説明

ソーラー水槽

【課題】 水攪拌用プロペラを用いて酸素供給を可能にし、ソーラーパネルを用いて電源供給を可能にして、長時間稼動が可能で、利便性の高いソーラー水槽を提供する。
【解決手段】 水生生物観賞用のソーラー水槽1において、水槽容器2には、駆動部10と、水しぶき防止パネル4と、プロペラ22に生物が接触するのを防止するための保護ネット3とが、それぞれ着脱自在に装着されている。駆動部10には、モータ21が取り付けられ、モータ21を稼動させるためのソーラー蓄電池及び電池が収容されている。モータ21には、プロペラ22が連結され、ソーラー蓄電池及び電池を切り替えるスイッチ手段が備えられている。ソーラー蓄電池には、ソーラーパネル25が、送電パイプ26を介して着脱自在に配線接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、水生生物観賞用の水槽であって、特に水攪拌用プロペラを有し、そのプロペラを駆動するための小型モータを取り付け、このモータをソーラーパネル及び電池により稼動させるようにしてなるソーラー水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の市販されている水生生物観賞用の水槽のほとんどは、家庭用電源を使用し、エアーポンプにより酸素を水槽中に供給する必要があり、常に、コンセントを引ける場所にしか設置することができない。
【0003】
また、電池にて稼動させられる水攪拌装置を備えた小型水槽も提案されているが、電池のみの利用であり、水攪拌装置の稼働時間が比較的短い。ソーラー電源をも併用して、長時間稼動を可能にした水攪拌装置を備えた利便性の高い小型水槽は、未だ見受けられない。
【特許文献1】実用新案登録第3091485号公報
【特許文献2】特開2003−274795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明は、従来の水槽が有する前記のような問題点を解決して、エアーポンプの代わりに水攪拌用プロペラを用いて酸素供給を可能にし、家庭用商用電源の代わりにソーラーパネルを用いて電源供給を可能にして、長時間稼動が可能で、利便性の高いソーラー水槽を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の発明のソーラー水槽は、ソーラーパネルにより小型モータを稼動させ、該モータに取り付けたプロペラを駆動して水を攪拌することにより、水中に酸素を送り込む方式である。また、ソーラーパネルが使用できない場合には、電池への切り替えによってモータを稼動できるようにしている。また、プロペラの駆動により生じる水しぶきは、水しぶき防止パネルにより防止している。さらに、プロペラの回転が生物に及ぼす危険を回避するために、生物がプロペラに接触するのを防止する保護ネットを水槽に装着している。
【0006】
具体的には、前記のような課題は、本願の各請求項に記載された次のような発明により解決される。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、水生生物観賞用の水槽であって、水攪拌用プロペラを有し、そのプロペラを駆動するための小型モータを取り付け、このモータをソーラーパネル及び電池により稼動させるようにしてなるソーラー水槽において、水槽容器には、駆動部と、前記プロペラにより掻き揚げられた水しぶきの飛散を防止するための水しぶき防止パネルと、前記プロペラに生物が接触するのを防止するための保護ネットとが、それぞれ着脱自在に装着され、前記駆動部には、前記モータが取り付けられるとともに、前記モータを稼動させるためのソーラー蓄電池及び電池が収容されており、前記モータには、前記プロペラが連結され、前記ソーラー蓄電池及び電池を切り替えるスイッチ手段が備えられており、前記水しぶき防止パネルは、少なくとも前記水槽容器より上方部分において前記プロペラの後方、両側方及び上方から前記プロペラを囲うようにして、前記水槽容器に装着され、前記保護ネットは、少なくとも前記プロペラを水中で包囲するようにして、前記水槽容器に装着されていることを特徴とするソーラー水槽である。
