説明

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

【課題】加工性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランス良く向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと米油とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイヤの転がり抵抗を低減して発熱を抑えることにより、車の低燃費化が行われてきたが、近年、車の低燃費化への要求はますます強くなってきており、乗用車用タイヤだけではなくトラック・バス用の高荷重タイヤに対しても、優れた低発熱性(低燃費性)が要求されている。特に、高荷重タイヤでは、優れた低燃費性だけではなく、優れた耐摩耗性も要求されている。また、安全への関心の高まりから、優れたウェットグリップ性能も要求されている。
【0003】
低燃費性を改善する方法として、カーボンブラックをシリカで置換する方法が知られている。しかし、シリカはカーボンブラックと比較して補強性が低いため、カーボンブラックをシリカに置換すると、耐摩耗性が低下する傾向があった。また、通常、シリカと共にシランカップリング剤が併用されるが、混練中に粘度上昇が発生したり、スコーチタイムが短くなったりする傾向があるなど、加工性に悪影響を及ぼす場合があった。
【0004】
また、特許文献1〜3では、シリカと共に、変性ブタジエンゴム、変性スチレンブタジエンゴムなどの変性ジエン系ゴムを配合して更に低燃費性を向上させている。
【0005】
また近年では石油資源の枯渇問題やCO排出規制などの諸事情により、石油外資源を用いた材料開発が求められており、様々な試みが行われている。例えば、石油外資源である天然ゴムについて、蛋白質を構成する窒素系不純物やリン脂質等をケン化により除去し、イソプレン含有量を高めた高純度化天然ゴム(改質天然ゴム)を用いる事により、通常の天然ゴムを使用した場合と比較して、低燃費性が向上することが明らかとなっている(例えば、特許文献4)。
【0006】
また、特許文献5には、石油外資源の含有比率を高め、石油資源由来の原材料を主成分とするタイヤトレッド用ゴム組成物と比較しても、更に耐候性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく得ることができるタイヤトレッド用ゴム組成物として、シリカと、特定量の植物性油脂とを含むゴム組成物が記載されている。しかし、特許文献1〜5では、加工性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランスよく改善する点については改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−114939号公報
【特許文献2】特開2005−126604号公報
【特許文献3】特開2005−325206号公報
【特許文献4】特開2010−138359号公報
【特許文献5】特開2007−308623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記課題を解決し、加工性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性をバランス良く向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと米油とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【0010】
上記米油に含まれる脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量が48質量%以上であることが好ましい。
【0011】
上記米油に含まれる脂肪酸100質量%中のパルミチン酸の含有量が17質量%未満であることが好ましい。
【0012】
上記米油に含まれる脂肪酸100質量%中のリノール酸の含有量が30質量%未満であることが好ましい。
【0013】
上記改質天然ゴムが、天然ゴムラテックスをケン化処理し、得られたケン化天然ゴムラテックスをゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄して得られたものであることが好ましい。
【0014】
上記改質天然ゴムの窒素含有量が0.3質量%以下、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下であることが好ましい。
【0015】
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴム(以下、HPNRともいう)と米油とを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、加工性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性をバランス良く向上できる。該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に使用することにより、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴム(以下、HPNRともいう)と米油とを含む。
【0018】
天然ゴム(NR)中に含まれるリン脂質を低減、除去したHPNR(好ましくはタンパク質やゲル分も除去したHPNR)は、発熱しにくい性質があるため、NRの使用に比べて、更なる低燃費化を図ることができる。また、加工性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性も向上できる。本発明では、このHPNRと共に米油を併用することにより、加工性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性をよりバランス良く向上できる。特に、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性については、相乗的に向上できる。
【0019】
