タンバリン
【課題】現存するタンバリンは形状や用途も限られ、タンバリン発祥当時の原型を崩していない。特にスタンド等に固定して使用する方法は特殊であり、タンバリンは横にセットするので、鈴板が床に対しておおよそ平行になり、2枚の鈴板が重力によって重なり合い振動を打ち消し、きれいなサスティンが得られない。
【解決手段】軸体及び鈴板の角度を二次元、三次元に可変させ、タンバリンの音色やサスティン調整をする。
【解決手段】軸体及び鈴板の角度を二次元、三次元に可変させ、タンバリンの音色やサスティン調整をする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタンバリンに関する。
【背景技術】
【0002】
タンバリンは一般に円形のフレームの縁部に小さな鈴板を付けた楽器で、片面に皮を張ったものや半月型フレームに持ち手を備えたものもある。手に持って手のひらで叩くほか、膝に打ちつけたり振って鈴板を鳴らしたり、スタンドに装着してドラムスティックで叩く鳴らし方がある。またドラムセットのハイハットスタンドに取り付け、ペダルを踏んだときに鳴らすような使い方もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のタンバリンをスタンド等に取付け、ドラムセット及びパーカッションセットなどに組み入れて演奏する場合、タンバリンのタンバリンフレームをおおよそ床に平行に取り付け、タンバリンフレーム部分や打撃部分をスティックや手で叩く。その際、鈴板もタンバリンフレームに応じて床に対しおおよそ平行になるので重力によって相対する2枚の鈴板同士が重なり合い、ミュートされて鈴板のサスティンが無くなってしまう。手で持って打撃する場合は鈴板の角度が縦方向に近いのできれいな響きを出すが、スタンド等に取り付けた場合などは前述の理由で詰まった音色になってしまう。ハイハットスタンドに取り付ける場合も同様で、取付け位置であるハイハットスタンドの中の縦の作動ロッドに対してタンバリンを横に取り付けるので長いサスティンは得られず音の調整も不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、ドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等に取り付けて使用するタンバリンフレームに軸体を介して鈴板を遊装したタンバリンにおいて、前記タンバリンの軸体及び鈴板の角度可変手段を有することを特徴とするタンバリン。
【0005】
請求項2によると、請求項1記載のタンバリンにおいて、前記タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と前記タンバリンフレームの外側に突出する被打撃体を備えることを特徴とするタンバリン。
【0006】
請求項3によると、請求項1記載のタンバリンにおいて、タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と、前記タンバリンフレームを筒状に形成して、その中に軸体を設けて前記軸体に鈴板を遊装していることを特徴とするタンバリン。
【0007】
請求項4によると、請求項1記載のタンバリンにおいて、前記軸体及び鈴板の角度可変手段が二次元及び三次元的な動作をすることを特徴とするタンバリン。
【発明の効果】
【0008】
いずれにせよ、タンバリンの鈴板の角度の調整が可能になると、タンバリンの音源をエフェクト処理することなく、生音のまま演奏者の望んだ音色やサスティンをコントロールできる。例えば、タンバリン全体のうち半分の鈴板を床と平行にセットしてアタック音を強調し、残り半分の鈴板を床に対して斜めにセットするとアタックの強い鈴の音の後に長いサスティンの音色ができるといった使い方である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る実施例のタンバリンの正面図、側面図、上面図。
【図2】角度可変前と可変後と被打撃体の図。
【図3】角度可変手段の3例。
【図4】角度可変手段の3例の説明図。
【図5】本発明に係る実施例のタンバリンの正面図、側面図、上面図。
【図6】本発明に係る実施例のタンバリンの正面図、側面図、上面図。
【図7】本発明に係る実施例のタンバリンの側面図と角度可変後の図。
【図8】本発明に係る実施例の筒状タンバリンの側面図、上面透過図。
【図9】筒状タンバリンフレームの例。
【図10】筒状タンバリンフレームの例。
【図11】本発明に係る実施例のタンバリンの側面図。
【図12】本発明に係る実施例のタンバリンをスタンド等の支柱に取付けたときの図。
【図13】本発明に係る実施例のタンバリンの側面図とスタンド等の支柱に取付けたときの図。
【図14】軸体の角度とスタンド等の支柱の取付部の侵入角度の関係。
【図15】角度可変手段を有する被取付部を備えた円形タンバリンの側面図。
【図16】角度可変手段を有する被取付部を備えた筒状タンバリンの側面図と上面透過図。
【図17】角度可変手段を有する被取付部を備えた筒状タンバリンの側面図と上面透過図。
【図18】本発明に係る実施例のロッド状フレームのタンバリンの側面図。
【図19】本発明に係る実施例のタンバリンフレーム内の軸体と鈴板を有した内筒が回転するタンバリンの側面図と断面図。
【図20】本発明に係る実施例の球体フレームのタンバリンの側面図。
【図21】本発明に係る実施例の中空球体フレームのタンバリンの側面図。
【図22】本発明に係る実施例の軸体が回転するタンバリンの側面図。
