説明

ソリッドストップ板ばね

【課題】ピストンプレートとタービンハブとの接触を阻止するピストンプレートストッパを備えたトルクコンバータを提供する。
【解決手段】第1の端部109と第2の端部111とを備えたフレキシブルな接続エレメント102が設けられており、第1の端部109が、トルクコンバータのためのピストンプレート104に接続されるように配置されており、第2の端部111が、トルクコンバータのためのカバー106に回転方向で結合されるように配置されており、フレキシブルな接続エレメント102に配置されたストッパ117が設けられており、ストッパ117が、ピストンプレート104の軸方向移動を制限するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、合衆国第35法典第119条(e)に基づいて、引用したことにより本明細書に記載されたものとする2006年9月6日に出願された米国特許仮出願第60/842487号明細書の利益を請求する。
【0002】
発明の分野
本発明は概してトルクコンバータ、特に、タービンハブに向かってのピストンプレートの軸方向移動を制限する板ばねを備えたトルクコンバータに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
図1は、典型的な車両における、エンジン7と、トルクコンバータ10と、トランスミッション8と、ディファレンシャル/車軸アセンブリ9との関係を示す概略的なブロック線図を示している。自動車のエンジンからトランスミッションへトルクを伝達するためにトルクコンバータが使用されることがよく知られている。
【0004】
トルクコンバータの3つの主要な構成要素は、ポンプ37と、タービン38と、ステータ39とである。トルクコンバータは、ポンプがカバー11に溶接されると、シールされたチャンバとなる。カバーはフレックスプレート41に結合されており、このフレックスプレート41自体はエンジン7のクランクシャフト42にボルト留めされている。カバーは、カバーに溶接されたラグ又はスタッドを用いてフレックスプレートに結合されることができる。ポンプとカバーとの間の溶接された結合はエンジントルクをポンプに伝達する。したがって、ポンプは常にエンジン速度で回転する。ポンプの機能は、流体を半径方向外方及び軸方向へタービンに向かって送るためにこの回転運動を利用することである。したがって、ポンプは遠心ポンプであり、流体を小さな半径の入口から大きな半径の出口へ送り、流体のエネルギを増大させる。トランスミッションクラッチとトルクコンバータクラッチとを係合させるための圧力は、ポンプハブによって駆動される、トランスミッションにおける付加的なポンプによって提供される。
【0005】
トルクコンバータ10において、流体回路は、ポンプ(インペラと呼ばれる場合もある)と、タービンと、ステータ(リアクタと呼ばれる場合もある)とによって構成されている。流体回路は、車両が停止させられている場合にエンジンを回転させ続け、運転手によって望まれた場合に車両を加速する。トルクコンバータは、減速歯車装置と同様に、トルク比によってエンジントルクを補足する。トルク比は、入力トルクに対する出力トルクの比である。トルク比は、タービン回転速度が低い又はゼロである(ストールとも呼ばれる)場合に最も高くなる。ストールトルク比は通常1.8〜2.2の範囲である。これは、トルクコンバータの出力トルクが入力トルクよりも1.8〜2.2倍だけ大きいことを意味する。しかしながら、出力速度は入力速度よりも著しく低い。なぜならば、タービンは出力部に結合されておりかつ回転していないが、入力部はエンジン速度で回転しているからである。
【0006】
タービン38は、車両を推進するために、ポンプ37から受け取る流体エネルギを利用する。タービンシェル22はタービンハブ19に結合されている。タービンハブ19は、タービントルクをトランスミッションシャフト43に伝達するためにスプライン結合を利用する。入力軸は、トランスミッション8における歯車及び軸と、車軸ディファレンシャル9とを介して、車輪に結合されている。タービンブレードに衝突する流体の力は、トルクとしてタービンから出力される。軸方向スラスト軸受31は、構成要素を、流体によって与えられる軸方向の力から支持する。出力トルクが、静止中の車両の慣性を克服するのに十分であると、車両は動き始める。
【0007】
流体エネルギはタービンによってトルクに変換された後、依然として流体には僅かなエネルギが残されている。小さな半径の出口44から出てくる流体は、通常は、ポンプの回転に対抗するような形式でポンプに進入する。ステータ39は、ポンプの加速を助けるために流体を方向転換させるために使用され、これにより、トルク比を増大させる。ステータ39は一方向クラッチ46を介してステータシャフト45に結合されている。ステータシャフトはトランスミッションハウジング47に結合されており、回転しない。一方向クラッチ46は、ステータ39が低速比において回転するのを阻止する(低速比では、ポンプがタービンよりも速く回転する)。タービン出口44からステータ39に進入する流体は、ステータブレード48によって回転させられ、回転方向でポンプ37に進入する。
【0008】
ブレードの入口角度及び出口角度、ポンプ及びタービンシェルの形状、トルクコンバータの総直径とが、その性能に影響する。設計パラメータは、トルク比と、効率と、エンジンを"ランアウェイ"させることなくエンジントルクを吸収するためのトルクコンバータの能力とを含む。これは、トルクコンバータが小さすぎ、ポンプがエンジンを減速させることができない場合に起こる。
【0009】