上記改質天然ゴム(HPNR)は、リン含有量が200ppm以下である。200ppmを超えると、貯蔵中にゲル量が増加し、加硫ゴムのtanδが上昇して低燃費性が悪化したり、未加硫ゴムのムーニー粘度が上昇して加工性が悪化する傾向があり、低燃費性、加工性、ウェットグリップ性能を充分に改善できない。該リン含有量は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。ここで、リン含有量は、たとえばICP発光分析等、従来の方法で測定することができる。リンは、リン脂質(リン化合物)に由来するものである。
【0020】
改質天然ゴムにおいて、窒素含有量は0.3質量%以下が好ましく、0.15質量%以下がより好ましい。窒素含有量が0.3質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなる傾向があり、また、低燃費性、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれもある。窒素含有量は、例えばケルダール法等、従来の方法で測定することができる。窒素は、蛋白質に由来するものである。
【0021】
改質天然ゴム中のゲル含有率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。20質量%を超えると、ムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなる傾向があり、また、低燃費性、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれもある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」または「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
【0022】
改質天然ゴムは、実質的にリン脂質が存在しないことが好ましい。「実質的にリン脂質が存在しない」とは、天然ゴム試料をクロロホルムで抽出し、抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しない状態を表す。−3ppm〜1ppmに存在するリンのピークとは、リン脂質におけるリンのリン酸エステル構造に由来するピークである。
【0023】
改質天然ゴムの製造方法としては、例えば、特開2010−138359号公報に記載の製法、すなわち、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを得る工程(A)、及び得られたケン化天然ゴムラテックスをゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(B)を含む製法などが挙げられる。具体的には、先ず天然ゴムラテックスをアルカリでケン化処理してケン化天然ゴムラテックスを調製し、次いで、該ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを、ゴム分に対するリン含有率が200ppm以下になるまで繰り返し水で洗浄し、乾燥する方法などにより改質天然ゴム(ケン化天然ゴム)を製造できる。
【0024】
上記製造方法によれば、ケン化により分離したリン化合物が洗浄除去されるので、天然ゴムのリン含有量を抑えることができる。また、ケン化処理により、天然ゴム中の蛋白質が分解されるので、天然ゴムの窒素含有量を抑えることができる。
【0025】
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。50質量%未満であると、優れた低燃費性、加工性、ウェットグリップ性能が得られない傾向がある。上記改質天然ゴムの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。
【0026】
上記改質天然ゴム以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性、低燃費性をバランスよく向上できるという理由から、BRが好ましい。
【0027】
BRとしては特に限定されず、例えば、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどを使用できる。また、スズ化合物により変性されたスズ変性ブタジエンゴム(スズ変性BR)も使用できる。なかでも、スズ変性BR(例えば、開始剤としてリチウムを用いて重合され、ビニル結合量が5〜50質量%、Mw/Mnが2.0以下、スズ原子の含有量が50〜3000ppmのスズ変性BRなど)が好ましい。
【0028】
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。該BRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。50質量%を超えると、優れた低燃費性、加工性、ウェットグリップ性能が得られない傾向がある。
【0029】
本発明では、米油が使用される。これにより、加工性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性をバランス良く向上できる。
【0030】
米油は、イネ植物の種子、穀粒または米糠から抽出される植物油であり、米糠油、ライスオイルとも呼ばれる。米油は、脂質を主成分とし、脂質以外にも、例えば、γ−オリザノールやステロール等を含んでもよい。
【0031】
米油は、基本的には、常温(25℃)で液体である。米油の融点は、好ましくは20℃以下、より好ましくは17℃以下である。融点が20℃を超えると、常温で固体となり、米油を配合したことにより得られる効果が小さい傾向がある。特に、低温域であるウェット路面ではゴム組成物の弾性率が高くなり過ぎて、ウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。
なお、米油の融点は二重管式温度計に試料を詰めた毛細管を取り付けて温浴で加温することにより測定できる。
【0032】
米油100質量%中の脂質の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。60質量%未満では、米油の純度が低く、米油を配合したことにより得られる効果が小さい傾向がある。なお、脂質の含有量は油の抽出とGC(ガスクロマトグラフィー)分析により測定できる。
【0033】