【図23】軸体が回転するタンバリンをハイハットシンバルスタンドに取付けた図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のタンバリンの一実施例を図1〜図23にしたがって説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は本実施形態におけるタンバリンの(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は上面図である。本実施例ではタンバリンフレーム1はリングフレーム2とクロスフレーム3で構成され、リングフレーム2は鈴板5が収まる開口部aが設けられ、リングフレーム2に固定された軸体4に鈴板5が遊装されている。角度可変手段6を備えた支柱7とクロスフレーム3は固設しており、固設部bは固定してもかまわないが、打撃したときタンバリンの揺れを大きくするために弾性を有するもの、例えばゴムやスプリングなどを介在して連結すると効果的である(図示せず)。角度可変手段6で角度を変えるとタンバリンフレーム全体が円回動し、軸体4及び鈴板5の角度が変更される。スティック等10で打撃する部位はタンバリンフレーム1から外側に突出させて被打撃体8が設けられる。被打撃体を突出させる理由として上記形態で軸体4及び鈴板5の角度を45度にした場合の図2(E)、0度にした場合の図2(D)のいずれでも角度変更に左右されず安定した打撃を得るためである。角度可変手段6は代表的なものとして図3の(F)のクランクジョイント、(G)のユニバーサルジョイント、(H)のボールジョイントなどがあるが他のジョイントも含め選択は設計上の問題であり自由である。
【0012】
クランクジョイントは基本構造として、固定部材と可動部材を備え、前記固定部材と前記可動部材を継合する穴と軸体ボルトとストッパーボルトを設け、任意の角度でストッパーボルトを締め付け前記固定部材と前記可動部材を固定するものであり、可動部材の往復運動が可能となる。図3(F)、図4(I)で説明すると固定部材9をハウジング形に形成し、可動部材10を前記ハウジング形の固定部材9の内形に合わせた可動部材10を設け、前記固定部材9と前記可動部材10を継合する穴11と軸体ボルトを兼ねたストッパーボルト19を設けたものである。図示はしないが固定部材と可動部材の接地部分を歯合状に加工して剛性を高めたものや、摩擦を高めるための金属板を内設し、無段階の角度調整とロック機構を備えたものもある。
【0013】
ユニバーサルジョイントは基本構造として、内ハブの両サイドに前記内ハブの四方面をそれぞれが対角の二方面を包む形状をした外ハブを二つ設け、前記外ハブと内ハブが可変自在に連結するためリベット及びボルトなどの軸体が設けてあり、外ハブには軸体を通すための穴と内ハブには軸体を受け止める穴が設けてある。図3(G)、図4(J)で説明すると、サイコロ形の内ハブ12とコの字形の外ハブ13と外ハブ14を内ハブ12に対し交差するよう設置し、それぞれの外ハブには軸体を通すための穴11と内ハブ12には軸体を受け止める四方面に穴15を設け、リベット16により可変自在に連結する。可変位置を係止する場合はリベット部をストッパーボルト19に変更し使用する。
【0014】
ボールジョイントは基本構造として、固定部材と可動部材を備え、固定部材にボール部、可動部材にハウジング部を設け、前記ハウジング部内に前記ボール部を可変自在になるよう緩嵌し、ストッパーボルト19により可動を係止する。図3(H)、図4(K)で説明すると、ボール部17とハウジング部18、ストッパーボルト19を設ける。係止手段はいろいろあるが図ではストッパーボルト19をボール部に突き当てて固定する。
【0015】
例えば、図2の角度可変手段6に図3(H)のボールジョイントを採用すると全方位に可変するので被打撃体8の打面が不安定になる。そこでタンバリンフレーム1と被打撃体8の間に被打撃体の角度可変手段20を持たせたのが図5であり、(L)は正面図、(M)は側面図、(N)は上面図である。被打撃体8の角度可変手段20は図3(H)のボールジョイント機構を採用し取り付けた一例であるが他のジョイントも含め選択は設計上の問題であり自由である。
【実施例2】
【0016】
図6の実施例(O)は正面図、(P)は側面図、(Q)は上面図である。タンバリンフレーム1と被打撃体8が一体となっているが、タンバリンフレームの機能を有している範囲は鈴板が遊装している範囲なので、タンバリンフレームから突出する範囲cが被打撃体となる。タンバリンの形状は様々に考えられるがタンバリンフレーム機能範囲外で突出する部位に被打撃体を設けることが請求項2記載のタンバリンである。
【実施例3】
【0017】
図7の実施例は、実施例1の技術思想と同様で形状を変えた一例である。図7(R)は角度可変手段6を備えた支柱7に加え、支柱7とロッド状のタンバリンフレーム1に内在する軸体4とタンバリンフレーム1の連結にボールジョイント22を使用し、タンバリンフレーム1と被打撃体8の連結に被打撃体の角度可変手段20としてボールジョイントを設けたものである。図7(S)は角度可変手段6とボールジョイント22で角度をつけ、被打撃体8をスティック等21で打撃しやすい角度に設定した一例である。尚、図7における角度可変手段6、ボールジョイント22、被打撃体の角度可変手段20の角度可変部は図3の3例や現存する自在継手機構を含め選択は設計上の問題であり自由である。
【実施例4】
【0018】
図8は本実施形態におけるタンバリンの(T)は側面図、(U)は上面透過図である。本実施例ではタンバリンフレーム1は筒状であり、筒状のタンバリンフレーム1の両端に音抜けのための開口部aが設けられ、タンバリンフレーム1内に任意の位置に固定された軸体4に鈴板5が遊装されている。角度可変手段6を備えた支柱7とタンバリンフレーム1は固設しており、固設部bは固定してもかまわないが、打撃したときタンバリンの揺れを大きくするために弾性を有するもの、例えばゴムやスプリングなどを介在して連結すると効果的である(図示せず)。角度可変手段6で角度を変えるとタンバリンフレーム1全体が回動し、軸体4及び鈴板5の角度が変更される。スティック等で打撃する部位は筒状のタンバリンフレームであるため、タンバリンフレーム1の表面を打撃することになる。筒状のタンバリンフレームは円形であれ多角形であれ、床に対して平行にセットすると鈴板の角度に関係なく安定した打点を得ることができるメリットがある。角度可変手段6の角度可変部は図3の3例や現存する自在継手機構を含め選択は設計上の問題であり自由である。
【0019】