低速比においては、トルクコンバータは正常に機能し、車両が静止した状態でエンジンを回転させ、増大した性能のためにエンジントルクを補足する。高速比においては、トルクコンバータはより効率的でなくなる。タービンの回転速度がポンプの回転速度に近づくにしたがって、トルクコンバータのトルク比は、約1.8〜2.2から、約1のトルク比まで次第に減少する。1のトルク比はカップリングポイントと呼ばれている。このポイントにおいては、ステータに進入する流体はもはや方向転換される必要はなく、ステータにおける一方向クラッチが、流体を、ポンプ及びタービンと同じ方向に回転させる。ステータが流体を方向転換していないので、トルクコンバータから出力されるトルクは、トルク入力と同じである。流体回路全体はユニットとして回転する。
【0010】
最大トルクコンバータ効率は、流体における損失に基づき92〜93%に限定される。したがって、トルクコンバータクラッチ49は、トルクコンバータ入力部を出力部に機械的に結合するために使用され、効率をほぼ100%に改善する。クラッチピストンプレート17は、トランスミッションコントローラによって命令されると、液圧によって作動させられる。ピストンプレート17は、内径においてOリング18によってタービンハブ19に対してシールされており、外径において摩擦材料リング51によってカバー11に対してシールされている。これらのシールは、圧力チャンバを形成し、ピストンプレート17をカバー11と係合させる。この機械的な結合は、トルクコンバータ流体回路をバイパスする。
【0011】
トルクコンバータクラッチ49の機械的結合は、ドライブトレーンに、より多くのエンジンねじれ変動を伝達する。ドライブトレーンが基本的にばね質量系であるので、エンジンからのねじれ変動は、系の固有振動数を励起することができる。ダンパは、ドライブトレーンの固有振動数を、駆動範囲から外れさせるように使用される。ダンパは、直列に配置されたばね15を有しており、これにより、系の有効ばね定数を減衰させ、固有振動数を低下させる。
【0012】
トルクコンバータクラッチ49は、4つの構成要素、すなわちピストンプレート17と、カバープレート12及び16と、ばね15と、フランジ13とを有している。カバープレート12及び16はトルクをピストンプレート17から圧縮ばね15に伝達する。カバープレートウィング52は、軸方向保持のためにばね15の周囲に形成されている。ピストンプレート17からのトルクは、リベット結合部を介してカバープレート12及び16に伝達される。カバープレート12及び16は、ばね窓の縁部と接触することによって、トルクを圧縮ばね15に提供する。両カバープレートは、ばねの中心軸線の両側においてばねを支持するように協働する。ばね力は、フランジばね窓縁部との接触によって、フランジ13に伝達される。場合によっては、フランジは、回転タブ又はスロットをも有しており、この回転タブ又はスロットは、カバープレートの一部に係合して、高トルク条件においてばねの過剰圧縮を阻止する。フランジ13からのトルクは、タービンハブ19と、トランスミッション入力軸43とに伝達される。
【0013】
エネルギ吸収は、望まれるならば、時にはヒステリシスと呼ばれる摩擦によって達せられることができる。ヒステリシスは、ダンパプレートの巻き上げ及び巻出しからの摩擦を含み、したがって実際の摩擦トルクの2倍である。ヒステリシスパッケージは、概して、ダイアフラムばね(又は皿ばね)14から成り、このダイアフラムばね(又は皿ばね)は、フランジ13と、カバープレート16の一方との間に配置されており、フランジ13を他方のカバープレート12と接触させる。ダイアフラムばね14によって加えられる力の大きさを制御することによって、摩擦トルクの大きさも制御されることができる。典型的なヒステリシスの値は、10〜30Nmの範囲である。
【0014】
幾つかのトルクコンバータは、ピストンプレートをトルクコンバータのカバーに回転可能に結合する板ばね結合を有する。板ばねは、トルクをカバーからピストンプレートに伝達することができ、依然としてピストンプレートの軸方向変位若しくは移動を可能にする。解放状態におけるトルクコンバータは、ピストンプレートをタービンに向かって軸方向に移動させる。
【0015】
解放状態は通常、車両が停止しているときに生じる。カバーから離れる方向へのピストンプレートの軸方向移動は、通常、解放状態においては制限されておらず、ピストンプレートはタービンハブに接触することができる。制御されないと、タービンに向かう方向へのピストンプレートの軸方向移動は、ピストンプレートをタービンハブに接触させ、ピストンプレート及びタービンハブにおける摩耗を生じるおそれがある。このような状態において、カバー及びピストンプレートは、2つの構成部材を回転方向で結合する板ばねにより一緒に回転し続ける。解放状態においてはタービンは回転しないので、軸方向移動させられた、回転するピストンプレートは、タービンハブにこすりつけられるおそれがあり、ピストンプレート及びタービンハブにおける摩耗を生じる。ピストンプレートとタービンハブとの接触及び摩耗は、トルクコンバータの機能及び寿命にとって不都合であるおそれがある。
【0016】