上記脂質としては、例えば、炭素数が6以上の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸は、遊離脂肪酸として存在してもよいが、通常、エステル化形態、例えばトリアシルグリセロール(TAG)、リン脂質として存在する。
【0034】
米油に含まれる脂肪酸100質量%中のTAGとして存在する脂肪酸の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。50質量%未満では、米油を配合したことにより得られる効果が小さい傾向がある。なお、TAGとして存在する脂肪酸の割合は、GC(ガスクロマトグラフィー)分析により測定できる。
【0035】
上記脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、リノレン酸等が挙げられる。なかでも、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸が好ましい。
【0036】
米油に含まれる脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量は、好ましくは48質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。オレイン酸の含有量の上限は特に限定されない。オレイン酸の含有量が上記範囲内であると、米油を配合したことにより得られる効果がより好適に得られる。
【0037】
米油に含まれる脂肪酸100質量%中のパルミチン酸の含有量は、好ましくは17質量%未満、より好ましくは15質量%未満である。また、上記パルミチン酸の含有量は、好ましくは6質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。パルミチン酸の含有量が上記範囲内であると、米油を配合したことにより得られる効果がより好適に得られる。
【0038】
米油に含まれる脂肪酸100質量%中のリノール酸の含有量は、好ましくは30質量%未満、より好ましくは20質量%未満である。また、上記リノール酸の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上である。リノール酸の含有量が上記範囲内であると、米油を配合したことにより得られる効果がより好適に得られる。なお、上記脂肪酸組成(オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸の含有量)は、特表2009−543561号公報に記載の方法に従い、GLC(気−液クロマトグラフィー)により測定できる。
【0039】
米油は、公知の方法によって、イネ植物の種子、穀粒または米糠から抽出できる。抽出方法としては、例えば、ジエチルエーテル、石油エーテル、クロロホルムとメタノール若しくはブタノールとの混合物等により抽出する方法が挙げられる。
【0040】
米油は、イネ植物の種子、穀粒または米糠から抽出された後に、更に精製されていることが好ましい。精製方法としては、従来公知の方法(例えば、特開2002−253118号公報に記載のアルカリ精製法、蒸留脱酸法等)により行うことができる。また、必要に応じて、多糖類を除去するために、「脱ガム化(de−gummed)」を行ってもよい。また、米油は、必要に応じて、水素化されてもよく、当分野で公知の方法で化学的または酵素的に処理されてもよい。
【0041】
また、特表2009−543561号公報に記載の方法に従い、米油中の脂肪酸組成を変化させることにより、米油中のオレイン酸、パルミチン酸、リノール酸の含有量を上記範囲内に調整することができる。
【0042】
米油の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.1質量部未満であると、米油配合による充分な効果が得られない傾向がある。上記米油の含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。30質量部を超えると、米油がゴム表面にブルームするおそれがある。
【0043】
本発明のゴム組成物には、カーボンブラックを配合することが好ましい。HPNR、米油とともに、カーボンブラックを配合することにより、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性(特に、耐摩耗性)を向上できる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
【0044】
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は70m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。NSAが70m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは300m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましい。NSAが300m/gを超えると、未加硫時の粘度が非常に高くなり、加工性が悪化する傾向がある。また、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
【0045】
本発明のゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。80質量部を超えると、発熱が大きくなる傾向がある。
【0046】
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
【0047】
従来から、タイヤ用ゴム組成物には、空気入りタイヤの耐久性の向上のために通常、各種の老化防止剤が配合されているが、比較的多量(例えば、ゴム成分100質量部に対して、4質量部以上)に配合する必要があった。しかし、老化防止剤は、温度、歪み、オゾンなどの外的刺激を受けると、容易に表面に析出し、更に紫外線などの光によって経時的に分解し、この分解物がタイヤを茶色あるいは茶褐色に変色させていくため、その外観が悪くなり、タイヤの商品価値が低下するという問題があった。
【0048】
