タンパク質の組み合わせを含有する細胞培養培地
本発明は、タンパク質の組み合わせを含有する細胞培養培地、ならびにそれらの細胞培養培地を作製する方法、および培養細胞の成長特性を改善するためにそれらの細胞培養培地を使用する方法に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養中の細胞の細胞成長を高めるための方法であって、前記細胞培養培地への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、前記組換えアルブミンは、
i) 植物中で産生され、
ii) アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつ
iii) 約2%未満の凝集アルブミンを有し、前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項2】
無血清培地に適応した細胞の生産性を高めるための方法であって、前記無血清培地への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、前記組換えアルブミンは、
i) 植物中で産生され、
ii) アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつ
iii) 約2%未満の凝集アルブミンを有し、前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質対前記組換えアルブミンの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項3】
培養中の細胞から産生される組換え産物の収率を改善するための方法であって、前記培養への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、
前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の
前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項4】
バイオリアクター内で培養中の細胞の生存率を改善するための方法であって、前記バイオリアクター内での前記培養への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、
組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、
前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の
前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項5】
無血清培地中で成長する細胞の生存率を改善するための方法であって、前記無血清培地への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、
組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、
前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素
を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の
前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成り、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項6】
前記培養中の細胞の生存率が増加する、請求項2または3に記載の方法。
【請求項7】
前記栄養補助剤は、インスリンをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記栄養補助剤は、セレンおよびエタノールアミンをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記細胞は、組織培養細胞である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記細胞は、CHO細胞である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記細胞は、ハイブリドーマ細胞である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記タンパク質は、抗体である、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記組換えアルブミンは、少なくとも約0.01重量/重量%の熱ショックタンパク質を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記熱ショックタンパク質は、イネ熱ショックタンパク質である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記熱ショックタンパク質は、イネHSP70遺伝子と、イネ胚乳内腔結合タンパク質とから成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記熱ショックタンパク質は、イネ(gb|ACJ54890.1|)と、EEC69073/OsI_37938と、AAB63469とから成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、ラクトフェリンである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、トランスフェリンである、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記トランスフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対50〜約1対5000である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ラクトフェリンは、組換えラクトフェリンである、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ラクトフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対3〜約1対0.33である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
細胞生存率における前記改善は、同一の培養条件下で測定される時に、単独で添加された場合の前記組換えアルブミンおよび前記トランスフェリン関連タンパク質の合算効果と比較して、30%より大きい、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含む栄養補助剤であって、前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、栄養補助剤。
【請求項24】
前記組換えアルブミンは、少なくとも約0.01重量/重量%の熱ショックタンパク質を含む、請求項23に記載の栄養補助剤。
【請求項25】
前記熱ショックタンパク質は、イネ熱ショックタンパク質である、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項26】
前記熱ショックタンパク質は、イネHSP70遺伝子と、イネ胚乳内腔結合タンパク質とから成る群から選択される、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項27】
前記熱ショックタンパク質は、イネ(gb|ACJ54890.1|)と、EEC69073/OsI_37938と、AAB63469とから成る群から選択される、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項28】
前記栄養補助剤は、少なくとも約0.04重量/重量%のHSP70を含む、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項29】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、ラクトフェリンである、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項30】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、トランスフェリンである、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項31】
前記トランスフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対50〜約1対5000である、請求項30に記載の栄養補助剤。
【請求項32】
前記ラクトフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対3〜約1対0.33である、請求項31に記載の栄養補助剤。
【請求項1】
培養中の細胞の細胞成長を高めるための方法であって、前記細胞培養培地への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、前記組換えアルブミンは、
i) 植物中で産生され、
ii) アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつ
iii) 約2%未満の凝集アルブミンを有し、前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項2】
