タンポンを形成するためのプレス
本発明は、プレスあご(2、2’、3)によって吸収材料を径方向にプレスすることによりタンポン(8)を形成するためのプレス(1)に関するものであり、そのプレスあごがそれぞれ、吸収材料内に溝(9、10)を刻印するための侵入セグメント(4、5)を有しており、プレスあごの侵入セグメント(5)が、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあご(3)と、プレスあごの侵入セグメント(4、4’)が、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあご(2、2’)とが交互に配置されており、プレス空間内に位置するタンポン(8)の外表面へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面への波形のリブの投影が波形のラインを表す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収材料をプレスあごによって径方向にプレスすることによりタンポンを形成するためのプレスであって、そのプレスあごが、それぞれ吸収材料に溝を刻印するための侵入セグメントを有している、プレスに関する。
【0002】
さらに、本発明は、プレスあごを有するプレスによって吸収材料を径方向にプレスすることによりタンポンを形成する方法に関するものであって、プレスあごは、それぞれ吸収材料に溝を刻印するための侵入セグメントを有している。
【背景技術】
【0003】
タンポンは、既知の衛生製品であって、長尺綿から巻いて、次にプレス装置内で圧縮することによって形成することができ、その場合に通常、形成に基づくタンポンの円筒状の基本形状が生じる。従来技術からは、美的にも機能的にも利点を与えるために、その表面特性が物理的および/または化学的に変化される、多数の異なるタンポンが、ずっと以前から知られている。これに関連して、統一的ではない(特にタンポンの表面の、場合によっては深さの異なる、長手溝の形状の)表面トポグラフィーを有するタンポンを形成するために、プレス装置が知られている。冒頭で挙げた種類のこの種のプレスは、たとえば特許文献1から知られている。この既知のプレスは、タンポンに対して径方向に摺動可能なプレスあごを有しており、そのプレスあごがそれぞれ吸収材料内に侵入するための侵入セグメントと押圧段部とを有している。その場合に侵入セグメントは、プレス領域内へ突出する、まっすぐな側面を有するストリップとして形成されており、その場合にストリップの長手方向の延びは、加工すべきタンポンの長手軸に対して実質的に平行に延びている。
【0004】
この実施形態における欠点は、特に、タンポンの表面に関して直線的に延びる溝しか形成されないことである。しかし、タンポンの表面に外側へ向かって見えるように波形を形成する溝は、このプレスによっては形成されない。波形の溝の形成は、さらに、すべてのまっすぐな侵入セグメントを波形の侵入セグメントに替えると、プレスからのタンポンの放出が著しく困難になる、という問題と結びついている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許公報EP0639363
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の課題は、上で挙げた従来技術の欠点を克服し、できあがったタンポンの表面に波打ったラインとして見える波打った溝を有するタンポンを形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、冒頭で挙げた種類のプレスによって、本発明によれば、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあごと、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあごとが、交互に配置されており、その場合にプレス空間内に位置するタンポンの外表面へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面への波形のリブの投影が波形のラインを表すことによって、解決される。
【0008】
本発明は、できあがったタンポン上で波形のラインとして見ることができる、波形の溝をタンポンに刻印することを可能にする。放出工程のために、波形の侵入セグメントを有するプレスあごは、全部または部分的にタンポンから引き戻すことができる。タンポン内に残るまっすぐなストリップを有するプレスあごは、タンポンがこの侵入セグメントに沿って、ないしはそれによって案内されて、プレスから引き出せることを、保証する。
【0009】
本発明の好ましい変形例によれば、ストリップは前エッジに、直接隣接する侵入セグメントのリブの波形と関連する切欠きを有することができる。それによってプレスの確実な閉鎖が保証され、まっすぐな侵入セグメントと波形の侵入セグメントの締付けまたはぶつかり、ないしは互いにじゃまし合うことはない。
【0010】
本発明の好ましい変形例に従って、波形のリブを有する2つのプレスあご(その間にまっすぐなストリップを有するプレスあごが配置されている)は、その波形の逆方向の延びを有している。
【0011】
