説明

タンパク質を含まない、加水分解された乳児用調製粉乳の苦味を減少させ風味を改善する方法

本発明はタンパク質を含まない又は加水分解された乳児用調製粉乳の苦味を減少させる又はその風味を改善させる方法に関する。この方法は、調製粉末の成分を混合し、この調製粉末のpHを約6.5から約7.2の間に調整することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質を含まない加水分解調製粉乳の苦味を減少させて風味を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳アレルギーは、幼い子供に見られる一般的な食物タンパク質アレルギーである。実際、全乳児の約2%から3%はアレルギーを持つことが調査によりわかっている。Sampson, H.A., Food Allergy Part 1: Immunopathogenesis and Clinical Disorders, J Allergy Clin Immunol. 第103巻(1999年)717−728ページ。乳児の間に牛乳アレルギーが多いのは、一説によると、従来のほとんどの乳児用調整粉乳に含まれる無傷の牛乳タンパク質が、乳児に初めて与えられる最も一般的な食物アレルギー誘発物質であることが原因とされる。実際、現在市販されている調製粉乳の約80%が牛乳をベースとしたものである。
【0003】
近年、乳児用調製粉乳は、タンパク質アレルギーの発症を減少させることを意図して作られている。例の一つとして、加水分解された牛乳の使用が挙げられる。通常、アレルギー反応、過敏症及び感作を減少させるという目標とは逆の症状を引き起こす、タンパク質の一部又はほぼ全てを分解するために、加水分解された調製粉乳に含まれるタンパク質は酵素を用いて処理されている。
【0004】
乳タンパク質アレルギーをもつ乳児用のその他の乳児用調製粉乳には、アミノ酸をベースとした、タンパク質を含まない乳児用調製粉乳がある。タンパク質を完全に前消化してタンパク質を基本化学構造にまで分解することにより、アミノ酸をベースとする調製粉乳を、可能な限りアレルギー反応を起こしそうな物質を除いたものとすることができる。
【0005】
しかしながら、加水分解された、タンパク質を含まないアミノ酸調製粉乳は、たいていの場合、乳児が忍耐し難い苦味を有していることを特徴とする。これまでに、加水分解された又はプロテインを含まない調製粉乳の風味を改善するための試みが行われている。例えば、Martinezによる米国特許第5,589,357号には、市販の調製粉乳の一部に用いられている100%乳清タンパク質の代わりにカゼインと乳清タンパクとの組み合わせを用いることにより、加水分解された調製粉乳の風味を改善することができることが開示されている。同様に、Cordleによる米国特許第5,837,312号には、タンパク質加水分解物をシロキサンの床に適用して該シロキサンと結合しない溶液中のタンパク質を集めることにより、タンパク質加水分解物の苦味を減少させる方法に関する記載がある。しかしながら、これらの方法にはそれぞれ、乳児用調製粉乳の製造工程を変更することが要求され、しいては余計な時間及び費用が消費されることとなる。従って、乳児が忍耐し得る、より便利で、その他の周知のいくつかの方法よりも製造工程での実施が安価な、より苦味の少ない加水分解タンパク質又はアミノ酸ベースの乳児用調製粉乳を提供する方法が、所望される。
【発明の概要】
【0006】
簡潔に述べると、本発明の実施形態は、加水分解された乳児用調製粉乳の苦味を減少させる又はその風味を改善させる、新しい方法である。この方法は、加水分解タンパク質原料と炭水化物原料と脂質原料とビタミンとミネラルとを溶液中で混合し、その後この調製粉乳のpHを約6.5〜約7.2の間に調整することを含む。
【0007】
本発明はまた、タンパク質を含まない乳児用調製粉乳の苦味を減少させる又はその風味を改善させる、新しい方法である。この方法は、タンパク質等価原料と炭水化物原料と脂質原料とビタミンとミネラルとを溶液中で混合し、その後この調製粉乳のpHを約6.5〜約7.2の間に調整することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一又は複数の例を含む本発明の実施形態の詳細について記載する。各例は本発明を説明する目的で提供されるものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で本発明に様々な変更及び修正を加えることが可能であることが当業者にとって明らかとなる。例えば、一実施形態の一部として描写又は記載される特徴を別の実施形態に用いてさらなる実施形態とすることができる。
【0009】
従って、添付される請求の範囲及びそれに対応する記載の範囲内における修正及び変更は本発明によりカバーされていることが意図される。本発明のその他の目的、特徴及び様態は、以下の詳細な記載の中に記載されており又はそこから明らかとなる。当然のことながら、本明細書中の議論は、実施例を記載するだけのものであり、本発明のより広い様態を限定することを意図するものではない。
