説明

タイン取付構造

【課題】タインを支柱フレームに容易に組み付けることができるタイン取付構造を提供することを目的とする。
【解決手段】タイン22は、上下向きの姿勢で作物に作用する作用部32と、作用部32の上部に備えられるコイル部33と、コイル部33から側面視にて上方に延出される延出部34と、延出部34から前後方向に延出されて支持フレーム20に連結される取付部35と、を備え、取付部35とコイル部33との間に支持フレーム20が入り込むように、取付部35が支持フレーム20の上部に置かれて、タイン22が取付部35により支持フレーム20に支持された状態で、取付部35が支持フレーム20に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイン取付構造に関し、より詳細には、普通型コンバインにおける掻込みリールへのタイン取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、横向き軸心周りに回転駆動される右及び左のリールフレームと、右及び左のリールフレームに亘って横向きに取り付けられる支持フレームと、を備える掻込みリールへのタイン取付構造が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1において、タインは、上下向きの姿勢で作物に作用する垂下棒状部(作用部)と、垂下棒状部の上部に備えられるコイルばね部(コイル部)と、タイン支柱バー(支柱フレーム)と一体的に設けられたチャンネル部材の側面にボルトにより連結される被取付部(取付部)と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−172535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、タインをタイン支柱バーに組み付けるに際して、タインを手で持ちながらボルトで固定しなければならないため、タインをタイン支柱バーに組み付ける点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、タインを支柱フレームに容易に組み付けることができるタイン取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴は、横向き軸心周りに回転駆動される右及び左のリールフレームと、前記右及び左のリールフレームに亘って横向きに取り付けられる支持フレームと、を備える掻込みリールへのタイン取付構造であって、前記タインは、上下向きの姿勢で作物に作用する作用部と、前記作用部の上部に備えられるコイル部と、前記コイル部から側面視にて上方に延出される延出部と、前記延出部から前後方向に延出されて前記支持フレームに連結される取付部と、を備え、前記取付部と前記コイル部との間に前記支持フレームが入り込むように、前記取付部が前記支持フレームの上部に置かれて、前記タインが前記取付部により前記支持フレームに支持された状態で、前記取付部が前記支持フレームに連結されている、点にある。
【0007】
本発明の第1特徴によると、タインを支持フレームに組み付けるに際して、タインが取付部を介して支持フレームに仮支持されるため、タインから手を離してもタインが支柱フレームから落ち難いので、タインを支持フレームに容易に組み付けることができる。
【0008】
本発明の第2特徴は、横向き軸心周りに回転駆動される右及び左のリールフレームと、前記右及び左のリールフレームに亘って横向きに取り付けられる支持フレームと、を備える掻込みリールへのタイン取付構造であって、前記タインは、上下向きの姿勢で作物に作用する作用部と、前記作用部の上部に備えられるコイル部と、前記コイル部から側面視にて下方に延出される延出部と、前記延出部から前後方向に延出されて前記支持フレームに連結される取付部と、を備え、前記取付部と前記コイル部との間に前記支持フレームが入り込むように、前記コイル部が前記支持フレームの上部に置かれて、前記タインが前記コイル部により前記支持フレームに支持された状態で、前記取付部が前記支持フレームに連結されている、点にある。
【0009】
本発明の第2特徴によると、タインを支持フレームに組み付けるに際して、タインがコイル部を介して支持フレームに仮支持されるため、タインから手を離してもタインが支柱フレームから落ち難いので、タインを支持フレームに容易に組み付けることができる。
また、コイル部が支持フレームの上側にあるため、藁が支持フレームで遮られるので、コイル部での藁の巻きつきを低減することができる。これにより、例えば、コイル部に藁が巻きつくと、この巻きついた藁にさらに藁が巻きついて塊となり、この塊が刈取部の搬送装置に混入すると、詰まりの原因となり易いが、このようなことを防止することができる。
【0010】
