説明

タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ

【課題】氷上性能および耐摩耗性のいずれにも優れたスタッドレスタイヤを作製することができるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム(A)100質量部と、
カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、
上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、
平均粒子径が1〜200μmの三次元架橋した微粒子(D)0.3〜12質量部と、を含有するタイヤ用ゴム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
スタッドレスタイヤの氷上摩擦の向上を目的として、そのトレッド表面を粗くし、かつ、氷との親和性を高めることができるタイヤ用ゴム組成物が従来開発されている。
【0003】
例えば、本出願人により、特許文献1には、「ジエン系ゴム100重量部に対し、平均粒径100〜1000μmの有機発泡体粉砕物を1〜20重量部配合して成るスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。」が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、「ジエン系ゴム成分100重量部に対して、ウレタンフォームを粉砕して得られた平均粒子径100〜300μmの粉末を1〜20重量部配合してなることを特徴とするトレッド用ゴム組成物。」が開示され([請求項1])、また、「ウレタンフォームの粉末は、ウレタンフォームの持つ圧縮抵抗や反発弾性などの弾性特性をゴム組成物内で維持するので、これをゴム中に分散させることでトレッド用ゴム組成物の弾性特性を改善し低温でのゴム硬度を維持し氷上での接地性を向上し、また粘着効果を高めるとともにゴムとウレタンフォームとの弾性差により接地時のトレッド表面に微小凹凸を形成し引っ掻き効果を発現することで氷上でのグリップ性能を向上することができる。また、ウレタンフォーム粉末がトレッド面にかかる歪みを分散して応力集中を緩和させ耐摩耗性を改善することができる。」と記載されている([0009])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−169628号公報
【特許文献2】特開2007−31521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが特許文献1および2に記載のゴム組成物について検討を重ねたところ、氷上性能は改善される傾向があるのに対し、耐摩耗性が劣る場合があることが明らかとなった。
【0007】
そこで、本発明は、氷上性能および耐摩耗性のいずれにも優れたスタッドレスタイヤを作製することができるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定粒径の微粒子とともに、所定の架橋性オリゴマーまたはポリマーを配合することにより、氷上性能および耐摩耗性のいずれにも優れたスタッドレスタイヤを作製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(13)を提供する。
【0009】
(1)ジエン系ゴム(A)100質量部と、
カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、
上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、
平均粒子径が1〜200μmの三次元架橋した微粒子(D)0.3〜12質量部と、を含有するタイヤ用ゴム組成物。
【0010】
(2)上記微粒子(D)が、予め上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中において、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)と相溶しないオリゴマーまたはポリマー(d1)を三次元架橋させた微粒子である上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0011】
(3)上記ジエン系ゴム(A)が、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)およびこれらの各ゴムの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のゴムを30質量%以上含む上記(1)または(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0012】
(4)上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、脂肪族系、飽和炭化水素系もしくは植物由来系の重合体または共重合体である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0013】
(5)上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、脂肪族系、飽和炭化水素系、アクリル系もしくは植物由来系の重合体または共重合体である上記(2)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0014】
(6)上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、脂肪族系の重合体または共重合体であり、
上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、アクリル系もしくは植物由来系の重合体または共重合体である上記(4)または(5)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0015】
(7)上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、水酸基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の反応性官能基を有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0016】
(8)上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が有していない、水酸基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の反応性官能基を有し、
上記微粒子(D)が、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中において、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が有する上記反応性官能基を利用して三次元架橋した微粒子である上記(2)〜(7)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0017】
(9)上記微粒子(D)が、上記反応性官能基を有する上記オリゴマーまたはポリマー(d1)と、水、触媒および上記反応性官能基と反応する官能基を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種の成分(d2)と、を反応させて三次元架橋させた微粒子である上記(8)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0018】
