラチン加工物、動植物乾燥物及びその加工物、増粘多糖類加工物等を加えることができる。
【0021】
以上のような組成を有する本発明のソフトキャンディの製造方法は、以下の第1の工程〜第3の工程を有することを特徴とするものである。以下、工程毎に説明する。
【0022】
第1の工程は、糖質、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤などの原料を使用して、シュガーベースのソフトキャンディ生地を製造する工程である。その製造方法は特に限定されるものではなく、常法により製造することができるが、例えば次にあげるような方法で製造することが出来る。すなわち、糖質、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤を煮詰めた糖液にゼラチンおよびフォンダンを混合後、冷却することでシュガーベースのソフトキャンディ生地を得ることができる。
【0023】
第2の工程は、エリスリトール、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤、リンゴ酸および酒石酸塩などの原料を使用して、ノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を製造する工程である。その製造方法は特に限定されるものではなく、常法により製造することができるが、例えば次にあげるような方法で製造することが出来る。すなわち、エリスリトール、植物油脂、乳化剤を煮詰めた糖液にゼラチン、微粉砕したエリスリトール、リンゴ酸および酒石酸塩を混合後、冷却することでノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を得ることができる。
【0024】
なお、前記のようにポリデキストロースをシュガーベースのソフトキャンディ生地とノンシュガーベースのソフトキャンディ生地とに分けて使用する場合、ソフトキャンディ中のポリデキストロースの総量を100重量部とするとシュガーベースのソフトキャンディ生地中には20〜50重量部、ノンシュガーベースのソフトキャンディ生地中にはその残部を使用することが好ましい。
【0025】
第3の工程は、第1の工程で得られたシュガーベースのソフトキャンディ生地と第2の工程で得られたノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を混合する工程である。混合させる方法、装置については特に限定はないが、例えば、ニーダーで混合後、冷却してソフトキャンディを作製する。また、この工程で得られるソフトキャンディに対するシュガーベースとノンシュガーベースの混合比率は、40:60〜60:40の間が好ましい。
本発明においては、前記のようにシュガーベースのソフトキャンディ生地とノンシュガーベースのソフトキャンディ生地とをあらかじめ調製しておき、これらを混合するという工程を用いることで、材料を一度に混合して調製する場合に比べて、エリスリトールを含むキャンディ生地でも、その結晶化の調製が容易となるため、工業的な生産を行うことが可能になる。
【0026】
なお、本発明においては、必要に応じて酸味料、香料、着色料等を第1〜第3の工程のいずれにおいても添加することができる。
また、第1〜第3の工程を経て得られたソフトキャンディを型に入れて冷却固化等することで本発明のソフトキャンディを得ることができる。
【0027】
また、本発明で得られたソフトキャンディにグミや錠菓を組み合わせるのも好ましい態様である。このようなソフトキャンディの作製方法としては、例えば、本件出願人が先に提案している特許文献1〜4に記載の方法を用いることができる。
【実施例】
【0028】
次に実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例の記載中、特に限らない限り、「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を表す。
【0029】
実施例1
砂糖35部、水飴18部、ポリデキストロース35部、植物油脂3.5部、乳化剤0.3部を真空クッカーで水分5%まで煮詰めた。次いで、ゼラチン2部を加圧ミキサーで混合した。更にフォンダン1.2部をニーダーで混合してから一晩エージングしシュガーベースのソフトキャンディ生地を得た。次に、エリスリトール30部、ポリデキストロース57部、植物油脂2部、乳化剤0.1部を真空クッカーで水分5%まで煮詰めた。次いで、ゼラチン1部を加圧ミキサーで混合した。更にエリスリトール微粉4.6部、リンゴ酸0.2部、酒石酸ナトリウム0.1部をニーダーで混合してから一晩エージングしノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を得た。その後、得られたシュガーベースのソフトキャンディ生地とノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を50:50の重量比率でニーダーを用い混合後、冷却することでソフトキャンディを得た(ポリデキストロース46%、エリスリトール17.3%、リンゴ酸及び酒石酸ナトリウム0.15%)。また、得られたソフトキャンディのカロリーは約200kcal/100gであった。その後、得られたソフトキャンディを任意の形に成型した。成型後に得られたソフトキャンディは咀嚼した際に、歯つきもなく、滑らかな食感で有り、かつべたつきもない好適なものであった。
【0030】
実施例2