【0010】
ここで用いられる「乳児用調製粉乳」なる語は、母乳の代用品となることで乳児の栄養必要量を満たす合成物であることを意味する。
【0011】
ここで用いられる「部分加水分解」なる語は、加水分解の度合いが0%よりも大きくかつ約50%よりも小さいとされる加水分解を意味する。
【0012】
「高度加水分解」なる語は、加水分解の度合いが約50%以上とされる加水分解を意味する。
【0013】
「タンパク質を含まない」とは、測定可能な量のタンパク質を含まないことを意味し、また測定は、ドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)又はサイズ排除クロマトグラフィーなどの標準的なタンパク質検出方法で測定される。
【0014】
実施形態において、本発明は、タンパク質を含まない又は加水分解された乳児用調製粉乳の苦味を減少させる又はその風味を改善するための新しい方法とされる。この方法は、調製粉乳の原料を混ぜ、そして該調製粉乳のpHを約6.5〜約7.2の間に調整することを含む。実施形態においては、調製粉乳のpHは約6.8〜約7.0の間とされる。別の実施形態においては、調製粉乳のpHは約6.5〜約7.0の間とされる。さらに別の実施形態においては、調製粉乳のpHは約6.8〜約7.2の間とされる。
【0015】
通常、加水分解された又はタンパク質を含まない乳児用調製粉乳のpHは約4.5から6.0の範囲内である。特定の実施形態においては、前記方法は、乳児用調製粉乳のpHを約4.5〜6.0の間から約6.8〜7.2の間に増加させることを含む。pHを増加させることにより、調製粉乳の苦味が減少されるとともにその風味が改善されて、乳児の忍耐性を向上させることができるとともに母乳のpHに近づけることができる。
【0016】
これ又は何れの理論に縛られることは望ましくないが、タンパク質加水分解物及びアミノ酸をベースとした乳児用調製粉乳のpHを増加させると調製粉乳の苦味が減少すると考えられている。これにより、時間及び費用の観点から、加水分解された又はタンパク質を含まない調製粉乳の苦味を減少させるための従来の方法に比べて、格別に有利となる。製造工程の大きな変更は不要である。代わりに、調製粉乳の最終的なpHを単純な操作で調整することにより風味が改善された調製粉乳が提供される。
【0017】
調製粉乳のpHは、周知の手段を用いて調整することができる。実施形態においては、クエン酸、水酸化ナトリウム、及び/又は水酸化カリウムが、調製粉乳のpHを調整するために用いられる。
【0018】
本発明の乳児用調製粉乳は、満期産児用又は早産児用調製粉乳ともなり得る。本発明の栄養製剤は液体(そのまま使用可能又は濃縮されている)又は粉末であり得る。いくつかの実施形態では、本発明において使用するための栄養製剤は、栄養的に完全であり且つ適切なタイプ及び量のタンパク質、遊離アミノ酸、脂質、炭水化物、ビタミン及び/又はミネラルを含んでいる。
【0019】
一実施例では、タンパク質原料は加水分解されている。この実施形態において、タンパク質原料は、これらに限定されないものの、無脂肪乳、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼインタンパク質、乳タンパク質、又は卵タンパク質を含んでいる。タンパク質原料は部分加水分解又は高度加水分解されたものである。タンパク質の量は通常約1〜約5g/100kcal変化してもよい。
【0020】
本発明の特定の実施形態においては、乳児用調製粉乳は、タンパク質を含まず遊離アミノ酸をタンパク質等価原料として含んでいる。この実施形態においては、アミノ酸は、これらに限定されないが、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、チロシン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、カルニチン、タウリン及びこれらの混合物を含んでいる。いくつかの実施形態においては、アミノ酸は枝分かれ鎖アミノ酸とされる。その他の実施形態においては、本発明のタンパク質として小さなアミノ酸ペプチドを含んでいてもよい。そのような小さなアミノ酸ペプチド天然のものでも合成されたものでも良い。栄養製剤に含まれる遊離アミノ酸の量は約1〜約5g/100kcal変化してもよい。この実施形態においては、100%の遊離アミノ酸が分子量500ダルトンより小さいとされる。この実施形態においては、栄養製剤はアレルギー反応を起こしそうな物質を除いたものであってもよい。
【0021】
本発明の乳児用調製粉乳の別の成分は脂質原料である。脂質の量は通常約3〜約7g/100kcal変化してもよい。脂質原料は周知のものであっても又は従来使用されているものであってもよく、例えば、これらに限定されるものではないが、ヤシ油、キャノーラ油、コーン油、大豆油、ヤシオレイン油、ココナツ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド油、高オレインヒマワリ油、高オレイン紅花油などの植物油を含む。
