説明

タイヤチェーン

【課題】タイヤチェーン装着にあたり簡単に緩み、弛みを解消でき且つ専用工具を必要とせず構造を単純にし、直感的に使用できる装着性に優れたタイヤチェーンを提供する。
【解決手段】長径係止部、短径径係止部の二種類の係止部を持つ変形チェーン駒の姿勢を90度変える事で左右隣り合うチェーン駒との連結箇所が変わり、長さ調整が可能な事を、特徴とする変形チェーン駒を組込んだチェーンを、タイヤチェーンのサイドチェーンとして使用する事で、タイヤに対し緩み、弛みが発生した場合、変形チェーン駒の姿勢を変え長さを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等のタイヤチェーンをタイヤに装着するに当たり緩み、弛みなどを解消し装着性に優れたタイヤチェーン関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等が雪道等を走行する場合スリップなどの事故防止にタイヤチェーンを装着して走行している。
【0003】
多くの場合タイヤチェーンは、チェーン2本から成るサイドチェーンにクロスチェーン等を梯子形、X形、亀甲形その他の形状に掛渡し、上記サイドチェーンの一端に連結フックを取り付けたタイヤチェーンが一般的である。
【0004】
上記タイヤチェーンを取り付けにあたり、できるだけタイヤに対し緩み、弛みなどの
無いように取り付ける必要がある。緩く弛み等のある状態のタイヤチェーンを装着のまま走行を続けると、タイヤ外周とタイヤチェーンの密着性が確保できず、遠心力でタイヤチェーンが、膨らみフェンダー、タイヤハウス等を叩き破損させる恐れがある。しかし大型車のチェーンの様に小型車等に比べ、重量のあるチェーンや、女性、老人など力の弱い者、チェーン装着に不慣れな者にとっては、きつく締め付ける作業は困難であった。そのため従来より種々の工夫が施されている。
【0005】
例えば、特開平10−119525の様にタイヤチェーンのサイドチェーンにカムプレートと称する部品を取り付け、そのカムプレートを専用工具により締め付け、タイヤに対しタイヤチェーンの弛み、緩みを解消している。図9 また特開 2002−127720の様に締め付けプレートと称する部品に締め付けアームbと反対側締め付けアームbをサイドチェーンに取り付け専用工具を使用し 緩み、弛みを解消している。図10
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開 2002−127720号広報
【特許文献2】特開平10−119525号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の技術、特開 2002−127720号、特開平10−119525号、共に構造が複雑でなうえ、専用工具を使用しタイヤチェーンを締め付け、緩み弛みを解消している。その為もし専用工具の紛失などあれば使用出来ず、製作に費用と手間がかると思われる。又、構造が複雑な為使用には練習、説明書等により勉強が必要と思われる。 そこでこの考案は簡単に緩み、弛みを解消でき且つ専用工具を必要とせず構造を単純にし、直感的に使用できる装着性に優れたタイヤチェーンを提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、第一発明は、変形チェーン駒を組込んだチェーンである。
変形チェーン駒とは、丸棒の両端を接続し、略長円状に形成して成るチェーン駒において、長径方向には通常の長径係止部を有しており、前記長径方向の左右の直線部分を外側に向け、半円状に突起させ短径方向を形成して成り、短径係止部を有する、内側に十字形を形成する物であり、この長径係止部、短径径係止部の二種類の係止部を持つ事を特徴とする変形チェーン駒を、必要数組込んだチェーン。変形チェーン駒の部材には組込もうとするチェーンと同一の丸棒を使用する。
【0009】
第二発明は、チェーン2本から成るサイドチェーンにクロスチェーン等を梯子形、X形、亀甲形その他の形状に掛渡し、上記サイドチェーンの一端に連結フックを取り付けたタイヤチェーンにおいて、上記第一発明の変形チェーン駒を組込んだ、チェーンを、サイドチェーンとして使用する事で、長さを調整できるので、緩み たるみを解消出来るタイヤチェーン。
【発明の効果】
【0010】
第一発明によれば、隣り合う左右2つのチェーン駒に連結する場合に、通常の長径係止部で連結した状態から、変形チェーン駒を90度回転させ姿勢を変え、短径係止部に連結した場合に図1のアとイの長さの差を短縮するる事が出来る。 そのため1つの用途として制作したチェーン製品又は単体のチェーンであっても、 長さが変わる事で用途以外の流用が可能となる。又、変形チェーン駒の部材は、チェーン製造時に使用の丸棒を使用する為、特別に部材を用意する必要がなく効率的であり、コストダウンに繋がる。
【0011】
又第二発明によれば、上記変形チェーン駒を組込んだ長さを短縮、調整できるチェーンを、サイドチェーンとして使用したタイヤチェーンとする事で弛み緩みを解消する。
このため 従来の技術より構造を単純にでき、製作コストの軽減など、手間が少なくなる。また手で変形駒の姿勢を変えるので専用工具は必要としなく、構造が単純な為取り付けにあたり直感的な操作で緩み、弛みを、解消しタイヤに対しタイヤチェーンをきつく締め付ける事が出来る優れた装着性を持ったタイヤチェーンが出来る。又 変形駒の組み込み数により指定サイズのタイヤ以外にも装着できるタイヤチェーンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】姿勢を変える事で長さを変える事が出来る変形チェーン駒の平面図である。
【図2】変形チェーン駒を組込んだチェーンであり、長径係止部に連結している平面図の 例である。
【図3】変形チェーン駒を組込んだチェーンであり、短径係止部に連結している平面図の 例である。
【図4】タイヤチェーンの2本のサイドチェーンの内、1本を変形チェーン駒を組込んだ タイヤチェーンの一部切断による展開平面図である。
【図5】タイヤチェーンの2本のサイドチェーンの内、2本を変形チェーン駒を組込んだ タイヤチェーンの一部切断による展開平面図である
【図6】タイヤ外周上にタイヤチェーンを装着し、変形チェーン駒の長径係止部に連結 し緩み、弛みが解消されず緩い状態の一部切断平面図である。
【図7】タイヤ外周上にタイヤチェーンを装着し、変形チェーン駒の短径係止部に連結し 緩み、弛みを解消した一部切断の平面図である。
【図8】チェーンバンド装着の例である。
【図9】先行技術
【図10】先行技術
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1のアの長さと、イの長さが違う為、此の変形チェーン駒を90度回転させ姿勢を変える事で、変形チェーン駒を組込んだチェーン全体の長さを、変える事が出来る。
【0014】
図2は、接続箇所がaとbだが図3は接続箇所がcとdになっている。
その為、図1のア、イの長さの差の分だけ、図2より図3の方が、短くなっている。
【0015】
図4はは2本あるサイドチェーンの内1本を変形チェーン駒を組込んだ一部切断展開平面図である。2本のサイドチェーン内2本とも変形チェーン駒を組込む事も可能である。
この2本のサイドチェーンの間に、4のクロスチェーンをタイヤサイズに応じ、必要数掛け渡す。クロスチェーン4はタイヤ踏み面6と地面に接し滑り止め機能を発揮する。
2本サイドチェーンの一端には連結フック5が取り付けられ、サイドチェーンの反対の一端に留める事のより、タイヤサイド面7に沿って巻回される。
【0016】
図5は、2本のサイドチェーンのうち、2本共、変形駒を組込んだ一部切断した平面図である。
【0017】
図6はタイヤ外周上に変形チェーン駒を組込んだタイヤチェーンを装着した一部切断の平面図であるが、変形チェーン駒1の連結箇所が長径係止部に連結する姿勢のため、未だ、緩み、弛みが解消されていない。
【0018】
図7はタイヤ外周上に変形チェーン駒を組込んだタイヤチェーンを装着した一部切断の平面図であるが、変形チェーン駒1の連結箇所が短径係止部に連結する姿勢の為、チェーン全体の長さが短くなり緩み,弛みが、解消されている。
【0019】
図8は、一般的にタイヤチェーン装着時には、チェーンバンド等を、用いる事が多いが
変形チェーン駒にチェーンバンドのフックを引っ掛けた図である。