また筒状のタンバリンフレームの一例として図9、図10を例にあげた(軸体、鈴板等は図示せず)。ロッドで構成されたもの図9(V)やリング状のもの図9(W)、また音抜けを良くするためフレームに穴を設けたもの図10(X)や筒状の形状の一部をカットした図10(Y)(Z)などの形態も含まれる。図では円形だが多角形や筒の内径が長手方向に様々に異なる形状でも構わない(実施例4、実施例6、実施例8、実施例9に適用)。
【実施例5】
【0020】
図11はドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等の支柱の取付部に対して、円形タンバリンフレーム1に可変部23を設けたタンバリンの一実施例で(AA)は側面図、(AB)は上面図ある。可変部23はタンバリンの側面に設けストッパーボルト24と被打撃体8を備えている。dはスタンド等の支柱の取付部の進入方向である。スタンド等の支柱の取付部25をタンバリンの可変部23にセットすると図12のようになり、可変部23に設けられているストッパーボルト24を緩め、タンバリン全体を回転させ、任意の鈴板の角度で固定して使用する。図12の(AC)と(AD)は90度回転させた場合の図である。
【0021】
円形及び半円形などのタンバリンフレームの場合、被打撃体を突出させずに中央エリアeに設定するのも有効である(実施例5、実施例7に適用)。
【実施例6】
【0022】
図13はドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等の支柱の取付部25に対して、筒状のタンバリンフレーム1に可変部23とストッパーボルト24を設けたタンバリンの一実施例で(AE)はタンバリン本体、(AF)はスタンド等の支柱の取付部25にタンバリンの可変部をセットした場合の透過図である。
【0023】
タンバリンフレームに備える可変部23の取付位置とスタンド等の支柱の取付部の進入方向の角度は、可変部23によりタンバリンを回転させると軸体4及び鈴板5の角度が可変する条件であればどこでも構わない。スタンド等の支柱の取付部25がタンバリンの角度可変手段を有する可変部23に進入する角度と、タンバリンの軸体4の角度がほぼ0度を超過する場合は全て鈴板の角度が可変することになる。
【0024】
図14で説明すると、(AG)は現存するタンバリンの取付位置と角度であり(タンバリンの形状は問わない)、軸体4の長手方向とスタンド等の支柱の取付部25の進入角度が0°となる可変部23の位置であり本発明から除外される。理由としてタンバリンを回転させても軸体4及び鈴板5の角度は変化しない位置であるためである。
【0025】
可変部23の有効な位置の例として、図14(AH)は軸体4の長手方向とスタンド等の支柱の取付部25の進入方向の角度が90°となる可変部23の位置でありタンバリンを回転させて軸体4及び鈴板5の角度を調整することができる。また(AI)は軸体4の長手方向とスタンド等の支柱の取付部25の進入方向の角度が30°となる可変部23の位置でありタンバリンを回転させて軸体4及び鈴板5の角度を可変することができる。よってタンバリンの形状に関係なくスタンド等の支柱の取付部25の進入方向と軸体4の長手方向の角度がほぼ0度を超過する場合は全て軸体及び鈴板の角度が可変することになる。
【実施例7】
【0026】
図15(AJ)は円形タンバリンフレーム1に可変部23にスタンド等の支柱7の取付部25であるボールジョイントのボール部26に対応したハウジング部27とストッパーボルト24を設け、被打撃体8と被打撃体の角度可変手段20を有したタンバリンの側面図であり、図15(AK)はスタンド等の支柱7の取付部25にタンバリンを取付けたときの図である。タンバリンの軸体4及び鈴板5は三次元に可変し、それに合わせ打撃し易い角度に被打撃体の角度可変手段20を用い被打撃体の角度位置を任意に決定し使用する。
【0027】
尚、被打撃体の有無やタンバリンフレーム1に対する取付け位置は自由である(実施例4〜実施例14に適用する)。
【実施例8】
【0028】
図16(AL)は筒状タンバリンフレーム1に、可変部23にスタンド等の支柱7の取付部25であるボールジョイントのボール部26に対応したハウジング部27とストッパーボルト24を設けたタンバリンの側面図であり、図16(AM)はスタンド等の支柱7の取付部25にタンバリンを取付けたときの上面透過図である。タンバリンの軸体4及び鈴板5は三次元に可変するので、被打撃体及び被打撃体の角度可変手段をタンバリンフレーム1の外側の任意の位置に加えても有効である。(図示せず)
【0029】
実施例7,8の可変部23はボールジョイントのボール部26に対応したハウジング部27を設けているが、逆のボール部26を可変部として設けても有効である。
【実施例9】
【0030】
図17は筒状のタンバリンフレーム1に角度可変手段であるC型クランプ部28を設けた図で、(AN)は側面図、(AO)は正面断面図である。タンバリンフレーム1を雄部、C型クランプ部28を雌部として、C型クランプ部28はタンバリンフレーム1に対し挟み込んで張着するような形状を有し、タンバリンフレーム1は張着位置がずれないよう溝を設ける。軸体4及び鈴板5の角度を可変させるには、C型クランプ28を定位置に手でタンバリンフレーム1を回わすだけでよい。図示はしないが、溝を設けない場合や張着が弱い場合などはC型クランプ部28にストッパーボルトを設けると問題点が解消される。図17(AP)のようにO型クランプ29でタンバリンフレームを挟みO型クランプ29の両端を締め付ける締め付けボルト30を設ける機構も考えられる。タンバリンフレーム1の形状、スタンド等の支柱の取付部に対する被取付部31の形態、位置は任意条件である。また前記ストッパーボルトは用いず、C型クランプ28とタンバリンフレーム1の接点となるそれぞれの面に手で回すことができる具合の嵌合する凹凸を設け、軸体4及び鈴板5の角度位置を安定させるのも有効である。(図示せず)
【実施例10】
【0031】
