説明

タッチパネルを備えたゲーム機

【課題】年齢に拘わらず誰でも容易にゲーム展開に使用するゲームアイテムの選択を行うことが出来るタッチパネルを備えたゲーム機を提供する。
【解決手段】タッチパネル6を備えたゲーム機1の制御装置11が、タッチパネル11にルーレット盤Rを表示する手順と、ルーレット盤Rの回転速度を演算する手順と、ルーレット盤RのエリアE1,E2,E3に回転速度に対応したゲームアイテムAを割り付ける手順と、ゲームプレーヤの指fがタッチしているルーレット盤Rのエリアを検出する手順と、ルーレット盤Rのゲームプレーヤの指fがタッチしているエリアに割り付けられているゲームアイテムを選択しディスプレイ5に表示してゲームを展開する手順とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タッチパネルを備えたゲーム機の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
アミューズメント施設等の遊戯施設に設置されるゲーム機には様々なタイプのものがあり、近年、タッチパネルを備えたものが開発されていて、ゲームプレーヤ(ユーザ)がこのタッチパネルからの入力操作によって、ディスプレイに表示された種々のキャラクタを移動させたりする等の様々な動作を行わせることにより、それ以前は考えられなかった種々のゲームを展開することが出来るようになって来ている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来のタッチパネルから入力操作を行うことによってゲームを展開するゲーム機は、それまでのレバーや釦等の操作によってゲームを展開するゲーム機とは入力操作が異なるため、ゲームプレーヤが不慣れな場合が多く、ゲーム中の操作に戸惑ったりして、特に幼児や年少者対象のゲーム機には不向きな場合が多い。
【0004】
このため、操作が容易で誰でも楽しむことが出来るタッチパネルを備えたゲーム機の開発が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】特開2005−319136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上記のようなタッチパネルから入力操作を行うことによってゲームを展開するゲーム機に対する従来からの要望を満たすために為されたものであって、操作が容易で誰でも楽しむことが出来るゲーム機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明(請求項1に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、上記目的を達成するために、ディスプレイと、タッチパネルと、このタッチパネルから入力される入力操作に基づいてディスプレイにゲーム画像を表示してゲームを展開する制御装置とを備え、前記制御装置が、回転面が複数のエリアに区画された回転体をタッチパネルに表示してこの回転体をタッチパネルにタッチした入力操作の動きに対応した回転速度で回転させる回転体表示手順と、この回転体表示手順によってタッチパネルに表示された回転体の回転速度を演算する回転速度演算手順と、ディスプレイにおいて展開されるゲームに使用されるゲームアイテムを回転速度演算手順によって演算された回転体の回転速度に対応して回転体の各エリアに割り付けるゲームアイテム割付手順と、このゲームアイテム割付手順によるゲームアイテムの割付後にタッチパネルの回転体が表示されている部分への入力手段によるタッチによって回転体の回転を停止させるとともに入力手段がタッチしている回転体のエリアを検出するエリア検出手順と、このエリア検出手順によって検出された回転体のエリアに割り付けられているゲームアイテムを選択してディスプレイに表示してゲームを展開するゲームアイテム選択手順とを備えていることを特徴としている。
【0008】
この第1の発明によるタッチパネルを備えたゲーム機は、制御装置の回転体表示手順によって、タッチパネルに回転面が複数のエリアに区画された回転体が表示される。
【0009】
そして、この回転体がタッチパネルにタッチした入力手段の動きに対応した回転速度で回転される。
【0010】
この回転体の回転速度は回転速度演算手順によって検出され、この回転体演算手順によって演算された回転体の回転速度に対応して、ゲームアイテム表示手順によって、ディスプレイにおいて展開されるゲームに使用される種々のゲームアイテムが回転体の各エリアに割り付けられる。
【0011】
