説明

ソフトパッケージの角を加工する方法と装置

【課題】尖ったよく目立つ角を持つソフトパッケージを安価に容易に供給することができる方法と装置を提供する。
【解決手段】ソフトパッケージ(5)の角(9)を加工する方法であって、ソフトラッピング(6)を物品(3)の周りに折って、ソフトパッケージ(5)の2つの隣接する壁(8)の間の境界を画定する複数の角(9)を持つソフトパッケージ(5)を形成する工程、および、ソフトラッピング(6)を物品(3)の周りに折った後、少なくとも1つの角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を成形して、シャープな角(9)を得て、かつ、角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を角張らす、成形工程にソフトパッケージ(5)を通す工程を含む方法。および、当該方法を実施する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトパッケージの角(かど;エッジ)を加工する方法と装置に関する。
【0002】
以下の記載においては、話を単純化するために、純粋に限定ではない例示として、たばこのソフトパッケージを参照している。
【背景技術】
【0003】
たばこのソフトパッケージは、紙か箔からなる柔らかい(すなわち硬くない)内側ラッピングシートに包まれた複数のたばこが平行に配置されたたばこの束を内包する内側パッケージ、および、内側パッケージの周りを包んで5つの壁を覆う(すなわち、内側パッケージの上側の壁を露出したままにしている)柔らかい(すなわち硬くない)外側ラッピングシートを備えた外側パッケージを具備する。
【0004】
長手方向の角に沿って、内側パッケージはたばこの組の端に位置するたばこの周りを包んで、丸まった形状(すなわち、アーク形状)になる傾向があり、丸まった角を形成する。その結果、外側ラッピングで内側パッケージの周りを包んだとき、外側ラッピングを長手方向の角に沿って尖って正確に折ることができない。換言すると、丸まった長手方向の角を持った内側パッケージの周りを外側ラッピングで包むことが主な理由となって、外側ラッピングは、長手方向の角に沿って、角張って尖った角を持つのではなく、丸まってしまう(すなわち、アーク形状となって、丸まった角が形成される)。
【0005】
この結果、尖ってよく目立つ角を持ったソフトパッケージを好む消費者に馴染みのないたばこのソフトパッケージの全体的な外観を造ってしまい、長手方向の角に沿って角張らずに丸まった外側ラッピングは特に望ましくないものとなる。
【0006】
たばこのハードパッケージの生産においては、硬いブランクを内側パッケージの周りに包むように折って硬い外側パッケージを形成する。そして、内側パッケージの周りを包むように折る前に、外側パッケージの最終的に角になる部分に沿って平坦な硬いブランクをやわらかくして、外側パッケージが鋭く角張った角を持つようになる。しかしながら、ソフトラッピングは一旦やわらかくすると梱包装置で扱えなくなるため、および、外側パッケージの角の正確な位置を事前に十分に正確に決定することができないため、ソフトラッピングは、包むように折る前に、事前に最終的に角になる部分に沿ってやわらかくすることはできない。
【発明の概要】
【0007】
ソフトパッケージの角を加工する方法と装置を提供することが本発明の目的である。その方法と装置は、前述の欠点を解決して、特に、尖ったよく目立つ角を持つソフトパッケージを安価に容易に供給することができるものである。
【0008】
本発明によって、添付の請求項に記載したソフトパッケージの角を加工する方法と装置を提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の限定ではない例示としての実施態様は、以下の図を参照して記載されている。
【図1】たばこのソフトパッケージの上面から見た斜視図である。
【図2】図1のたばこのソフトパッケージを低面から見た斜視図である。
【図3】図1のたばこのソフトパッケージの断面図である。
【図4】本発明の加工方法にしたがった、図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す一連の操作の1番目のものである。
【図5】本発明の加工方法にしたがった、図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す一連の操作の2番目のものである。
【図6】本発明の加工方法にしたがった、図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す一連の操作の3番目のものである。