図18(AQ)はロッド状のタンバリンフレーム1に角度可変手段6であるボールジョイント22を介して軸体4を設け、軸体4に鈴板5を遊装し、タンバリンフレーム1に被打撃体8を設ける。ボールジョイント22で軸体4及び鈴板5は三次元的に角度を可変することができる。角度ポジションを係止するためのストッパーボルトは図示していない。タンバリンフレーム1の形状、スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例11】
【0032】
図19(AR)は正面図、(AS),(AT)は断面図である。軸体4と鈴板5を収めるスペースを空けた形状の、fの位置で2分割したタンバリンフレーム1と、軸体4と軸体4に遊装した鈴板5を内設したタンバリンフレーム1に咬合する形状で内嵌する内筒部32と、2分割したタンバリンフレーム1を固定するための止めボルト33と緩やかに咬合しているタンバリンフレーム1と内筒部32を任意の軸体と鈴板の角度で係止するためのストッパーボルト24を設ける。軸体4と鈴板5と一体になった内筒部32を回転させることによって、軸体4と鈴板5の角度を可変する。タンバリンフレーム1の形状、タンバリンフレーム1に対する軸体4及び鈴板5の設置方法、スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例12】
【0033】
図20(AU)は側面図。球状形のタンバリンフレーム1の表面に無数のタッピング加工した穴34と、前記タッピング加工した穴34に螺設するため、先端部にタッピング加工した軸体4と軸体4に遊装した鈴板5を設ける。鈴板5が遊装された軸体4を球状形タンバリンフレーム1に複数螺設し、全方位の任意の螺設位置によって軸体4及び鈴板5の可変を実現させる。螺設取付数で音色を変化させることも可能。また被打撃体8は軸体と同様にタッピング加工を施し任意の位置に螺設する。尚、本実施例ではタンバリンフレーム1の形状は球体だが多角形でも構わない。要するにタンバリンフレーム1のほぼ中心部から軸体が放射状に設置すればよく形状は問わない。スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例13】
【0034】
図21(AV)は角度可変手段を除いた側面図で、(AW)は角度可変手段を加えた側面図である。中空の球体タンバリンフレーム1の表面をネット状にしたものの中にタンバリンフレーム1に固定された軸体4と軸体4に遊装された鈴板5を設け、球体タンバリンフレーム1の外周を覆う角度可変手段であるO型クランプ29と、球体タンバリンフレーム1を係止するための締め付けボルト30と被取付部31を設ける。軸体4及び鈴板5は三次元の角度可変が可能で任意の位置で締め付け、締め付けボルト30で固定する。本実施例では球体タンバリンフレーム1の表面部はネット状になっているが、中空であれば表面のデザイン選択などは設計上の問題であり自由である。スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例14】
【0035】
図22(AX)は上面透過図、(AY)は側面透過図である((AY)の手前の鈴板は図示せず)。クロス形状のタンバリンフレーム1の側面と中央に穴を設け、鈴板5が遊装された軸体4をタンバリンフレーム1側面の穴に挿通させ、軸体を係止させるためのストッパーボルト24とスタンド等の支柱へ取付けるための中央の穴を含めた被取付部31を設ける。軸体4及び鈴板5を回転させることにより軸体4及び鈴板5は角度可変し、任意の位置でストッパーボルト24を用い係止させる。被打撃部は図示していないが打撃し易い位置に設けても良いだろう。本実施例はドラムセットのハイハットシンバルスタンドのロッド部の上位位置に取付けるのに適している。ハイハットシンバルスタンドの作動ロッド部35を被取付部31に挿通させ、止めボルト33で固定する。そのイメージ図が図23である。
【実施例15】
【0036】
図示はしないが、軸体を湾曲させて、その軸体に鈴板を遊装させ、鈴板の位置を任意の位置に移動でき、抜き差しできるピンなどで固定させることで鈴板の角度を可変し、サスティン調整する。
【符号の説明】
【0037】
a:開口部
b:突出する範囲
c:突出する範囲
d:スタンド等の支柱の取付部の進入方向
e:中央エリア
1:タンバリンフレーム
2:リングフレーム
3:クロスフレーム
4:軸体
5:鈴板
6:角度可変手段
7:支柱
8:被打撃体
9:固定部材
10:可動部材
11:穴
12:内ハブ
13:外ハブ
14:外ハブ
15:穴
16:リベット
17:ボール部
18:ハウジング部
19:ストッパーボルト
20:被打撃体の角度可変手段
21:スティック等
22:ボールジョイント
23:可変部
24:ストッパーボルト
25:スタンド等の支柱の取付部
26:ボール部
27:ハウジング部
28:C型クランプ
29:O型クランプ
30:締め付けボルト
31:被取付部
32:内筒部
33:止めボルト
34:タッピング加工した穴
35:ハイハットシンバルの作動ロッド
【技術分野】
【0001】
本発明はタンバリンに関する。
【背景技術】
【0002】
タンバリンは一般に円形のフレームの縁部に小さな鈴板を付けた楽器で、片面に皮を張ったものや半月型フレームに持ち手を備えたものもある。手に持って手のひらで叩くほか、膝に打ちつけたり振って鈴板を鳴らしたり、スタンドに装着してドラムスティックで叩く鳴らし方がある。またドラムセットのハイハットスタンドに取り付け、ペダルを踏んだときに鳴らすような使い方もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のタンバリンをスタンド等に取付け、ドラムセット及びパーカッションセットなどに組み入れて演奏する場合、タンバリンのタンバリンフレームをおおよそ床に平行に取り付け、タンバリンフレーム部分や打撃部分をスティックや手で叩く。その際、鈴板もタンバリンフレームに応じて床に対しおおよそ平行になるので重力によって相対する2枚の鈴板同士が重なり合い、ミュートされて鈴板のサスティンが無くなってしまう。手で持って打撃する場合は鈴板の角度が縦方向に近いのできれいな響きを出すが、スタンド等に取り付けた場合などは前述の理由で詰まった音色になってしまう。ハイハットスタンドに取り付ける場合も同様で、取付け位置であるハイハットスタンドの中の縦の作動ロッドに対してタンバリンを横に取り付けるので長いサスティンは得られず音の調整も不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、ドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等に取り付けて使用するタンバリンフレームに軸体を介して鈴板を遊装したタンバリンにおいて、前記タンバリンの軸体及び鈴板の角度可変手段を有することを特徴とするタンバリン。
