説明

タラコ含有ソース

【課題】製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、タラコ特有の魚卵風味のみが強くなってバター風味が失われるということがなく、タラコ風味とバター風味のバランスが良好なタラコ含有ソースを提供する。
【解決手段】タラコ、バター及び蛋白加水分解物を含有し、前記タラコ原料として、少なくとも水子及び真子が使用され、水子と真子の含有割合が質量比で10:90〜90:10であるタラコ含有ソース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、タラコ特有の魚卵風味のみが強くなってバター風味が失われるということがなく、タラコ風味とバター風味のバランスが良好なタラコ含有ソースに関する。
【背景技術】
【0002】
辛子明太子等のタラコを食用油脂や調味料等と混合したソースが家庭やレストラン等で調理されている。このソースは、タラコ特有の強い魚卵味が食用油脂によりまろやかな食べ易い味とされ、ソースを温めた際やパスタとからめた際に魚卵特有の香りが立ち上がることが特徴である。また、タラコ入りパスタは和風パスタとして人気の高いメニューである。
【0003】
このようなタラコ含有ソースとしては、従来、特許第3798329号公報(特許文献1)には、磨り潰したタラコと多量の油脂を用いたタラコ粒入りソースが、特開2001−218571号公報(特許文献2)には、卵白加水分解物で処理したタラコを用いたソースが記載されている。
【0004】
ところで、上述のタラコ含有ソースとしては、近年、食用油脂や調味料等と混合して製造される他、タラコと風味の相性が良いバターを混合して製造される場合が増えている。例えば、レストラン等では、溶解したバターと食用油脂や調味料を混合後、タラコと混合してタラコ入りパスタソースが調理される。このようなソースでは、タラコ風味とバターの風味のバランスがよいことが重要となる。
【0005】
しかしながら、調理直後のタラコ含有ソースでは、タラコの風味とバターのバランスは良好であるものの、タラコ含有ソースを容器詰めして長期保存を目指す食品については、時間が経過するにつれてタラコ特有の魚卵風味が強くなるとともにバター風味が失われ、タラコ風味とバターの風味のバランスが保持できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3798329号公報
【特許文献2】特開2001−218571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、ソースの製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、タラコ特有の魚卵風味のみが強くなってバター風味が失われるということがなく、タラコ風味とバター風味のバランスが良好なタラコ含有ソースを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記目的を達成すべくタラコ含有ソースの配合原料等について鋭意研究を重ねた結果、ソースに特定の成分を含有させ、さらに、タラコ原料として特定の原料を組み合わせて用いたタラコ含有ソースは、製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、タラコ風味とバター風味のバランスが良好であることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)タラコ、バター及び蛋白加水分解物を含有し、前記タラコ原料として、少なくとも水子及び真子が使用され、水子と真子の含有割合が質量比で10:90〜90:10であるタラコ含有ソース、
(2)タラコ含有ソースに対して、前記タラコの含有量が生換算で3〜80%、前記バターの含有量が1〜10%、及び前記蛋白加水分解物の含有量が0.05〜3%である(1)記載のタラコ含有ソース、
(3)前記蛋白加水分解物が、植物性蛋白の加水分解物及び動物性蛋白の加水分解物である(1)又は(2)記載のタラコ含有ソース、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のタラコ含有ソースは、製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、タラコ風味とバター風味のバランスが良好なことから、例えば、容器詰めして長期保存した後のタラコ含有ソースをパスタソース、ピザの具、パンのフィリング、炒飯の素、お茶漬けの素、おにぎりや寿司の具として用いたときに、魚卵風味とともにバター風味が大変優れたものとすることができる。したがって、タラコ含有ソースの更なる需要の拡大が期待される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のタラコ含有ソースを詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