【0007】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、家庭用商用の100V電源に代わるソーラー電源(ソーラーパネルにより得られる電源)により稼動される小型モータを含む電動部品一式が、駆動部に収容されるか取り付けられており、この駆動部が、水槽容器に着脱自在に装着されている。そして、この駆動部には、ソーラー電源が使用できない場合の代替電源としての電池も収容されている。このため、このソーラー水槽は、長時間稼動が可能であり、長時間に亘って水攪拌用プロペラが回転して水を攪拌することにより、長時間に亘って水槽中に酸素を供給することができる。また、持ち運びが自由で、どこにでも設置可能であり、利便性が高い。
【0008】
また、このソーラー水槽には、水しぶき防止パネルが着脱自在に装着されており、この水しぶき防止パネルは、少なくとも水槽容器より上方部分において水攪拌用プロペラの後方、両側方及び上方からこのプロペラを囲うので、プロペラの回転により掻き揚げられた水しぶきの飛散を効果的に防止することができる。また、持ち運びがさらに自由になり、ソーラー水槽の利便性を一層向上させることができる。
【0009】
さらに、このソーラー水槽には、保護ネットが着脱自在に装着されており、この保護ネットは、プロペラに生物が近付いて接触するのを防止するので、生物の保護を図り、生物を長期に亘って生育することができる。また、持ち運びがさらに自由になり、ソーラー水槽の利便性を一層向上させることができる。
【0010】
また、その請求項2に記載された発明は、請求項1に記載のソーラー水槽において、そのソーラー蓄電池には、ソーラーパネルが、入れ子式の送電パイプを介して着脱自在に配線接続されていて、該ソーラーパネルは、該送電パイプにより、駆動部本体に対してアンテナ状に支持されていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載された発明は、この構成により、ソーラーパネルの支持を簡易に行えるとともに、ソーラー水槽全体をコンパクトに構成することができる。
【0012】
また、その請求項3に記載された発明は、請求項1に記載のソーラー水槽において、そのソーラー蓄電池には、ソーラーパネルが、引き回し自在の可撓性の配線を介して着脱自在に配線接続されていることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載された発明は、この構成により、ソーラー水槽本体とソーラーパネルとを、距離を隔てて、それぞれ所望の個所に設置することが可能になる。例えば、ソーラーパネルを、太陽光の吸収効率の良い個所に自在に設置することができる。
【0014】
さらに、その請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のソーラー水槽において、その水しぶき防止パネルが、プロペラの後方から該プロペラを囲う矩形状の垂直パネルと、該プロペラの両側方及び上方から該プロペラを囲うアーチ状の湾曲パネルとからなり、これら垂直パネルと湾曲パネルとは、分解・組立自在に一体に組み立てられていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載された発明は、この構成により、水しぶき防止パネルの製作が容易になる。また、ソーラー水槽の持ち運びがさらに自由になり、ソーラー水槽の利便性を一層向上させることができる。
【0016】
また、その請求項5に記載された発明は、請求項4に記載のソーラー水槽において、その垂直パネルと湾曲パネルとが、保護ネットとさらに分解・組立自在に一体に組み立てられていることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載された発明は、この構成により、部品の紛失が防がれ、持ち運びに便利であるとともに、これらの部品の水槽容器への装着を一度で行うことができ、ソーラー水槽の利便性を一層向上させることができる。
【0018】
また、その請求項6に記載された発明は、請求項5に記載のソーラー水槽において、その保護ネットには、その両端に掛けフックがそれぞれ備えられ、該掛けフックが、水槽容器の対向する壁体の頂部にそれぞれ係止されることにより、垂直パネルと湾曲パネルと保護ネットとの一体組立体が、該水槽容器に着脱自在に装着されることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載された発明は、この構成により、垂直パネルと湾曲パネルと保護ネットとの一体組立体を、ワンタッチで、水槽容器に着脱自在に装着することができ、ソーラー水槽の利便性をさらに一層向上させることができる。