本発明の第3特徴は、前記取付部と前記コイル部との間に前記支持フレームが入り込んだ状態で、前記取付部と前記コイル部とが前記支持フレームの上部と下部とに接するように、前記取付部と前記コイル部との上下間隔が設定される、点にある。
【0011】
本発明の第3特徴によると、タインが取付部とコイル部とで支持フレームを挟持するため、タインが振動し難くなって、タインを支持フレームに確実に組み付けることができる。
【0012】
本発明の第4特徴は、前記タインは、所定の左右間隔をあけて配置される右及び左の前記作用部と、前記右及び左の作用部の上部に備えられる右及び左の前記コイル部と、前記右及び左のコイル部に亘って形成される前記延出部と、前記延出部に備えられる単一の前記取付部と、を備える、点にある。
【0013】
本発明の第4特徴によると、取付部が単一であることにより構造の簡素化を図りながら、タインが取付部と右及び左のコイル部との三箇所で支持フレームを挟持することにより、タインがより振動し難くなるため、タインを支持フレームにさらに確実に組み付けることができる。
【0014】
本発明の第5特徴は、前記タインは、一本の線材が曲げられることにより一体的に形成され、前記取付部は、前記線材が曲げられることにより凹部状に形成され、前記凹部にボルトが挿入されて締め込まれることにより、前記取付部が前記ボルトの頭部と前記支持フレームとの間に挟み込まれ、前記掻込みリールの回転に伴う作物からの反力により前記タインが前記支持フレーム周りにて前方に揺動しようとする状態で、前記タインの揺動方向が前記ボルトの前記凹部の底部分への入り込む方向となるように、前記凹部の前後方向の向きが設定されている、点にある。
【0015】
本発明の第5特徴によると、作物からの反力がタインに作用することにより、取付部の凹部の底部分にボルトが深く入り込むため、タインが支柱フレームに強固に組み付けられるので、タインを支柱フレームから外れ難くすることができる。
【0016】
本発明の第6特徴は、前記コイル部は、前記支持フレームに沿った横向きの軸心周りの一重巻きとされている、点にある。
【0017】
本発明の第6特徴によると、コイル部の巻数が減少するため、コイル部での藁の巻きつきを低減することができる。これにより、例えば、コイル部に藁が巻きつくと、この巻きついた藁にさらに藁が巻きついて塊となり、この塊が刈取部の搬送装置に混入すると、詰まりの原因となり易いが、このようなことを防止することができる。また、コイル部の巻数が減少するため、材料費及び加工費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態に係るタイン取付構造を備えるコンバインを示す側面図。
【図2】本発明の第一実施形態に係る掻込みリールを示す正面図。
【図3】(a)本発明の第一実施形態に係るタインを示す側面図。(b)同じく背面図。(c)同じく斜視図。
【図4】(a)本発明の第二実施形態に係るタインを示す側面図。(b)同じく背面図。(c)同じく斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づき説明する。
【0020】
先ず、本発明の第一実施形態に係るタイン取付構造を備えるコンバインについて、図1により説明する。
【0021】
図1に示すように、コンバインは、いわゆる普通型コンバインである。コンバインは、機体を走行させる右及び左のクローラ式走行装置1を備える。右及び左のクローラ式走行装置1の上部には、機体フレーム2が備えられる。機体フレーム2の前方には、穀稈を刈り取る刈取部3が備えられる。刈取部3の後部には、刈り取った穀稈を搬送するフィーダ4が備えられる。また、機体フレーム2上には、搬送された穀稈を脱穀する脱穀部5と、脱穀後の穀粒を貯留する穀粒貯留部6と、が左右に並べて備えられる。穀粒貯留部6の前方には、オペレータが搭乗する運転部7が備えられる。運転部7には、図示しない操作ペダルや操作レバー等の操作具類が備えられる。
【0022】
このような構成により、コンバインは、運転部7でオペレータが前記操作具類を操作することによって、右及び左のクローラ式走行装置1によって機体を走行させながら、刈取部3で圃場の穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈をフィーダ4で脱穀部5側へ搬送し、搬送された穀稈を脱穀部5で脱穀し、脱穀後の穀粒を穀粒貯留部6に貯留する。
【0023】
フィーダ4は、脱穀部5の前部から刈取部3に向かって、前斜め下方に延設される。フィーダ4の前端部には、刈取部3の刈取フレーム11が連結される。また、フィーダ4の後端部には、図示しないエンジンからの動力が入力される入力軸8が設けられる。フィーダ4の内部には、刈り取った穀稈を搬送するコンベヤ9が設けられる。前記エンジンからの動力が入力軸8に伝達されることにより、コンベヤ9が駆動される。また、フィーダ4は、入力軸8を介して揺動可能に支持されるとともに、フィーダ4と機体フレーム2との間には、油圧シリンダ10が設けられる。油圧シリンダ10が伸縮することにより、フィーダ4が入力軸8を支点にして揺動される。