この状態で、タッチパネルの回転体が表示されている部分に入力手段によるタッチがあると、エリア検出手順によって回転体の回転が停止されるとともに入力手段がタッチしている回転体のエリアが検出される。
【0012】
そして、ゲームアイテム選択手順によって、エリア検出手順により検出された回転体のエリアに割り付けられているゲームアイテムが選択されてディスプレイに表示されることにより、ディスプレイにおいてゲームが展開される。
【0013】
以上のように、上記第1の発明によれば、タッチパネルを入力操作手段として用い、しかも簡単な操作でゲームにおいて使用するゲームアイテムの選択を行うことが出来るので、例えば年少者等、誰でも容易にゲームを楽しむことが出来るとともに、タッチパネルに表示されるゲームアイテムを選択するための回転体の回転速度を任意に設定して、ゲームの進行に有利なゲームアイテムとそのゲームアイテムの選択のし易さとを秤に掛けながらゲームに使用するゲームアイテムを選択することが出来るので、ゲームプレーヤは、ゲームの開始前から十分に楽しめることが出来る。
【0014】
第2の発明(請求項2に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、前記目的を達成するために、上記第1の発明の構成に加えて、ゲームアイテム割付手順において、ゲームアイテムが各エリアに切り替えて表示されることを特徴としている。
【0015】
この第2の発明によれば、回転体の各エリアに回転速度に対応するゲームアイテムの表示が行われるので、ゲームプレーヤは、視覚的に選択されるゲームアイテムを認識することが出来るようになる。
【0016】
第3の発明(請求項3に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、前記目的を達成するために、前記第1の発明の構成に加えて、制御装置が、ゲームアイテム割付手順によって回転体の各エリアに表示されるゲームアイテムを回転速度演算手順によって演算される回転体の回転速度に対応して回転体の回転速度の所要の速度幅毎に予め設定したアイテムデータを示すデータテーブルを有していることを特徴としている。
【0017】
この第3の発明によれば、アイテムデータのデータテーブルに回転体の回転速度に対応して所要の速度幅毎に予め設定されているゲームアイテムが、回転速度演算手順によって検出される回転体の回転速度に基づいて読み出される。この読み出されたゲームアイテムは、回転体の各エリアに割り付けられ、これによって、回転体へのゲームアイテムの割り付けがスムースに行われる。
【0018】
第4の発明(請求項4に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、前記目的を達成するために、上記第3の発明の構成に加えて、アイテムデータにおいて、回転速度演算手順によって演算される回転体の回転速度が大きいほどゲームの展開に有利なゲームアイテムが設定されていることを特徴としている。
【0019】
この第4の発明によれば、回転体の回転速度が大きいほどゲームの展開に有利なゲームアイテムが回転体の各エリアに割り付けられ、これによって、ゲームプレーヤは、ゲームの進行に有利なゲームアイテムとこのゲームアイテムの選択のし易さとを秤に掛けて、その駆け引きを楽しみながらゲームに使用するゲームアイテムを選択することが出来る。
【0020】
第5の発明(請求項5に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、前記目的を達成するために、前記第1の発明の構成に加えて、ゲームアイテムが、ゲームを展開するキャラクタまたはこのキャラクタが備える特性であることを特徴としている。
【0021】
この第5の発明によれば、ゲームを展開する上で有利なキャラクタや、このキャラクタが備える武器や技等がゲームアイテムとして設定されおり、ゲームプレーヤは、このゲーム展開に有利なゲームアイテムの選択を楽しむことが出来る。
【0022】
第6の発明(請求項6に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、前記目的を達成するために、前記第1の発明の構成に加えて、回転体表示手順が、円盤形状の回転体を円盤面に複数のエリアを区画して表示することを特徴としている。
【0023】
この第6の発明によれば、ルーレット遊戯の形態でゲームアイテムの選択を楽しむことが出来る。
【0024】
第7の発明(請求項7に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、前記目的を達成するために、前記第1の発明の構成に加えて、回転体表示手順が、円筒形状の回転体を円筒面に複数のエリアを区画して表示することを特徴としている。