【図7】本発明にしたがった、図4から図6に示した一連の操作をたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す、加工装置(成形装置)を備えた、梱包システムを概略的に示す図である。
【図8】図7の加工装置(成形装置)の成形チャネルの1つの実施態様を示す前面図である。
【図9】図7の加工装置(成形装置)の成形チャネルの1つの実施態様を示す前面図である。
【図10】図7の加工装置(成形装置)の成形チャネルの1つの実施態様を示す前面図である。
【図11】図10の成形チャネルのハウジングの前面図である。
【図12】図10の成形チャネルのハウジングの斜視図である。
【図13】図7の加工装置(成形装置)の成形チャネルの1つの実施態様を示す前面図である。
【図14】図13の成形チャネルのハウジングの前面図である。
【図15】図13の成形チャネルのハウジングの斜視図である。
【図16】図7の加工装置(成形装置)の成形チャネル部分の1つの実施態様をに示す前面図である。
【図17】図7の加工装置(成形装置)の成形チャネル部分の1つの実施態様を示す前面図である。
【図18】本発明にしたがった加工方法の別の実施態様にしたがった、図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す一連の操作の1番目のものである。
【図19】本発明にしたがった加工方法の別の実施態様にしたがった、図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す一連の操作の2番目のものである。
【図20】本発明にしたがった加工方法の別の実施態様にしたがった、図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す一連の操作の3番目のものである。
【図21】本発明にしたがった加工方法の別の実施態様にしたがった、図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す一連の操作の4番目のものである。
【図22】本発明にしたがった、図18から図21に示した一連の操作を図1のたばこのソフトパッケージの長手方向の角に施す、形成チャネル部分のさらに別の実施態様の断面を概略的に示す図である。
【図23】図7の形成チャネルの変形実施態様の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1−3の参照番号1は、長尺形の断面を持った実質的に平行に並べられたたばこの柔らかい束の輪郭で画定される、ソフトパッケージを全体として示している。
【0011】
たばこの柔らかい束1は、箔からなる柔らかい(すなわち硬くない)内側ラッピング4に包まれたて平行に並べられた複数のたばこからなる組3を内包する内側パッケージ2、および、内側パッケージ2の周りを包んで内側パッケージ2の5つの壁を覆う(すなわち、内側パッケージ2の上側の壁を露出したままにしている)柔らかい(すなわち、硬くない)外側ラッピング6を備えたカップの形状をなす外側パッケージ5を具備する。
【0012】
外側ラッピング6は、カップ形状(すなわち、上側で開口している)をなし、パイプ状のものが平行に詰められて矩形(長尺)形状をなして、かつ、底壁7と2つ種類の側壁8に大別される4つの側壁8を具備する。4つの長手方向の角9は、側壁8と側壁8との間として規定される。すなわち、各々の長手方向の角9は、2つの隣接する側壁8間の境界を規定する。4つの横方向の角10は、底壁7と複数の側壁8との間として規定される。すなわち、各々の横方向の角10は、底壁7と側壁8の間の境界を規定する。
【0013】
図3に示されるように、長手方向の角9に沿って、内側パッケージ2は複数のたばこからなる組3の端に位置するたばこの周囲を包んので、丸まった形状(すなわち、アーク形状)になる傾向がある(この結果、丸まった角を形成する)。その結果、外側ラッピング6が内側パッケージ2の周りに包まれて折り込まれたとき、外側ラッピング6を長手方向の角9に沿って尖って正確に折ることが不可能になる。換言すると、外側ラッピング6を丸まった長手方向の角を持った内側パッケージ2の周りを包むように折ることが主な理由となって、外側ラッピング6は、長手方向の角9に沿って、角張って尖った角を持つのではなく、丸まってしまう(すなわち、アーク形状となって丸まった角が形成される)。
【0014】