(10)上記成分(d2)のうち、上記反応性官能基と反応する官能基を有する化合物が、水酸基含有化合物、SiH基含有化合物、ジイソシアネート化合物、アミン化合物、オキサゾリジン化合物、エナミン化合物およびケチミン化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である上記(9)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0019】
(11)上記微粒子(D)の平均粒子径が1〜50μmである上記(1)〜(10)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0020】
(12)上記ジエン系ゴム(A)の平均ガラス転移温度が−50℃以下である上記(1)〜(11)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【0021】
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いるスタッドレスタイヤ。
【発明の効果】
【0022】
以下に示すように、本発明によれば、氷上性能および耐摩耗性のいずれにも優れたスタッドレスタイヤを作製することができるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のスタッドレスタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔タイヤ用ゴム組成物〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A)100質量部と、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、平均粒子径が1〜200μmの三次元架橋した微粒子(D)0.3〜12質量部と、を含有するタイヤ用のゴム組成物である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
【0025】
<ジエン系ゴム(A)>
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有するジエン系ゴム(A)は、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記ジエン系ゴム(A)は、上述した各ゴムの末端や側鎖がアミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基等で変成(変性)された誘導体であってもよい。
これらのうち、タイヤの氷上性能がより良好となる理由から、NR、BR、SBRを用いるのが好ましく、NRおよびBRを併用するのがより好ましい。
【0026】
本発明においては、上記ジエン系ゴム(A)の平均ガラス転移温度は、低温時においてもタイヤの硬度を低く保つことができ、タイヤの氷上性能がより良好となる理由から、−50℃以下であるのが好ましい。
ここで、ガラス転移温度は、デュポン社製の示差熱分析計(DSC)を用い、ASTM D3418−82に従い、昇温速度10℃/minで測定した値である。
また、平均ガラス転移温度は、ガラス転移温度の平均値であり、ジエン系ゴムを1種のみ用いる場合は、そのジエン系ゴムのガラス転移温度をいうが、ジエン系ゴムを2種以上併用する場合は、ジエン系ゴム全体(各ジエン系ゴムの混合物)のガラス転移温度をいい、各ジエン系ゴムのガラス転移温度と各ジエン系ゴムの配合割合から平均値として算出することができる。
【0027】
<カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)を含有する。
【0028】
(カーボンブラック)
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPE、SRF等のファーネスカーボンブラックが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記カーボンブラックは、ゴム組成物の混合時の加工性やタイヤの補強性等の観点から、窒素吸着比表面積(N2SA)が10〜300m2/gであるのが好ましく、20〜200m2/gであるのがより好ましい。
ここで、N2SAは、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
【0029】
(白色充填剤)
上記白色充填剤としては、具体的には、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、タイヤの氷上性能がより良好となる理由から、シリカが好ましい。
【0030】
シリカとしては、具体的には、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、タイヤの氷上性能が更に良好となり、耐摩耗性もより向上する理由から、湿式シリカが好ましい。
【0031】
本発明においては、上記カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、カーボンブラックおよび白色充填剤の合計で30〜100質量部であり、40〜80質量部であるのが好ましく、45〜70質量部であるのがより好ましい。
【0032】
<架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)>
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有する架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)は、上記ジエン系ゴム(A)に相溶し、架橋性を有するオリゴマーまたはポリマーであれば特に限定されない。
ここで、「(上記ジエン系ゴムに)相溶する」とは、上記ジエン系ゴム(A)に包含される全てのゴム成分に対して相溶するという意味ではなく、上記ジエン系ゴム(A)および上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)に用いる各々の具体的な成分が互いに相溶することをいう。
【0033】
上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)としては、例えば、脂肪族系、飽和炭化水素系もしくは植物由来系の重合体または共重合体等が挙げられる。
ここで、脂肪族系の重合体または共重合体としては、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体などの液状ジエン系ポリマー;クロロプレンゴム;ブチルゴム;ニトリルゴム;これらの一部水添物や後述する反応性官能基を有する変成物;等が挙げられる。
また、飽和炭化水素系の重合体または共重合体としては、例えば、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、エチレンプロピレン、エピクロルヒドリン、塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、ポリイソブチレン、アクリルゴム等が挙げられる。
また、植物由来系の重合体または共重合体としては、例えば、ヒマシ油、大豆油などの植物油脂;ポリ乳酸などを改質したポリエステルポリオールなどから誘導される各種エラストマー;等が挙げられる。
【0034】
これらのうち、脂肪族系の重合体または共重合体であるのが好ましく、ゴム組成物の加硫時に上記ジエン系ゴム(A)とともに架橋することができ、タイヤの氷上性能および耐摩耗性がより良好となる理由から、液状ジエン系ポリマーであるのがより好ましい。
ここで、液状ポリイソプレンの市販品としては、例えば、クラプレンLIR−30、クラプレンLIR−50(以上、クラレ社製)、Poly ip(出光興産社製)等が挙げられ、変成液状ポリイソプレンの市販品としては、例えば、クラプレンLIR−403(エチレン−イソプレン共重合体)、クラプレンLIR−410(1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体)(以上、クラレ社製)等が挙げられる。