【0020】
さらに、その請求項7に記載された発明は、請求項5に記載のソーラー水槽において、その垂直パネルは、その内部に写真や絵画等のシート状物を挿入可能に構成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載された発明は、この構成により、ソーラー水槽の設置個所や利用目的に応じて、それぞれの場合に相応しい写真や絵画等のシート状物を垂直パネルに挿入することにより、ソーラー水槽の利用価値を一層向上させることができる。例えば、教育効果や趣味的効果を一層高めるように、ソーラー水槽を利用することが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
前記のとおり、本願の発明のソーラー水槽は、ソーラー電源(ソーラーパネルにより得られる電源)と電池との併用であり、長時間稼動が可能で、長時間に亘って水攪拌用プロペラが回転して水を攪拌することにより、長時間に亘って水槽中に酸素を供給することができる。また、持ち運びが自由で、どこにでも設置可能であり、利便性が高い。
【0023】
また、水しぶき防止パネルが水槽に装着されているので、プロペラの回転により掻き揚げられた水しぶきの飛散を効果的に防止することができる。また、保護ネットが水槽容器に装着されているので、生物の保護を図り、生物を長期に亘って生育することができる。加えて、これらは、水槽容器に着脱自在に装着されているので、持ち運びがさらに自由になり、ソーラー水槽の利便性を一層向上させることができる。
【0024】
また、ソーラー蓄電池には、ソーラーパネルが、入れ子式の送電パイプを介して着脱自在に配線接続され、該ソーラーパネルは、該送電パイプにより、駆動部本体に対してアンテナ状に支持される場合には、ソーラーパネルの支持を簡易に行えるとともに、ソーラー水槽全体をコンパクトに構成することができる。
【0025】
さらに、そのソーラー蓄電池には、ソーラーパネルが、引き回し自在の可撓性の配線を介して着脱自在に配線接続される場合には、ソーラー水槽本体とソーラーパネルとを、距離を隔てて、それぞれ所望の個所に設置することが可能になる。例えば、ソーラーパネルを、太陽光の吸収効率の良い個所に自在に設置することができる。
【0026】
また、水しぶき防止パネルが、プロペラの後方から該プロペラを囲う矩形状の垂直パネルと、該プロペラの両側方及び上方から該プロペラを囲うアーチ状の湾曲パネルとからなり、これら垂直パネルと湾曲パネルとが、分解・組立自在に一体に組み立てられる場合には、水しぶき防止パネルの製作が容易になる。また、ソーラー水槽の持ち運びがさらに自由になり、ソーラー水槽の利便性を一層向上させることができる。
【0027】
また、垂直パネルと湾曲パネルとが、保護ネットとさらに分解・組立自在に一体に組み立てられる場合には、部品の紛失が防がれ、持ち運びに便利であるとともに、これらの部品の水槽容器への装着を一度で行うことができ、ソーラー水槽の利便性を一層向上させることができる。
【0028】
さらに、その保護ネットには、その両端に掛けフックがそれぞれ備えられ、該掛けフックが、水槽容器の対向する壁体の頂部にそれぞれ係止されることにより、垂直パネルと湾曲パネルと保護ネットとの一体組立体が、該水槽容器に着脱自在に装着される場合には、垂直パネルと湾曲パネルと保護ネットとの一体組立体を、ワンタッチで、水槽容器に着脱自在に装着することができ、ソーラー水槽の利便性をさらに一層向上させることができる。
【0029】
さらに、また、その垂直パネルが、その内部に写真や絵画等のシート状物を挿入可能に構成される場合には、ソーラー水槽の設置個所や利用目的に応じて、それぞれの場合に相応しい写真や絵画等のシート状物を垂直パネルに挿入することにより、ソーラー水槽の利用価値を一層向上させることができる。例えば、教育効果や趣味的効果を一層高めるように、ソーラー水槽を利用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
