説明

タッチペン

【課題】筆先部の傾斜角度を調整できるタッチペンを提供すること。
【解決手段】本発明のタッチペンは、中空のスリーブと、筆先部と、振りロッドと、制御部品と、を備えてなる。前記筆先部の一端は前記スリーブに回転可能に装着され、前記振りロッドの一端は前記筆先部に枢着され、前記振りロッドの他端は前記制御部品に回転可能に装着される。前記制御部品は外力により前記スリーブに対して回転されながら前記振りロッド部を移動して、前記振りロッドにより前記筆先部を前記スリーブに対して傾斜させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチペンに関し、特に携帯式電子装置のタッチパネルに用いられるタッチペンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている携帯電話、個人用携帯情報端末(PDA)及びパソコン等の電子装置の殆んどは、タッチパネルを備えている。これらの電子装置は、一般的にタッチペンを入力手段とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のタッチペンにおいて、筆先部と筆軸部とは互いに対して回転せずに連結するため、ユーザーの好みによってタッチペンの使用角度を調整することできないという欠点がある。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、筆先部の傾斜角度を調整できるタッチペンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係るタッチペンは、中空のスリーブと、筆先部と、振りロッドと、制御部品と、を備えてなる。前記筆先部の一端は前記スリーブに回転可能に装着され、前記振りロッドの一端は前記筆先部に枢着され、前記振りロッドの他端は前記制御部品に回転可能に装着される。前記制御部品は外力により前記スリーブに対して回転しながら前記振りロッド部を移動させて、前記振りロッドにより前記筆先部を前記スリーブに対して傾斜させる。
また、本発明に係るタッチペンは、一端に入力部が設けられた筆先部と、筒状の取付部と、振りロッドと、連接部品とを備える。前記筆先部の他端は前記取付部に回転可能に装着され、前記振りロッドの一端は前記筆先部に枢着され、前記振りロッドの他端は前記連接部品に枢着される。前記連接部品は外力により前記取付部の軸方向に沿って移動されながら、前記振りロッドを連動することにより前記筆先部を前記スリーブに対して傾斜させる。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術に比べて、本発明に係るタッチペンは、ユーザーの入力習慣及び入力強度に応じて、制御部品を調節することにより、振りロッドを移動して、前記振りロッドにより筆先部をスリーブに対して傾斜させて、前記筆先部とタッチパネルとの間の傾斜角度を調整して、入力操作がさらにスムーズになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るタッチペンの分解図である。
【図2】図1に示したタッチペンを別の視角から見た分解図である。
【図3】図1に示したタッチペンを組み立てた後の斜視図である。
【図4】図3に示したタッチペンの斜視断面図である。
【図5】図3に示したタッチペンのV−V線に沿った断面図である。
【図6】図3に示したタッチペンの使用状態での斜視図である。
【図7】図6に示したタッチペンのVII−VII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示したように、本発明の実施形態に係るタッチペン100は、スリーブ10と、取付部20と、筆先部30と、振りロッド40と、連接部品50と、制御部品60と、を備える。前記取付部20は、前記スリーブ10内に装着され、前記筆先部30の一端は、回転軸70を介して前記取付部20に枢着され、前記振りロッド40の両端は、それぞれ前記筆先部30及び前記連接部品50に枢着され、前記連接部品50は、前記スリーブ10内に移動可能に装着され、前記制御部品60の一端は、前記連接部品50内に螺合されて前記連接部品50を駆動してスライドさせる。前記制御部品60が外力により回転する時に、前記連接部品50は、前記スリーブ10に沿ってスライドしながら、前記振りロッド40を連動して前記筆先部30の前記回転軸70を巡る回転角度を制御する。
【0009】
図2に示したように、前記スリーブ10は、中空の円柱体であり、且つ周壁12、前記周壁12の一端に位置する開口端14及び前記周壁12の他端に形成されている底壁16(図1を参照)を備える。前記周壁12の前記開口端14に近い箇所には、前記回転軸70を装着するための軸穴122が設けられている。前記底壁16の中央部には、前記制御部品60を装着するための貫通穴162が設けられている。前記貫通穴162は、前記制御部品60に前記スリーブ10に対する回転空間を提供する。前記底壁16は、前記貫通穴162の直径方向に沿って延在するように形成された対向する2つのスリット164を備える。