したがって、ピストンプレート及びタービンハブへの摩耗を防止するためにピストンプレートの軸方向移動を制限することができるトルクコンバータを提供することは、長期に亘って必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の全体的な目的は、ピストンプレートがタービンハブに接触するのを阻止しながら、回転方向で結合されたトルクコンバータとピストンプレートとを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、ピストンプレートとタービンハブとの接触を阻止するピストンプレートストッパを備えたトルクコンバータを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、ピストンプレートの軸方向移動を制限することができるピストンプレートストッパを有する板ばねアセンブリを備えたトルクコンバータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の概要
本発明は、広く言うと、トルクコンバータのためのピストンプレートストッパを含み、このピストンプレートストッパは、第1の端部と第2の端部とを備えたフレキシブルな接続エレメントと、フレキシブルな接続エレメントに配置されたストッパとを有しており、第1の端部がトルクコンバータのためのピストンプレートに接続されるように配置されており、第2の端部がトルクコンバータのためのカバーに回転方向で結合されるように配置されている。ストッパは、ピストンプレートの軸方向移動を制限するように配置されている。幾つかの態様において、フレキシブルな接続エレメントは、カバーとピストンプレートとを回転方向で結合するように配置されており、フレキシブルな接続エレメントは板ばねを含むか、又はストッパはさらに第2の端部の近くにおいてフレキシブルな接続エレメントに設けられた付属物を含んでいる。幾つかの態様において、ストッパは、ピストンプレートとトルクコンバータのためのタービンハブとの間の接触を阻止するように配置されているか、又はピストンプレートは、軸方向でカバーと向き合って配置された軸方向の面を有しており、ストッパは、軸方向の面に接触するように位置決めされている。
【0021】
幾つかの態様において、ピストンプレートストッパは、カバーに固定されるように配置された駆動プレートを有しており、ストッパは、第1の端部に固定されたクリップを有しており、クリップの部分は、軸方向で駆動プレートに重なるように配置されており、第2の端部は、駆動プレートに接続されるように配置されている。幾つかの態様において、ピストンプレートストッパは、カバーに固定されるように配置された駆動プレートを有しており、ストッパは、第1の端部をピストンプレートに固定するように配置されたリベットを有しており、リベットの部分は、軸方向で駆動プレートに重なるように配置されており、第2の端部は、駆動プレートに接続されるように配置されている。
【0022】
本発明は、広くは、ピストンプレートと、カバーと、ピストンプレート及びカバーに回転方向で結合された少なくとも1つのフレキシブルな接続エレメントと、カバーから離れる方向へのピストンプレートの軸方向移動を制限するように位置決めされたストッパとが設けられたトルクコンバータをも含んでいる。幾つかの態様において、ストッパは、少なくとも1つのフレキシブルな接続エレメントにおけるタブを有しており、タブは、ピストンプレートの外周の近くにおいてピストンプレートの軸方向の面に接触するようにタブを変位させる曲げ部を有している。幾つかの態様において、ピストンプレートの軸方向の面はカバーと向き合っており、トルクコンバータが解放状態にある場合に接触が生じるか、又はタブは、ピストンプレートの軸方向の面と軸方向で整合するようにタブの遠位部分を位置決めする曲げ部を有している。幾つかの態様において、タブの遠位部分は、ピストンプレートがタブを越えて軸方向に移動するのを阻止する。
【0023】
幾つかの態様において、トルクコンバータはタービンハブを有しており、ストッパは、タービンハブとの接触を阻止するようにピストンプレートの軸方向移動を制限するか、又はフレキシブルな接続エレメントは板ばねを含む。幾つかの態様において、トルクコンバータは、カバーに固定された駆動プレートを有しており、ストッパは、フレキシブルな接続エレメントの第1の端部とピストンプレートとに取り付けられたクリップを有しており、クリップの部分は軸方向で駆動プレートと重なっており、フレキシブルな接続エレメントの第2の端部は駆動プレートに接続されている。幾つかの態様において、トルクコンバータは、カバーに固定された駆動プレートを有しており、ストッパは、フレキシブルな接続エレメントの第1の端部とピストンプレートとに取り付けられたリベットを有しており、リベットの部分は軸方向で駆動プレートと重なっており、フレキシブルな接続エレメントの第2の端部は駆動プレートに接続されている。
【0024】
本発明はさらに、広くは、ピストンプレートと、カバーと、ピストンプレートとカバーとを回転方向で結合する複数のフレキシブルな接続エレメントとを有するトルクコンバータを含む。複数のフレキシブルな接続エレメントにおける少なくとも1つのフレキシブルな接続エレメントは、ピストンプレートが曲げ区分を越えて軸方向に移動するのを阻止するために、ピストンプレートに接触するように配置された曲げ区分を有している。幾つかの態様において、曲げ区分は、ピストンプレートの外周の近くにおいてピストンプレートに接触している。幾つかの態様において、接触は、ピストンプレートの軸方向の面において生じる。幾つかの態様において、フレキシブルな接続エレメントは板ばねを含む。
【0025】
本発明のこれらの目的及び利点並びにその他の目的及び利点は、本発明の好適な実施形態の以下の説明と、添付の図面及び請求項とから容易に認められるであろう。
【0026】
本発明の性質及び態様がここで、添付の図面を参照した発明の以下の詳細な説明により完全に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