駆動部(電動部品一式)は、水槽容器に掛け式にして着脱自在に装着することにより、水槽の水替えなどの作業を容易に行えるようにする。駆動部は、ソーラーパネルにより小型モータを稼動させるための配線と、電池により小型モータを稼動させるための配線とを切替え可能に構成する。また、ソーラーパネルと駆動部本体とは、プラグとジャックとにより着脱可能にし、設置条件によって、ソーラーパネルの配置形態は、アンテナ式と配線式との2通りとする。さらに、水槽容器には、水しぶき防止パネルと生物保護のための保護ネットとを着脱自在に装着するとともに、これらを分解・組立自在に一体化する。
【実施例】
【0031】
次に、本願の発明の一実施例について説明する。
図1は、本実施例のソーラー水槽を斜め前方から見た概略斜視図、図2は、同ソーラー水槽を斜め後方から見た概略斜視図、図3は、水しぶき防止パネルと保護ネットとの一体組立体の正面図、図4は、同一体組立体の背面図、図5は、水攪拌用プロペラを駆動する駆動部本体の正面図である。
【0032】
本実施例のソーラー水槽は、小型の水生生物観賞用水槽であって、特に、比較的小さい魚貝類や水生植物を観賞用、趣味用、教育用に飼育するのに適している。そして、水攪拌用プロペラを有し、そのプロペラを駆動するための小型モータを取り付けていて、このモータをソーラーパネル及び電池により稼動させるようになっている。水攪拌用プロペラが回転することにより、水槽中の水が攪拌されて、曝気され、空気中の酸素が水中に取り込まれる。
【0033】
本実施例のソーラー水槽1は、図1に示されるように、あらまし、直方体形状の水槽容器2と、該水槽容器2に着脱自在に装着された、電動部品一式を収容する駆動部10と、水攪拌用プロペラ22により掻き揚げられた水しぶきの飛散を防止するために、水槽容器2に着脱自在に装着された水しぶき防止パネル4と、プロペラ22に生物が接触するのを防止するために、水槽容器2に着脱自在に装着された保護ネット3とにより構成されている。
【0034】
水しぶき防止パネル4は、少なくとも水槽容器2より上方部分においてプロペラ22の後方、両側方及び上方から該プロペラ22を囲うようにして、水槽容器2に装着されている。この水しぶき防止パネル4は、図1、図3及び図4に示されるように、実際には、プロペラ22の後方から該プロペラ22を囲う矩形状の垂直パネル4aと、該プロペラ22の両側方及び上方から該プロペラ22を囲うアーチ状の湾曲パネル4bとからなっており、これら垂直パネル4aと湾曲パネル4bとが、複数本のゴム紐7によりくっつけられて、分解・組立自在に一体に組み立てられている。これら垂直パネル4aと湾曲パネル4bとの一体組立体は、保護ネット3とさらに分解・組立自在に一体に組み立てられているが、この一体組立構造については、後述する。
【0035】
保護ネット3は、少なくともプロペラ22を水中で包囲するようにして、プロペラ22を駆動するモータ21が取り付けられている水槽容器2の壁体(図1において後方壁体)側に寄せられて、水槽容器2に装着されている。この装着のために、保護ネット3には、その両端に掛けフック6が、それぞれボルトとナットとの組合せのような固着手段を用いて取り付けられており、これらの掛けフック6が、図1に示されるように、水槽容器2の対向する壁体の頂部にそれぞれ係止されることにより、保護ネット3が水槽容器2に着脱自在に装着されるようになっている。
【0036】
なお、実際には、図1、図3及び図4に示されるように、保護ネット3の両端に掛けフック6が固着手段を用いて取り付けられる個所に、湾曲パネル4bの両端部も、同じ固着手段を用いて保護ネット3の両端に取り付けられており、これにより、保護ネット3と湾曲パネル4bと垂直パネル4aとが、それぞれ図示の姿勢にして一体的に組み立てられている。したがって、保護ネット3の両端の掛けフック6を水槽容器2の対向する壁体の頂部にそれぞれ係止することにより、これら3つの部品の一体組立体を、ワンタッチで、水槽容器2に着脱自在に装着することができる。
【0037】
垂直パネル4aは、2枚のパネル材を外周縁部で貼り合わせることにより構成されており、それらの間に写真や絵画等の各種シート状物5を挿入可能である。したがって、これらのシート状物5を適宜交換することにより、魚介類を飼育する水槽の観賞的効果、趣味的効果、教育的効果を一層高めることができる。
【0038】
