説明

ソースドライバ及び表示装置

【課題】本発明は、駆動能力が高いソースドライバ及び表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るソースドライバは、表示パネルに駆動電圧を供給するために用いられ、出力バッファと、出力バッファと表示パネルを接続する第一スイッチと、第二スイッチを介して出力バッファに接続される第一電極と、第一電源に接続される第二電極と、第一スイッチと表示パネルとの間に接続される第三電極を備える第一トランジスタと、第三スイッチを介して出力バッファに接続される第一電極と、第二電源に接続される第二電極と、第一トランジスタの第三電極に接続される第三電極を備える第二トランジスタと、一端が第三電源に接続され、他端が第二スイッチと第一トランジスタの第一電極との間に接続される第四スイッチと、一端が第四電源に接続され、他端が第三スイッチと第二トランジスタの第一電極との間に接続される第五スイッチとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースドライバ及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、従来のソースドライバ800は、表示パネル900に電圧を提供するために用いられ、第一ラッチ10及び第二ラッチ20と、第一レベルシフト12及び第二レベルシフト22と、第一デジタル・アナログ変換器14及び第二デジタル・アナログ変換器24と、第一出力バッファ15及び第二出力バッファ25と、第一スイッチ16及び第二スイッチ26と、第一抵抗R1及び第二抵抗R2と、電荷分配スイッチ30と、第一出力端子18及び第二出力端子28と、を備える。前記第一スイッチ16及び第二スイッチ26は、第一制御信号によって制御され、前記電荷分配スイッチ30は、第二制御信号によって制御される。前記第一抵抗R1及び前記第二抵抗R2は、静電気放電保護抵抗であり、各抵抗値はRである。
【0003】
液晶分子の特性が破壊されることを防止するために、液晶分子における駆動電圧を、常に極性反転させなければならない。また、前記ソースドライバ800の前記第一出力端子18及び前記第二出力端子28は、必ずどちらかが正電圧レベル或いは負電圧レベルである必要がある。そのため、前記ソースドライバ800は、前記電荷分配スイッチ30によって、前記表示パネル900が駆動する度に、電荷分配を行い、電量を節約する。
【0004】
前記第一スイッチ16及び前記第二スイッチ26が第一制御信号によってオフになっている時、前記電荷分配スイッチ30は第二制御信号によってオンになっている。この時、前記第一デジタル・アナログ変換器14は、デジタル表示信号を駆動電圧に変換した後、該駆動電圧を前記第一出力バッファ15に送信する。前記第二デジタル・アナログ変換器24は、デジタル表示信号を駆動電圧に変換した後、該駆動電圧を前記第二出力バッファ25に送信する。負荷端の電荷は、前記電荷分配スイッチ30によって再分配され、前記ソースドライバ800の前記第一出力端子18及び前記第二出力端子28の電位は、中間値に達する。
【0005】
前記第一スイッチ16及び前記第二スイッチ26が第一制御信号によってオンになっている時、前記電荷分配スイッチ30は第二制御信号によってオフになっている。前記第一出力バッファ15は、前記第一スイッチ16及び前記第一抵抗R1を介して、前記第一出力端子18に負駆動電圧を出力する。前記第二出力バッファ25は、前記第二スイッチ26及び前記第二抵抗R2を介して、前記第二出力端子28に正駆動電圧を出力する。
【0006】
しかし、前記第一スイッチ16及び前記第二スイッチ26は、一般的にトランジスタスイッチであり、該トランジスタスイッチがオンになると、電気抵抗に等しくなり、前記第一スイッチ16及び前記第二スイッチ26の等価抵抗は、前記ソースドライバ800の駆動能力を低減させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、駆動能力が高いソースドライバ及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るソースドライバは、表示パネルに駆動電圧を供給するために用いられ、駆動電圧を出力するために用いられる第一出力端子と、第一制御信号と第二制御信号を出力するためにそれぞれ用いられる第二出力端子及び第三出力端子を備える出力バッファと、一端が前記第一出力端子に接続され、他端が前記表示パネルに接続される第一スイッチと、第二スイッチと、前記第二スイッチを介して、前記第二出力端子に接続される第一電極と、第一電源に接続される第二電極と、前記第一スイッチと前記表示パネルとの間に接続される第三電極を備える第一トランジスタと、第三スイッチと、前記第三スイッチを介して前記第三出力端子に接続される第一電極と、第二電源に接続される第二電極と、前記第一トランジスタの前記第三電極に接続される第三電極を備える第二トランジスタと、一端が第三電源に接続され、他端が前記第二スイッチと前記第一トランジスタの前記第一電極との間に接続される第四スイッチと、一端が第四電源に接続され、他端が前記第三スイッチと前記第二トランジスタの前記第一電極との間に接続される第五スイッチと、を備える。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、表示パネル及び前記表示パネルに駆動電圧を供給する前記ソースドライバを備える。
【発明の効果】
【0010】