図4−6に示されるように、一旦外側パッケージ5が完成すると、すなわち、一旦外側ラッピング6が内側パッケージ2の周りを包むように折られると、外側パッケージ5の長手方向の角9は形成過程(すなわち、材質繊維を永久的局所的に変形させる過程)を経て、長手方向の角9に沿ってソフトラッピング6を形造り、尖った角張った長手方向の角9を持つ外側ラッピング6を得ることができる。換言すれば、一旦外側ラッピング6を内側パッケージ2の周りを包むように折った後、外側パッケージ5は、形成過程を経て、長手方向の角9に沿った外側ラッピング6を形造る。
【0015】
各々の長手方向の角9の形成過程(あるいは、成形工程)は、外側パッケージ5の内側に壁8のある部分を長手方向の角9の両側から押付ける工程(加圧する工程)、および、これと同時に、外側ラッピング6を長手方向の角9に沿って所望の形状にネガで再加工する成形部材11の内部で、内側に壁8の当該部分を長手方向の角9の両側から包む工程を含む。
【0016】
図5に示すように、外側パッケージ5の内側に向かって壁8の部分を長手方向の角9の両側から押すことによって、外側ラッピング6は、成形部材11の内側の面にくっついて角張った尖った角を持つようになる。このように、成形部材11が外側パッケージ5から離れたとき、外側ラッピング6は、尖った角に沿って形造られてその角張った形状が(少なくとも部分的に)保たれる。
【0017】
図4と図5を比較すると明確にわかるように、外側ラッピング6は、撓む(すなわち、局所的に長さを増加させる)ことができないので、外側ラッピング6は、圧縮しなければ、成形部材11の内側の面にくっつくことはできず、丸みをおびた形状から角張った形状へと変化することはできない。丸みをおびた形状から角張った形状へと変化するためには、一定の表面積に対して周辺部において概略27%の増加が必要である。逆に、表面積を圧縮によって減少させることで、外側ラッピング6は、一時的に丸みをおびた形状から角張った形状へと変化することができ(この場合、より大きな表面積が必要となる。)、成形部材11の内側の面にくっつくことができる。換言すれば、長手方向の角9の両側で、外側ラッピング6(柔軟性がなく撓わない)は、一定の周辺部を持つが、その表面積は一時的に減少して、上述したように、長手方向の角9に沿って外側ラッピング6を所望の形状にネガで再加工する角成形部材11の内側の面にくっつくことができる。
【0018】
図7に示したように、コンベア12は、たばこの束1を梱包装置13からセロハン(登録商標)で包む装置14へ長手方向の角9に平行な直線経路Pに沿って移動する。たばこの束1の外側パッケージ5の長手方向の角9を加工(成形)して上述の成形方法を実施する、成形装置15(加工装置15)は、たとえば、実質的に一定の速度で、成形チャネル16を通してたばこの束1を供給するコンベア12に沿って配置される。
【0019】
図8−12、および、図13に例示したように、コンベア12は、たばこの束1を経路Pに沿って押し出すためのベルトコンベアに垂直な(通常、鉛直方向の)歯を備え、途中でたばこの束1を受ける、2つの平行なオフセットを持った(通常、水平に走る)コンベアベルトを具備することができる。換言すれば、2つのコンベアベルトの鉛直方向の歯がポケットを構成して、それぞれのポケットがたばこの束1を収容する。
【0020】
図8−12、および、図13に示したように、成形装置15は、成形チャネル16を備え、このチャネル16を通してコンベア12によってたばこの束1が供給され、このチャネル16は長手方向の角9に沿って断面積が徐々に狭くなっている。換言すれば、このチャネル16を通してコンベア12によってたばこの束1が供給されるにつれて、チャネル16は、長手方向の角9に沿って断面積が徐々に狭くなることで、たばこの束1の外側パッケージ5を長手方向の角9に沿って引いて、上述したように各々の長手方向の角9を成形する。
【0021】
図8、図9、図10、および、図13に示したように、成形チャネル16は、4つの長手方向の角9に沿って配置されて、長手方向の角9に沿って断面積が徐々に狭くなっている4つの成形部材11を具備している。
【0022】
図8、9に示した実施態様では、各々の成形部材11は、長手方向の角9に沿ってチャネルの断面積を徐々に狭くする、各々の回転軸18の周りにアイドル回転するように取り付けられたローラ17を具備している。2つのローラ17の回転軸18は、通常、互いに垂直をなして同一面内にあり、各々のローラ17は、その回転軸18に平行な横側面を有している。別の実施態様では、2つのローラ17の回転軸18は、オフセットする(すなわち、同一面内にない構成をとる)こともでき、又は、互いに90°以外の角度で傾斜をなすことができるが、好適には、90°近傍が望ましい。図8、9に示した実施態様では、各々の成形部材11の2つのローラ17の横側面は、対応する長手方向の角(9)の形状をネガで再成形する(図8において矢印で指し示した先端部、および、図9において矢印で指し示した面取りされた先端部を持つ)V字型を構成する。