一方、本発明では、改質天然ゴムと共に米油を併用することにより、老化防止剤の含有量を低減できる。これは、米油が、時間経過と共にタイヤ表面に移行し、タイヤ表面を保護することにより、老化防止剤を減量しても耐久性の低下を抑制できるものと思われる。本発明では、老化防止剤を減量できるため、タイヤの外観の悪化を防止できる。
【0049】
本発明のゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.5質量部未満では、充分な耐久性が得られないおそれがある。また、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3.5質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。3.5質量部を超えると、タイヤの外観の悪化を招くおそれがある。
【0050】
本発明のゴム組成物において、オイルの含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下、最も好ましくは0質量部(含有しない)である。10質量部を超えると、硬度が低下したり、米油を配合したことにより得られる効果が低くなるおそれがある。
【0051】
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。なお、天然ゴムを使用する場合、上記混練及び加硫前に、通常、バンバリーミキサー等の混練装置を用い、天然ゴム等のゴム成分、素練り促進剤(芳香族ジスルフィド系化合物、芳香族メルカプタン化合物等)等の成分を混練する素練り工程が行われる。素練り工程を行うことにより、加工性が向上する一方、天然ゴム分子が切断され、ゴム強度や耐摩耗性の低下を招くこととなる。一方、本発明では、改質天然ゴム(HPNR)を使用することで優れた加工性が得られるため、素練り工程を省略することができ、生産性の向上と共にゴム強度、耐摩耗性の低下も抑制できる。
【0052】
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、トレッド、サイドウォール)に好適に使用できる。
【0053】
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド、サイドウォール)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
【実施例】
【0054】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0055】
以下、製造例1,2で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックスを使用
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
【0056】
(製造例1)(ケン化天然ゴム1(HPNR1)の合成)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム1(HPNR1))を得た。
【0057】
(製造例2)(ケン化天然ゴム2(HPNR2)の合成)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH15gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム2(HPNR2))を得た。
【0058】
製造例により得られたHPNR1、HPNR2と、後述するゴム組成物の評価で使用したTSRとについて、以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率を測定した。結果を表1に示す。
【0059】
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、天然ゴム約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
【0060】
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所(株)製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDClに溶解して測定した。
【0061】
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
【0062】
【表1】

【0063】
表1に示すように、HPNR1、2は、TSRに比べて、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率が低減している。また、HPNR1、2は、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しなかった。
【0064】
(製造例3)(米油Bの製造)
米油Bは、特表2009−543561号公報の製法に基づいて製造した。
1個の発育中の種子または半分の種子をろ紙の間で押しつぶし、管に入れた。0.5Mナトリウムメトキシド2mlを添加し、管を固く密閉して、その後80℃で10分間インキュベートした。管を冷却した後、氷酢酸0.1mlを添加し、次いで蒸留水2mlおよび石油精油2mlを添加した。混合物を10秒間ボルテックスし、相が分離した後、上部石油層を小さな試験管に移した。重炭酸カリウム/硫酸ナトリウム混合物約1gを試験管に添加し、混合物をボルテックスした。試料溶液をオートサンプラーバイアルに写し、Soutjesdic et al. (2002)によって述べられているようにGC分析を実施するまで冷凍庫において−20℃で保存した。
本方法はBligh and Dyer (1959)から適合された。CHCl/MeOH(1:2)1.5mlを緩衝液0.4ml中の組織試料に添加し、試料を強くボルテックスした。さらなるCHCl 0.5mlを添加し、試料を再びボルテックスした。HO 0.5mlを添加し、試料を再びボルテックスした。相を分離するために管を3000rpmで手早く遠心した;白色沈殿物が界面に出現した。有機(下部)相を新たな管に移し、真空下で濃縮した。酸性脂質を抽出しようとする場合は、HO 0.5mlの代わりに1% HClO 0.5mlを添加した。
脂肪酸含量の定量のための脂肪酸メチルエステル(FAME)の調製