無血清培地に適応した細胞の生産性を高めるための方法であって、前記無血清培地への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、前記組換えアルブミンは、
i) 植物中で産生され、
ii) アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつ
iii) 約2%未満の凝集アルブミンを有し、前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質対前記組換えアルブミンの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項3】
培養中の細胞から産生される組換え産物の収率を改善するための方法であって、前記培養への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、
前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の
前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項4】
バイオリアクター内で培養中の細胞の生存率を改善するための方法であって、前記バイオリアクター内での前記培養への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、
組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、
前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の
前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項5】
無血清培地中で成長する細胞の生存率を改善するための方法であって、前記無血清培地への栄養補助剤の添加を含み、前記栄養補助剤は、
組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含み、
前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素
を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の
前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成り、
前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、方法。
【請求項6】
前記培養中の細胞の生存率が増加する、請求項2または3に記載の方法。
【請求項7】
前記栄養補助剤は、インスリンをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記栄養補助剤は、セレンおよびエタノールアミンをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記細胞は、組織培養細胞である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記細胞は、CHO細胞である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記細胞は、ハイブリドーマ細胞である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記タンパク質は、抗体である、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記組換えアルブミンは、少なくとも約0.01重量/重量%の熱ショックタンパク質を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記熱ショックタンパク質は、イネ熱ショックタンパク質である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記熱ショックタンパク質は、イネHSP70遺伝子と、イネ胚乳内腔結合タンパク質とから成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記熱ショックタンパク質は、イネ(gb|ACJ54890.1|)と、EEC69073/OsI_37938と、AAB63469とから成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、ラクトフェリンである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、トランスフェリンである、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記トランスフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対50〜約1対5000である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ラクトフェリンは、組換えラクトフェリンである、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ラクトフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対3〜約1対0.33である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
細胞生存率における前記改善は、同一の培養条件下で測定される時に、単独で添加された場合の前記組換えアルブミンおよび前記トランスフェリン関連タンパク質の合算効果と比較して、30%より大きい、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
組換えアルブミンとトランスフェリン関連タンパク質との混合物を含む栄養補助剤であって、前記組換えアルブミンは、i)植物中で産生され、ii)アルブミン1mg当たり約1EU未満の内毒素を有し、かつiii)約2%未満の凝集アルブミンを有し、前記栄養補助剤は、約1対5,000〜約1対0.5の前記トランスフェリン関連タンパク質と前記組換えアルブミンとの比率(重量/重量)から成る、栄養補助剤。
【請求項24】
前記組換えアルブミンは、少なくとも約0.01重量/重量%の熱ショックタンパク質を含む、請求項23に記載の栄養補助剤。
【請求項25】
前記熱ショックタンパク質は、イネ熱ショックタンパク質である、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項26】
前記熱ショックタンパク質は、イネHSP70遺伝子と、イネ胚乳内腔結合タンパク質とから成る群から選択される、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項27】
前記熱ショックタンパク質は、イネ(gb|ACJ54890.1|)と、EEC69073/OsI_37938と、AAB63469とから成る群から選択される、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項28】
前記栄養補助剤は、少なくとも約0.04重量/重量%のHSP70を含む、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項29】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、ラクトフェリンである、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項30】
前記トランスフェリン関連タンパク質は、トランスフェリンである、請求項24に記載の栄養補助剤。
【請求項31】
前記トランスフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対50〜約1対5000である、請求項30に記載の栄養補助剤。
【請求項32】
前記ラクトフェリンと前記組換えアルブミンとの前記比率は、約1対3〜約1対0.33である、請求項31に記載の栄養補助剤。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8(II)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8(II)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−518409(P2012−518409A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551225(P2011−551225)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/024626
【国際公開番号】WO2010/096588
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511203570)ベントリア・バイオサイエンス (2)
【氏名又は名称原語表記】Ventria Bioscience
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/024626
【国際公開番号】WO2010/096588
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511203570)ベントリア・バイオサイエンス (2)
【氏名又は名称原語表記】Ventria Bioscience
【Fターム(参考)】
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