【0023】
図16に示した実施態様では、2つのローラ17の回転軸18は互いに平行をなして、各々のローラ17は、その回転軸18に対して45°の傾斜を持つ横側面を有している。図16に示した実施態様でも、各々の成形部材11の2つのローラ17の横側面は、対応する長手方向の角(9)の形状をネガで再成形する(図16において矢印で指し示した先端部、および、面取りされた先端部を持つ実施態様は図示しない)V字型を構成する。
【0024】
各々の成形部材11の2つのローラ17によって構成されるV字型の角度は、正確に90°である、あるいは、90°近傍にあり、通常は、90°よりわずかに大きい(たとえば、95°から105°)ことに留意することは重要である。
【0025】
図23に示した実施態様では、2つのローラ17の回転軸18は互いに同軸をなしており、各々のローラ17は、その共通の回転軸18に対して45°の傾斜を持つ横側面を有している。2つのローラ17の横側面は、その共通の回転軸18に対して反対の方向に、概略、45°の傾斜をなしている。図23に示した実施態様でも、各々の成形部材11の2つのローラ17の横側の面は、対応する長手方向の角(9)の形状をネガで再成形する(図23において矢印で指し示した先端部、および、面取りされた先端部を持つ実施態様は図示しない)V字型を構成する。図23に示した実施態様では、各々の成形部材11は2つの隣り合う同軸ローラ17を具備している。完全に等価な変形実施態様では、2つの隣り合う同軸ローラ17は、中央にV字型の溝を持った単一のローラ17に置き換えられている。換言すれば、環状の溝がV字型で、対応する長手方向の角(9)の形状をネガで再成形する、横側面を持った単一のローラ17構成する。
【0026】
この実施態様でも、各々の成形部材11の2つのローラ17によって形成されるV字型の角度を正確に90°である、あるいは、90°近傍にあり、通常は、90°よりわずかに大きく(たとえば、95°から105°)することができる。
【0027】
図8、16に示した実施態様では、外側ラッピング6を長手方向の角9に沿って所望の形状にするには、各々の成形部材11の2つローラ17が所定の位置で互いにすれすれに隣り合って配置されるようにして、角張った長手方向の角9を形成するが必要がある。
【0028】
図9に示した実施態様では、外側ラッピング6を長手方向の角9に沿って所望の形状にするには、2つローラ17が離れて配置されて平坦な中央の壁19が2つローラ17の間に2つローラ17に対して45°の角度で介在するようにして、面取りされた長手方向の角9(すなわち、45°の角度で傾斜している部分によって分離される2つの鋭いエッジを持つ)を形成するが必要がある。
【0029】
図8、16に示した実施態様では、外側ラッピング6を長手方向の角9に沿って所望の形状にするには、固定プロファイル20が2つの平坦な互いに垂直をなす壁21を具備するようにして、角張った長手方向の角9を形成するが必要がある。
【0030】
図13−15に示した実施態様では、外側ラッピング6を長手方向の角9に沿って所望の形状にするには、固定プロファイル20が、横側の壁21に対して45°の角度で傾斜している中央の平坦な壁21を備えた3つの平坦な壁21を具備するようにして、面取りされた長手方向の角9(すなわち、45°の角度で傾斜している部分によって分離される2つの鋭いエッジを持つ)を形成するが必要がある。
【0031】
図17に示した別の実施態様では、コンベア12がたばこの束1を形成チャネル16を通して段階的に供給して、各々のたばこの束1は、形成チャネル16の内部で補足される。この場合、各々の長手方向の角9に対して、形成チャネル16は、2つの加圧部材22が外側パッケージ5から離れている、休止位置(図17の点線で示されている)と、2つの加圧部材22が長手方向の角9で外側パッケージ5に押し付けられている、稼動位置(図17の実線で示されている)との間を移動できる2つの加圧部材22を具備する。
【0032】
好適には、2つの加圧部材22は、それぞれの回転軸23の周りにヒンジされて、休止一と稼動位置の間を回転し、加圧部材22の回転軸23は長手方向の角9に平行であることが望ましい。
【0033】