【0012】
本発明のタラコ含有ソースは、タラコのほか、必要に応じて食用油脂や調味料を配合したソースのことをいい、パスタ、ピザ、パン、サラダ等にかけたり、あえたり、塗り広げるだけで、タラコ風味及びバター風味の良好な一品料理が得られるものである。また、タラコ炒飯やタラコのおにぎり等も簡便に得られるものである。これらの中でも、特に容器詰めパスタソースに用いると、ゆでたパスタのゆで汁でソースが希釈され、風味のバランスが崩れやすいが、本発明によれば、このようなパスタソースであってもタラコ風味とバター風味のバランスが良好なものとなる。したがって、本発明はパスタソースにおいて、特に好適に実施できる。
【0013】
本発明のタラコ含有ソースは、タラコ、バター及び蛋白加水分解物を含有し、前記タラコ原料として、少なくとも水子及び真子が使用され、水子と真子の含有割合が質量比で10:90〜90:10、好ましくは30:70〜70:30であることを特徴とする。このように特定の成分を含有し、さらに、タラコ原料として特定の原料を組み合わせて用いることにより、本発明のタラコ含有ソースは、製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、タラコ特有の魚卵風味のみが強くなってバター風味が失われるということがなく、タラコ風味とバター風味のバランスが良好なものとなる。これに対して、タラコ原料として水子のみを使用した場合、あるいは真子のみを使用した場合は、容器詰めして長期間保存するとタラコ風味とバター風味のバランスが崩れ、バター風味を感じ難いものとなる。また、蛋白加水分解物を配合しない場合にも、容器詰めして長期間保存するとタラコ風味とバター風味のバランスが崩れ、バター風味を感じ難いものとなる。
【0014】
本発明で用いる前記タラコとは、塩漬けされたスケトウダラ魚卵粒をいう。このような本発明のタラコとしては、明太子、つまり、塩と唐辛子で漬けられたスケトウダラ魚卵粒であってもよい。なお、前記本発明で用いるタラコとしては、殺菌や食感改良等を目的として加熱処理されたものや、乾燥処理されたものであってもよく、また、食塩や唐辛子以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、発色剤、酸化防止剤、食用色素、有機酸、アミノ酸等が添加されたものであってもよい。
【0015】
ここで、タラコ原料であるスケトウダラ卵巣に関し、タラコ原料として使用が可能な成熟した卵巣のうち、前記水子とは、放卵が始まっている卵巣をいい、前記真子とは、放卵開始前の卵巣をいう。また、前記水子を使用したタラコとは、水子から取り出された魚卵粒を少なくとも含むタラコであれば特に制限は無く、例えば、水子を卵巣のまま塩漬けした後取り出した魚卵粒や、塩漬けする際に水子の卵巣表皮が破れて皮の外に出た魚卵粒、あるいは、水子から魚卵粒を取り出した後、塩漬けした魚卵粒等を少なくとも含むタラコ等が挙げられる。
【0016】
また、タラコ含有ソースに対するタラコの含有量は、良好なタラコ風味をソースに付与しやすいことから、生換算で3%以上、好ましくは10%以上である。一方、タラコ含有量が多すぎるとタラコ特有の強い魚卵味が強くなりすぎて、バター風味を感じ難い傾向があるので、タラコ含有量は、生換算で80%以下、好ましくは60%以下である。したがって、本発明のタラコ含有ソースのタラコ含有量は、生換算で好ましくは3〜80%、より好ましくは10〜60%である。
【0017】
本発明で用いる前記蛋白加水分解物とは、蛋白質をプロテアーゼ、酸、アルカリ等にて加水分解したものをいう。前記本発明で用いる蛋白加水分解物としては、種々の蛋白加水分解物を使用することができ、例えば、卵白蛋白、卵黄蛋白、乳清蛋白、カゼイン蛋白、血漿蛋白、魚蛋白、コラーゲン等の動物性蛋白や、小麦蛋白、大豆蛋白、トウモロコシ蛋白などの植物性蛋白を加水分解したものの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