プレス後にタンポンの長手方向の移動を特に良好に可能にする、本発明の実施形態は、2つの直接互いに連続する、まっすぐなストリップを有するプレスあごが、たがいに対して90°の角度だけ変位しており、かつ2つの直接互いに連続する、波形のリブを有するプレスあごが、同様に互いに対して90°変位していることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、波形のリブの母線は、好ましくは、プレスの長手軸に対して実質的に垂直に延びている。その場合に波形のリブの母線とは、外表面線(従ってリブの下方端縁の点とリブの上方端縁の点を結ぶ最短の区間)である。というのは、それが、リブの外表面を「形成する」からである。
【0013】
さらに、プレスあごは、プレスの長手中心軸に対して径方向にそれぞれ直線的に移動することができる。
【0014】
上述した課題は、冒頭で挙げた種類の方法によって、本発明によれば、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあごと、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあごとが、交互に配置されており、プレス空間内に位置するタンポンの外表面へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面への波形のリブの投影が波形のラインを表し、溝を刻印するために侵入セグメントがタンポン内へ圧入され、タンポンの表面に溝が刻印された後に、波形のリブとして形成されている侵入セグメントがタンポンの吸収材料から引戻され、その一方で、平坦な側面を有するリブとして形成されている侵入セグメントは、プレスからタンポンを放出するためのガイドとして吸収材料内に残留していることによって、解決される。
【0015】
以下、他の利点を含めて本発明を、図面に示される幾つかの限定的でない実施例を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】互いに近づくようにプレス位置へ走行するプレスあごを有する本発明に係るプレスを示す上面図である。
【図2】図1に基づくプレスの2つの隣接したプレスあごを詳細に示す斜視図である。
【図3】互いに離れるように開放された位置へ移動されたプレスあごを有する、図1に基づくプレスと挿入されたタンポンとを示す上面図である。
【図4】図3に基づくプレスを、プレス位置で示す上面図である。
【図5】図3に基づくプレスを、その中にあるタンポンと共に、溝の刻印後に、引戻された侵入部材と共に示す上面図であって、侵入部材は波形の側面を有している。
【図6】図1に基づくプレスによって形成されたタンポンの第1の側を示す上面図である。
【図7】図6に基づくタンポンをy方向から示す上面図である。
【図8】図6のx方向からタンポンを示す図である。
【図9】図6のA−A線に沿った断面図である。
【図10】図6のB−B線に沿った断面図である。
【図11】図5のC−C線に沿った断面図である。
【図12】図6のD−D線に沿った断面図である。
【図13】図6のE−E線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
始めに確認しておくが、異なるように記述された実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし構成部品表記が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、意味に従って等しい参照符号ないし構成部品表記を有する等しい部分へ移し替えることができる。説明において選択された、たとえば上、下、側方などのような位置記載も、直接説明され、かつ図示されている図に関するものであって、位置が変化した場合には、意味に従って新しい位置へ移し替えられる。さらに、図示され、かつ説明された異なる実施例に基づく個別特徴または特徴の組合せも、それ自体自立した、発明的または発明に係る解決を表すことができる。
【0018】
図1によれば、本発明に係るプレス1は、プレスあご2、3を有しており、それらは、プレス軸1’に関して星形に配置されている。従って互いに連続するプレスあご2、2’、3は、それぞれ互いに対して予め定めることができる角度だけ変位している。その場合に、プレスあご2、2’、3は、プレス軸1’に対して同一の径方向距離で配置することができる。さらに、プレスあご2、2’、3は、プレス軸1’に関して開放した位置と閉鎖された位置との間で径方向に移動することができる。その場合に、プレスあご2、2’、3は、個別に、あるいはグループでも、径方向に摺動することができる。
【0019】
タンポンのプレスは、プレスあご2、2’、3がプレス軸1’の方向へ移動することによって行なわれ、その場合にタンポンの長手軸とプレス軸1’は、通常一致するが、少なくとも互いに対して実質的に平行に延びている。長手軸は、タンポンの最も長い線形の寸法に関する。図1に示すように、プレスは、8つのプレスあご2、2’、3を有することができる。しかし、プレスあご2、2’、3の数は、図示の数に限定されるものではなく、それぞれタンポンの重量と組成に応じて変化することができる。さらに、プレスあご2、2’、3は、加熱することができる。
【0020】