【0025】
この第7の発明によれば、ドラム状の形態で回転する回転体によってゲームアイテムの選択を楽しむことが出来る。
【0026】
第8の発明(請求項8に記載の発明)によるタッチパネルを備えたゲーム機は、前記目的を達成するために、制御装置が、回転速度演算手順によって演算された回転体の回転速度に対応する量を示すインジケータ表示手順をさらに備えていることを特徴としている。
【0027】
この第8の発明によれば、タッチパネルに、回転体に加えて、インジケータ表示手順が、回転体の回転速度に対応する量を示すインジケータの表示を行い、ゲームプレーヤは、このインジケータの表示によって、回転体の回転速度を視覚的に容易に把握することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明を行う。
【0029】
図1は、この発明によるタッチパネルを備えたゲーム機の実施形態における一実施例を示す斜視図である。
この図1において、ゲーム機1は、略ボックス形状の筺体2の正面上部にビルボード3が取り付けられ、このビルボード3の下方位置に左右のスピーカ4L,4Rが取り付けられている。
さらに、このビルボード・ケース3の下方位置で筺体2の正面中央部よりも少し高い位置に、ディスプレイ5が取り付けられている。
【0030】
本体ケース2のディスプレイ5の取付位置よりも下方部分には、操作デッキ2Aが、ディスプレイ5よりも筺体2の正面前方側に突出するように形成されている。
この操作デッキ2Aの上面は先端側が斜め下向きになるように傾斜していて、この操作デッキ2Aの上面にタッチパネル6が取り付けられており、さらに、操作デッキ2Aのタッチパネル6よりも先端側に、カードリーダ7が取り付けられている。
【0031】
筺体2の操作デッキ2Aよりも下方の正面部分には、コイン投入口を備えたコインセレクタ8と、カード払出機9,コインボックス10が取り付けられている。
【0032】
このゲーム機1の筺体2内には、図2に示されるようにディスプレイ5とタッチパネル6が接続された制御装置11が内蔵されている。
【0033】
図3は、この制御装置11の構成を示すブロック図である。
【0034】
この図3において、制御装置11は、ゲーム機1の動作を制御してゲームを展開する機能を備えているものであり、プログラムによって動作してゲーム機1の制御動作を統括するCPU(Central Processing Unit)11Aと、このCPU11Aが使用するプログラムおよびデータが記憶されているシステムメモリ11Bと、ゲームプログラムおよびゲームを展開するための画像,音響,音声等のデータが記憶されているプログラムデータ用ROM(Read Only Memory)11C等の記憶部と、ゲーム機1が起動される際に制御装置11の各ブロックを初期化するためのプログラムが格納されたブートROM(Boot ROM)11Dと、制御装置11の各ブロック間におけるプログラムやデータの入出力を制御するバスアービタ11Eと、ディスプレイ5に表示するポリゴン等のオブジェクト(表示体)の三次元仮想空間または二次元座標内における位置座標や向き等を計算するジオメトリプロセッサ11Fと、このジオメトリプロセッサ11Fによって算出されたオブジェクトの位置座標や向き等に基づいてディスプレイ5とタッチパネル6に表示する画像を生成(描画)するレンダリングプロセッサ11Gと、このレンダリングプロセッサ11Gに接続されて画像を生成するためのデータやコマンド等を記憶するグラフィックメモリ11Hと、スピーカ4L,4Rに出力する音声を生成するオーディオプロセッサ11Iと、このオーディオプロセッサ11Iに接続されて音声を生成するためのデータやコマンド等を記憶するオーディオメモリ11Jとによって構成されている。
【0035】
この制御装置11において、バスアービタ11Eには、他のゲーム機やサーバと通信を行うための通信インターフェース11Kと、タッチパネル6やカードリーダ7との接続を行うための入力装置インタフェース11Lが接続されている。
【0036】
この入力インタフェース11Lには、外部からのデータの入出力を行うインタフェースが組み込まれており、タッチパネル6やカードリーダ7等の入力装置はこのインタフェースに接続されている。
【0037】
この制御装置11は、プログラムデータ用ROM11Cに格納されているゲームプログラムを実行し、ディスプレイ5とタッチパネル6へのゲーム画像の表示と、タッチパネル6に表示されたゲーム画像とディスプレイ5に表示されたゲーム画像とを連動させて、プレーヤによるタッチパネル6へのタッチ入力に基づくディスプレイ5とタッチパネル6に表示されたゲーム画像の表示制御を行う。