次に、電動部品一式を収容する駆動部10の構造について、図1、図2及び図5を参照しながら、詳細に説明する。
駆動部10は、大別して、駆動部本体11とソーラーパネル部12とからなっている。駆動部本体11には、コントロールボックス13の上面にねじ止めにより据え付けられたスタンド14に、モータ21が取り付けられており、該モータ21を稼動させるためのソーラー蓄電池17及び電池18が、コントロールボックス13の背面の左右にそれぞれ設けられた電源収容用凹部にそれぞれ収容されている。モータ21の出力軸には、3枚羽根式のプロペラ22が連結されている。このプロペラ22は、水槽容器2に収容された水中に、その略下3分の1余りの部分を浸漬させている。さらに、ソーラー蓄電池17及び電池18を切り替えるためのスイッチ19と、電圧計20とが、コントロールボックス13の背面中央部にそれぞれ備えられている。
【0039】
ソーラー蓄電池17には、ソーラーパネル25が、入れ子式の送電パイプ26及び配線29を介して、プラグ24とジャック23との連結部分において着脱自在に、配線接続されていて、ソーラー電源が利用できるときには、スイッチ19をソーラー電源側に倒すことにより、ソーラー電源によりモータ21が稼動させられて、プロペラ22が回転する。
【0040】
送電パイプ26は、ソーラーパネル25の出力端に直に繋がる一対の小径送電パイプ26aと、一対の大径送電パイプ26bとが、入れ子式に嵌まり合うことによって構成されている。これら一対の小径送電パイプ26a、一対の大径送電パイプ26bは、適宜本数の補強部材27、28によってそれぞれ連結されていて、それぞれ一体に組み立てられている。なお、小径送電パイプ26aは、中実の剛性のある電線により代えられても良く、入れ子式の送電パイプ26は、このようにされた場合をも含むものとする。
【0041】
前記のようにしてソーラー蓄電池17に配線接続されるソーラーパネル25は、送電パイプ26により、駆動部本体11に対してアンテナ状に支持されている。そして、ソーラーパネル25と送電パイプ26との一体組立体は、一対の大径送電パイプ26bの各々の端部に結合された一対のプラグ24を対応する一対のジャック23から引き抜くことによって、駆動部本体11から取り外すことができる。これらソーラーパネル25と送電パイプ26との一体組立体は、ソーラーパネル部12を構成している。
【0042】
ソーラーパネル25と送電パイプ26との一体組立体を駆動部本体11から取り外した後には、図6に示されるような別個のソーラーパネル25を、引き回し自在の可撓性の配線31を介して、プラグ24とジャック23とからなる同様の連結手段を用いてソーラー蓄電池17に着脱自在に、配線接続することができる。そして、この配線31の長さを所要の長さに設定することにより、ソーラー水槽本体とソーラーパネル25とを、距離を隔てて、それぞれ所望の個所に設置することが可能になる。なお、ここで、ソーラー水槽本体とは、ソーラー水槽1からソーラーパネル部12を除いた部分を指している。
【0043】
ジャック23は、コントロールボックス13の上面に取り付けられたブラケット15の頂部に固着された水平の取付け台15a上に一対設けられている。ソーラー蓄電池17と電池18とは、配線30を介してモータ21に接続されている。
【0044】
なお、コントロールボックス13の上面にスタンド14がねじ止めにより据え付けられる個所には、掛けフック16が、モータ21を挟んでその両側に、同じねじを用いてコントロールボックス13の上面に取り付けられている。詳細に説明すれば、スタンド14の筒状部(ここにモータ21が収容されている)の下方両側にそれぞれ延出する一対の平坦な取付け部14aの上面に一対の掛けフック16の下端折曲部16aがそれぞれ重ねられ、この状態において、下端折曲部16aの上方から、ねじが、下端折曲部16a、取付け部14aを貫通してコントロールボックス13の上面にねじ込まれることにより、一対の掛けフック16とスタンド14とが一挙にコントロールボックス13の上面に取り付けられている。そして、これら一対の掛けフック16を水槽容器2の後方壁体の頂部にそれぞれ係止することにより、駆動部本体11が水槽容器2に着脱自在に装着されるようになっている。
【0045】
本実施例のソーラー水槽1は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