穀粒からFAMEを直接調製するため、10〜15の種子を正確に計量し、ガラス管に移した。1mg/ml 17:0−メチルエステル10μlの内部標準を各々の種子試料に添加した。1Nメタノール−HCl(Supelco)0.75mlを各管に添加し、しっかりと蓋をして、80℃で少なくとも2〜3時間または一晩還流した。試料を冷却し、NaCl(0.9%w/v)0.5ml、次いでヘキサン300μlを添加した。管に再び蓋をし、強くボルテックスした。上部ヘキサン相(200〜250μl)を注意深くエッペンドルフ管に移した。試料を窒素下で完全に乾燥した。乾燥したFAME試料をヘキサン20μlに溶解し、GC分析のためにバイアル中の円錐形ガラスインサートに移した。
ガスクロマトグラフィーによるFA分析
脂肪酸メチルエステルを、以下のようにアルカリメチル基転移によって調製した。単一種子試料をろ紙ディスクの間で押しつぶした。ろ紙ディスクに移した脂質中の脂肪酸を、次に、0.02Mナトリウムメトキシド2mL中80℃で10分間メチル化し、その後30分間冷却した。氷酢酸0.1mLを添加し、次いで蒸留水2mLおよびヘキサン2mLを順に添加した。ボルテックスし、相を分離した後、脂肪酸メチルエステルを含む上部ヘキサン層をマイクロバイアルに移した。脂肪酸メチルエステルを、先に述べられているように(Stoutjesdijk et al., 2002)気−液クロマトグラフィーによって分析した。
イネ(日本晴品種)(cv.Nipponbare)を以下のように形質転換した。
i)カルスの誘導と培養
成熟穀粒からもみ殻を取り除き、その後70% EtOHに30秒間浸漬してろうの外層を除去した。清浄にした穀粒を滅菌水で3回洗浄し、表面滅菌するために振とうしながら25%漂白剤の溶液(Tween20界面活性剤2滴を添加)に20分間浸漬した。無菌条件下で、穀粒を70% EtOHで手早くすすぎ、滅菌水で8〜10回十分に洗浄して、N6D培地に塗布した。プレートを微小孔テープで密閉し、自然光の下で(under fulllight)28℃でインキュベートした。6〜8週間後にカルスが生成され、それらをNB培地に移した。パラフィン紙で密閉し、4週間ごとに新鮮NBプレートに継代培養しながら28℃で放置した。5継代以降のカルスは形質転換に使用しなかった。
ii)形質転換
健康に見えるカルスを継代培養プレートから採取し、25〜30カルス/プレートの密度で新鮮NBプレートに移した。2日後、特表2009−543561号公報に記載のアグロバクテリウム株の新鮮培養物を樹立し、28℃でインキュベートした。培養培地は、アセトシリンゴン100μMを添加したNB培地であった。カルスを細胞の懸濁液に10分間液浸した。過剰の懸濁液を廃棄した後、アセトシリンゴン100μMを添加したNB培地にカルスを置き、暗所にて25℃で3日間インキュベートした(共培養)。共培養工程後、カルスを管の中で150mg/mlチメンチン(Timentin)を含む滅菌水で静かに3回洗浄した。カルスをろ紙に乾燥ブロットし、十分な間隔を置いてNBCTプレート(カナマイシン選択マーカ遺伝子を使用する場合は100μg/mlカナマイシンまたは適宜に他の選択薬剤、150μg/mlチメンチン及び200μg/mlクラフォラン(Claforan)を含有する)に塗布した。プレートを暗所にて26〜28℃で3〜4週間インキュベートした。耐性カルスが約10日後に認められ、NBCT+選択プレートに移して、更に14〜21日間暗所でインキュベートした。健康なカルスをPRCT+選択プレートに移し、暗所で8〜12日間インキュベートして、その後RCT+選択プレートに移し、自然光の下、28℃で30日間インキュベートした。この期間後、発生した小植物体を組織培養鉢中の1/2MS培地に移し、さらなる成長のために光下で10〜14日間インキュベートした後、土壌に移した。
形質転換イネ植物の穀粒および葉試料から得られた米油に含まれる脂肪酸の割合は以下の通りである。
米油に含まれる脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量:65質量%、米油に含まれる脂肪酸100質量%中のパルミチン酸の含有量:13質量%、米油に含まれる脂肪酸100質量%中のリノール酸の含有量:13質量%
【0065】
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
HPNR1,2:上記製造例1,2で調製したHPNR1,2
NR:TSR
BR:日本ゼオン(株)製のBR1250H(スズ変性BR、開始剤としてリチウムを用いて重合、ビニル結合量:10〜13質量%、Mw/Mn:1.5、スズ原子の含有量:250ppm)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(NSA:114m/g)
素練促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSD
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸「椿」
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
合成ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
米油A:築野食品(株)製(融点:−5℃、米油に含まれる脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量:41質量%、米油に含まれる脂肪酸100質量%中のパルミチン酸の含有量:17質量%、米油に含まれる脂肪酸100質量%中のリノール酸の含有量:37質量%)
米油B:上記製造例3で調製した(特表2009−543561号公報の製法に基づいて製造された)米油(米油に含まれる脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量:65質量%、米油に含まれる脂肪酸100質量%中のパルミチン酸の含有量:13質量%、米油に含まれる脂肪酸100質量%中のリノール酸の含有量:13質量%)
【0066】
実施例1〜7及び比較例1〜3