【0022】
乳児用調製粉乳の別の成分は炭水化物原料である。炭水化物の量は通常約8〜約12g/100kcal変化してもよい。炭水化物原料は周知のものであっても又は従来使用されているものであってもよく、例えば、これらに限定されるものではないが、ラクトース、グルコース、固形コーンシロップ、マルトデキストリン、スクロース、固形米シロップなどを含む。
【0023】
ある実施形態においては、乳児用調製粉乳には、長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFAs)などのさらなる成分を含まれてもよい。特定の実施形態においては、乳児用調製粉末がドコサヘキサエン酸(DHA)及び/又はアラキドン酸を含んでいてもよい。
【0024】
本発明の一部に用いる場合、ARA:DHAの重量比は約1:3〜約9:1であってもよい。一実施形態においては、この重量比は約1:2〜約4:1である。別の実施形態においては、この重量比は約2:3〜約2:1である。特定の実施形態においてはこの重量比は約2:1である。別の特定の実施形態においてはこの重量比は約1:1.5である。その他の実施形態においては、この重量比は約1:1.3である。その他の実施形態においてはこの重量比は約1:1.9である。特定の実施形態においては、この重量比は約1.5:1である。さらなる実施形態においては、この重量比は約1.47:1である。
【0025】
本発明の一部に用いる場合、DHAのレベルは脂肪酸の約0.0重量%〜1.00重量%の間であってもよい。その他の実施形態では、DHAのレベルは脂肪酸の約0.32重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、DHAのレベルは約0.33重量%であってもよい。別の実施形態では、DHAのレベルは約0.64重量%であってもよい。別の実施形態では、DHAのレベルは約0.67重量%であってもよい。別の実施形態では、DHAのレベルは約0.96重量%であってもよい。さらなる実施形態では、DHAのレベルは約1.00重量%であってもよい。
【0026】
本発明の一部に用いる場合、DHAの量は約2mg/100キロカロリー(kcal)〜約100mg/100kcalであってもよい。別の実施形態においては、DHAの量は約5mg/100kcal〜約75mg/100kcalであってもよい。別の実施形態においては、DHAの量は約15mg/100kcal〜約60mg/100kcalであってもよい。
【0027】
本発明の一部に用いる場合、DHAの有効量は、体重kg当たり一日約3mg〜体重kg当たり一日約150mgであってもよい。一実施形態においては、DHAの有効量は体重kg当たり一日約6mg〜体重kg当たり一日約100mgであってもよい。別の実施形態においては、DHAの有効量は体重kg当たり一日約15mg〜体重kg当たり一日約60mgであってもよい。
【0028】
本発明の一部に用いる場合、ARAのレベルは脂肪酸の約0.0重量%〜0.67重量%の間であってもよい。別の実施形態では、ARAのレベルは約0.67重量%であってもよい。別の実施形態では、ARAのレベルは約0.5重量%であってもよい。別の実施形態では、ARAのレベルは約0.47重量%〜0.48重量%の間であってもよい。
【0029】
本発明の一部に用いる場合、ARAの量は約4mg/100キロカロリー(kcal)〜約100mg/100kcalであってもよい。別の実施形態においては、ARAの量は約10mg/100kcal〜約67mg/100kcalであってもよい。別の実施形態においては、ARAの量は約20mg/100kcal〜約50mg/100kcalであってもよい。特定の実施形態においては、ARAの量は約25mg/100kcal〜約40mg/100kcalであってもよい。一実施形態では、ARAの量は約30mg/100kcalである。
【0030】
本発明の一部に用いる場合、ARAの有効量は、体重kg当たり一日約5mg〜体重kg当たり一日約150mgであってもよい。一実施形態においては、ARAの有効量は体重kg当たり一日約10mg〜体重kg当たり一日約120mg変化してもよい。別の実施形態においては、ARAの有効量は体重kg当たり一日約15mg〜体重kg当たり一日約90mg変化してもよい。別の実施形態においては、ARAの有効量は体重kg当たり一日約20mg〜体重kg当たり一日約60mg変化してもよい。
【0031】
本発明の乳児用調製粉乳が長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFAs)を含む油が補助剤として用いられる場合、従来の周知の方法で添加されてもよい。例えば、成分内の通常存在する高オレインヒマワリ油などの油に相当する量がLCPUFAsと置き換えられる。
【0032】
用いられる場合、LCPUFAsの原料は、海産油、魚油、単細胞油、卵黄脂質、脳脂質などの従来周知の何れの原料であってもよい。LCPUFAsは天然であっても又は精製されたものでもよい。