また、液状ポリブタジエンとしては、クラプレンLBR−305(クラレ社製)などのホモポリマータイプ;Poly bd(出光興産社製)などの1,2−結合型ブタジエンと1,4−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ;クラプレンL−SBR−820(クラレ社製)などのエチレンと1,4−結合型ブタジエンと1,2−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ;等が挙げられる。
【0035】
本発明においては、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)は、分子間で架橋することにより、タイヤの氷上性能がより良好となる理由から、水酸基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の反応性官能基を有しているのが好ましい。
これらのうち、ゴムの加工時に上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が適度に架橋され、タイヤの氷上性能が更に良好となり、耐摩耗性もより良好となる理由から、加水分解性シリル基または酸無水物基を有しているのが好ましい。
【0036】
また、本発明においては、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)の重量平均分子量は、上記ジエン系ゴム(A)への分散性やゴム組成物の混練加工性が良好となり、更に後述する微粒子(D)を上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中で調製する際の粒径や形状の調整が容易となる理由から、1000〜100000であるのが好ましく、3000〜60000であるのがより好ましい。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
【0037】
更に、本発明においては、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して0.3〜30質量部であり、0.5〜25質量部であるのが好ましく、1〜15質量部であるのが好ましい。
【0038】
<微粒子(D)>
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有する微粒子(D)は、平均粒子径が1〜200μmの三次元架橋した微粒子である。
上記微粒子(D)の平均粒子径は、タイヤの表面が適度に粗くなり、氷上性能がより良好となる理由から、平均粒子径は1〜50μmであるのが好ましく、6〜40μmであるのがより好ましい。
ここで、平均粒子径とは、レーザー顕微鏡を用いて測定した円相当径の平均値をいい、例えば、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置LA−300(堀場製作所社製)などで測定することができる。
【0039】
本発明においては、上記微粒子(D)の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して0.3〜12質量部であり、1〜10質量部であるのが好ましく、5〜10質量部であるのがより好ましい。
上記微粒子(D)を所定量含有することにより、本発明のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いたスタッドレスタイヤの氷上性能および耐摩耗性がいずれも良好となる。
これは、上記微粒子(D)の弾性により氷上性能が向上し、上記微粒子(D)が局所的にかかる歪みを分散して応力を緩和させることによって耐摩耗性能が向上すると考えられる。
【0040】
また、本発明においては、上記微粒子(D)は、タイヤの氷上性能および耐摩耗性がより良好となる理由から、予め上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中において、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)と相溶しないオリゴマーまたはポリマー(d1)を三次元架橋させた微粒子であるのが好ましい。これは、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が上記微粒子(D)の溶媒として作用し、これらの混合物をゴム組成物に配合することにより、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)および上記微粒子(D)のゴム組成物における分散性が向上したためと考えられる。
ここで、「(上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)と)相溶しない」とは、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)に包含される全ての成分に対して相溶しないという意味ではなく、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)および上記オリゴマーまたはポリマー(d1)に用いる各々の具体的な成分が互いに非相溶であることをいう。
【0041】
上記オリゴマーまたはポリマー(d1)としては、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、脂肪族系、飽和炭化水素系、アクリル系もしくは植物由来系の重合体または共重合体等が挙げられる。
【0042】
これらのうち、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)として脂肪族系の重合体または共重合体(例えば、液状ジエン系ポリマー)を好適に用いる観点から、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、アクリル系もしくは植物由来系の重合体または共重合体であるのが好ましい。
ここで、上記ポリエーテル系の重合体または共重合体としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
また、上記ポリエステル系の重合体または共重合体としては、例えば、低分子多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等)と多塩基性カルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)との縮合物(縮合系ポリエステルポリオール);ラクトン系ポリオール;等が挙げられる。
また、ポリオレフィン系の重合体または共重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体(EPR、EPDM)、ポリブチレン、ポリイソブチレン、水添ポリブタジエン等が挙げられる。
また、上記ポリカーボネート系の重合体または共重合体としては、例えば、ポリオール化合物(例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等)とジアルキルカーボネートとのエステル交換反応により得られるもの等が挙げられる。
また、アクリル系の重合体または共重合体としては、例えば、アクリルポリオール;アクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリレートの単独ポリマー;これらアクリレートを2種以上組み合わせたアクリレート共重合体;等が挙げられる。
また、植物由来系の重合体または共重合体としては、例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0043】