プレスあご2、2’、3は、それぞれ吸収材料を溝の形状でプレスするための侵入セグメント4、4’および5を有している。さらに、プレスあご2、3は、押圧段部を有しており、その押圧段部から侵入セグメント4、4’および5が立ち上がっている。しかし、侵入セグメント4、4’および5は、プレスあご2、2’、3から直接立ち上がってもよい。
【0021】
図2から明らかなように、本発明によれば、2種類の侵入セグメント4、4’および5ないし2種類のプレスあご2、2’、3が設けられている。第1の種類の侵入セグメント5は、平坦な側面を有するストリップとして形成されており、第2の種類の侵入セグメント4は、それぞれ波形の側面を有するリブとして設けられている。その場合に波形のリブの母線は、プレス軸1’に対して実質的に垂直に延びることができる。さらに、侵入セグメント4、4’および5の長手方向の延びは、タンポン8の長手軸に対して実質的に平行に延びている。
【0022】
プレスあご2、2’、3が取り付けられた状態において、侵入部材4と5は、プレス空間内へ突出する。その場合にストリップをプレス空間内にあるタンポンの外表面上へ投影すると、タンポンの長手軸に対して平行に延びるまっすぐなラインがもたらされ、外表面上に波形のリブを投影すると、波形のラインがもたらされる。
【0023】
本発明によれば、波形のリブとして形成された侵入セグメント4、4’を有するプレスあご2、2’と、平坦な側面を有するストリップとして形成された侵入セグメント5を有するプレスあご3が、交互に配置されている。波形の侵入セグメント4、4’は、それらの間に配置されている、まっすぐな侵入セグメント5に関して、それぞれ鏡対称に配置することができる。ストリップは、前エッジ6に、直接隣接する侵入セグメント4、4’のリブの波形と関連する切欠き7を有することができる。この切欠き7は、隣接する波形の侵入セグメント4、4‘とまっすぐな侵入セグメント5の間の最も狭い箇所に位置している。上述した最も狭い箇所、すなわちまっすぐな侵入セグメント5の側方に配置された2つの波形の侵入セグメント4、4’の間の間隔が最小になる箇所は、2つの波形の侵入セグメント4、4’の共通の結節点ないし結節面とみなすことができる。
【0024】
切欠き7に基づいて、まっすぐな侵入セグメント5の前エッジ6のために、隣接する波形のリブと関連する形状が生じる。このようにして、プレス工程の間に2つの波形のリブと1つのまっすぐなリブが相互にブロックまたは阻止し合うことが、防止される。
【0025】
図1、3、4および5からさらに明らかなように、2つの互いに直接連続する、まっすぐなストリップを有するプレスあご3は、互いに対して90°の角度だけ変位することができ、その場合に2つの互いに直接連続する、波形のリブを有するプレスあご2、2’は、互いに対して同様に90°変位することができる。しかし本発明は、記載の角度に限定されるものではなく、プレスあご2、2’および3は、原理的に互いに対して任意の角度だけ変位してプレス空間の回りに配置することができる。もちろん、図示の実施形態は、特に良好な実現性を特徴としている。
【0026】
図3によれば、溝を形成するために、タンポン8が、プレスあご2と3の間に位置するプレス領域内へ導入される。それに続いてプレスあご2、2’および3が、タンポンの方向へ径方向に移動され、このタンポンが、図4に示すように、プレスされて、部分的に圧縮される。その場合に侵入セグメント4、4’および5が、タンポン8の材料内に溝を刻印する。波形の侵入セグメント4、4’とまっすぐな侵入セグメント5によって、タンポン8のプレス密度が変化する。
【0027】
図5は、プレス装置を、その中に挟持した、すでに溝形状が刻印されているタンポン8と共に示している。波形の侵入セグメント4、4’を有するプレスあご2、2’は、引き戻されており、まっすぐな侵入セグメント5は、タンポンの長手方向に対して平行ないしプレス軸1’に対して平行に延びる放出方向における、タンポン8のためのガイドとして用いられる。放出されたタンポン8は、下流においてさらにその全周面を径方向にプレスされる。
【0028】
図6と7によれば、本発明に係るプレスによって、タンポンに、まっすぐな溝10と対をなして、波の形式の溝9、9’を与えることができる。タンポン8の隣接する波形の溝9、9’は、表示から明らかなように、互いに逆方向にすることができる。
【0029】
図8は、図6の方向xから見た図である。図9から13は、本発明に基づいて形成されたタンポン8の横断面を示している。横断面という概念は、この場合に、タンポン8の長手軸に対して直角に取り出されたディスクに関する。形成されたまっすぐな溝の深さの変化から明らかなように、まっすぐな侵入セグメント5の侵入深さは、その前側6に形成された切欠き7によって変化する。
【0030】
ここで指摘しておくが、本発明は、原理的に、まっすぐな侵入セグメント5と、まっすぐな溝とは異なる溝形状をタンポン8の表面に刻印する、任意の形状の他の侵入セグメントとの組合せによって、実現することができる。
【0031】