本実施例のソーラー水槽1は、ソーラー電源(ソーラーパネル25により得られる電源)と電池18との併用であり、長時間稼動が可能で、長時間に亘って水攪拌用プロペラ22が回転して水を攪拌することにより、長時間に亘って水槽中に酸素を供給することができる。また、持ち運びが自由で、どこにでも設置可能であり、利便性が高い。
【0046】
また、水しぶき防止パネル4が水槽容器2に装着されているので、プロペラ22の回転により掻き揚げられた水しぶきの飛散を効果的に防止することができる。また、保護ネット3が水槽容器2に装着されているので、生物(魚介類や水生植物)の保護を図り、生物を長期に亘って生育することができる。加えて、これらは、水槽容器2に着脱自在に装着されているので、持ち運びがさらに自由になり、ソーラー水槽1の利便性を一層向上させることができる。
【0047】
また、ソーラー蓄電池17には、ソーラーパネル25が、入れ子式の送電パイプ26を介して着脱自在に配線接続され、該ソーラーパネル25は、該送電パイプ26により、駆動部本体11に対してアンテナ状に支持されるので、ソーラーパネル25の支持を簡易に行えるとともに、ソーラー水槽全体をコンパクトに構成することができる。
【0048】
さらに、そのソーラー蓄電池17には、ソーラーパネル25が、引き回し自在の可撓性の配線31を介して着脱自在に配線接続される場合には、ソーラー水槽本体とソーラーパネル25とを、距離を隔てて、それぞれ所望の個所に設置することができ、例えば、ソーラーパネル25を、太陽光の吸収効率の良い個所に自在に設置することができる。
【0049】
また、水しぶき防止パネル4は、プロペラ22の後方から該プロペラ22を囲う矩形状の垂直パネル4aと、該プロペラ22の両側方及び上方から該プロペラを囲うアーチ状の湾曲パネル4bとからなり、これら垂直パネル4aと湾曲パネル4bとが、分解・組立自在に一体に組み立てられているので、水しぶき防止パネル4の製作が容易になる。また、ソーラー水槽1の持ち運びがさらに自由になり、ソーラー水槽1の利便性を一層向上させることができる。
【0050】
また、垂直パネル4aと湾曲パネル4bとは、保護ネット3とさらに分解・組立自在に一体に組み立てられており、この一体組立体が、保護ネット3の両端に備えられた掛けフック6を水槽容器2の対向する壁体の頂部にそれぞれ係止することにより、水槽容器2に着脱自在に装着されるので、その一体組立体を、ワンタッチで、水槽容器2に着脱自在に装着することができ、ソーラー水槽1の利便性をさらに一層向上させることができる。
【0051】
さらに、また、その垂直パネル4aが、写真や絵画等のシート状物5を挿入可能に構成されているので、ソーラー水槽1の設置個所や利用目的に応じて、それぞれの場合に相応しい写真や絵画等のシート状物5を垂直パネル4aに挿入することにより、ソーラー水槽1の利用価値を一層向上させることができる。例えば、教育効果や趣味的効果を一層高めるように、ソーラー水槽1を利用することができる。
【0052】
なお、本願の発明は、以上の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
例えば、利用できる太陽光が少量である場合には、羽根式のプロペラ22に代えて、直線状針金の両端を丸く折曲して構成した線状プロペラのようなものを使用しても、相当の水攪拌効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本願発明の水槽は、電源が不要であるため、あらゆる産業の場で設置が可能である。例えば、レストラン等、飲食店における陽の当たる窓際、家庭の玄関、机の蛍光灯の下(蛍光灯にソーラーパネルを当てることにより稼動する)、野外での生物観察会などの環境教育の場で設置が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本願の発明の一実施例のソーラー水槽を斜め前方から見た概略斜視図である。
【図2】同ソーラー水槽を斜め後方から見た概略斜視図である。
【図3】水しぶき防止パネルと保護ネットとの一体組立体の正面図である。
【図4】同一体組立体の背面図である。
【図5】水攪拌用プロペラを駆動する駆動部本体の正面図である。