本発明においては、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)は、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中において上記オリゴマーまたはポリマー(d1)のみを三次元架橋させることができる理由から、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が有していない、水酸基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の反応性官能基を有しているのが好ましい。
これらのうち、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)の三次元架橋が容易に進行する理由から、加水分解性シリル基またはイソシアネート基を有しているのが好ましい。
なお、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)を三次元架橋させた後においては、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)は、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)と同一の反応性官能基(例えば、カルボキシ基、加水分解性シリル基など)を有していてもよく、既に有している官能性官能基を上記オリゴマーまたはポリマー(d1)と同一の反応性官能基に変成してもよい。
【0044】
また、本発明においては、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)の重量平均分子量は特に限定されないが、微粒子(D)の粒子径と架橋密度が適度になり、タイヤの氷上性能がより良好になる理由から、300〜30000であるのが好ましく、500〜25000であるのがより好ましい。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
【0045】
(微粒子(D)の調製方法)
上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中で上記オリゴマーまたはポリマー(d1)を三次元架橋させ微粒子(D)を調製する方法は、例えば、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が有する上記反応性官能基を利用して三次元架橋する方法等が挙げられ、具体的には、上記反応性官能基を有する上記オリゴマーまたはポリマー(d1)と、水、触媒および上記反応性官能基と反応する官能基を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種の成分(d2)と、を反応させて三次元架橋させる方法等が挙げられる。
【0046】
ここで、上記成分(d2)の水は、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が加水分解性シリル基、イソシアネート基、酸無水物基を反応性官能基として有している場合に好適に用いることができる。
【0047】
また、上記成分(d2)の触媒としては、例えば、シラノール基の縮合触媒(シラノール縮合触媒)等が挙げられる。
上記シラノール縮合触媒としては、具体的には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラブチルチタネート、オクタン酸第一錫等が挙げられる。
【0048】
また、上記成分(d2)の上記反応性官能基と反応する官能基を有する化合物としては、例えば、水酸基含有化合物、SiH基含有化合物、ジイソシアネート化合物、アミン化合物、オキサゾリジン化合物、エナミン化合物、ケチミン化合物等が挙げられる。
【0049】
上記水酸基含有化合物は、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)がイソシアネート基、酸無水物基を反応性官能基として有している場合に好適に用いることができる。
上記水酸基含有化合物としては、1分子中に水酸基を2個以上有する化合物であれば、その分子量および骨格等について限定されず、例えば、低分子多価アルコール類、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、その他のポリオール、これらの混合ポリオール等が挙げられる。
【0050】
上記SiH基含有化合物は、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)がアリル基を反応性官能基として有している場合に好適に用いることができる。
上記SiH基含有化合物としては、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等が挙げられる。
【0051】
上記ジイソシアネート化合物は、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が水酸基を反応性官能基として有している場合に好適に用いることができる。
上記ジイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート;等が挙げられる。
【0052】
上記アミン化合物は、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)がエポキシ基を反応性官能基として有している場合に好適に用いることができる。
上記アミン化合物としては、1分子中にアミノ基を有する化合物であれば、その分子量および骨格等について限定されず、例えば、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミンなどの第1級アミン;ジブチルアミンなどの第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミンなどのポリアミン;等が挙げられる。
【0053】
上記オキサゾリジン化合物、上記エナミン化合物および上記ケチミン化合物は、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)が酸無水物基を反応性官能基として有している場合に好適に用いることができる。
これらの化合物としては、具体的には、例えば、潜在性硬化剤として従来公知のものを用いることができる。
【0054】
本発明においては、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中で上記オリゴマーまたはポリマー(d1)を三次元架橋させて微粒子(D)を調製する際に、必要に応じて、溶媒を用いてもよい。
上記溶媒の使用態様としては、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)に良溶媒となり、かつ、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)の貧溶媒となる可塑剤、希釈剤、溶剤を用いる態様、および/または、上記記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)の良溶媒となり、かつ、上記オリゴマーまたはポリマー(d1)に貧溶媒となる可塑剤、希釈剤、溶剤を用いる態様が挙げられる。
このような溶媒としては、具体的には、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、n−オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素;キシレン、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどのテルペン系有機溶剤等が挙げられる。
【0055】
また、本発明においては、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中で上記オリゴマーまたはポリマー(d1)を三次元架橋させて微粒子(D)を調製する際に、界面活性剤、乳化剤、分散剤、シランカップリング剤等の添加剤を用いて調製するのが好ましい。