【0038】
上記制御装置11のシステムメモリ11Bとグラフィックメモリ11H,オーディオメモリ11Jは、バスアビータ11Eに接続されて各機能を実行する一つのメモリによって構成されていても良い。
【0039】
上記制御装置11の他のブロックについても、複数の機能を実行することが出来るいくつかの画像処理回路によって構成してもよく、また、各ブロックの構成要素を他のブロックの構成要素と共有していても良い。
【0040】
プログラムデータ用ROM11Cには、マスクROMやフラッシュROM等の電気的にデータを読み出すことが出来るICメモリや、CD−ROM,DVD−ROM等の光学的にデータを読み出すことが出来る記憶媒体,光ディスク,磁気ディスク等が使用可能である。
【0041】
図4は、制御装置11のプログラムデータ用ROM11Cに格納されているルーレット遊戯用ゲームプログラムのフローチャートを示しており、図5は、このルーレット遊戯用ゲームプログラムによってディスプレイ5とタッチパネル6に表示されるゲーム画像の一例を示している。
【0042】
次に、このルーレット遊戯用ゲームプログラムについて、図4のフローチャートに基づいて図5に示されるゲーム画像を参照しながら説明を行う。
【0043】
図4において、制御装置11は、コインセレクタ8のコイン投入口へのコインの投入によってルーレット遊戯用ゲームプログラムの実行を開始する(ステップS1)。
制御装置11は、このルーレット遊戯用ゲームプログラムの実行開始によって、ディスプレイ5とタッチパネル6へのルーレット遊戯画像の表示を行う(ステップS2)。
【0044】
このディスプレイ5とタッチパネル6に表示されるルーレット遊戯画像の初期画像は予め設定されており、タッチパネル6の画面には、図5(a)に示されるようにパネル面のほぼ中央部に円盤状のルーレット盤Rが表示され、このルーレット盤Rの側方位置(図示の例では右側方位置)に上下方向に帯状に延びるパワー・インジケータPIが表示される。
【0045】
制御装置11は、後述するようにゲームプレーヤがルーレット盤Rの盤面上に指をタッチしてパネル面上をルーレット盤Rの円周方向に摺動させると、ルーレット盤Rを指の移動方向に回転させ、さらに、パワー・インジケータPIにルーレット盤Rの回転速度に対応したパワー量が棒グラフ状に表示されるように、タッチパネル6へのルーレット遊戯画像の表示を行う。
【0046】
なお、このパワー・インジケータPIに表示されるパワー量とは、後述するゲームアイテムのゲーム機におけるゲーム展開上の効果を数値化したパラメータである。
【0047】
さらに、制御装置11は、ルーレット盤Rの円盤面を扇状の複数のエリア(図5(a)に図示の例では三つのエリアE1,E2,E3)に区画して表示し、このエリアE1,E2,E3にそれぞれ後述するようなルーレット盤Rの回転数に対応して選択されたゲームアイテム(例えば、格闘ゲームにおけるキャラクタおよびこのキャラクタが携帯する武器や技等の名称やゲームアイテムを模式的に表す記号や図形等のアイコン)の表示をそれぞれ行う。
【0048】
各ゲームアイテムには、ゲームにおいて使用された際の効果が数値によって表されたパラメータ値がそれぞれ設定されている。
【0049】
このパラメータ値とは、例えば格闘ゲームにおける攻撃力や防御力などの数値を示しており、パラメータ値が大きい程、ゲームにおいて用いられた際の効果が大きく、反対に、パラメータ値が小さな程、ゲームに用いられた場合の効果が小さくなるように設定されている。
【0050】
このゲームアイテムのパラメータ値は、制御装置11のプログラムデータ用ROM11Cに、ゲームアイテムの名称やアイコン等とともに記憶されている。
【0051】
制御装置11は、このディスプレイ5およびタッチパネル6への初期画像の表示終了後、タッチパネル6に表示されたルーレット盤Rの画像上へのゲームプレーヤによるタッチの有無の判断を行う(ステップS3)。
【0052】
このステップS3において、図5(b)に示されるようにゲームプレーヤの指fがルーレット盤Rの画像上にタッチしたことが検出されると、制御装置11は、タイマをオンした後(ステップS4)、ルーレット盤R上にタッチしているゲームプレーヤの指fのタッチ位置および移動方向,移動速度の検出を開始する(ステップS5)。
【0053】
例えば、ルーレット盤Rにタッチした指fが円周方向に速く摺動されたり、また、円周方向に摺動する指fのタッチ数が多いほど、ルーレット盤Rの回転は増速され、ルーレット盤Rにタッチした指fが回転方向と反対向きに摺動された場合には、ルーレット盤Rの回転は減速される。