【0005】
請求項2によると、請求項1記載のタンバリンにおいて、前記タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と前記タンバリンフレームの外側に突出する被打撃体を備えることを特徴とするタンバリン。
【0006】
請求項3によると、請求項1記載のタンバリンにおいて、タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と、前記タンバリンフレームを筒状に形成して、その中に軸体を設けて前記軸体に鈴板を遊装していることを特徴とするタンバリン。
【0007】
請求項4によると、請求項1記載のタンバリンにおいて、前記軸体及び鈴板の角度可変手段が二次元及び三次元的な動作をすることを特徴とするタンバリン。
【発明の効果】
【0008】
いずれにせよ、タンバリンの鈴板の角度の調整が可能になると、タンバリンの音源をエフェクト処理することなく、生音のまま演奏者の望んだ音色やサスティンをコントロールできる。例えば、タンバリン全体のうち半分の鈴板を床と平行にセットしてアタック音を強調し、残り半分の鈴板を床に対して斜めにセットするとアタックの強い鈴の音の後に長いサスティンの音色ができるといった使い方である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る実施例のタンバリンの正面図、側面図、上面図。
【図2】角度可変前と可変後と被打撃体の図。
【図3】角度可変手段の3例。
【図4】角度可変手段の3例の説明図。
【図5】本発明に係る実施例のタンバリンの正面図、側面図、上面図。
【図6】本発明に係る実施例のタンバリンの正面図、側面図、上面図。
【図7】本発明に係る実施例のタンバリンの側面図と角度可変後の図。
【図8】本発明に係る実施例の筒状タンバリンの側面図、上面透過図。
【図9】筒状タンバリンフレームの例。
【図10】筒状タンバリンフレームの例。
【図11】本発明に係る実施例のタンバリンの側面図。
【図12】本発明に係る実施例のタンバリンをスタンド等の支柱に取付けたときの図。
【図13】本発明に係る実施例のタンバリンの側面図とスタンド等の支柱に取付けたときの図。
【図14】軸体の角度とスタンド等の支柱の取付部の侵入角度の関係。
【図15】角度可変手段を有する被取付部を備えた円形タンバリンの側面図。
【図16】角度可変手段を有する被取付部を備えた筒状タンバリンの側面図と上面透過図。
【図17】角度可変手段を有する被取付部を備えた筒状タンバリンの側面図と上面透過図。
【図18】本発明に係る実施例のロッド状フレームのタンバリンの側面図。
【図19】本発明に係る実施例のタンバリンフレーム内の軸体と鈴板を有した内筒が回転するタンバリンの側面図と断面図。
【図20】本発明に係る実施例の球体フレームのタンバリンの側面図。
【図21】本発明に係る実施例の中空球体フレームのタンバリンの側面図。
【図22】本発明に係る実施例の軸体が回転するタンバリンの側面図。
【図23】軸体が回転するタンバリンをハイハットシンバルスタンドに取付けた図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のタンバリンの一実施例を図1〜図23にしたがって説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は本実施形態におけるタンバリンの(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は上面図である。本実施例ではタンバリンフレーム1はリングフレーム2とクロスフレーム3で構成され、リングフレーム2は鈴板5が収まる開口部aが設けられ、リングフレーム2に固定された軸体4に鈴板5が遊装されている。角度可変手段6を備えた支柱7とクロスフレーム3は固設しており、固設部bは固定してもかまわないが、打撃したときタンバリンの揺れを大きくするために弾性を有するもの、例えばゴムやスプリングなどを介在して連結すると効果的である(図示せず)。角度可変手段6で角度を変えるとタンバリンフレーム全体が円回動し、軸体4及び鈴板5の角度が変更される。スティック等10で打撃する部位はタンバリンフレーム1から外側に突出させて被打撃体8が設けられる。被打撃体を突出させる理由として上記形態で軸体4及び鈴板5の角度を45度にした場合の図2(E)、0度にした場合の図2(D)のいずれでも角度変更に左右されず安定した打撃を得るためである。角度可変手段6は代表的なものとして図3の(F)のクランクジョイント、(G)のユニバーサルジョイント、(H)のボールジョイントなどがあるが他のジョイントも含め選択は設計上の問題であり自由である。
【0012】
クランクジョイントは基本構造として、固定部材と可動部材を備え、前記固定部材と前記可動部材を継合する穴と軸体ボルトとストッパーボルトを設け、任意の角度でストッパーボルトを締め付け前記固定部材と前記可動部材を固定するものであり、可動部材の往復運動が可能となる。図3(F)、図4(I)で説明すると固定部材9をハウジング形に形成し、可動部材10を前記ハウジング形の固定部材9の内形に合わせた可動部材10を設け、前記固定部材9と前記可動部材10を継合する穴11と軸体ボルトを兼ねたストッパーボルト19を設けたものである。図示はしないが固定部材と可動部材の接地部分を歯合状に加工して剛性を高めたものや、摩擦を高めるための金属板を内設し、無段階の角度調整とロック機構を備えたものもある。