図22に示した別の実施態様では、コンベア12がたばこの束1を形成チャネル16を通して段階的に供給して、各々のたばこの束1は、形成チャネル16内部で捕捉される。この場合、各々の形成部材11は、外側ラッピング6をソフトパッケージ1の外側に引っ張る吸引装置24に接続されている。より具体的には、形成部材11は、長手方向の角9に吸引開口25を持った角張った部材である。好適には、吸引開口25は、吸引開口25の中で外側ラッピング6の部分である2つのフラップが挿入できる程度に広いことが望ましい。
【0034】
この図22に示した実施態様では、外側ラッピング6は、図18−20に示したように、長手方向の角9に沿って形作ることもできる。より具体的には、外側ラッピング6を少なくとも1つの長手方向の角9に沿って形作る工程は、長手方向の角9の外側に向かって外側ラッピング6のある部分を長手方向の角9の両側で引っ張る、引張り工程、上記部分の上記2つのフラップを締め付けてこの2つのフラップを長手方向の角9に平行な折目線の周りに90°(通常、180°近傍)を超えて折るように、長手方向の角9の外側に突出している外側ラッピング6のその部分を締付ける、締付け工程、および、長手方向の角9から突出している外側ラッピング6のその部分を解放する、解放工程を含む。外側ラッピング6のある部分を長手方向の角9の外側に引っ張るために、吸引装置24は、長手方向の角9の外側に向かって外側ラッピング6のその部分を長手方向の角9の両側で外側パッケージ5の外側へ引っ張るのに使用される。この場合も、外側ラッピング6のその部分が両側で外側パッケージ5で長手方向の角9の外側へ引っ張られることができるように、たばこの束1に圧力がかけられる。この圧力は、外側ラッピング6のその部分を長手方向の角9の両側で外側へ引張ることによって、ラッピング6全体を必要な程度に張って外側パッケージ5を内側に加圧するように、発生させることができる。
【0035】
上に記載した複数の実施態様において、形成方法は、長手方向の角9に施され、長手方向の角9に施すことを介して明らかに横方向の角10にも施される。
【0036】
上に記載した複数の実施態様において、外側ラッピング6の成形方法のみに関して言及した。しかしながら、内側パッケージ2と外側パッケージ5を備えたたばこの束1において、その方法は、同時に、外側パッケージ5の外側ラッピング6と(程度は軽いが)その中にある内側パッケージ2の内側ラッピング4の両方を成形することは明らかである。
【0037】
上に記載した複数の実施態様において、熱封止透明プラスチック部材(典型的には、セロハン(登録商標))で包まれていない外側ラッピング6の成形方法に関して言及した。しかしながら、上に記載した成形方法は、外側パッケージ5を覆う熱封止透明プラスチック部材(典型的には、セロハン(登録商標))を備えた、たばこの束1にも適用することができる。この場合、外側ラッピング6を包む熱封止透明プラスチック部材は、その下地としてある外側ラッピング6よりもより薄くより伸縮性があるので、永久的には変形せず、実質的に、形状の変化はない。
【0038】
上述した角9、あるいは、角10を加工する方法は、多くの効果を持つ。本方法は、安価に簡便に実施でき、外側パッケージ5の角(かど)9、あるいは、角10を尖って角張った角に成形することができる。記載された角(かど)9、あるいは、角10を加工する方法は、完成した外側パッケージ5(すなわち、外側パッケージ5を外側ラッピング6で包み込んだ後の完成品)に適用できることに留意することは重要である。このことは、成形装置15は、既存のシステムを大きく変更することを必要とせずに、既存の梱包システムにも容易に備え付けることができることを意味する。すなわち、成形装置15は、梱包システムの出力側のコンベア(あるいは、セロハン(登録商標)包装装置)に簡便に備え付けることができるものである。
【0039】
記載された角(かど)9、あるいは、角10を加工する方法は、たとえば、たばこのソフトカートンなどの、たばこの束1以外の如何なるタイプのソフトパッケージにも適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトパッケージ(5)の角(9)の加工方法であって、ソフトラッピング(6)で物品(3)の周りを包んで形成した、ソフトパッケージ(5)の2つの隣接する壁(8)の間の境界を規定する複数の角(9)を具備したソフトパッケージ(5)を形成する工程を含む、当該加工方法において、
ソフトラッピング(6)で物品(3)の周りを包んだ後、尖った角(9)を形成し、かつ、角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を角張らせるように、少なくとも1つの角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を成形する、成形工程をソフトパッケージ(5)に施す、さらなる工程を含む、