【0033】
実施形態においては、栄養補助剤は、少なくとの一つのプロバイオティクスを含む。「プロバイオティクス」なる語は、宿主の健康に良い影響を与える微生物を意味する。プロバイオティクスは従来周知のものを用いてもよく、補助剤のその他の成分との組み合わせに適している。例えば、プロバイオティクスは、乳酸菌及びビフィズス菌からなる群から選択されてもよい。あるいは、プロバイオティクスは、ラクトバチルス・ラムノサスGG(LGG)であってもよい。
【0034】
別の実施形態においては、栄養補助剤は、少なくとも一つのプレバイオティクスを含んでいてもよい。ここで用いられる「プレバイオティクス」なる語は、プロバイオティクスの成長及び/又は活動を促進する消化されない食物材料を意味する。この実施形態においては、プレバイオティクスは従来周知のものを用いてもよく、補助剤のその他の成分との組み合わせに適している。特定の実施形態においては、プレバイオティクスは、フラクトオリゴ糖(FOS)、グルコオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロース、キシロオリゴ糖及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。特定の実施形態においては、プレバイオティクスはイヌリンとFOSとの混合物である。
【0035】
本発明の種々の実施形態が下記の例に記載される。請求の範囲内のその他の例は、本明細書から又は本明細書に開示される発明を実施する上で当業者に明らかとなる。本明細書は、例と併せて、例として考慮されるだけのものであり、本発明の範囲又は精神は、例に基づく請求の範囲に記載されていることが意図される。例においては、特に記載のない限り、全てのパーセンテージは重量ベースのものである。
【0036】
例1 この例には、本発明の方法に基づき生成される、タンパク質を含まない、アミノ酸ベースの乳児用調製粉乳の実施形態が記載される。表1には、例1の乳児用調製粉乳中の成分が記載されている。
【0037】
【表1】


【0038】
例2 この例には、本発明の乳児用調製粉末のpHを増加するために用いられる方法の実施形態が記載される。粉末原料、固形コーンシロップ、必須アミノ酸予混合物及び非必須アミノ酸予混合物を、溶液中で混合する。この溶液のpHを約6.8に調整し、その後、この溶液を低温殺菌するとともに均質化する。その後、この溶液を、水分含有量を減少させるために蒸発させ、そして乾燥させて原料粉末を生成する。その後、この原料粉末を、乾燥ビタミン予混合物、微量/超微量ミネラル予混合物及び鉄の粉砕粉末と合わせて乾式混合する。その後混合された粉末は包装される。
【0039】
例3 この例には、美味しさが増した、pHが調整されたアミノ酸ベースの製品が記載される。おおよそ12オンスの再構成アミノ酸ベースの臨床的製品、Nutramigen AA(商標)(Mead Johnson Nutritionals)は、そのpHが6.5となるように調整される。pHが調整されたNutramigen AA(商標)製品の美味しさと、pHが調整されていないNutramigen AA(商標)製品、EleCare(登録商標)アミノ酸製品(Abbott Nutritionals)、及びNeocate(登録商標)アミノ製品(Nutricia)の美味しさとを、味比べにより比較した。
【0040】
pH調製されていないNutramigen AA(商標)製品は、EleCare(登録商標)製品及びNeocate(登録商標)製品に比べて、より酸味が強く(酸性)、魚のような味が強く、そして肉及び豆に似た特徴があった。pH調整されたNutramigen AA(商標)製品は、pH調製されていないアミノ酸製品と比べて、「魚」の様な味が弱く、酸味が弱く、苦味が弱く、そして豆のような特徴も弱かった。pHが調整されたNutramigen AA(商標)製品は、pH調製されていないNutramigen AA(商標)製品よりも、EleCare(登録商標)製品及びNeocate(登録商標)製品と味質が似ていた。
【0041】
これらに限定されないが、論文、刊行物、特許、特許出願、プレゼンテーション、参考書、報告書、原稿、パンフレット、本、インターネット上の記載、記事、雑誌など全てを含む本明細書に引用される全ての文献は、その全体及び本明細書の内容と矛盾しない限りその最大限が、参照として本明細書に組み込まれる。
【0042】
本明細書中の文献に関する議論は、単にその著者の主張の概要を記載することを意図しており、どの文献も従来技術を構成するものとして承認を得たものではない。出願人は引用文献の正確性及び適切性に対して異議を申し立てる権利を留保する。
【0043】