【0010】
前記取付部20は、両端が互いに貫通する筒状体であり、且つ周壁22及びそれぞれ前記周壁22の両端に位置する第一開口端24、第二開口端26を備える。前記周壁22の一端には、対向する2つのガイド溝222が軸方向に沿って設けられており、前記周壁22の他端には、1つの回転許容開口224が軸方向に沿って設けられている。各ガイド溝222は、前記第一開口端24に連通して前記周壁22を貫通するように設けられており、前記連接部品50の前記スリーブ10に沿ってスライドをガイドすると同時に、前記連接部品50の回転を制限する。前記回転許容開口224は、前記第二開口端26に連通して前記周壁22の一部を貫通するように設けられており、前記筆先部30が傾斜する時の回転空間を提供する。前記周壁22の第二開口端26に近い箇所には、固定穴226がさらに設けられている。前記固定穴226は、前記回転軸70を貫かせることに用いられる。
【0011】
前記筆先部30は、ロッド部32及び前記ロッド部32の一端に形成されている入力部34を備える。前記ロッド部32の他端(前記ロッド部32の前記入力部34から遠ざかる端部)には、前記振りロッド40の一端を収納するための挟持溝322が軸方向に沿って設けられている。前記ロッド部32の幅方向には、2つの第一係止用穴324及び2つの第二係止用穴326がそれぞれ対称的に設けられている。前記第一係止用穴324は、前記挟持溝322の外端(前記挟持溝322の前記入力部34から遠ざかる端側)に近接して設けられており、前記取付部20の固定穴226及び前記スリーブ10の軸穴122と組み合せて、前記回転軸70を装着することに用いられる。前記第二係止用穴326は、前記挟持溝322の根底部(前記挟持溝322の前記入力部34に近接する端側)に近接して設けられており、前記振りロッド40を枢着することに用いられる。前記入力部34は、円盤状を呈し、前記ロッド部32と鈍角を成して連結し、電子装置のタッチパネルに入力操作をすることに用いられる。
【0012】
前記振りロッド40は、扁平な帯状体であり、その両端には、それぞれ第一枢着用穴444及び第二枢着用穴446が設けられており、前記第一枢着用穴444及び前記第二枢着用穴446の間には楕円状穴442が設けられている。前記楕円状穴442は、前記回転軸70を貫かせることに用いられ、且つ前記回転軸70に移動空間を提供する。前記第一枢着用穴444及び前記筆先部30の第二係止用穴326に回転軸80を挿入することにより、前記振りロッド40の一端を前記筆先部30に枢着させる。しかも、前記第二枢着用穴446及び前記連接部品50に回転軸90を挿入することにより、前記振りロッド40の他端を前記連接部品50に枢着させる。
【0013】
前記連接部品50は、基板52と、前記基板52の一方側から平行に延在する2つの突片54と、前記基板52の他方側に設けられるスリーブナット56と、前記スリーブナット56と前記基板52とを連接する2つの連接ロッド58と、を備える。前記基板52の直径方向に沿った両側辺には、それぞれ1つのガイド柱522が突設されている。前記2つの突片54の間に間隙(図示せず)を有し、且つ各突片54には軸穴542が設けられている。前記軸穴542は、前記振りロッド40の第二枢着用穴446と組み合わされて前記回転軸90を装着することに用いられる。前記スリーブナット56の内周面にはねじ山凹溝562が設けられており、前記ねじ山凹溝562により前記制御部品60を前記スリーブナット56内に部分的に螺合させる。
【0014】
前記制御部品60は、細長い螺合用ロッド62及び前記螺合用ロッド62の一端に設けられている操作部64を備える。前記螺合用ロッド62の前記操作部64から遠ざかる一端の外周面にはねじ山622が設けられている。前記ねじ山622は、前記ねじ山凹溝562と組み合わされて、前記螺合用ロッド62を前記スリーブナット56内に螺合される。前記螺合用ロッド62の末端の外周面には、前記操作部64に離間して突出する2つの翼片624を有する。前記翼片624を前記スリーブ10のスリット164を貫いて前記スリーブ10内に装着すると、前記翼片624と前記操作部64とは位置決め機構を構成しており、前記スリーブ10の底壁16を中間部位(前記翼片624と前記操作部64との間隙)に挟持して、前記螺合用ロッド62の前記スリーブ10の軸方向に沿った移動を阻止する。前記操作部64を旋回することにより、前記螺合用ロッド62を回転させることができる。
【0015】
以下、図1乃至図5を参照しながら、本発明のタッチペン100の組立てのステップについて詳細に説明する。