ことを特徴とするソフトパッケージの角の加工方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を成形する成形工程において、さらに、
少なくとも1つの角(9)の両面で、ソフトパッケージ(5)の内側に、壁(8)の部分をプレスする工程と、
同時に、当該角(9)の両面で、壁(8)の部分を、当該角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を所望の形状にネガで再成形する、成形部材(11)の中で囲む工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を成形する成形工程において、さらに、
前記角(9)にソフトパッケージ(5)を平行に供給して、前記角(9)に沿って断面が徐々に小さくなる形成チャネル(16)を通す工程を含む、請求項1、および、請求項2のいずれか1つに記載の方法。
【請求項4】
前記形成チャネル(16)は、前記角(9)に沿って断面を徐々に小さくする固定プロファイル(20)を具備する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記角(9)に沿ったソフトラッピング(6)の所望の形状は、角張った角を形成する工程によって形成され、前記固定プロファイル(20)は、2つの互いに略垂直で平坦な壁を具備する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記角(9)に沿ったソフトラッピング(6)の所望の形状は、面取りされた角を形成する工程によって形成され、前記固定プロファイル(20)は、2つの平坦な横壁(21)に対して45°の角度をなす中央の平坦な壁(21)からなる3つの平坦な壁(21)を具備する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記形成チャネル(16)は、それぞれの回転軸(18)の周りをアイドル回転するように取り付けられた少なくとも1つのローラー(17)を具備し、当該ローラー(17)は、V字型の横側面を備えて前記角(9)に沿って断面を徐々に小さくする、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記ローラー(17)は、中央のV字型環状溝を具備する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記形成チャネル(16)は、2つの回転軸(18)のそれぞれの周りをアイドル回転するように取り付けられた2つのローラー(17)を備えて前記角(9)に沿って断面を徐々に小さくする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記2つのローラー(17)の前記2つの回転軸(18)は互いに垂直であり、各々のローラー(17)はその回転軸に平行な横側面を具備する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記2つのローラー(17)の前記2つの回転軸(18)は平行であり、各々のローラー(17)はその回転軸に対して傾斜をなす横側面を具備する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記角(9)に沿ったソフトラッピング(6)の所望の形状は、角張った角を形成する工程によって形成され、前記2つのローラー(17)は、所定の点ですれすれに動くように並べて配置される、請求項9から請求項11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記角(9)に沿ったソフトラッピング(6)の所望の形状は、面取りされた角を形成する工程によって形成され、前記2つのローラー(17)は、離れて配置され、前記2つのローラー(17)の間に前記2つのローラー(17)に対して45°の角度をなす平坦な面(19)が介在する、請求項9から請求項11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記ソフトパッケージ(5)は、前記形成チャネル(16)の中で止まり、前記形成チャネル(16)は、2つの加圧部材(22)を具備し、前記2つの加圧部材(22)は、前記角(9)で、前記2つの加圧部材(22)が前記ソフトパッケージ(5)から離れた休止位置と、前記2つの加圧部材(22)が前記ソフトパッケージ(5)に対して押し付けられている稼動位置との間を移動できる、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