【0056】
<シランカップリング剤>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述した白色充填剤(特に、シリカ)を含有する場合、タイヤの補強性能を向上させる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
上記シランカップリング剤を配合する場合の含有量は、上記白色充填剤100質量部に対して、0.1〜20質量部であるのが好ましく、4〜12質量部であるのがより好ましい。
【0057】
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
これらのうち、補強性改善効果の観点から、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび/またはビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用することが好ましく、具体的には、例えば、Si69[ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド;エボニック・デグッサ社製]、Si75[ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド;エボニック・デグッサ社製]等が挙げられる。
【0059】
<その他の成分>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述した成分以外に、上記ジエン系ゴム(A)、上記カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)、および、上記微粒子(D)以外に、炭酸カルシウムなどのフィラー;硫黄等の加硫剤;スルフェンアミド系、グアニジン系、チアゾール系、チオウレア系、チウラム系などの加硫促進剤;酸化亜鉛、ステアリン酸などの加硫促進助剤;ワックス;アロマオイル;老化防止剤;可塑剤;等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。
これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。例えば、ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、硫黄は0.5〜5質量部、加硫促進剤は0.1〜5質量部、加硫促進助剤は0.1〜10質量部、老化防止剤は0.5〜5質量部、ワックスは1〜10質量部、アロマオイルは5〜30質量部、それぞれ配合してもよい。
【0060】
<タイヤ用ゴム組成物の製造方法>
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて、混練する方法等が挙げられる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
【0061】
〔スタッドレスタイヤ〕
本発明のスタッドレスタイヤ(以下、単に「本発明のタイヤ」ともいう。)は、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物を、タイヤトレッドに用いたスタッドレスタイヤである。
図1に、本発明のスタッドレスタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
【0062】
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3は本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
【0063】
本発明のタイヤは、例えば、本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられたジエン系ゴム、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤の種類およびその配合割合に応じた温度で加硫または架橋し、タイヤトレッド部を形成することにより製造することができる。
【実施例】
【0064】
<微粒子含有架橋性ポリマー1の調製>
液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−30、重量平均分子量28000、クラレ社製)50gと、有機溶剤(リモネン)50gと、非イオン性界面活性剤(エマルゲン104、花王社製)0.25gとを混合して混合液を得た。
この混合液に、ポリプロピレングリコール(エクセノール1030、重量平均分子量1000、基数3、旭硝子社製)35gと、ポリプロピレングリコール(エクセノール4030、重量平均分子量4000、基数3、旭硝子社製)35gと、金属触媒(スタナスオクトエート、ネオスタンU−28、日東化成製)0.2gと、3級アミン触媒(DABCO(トリエチレンジアミン))0.02gと、ポリイソシアネート(TDI)10gとを投入して、30分間混合し、ペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー1」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径10μmの微粒子(骨格:ポリプロピレングリコール,架橋:ウレタン結合)が生成し、液状ポリイソプレン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、計算上約44質量%であった。
【0065】
<ウレタン粒子1の調製>
ポリビニルアルコール(ゴーセノールGL−05、日本合成化学社製)を水に溶解し、0.9%(w/v)PVA水溶液を調製した。
また、分岐ポリエーテルポリオール(デスモフェン1100、住友バイエルウレタン社製)20.0gと、金属触媒(スタナスオクトエート、ネオスタンU−28、日東化成社製)0.4gと、トルエン30gとを混合して溶解させた後、ポリイソシアネート(MDI、スミジュール44V10、住友バイエルウレタン社製)20.4gを添加し、溶解させた混合液を調製した。
この混合液を、先に調製した0.9%PVA水溶液360gに加えた後、ホモジナイザー(TKホモミキサー モデルM、特殊機化工業製)を用いて、6800rpmで1分間分散した。
分散後、懸濁液を300rpmで100℃に加温し、トルエンを除去し、更に7時間撹拌を続け、重合を完了した。
重合完了後に、ろ別し、水洗乾燥を行って、平均粒子径15μmの球状ポリウレタン粒子(以下、「ウレタン粒子1」という。)38.5gを得た。
【0066】
<ウレタン粒子2の調製>
ホモジナイザーの回転数を100rpmとし、撹拌時間を1分間とした以外は、ウレタン粒子1と同様にして、平均粒子径700μmの球状ポリウレタン粒子(以下、「ウレタン粒子2」という。)を得た。
【0067】
<ウレタン粒子3の調製>
ポリビニルアルコール(ゴーセノールGL−05、日本合成化学社製)を水に溶解し、0.9%(w/v)PVA水溶液を調製した。
また、分岐ポリエーテルポリオール(スミフェン3086、住友バイエルウレタン社製)21.2gと、金属触媒(スタナスオクトエート、ネオスタンU−28、日東化成社製)0.4gと、トルエン90gとを混合して溶解させた後、ポリイソシアネート(MDI、スミジュール44V10、住友バイエルウレタン社製)18.8gを添加し、溶解させた混合液を調製した。
この混合液を、先に調製した0.9%PVA水溶液120gに加えた後、ホモジナイザー(TKホモミキサー モデルM、特殊機化工業製)を用いて、350rpmで10分間分散した。
分散後、懸濁液を350rpmで100℃に加温し、トルエン除去し、更に7時間撹拌を続け、重合を完了した。
重合完了後に、ろ別し、水洗乾燥を行って、平均粒子径250μmの球状ポリウレタン粒子(以下、「ウレタン粒子3」という。)39.0gを得た。