従来の技術と比べて、本発明に係るソースドライバ及び表示装置は、第一トランジスタ、第二トランジスタ、第四スイッチ、第五スイッチが設置されている。従って、第一電源が表示パネルを充電する際、及び表示パネルが第二トランジスタによって放電する際、第一スイッチを通過しない。従って、前記第一スイッチによって制限されないため、前記ソースドライバの駆動能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の表示装置の回路図である。
【図2】本発明の実施形態に係る表示装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図2を参照すると、本発明の実施形態に係る表示装置100は、ソースドライバ200及び表示パネル300を備える。前記ソースドライバ200は、前記表示パネル300に複数の駆動電圧を供給するために用いられる。本実施形態において、前記表示パネル300は、液晶ディスプレイ(LCD)である。
【0014】
前記ソースドライバ200は、ラッチ40と、レベルシフト42と、デジタル・アナログ変換器44と、出力バッファ45と、第一スイッチS1と、第二スイッチS2と、第三スイッチS3と、第四スイッチS4と、第五スイッチS5と、第一トランジスタQ1と、第二トランジスタQ2及び静電気放電保護抵抗RESDと、を備える。
【0015】
前記ラッチ40は、一行の複数のローレベルデジタル表示信号をラッチするために用いられ、前記レベルシフト42は、該ラッチされた複数のローレベルデジタル表示信号を、複数のハイレベルデジタル表示信号にそれぞれ変換した後、該複数のハイレベルデジタル表示信号を前記デジタル・アナログ変換器44に送信し、前記デジタル・アナログ変換器44は、変換された前記複数のハイレベルデジタル表示信号を、複数の駆動電圧にそれぞれ変換し、且つ時間順序によって、順に前記出力バッファ45に送信する。
【0016】
前記出力バッファ45は、第一出力端子450、第二出力端子452及び第三出力端子454を備える。前記第一出力端子450は駆動電圧を出力するために用いられ、前記第二出力端子452は第一制御信号を出力するために用いられ、第三出力端子454は第二制御信号を出力するために用いられる。
【0017】
前記第一スイッチS1の一端は前記第一出力端子450に接続され、他端は前記静電気放電保護抵抗RESDを介して、前記表示パネル300に接続される。
【0018】
前記第一トランジスタQ1は、第一電極50、第二電極52及び第三電極54を備える。前記第一トランジスタQ1の前記第一電極50は前記第二スイッチS2を介して、前記第二出力端子452に接続され、前記第一トランジスタQ1の前記第二電極52は前記第一電源V1に接続され、前記第一トランジスタQ1の前記第三電極54は前記第一スイッチS1と前記静電気放電保護抵抗RESDとの間に接続される。さらに前記第四スイッチS4の一端は前記第三電源V3に接続され、他端は前記第二スイッチS2と前記第一トランジスタQ1の前記第一電極50の間に接続される。
【0019】
前記第二トランジスタQ2は、第一電極60、第二電極62及び第三電極64を備える。前記第二トランジスタQ2の前記第一電極60は前記第三スイッチS3を介して、前記第三出力端子454に接続され、前記第二トランジスタQ2の前記第二電極62は前記第二電源V2に接続され、前記第二トランジスタQ2の前記第三電極64は前記第一トランジスタQ1の前記第三電極54に接続される。さらに前記第五スイッチS5の一端は前記第四電源V4に接続され、他端は前記第三スイッチS3と前記第二トランジスタQ2の前記第一電極60の間に接続される。
【0020】
本実施形態において、前記第一トランジスタQ1はPチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタであり、前記第二トランジスタQ2はNチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタである。前記第一トランジスタQ1及び前記第二トランジスタQ2の前記第一電極50、60はゲート電極であり、前記第二電極52、62はソース電極であり、前記第三電極54、64はドレイン電極である。
【0021】
前記第一スイッチS1、前記第二スイッチS2及び前記第三スイッチS3は、第一制御信号によって、同時にオンまたはオフされ、前記第四スイッチS4及び前記第五スイッチS5は、第二制御信号によって同時にオンまたはオフされる。本実施形態において、前記第一スイッチS1、前記第二スイッチS2及び前記第三スイッチS3が同時にオンになると、前記第四スイッチS4及び前記第五スイッチS5は同時にオフになる。前記第一スイッチS1、前記第二スイッチS2及び前記第三スイッチS3が同時にオフになると、前記第四スイッチS4及び前記第五スイッチS5は同時にオンになる。
【0022】
他の実施形態において、前記第一スイッチS1、前記第二スイッチS2及び前記第三スイッチS3が同時にオンまたはオフされない場合、前記第四スイッチS4及び前記第五スイッチS5も同時にオンまたはオフされない。前記第二スイッチS2がオンになると、前記第四スイッチS4もオンになり、前記第二スイッチS2がオフになると、前記第四スイッチS4もオフになる。前記第三スイッチS3がオンになると、前記第五スイッチS5もオンになり、前記第三スイッチS3はがオフになると、前記第五スイッチS5もオフになる。
【0023】
以下、前記ソースドライバ200の作動原理を詳しく説明する。
【0024】
前記第一スイッチS1、前記第二スイッチS2及び前記第三スイッチS3が同時にオフになった場合、前記第四スイッチS4及び前記第五スイッチS5は同時にオンになる。この時、前記第三電源V3は、前記第一トランジスタQ1をオンにする電圧を出力し、前記第四電源V4は、前記第二トランジスタQ2をオンにする電圧を出力し、負荷端は、電荷分配を行う。