好適な実施形態の詳細な説明
始めに、異なる図面における同じ参照符号は、発明の同じ構造エレメントを表していることが認識されるべきである。本発明は、現時点で好適な実施形態であると考えられるものに関して説明されるが、この発明は開示された実施形態に限定されないと理解されるべきである。以下の既述において、"上部"、"下部"、"上側"、"下側"、"前側"、"後側"、"後部"、"左"、"右"という用語、及びそれらの派生語は、図1に示された発明を見る者の見方から解釈されるべきである。
【0028】
さらに、発明は、記載された特定の方法、材料及び変更に限定されず、もちろん変更することができる。ここで使用されている用語は、特定の実施形態だけを説明するためのものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0029】
特に定義されない限りは、ここで使用されている全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者にとって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。ここに説明されたものと同じ又は均等のあらゆる方法、装置又は材料が発明の実施又は試験において使用されることができるが、好適な方法、装置及び材料がここでは説明されている。
【0030】
図7Aは、本願において用いられた空間的な用語を示している、円筒座標系80の斜視図である。本発明は、少なくとも部分的に円筒座標系に関連して説明される。系80は長手方向軸線81を有しており、この長手方向軸線は、以下の方向及び空間の用語のための基準として使用される。"軸方向"、"半径方向"及び"周方向"という形容詞は、軸線81、半径82(軸線81に対して直交する)及び円周83のそれぞれに対して平行な方向に関する。"軸方向"、"半径方向"及び"周方向"という形容詞も、個々の平面に対して平行な方向をいう。様々な平面の配置を明らかにするために、物体84,85及び86が用いられている。物体84の面87は軸方向平面を形成している。すなわち、軸線81はこの面に沿った線を形成している。物体85の面88は半径方向平面を形成している。すなわち、軸線82はこの面に沿った線を形成している。物体86の面89は周方向平面を形成している。すなわち、軸線83はこの面に沿った線を形成している。別の例として、軸方向の移動又は配置は軸線81に対して平行であり、半径方向の移動又は配置は半径82に対して平行であり、周方向の移動又は配置は円周83に対して平行である。回転は軸線81に関する。
【0031】
"軸方向"、"半径方向"及び"周方向"という副詞は、軸線81、半径82又は円周83のそれぞれに対して平行な方向に関する。"軸方向"、"半径方向"及び"周方向"という副詞も、個々の平面に対して平行な方向に関する。
【0032】
図7Bは、本願において用いられた空間的な用語を示している、図7Aの円筒座標系における物体90の斜視図である。円筒状物体90は、円筒座標系における円筒状物体を表しており、本願発明をどのようにも限定しようとするものではない。物体90は、軸方向の面91と、半径方向の面92と、周方向の面93とを有している。面91は軸方向平面の一部であり、面92は半径方向平面の一部であり、面93は周方向平面の一部である。
【0033】
図8は、本発明の板ばねアセンブリに回転可能に結合された、ピストンプレート及びカバーの正面図である。
【0034】
図9は、概して図8における線9−9に沿った、図8に示された、ピストンプレート、カバー及び板ばねアセンブリの断面図である。以下の説明は図8及び図9が参照されるべきである。ピストンプレート104及びカバー106に回転可能に接続された、フレキシブルな接続エレメント102が示されている。幾つかの態様において、このエレメントはプレート及びカバーに直接に取り付けられている。幾つかの態様において、エレメント102は板ばねである。しかしながら、回転する構成部材をフレキシブルに接続するために技術上知られたあらゆる手段がエレメント102のために使用されることができる。以下では、フレキシブルな接続エレメントは板ばねと呼ばれる。回転方向で結合又は固定するとは、2つの構成要素が一緒に回転する、すなわち2つの構成要素が回転に関して固定されているようにプレートとカバーとが結合されていることを意味する。2つの構成要素を回転方向で結合することは、必ずしも他の方向での相対移動を制限するわけではない。例えば、回転方向で結合された2つの構成要素が、スプライン結合又はフレキシブルな結合を介して互いに対して軸方向移動を行うことが可能である。しかしながら、回転方向での結合は、他の方向での移動が必ずしも存在することを意味すると理解されるべきではない。例えば、回転方向で結合された2つの構成要素は、軸方向で互いに固定されていることができる。回転方向での結合の前記説明は、以下の説明にも適用可能である。リベット108によってピストンプレート104に固定取り付けされかつリベット110によってカバー106に固定取り付けされた板ばね102が示されている。図8に示された板ばね102の数及び空間的配列は、考えられる1つの可能な配列でしかないと理解されるべきであり、板ばね102のその他の数及び空間的配列は、発明の範囲及び精神に含まれる。
【0035】
板ばね102のそれぞれの端部はピストンプレート104又はカバー106に結合されている。幾つかの態様において、端部109はピストンプレート104に結合されており、端部111はカバー106に結合されている。択一的に、板ばね102は、例えば溶接又はボルト留めを含むがこれに限定されない技術上知られたあらゆる手段によって取り付けられることができる。