【0068】
<微粒子含有架橋性ポリマー2の調製>
酸無水物変成液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−403、重量平均分子量34,000、クラレ社製製)88gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)64gと、加水分解性シリル基末端ポリオキシプロピレングリコール(S−2410、旭硝子社製)27gと、DBTL(ジブチルスズジラウリル酸)0.3gと、蒸留水0.03gとを70℃で3時間撹拌した後、真空脱泡下で1時間撹拌し、白濁したペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー2」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径5μmの微粒子(骨格:ポリオキシプロピレングリコール,架橋:シロキサン結合)が生成し、酸無水物変成液状ポリイソプレン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、約10質量%であった。
【0069】
<微粒子含有架橋性ポリマー3の調製>
水酸基含有アクリル系ポリオール(ARUFON UH−2000、重量平均分子量11,000、水酸基価20、東亞合成社製)850gと、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(A−1310、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)78.7gとを80℃で8時間撹拌し、加水分解性シリル基末端のアクリルポリエーテルAを得た。
また、ポリカーボネートジオール(デュラノールT5652、重量平均分子量2,000、水酸基価56、旭化成ケミカルズ社製)236gと、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(A−1310、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)61gとを80℃で6時間撹拌し、加水分解性シリル基末端ポリカーボネートBを得た。
次に、液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−50、重量平均分子量54,000、クラレ社製)119gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)51gと、先に合成した加水分解性シリル基末端アクリルポリエーテルAの20gと、加水分解性シリル基末端ポリカーボネートBの10gと、DBTL(ジブチルスズジラウリル酸)0.3gと、蒸留水0.03gとを80℃で4時間撹拌した後、真空脱泡下で1時間撹拌し、白濁したペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー3」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径10〜20μmの微粒子(骨格:アクリル/ポリカーボネート,架橋:シロキサン結合)が生成し、液状ポリイソプレン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、計算上約15質量%であった。
【0070】
<微粒子含有架橋性ポリマー4の調製>
水酸基末端液状ポリイソプレン(Poly ip、重量平均分子量2500、水酸基価46.6、出光興産社製)120gと、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(A−1310、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)24.7gとを80℃で8時間撹拌し、加水分解性シリル基末端ポリイソプレンを得た。
また、液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−50、重量平均分子量54,000、クラレ社製)56gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)24gとを50℃1時間撹拌した。その後、水酸基末端ポリオキシプロピレングリコール(プレミノールS−4012、重量平均分子量10,000、水酸基価11.2、旭硝子社製)14.5gと、水酸基末端ポリオキシプロピレングリコール(エクセノール823、重量平均分子量5,100、水酸基価33.0、旭硝子社製)14.5gと、XDI(タケネート500、三井化学社製)1.2gと、グリセリン0.03gとを添加し、80℃で8時間撹拌した。室温まで冷却後、これに先に合成した加水分解性シリル基末端ポリイソプレン90gを添加して30分間撹拌した後に真空脱泡し、白濁したペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー4」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径10μmの微粒子(骨格:ポリオキシプロピレングリコール,架橋:ウレタン結合)が生成し、液状ポリイソプレンおよび加水分解性シリル基末端ポリイソプレン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、計算上約15質量%であった。
【0071】
<微粒子含有架橋性ポリマー5の調製>
水酸基末端液状ポリイソプレン(Poly ip、重量平均分子量2500、水酸基価46.6、出光興産社製)120gと、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(A−1310、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)24.7gとを80℃で8時間撹拌し、加水分解性シリル基末端ポリイソプレンを得た。
また、液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−50、重量平均分子量54,000、クラレ社製)56gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)24gとを50℃で1時間撹拌した。その後、ポリカーボネートジオール(デュラノールT5652、重量平均分子量2,000、水酸基価56、旭化成ケミカルズ社製)25.94gと、XDI(タケネート500、三井化学社製)3.7gと、グリセリン0.4gとを添加し、80℃で8時間撹拌した。室温まで冷却後、これに先に合成した加水分解性シリル基末端ポリイソプレン90gを添加して30分間撹拌した後に真空脱泡し、白濁したペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー5」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径10〜30μmの微粒子(骨格:ポリカーボネート,架橋:ウレタン結合)が生成し、液状ポリイソプレンおよび加水分解性シリル基末端ポリイソプレン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、計算上約15質量%であった。
【0072】
<微粒子含有架橋性ポリマー6の調製>