【0025】
また、前記第一スイッチS1、前記第二スイッチS2及び前記第三スイッチS3が同時にオンになった場合、前記第四スイッチS4及び前記第五スイッチS5は同時にオフになる。この時、前記第一トランジスタQ1のゲート電極が、前記出力バッファ45の前記第二出力端子452からの第一制御信号を受信するために、前記第一トランジスタQ1は、オンになっている。また、前記第二トランジスタQ2のゲート電極が、前記出力バッファ45の前記第三出力端子454からの第二制御信号を受信するために、前記第二トランジスタQ2は、オンになっている。前記出力バッファ45の前記第一出力端子450が出力した駆動電圧及び前記第一電源V1は、前記静電気放電保護抵抗RESDを介して、前記表示パネル300にそれぞれ充電することができる。
【0026】
また、前記出力バッファ45の前記第一出力端子450及び前記第二トランジスタQ2は、それぞれ放電することができる。その過程において、前記静電気放電保護抵抗RESDを介して、前記第一出力端子450が出力した駆動電圧を、前記表示パネル300を充電する際、及び前記表示パネル300が前記第一出力端子450によって放電される際、前記第一スイッチS1の等価抵抗によって制限される。しかし、前記第一電源V1が前記静電気放電保護抵抗RESDを介して、前記表示パネル300を充電する際、及び前記表示パネル300が前記第二トランジスタQ2によって放電される際、前記第一スイッチS1を通過しないため、前記第一スイッチS1によって制限されない。従って、前記表示パネル300の充電及び放電能力を向上させることができる。
【符号の説明】
【0027】
100 表示装置
800、200 ソースドライバ
300、900 表示パネル
16、S1 第一スイッチ
26、S2 第二スイッチ
S3 第三スイッチ
S4 第四スイッチ
S5 第五スイッチ
Q1 第一トランジスタ
Q2 第二トランジスタ
V1 第一電源
V2 第二電源
V3 第三電源
V4 第四電源
ESD 静電気放電保護抵抗
15、25、45 出力バッファ
18、450 第一出力端子
28、452 第二出力端子
454 第三出力端子
10、20、40 ラッチ
12,22、42 レベルシフト
14、24、44 デジタル・アナログ変換器
30 電荷分配スイッチ
R1 第一抵抗
R2 第二抵抗
50、60 第一電極
52、62 第二電極
54、64 第三電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルに駆動電圧を供給するために用いられるソースドライバにおいて、
駆動電圧を出力するために用いられる第一出力端子と、
第一制御信号及び第二制御信号をそれぞれ出力するために用いられる第二出力端子及び第三出力端子を備える出力バッファと、
一端が前記第一出力端子に接続され、他端が前記表示パネルに接続される第一スイッチと、
第二スイッチと、
前記第二スイッチを介して前記第二出力端子に接続される第一電極と、
第一電源に接続される第二電極及び、前記第一スイッチと前記表示パネルとの間に接続される第三電極を備える第一トランジスタと、
第三スイッチと、
前記第三スイッチを介して第三出力端子に接続される第一電極と、
第二電源に接続される第二電極と、
前記第一トランジスタの第三電極に接続される第三電極を備える第二トランジスタと、
一端が第三電源に接続され、他端が前記第二スイッチと前記第一トランジスタの第一電極との間に接続される第四スイッチと、
一端が第四電源に接続され、他端が前記第三スイッチと前記第二トランジスタの第一電極との間に接続される第五スイッチと、を備えることを特徴とするソースドライバ。
【請求項2】
前記第一スイッチ、前記第二スイッチ及び前記第三スイッチは、第一制御信号によって同時にオンまたはオフされ、前記第四スイッチ及び前記第五スイッチは、第二制御信号によって同時にオンまたはオフされることを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
前記第一スイッチ、前記第二スイッチ及び前記第三スイッチが同時にオンになると、前記第四スイッチ及び前記第五スイッチは同時にオフになり、前記第一スイッチ、前記第二スイッチ及び前記第三スイッチが同時にオフになると、前記第四スイッチ及び第五スイッチは同時にオンになることを特徴とする請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項4】
前記第二スイッチ及び前記第三スイッチがオンになると、前記第一トランジスタ及び前記第二トランジスタは、第一制御信号及び第二制御信号をそれぞれ受信した後、オンになり、前記第四スイッチ及び第五スイッチがオンになると、第三電源及び第四電源は、前記第一トランジスタ及び前記第二トランジスタをそれぞれオンにする電圧を出力することを特徴とする請求項3に記載のソースドライバ。
【請求項5】
表示パネル及び前記表示パネルに駆動電圧を供給するソースドライバを備える表示装置において、請求項1〜4のいずれか一項に記載のソースドライバを備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−234177(P2012−234177A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102571(P2012−102571)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【出願人】(512112758)天▲ギョク▼科技股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】