記2つの加圧部材(22)は、前記角(9)に平行な各々の回転軸(23)の回りにヒンジされて前記休止位置と前記稼動位置との間で回転する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ソフトパッケージ(5)は、前記形成チャネル(16)の中で止まり、前記形成チャネル(16)は、前記ソフトラッピング(6)を前記ソフトパッケージ(5)の外側へ引っ張る吸引部材(24)に接続された成形部材(11)を具備する、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記成形部材(11)は、吸引を行なう吸引口(25)を前記角(9)に具備した角張った部材であり、前記吸引口(25)は、前記吸引口(25)内に、前記ソフトラッピング(6)の一部である2つのフラップを挿入できる程度に広い、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの角(9)に沿って前記ソフトラッピング(6)を成形する成形工程は、前記角(9)の外側に前記ソフトラッピング(6)の部分を引っ張る、引張り工程と、前記ソフトラッピング(6)の前記角(9)の外側に突出している部分を締付けて、前記部分の前記2つのフラップを締め付けて前記2つのフラップを折目線の周りに90°を超えて折る、締付ける、締付け工程と、前記角(9)から突出している前記ソフトラッピング(6)の前記部分を解放する、解放工程とを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ソフトラッピング(6)の前記角(9)の外側に突出している前記部分は、互いに向かって前記角(9)に平行な折目線の周りに略180°で折られている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ソフトラッピング(6)の部分を前記角(9)の両側で前記ソフトパッケージ(5)の外側へ引っ張って前記ソフトラッピング(6)のある部分を前記角(9)の外側へ引っ張る、引張り工程をさらに含む、請求項18、および、請求項19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記ソフトラッピング(6)の前記角(9)の両側の部分は、前記折目線上に吸引する吸引口(25)を持つ角張った形成部材(11)に接続されている吸引装置(24)によって、前記ソフトパッケージ(5)の外側へ引張られる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ソフトパッケージ(5)の2つの隣接する壁(8)の間の境界を規定する複数の角(9)を具備する、ソフトパッケージ(5)の角(9)の加工方法において、
少なくとも1つの角(9)の両面で、ソフトパッケージ(5)の内側に、壁(8)の部分を加圧する工程と、
同時に、当該角(9)の両面で、壁(8)の部分を、当該角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を所望の形状にネガで再成形する、成形部材(11)の中で囲む工程とを含む、
ことを特徴とするソフトパッケージの角の加工方法。
【請求項23】
ソフトラッピング(6)で物品(3)の周りを包んで形成された、ソフトパッケージ(5)の2つの隣接する壁(8)の間の境界を規定する複数の角(9)を具備する、ソフトパッケージの角を加工する装置において、
ソフトラッピング(6)で物品(3)の周りを包んだ後、尖った角(9)を形成し、かつ、角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を角張らせるように、少なくとも1つの角(9)に沿ってソフトラッピング(6)を成形する工程をソフトパッケージ(5)に施す、ことを特徴とするソフトパッケージの角を加工する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−161247(P2009−161247A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−301343(P2008−301343)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(392003937)ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ (102)
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】