【符号の説明】
【0020】
ア 変形チェーン駒の横の長さ
イ 変形チェーン駒の縦の長さ
a 変形チェーン駒と左右駒との、連結箇所
b 変形チェーン駒と左右駒との、連結箇所
c 変形チェーン駒と左右駒との、連結箇所
d 変形チェーン駒と左右駒との、連結箇所
1 変形チェーン駒
2 サイドチェーン 変形チェーン駒組み込み無し
3 サイドチェーン 変形チェーン駒組み込み有り
4 クロスチェーン
5 フック
6 タイヤ踏面
7 タイヤサイド面
8 チェーンバンド
9 チェーンバンドフック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸棒の両端を接続し、略長円状に形成して成るチェーン駒において、長径方向には通常の長径係止部を有しており、前記長径方向の左右の直線部分を外側に向け、半円状に突起させ短径方向を形成して成り、短径係止部を有し、内側に十字形を形成する物であり、この長径係止部、短径径係止部の二種類の係止部を持つ事を特徴とする変形チェーン駒を、必要数組込んだチェーン。変形チェーン駒の部材には組込もうとするチェーンと同一の丸棒を使用する。、各長さの比率は図1の比率に特定される物ではなく、必要に応じ任意の比率になる。
【請求項2】
チェーン2本から成るサイドチェーンにクロスチェーン等を梯子形、X形、亀甲形その他の形状に掛渡し、上記サイドチェーンの一端に連結フックを取り付けたタイヤチェーンにおいて、上記請求項1の変形チェーン駒を組込んだチェーンを、サイドチェーンとして使用する事で、長さを調整できる、緩み、弛みを、解消出来るタイヤチェーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−86692(P2013−86692A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230283(P2011−230283)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(711011629)