本発明の好ましい実施形態が特定の語、装置及び方法を用いて記載されているものの、そのような記載は例示を目的とするだけのものである。用いられている単語は限定のためのものではなく説明のためのものである。当然のことながら、請求の範囲に記載される本発明の精神又は範囲を逸脱しない範囲内で、当業者による変更及び修正が可能である。さらに、当然のことながら、種々の実施形態の様態の全体又は一部が交換されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加水分解されたタンパク質を含む乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法であって、
a)タンパク質等価原料と、炭水化物原料と、脂質原料とを混合して溶液を生成する工程と、
b)前記溶液のpHを、6.5から7.2の間となるように調整して前記調製粉乳の苦味を減少させる工程と、
c)前記溶液における混合物の水分含有量を減少させて粉末を生成する工程と、
d)ビタミンとミネラルと前記pHが減少された粉末とを混合して乳児用調製粉末を生成する工程と、
を順次有する
ことを特徴とする加水分解されたタンパク質を含む乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項2】
前記タンパク質が部分加水分解されていることを特徴とする請求項1記載の加水分解されたタンパク質を含む乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項3】
前記タンパク質が高度加水分解されていることを特徴とする請求項1記載の加水分解されたタンパク質を含む乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項4】
前記乳児用調製粉末のpHが6.8から7.0の間とされることを特徴とする請求項1記載の加水分解されたタンパク質を含む乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項5】
前記乳児用調製粉末が、アレルギー反応を起こしそうな物質を除いたものとされることを特徴とする請求項1記載の加水分解されたタンパク質を含む乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項6】
前記乳児用調製粉末の形状が、液状、粉末状、及びそのまま使用可能な形状からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の加水分解されたタンパク質を含む乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項7】
タンパク質を含まない乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法であって、
a)タンパク質等価原料と、炭水化物原料と、脂質原料とを混合して溶液を生成する工程と、
b)前記溶液のpHを、6.5から7.2の間となるように調整して前記調製粉乳の苦味を減少させる工程と、
c)前記溶液における混合物の水分含有量を減少させて粉末を生成する工程と、
d)ビタミンとミネラルと前記pHが減少された粉末とを混合して乳児用調製粉末を生成する工程と、
を順次有する
ことを特徴とするタンパク質を含まない乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項8】
前記乳児用調製粉末が、タンパク質等価原料としてアミノ酸を含んでいることを特徴とする請求項7記載のタンパク質を含まない乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項9】
前記乳児用調製粉末のpHが6.8から7.0の間とされることを特徴とする請求項7記載のタンパク質を含まない乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項10】
前記乳児用調製粉末が、アレルギー反応を起こしそうな物質を除いたものとされることを特徴とする請求項7記載のタンパク質を含まない乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。
【請求項11】
前記乳児用調製粉末の形状が、液状、粉末状、及びそのまま使用可能な形状からなる群から選択されることを特徴とする請求項7記載のタンパク質を含まない乳児用調製粉末の苦味を減少させる方法。

【公表番号】特表2011−502480(P2011−502480A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532127(P2010−532127)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/080414
【国際公開番号】WO2009/061603
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509270074)ミード ジョンソン ニュートリション カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】MEAD JOHNSON NUTRITION COMPANY
【Fターム(参考)】