本発明のタラコ含有ソースに対する蛋白加水分解物の含有量は、好ましくは0.05〜3%である。蛋白加水分解物の配合量が前記特定範囲であることにより、蛋白加水分解物がバター風味を保持し、長期保存した場合であっても、バター風味が良好なタラコ含有ソースが得られやすい。これに対して、蛋白加水分解物の含有量が前記範囲よりも少ない場合は、蛋白加水分解物のバター風味の保持効果が得られ難く、一方、蛋白加水分解物の含有量が前記範囲よりも多い場合は、蛋白加水分解物の風味が、バターの風味自体をもマスキングしてしまい、結局、タラコ含有ソースのバター風味が損なわれやすい。
【0019】
本発明においては、植物性蛋白の加水分解物及び動物性蛋白の加水分解物を組み合わせて使用することがより好ましい。植物性蛋白の加水分解物と動物性蛋白の加水分解物の含有割合は質量比で、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは40:60〜60:40であることを特徴とする。このように由来の異なる蛋白加水分解物を組み合わせて用い、さらに、特定の割合で含有することにより、バター風味が保持、増強されるため、本発明のタラコ含有ソースは、製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、バター風味が良好なタラコ含有ソースが得られやすい。
【0020】
本発明で用いる前記バターとは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)に規定されたものであって、生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したものをいう。また、本発明で用いるバターとしては、無塩バターであっても、バターの製造時に食塩を添加した加塩バターであってもよいが、風味や保存性の点から、加塩バターが好ましい。
【0021】
また、本発明のタラコ含有ソースは、タラコ含有ソースに対するバターの含有量が、好ましくは1〜10%、より好ましくはである。タラコ含有ソースに対するバターの含有量が前記特定範囲であることにより、ソースの製造後、容器詰めして長期間保存した場合であっても、タラコ風味とバター風味のバランスが良好なタラコ含有ソースが得られる。これに対して、タラコ含有ソースに対するバターの含有量が前記範囲よりも少ない場合は、バター風味が得られ難く、一方、バターの配合量が前記範囲よりも多い場合は、バター風味が強すぎて、タラコの魚卵味を得られ難い。
【0022】
なお、本発明のタラコ含有ソースには、タラコ、バター及び蛋白加水分解物の他、本発明の効果を損なわない範囲でソースに通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、こめ油、パーム油、オリーブ油、落花生油、牛脂、ラード、魚油等の動植物油又はこれらの精製油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素処理等を施して得られる食用油脂、澱粉分解物、デキストリンアルコール、オリゴ糖、オリゴ糖アルコール等の糖類、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、醤油、動植物のエキス類等の各種調味料、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤、並びにタマネギ、イカ等の具材の截断物等が挙げられる。
【0023】
本発明のタラコ含有ソースは、上述のように特定の成分を含有させ、さらに、タラコ原料として特定の原料を組み合わせて用いる他は、従来のソースの製造方法に準じて製することができる。例えば、撹拌機付き二重釜にタラコ、食用油脂、バター、食塩及び蛋白加水分解物を投入し、その他必要に応じて澱粉類、増粘多糖類、糖アルコール等の副原料を投入し撹拌混合する。続いて、当該撹拌混合した魚卵ソースを小袋、分配包装体等の容器に充填する。
【0024】
前記本発明のタラコ含有ソースに用いる容器としては、食品用に用いられ細菌等の侵入を防ぎ、密封できるものであれば、特に制限はない。材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の単層材料、より好ましくは、酸素透過性の低いエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)、アルミニウム、その他のガスバリア材料とポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)とからなる多層材料等をあげることができる。また、容器形状としては、パウチ等の袋状容器の他、一端に蓋付きの口部を有するチューブや小袋等とすることもできる。口部の形状や大きさについても、タラコ含有ソースを、押し出すことができる限り特に制限はなく、例えば、丸型、矩形、星型等とすることができる。