【0013】
ユニバーサルジョイントは基本構造として、内ハブの両サイドに前記内ハブの四方面をそれぞれが対角の二方面を包む形状をした外ハブを二つ設け、前記外ハブと内ハブが可変自在に連結するためリベット及びボルトなどの軸体が設けてあり、外ハブには軸体を通すための穴と内ハブには軸体を受け止める穴が設けてある。図3(G)、図4(J)で説明すると、サイコロ形の内ハブ12とコの字形の外ハブ13と外ハブ14を内ハブ12に対し交差するよう設置し、それぞれの外ハブには軸体を通すための穴11と内ハブ12には軸体を受け止める四方面に穴15を設け、リベット16により可変自在に連結する。可変位置を係止する場合はリベット部をストッパーボルト19に変更し使用する。
【0014】
ボールジョイントは基本構造として、固定部材と可動部材を備え、固定部材にボール部、可動部材にハウジング部を設け、前記ハウジング部内に前記ボール部を可変自在になるよう緩嵌し、ストッパーボルト19により可動を係止する。図3(H)、図4(K)で説明すると、ボール部17とハウジング部18、ストッパーボルト19を設ける。係止手段はいろいろあるが図ではストッパーボルト19をボール部に突き当てて固定する。
【0015】
例えば、図2の角度可変手段6に図3(H)のボールジョイントを採用すると全方位に可変するので被打撃体8の打面が不安定になる。そこでタンバリンフレーム1と被打撃体8の間に被打撃体の角度可変手段20を持たせたのが図5であり、(L)は正面図、(M)は側面図、(N)は上面図である。被打撃体8の角度可変手段20は図3(H)のボールジョイント機構を採用し取り付けた一例であるが他のジョイントも含め選択は設計上の問題であり自由である。
【実施例2】
【0016】
図6の実施例(O)は正面図、(P)は側面図、(Q)は上面図である。タンバリンフレーム1と被打撃体8が一体となっているが、タンバリンフレームの機能を有している範囲は鈴板が遊装している範囲なので、タンバリンフレームから突出する範囲cが被打撃体となる。タンバリンの形状は様々に考えられるがタンバリンフレーム機能範囲外で突出する部位に被打撃体を設けることが請求項2記載のタンバリンである。
【実施例3】
【0017】
図7の実施例は、実施例1の技術思想と同様で形状を変えた一例である。図7(R)は角度可変手段6を備えた支柱7に加え、支柱7とロッド状のタンバリンフレーム1に内在する軸体4とタンバリンフレーム1の連結にボールジョイント22を使用し、タンバリンフレーム1と被打撃体8の連結に被打撃体の角度可変手段20としてボールジョイントを設けたものである。図7(S)は角度可変手段6とボールジョイント22で角度をつけ、被打撃体8をスティック等21で打撃しやすい角度に設定した一例である。尚、図7における角度可変手段6、ボールジョイント22、被打撃体の角度可変手段20の角度可変部は図3の3例や現存する自在継手機構を含め選択は設計上の問題であり自由である。
【実施例4】
【0018】
図8は本実施形態におけるタンバリンの(T)は側面図、(U)は上面透過図である。本実施例ではタンバリンフレーム1は筒状であり、筒状のタンバリンフレーム1の両端に音抜けのための開口部aが設けられ、タンバリンフレーム1内に任意の位置に固定された軸体4に鈴板5が遊装されている。角度可変手段6を備えた支柱7とタンバリンフレーム1は固設しており、固設部bは固定してもかまわないが、打撃したときタンバリンの揺れを大きくするために弾性を有するもの、例えばゴムやスプリングなどを介在して連結すると効果的である(図示せず)。角度可変手段6で角度を変えるとタンバリンフレーム1全体が回動し、軸体4及び鈴板5の角度が変更される。スティック等で打撃する部位は筒状のタンバリンフレームであるため、タンバリンフレーム1の表面を打撃することになる。筒状のタンバリンフレームは円形であれ多角形であれ、床に対して平行にセットすると鈴板の角度に関係なく安定した打点を得ることができるメリットがある。角度可変手段6の角度可変部は図3の3例や現存する自在継手機構を含め選択は設計上の問題であり自由である。
【0019】
また筒状のタンバリンフレームの一例として図9、図10を例にあげた(軸体、鈴板等は図示せず)。ロッドで構成されたもの図9(V)やリング状のもの図9(W)、また音抜けを良くするためフレームに穴を設けたもの図10(X)や筒状の形状の一部をカットした図10(Y)(Z)などの形態も含まれる。図では円形だが多角形や筒の内径が長手方向に様々に異なる形状でも構わない(実施例4、実施例6、実施例8、実施例9に適用)。
【実施例5】
【0020】
図11はドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等の支柱の取付部に対して、円形タンバリンフレーム1に可変部23を設けたタンバリンの一実施例で(AA)は側面図、(AB)は上面図ある。可変部23はタンバリンの側面に設けストッパーボルト24と被打撃体8を備えている。dはスタンド等の支柱の取付部の進入方向である。スタンド等の支柱の取付部25をタンバリンの可変部23にセットすると図12のようになり、可変部23に設けられているストッパーボルト24を緩め、タンバリン全体を回転させ、任意の鈴板の角度で固定して使用する。図12の(AC)と(AD)は90度回転させた場合の図である。
【0021】
円形及び半円形などのタンバリンフレームの場合、被打撃体を突出させずに中央エリアeに設定するのも有効である(実施例5、実施例7に適用)。
【実施例6】
【0022】
図13はドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等の支柱の取付部25に対して、筒状のタンバリンフレーム1に可変部23とストッパーボルト24を設けたタンバリンの一実施例で(AE)はタンバリン本体、(AF)はスタンド等の支柱の取付部25にタンバリンの可変部をセットした場合の透過図である。
