説明

タバコの箱を収容するパック

タバコのカートンとしてよく知られるパック1において、カートン2は各々自身の個別の包装材14を持つ複数のタバコ21の箱13を収容する包装材3の形を取る。カートン2の包装材3も、個別のタバコの箱13の包装材14も主側面の少なくとも1つに窓23、24を備える。カートン2の包装材3の窓23は少なくとも1つの箱13の包装材14の窓24と一致するように配置されて、開口Aを創成する。この開口を介して、未開封のパックの透明の上包の下の個別のタバコ21に印刷された名前またはブランド記章25を見ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコの箱を収容するパック、より明確に言うとタバコの箱用のカートンに関する。
【0002】
「カートン」という言葉は、本出願において、それぞれ個別の包装材(wrapper)に包まれた複数のタバコの箱を収容する包装材と同一であるパックを記述するために使用される。
【背景技術】
【0003】
従来、この種のカートンの包装材は、剛性タイプのものすなわち堅い紙材料の平らな素材から作られるか、または1枚の曲げやすい紙材料から作られる柔軟タイプのものである。
【0004】
柔軟タイプのカートン包装材は、概して実質的に平らな平行六面体の外観を示すのに対して、剛性タイプの包装材は、例えば鋭角の、面取りされたまたは丸みのあるコーナーエッジを持つ平行六面体、また三角形または六角形断面を持つプリズム形、その他のなじみのある形状及び様式を含む、非常に多様な形状を示すことができる。
【0005】
タバコの箱は、二重包装で、より正確に言うと、タバコに直接当接する内側包装材と、上述のカートン包装材と同様の剛性タイプか柔軟タイプの紙材料の外側包装材とによる二重包装で、提供される。
【0006】
剛性のタバコの箱の場合、外側包装材は、折り線を備えかつ例えば剛性の蝶番式蓋(hinge-lid)を持つタイプの箱を創成するように加工可能な平らな打ち抜き素材から得られる。
【0007】
柔軟タイプのタバコの箱の場合、外側包装材は曲げやすい包装材料から作られる。
【0008】
さらに、カートンも、カートンに収容される個別の箱も、通常、透明の熱可塑性材料のさらなる外側包装材すなわちオーバーラップ(overwrap)で包まれる。カートン包装材及び同様に個別のタバコの箱の包装材には、一般に、ブランドを識別しかつパックの中に収容されたタバコの基本的特徴を表示するために大量の文字及び図形の情報が印刷される。
【0009】
さらに、特に剛性のパックの場合には、カートン及び個別の箱の包装材料にエンボス加工及びナーリング(刻み付け)(knurling)加工によって浮き彫り再生された図形要素が記されるのが普通である。
【0010】
カートン及び箱のこのタイプの包装素材に実施されるこのさらなる加工ステップは、標準印刷法を使用するだけでなく、ローラーなど専用設備も使用する。1つのブランドから別のブランドへ生産を切り替える際には専用設備を取り替えなければならないことは明白である。
【0011】
上記のことから、改良された印刷装置だけでなくエンボス及びナーリング装置を使用するこの種のパックの生産には非常に高いコストが伴うことは明白である。
【0012】
製品を使用者に合わせてさらに改変するために追加のマーキング及び(または)識別的文字に関する市場からの要求がしばしばあるので、製造コストはさらに押し上げられ、パックの表面に利用可能なスペースが足りないために前記の追加の特徴を簡単に提供することができない。
【0013】
実際、比較的最近、禁煙法が導入されて、多くの国がカートンの包装材にも個別の箱の包装材にも様々な健康上の警告を表示するよう要求しているので、この種の警告が上記の文字及び浮き彫り図形に加えられた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、カートン用であるかカートンに収容される個別の箱用であるかを問わず包装材の生産コストをこれ以上増大することなく上記の市場の要求に応えるようにタバコの箱を収容するパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的は本発明に係るパックにおいて実現される。その基本的特徴は請求項の1つまたはそれ以上において記載されるとおりである。
【0016】