実施例1で調整したシュガーベースの生地とノンシュガーベースの生地を60:40の比率で混合し、成形した(ポリデキストロース43.8%、エリスリトール13.8%、リンゴ酸及び酒石酸ナトリウム0.12%)。得られたソフトキャンディのカロリーは約220kcal/100gであった。また、成型後に得られたソフトキャンディは咀嚼した際に、歯つきもなく、滑らかな食感で有り、かつべたつきもない好適なものであった。
【0031】
実施例3
実施例1で調整したシュガーベースの生地とノンシュガーベースの生地を40:60の比率で混合し、成形した(ポリデキストロース48.2%、エリスリトール20.8%、リンゴ酸及び酒石酸ナトリウム0.18%)。得られたソフトキャンディのカロリーは約170kcal/100gであった。また、成型後に得られたソフトキャンディは咀嚼した際に、歯つきもなく、滑らかな食感で有り、かつべたつきもない好適なものであった。
【0032】
比較例1
実施例1と同様の方法で、ポリデキストロースを35重量%未満になるように調整した。その時のエリスリトールは約22重量%であったが、100g当たりのカロリーが240kcalを超えており本発明が目的としているソフトキャンディではなかった。
【0033】
比較例2
実施例1と同様の方法で、ポリデキストロースを50重量%を超えるように調整した。その時のエリスリトールは約17重量%であり、100g当たりのカロリーも約180kcalであったが、粘度が高すぎて製造することが困難であった。
【0034】
比較例3
実施例1と同様の方法で、エリスリトールを5重量%未満になるように調整した。その時の、100g当たりのカロリーを170kcal〜240kcalの範囲内に調整する際に、ポリデキストロースを35〜50重量%の範囲内にすることができなかった。
【0035】
比較例4
実施例1と同様の方法で、エリスリトールの量を25重量%を超えるように調整した。その時のポリデキストロースは約43重量%であり、100g当たりのカロリーも約190kcalであったが、結晶化を制御することが困難で、食した際には、歯つきがし、ざらついた食感で有り、かつべたついていた。
【0036】
比較例5
実施例1のノンシュガーベースのソフトキャンディ生地と同様の方法で、リンゴ酸および酒石酸塩を0.001%未満になるように調整した。調整後のソフトキャンディは、結晶化を制御することができず、べたついていた。
【0037】
比較例6
実施例1のノンシュガーベースのソフトキャンディ生地と同様の方法で、リンゴ酸および酒石酸塩を1%を超えるように調整した。調整後のソフトキャンディは、結晶化を制御することができず、ざらついていた。
【0038】
比較例7
実施例1のノンシュガーベースのソフトキャンディ生地と同様の方法で、リンゴ酸のみ含有させて調整した。調整後のソフトキャンディは、結晶化を制御することができず、べたついていた。
【0039】
比較例8
実施例1のノンシュガーベースのソフトキャンディ生地と同様の方法で、酒石酸塩のみ含有させて調整した。調整後のソフトキャンディは、結晶化を制御することができず、べたついていた。
【0040】
比較例9
実施例1のノンシュガーベースのソフトキャンディ生地と同様の方法で、リンゴ酸および酒石酸塩を含有させずに調整した。調整後のソフトキャンディは、結晶化を制御することができず、べたついていた。
【0041】
比較例10
実施例1ではシュガーベースのソフトキャンディ生地とノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を、別々に作成後、ニーダーを用い混合したが、シュガーベースのソフトキャンディ生地とノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を同時に作製した。すなわち、砂糖17.5部、水飴9部、ポリデキストロース46部、エリスリトール15部、植物油脂2.75部、乳化剤0.2部を真空クッカーで水分5%まで煮詰めた。次いで、ゼラチン1.5部を加圧ミキサーで混合した。更にフォンダン0.6部、エリスリトール微粉2.3部、リンゴ酸0.1部、酒石酸ナトリウム0.05部をニーダーで混合してから一晩エージングしソフトキャンディを得た。また、得られたソフトキャンディのカロリーは約200kcal/100gであった。その後、得られたソフトキャンディを任意の形に成型した。成型後に得られたソフトキャンディは咀嚼した際に、歯つきがし、ざらついた食感で有り、かつべたついており本発明が目的としているソフトキャンディではなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリデキストロースを35〜50重量%、エリスリトールを5〜25重量%、リンゴ酸および酒石酸塩を0.001〜1.0重量%含有し、かつ100g当たりのカロリーが170〜240kcalの範囲内であることを特徴とするソフトキャンディ。
【請求項2】
酒石酸塩が酒石酸ナトリウムであること請求項1記載のソフトキャンディ。
【請求項3】
少なくとも、糖質、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤からなるシュガーベースのソフトキャンディ生地と、少なくともエリスリトール、ポリデキストロース、植物油脂、乳化剤、リンゴ酸および酒石酸塩からなるノンシュガーベースのソフトキャンディ生地を40:60〜60:40の重量比率で混合することを特徴とするソフトキャンディの製造方法。

【公開番号】特開2010−75102(P2010−75102A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248331(P2008−248331)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(390020189)ユーハ味覚糖株式会社 (242)
【Fターム(参考)】