【0023】
タンバリンフレームに備える可変部23の取付位置とスタンド等の支柱の取付部の進入方向の角度は、可変部23によりタンバリンを回転させると軸体4及び鈴板5の角度が可変する条件であればどこでも構わない。スタンド等の支柱の取付部25がタンバリンの角度可変手段を有する可変部23に進入する角度と、タンバリンの軸体4の角度がほぼ0度を超過する場合は全て鈴板の角度が可変することになる。
【0024】
図14で説明すると、(AG)は現存するタンバリンの取付位置と角度であり(タンバリンの形状は問わない)、軸体4の長手方向とスタンド等の支柱の取付部25の進入角度が0°となる可変部23の位置であり本発明から除外される。理由としてタンバリンを回転させても軸体4及び鈴板5の角度は変化しない位置であるためである。
【0025】
可変部23の有効な位置の例として、図14(AH)は軸体4の長手方向とスタンド等の支柱の取付部25の進入方向の角度が90°となる可変部23の位置でありタンバリンを回転させて軸体4及び鈴板5の角度を調整することができる。また(AI)は軸体4の長手方向とスタンド等の支柱の取付部25の進入方向の角度が30°となる可変部23の位置でありタンバリンを回転させて軸体4及び鈴板5の角度を可変することができる。よってタンバリンの形状に関係なくスタンド等の支柱の取付部25の進入方向と軸体4の長手方向の角度がほぼ0度を超過する場合は全て軸体及び鈴板の角度が可変することになる。
【実施例7】
【0026】
図15(AJ)は円形タンバリンフレーム1に可変部23にスタンド等の支柱7の取付部25であるボールジョイントのボール部26に対応したハウジング部27とストッパーボルト24を設け、被打撃体8と被打撃体の角度可変手段20を有したタンバリンの側面図であり、図15(AK)はスタンド等の支柱7の取付部25にタンバリンを取付けたときの図である。タンバリンの軸体4及び鈴板5は三次元に可変し、それに合わせ打撃し易い角度に被打撃体の角度可変手段20を用い被打撃体の角度位置を任意に決定し使用する。
【0027】
尚、被打撃体の有無やタンバリンフレーム1に対する取付け位置は自由である(実施例4〜実施例14に適用する)。
【実施例8】
【0028】
図16(AL)は筒状タンバリンフレーム1に、可変部23にスタンド等の支柱7の取付部25であるボールジョイントのボール部26に対応したハウジング部27とストッパーボルト24を設けたタンバリンの側面図であり、図16(AM)はスタンド等の支柱7の取付部25にタンバリンを取付けたときの上面透過図である。タンバリンの軸体4及び鈴板5は三次元に可変するので、被打撃体及び被打撃体の角度可変手段をタンバリンフレーム1の外側の任意の位置に加えても有効である。(図示せず)
【0029】
実施例7,8の可変部23はボールジョイントのボール部26に対応したハウジング部27を設けているが、逆のボール部26を可変部として設けても有効である。
【実施例9】
【0030】
図17は筒状のタンバリンフレーム1に角度可変手段であるC型クランプ部28を設けた図で、(AN)は側面図、(AO)は正面断面図である。タンバリンフレーム1を雄部、C型クランプ部28を雌部として、C型クランプ部28はタンバリンフレーム1に対し挟み込んで張着するような形状を有し、タンバリンフレーム1は張着位置がずれないよう溝を設ける。軸体4及び鈴板5の角度を可変させるには、C型クランプ28を定位置に手でタンバリンフレーム1を回わすだけでよい。図示はしないが、溝を設けない場合や張着が弱い場合などはC型クランプ部28にストッパーボルトを設けると問題点が解消される。図17(AP)のようにO型クランプ29でタンバリンフレームを挟みO型クランプ29の両端を締め付ける締め付けボルト30を設ける機構も考えられる。タンバリンフレーム1の形状、スタンド等の支柱の取付部に対する被取付部31の形態、位置は任意条件である。また前記ストッパーボルトは用いず、C型クランプ28とタンバリンフレーム1の接点となるそれぞれの面に手で回すことができる具合の嵌合する凹凸を設け、軸体4及び鈴板5の角度位置を安定させるのも有効である。(図示せず)
【実施例10】
【0031】
図18(AQ)はロッド状のタンバリンフレーム1に角度可変手段6であるボールジョイント22を介して軸体4を設け、軸体4に鈴板5を遊装し、タンバリンフレーム1に被打撃体8を設ける。ボールジョイント22で軸体4及び鈴板5は三次元的に角度を可変することができる。角度ポジションを係止するためのストッパーボルトは図示していない。タンバリンフレーム1の形状、スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例11】
【0032】
図19(AR)は正面図、(AS),(AT)は断面図である。軸体4と鈴板5を収めるスペースを空けた形状の、fの位置で2分割したタンバリンフレーム1と、軸体4と軸体4に遊装した鈴板5を内設したタンバリンフレーム1に咬合する形状で内嵌する内筒部32と、2分割したタンバリンフレーム1を固定するための止めボルト33と緩やかに咬合しているタンバリンフレーム1と内筒部32を任意の軸体と鈴板の角度で係止するためのストッパーボルト24を設ける。軸体4と鈴板5と一体になった内筒部32を回転させることによって、軸体4と鈴板5の角度を可変する。タンバリンフレーム1の形状、タンバリンフレーム1に対する軸体4及び鈴板5の設置方法、スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例12】
【0033】