表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を150℃で3分間混練りした。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して80℃で1分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。なお、TSRを使用した比較例1〜3では、TSRのゴム成分100質量部に対して素練促進剤を0.2質量部添加して、1.7Lバンバリーミキサーを用いてあらかじめ素練りを行った。一方、実施例1〜7では、天然ゴム(HPNR)の素練りを行わなかった。
次に、得られた未加硫ゴム組成物をタイヤ成型機上でトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせて未加硫タイヤを作製した。未加硫タイヤを150℃で30分間加硫することにより試験用タイヤを製造した。
【0067】
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表2に示す。
【0068】
(加工性)
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K6300に準拠したムーニー粘度の測定方法に従い、130℃でムーニー粘度を測定した。比較例3のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した(ムーニー粘度指数) 。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニ一粘度指数)=(比較例3のML1+4)/(比較例3以外のML1+4)×100
【0069】
(低燃費性(転がり抵抗))
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定し、比較例3の損失正接を100として、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低燃費性)に優れることを示す。
(転がり抵抗指数) = (比較例3のtanδ)/(比較例3以外のtanδ)×100
【0070】
(ウェットグリップ性能指数)
アンチロックブレーキシステム(ABS)評価試験により得られた制動性能をもとにして、ウェットグリップ性能を評価した。すなわち、1800cc級のABSが装備された乗用車に試験用タイヤを装着して、アスファルト路面(ウェット路面状態、スキッドナンバー約50)を実車走行させ、時速100km/hの時点でブレーキをかけ、乗用車が停止するまでの減速度を算出した。ここで、本発明でいう減速度とは、乗用車が停止するまでの距離である。そして、比較例3のウェットグリップ性能指数を100とし、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。ウェットグリップ性能指数が大きいほど、制動性能が良好であり、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(比較例3の減速度)/(比較例3以外の減速度)×100
【0071】
(耐摩耗性)
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。比較例3の容積損失量を100として指数表示した。なお指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例3の容積損失量)/(比較例3以外の容積損失量)×100
【0072】
(耐候性試験)
製造した試験用タイヤをJIS K 6259「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に準じて、温度40℃、オゾン濃度50ppmの管理室内で、3万km走行させた後、サイドウォール表面の亀裂数と亀裂深さを目視で観察し、5段階で評価した。数字が大きいほど、耐久性(オゾン耐久性)に優れることを示す。
5:亀裂数と亀裂深さがなく、優良である
4:亀裂数と亀裂深さがほとんどなく、良い(許容レベル)
3:亀裂数と亀裂深さの度合いが小である(敏感ユーザーでクレームレベル)
2:亀裂数と亀裂深さの度合いが中である(クレームレベル)
1:亀裂数と亀裂深さの度合いが大である(クレームレベル)
【0073】
【表2】

【0074】
リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと米油とを含む実施例は、加工性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性をバランス良く向上できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと米油とを含むタイヤ用ゴム組成物。
【請求項2】
前記米油に含まれる脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量が48質量%以上である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項3】
前記米油に含まれる脂肪酸100質量%中のパルミチン酸の含有量が17質量%未満である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
前記米油に含まれる脂肪酸100質量%中のリノール酸の含有量が30質量%未満である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項5】
前記改質天然ゴムが、天然ゴムラテックスをケン化処理し、得られたケン化天然ゴムラテックスをゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄して得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項6】
前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.3質量%以下、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2012−122016(P2012−122016A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274737(P2010−274737)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】