【0036】
幾つかの態様において、リベット108はピン留め又はすえ込みされ、ピストンプレート104のタブ112に設けられた孔に挿入される。幾つかの態様において、リベット108は独立リベットである。幾つかの態様において、リベット108はピストンプレート104から押出し成形されている。しかしながら、技術上知られた別の取付け技術が使用されることもできる。タブ112は、ピストンプレート104の外周114に沿って均等に間隔を置いて示されている。しかしながら、その他の空間的構成が可能である。幾つかの態様(図示せず)において、ピストンプレート104は、板ばね102が取り付けられた均一の円周(円周は半径方向延長部を有していない)を有している。例えば、リベット穴は均一な円周に配置されることができる。
【0037】
リベット110は、ピン留め及びすえ込みされ、カバー106の外周116の近くの孔に挿入されて示されている。幾つかの態様において、リベット110は独立リベットである。幾つかの態様において、リベット110はカバー106から押出し成形されている。しかしながら、技術上知られたあらゆる取付け技術が使用されることもできる。
【0038】
以下に説明するように、ピストンプレート104の軸方向移動を制限するためにストッパ117が配置されている。板ばね102は、中間部122と、曲げ部120及びタブの遠位部分におけるストッパ124を備えて構成された付属物、若しくはタブ118、とを有している。幾つかの態様において、ストッパ117は、プレート104がタブ118を越えて軸方向移動するのを阻止するように位置決め及び成形された、付属物若しくはタブ118を有している。言い換えれば、タブ118は、ピストンプレート104の軸方向移動を制限するためのストッパとして設計された、板ばね102におけるセグメントである。したがって、付属物118は、カバー106から離れる方向へのピストンプレート104の軸方向移動の程度におけるストッパ若しくは限界として機能する。付属物118は板ばね102に取り付けられることができ、付属物118は、例えば所望の形式に打抜き加工された鋼を使用して、1つの一体のユニットとして形成されることができる。板ばね102への付属物118の取付けは、溶接、又は技術上知られたあらゆる取付け方法によって行われることができる。
【0039】
幾つかの態様において、中間部122とストッパ124とは、外周114の近くのピストンプレート104の軸方向の面126に接触するように作用的に配置されている。ストッパ124は、付属物118の遠位部分として示されているが、板ばね102のあらゆる部分は、ピストンプレート104に接触しかつピストンプレートの軸方向移動を停止させるように構成されることができる。例えば、板ばね102は、ピストンプレート104に接触しかつプレートの軸方向移動を停止させるために、タブ118とは異なる位置に位置決めされた曲げ部(図示せず)を有することができる。
【0040】
図9を参照すると、板ばね102は、ピストンプレート104を、上述の制約の中で、カバー106に向かって又はカバー106から離れるように、軸線128に沿って移動させることができる。通常、カバー106の方向へのピストンプレート104の軸方向移動は、トルクコンバータが適用状態にある時に、圧力がピストンプレート104の適用側130に形成されると生じる。カバー106から離れる方向へのピストンプレート104の軸方向移動は、通常、トルクコンバータの解放状態の間に、圧力がピストンプレート104の解放側132に形成されかつ適用側130における圧力が減少すると、生じる。
【0041】
付属物118は、ピストンプレート104の外周114の近くで軸方向の面126に接触するように作用的に配置されている。解放状態において、ピストンプレート104が軸方向にカバー106から離れる方向133に移動すると、軸方向の面126が付属物118に接触し、方向133でのピストンプレート104の軸方向移動を停止又は制限させる。幾つかの態様において、付属物118の遠位部分におけるストッパ124は、軸方向の面126に接触し、ピストンプレート104のさらなる軸方向移動を阻止する。すなわち、ピストンプレート104はタービンハブと接触するのを妨げられ、このことは、タービンハブ及びピストンプレート104への摩耗を防止する。付属物118を備えた複数の板ばね102の配置は、軸方向の面126における複数の接触個所を提供する。幾つかの態様において、複数のストッパ124が、外周114の近くにおける複数の位置において、ピストンプレート104の軸方向の面126に接触する。
【0042】
図10は、概して、図9に示された円10の近くにおける、図8に示された、ピストンプレート104、カバー106及び板ばね102の部分的な断面図である。この部分的な断面図は、付属物118の位置決め及び形状を示している。曲げ部120は、緩やかなS字形の曲線として示されている。直角で形成された角張った曲げ部を含むがこれに限定されない曲げ部120のその他の構成が発明の精神及び範囲に含まれる。幾つかの態様(図示せず)において、曲げ部120は排除され、付属物118は板ばね102の別の部分においてストッパ124を有する。
【0043】
図11は、板ばね102の斜視図である。付属物118は、約45度の角度で板ばね102に位置決めされて示されている。幾つかの態様(図示せず)において、付属物118は、ピストンプレート104の軸方向の面126との接触を容易にするために、中間部122に関してその他の角度で位置決めされることができる。付属物118は、端部111の近くにおいて板ばね102と一体であるが、上述のように、付属物118における幾つかの変更例が使用されることができ、板ばね102の様々な個所に位置決めされることができる。