【0024】
刈取部3は、フィーダ4の前端部に連結される刈取フレーム11を備える。刈取フレーム11の前部上方には、刈取対象の穀稈を掻き込む掻込みリール12が備えられる。刈取フレーム11は、刈取フレーム11の側部を成す右及び左の側壁13と、刈取フレーム11の底部を成すプラットホーム14と、を備える。右及び左の側壁13の前端部には、圃場の穀稈を刈取対象と非刈取対象とに分草する右及び左のデバイダ15が設けられる。右及び左の側壁13の後部には、刈り取った穀稈を搬送するオーガ17が回転可能に支持される。また、プラットホーム14の前端縁には、掻き込んだ刈取対象の穀稈を切断して刈り取るバリカン型の刈刃16が設けられる。
【0025】
このような構成により、油圧シリンダ10が伸縮して、フィーダ4が入力軸8を支点にして揺動すると、刈取部3が上昇又は下降して非作業状態と作業状態とに切り換えられる。刈取部3は、作業状態において、右及び左のデバイダ15で圃場の穀稈を刈取対象と非刈取対象とに分草し、刈取対象の穀稈を掻込みリール12で掻き込み、掻き込んだ刈取対象の穀稈を刈刃16で切断して刈り取り、刈り取った穀稈をオーガ17でフィーダ4側へ搬送する。
【0026】
次に、掻込みリール12について、図1及び図2により説明する。
【0027】
図1及び図2に示すように、掻込みリール12は、右及び左の支持アーム18と、右及び左のリールフレーム19と、五本の支持フレーム20と、補助リールフレーム21と、複数のタイン22と、を備える。
【0028】
支持アーム18は、その基部が揺動軸18aを介して刈取フレーム11に揺動可能に支持される。右及び左の支持アーム18の先端部には、回転軸23が横向き(左右方向)に架設される。また、右及び左の支持アーム18と刈取フレーム11との間には、右及び左の油圧シリンダ24が設けられる。右及び左の油圧シリンダ24が伸縮することにより、右及び左の支持アーム18が揺動軸18aを支点にして揺動される。
【0029】
リールフレーム19は、側面視にて略五角形状に形成される。リールフレーム19は、五本のリールアーム27を備える。五本のリールアーム27は、側面視にて回転軸23側から略放射状に延設される。各リールアーム27の先端部には、ブロック28が設けられるとともに、五つのブロック28に亘って帯板29が側面視にて略五角形状に巻回される。
【0030】
また、右及び左のリールフレーム19は、回転軸23の左右両端部にそれぞれ設けられる。リールフレーム19は、回転軸23に軸心X1周りに回転可能に支持される。また、回転軸23の左端部には、ベルト25が巻回されるプーリ26が設けられる。前記エンジンからの動力がベルト25及びプーリ26等を介して回転軸23に伝達されることにより、右及び左のリールフレーム19が矢印A方向に回転駆動される。
【0031】
支持フレーム20は、右及び左のリールフレーム19に亘って横向き(左右方向)に取り付けられる。支持フレーム20は、右及び左のブロック28に回転可能に支持される。支持フレーム20には、複数のタイン22が支持フレーム20の長手方向に沿って所定の左右間隔をあけて取り付けられる。
【0032】
補助リールフレーム21は、本実施形態では正面視で左方のリールフレーム19側に備えられる。補助リールフレーム21は、側面視にて略五角形状に形成される。補助リールフレーム21は、リールフレーム19の軸心X1とは異なる軸心X2周りに回転可能に支持される。補助リールフレーム21は、その各頂部(五つの頂部)がリンク31を介して支持フレーム20に連結される。リンク31は、その一端部が支持フレーム20に固定されるとともに、その他端部が補助リールフレーム21に回転可能に支持される。
【0033】
このような構成により、右及び左の油圧シリンダ24が伸縮して、右及び左の支持アーム18が揺動軸18aを支点にして揺動すると、掻込みリール12が上昇又は下降して非作業状態と作業状態とに切り換えられる。掻込みリール12は、作業状態において、右及び左のリールアーム27が軸心X1周りに矢印A方向に回転すると、リールアーム27とともに支持フレーム20及びタイン22も軸心X1周りに矢印A方向に回転する。こうして、タイン22が軸心X1周りに矢印方向Aに回転することにより、タイン22が上下向きの姿勢で刈取対象の穀稈に作用して、刈取対象の穀稈が掻込みリール12によって描き込まれる。このとき、補助リールフレーム21が軸心X2周りに回転し、補助リールフレーム21の回転がリンク31を介して支持フレーム20に伝達されることにより、タイン22の姿勢が上下向きに保持される。
【0034】
次に、タイン22について、図3により説明する。
【0035】