【0016】
ステップ1では、前記振りロッド40を前記筆先部30の挟持溝322内に装入すると同時に、前記筆先部30の第二係止用穴326と前記振りロッド40の第一枢着用穴444とを位置合せしてから、両者の中に回転軸80を挿入して前記振りロッド40の一端を前記筆先部30に枢着する。続いて、前記筆先部30及び前記振りロッド40を前記第二開口端26から前記取付部20内に装入して、前記振りロッド40の第二枢着用穴446を前記取付部20の第一開口端24から延出させて、前記振りロッド40の第二枢着用穴446を有する一端を前記連接部品50の2つの突片54の間に据え置いて、前記第二枢着用穴446と前記軸穴542とを位置合せしてから、両者の中に回転軸90を挿入して前記振りロッド40の他端を前記連接部品50に枢着する。
【0017】
ステップ2では、前記制御部品60の螺合用ロッド62を前記貫通穴162から前記スリーブ10内に挿入して、前記制御部品60の翼片624を前記スリーブ10のスリット164に押し込んで、前記翼片624を前記スリーブ10内に収納してから、前記操作部64を回転して、前記スリーブ10の底壁16を前記翼片624と前記操作部64との間に挟持させる。
【0018】
ステップ3では、ステップ1で組立てられた取付部20を前記開口端14からステップ2で組立てられたスリーブ10内に押し込んで、前記連接部品50を前記制御部品60に当止させる。続いて、外力により前記取付部20を回転しないようにすると同時に、前記制御部品60の操作部64を回転して、前記螺合用ロッド62を前記スリーブナット56内に螺合する。前記連接部品50のガイド柱522は前記取付部20のガイド溝222に制限されて回転できないため、前記操作部64を回転すると、前記螺合用ロッド62は、前記連接部品50内に螺合されると同時に、前記連接部品50を前記操作部64に向って移動させるように駆動する。前記取付部20の固定穴226が前記スリーブ10の軸穴122と同じ軸線に位置されると、前記軸穴122に回転軸70を挿入して、前記回転軸70を前記固定穴226、前記筆先部30の第一係止用穴324及び前記振りロッド40の楕円状穴442に貫通させて、前記回転軸70の両端を前記軸穴122に係止する。これで、前記取付部20が前記スリーブ10内に固定され、前記筆先部30は前記回転軸70に対して回転可能に枢着される。
【0019】
図6及び図7に示したように、前記タッチペン100で入力操作をする場合、前記制御部品60の操作部64を回転すると、前記連接部品50は、前記螺合用ロッド62により駆動されて前記取付部20のガイド溝222から滑り出して、前記振りロッド40を引張って前記操作部64に向って移動すると同時に、前記振りロッド40により前記筆先部30を連動して前記筆先部30を前記回転軸70周りに傾斜させる。従って、前記筆先部30は、初期位置から変位して一定の角度回転する。逆方向へ前記操作部64を回転すると、前記連接部品50は、前記螺合用ロッド62により駆動されて前記操作部64から離れるように移動すると同時に、前記振りロッド40を前記筆先部30に向って推進する。従って、前記筆先部30は、前記振りロッド40に推されて前記回転軸70周りに回転して、初期位置に復帰する。
【0020】
なお、前記スリーブ10、前記取付部20及び前記筆先部30は、すべて導電材質から製作され、前記スリーブ10は前記筆先部30と電気的に導通する。
【0021】
なお、前記制御部品60の翼片624の数量は、2つに限定されるものではなく、1つ或いは複数であってもよい。それ相応に、前記スリーブ10の底壁16に前記翼片624の数量に一致するスリット164を設ける。
【0022】
なお、前記連接部品50及び前記制御部品60は、前記筆先部30の前記スリーブ10に対する回転をコントロールする役割を果している。しかし、前記筆先部30を前記スリーブ10に対して所定の角度傾斜させる方法は、上記の実施形態に限定されない。例えば、1つの操作機構により前記連接部品50及び前記制御部品60を代替してもよい。前記操作機構は、前記スリーブ10内に緊密に装着され、その一端が前記振りロッド40に枢着され、その他端が前記底壁16を介して前記スリーブ10から延出される。前記スリーブ10の軸方向に沿って前記操作機構を押すと、前記操作機構は前記スリーブ10の異なる位置に停留されると同時に、前記振りロッド40を連動して前記筆先部30の前記スリーブ10に対する傾斜角度を調整することができる。
【0023】
本発明のタッチペン100は、ユーザーの入力習慣及び入力強度に応じて、前記制御部品60を調節することにより、前記振りロッド40を移動して、前記振りロッド40により前記筆先部30を前記スリーブ10に対して傾斜させて、前記筆先部30とタッチパネルとの間の傾斜角度を調整して、入力操作がさらにスムーズになる。