【0054】
また、指のタッチ位置がルーレット盤Rの中心位置に近いほど、上記にような指fのタッチによる増速および減速の効果は大きくなる。
【0055】
そして、制御装置11は、次に、この指fのタッチ位置および移動方向,移動速度の検出値から、指fの移動に伴って回転表示されるルーレット盤Rの中心回りの角速度を演算する(ステップS6)。
【0056】
制御装置11には、その記憶部に、ルーレット盤Rの角速度と、パワー・インジケータPIに表示するパワー量(棒グラフの長さ)およびルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3に表示するゲームアイテムの種類(各ゲームアイテムに設定されたパラメータ値)との対応を示す図6に示すようなデータテーブルDが予め保存されている。
【0057】
制御装置11は、ステップS6の終了後、演算されたルーレット盤Rの角速度を記憶部に記憶されているデータテーブルDと対照し、対応するパワー量の表示データと各エリアE1,E2,E3毎のゲームアイテムの表示データを記憶部から読み出して、逐次、パワー・インジケータPIに棒グラフの長さを変化させながら表示するとともに、ルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3内に、それぞれ選択されたゲームアイテムを示すアイコンAIを切り替えて表示してゆく(ステップS7)。
【0058】
図5(c)は、回転している状態のルーレット盤Rと、このルーレット盤Rの回転速度に対応してパワー・インジケータPIにパワー量が表示された状態を示しており、制御装置11は、ルーレット盤Rの回転速度が大きくなるほど、パワー・インジケータPIの棒グラフの長さが大きくなるように表示を行う。
【0059】
また、上記の記憶部に記憶されているデータテーブルDは、ルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3に表示するゲームアイテムが、ルーレット盤Rの回転数が大きくなるほど、より効果が大きなパラメータ値を有するゲームアイテム、すなわち、ゲームを展開する上において有利なゲームアイテム(例えば格闘ゲーム等において強力なパワーを有するキャラクタや強力なパワーを有する武器や技等)が表示されるように予め設定されている。
【0060】
反対に、上記の記憶部に記憶されているデータテーブルDは、ルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3に表示するゲームアイテムが、ルーレット盤Rの回転数が減速によって小さくなるほど、より効果が小さなパラメータ値を有するゲームアイテム、すなわち、ゲームを展開する上において有利性が小さいゲームアイテム(例えば格闘ゲーム等においてパワーが大きくないキャラクタや武器,技等)が表示されるように予め設定されている。
【0061】
制御装置11は、上記ステップS5〜S7の間、ステップS4においてセットしたタイマの設定時間が経過したか否かの検出を行っており(ステップS8)、タイマの設定時間が経過したことを検出すると、ルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3に表示されたゲームアイテムを確定するとともに、ルーレット盤Rの回転速度を、タイマの設定時間経過時の速度に維持する(ステップS9)。
【0062】
このステップS9の終了後、制御装置11は、ゲームプレーヤによるルーレット盤R上への再度のタッチが有ったか否かの検出を行い(ステップS10)、ルーレット盤R上に再度タッチがされたことを検出すると、表示されているルーレット盤Rの回転を即座に停止させて、図5(d)に示されるように、静止状態のルーレット盤Rを表示する(ステップS11)。
【0063】
この後、制御装置11は、ゲームプレーヤの指fがルーレット盤RのエリアE1,E2,E3のうちのどのエリアにタッチされているかの位置検出を行い(ステップS12)、検出したタッチ位置に対応するルーレット盤Rのエリアに表示されているゲームアイテムの画像データおよび動作データの記憶部からの読み出しを行う(ステップS13)。
【0064】
そして、制御装置11は、この記憶部から読み出したゲームアイテムの画像データおよび動作データに基づいて、図5(e)に示されるように、ディスプレイ5にゲーム上で動作するゲームアイテムAの表示を行うとともに、記憶部から読み出されているゲーム実行用プログラムに基づいて展開されるゲームにおいて、表示されているゲームアイテムA、例えば格闘ゲーム等において動作するキャラクタ(ゲームアイテムA)の携帯する武器や技等の設定を行う(ステップS14)。