図3に示すように、タイン22は、右及び左の作用部32と、右及び左のコイル部33と、延出部34と、取付部35と、を備える。タイン22は、一本の線材(例えば、ピアノ線等)が曲げられることにより一体的に形成される。タイン22は、その左右中心Cを軸にして左右対称に形成される。
【0036】
作用部32は、上下向きの姿勢で作物に作用する。作用部32は、その上下中途部にて後斜め下方に折り曲げられて延設される。作用部32の基端部(コイル部33側の端部)は、支持フレーム20よりも下方に配置される。右及び左の作用部32は、所定の左右間隔をあけて配置される。
【0037】
コイル部33は、作用部32の上部に備えられる。コイル部33は、支持フレーム20の下側に配置される。コイル部33は、支持フレーム20に沿った横向き(左右方向)軸心周りの一重巻とされる。
【0038】
延出部34は、コイル部33から側面視にて上方に延出されるとともに、右及び左のコイル部33に亘って形成される。具体的には、延出部34は、背面視にて右及び左のコイル部33から支持フレーム20の後部に沿ってタイン22の左右中心Cに向かう斜め上方に延出され、支持フレーム20の上部にて合流するように形成される。なお、この合流部に取付部35が形成される。
【0039】
取付部35は、延出部34から前方向に延出されて支持フレーム20に連結される。取付部35は、本実施形態ではボルト36により支持フレーム20に連結される。取付部35は、支持フレーム20の上側に配置される。取付部35は、前記線材が曲げられることにより凹部状(平面視にて略U字状)に形成される。本実施形態では、単一の取付部35がタイン22の左右中心Cに形成される。また、取付部35の凹部35aには、ボルト36が挿入される。なお、支持フレーム20には、ボルト36が挿入されるボルト孔20aが形成される。取付部35の凹部35aにボルト36が上方から挿入されて締め込まれることにより、取付部35がボルト36の頭部36aと支持フレーム20との間に挟みこまれる。また、取付部35の凹部35aは、その凹む向きが本実施形態では前方向に設定される。これにより、掻込みリール12の回転に伴う作物からの反力によりタイン22が支持フレーム20周りにて前方(図3(a)の紙面左方)に揺動しようとする状態で、タイン22の揺動方向(前方向)がボルト36の凹部35aの底部分への入り込む方向となる。
【0040】
ここで、取付部35と右及び左のコイル部33との上下間には、支持フレーム20が入り込むことになるが、取付部35と右及び左のコイル部33との上下間隔hは、次のようにして設定される。つまり、取付部35と右及び左のコイル部33との上下間に支持フレーム20が入り込んだ状態で、取付部35と右及び左のコイル部33とが支持フレーム20の上部と下部とに接するように、上下間隔hが設定される。
【0041】
このような構成により、タイン22は、次ぎのようにして支持フレーム20に取り付けられる。
【0042】
先ず、取付部35と右及び左のコイル部33との上下間に、支持フレーム20が入り込むように、取付部35が支持フレーム20の上部に置かれる。このとき、取付部35と右及び左のコイル部33との上下間に、支持フレーム20が入り込んだ状態で、延出部34が支持フレーム20の後部に接する。そして、タイン22が取付部35により支持フレーム20に支持された状態で、取付部35が支持フレーム20に連結される。具体的には、取付部35の凹部35a及び支持フレーム20のボルト孔20aに、ボルト36が挿入されて締め込まれることにより、取付部35が支持フレーム20に連結される。こうして、タイン22を支持フレーム20に組み付けるに際して、タイン22が取付部35を介して支持フレーム20に仮支持されるため、タイン22から手を離してもタイン22が支柱フレーム20から落ち難いので、タイン22を支持フレーム20に容易に組み付けることができる。
【0043】
ここで、支持フレーム20のボルト20aの周囲には、平面部20bが形成される。平面部20bは、例えば、支持フレーム20が略平面状に押し潰されて形成される。平面部20bは、取付部35の幅(左右方向に長さ)に合わせて形成される。つまり、平面部20bの幅は、取付部35の幅以上に形成される。これにより、取付部35が平面部20bに置かれることにより、取付部35と支持フレーム20との接触面積が大きくなるため、タイン22を支持フレーム20に確実に組み付けることができる。
【0044】
次に、本発明の第二実施形態に係るタイン取付構造について、図4により説明する。なお、第一実施形態と同一符号の部材については、第一実施形態と同一構造であるため詳細な説明を省略する。
【0045】
第二実施形態に係るタイン122は、第一実施形態に係るタイン22と主として次の点で相違する。つまり、図4に示すように、第二実施形態に係るタイン122は、支持フレーム20の上側に配置される右及び左のコイル部133と、コイル部133から側面視にて下方に延出される延出部134と、支持フレーム20の下側に配置されるとともに、延出部134から後方向に延出される取付部135と、を備える点で、第一実施形態に係るタイン22と相違する。