【0024】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更又は改良することが可能であり、該変更又は改良も、本発明の特許請求の範囲内に含まれることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0025】
10 スリーブ
12 周壁
16 底壁
20 取付部
22 周壁
24 第一開口端
26 第二開口端
30 筆先部
32 ロッド部
34 入力部
40 振りロッド
50 連接部品
52 基板
54 突片
56 スリーブナット
58 連接ロッド
60 制御部品
62 螺合用ロッド
64 操作部
70 回転軸
80 回転軸
90 回転軸
100 タッチペン
122 軸穴
162 貫通穴
164 スリット
222 ガイド溝
224 回転許容開口
226 固定穴
322 挟持溝
324 第一係止用穴
326 第二係止用穴
442 楕円状穴
444 第一枢着用穴
446 第二枢着用穴
522 ガイド柱
542 軸穴
562 ねじ山凹溝
622 ねじ山
624 翼片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のスリーブと、筆先部と、振りロッドと、制御部品と、を備えてなるタッチペンであって、
前記筆先部の一端は前記スリーブに回転可能に装着され、前記振りロッドの一端は前記筆先部に枢着され、前記振りロッドの他端は前記制御部品に回転可能に装着され、
前記制御部品は外力により前記スリーブに対して回転しながら前記振りロッド部を移動して、前記振りロッドにより前記筆先部を前記スリーブに対して傾斜させることを特徴とするタッチペン。
【請求項2】
一端が前記振りロッドに枢着され、他端が前記制御部品に枢着される連接部品をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のタッチペン。
【請求項3】
前記連接部品の前記他端にはスリーブナットが設けられており、前記制御部品は螺合用ロッドを有し、前記螺合用ロッドは前記スリーブナット内に螺合されることを特徴とする請求項2に記載のタッチペン。
【請求項4】
前記スリーブの一端は、底壁を有し、前記制御部品の螺合用ロッドの末端には、位置決め機構が設けられており、
前記位置決め機構は、前記底壁を挟持して、前記螺合用ロッドの前記スリーブの軸方向に沿った移動を制限することを特徴とする請求項3に記載のタッチペン。
【請求項5】
前記位置決め機構は、前記螺合用ロッドの一端に連結する操作部及び前記螺合用ロッドの周面から突出する翼片を備え、
前記操作部と前記翼片との間には間隔を有し、前記底壁は、前記操作部及び前記翼片の間に挟持されることを特徴とする請求項4に記載のタッチペン。
【請求項6】
前記スリーブの底壁には、前記螺合用ロッドを貫かせるための貫通穴及び前記貫通穴の直径方向に沿って延在するように形成されたスリットが設けられ、前記翼片は、前記スリットにより前記スリーブ内に収納されることを特徴とする請求項5に記載のタッチペン。
【請求項7】
前記タッチペンは筒状体である取付部をさらに備え、前記取付部の周壁の一端には、ガイド溝が設けられ、前記連接部品の外周には、ガイド柱が突設されており、前記ガイド柱は、前記ガイド溝にスライド可能に収納されることを特徴とする請求項2に記載のタッチペン。
【請求項8】
前記筆先部は回転軸を介して前記スリーブに回転可能に装着され、前記振りロッドには楕円状穴が設けられ、
前記回転軸は、前記楕円状穴を貫き且つ前記楕円状穴に移動可能に収納されることを特徴とする請求項1に記載のタッチペン。
【請求項9】
一端に入力部が設けられた筆先部と、筒状の取付部と、振りロッドと、連接部品と、を備えてなるタッチペンであって、
前記筆先部の他端は前記取付部に回転可能に装着され、前記振りロッドの一端は前記筆先部に枢着され、前記振りロッドの他端は前記連接部品に枢着され、
前記連接部品は外力により前記取付部の軸方向に沿って移動されながら前記振りロッドを連動することにより、前記筆先部を前記スリーブに対して傾斜させることを特徴とするタッチペン。
【請求項10】
前記タッチペンは中空のスリーブをさらに備え、前記取付部は前記スリーブ内に固定されることを特徴とする請求項9に記載のタッチペン。
【請求項11】
前記タッチペンは、前記連接部品に螺合される制御部品をさらに備え、前記制御部品の末端には位置決め機構が設けられており、
前記位置決め機構は、前記制御部品の前記スリーブの軸方向に沿った移動を制限して、さらに前記連接部品の前記スリーブに対する移動を実現することを特徴とする請求項10に記載のタッチペン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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