ポリカーボネートジオール(デュラノールT5652、重量平均分子量2,000、水酸基価56、旭化成ケミカルズ社製)26gと、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(A−1310、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)6.7gとを80℃で6時間撹拌し、加水分解性シリル基末端ポリカーボネートを得た。室温まで冷却後、これに液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−50、重量平均分子量54,000、クラレ社製)56gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)24gとを添加し、50℃で30分間撹拌した。次いで、DBTL(ジブチルスズジラウリル酸)0.4gと、蒸留水0.04gと、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(レオドールTW−0320V、花王社製)2.0gとを添加し、80℃で3時間撹拌した。
真空脱泡後、50℃まで冷却した後、酸無水物変成液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−403、重量平均分子量34,000、クラレ社製)63gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)27gと添加して30分間撹拌し、白濁したペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー6」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径6〜30μmの微粒子(骨格:ポリカーボネート,架橋:シロキサン結合)が生成し、液状ポリイソプレンおよび酸無水物変成液状ポリイソプレン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、計算上約15質量%であった。
【0073】
<微粒子含有架橋性ポリマー7の調製>
水酸基含有アクリル系ポリオール(ARUFON UH−2000、重量平均分子量11,000、水酸基価20、東亞合成社製)27.3gと、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(A−1310、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)2.52gとを80℃で8時間撹拌し、加水分解性シリル基末端アクリルポリエーテルを得た。室温まで冷却後、これに液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−50、重量平均分子量54,000、クラレ社製)56gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)24gとを添加し、50℃で30分間撹拌した。次いで、DBTL(ジブチルスズジラウリル酸)0.4gと、蒸留水0.04gとを添加し、80℃で3時間撹拌した。
真空脱泡後、50℃まで冷却した後、酸無水物変成液状ポリブタジエン(POLYVEST OC800S、Evonik Degussa GmbH社製)90gを添加して30分間撹拌し、白濁したペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー7」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径6〜30μmの微粒子(骨格:アクリル,架橋:シロキサン結合)が生成し、液状ポリイソプレンおよび酸無水物変成液状ポリブタジエン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、計算上約15質量%であった。
【0074】
<微粒子含有架橋性ポリマー8の調製>
水酸基末端液状ポリイソプレン(Poly ip、重量平均分子量2500、水酸基価46.6、出光興産社製)120gと、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(A−1310、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)24.7gとを80℃で8時間撹拌し、加水分解性シリル基末端ポリイソプレンを得た。
また、液状ポリイソプレン(クラプレンLIR−50、重量平均分子量54,000、クラレ社製)56gと、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)24gとを50℃で1時間撹拌した。次いで、水酸基含有アクリル系ポリオール(ARUFON UH−2000、重量平均分子量11,000、水酸基価20、東亞合成社製)28gと、XDI(タケネート500、三井化学社製)2.0gと、グリセリン0.2gとを添加し、80℃で8時間撹拌した。これを50℃まで冷却後、先に合成した加水分解性シリル基末端ポリイソプレン90gを添加して30分間撹拌し、白濁したペースト状生成物(以下、「微粒子含有架橋性ポリマー8」ともいう。)を調製した。
このペースト状生成物をレーザー顕微鏡で観測すると、平均粒子径10〜40μmの微粒子(骨格:アクリル,架橋:ウレタン結合)が生成し、加水分解性シリル基末端ポリイソプレンおよび液状ポリイソプレン中に分散していることが確認できた。なお、このペースト状生成物中の微粒子の含有量(質量%)は、計算上約15質量%であった。
【0075】
<実施例1〜14および比較例1〜5>
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に、得られたゴム組成物をランボーン摩耗用金型(直径63.5mm、厚さ5mmの円板状)中で、170℃で15分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
【0076】
<氷上性能>
作製した各加硫ゴムシートを偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−1.5℃とし、荷重5.5g/cm3、ドラム回転速度25km/hとした。
試験結果は、以下の式により、比較例1の測定値を100として、指数(インデックス)で表し、第1表の「氷上性能」の欄に記載した。指数が大きいものほど氷上摩擦力が大きく、氷上性能が良好である。
指数=(測定値/比較例1の試験片の氷上摩擦係数)×100
【0077】
<耐摩耗性>
ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を用いて、JIS K 6264−2:2005に準拠し、付加力4.0kg/cm3(=39N)、スリップ率30%、摩耗試験時間4分、試験温度を室温の条件で摩耗試験を行い、摩耗質量を測定した。
試験結果は、以下の式により、比較例1の測定値を100として、指数(インデックス)で表し、第1表の「耐摩耗性」の欄に記載した。指数(インデックス)が大きいほど摩耗量が少なく、耐摩耗性が良好である。
指数=(比較例1の試験片の摩耗質量/測定値)×100
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
【表3】

【0081】
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・NR:天然ゴム(STR20、ガラス転移温度:−65℃、ボンバンディット社製)
・BR:ポリブタジエンゴム(Nipol BR1220、ガラス転移温度:−110℃、日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(キャボットジャパン社製)
・シリカ:ULTRASIL VN3(エボニック・デグッサ社製)
・シランカップリング剤:シランカップリング剤(Si69、エボニック・デグッサ社製)
・微粒子含有架橋性ポリマー1〜8:上記のとおり製造したもの
・架橋性ポリマー9:液状ポリイソプレンゴム(クラプレンLIR−30、重量平均分子量:28000、クラレ社製)
・微粒子1〜3:上記のとおり製造したもの
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR(日本油脂社製)
・老化防止剤:アミン系老化防止剤(サントフレックス 6PPD、フレクシス社製)