【図6】ソーラーパネル部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1…ソーラー水槽、2…水槽容器、3…保護ネット、4…水しぶき防止パネル、4a…垂直パネル、4b…湾曲パネル、5…シート状物、6…掛けフック、7…ゴム紐、8…、9…、10…駆動部、11…駆動部本体、12…ソーラーパネル部、13…コントロールボックス、14…スタンド、14a…取付け部、15…ブラケット、15a…取付け台、16…掛けフック、16a…下端折曲部、17…ソーラー蓄電池、18…電池、19…スイッチ、20…電圧計、21…モータ、22…水攪拌用プロペラ、23…ジャック、24…プラグ、25…ソーラーパネル、26…送電パイプ、26a…小径送電パイプ、26b…大径送電パイプ、27、28…補強部材、29〜31…配線。


















【特許請求の範囲】
【請求項1】
水生生物観賞用の水槽であって、水攪拌用プロペラを有し、そのプロペラを駆動するための小型モータを取り付け、このモータをソーラーパネル及び電池により稼動させるようにしてなるソーラー水槽において、
水槽容器には、駆動部と、前記プロペラにより掻き揚げられた水しぶきの飛散を防止するための水しぶき防止パネルと、前記プロペラに生物が接触するのを防止するための保護ネットとが、それぞれ着脱自在に装着され、
前記駆動部には、前記モータが取り付けられるとともに、前記モータを稼動させるためのソーラー蓄電池及び電池が収容されており、前記モータには、前記プロペラが連結され、前記ソーラー蓄電池及び電池を切り替えるスイッチ手段が備えられており、
前記水しぶき防止パネルは、少なくとも前記水槽容器より上方部分において前記プロペラの後方、両側方及び上方から前記プロペラを囲うようにして、前記水槽容器に装着され、
前記保護ネットは、少なくとも前記プロペラを水中で包囲するようにして、前記水槽容器に装着されている
ことを特徴とするソーラー水槽。
【請求項2】
前記ソーラー蓄電池には、ソーラーパネルが、入れ子式の送電パイプを介して着脱自在に配線接続されていて、
前記ソーラーパネルは、前記送電パイプにより、前記駆動部本体に対してアンテナ状に支持されている
ことを特徴とする請求項1に記載のソーラー水槽。
【請求項3】
前記ソーラー蓄電池には、ソーラーパネルが、引き回し自在の可撓性の配線を介して着脱自在に配線接続されていることを特徴とする請求項1に記載のソーラー水槽。
【請求項4】
前記水しぶき防止パネルは、前記プロペラの後方から前記プロペラを囲う矩形状の垂直パネルと、前記プロペラの両側方及び上方から前記プロペラを囲うアーチ状の湾曲パネルとからなり、
前記垂直パネルと前記湾曲パネルとは、分解・組立自在に一体に組み立てられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のソーラー水槽。
【請求項5】
前記垂直パネルと前記湾曲パネルとは、前記保護ネットとさらに分解・組立自在に一体に組み立てられていることを特徴とする請求項4に記載のソーラー水槽。
【請求項6】
前記保護ネットには、その両端に掛けフックがそれぞれ備えられ、
前記掛けフックが、前記水槽容器の対向する壁体の頂部にそれぞれ係止されることにより、前記垂直パネルと前記湾曲パネルと前記保護ネットとの一体組立体が、前記水槽容器に着脱自在に装着される
ことを特徴とする請求項5に記載のソーラー水槽。
【請求項7】
前記垂直パネルは、その内部に写真や絵画等のシート状物を挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のソーラー水槽。
















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−153417(P2009−153417A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333348(P2007−333348)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【特許番号】特許第4167723号(P4167723)
【特許公報発行日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(507420558)
【Fターム(参考)】