【0044】
図12及び図13は、それぞれ板ばね102の上面図と、板ばね102の立面図とを示している。幾つかの態様において、板ばね102は、端部109及び111の近くにおいて個々の曲げ部を有する中間部122を有しており、これらの曲げ部は、ピストンプレート104を、軸方向に移動させかつピストンプレート104及びカバー106に同時に取り付けることを可能にする。幾つかの態様において、カバー106への端部111の堅固な取付けは、付属物118が、軸方向の面126と接触することによってピストンプレート104の軸方向移動を停止させるときに、付属物118が変位するのを防止するために必要とされる剛性を提供する。図示された付属物118の構成は、板ばね102の1つの可能な形状でしかなく、ピストンプレート104の軸方向変位を制限するために様々なその他の構成が使用されることができる。
【0045】
図14は、本発明によるピストンプレートストッパ200を備えた、トルクコンバータの部分的な断面図である。
【0046】
図15は、リベット202を備えた本発明によるピストンプレートストッパ200の正面図である。
【0047】
図16は、図15に示されたリベット202の斜視図である。以下の説明は図14から図16までを参照すべきである。ピストンプレート204及びカバー206に回転方向で結合された、フレキシブルな接続エレメント203が示されている。幾つかの態様において、このエレメントは、プレートに直接に取り付けられておりかつカバーに間接的に接続されている。例えば、技術上知られたあらゆる手段によってカバー206に固定された駆動プレート207を介してピストンプレート204をカバー206に回転方向で結合したフレキシブルな接続エレメント203が示されている。幾つかの態様において、エレメント203は板ばねである。しかしながら、回転する構成部材をフレキシブルに接続するために技術上知られたあらゆる手段がエレメント203のために使用されることができる。以下では、フレキシブルな接続エレメントは板ばねと呼ばれる。リベット202によってピストンプレート204に固定取り付けされかつリベット208によって駆動プレート207に固定取り付けされた板ばね203が示されている。択一的に、板ばね203は、例えば溶接又はボルト留めを含むがこれに限定されない技術上知られたあらゆる手段によってプレート207に取り付けられることができる。図15に示された板ばね203の数及び空間的配列は、考えられる1つの可能な配列でしかないと理解されるべきであり、板ばね203のその他の数及び空間的配列は、発明の精神及び範囲に含まれる。
【0048】
以下に説明するように、ピストンプレート204の軸方向移動を制限するためにストッパ200が配置されている。幾つかの態様において、ストッパ200はリベット202を有している。リベット202は、部分208及び210と、ヘッド212とを有している。部分208は、エレメント203をプレート204に固定するために、エレメント230を貫通し、ピストンプレート204に挿入される。プレート207は半径方向で部分210と整合されている。ヘッド212の部分214は、軸方向で、プレート207、例えば円周突出部215に重なっている。ヘッド212とプレート207とのその他の軸方向で重なる構成は、請求項に記載された発明の精神及び範囲に含まれる。リベット202は軸方向でプレート204に接続されており、すなわち、リベットとプレートとは一緒に軸方向に移動する。しかしながら、プレート207は、軸方向でリベットから独立している。例えば、プレート207は軸方向でリベットに接続されておらず、プレート204とリベットとの軸方向移動は、プレート207の軸方向移動を生ぜしめない。したがって、プレート204が軸方向216に十分な距離だけ並進させられると、リベット202がプレート207に接触し、例えば部分214の面218がプレート208の面220に接触する。プレート207がカバー206に固定されているので、プレート207は、リベット202とプレート207とが接触するとリベット202、ひいてはプレート204が方向216にさらに並進するのを妨げる。すなわち、ストッパ200は、プレート204と、トルクコンバータ222のその他の構成部材、例えばダンパ224との望ましくない接触を阻止する。
【0049】
図17は、クリップ302を使用する本発明のピストンプレートストッパ200の正面図である。
【0050】
図18は、図17に示されたクリップ302の斜視図である。以下の説明は図14から図18までを参照すべきである。技術上知られたあらゆる手段によってカバー206に固定された駆動プレート207を介してピストンプレート204をカバー206に回転可能に接続したフレキシブルな接続エレメント203が示されている。ファスナ304によってピストンプレート204に固定取り付けされかつリベット208によって駆動プレート207に固定取り付けされた板ばね304が示されている。択一的に、板ばね203は、例えば溶接又はボルト留めを含むがこれに限定されない技術上知られたあらゆる手段によって取り付けられることができる。図17に示された板ばね203の数及び空間的配列は、考えられる1つの可能な配列でしかないと理解されるべきであり、板ばね203のその他の数及び空間的配列は、発明の精神及び範囲に含まれる。
【0051】