次に、例示として添付図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】タバコの箱を収容するパックの第一の実施形態の斜視図であり、閉鎖状態を示す。
【図2】タバコの箱を収容するパックの第一の実施形態の斜視図であり、開放状態を示す。
【図3】図1及び2に示されるパックの一部を形成するタバコの箱の斜視図であり、図を明確にするために一部が切り取られている。
【図4】図1及び2のパックであるが、別の実施形態の細部を含む。
【図5】本発明に係るパックの別の実施形態の斜視図である。
【図6】本発明に係るパックの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、番号1はタバコの箱を収容するパックを示し、実質的に平行六面体の外観を有する剛性カートン2を備え、その長手軸はLで示される。
【0019】
カートン2は、2つの大きい方の側壁4及び5(それぞれ上面及び底面)、2つの小さい方の側壁6及び7(それぞれ前面及び後面)、及び図において左及び右に位置する2つの端壁または端面8及び9を備える。
【0020】
図2も参照すると、上面側壁4は蓋10としての機能を持ち、2つの壁4と7が結合されるコーナーエッジと一致する蝶番線(hinge line)11に沿って裏面側壁7に接続される。
【0021】
包装材は、蝶番線11から最も遠い上面側壁4のエッジに結合され直角に折り曲げられたフラップ12も備える。フラップは、蓋が閉鎖位置のとき前面側壁6と接続する。
【0022】
包装材3は、複数の剛性の蝶番式蓋付きのタバコの箱を収納する。タバコの箱は実質的に平行四辺形の外観を有し、カートンの軸線Lを横断する長手軸L’に沿って配列される。
【0023】
タバコの箱13は、上下に重ねられた2段に整列され、各々2つの大きい方の側壁15及び16(それぞれ前面及び裏面)、2つの小さい方の側壁または脇壁17及び18及び上端面19及び底端面20から成る2つの端壁を備える個別の包装材14を備える。
【0024】
図2及び3に示すように、包装材14によって囲繞される空間は、第二のすなわち内側包装材22によって包まれるタバコ21によって占められる。タバコは箱の軸線L’に平行に例えばそれぞれ7本、6本、7本の3層に配列される。
【0025】
カートン包装材3の蓋10は、軸線Lに平行に伸びかつ丸みのある端部を持つ実質的に長方形の外郭線を示す開口または窓23を備える。
【0026】
各箱13の前面壁15も、カートンの開口または窓と同様の開口または窓24を備え、少なくとも窓の下に配置される内側包装材22の部分は透明材料である。
【0027】
図1から分かるように、カートンの蓋10が閉じられると、包装材3の上面壁4の窓23は上段の最も左端の箱13の前面壁15の窓24と一致して、開口Aを創成する。この開口によって、最上層のタバコ21に印刷された図形要素25を見えるようにすることができる。
【0028】
各窓23及び24はカートン包装材3の壁4及びタバコの箱の包装材14の壁15のそれぞれ内面に貼り付けられた透明の熱可塑性材料のフィルム26によってシールされることが好ましい。
【0029】
図4に示すパック1は、蓋10が最上段を構成する隣り合う2つの箱13の2つの窓24と一致する長さの窓23を備えて、2つの異なる箱13に属するタバコの2つの最上層が示す図形要素25を見えるようにする点で、図1及び2のパックと異なる。
【0030】
図5は、包装材が同様に平行六角形であるが、蝶番式蓋を持つ(すなわち、図に示す個別のタバコの箱13と同じ構造を備える)カートン2を備えるパック1を示す。
【0031】
図5のパックにおいて、タバコの箱13は、それぞれカートンの長手軸Lに平行のそれぞれの軸線L’に沿って上下に重ねられた2段に整列される。この場合、カートン2の窓23は27で示される小さい方の側壁または脇壁に配置される。
【0032】
最後に、図6に示すパックはプリズム形状であり、六角形の断面を示し、三角形断面を有する複数(6個)のタバコの箱13を収容するように設計される。該当のタバコの箱13の1つの壁に配置される窓24と一致するように、カートン2の1つまたは全ての側壁28に窓23を配置することができる。
【0033】
実用上は、窓23及び24は任意の外郭線を示すことができ、一部だけが相互に一致してもよい。
【0034】