上述した実施例は、本発明に係る装置ないし本発明に係る方法の可能な実施変形例に関するものであって、その場合にここで述べておくが、本発明は、具体的に図示され、かつ説明されたその実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに多様に組み合わせることも可能であって、これらの変形可能性は、具体的発明によって技術的に取り扱うための教示に基づいて、この分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。従って、図示され、かつ説明された実施変形例の個々の詳細を組み合わせることによって可能となる、すべての考えられる実施変形例も、保護範囲に一緒に含まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収材料をプレスあごによって径方向にプレスすることによりタンポンを形成するためのプレスであって、そのプレスあごが、それぞれ吸収材料に溝を刻印するための侵入セグメントを有している、プレスに関する。
【0002】
さらに、本発明は、プレスあごを有するプレスによって吸収材料を径方向にプレスすることによりタンポンを形成する方法に関するものであって、プレスあごは、それぞれ吸収材料に溝を刻印するための侵入セグメントを有している。
【背景技術】
【0003】
タンポンは、既知の衛生製品であって、長尺綿から巻いて、次にプレス装置内で圧縮することによって形成することができ、その場合に通常、形成に基づくタンポンの円筒状の基本形状が生じる。従来技術からは、美的にも機能的にも利点を与えるために、その表面特性が物理的および/または化学的に変化される、多数の異なるタンポンが、ずっと以前から知られている。これに関連して、統一的ではない(特にタンポンの表面の、場合によっては深さの異なる、長手溝の形状の)表面トポグラフィーを有するタンポンを形成するために、プレス装置が知られている。冒頭で挙げた種類のこの種のプレスは、たとえば特許文献1から知られている。この既知のプレスは、タンポンに対して径方向に摺動可能なプレスあごを有しており、そのプレスあごがそれぞれ吸収材料内に侵入するための侵入セグメントと押圧段部とを有している。その場合に侵入セグメントは、プレス領域内へ突出する、まっすぐな側面を有するストリップとして形成されており、その場合にストリップの長手方向の延びは、加工すべきタンポンの長手軸に対して実質的に平行に延びている。
【0004】
この実施形態における欠点は、特に、タンポンの表面に関して直線的に延びる溝しか形成されないことである。しかし、タンポンの表面に外側へ向かって見えるように波形を形成する溝は、このプレスによっては形成されない。波形の溝の形成は、さらに、すべてのまっすぐな侵入セグメントを波形の侵入セグメントに替えると、プレスからのタンポンの放出が著しく困難になる、という問題と結びついている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許公報EP0639363
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の課題は、上で挙げた従来技術の欠点を克服し、できあがったタンポンの表面に波打ったラインとして見える波打った溝を有するタンポンを形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、冒頭で挙げた種類のプレスによって、本発明によれば、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあごと、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあごとが、交互に配置されており、その場合にプレス空間内に位置するタンポンの外表面へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面への波形のリブの投影が波形のラインを表すことによって、解決される。
【0008】
本発明は、できあがったタンポン上で波形のラインとして見ることができる、波形の溝をタンポンに刻印することを可能にする。放出工程のために、波形の侵入セグメントを有するプレスあごは、全部または部分的にタンポンから引き戻すことができる。タンポン内に残るまっすぐなストリップを有するプレスあごは、タンポンがこの侵入セグメントに沿って、ないしはそれによって案内されて、プレスから引き出せることを、保証する。
【0009】
本発明の好ましい変形例によれば、ストリップは前エッジに、直接隣接する侵入セグメントのリブの波形と関連する切欠きを有することができる。それによってプレスの確実な閉鎖が保証され、まっすぐな侵入セグメントと波形の侵入セグメントの締付けまたはぶつかり、ないしは互いにじゃまし合うことはない。
【0010】
本発明の好ましい変形例に従って、波形のリブを有する2つのプレスあご(その間にまっすぐなストリップを有するプレスあごが配置されている)は、その波形の逆方向の延びを有している。
【0011】
プレス後にタンポンの長手方向の移動を特に良好に可能にする、本発明の実施形態は、2つの直接互いに連続する、まっすぐなストリップを有するプレスあごが、たがいに対して90°の角度だけ変位しており、かつ2つの直接互いに連続する、波形のリブを有するプレスあごが、同様に互いに対して90°変位していることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、波形のリブの母線は、好ましくは、プレスの長手軸に対して実質的に垂直に延びている。その場合に波形のリブの母線とは、外表面線(従ってリブの下方端縁の点とリブの上方端縁の点を結ぶ最短の区間)である。というのは、それが、リブの外表面を「形成する」からである。