・ワックス:パラフィンワックス(大内新興化学社製)
・オイル:アロマオイル(エクストラクト4号S、昭和シェル石油社製)
・硫黄:油処理硫黄(細井化学社製)
・加硫促進剤:スルフェンアミド系加硫促進剤(サンセラーCM−G、三新化学社製)
【0082】
第1表に示す結果から、架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)および微粒子(D)の配合量が多い比較例2は、これらを配合せずに調製した比較例1と比較して、氷上性能は向上するが、耐摩耗性が劣ることが分かった。
また、粒径の大きい微粒子を配合した比較例3および4についても、比較例1と比較して、氷上性能は向上するが、耐摩耗性が劣ることが分かった。
更に、架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)を配合せずに調製した比較例5についても、比較例1と比較して、氷上性能は向上するが、耐摩耗性が劣ることが分かった。
【0083】
これに対し、架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)および微粒子(D)を所定量配合した実施例1〜14は、いずれも比較例1と同等以上の耐摩耗性を有し、氷上性能が向上することが分かった。
ここで、実施例1〜3の各々と実施例4〜6の各々とを対比すると、予め架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中で微粒子(D)を生成させた実施例1〜3の方が、氷上性能がより良好となることが分かった。同様に、実施例7と実施例9〜14とを対比すると、微粒子(D)の含有量が同じであっても、架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が反応性官能基を有している実施例9〜14の方が、氷上性能がより良好となることが分かった。
また、実施例1〜3の結果から、微粒子(D)の含有量がジエン系ゴム(A)100質量部に対して5〜10質量部であると、氷上性能がより良好となることが分かった。
更に、実施例8と実施例9〜14との対比から、微粒子(D)の平均粒子径が6〜40μmであると、氷上性能がより良好となることが分かった。
【符号の説明】
【0084】
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴム(A)100質量部と、
カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、
前記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、
平均粒子径が1〜200μmの三次元架橋した微粒子(D)0.3〜12質量部と、を含有するタイヤ用ゴム組成物。
【請求項2】
前記微粒子(D)が、予め前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中において、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)と相溶しないオリゴマーまたはポリマー(d1)を三次元架橋させた微粒子である請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項3】
前記ジエン系ゴム(A)が、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)およびこれらの各ゴムの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のゴムを30質量%以上含む請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、脂肪族系、飽和炭化水素系もしくは植物由来系の重合体または共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項5】
前記オリゴマーまたはポリマー(d1)が、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、脂肪族系、飽和炭化水素系、アクリル系もしくは植物由来系の重合体または共重合体である請求項2〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項6】
前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、脂肪族系の重合体または共重合体であり、
前記オリゴマーまたはポリマー(d1)が、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、アクリル系もしくは植物由来系の重合体または共重合体である請求項4または5に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項7】
前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、水酸基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の反応性官能基を有する請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項8】
前記オリゴマーまたはポリマー(d1)が、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が有していない、水酸基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の反応性官能基を有し、
前記微粒子(D)が、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)中において、前記オリゴマーまたはポリマー(d1)が有する前記反応性官能基を利用して三次元架橋した微粒子である請求項2〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項9】
前記微粒子(D)が、前記反応性官能基を有する前記オリゴマーまたはポリマー(d1)と、水、触媒および前記反応性官能基と反応する官能基を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種の成分(d2)と、を反応させて三次元架橋させた微粒子である請求項8に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項10】
前記成分(d2)のうち、前記反応性官能基と反応する官能基を有する化合物が、水酸基含有化合物、SiH基含有化合物、ジイソシアネート化合物、アミン化合物、オキサゾリジン化合物、エナミン化合物およびケチミン化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項9に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項11】
前記微粒子(D)の平均粒子径が1〜50μmである請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項12】
前記ジエン系ゴム(A)の平均ガラス転移温度が−50℃以下である請求項1〜11のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いるスタッドレスタイヤ。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−211316(P2012−211316A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−67266(P2012−67266)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】