図20(AU)は側面図。球状形のタンバリンフレーム1の表面に無数のタッピング加工した穴34と、前記タッピング加工した穴34に螺設するため、先端部にタッピング加工した軸体4と軸体4に遊装した鈴板5を設ける。鈴板5が遊装された軸体4を球状形タンバリンフレーム1に複数螺設し、全方位の任意の螺設位置によって軸体4及び鈴板5の可変を実現させる。螺設取付数で音色を変化させることも可能。また被打撃体8は軸体と同様にタッピング加工を施し任意の位置に螺設する。尚、本実施例ではタンバリンフレーム1の形状は球体だが多角形でも構わない。要するにタンバリンフレーム1のほぼ中心部から軸体が放射状に設置すればよく形状は問わない。スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例13】
【0034】
図21(AV)は角度可変手段を除いた側面図で、(AW)は角度可変手段を加えた側面図である。中空の球体タンバリンフレーム1の表面をネット状にしたものの中にタンバリンフレーム1に固定された軸体4と軸体4に遊装された鈴板5を設け、球体タンバリンフレーム1の外周を覆う角度可変手段であるO型クランプ29と、球体タンバリンフレーム1を係止するための締め付けボルト30と被取付部31を設ける。軸体4及び鈴板5は三次元の角度可変が可能で任意の位置で締め付け、締め付けボルト30で固定する。本実施例では球体タンバリンフレーム1の表面部はネット状になっているが、中空であれば表面のデザイン選択などは設計上の問題であり自由である。スタンド等の支柱へ取付けるための被取付部31の形態、位置は任意条件である。
【実施例14】
【0035】
図22(AX)は上面透過図、(AY)は側面透過図である((AY)の手前の鈴板は図示せず)。クロス形状のタンバリンフレーム1の側面と中央に穴を設け、鈴板5が遊装された軸体4をタンバリンフレーム1側面の穴に挿通させ、軸体を係止させるためのストッパーボルト24とスタンド等の支柱へ取付けるための中央の穴を含めた被取付部31を設ける。軸体4及び鈴板5を回転させることにより軸体4及び鈴板5は角度可変し、任意の位置でストッパーボルト24を用い係止させる。被打撃部は図示していないが打撃し易い位置に設けても良いだろう。本実施例はドラムセットのハイハットシンバルスタンドのロッド部の上位位置に取付けるのに適している。ハイハットシンバルスタンドの作動ロッド部35を被取付部31に挿通させ、止めボルト33で固定する。そのイメージ図が図23である。
【実施例15】
【0036】
図示はしないが、軸体を湾曲させて、その軸体に鈴板を遊装させ、鈴板の位置を任意の位置に移動でき、抜き差しできるピンなどで固定させることで鈴板の角度を可変し、サスティン調整する。
【符号の説明】
【0037】
a:開口部
b:突出する範囲
c:突出する範囲
d:スタンド等の支柱の取付部の進入方向
e:中央エリア
1:タンバリンフレーム
2:リングフレーム
3:クロスフレーム
4:軸体
5:鈴板
6:角度可変手段
7:支柱
8:被打撃体
9:固定部材
10:可動部材
11:穴
12:内ハブ
13:外ハブ
14:外ハブ
15:穴
16:リベット
17:ボール部
18:ハウジング部
19:ストッパーボルト
20:被打撃体の角度可変手段
21:スティック等
22:ボールジョイント
23:可変部
24:ストッパーボルト
25:スタンド等の支柱の取付部
26:ボール部
27:ハウジング部
28:C型クランプ
29:O型クランプ
30:締め付けボルト
31:被取付部
32:内筒部
33:止めボルト
34:タッピング加工した穴
35:ハイハットシンバルの作動ロッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等に取付けて使用するタンバリンフレームに軸体を介して鈴板を遊装したタンバリンにおいて、前記タンバリンの軸体及び鈴板の角度可変手段を有することを特徴とするタンバリン。
【請求項2】
請求項1記載のタンバリンにおいて、前記タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と前記タンバリンフレームの外側に突出する被打撃体を備えることを特徴とするタンバリン。
【請求項3】
請求項1記載のタンバリンにおいて、タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と、前記タンバリンフレームを筒状に形成して、その中に軸体を設けて前記軸体に鈴板を遊装していることを特徴とするタンバリン。
【請求項4】
請求項1記載のタンバリンにおいて、前記軸体及び鈴板の角度可変手段が三次元的な動作をすることを特徴とするタンバリン。
【請求項1】
ドラムセット及びパーカッションセットのスタンド等に取付けて使用するタンバリンフレームに軸体を介して鈴板を遊装したタンバリンにおいて、前記タンバリンの軸体及び鈴板の角度可変手段を有することを特徴とするタンバリン。
【請求項2】
請求項1記載のタンバリンにおいて、前記タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と前記タンバリンフレームの外側に突出する被打撃体を備えることを特徴とするタンバリン。
【請求項3】
請求項1記載のタンバリンにおいて、タンバリンフレームに固定された角度可変手段を備えた支柱と、前記タンバリンフレームを筒状に形成して、その中に軸体を設けて前記軸体に鈴板を遊装していることを特徴とするタンバリン。
【請求項4】
請求項1記載のタンバリンにおいて、前記軸体及び鈴板の角度可変手段が三次元的な動作をすることを特徴とするタンバリン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−266529(P2010−266529A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115569(P2009−115569)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(507345491)有限会社ファニィボーン (7)
【出願人】(508052787)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(507345491)有限会社ファニィボーン (7)
【出願人】(508052787)
[ Back to top ]