本発明に係るパックが、包装材料に関連する生産コスト特に印刷コストをかなり増大することなく、タバコ製品の梱包に関して使用者の好みに合わせた高いレベルの改変を求める市場の要求に応えられることは自明である。
【0035】
さらに、梱包の顧客対応仕様は実際のタバコ21に印刷された図形要素を露出させることのみにより達成できるので、ある範囲で包装材素材またはシートの生産を標準化できる。
【0036】
最後に、本発明に係るパック1は、上に説明され図示される以外の任意の形状または様式を示すことができる一方で、1つまたはそれ以上の窓23を採用することに伴う利点に加えて、タバコの箱13またはカートン2またはその両方が少なくとも1つの面取りされたまたは丸みのある長手方向のコーナーエッジを持つように作られる場合材料を節約できると言う利点を与えることが重要である。
【0037】
鋭角の、面取りされたまたは丸みのあるコーナーエッジの配列及び数に関しては、多様な選択肢がある(図示せず)。例えば、図1のパック1は、鋭角の輪郭の長手方向または横断方向のコーナーエッジを少なくとも1つ、及び面取りされたまたは丸みのある輪郭のコーナーエッジを少なくとも1つ備えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコの箱を収容するパックであって、
タバコ(21)の複数の箱(13)を収納するカートン(2)の包装材(3)を備え、
前記箱(13)の各々がそれぞれの包装材(14)を備え、
前記カートン(2)の前記包装材(3)及び少なくとも1つのタバコ(21)の箱(13)の前記包装材(14)の両方が、少なくとも1つの開口または窓(23、24)を備え、
前記カートン(2)の前記包装材(3)が備える少なくとも1つの窓(23)が前記少なくとも1つの箱(13)の前記包装材(14)が備える少なくとも1つの窓(24)と少なくとも部分的に一致して、前記パック(1)に開口(A)を確立し、
該開口(A)を介して少なくとも1つの箱(13)に収容される少なくとも1本のタバコ(21)の少なくとも一部を前記パックの外から見ることができることを特徴とする、タバコの箱を収容するパック。
【請求項2】
前記窓(23、24)の少なくとも1つが透明材料のフィルム(26)によってシールされることを特徴とする、請求項1に記載のパック。
【請求項3】
前記少なくとも1本のタバコ(21)が前記開口(A)と一致するように配置される図形要素(25)を示すことを特徴とする、請求項1または2に記載のパック。
【請求項4】
前記開口(A)の形状が、前記箱(13)の中の複数本のタバコ(21)が前記パックの外から見えるようにできるものであり、かつ、前記タバコ(21)のうち少なくとも1本が前記開口(A)と一致するように配置される図形要素を示すことを特徴とする、請求項3に記載のパック。
【請求項5】
前記複数本のタバコ(21)が前記箱(13)の中に収容される一群のタバコの1つの層を構成することを特徴とする、請求項4に記載のパック。
【請求項6】
個別のタバコの箱(13)が少なくとも前記開口(A)を介して見えるところに透明材料から作られた第二の内側包装材(22)を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパック。
【請求項7】
2つの異なる箱(13)の中のタバコの2つの最上層が示す図形要素が見えるように、前記カートン(2)の前記包装材(3)が備える前記窓(23)が2つの関係する箱(13)の少なくとも2つの窓(24)に一致する長さを持つことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−510877(P2011−510877A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544833(P2010−544833)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050349
【国際公開番号】WO2009/095870
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(392003937)ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ (102)
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】