【0065】
上記ゲーム機1によれば、ディスプレイ5において展開されるゲームにおいて動作するゲームアイテム、例えば格闘ゲーム等において動作するキャラクタやこのキャラクタが携帯する武器や技等の名称、または、ゲームアイテムを模式的に表す記号や図形等のアイコンAIが、タッチパネル6に表示されているルーレット盤Rに対するゲームプレーヤのタッチ操作によって選択される。
【0066】
すなわち、ゲーム開始前に、ゲームプレーヤがタッチパネル6に表示されているルーレット盤Rの画像上に指fでタッチし、その状態で指fを回転方向に摺動させてルーレット盤Rを回転させる。
【0067】
このとき、ゲームプレーヤは、指fの移動速度やタッチパネル6へのタッチ回数などを任意に選択して、ルーレット盤Rの回転速度を所望の速度に設定する。
【0068】
このとき、ゲームプレーヤは、パワー・インジケータPIに表示されるパワー量によってルーレット盤Rの回転速度を視覚的に認識することが出来る。
【0069】
そして、ルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3には、ルーレット盤Rの回転数に対応してゲームアイテムが切り替えて表示されるので、ゲームプレーヤは、タッチパネル6への再度のタッチによってルーレット盤Rの回転を停止させる際に、エリアE1,E2,E3のうち所望のゲームアイテムが表示されているエリアを狙ってタッチすることにより、ゲームに使用するゲームアイテムを選択することが出来る。
【0070】
このとき、ルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3には、ルーレット盤Rの回転数に対応してデータテーブルDから読み出されたゲームアイテムの名称等が逐次切り替えて表示されるので、ゲームプレーヤは、ルーレット盤Rにタッチしてこのルーレット盤Rを回転させる際に、ルーレット盤Rの回転を増速させたり減速させたりするタッチ操作を行うことによって、各エリアE1,E2,E3に表示させるゲームアイテムを任意に選択することが出来る。
【0071】
この場合、ルーレット盤Rの回転数が大きいほど所望のエリアを狙ってタッチしてルーレット盤Rを停止させるのが難しくなるため、例えば、ルーレット盤Rの回転数が大きくなるほど、各エリアE1,E2,E3に、ゲームを進行する上において有利なパラメータ値を有するゲームアイテムが表示される(例えば格闘ゲーム等において強力なパワーを有するキャラクタが表示されたり、このキャラクタが携帯する武器や技等が強力になる)ことによって、ゲームプレーヤは、ゲームの進行に有利なゲームアイテムとそのゲームアイテムの選択のし易さとを秤に掛けながら、ルーレット盤Rの回転速度の調整を行う必要がある。
【0072】
このように、上記ゲーム機1によれば、タッチパネルを入力操作手段として用い、しかも簡単な操作でゲームにおいて使用するゲームアイテムの選択を行うことが出来るので、例えば年少者等、誰でも容易にゲームを楽しむことが出来るとともに、ルーレット盤Rの回転速度を任意に設定して、ゲームの進行に有利なゲームアイテムとそのゲームアイテムの選択のし易さとを秤に掛けながら、ゲームに使用するゲームアイテムを選択することが出来るので、ゲームプレーヤは、ゲームの開始前から十分に楽しむことが出来る。
【0073】
なお、上記においては、ルーレット盤Rの各エリアE1,E2,E3にルーレット盤Rの回転速度に対応してゲームアイテムを示すアイコンが切り替えて表示される例が示されており、このアイコンの表示によってゲームプレーヤは選択されるゲームアイテムを視覚的に認識することが出来るようになっているが、必ずしもルーレット盤R上にゲームアイテムが表示されるようにする必要はなく、プログラム的にゲームアイテムを各エリアE1,E2,E3に割り付けて、ゲームアイテムの選択が行われるようにしても良い。
【0074】
さらに、上記においては、タッチパネル6に円盤状の回転体(ルーレット盤R)が表示される例が示されているが、この例に限らず、球状または円筒状の回転体をタッチパネル6に表示させて、この球状または円筒状の回転体の球面または円筒面を複数のエリヤに区画することにより、前述したルーレット盤Rと同様の方法でゲームアイテムの選択が行われるようにしても良い。
【0075】
さらに、上記においては、タッチパネル6の操作を指fによって行う例が示されているが、位置検出精度が高い場合には、スタイラス(タッチペン)によって入力操作が行われる場合であっても良い。
【0076】