上述のように、ピストンプレート204の軸方向移動を制限するためにストッパ200が配置されている。幾つかの態様において、図17に示されたように、ストッパ200はクリップ302を有している。クリップ302はリップ306と部分308とを有している。エレメント203をピストンプレートに固定するために、部分308はエレメント203と係合されており、例えばエレメント203に当接しており、ファスナ304は、部分308に設けられた孔310を貫通している。プレート207は半径方向でクリップの部分312と整合されている。リップ306は、リベット202に関して上述されたものと同様の形式で軸方向でプレート207、例えば円周突出部215に重なっている。リップ206とプレート207とのその他の軸方向で重なる構成は、請求項に記載された発明の精神及び範囲に含まれる。クリップ302は軸方向でプレート204に接続されており、すなわち、クリップとプレートとは一緒に軸方向に移動する。しかしながら、プレート207は、軸方向でクリップから独立している。例えば、プレート207は軸方向でクリップに接続されておらず、プレート204とクリップとの軸方向移動は、プレート207の軸方向移動を生ぜしめない。したがって、図14における参照のフレームに関して、プレート204が軸方向216に十分な距離だけ並進させられると、クリップ302がプレート207に接触し、例えばリップ206の面314がプレート207の面220に接触する。プレート207がカバー206に固定されているので、プレート207は、クリップ302とプレート207とが接触するとクリップ302、ひいてはプレート204が方向216にさらに並進するのを妨げる。
【0052】
したがって、本発明の目的は効率的に達成されるが、請求項に記載された発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明に対する修正及び変更が当業者に容易に明らかであるべきである。本発明は、特定の好適な実施形態に関して説明されているが、請求項に記載された発明の範囲又は精神から逸脱することなく変更が成されることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】ドライブトレーンにおけるトルクコンバータの関係及び機能を説明することを助けるための、自動車における動力伝達経路の概略的なブロック線図である。
【図2】自動車のエンジンに固定されて示されている、従来のトルクコンバータの断面図である。
【図3】図2に示された線3−3に沿って見た、図2に示されたトルクコンバータの平面図である。
【図4】概して図3に示された線4−4に沿って見た、図2及び図3に示されたトルクコンバータの断面図である。
【図5】図2に示されたトルクコンバータの第1の分解図であり、分解されたトルクコンバータを左から見たものとして示されている。
【図6】図2に示されたトルクコンバータの第2の分解図であり、分解されたトルクコンバータを右から見たものとして示されている。
【図7A】本願において用いられた空間的な用語を示している、円筒座標系の斜視図である。
【図7B】本願において用いられた空間的な用語を示している、図7Aの円筒座標系における物体の斜視図である。
【図8】本発明の板ばねアセンブリに回転可能に結合された、ピストンプレート及びカバーの正面図である。
【図9】概して図8における線9−9に沿った、図8に示された、ピストンプレート、カバー及び板ばねアセンブリの断面図である。
【図10】概して図9に示された円における、図8に示された、ピストンプレート、カバー及び板ばねアセンブリの部分的な断面図である。
【図11】板ばねの斜視図である。
【図12】板ばねの上面図である。
【図13】板ばねの平面図である。
【図14】本発明によるピストンプレートストッパを備えた、トルクコンバータの部分的な断面図である。
【図15】リベットを備えた本発明によるピストンプレートストッパの正面図である。
【図16】図15に示されたリベットの斜視図である。
【図17】クリップを備えた本発明によるピストンプレートストッパの正面図である。
【図18】図17に示されたリベットの斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
102 接続エレメント、 104 ピストンプレート、 106 カバー、 108,110 リベット、 109,111 端部、 112 タブ、 114,116 外周、 117 ストッパ、 118 タブ、 120 曲げ部、 122 中間部、 124 ストッパ、 126 軸方向の面、 130 適用側、 132 解放側、 200 ピストンプレートストッパ、 202 リベット、 203 接続エレメント、 204 ピストンプレート、 206 カバー、 207 駆動プレート、 208,210 部分、 212 ヘッド、 214 部分、 215 円周突出部、 216 軸方向、 218 面、 222 トルクコンバータ、 224 ダンパ、 302 クリップ、 304 板ばね、 306 リップ、 208 部分、 310 孔、 312 部分、 314 面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクコンバータのためのピストンプレートストッパにおいて、
第1の端部と第2の端部とを備えたフレキシブルな接続エレメントが設けられており、前記第1の端部が、前記トルクコンバータのためのピストンプレートに接続されるように配置されており、前記第2の端部が、前記トルクコンバータのためのカバーに回転方向で結合されるように配置されており、
前記フレキシブルな接続エレメントに配置されたストッパが設けられており、該ストッパが、前記ピストンプレートの軸方向移動を制限するように配置されていることを特徴とする、トルクコンバータのためのピストンプレート。