【0046】
タイン122は、右及び左の作用部132と、右及び左のコイル部133と、延出部134と、取付部135と、を備える。タイン122は、一本の線材(例えば、ピアノ線等)が曲げられることにより一体的に形成される。タイン122は、その左右中心Cを軸にして左右対称に形成される。
【0047】
作用部132は、上下向きの姿勢で作物に作用する。作用部132は、その上下中途部にて後斜め下方に折り曲げられて延設される。作用部132の基端部(コイル部133側の端部)は、支持フレーム20よりも上方に配置される。右及び左の作用部132は、所定の左右間隔をあけて配置される。
【0048】
コイル部133は、作用部132の上部に備えられる。コイル部133は、支持フレーム20の上側に配置される。コイル部133は、支持フレーム20に沿った横向き(左右方向)軸心周りの一重巻きとされる。
【0049】
延出部134は、コイル部133から側面視にて下方に延出されるとともに、右及び左のコイル部133に亘って形成される。具体的には、延出部134は、背面視にて右及び左のコイル部133から支持フレーム20の後部に沿ってタイン122の左右中心Cに向かう斜め下方に延出され、支持フレーム20の下部にて合流するように形成される。なお、この合流部に取付部135が形成される。
【0050】
取付部135は、延出部134から後方向に延出されて支持フレーム20に連結される。取付部135は、本実施形態ではボルト36により支持フレーム20に連結される。取付部135は、支持フレーム20の下側に配置される。取付部135は、前記線材が曲げられることにより凹部状(平面視にて略U字状)に形成される。本実施形態では、単一の取付部135がタイン122の左右中心Cに形成される。また、取付部135の凹部135aには、ボルト36が挿入される。取付部135の凹部135aにボルト36が下方から挿入されて締め込まれることにより、取付部135がボルト36の頭部36aと支持フレーム20との間に挟みこまれる。また、取付部135の凹部135aは、その凹む向きが本実施形態では後方向に設定される。これにより、掻込みリール12の回転に伴う作物からの反力によりタイン122が支持フレーム20周りにて前方(図4(a)の紙面左方)に揺動しようとする状態で、タイン122の揺動方向(前方向)がボルト36の凹部135aの底部分への入り込む方向となる。
【0051】
ここで、取付部135と右及び左のコイル部133との上下間には、支持フレーム20が入り込むことになるが、取付部135と右及び左のコイル部133との上下間隔hは、次のようにして設定される。つまり、取付部135と右及び左のコイル部133との上下間に支持フレーム20が入り込んだ状態で、取付部135と右及び左のコイル部133とが支持フレーム20の上部と下部とに接するように、上下間隔hが設定される。
【0052】
このような構成により、タイン122は、次ぎのようにして支持フレーム20に取り付けられる。
【0053】
先ず、取付部135と右及び左のコイル部133との上下間に、支持フレーム20が入り込むように、コイル部133が支持フレーム20の上部に置かれる。このとき、取付部135と右及び左のコイル部133との上下間に、支持フレーム20が入り込んだ状態で、延出部134が支持フレーム20の前部に接する。そして、タイン122がコイル部133により支持フレーム20に支持された状態で、取付部135が支持フレーム20に連結される。具体的には、取付部135の凹部135a及び支持フレーム20のボルト孔20aに、ボルト36が挿入されて締め込まれることにより、取付部135が支持フレーム20に連結される。こうして、タイン122を支持フレーム20に組み付けるに際して、タイン122が取付部135を介して支持フレーム20に仮支持されるため、タイン122から手を離してもタイン122が支柱フレーム20から落ち難いので、タイン122を支持フレーム20に容易に組み付けることができる。
【0054】
なお、支持フレーム20の平面部20bは、取付部135の幅(左右方向に長さ)に合わせて形成される。つまり、平面部20bの幅は、取付部135の幅以上に形成される。これにより、取付部135が平面部20bに置かれることにより、取付部135と支持フレーム20との接触面積が大きくなるため、タイン122を支持フレーム20に確実に組み付けることができる。
【0055】
なお、本発明の実施形態は、以下のようなものであってもよい。
【0056】
第一及び第二実施形態では、タイン22(122)は、取付部35(135)がボルト36により支持フレーム20に連結されるものであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、タイン22(122)は、取付部35(135)が溶接により支持フレーム20に連結されるものであってもよい。