さらに、上記において、タッチパネル6には、抵抗膜方式や光学方式,超音波方式,静電容量方式,電磁誘導方式などの各種方式のタッチパネルが使用可能であり、各タッチパネルの検出方式は、マトリクス方式(デジタル方式)と抵抗値検出方式(アナログ方式)の何れであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】この発明の実施形態の第1実施例におけるゲーム機を示す斜視図である。
【図2】同実施例においてディスプレイおよびタッチパネルと制御装置の接続状態を示す概略構成図である。
【図3】同実施例における制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】同実施例において制御装置に格納されているルーレット遊戯用ゲームプログラムの実行手順を示すフローチャートである。
【図5】同実施例においてタッチパネルとディスプレイに表示されるゲーム画像の一例を示す説明図である。
【図6】同実施例において制御装置に備えられたルーレット盤の回転速度とゲームアイテムとの対応を示すデータのテーブル図である。
【符号の説明】
【0078】
1 …ゲーム機
2 …本体ケース
5 …ディスプレイ
6 …タッチパネル
11 …制御装置
11A …CPU
11B …システムメモリ
11C …プログラムデータ用ROM
A …ゲームアイテム
AI …アイコン
E1,E2,E3 …エリア
PI …パワー・インジケータ(インジケータ)
R …ルーレット盤(回転体)
f …指(入力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、タッチパネルと、このタッチパネルから入力される入力操作に基づいてディスプレイにゲーム画像を表示してゲームを展開する制御装置とを備え、
前記制御装置が、回転面が複数のエリアに区画された回転体をタッチパネルに表示してこの回転体をタッチパネルにタッチした入力操作の動きに対応した回転速度で回転させる回転体表示手順と、この回転体表示手順によってタッチパネルに表示された回転体の回転速度を演算する回転速度演算手順と、ディスプレイにおいて展開されるゲームに使用されるゲームアイテムを回転速度演算手順によって演算された回転体の回転速度に対応して回転体の各エリアに割り付けるゲームアイテム割付手順と、このゲームアイテム割付手順によるゲームアイテムの割付後にタッチパネルの回転体が表示されている部分への入力手段によるタッチによって回転体の回転を停止させるとともに入力手段がタッチしている回転体のエリアを検出するエリア検出手順と、このエリア検出手順によって検出された回転体のエリアに割り付けられているゲームアイテムを選択してディスプレイに表示してゲームを展開するゲームアイテム選択手順とを備えている、
ことを特徴とするタッチパネルを備えたゲーム機。
【請求項2】
前記ゲームアイテム割付手順において、ゲームアイテムが各エリアに切り替えて表示される請求項1に記載のタッチパネルを備えたゲーム機。
【請求項3】
前記制御装置が、ゲームアイテム割付手順によって回転体の各エリアに割り付けられるゲームアイテムを回転速度演算手順によって演算される回転体の回転速度に対応して回転体の回転速度の所要の速度幅毎に予め設定したアイテムデータを示すデータテーブルを有している請求項1に記載のタッチパネルを備えたゲーム機。
【請求項4】
前記アイテムデータにおいて、回転速度演算手順によって演算される回転体の回転速度が大きいほどゲームの展開に有利なゲームアイテムが設定されている請求項3に記載のタッチパネルを備えたゲーム機。
【請求項5】
前記ゲームアイテムが、ゲームを展開するキャラクタまたはこのキャラクタが備える特性である請求項1に記載のタッチパネルを備えたゲーム機。
【請求項6】
前記回転体表示手順が、円盤形状の回転体を円盤面に複数のエリアを区画して表示する請求項1に記載のタッチパネルを備えたゲーム機。
【請求項7】
前記回転体表示手順が、円筒形状の回転体を円筒面に複数のエリアを区画して表示する請求項1に記載のタッチパネルを備えたゲーム機。
【請求項8】
前記制御装置が、回転速度演算手順によって演算された回転体の回転速度に対応する量を表示するインジケータ表示手順をさらに備えている請求項1に記載のタッチパネルを備えたゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−247456(P2009−247456A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96343(P2008−96343)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】