【0025】
以下、本発明のタラコ含有ソースについて、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0026】
[実施例1]
下記の配合割合に準じ、本発明のタラコ含有ソースを製した。
すなわち、ミキサーに、タラコ(原料として水子40%、真子60%を使用したもの)および下記配合割合の他の原料を入れ、均一になるように混合した。混合して得られたパスタソースをパウチに充填・密封した後、80℃で15分間加熱殺菌処理し、冷却して加熱殺菌済みパスタソースを製した。
【0027】
つづいて、得られたタラコ含有ソースを、25℃の室内で1週間静置した後、茹で上げたパスタにかけて試食したところ、そのタラコ含有ソースは、タラコとバターの風味のバランスが非常によく大変好ましかった。
【0028】
<タラコ含有ソースの配合割合>
タラコ 50%
バター 5%
キサンタンガム 0.2%
砂糖 4%
グルタミン酸ナトリウム 7%
食塩 4%
サラダ油 14.6%
ショートニング 15%
大豆蛋白加水分解物 0.1%
卵白蛋白加水分解物 0.1%
―――――――――――――――――――
合計 100%
【0029】
[実施例2]からし明太子
下記の配合割合に準じ、本発明のタラコ含有ソースを製した。すなわち、ミキサーに、明太子(原料として水子70%、真子30%を使用したもの)および下記配合割合の他の原料を入れ、均一になるように混合した。混合して得られたパスタソースをパウチに充填・密封した後、75℃で20分間加熱殺菌処理し、冷却して加熱殺菌済みパスタソースを製した。
【0030】
つづいて、得られたタラコ含有ソースを、25℃の室内で1ヵ月間静置した後、茹で上げたパスタにかけて試食したところ、そのタラコ含有ソースは、タラコとバターの風味のバランスが非常によく大変好ましかった。
【0031】
<タラコ含有ソースの配合割合>
タラコ 30%
バター 8%
砂糖 3%
グルタミン酸ナトリウム 6%
食塩 7%
サラダ油 25%
ショートニング 20%
卵白蛋白加水分解物 0.5%
唐辛子 0.5%
―――――――――――――――――――
合計 100%
【0032】
[試験例1]
タラコ原料の違いが、保存後のタラコ含有ソースの風味に与える影響を調べるために、以下の試験を行った。すなわち、実施例1において、タラコ原料を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして7種類のタラコ含有ソースを製造した。得られた7種類のタラコ含有ソースを25℃の室内で1週間静置した後、それぞれ実施例1と同様の方法でパスタにかけて試食し、各タラコ含有ソースの風味について下記の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
【0033】
<タラコ風味とバター風味のバランスの評価基準>
A:タラコとバターの風味のバランスが非常によい。
B:タラコとバターの風味のバランスがよい。
C:タラコの風味が強く、バターの風味があまり感じられない。
D:バターの風味が強く、タラコの風味があまり感じられない。
【0034】
【表1】

【0035】
表1より、タラコ原料として、少なくとも水子及び真子が使用され、タラコ原料として使用される水子と真子の含有割合が質量比で10:90〜90:10であるタラコ含有ソース(試験品1−2〜1−6)は、長期保存した場合であっても、タラコ風味とバター風味のバランスがよいことが理解される。特に、タラコ原料として使用される水子と真子の含有割合が質量比で40:60〜60:40である場合(試験品1−3〜1−5)は、タラコ風味とバター風味のバランスが非常によく大変好ましかった。これに対して、タラコ原料として真子のみを使用した場合(試験品1−1)、あるいは水子のみを使用した場合(試験品1−7)は、容器詰めして長期間保存するとタラコ風味とバター風味のバランスが崩れ、バター風味を感じ難いものとなる。
【0036】
[試験例2]