【請求項2】
前記フレキシブルな接続エレメントが、前記カバーと前記ピストンプレートとを回転方向で結合するように配置されている、請求項1記載のピストンプレートストッパ。
【請求項3】
前記フレキシブルな接続エレメントが板ばねを含む、請求項1記載のピストンプレートストッパ。
【請求項4】
前記ストッパがさらに、前記第2の端部の近くで前記フレキシブルな接続エレメントに設けられた付属物を含む、請求項1記載のピストンプレートストッパ。
【請求項5】
前記ストッパが、前記ピストンプレートと、前記トルクコンバータのためのタービンハブとの間の接触を阻止するように配置されている、請求項1記載のピストンプレートストッパ。
【請求項6】
前記ピストンプレートがさらに、軸方向で前記カバーとは反対側に配置された軸方向の面を含み、前記ストッパが、前記軸方向の面に接触するように位置決めされている、請求項1記載のピストンプレートストッパ。
【請求項7】
前記カバーに固定されるように配置された駆動プレートが設けられており、前記ストッパが、前記第1の端部に取り付けられたクリップを含み、該クリップの部分が、軸方向で前記駆動プレートに重なるように配置されており、前記第2の端部が、前記駆動プレートに接続されるように配置されている、請求項1記載のピストンプレートストッパ。
【請求項8】
前記カバーに固定されるように配置された駆動プレートが設けられており、前記ストッパが、前記第1の端部を前記ピストンプレートに取り付けるように配置されたリベットを含み、該リベットの部分が、軸方向で前記駆動プレートに重なるように配置されており、前記第2の端部が、前記駆動プレートに接続されるように配置されている、請求項1記載のピストンプレート。
【請求項9】
トルクコンバータにおいて、
ピストンプレートと、カバーと、前記ピストンプレートと前記カバーとに回転方向で結合された少なくとも1つのフレキシブルな接続エレメントと、前記カバーから離れる方向への前記ピストンプレートの軸方向移動を制限するために位置決めされたストッパとが設けられていることを特徴とする、トルクコンバータ。
【請求項10】
前記ストッパが、前記少なくとも1つのフレキシブルな接続エレメントに設けられたタブを含み、該タブが、前記ピストンプレートの外周の近くで前記ピストンプレートの軸方向の面に接触するように前記タブを変位させる曲げ部を有している、請求項9記載のトルクコンバータ。
【請求項11】
前記ピストンプレートの前記軸方向の面が、前記カバーとは反対側に位置する、請求項10記載のトルクコンバータ。
【請求項12】
前記トルクコンバータが解放状態にある場合に前記接触が生じる、請求項10記載のトルクコンバータ。
【請求項13】
前記タブは、前記タブの遠位部分を前記ピストンプレートの軸方向の面と軸方向で整合するように位置決めする曲げ部を有する、請求項10記載のトルクコンバータ。
【請求項14】
前記タブの前記遠位部分が、前記ピストンプレートが前記タブを越えて軸方向に移動するのを阻止する、請求項13記載のトルクコンバータ。
【請求項15】
前記トルクコンバータがタービンハブを含み、前記ストッパが、前記タービンハブとの接触を阻止するように前記ピストンプレートの軸方向移動を制限する、請求項9記載のトルクコンバータ。
【請求項16】
前記フレキシブルな接続エレメントが、板ばねを含む、請求項9記載のトルクコンバータ。
【請求項17】
前記カバーに固定された駆動プレートが設けられており、前記ストッパが、前記フレキシブルな接続エレメントの第1の端部と、前記ピストンプレートとに取り付けられたクリップを含み、該クリップの部分が軸方向で前記駆動プレートと重なっており、前記フレキシブルな接続エレメントの第2の端部が前記駆動プレートに接続されている、請求項9記載のトルクコンバータ。
【請求項18】
前記カバーに固定された駆動プレートが設けられており、前記ストッパが、前記フレキシブルな接続エレメントの第1の端部を前記ピストンプレートに取り付けるリベットを含み、前記リベットの部分が、軸方向で前記駆動プレートと重なっており、前記フレキシブルな接続エレメントの第2の端部が前記駆動プレートに接続されている、請求項9記載のトルクコンバータ。
【請求項19】
トルクコンバータにおいて、
ピストンプレートと、カバーと、前記ピストンプレートと前記カバーとを回転方向で結合した複数のフレキシブルな接続エレメントとが設けられており、前記複数のフレキシブルな接続エレメントにおける少なくとも1つのフレキシブルな接続エレメントが曲げ区分を有しており、該曲げ区分が、前記ピストンプレートが前記曲げ区分を越えて軸方向に移動するのを阻止するために前記ピストンプレートに接触するように配置されていることを特徴とする、トルクコンバータ。
【請求項20】
前記曲げ区分が、前記ピストンプレートの外周の近くにおいて前記ピストンプレートに接触する、請求項19記載のトルクコンバータ。
【請求項21】
前記接触が、前記ピストンプレートの軸方向の面において生じる、請求項19記載のトルクコンバータ。
【請求項22】
前記フレキシブルな接続エレメントが、板ばねを含む、請求項19記載のトルクコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−64313(P2008−64313A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−230208(P2007−230208)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Baden, Germany