【0057】
また、第一及び第二実施形態では、タイン22(122)は、単一の取付部35(135)を備えるものであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、タイン22(122)は、複数の取付部35(135)を備えるものであってもよい。また、タイン22(122)は、一の作用部32(132)と、一のコイル部33(133)と、一の取付部35(135)と、を備えるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、普通型コンバインにおける掻込みリールへのタイン取付構造に利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
12 掻込みリール
19 リールフレーム
20 支持フレーム
22 タイン
32 作用部
33 コイル部
34 延出部
35 取付部
35a 凹部
36 ボルト
36a 頭部
122 タイン
132 作用部
133 コイル部
134 延出部
135 取付部
135a 凹部
h 上下間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横向き軸心周りに回転駆動される右及び左のリールフレームと、前記右及び左のリールフレームに亘って横向きに取り付けられる支持フレームと、を備える掻込みリールへのタイン取付構造であって、
前記タインは、上下向きの姿勢で作物に作用する作用部と、前記作用部の上部に備えられるコイル部と、前記コイル部から側面視にて上方に延出される延出部と、前記延出部から前後方向に延出されて前記支持フレームに連結される取付部と、を備え、
前記取付部と前記コイル部との間に前記支持フレームが入り込むように、前記取付部が前記支持フレームの上部に置かれて、前記タインが前記取付部により前記支持フレームに支持された状態で、前記取付部が前記支持フレームに連結されているタイン取付構造。
【請求項2】
横向き軸心周りに回転駆動される右及び左のリールフレームと、前記右及び左のリールフレームに亘って横向きに取り付けられる支持フレームと、を備える掻込みリールへのタイン取付構造であって、
前記タインは、上下向きの姿勢で作物に作用する作用部と、前記作用部の上部に備えられるコイル部と、前記コイル部から側面視にて下方に延出される延出部と、前記延出部から前後方向に延出されて前記支持フレームに連結される取付部と、を備え、
前記取付部と前記コイル部との間に前記支持フレームが入り込むように、前記コイル部が前記支持フレームの上部に置かれて、前記タインが前記コイル部により前記支持フレームに支持された状態で、前記取付部が前記支持フレームに連結されているタイン取付構造。
【請求項3】
前記取付部と前記コイル部との間に前記支持フレームが入り込んだ状態で、前記取付部と前記コイル部とが前記支持フレームの上部と下部とに接するように、前記取付部と前記コイル部との上下間隔が設定される請求項1又は2に記載のタイン取付構造。
【請求項4】
前記タインは、所定の左右間隔をあけて配置される右及び左の前記作用部と、前記右及び左の作用部の上部に備えられる右及び左の前記コイル部と、前記右及び左のコイル部に亘って形成される前記延出部と、前記延出部に備えられる単一の前記取付部と、を備える請求項3に記載のタイン取付構造。
【請求項5】
前記タインは、一本の線材が曲げられることにより一体的に形成され、
前記取付部は、前記線材が曲げられることにより凹部状に形成され、
前記凹部にボルトが挿入されて締め込まれることにより、前記取付部が前記ボルトの頭部と前記支持フレームとの間に挟み込まれ、
前記掻込みリールの回転に伴う作物からの反力により前記タインが前記支持フレーム周りにて前方に揺動しようとする状態で、前記タインの揺動方向が前記ボルトの前記凹部の底部分への入り込む方向となるように、前記凹部の前後方向の向きが設定されている請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載のタイン取付構造。
【請求項6】
前記コイル部は、前記支持フレームに沿った横向きの軸心周りの一重巻きとされている請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載のタイン取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−110983(P2013−110983A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257985(P2011−257985)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】