配合する蛋白加水分解物の種類の違いが、タラコ含有ソースの風味に与える影響を調べるために、以下の試験を行った。すなわち、実施例1において、大豆蛋白加水分解物を表2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして4種類のタラコ含有ソースを製造した。蛋白加水分解物を配合しない場合(試験例2−1)は、その減少分はサラダ油の配合量を増やして調製した。得られた4種類のタラコ含有ソースを25℃の室内で1ヵ月間静置した後、それぞれ実施例1と同様の方法でパスタにかけて試食し、各タラコ含有ソースの風味について試験例1と同様の評価基準により評価した。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
表2より、大豆蛋白加水分解物又は卵白加水分解物を配合したタラコ含有ソース(試験品2−2〜2−4)は、長期保存した場合であっても、タラコ風味とバター風味のバランスがよいことが理解される。特に、大豆蛋白加水分解物及び卵白加水分解物が配合されたタラコ含有ソース(試験例2−4)は、タラコ風味とバター風味のバランスが非常に良く、より好ましかった。これに対して、蛋白加水分解物を配合しない場合(試験例2−1)は、バター風味が感じられず好ましくなかった。
【0039】
[実施例3]
下記の配合割合に準じ、本発明のタラコ含有ソースを製した。すなわち、ミキサーに、明太子(原料として水子50%、真子50%を使用したもの)および下記配合割合の他の原料を入れ、均一になるように混合した。混合して得られたパスタソースをパウチに充填・密封した後、80℃で15分間加熱殺菌処理し、冷却して加熱殺菌済みパスタソースを製した。
【0040】
つづいて、得られたタラコ含有ソースを、25℃の室内で1ヵ月間静置した後、茹で上げたパスタにかけて試食したところ、そのタラコ含有ソースは、タラコとバターの風味のバランスが非常によく大変好ましかった。
【0041】
<タラコ含有ソースの配合割合>
タラコ 10%
バター 3%
砂糖 8%
グルタミン酸ナトリウム 15%
食塩 8%
サラダ油 25.2%
ショートニング 30%
卵白蛋白加水分解物 0.2%
いわし蛋白加水分解物 0.2%
トウモロコシ蛋白加水分解物 0.2%
大豆蛋白加水分解物 0.2%
―――――――――――――――――――

合計 100%
【0042】
[実施例4]
下記の配合割合に準じ、本発明のタラコ含有ソースを製した。
すなわち、ミキサーに、タラコ(原料として水子40%、真子60%を使用したもの)および下記配合割合の他の原料を入れ、均一になるように混合した。混合して得られたパスタソースをパウチに充填・密封した後、80℃で15分間加熱殺菌処理し、冷却して加熱殺菌済みパスタソースを製した。
【0043】
つづいて、得られたタラコ含有ソースを、25℃の室内で1週間静置した後、茹で上げたパスタにかけて試食したところ、そのタラコ含有ソースは、タラコとバターの風味のバランスが非常によく大変好ましかった。
【0044】
<タラコ含有ソースの配合割合>
タラコ 50%
バター 5%
キサンタンガム 0.2%
砂糖 4%
グルタミン酸ナトリウム 7%
食塩 4%
サラダ油 13.8%
ショートニング 15%
大豆蛋白加水分解物 0.9%
卵白蛋白加水分解物 0.1%
―――――――――――――――――――
合計 100%
【0045】
また、大豆蛋白加水分解物の配合割合を0.1%、卵白加水分解物を0.9%に変えた以外は実施例4と同様にして7種類のタラコ含有ソースを製造した。つづいて、得られたタラコ含有ソースを、25℃の室内で1週間静置した後、茹で上げたパスタにかけて試食したところ、そのタラコ含有ソースは、タラコとバターの風味のバランスが非常によく大変好ましかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タラコ、バター及び蛋白加水分解物を含有し、前記タラコ原料として、少なくとも水子及び真子が使用され、水子と真子の含有割合が質量比で10:90〜90:10であることを特徴とするタラコ含有ソース。
【請求項2】
タラコ含有ソースに対して、前記タラコの含有量が生換算で3〜80%、前記バターの含有量が1〜10%、及び前記蛋白加水分解物の含有量が0.05〜3%である請求項1記載のタラコ含有ソース。
【請求項3】
前記蛋白加水分解物が、植物性蛋白の加水分解物及び動物性蛋白の加水分解物である請求項1又は2記載のタラコ含有ソース。



【公開番号】特開2012−39950(P2012−39950A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184482(P2010−184482)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【Fターム(参考)】