【0013】
さらに、プレスあごは、プレスの長手中心軸に対して径方向にそれぞれ直線的に移動することができる。
【0014】
上述した課題は、冒頭で挙げた種類の方法によって、本発明によれば、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあごと、プレスあごの侵入セグメントが、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあごとが、交互に配置されており、プレス空間内に位置するタンポンの外表面へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面への波形のリブの投影が波形のラインを表し、溝を刻印するために侵入セグメントがタンポン内へ圧入され、タンポンの表面に溝が刻印された後に、波形のリブとして形成されている侵入セグメントがタンポンの吸収材料から引戻され、その一方で、平坦な側面を有するリブとして形成されている侵入セグメントは、プレスからタンポンを放出するためのガイドとして吸収材料内に残留していることによって、解決される。
【0015】
以下、他の利点を含めて本発明を、図面に示される幾つかの限定的でない実施例を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】互いに近づくようにプレス位置へ走行するプレスあごを有する本発明に係るプレスを示す上面図である。
【図2】図1に基づくプレスの2つの隣接したプレスあごを詳細に示す斜視図である。
【図3】互いに離れるように開放された位置へ移動されたプレスあごを有する、図1に基づくプレスと挿入されたタンポンとを示す上面図である。
【図4】図3に基づくプレスを、プレス位置で示す上面図である。
【図5】図3に基づくプレスを、その中にあるタンポンと共に、溝の刻印後に、引戻された侵入部材と共に示す上面図であって、侵入部材は波形の側面を有している。
【図6】図1に基づくプレスによって形成されたタンポンの第1の側を示す上面図である。
【図7】図6に基づくタンポンをy方向から示す上面図である。
【図8】図6のx方向からタンポンを示す図である。
【図9】図6のA−A線に沿った断面図である。
【図10】図6のB−B線に沿った断面図である。
【図11】図5のC−C線に沿った断面図である。
【図12】図6のD−D線に沿った断面図である。
【図13】図6のE−E線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
始めに確認しておくが、異なるように記述された実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし構成部品表記が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、意味に従って等しい参照符号ないし構成部品表記を有する等しい部分へ移し替えることができる。説明において選択された、たとえば上、下、側方などのような位置記載も、直接説明され、かつ図示されている図に関するものであって、位置が変化した場合には、意味に従って新しい位置へ移し替えられる。さらに、図示され、かつ説明された異なる実施例に基づく個別特徴または特徴の組合せも、それ自体自立した、発明的または発明に係る解決を表すことができる。
【0018】
図1によれば、本発明に係るプレス1は、プレスあご2、3を有しており、それらは、プレス軸1’に関して星形に配置されている。従って互いに連続するプレスあご2、2’、3は、それぞれ互いに対して予め定めることができる角度だけ変位している。その場合に、プレスあご2、2’、3は、プレス軸1’に対して同一の径方向距離で配置することができる。さらに、プレスあご2、2’、3は、プレス軸1’に関して開放した位置と閉鎖された位置との間で径方向に移動することができる。その場合に、プレスあご2、2’、3は、個別に、あるいはグループでも、径方向に摺動することができる。
【0019】
タンポンのプレスは、プレスあご2、2’、3がプレス軸1’の方向へ移動することによって行なわれ、その場合にタンポンの長手軸とプレス軸1’は、通常一致するが、少なくとも互いに対して実質的に平行に延びている。長手軸は、タンポンの最も長い線形の寸法に関する。図1に示すように、プレスは、8つのプレスあご2、2’、3を有することができる。しかし、プレスあご2、2’、3の数は、図示の数に限定されるものではなく、それぞれタンポンの重量と組成に応じて変化することができる。さらに、プレスあご2、2’、3は、加熱することができる。
【0020】
プレスあご2、2’、3は、それぞれ吸収材料を溝の形状でプレスするための侵入セグメント4、4’および5を有している。さらに、プレスあご2、3は、押圧段部を有しており、その押圧段部から侵入セグメント4、4’および5が立ち上がっている。しかし、侵入セグメント4、4’および5は、プレスあご2、2’、3から直接立ち上がってもよい。
【0021】
図2から明らかなように、本発明によれば、2種類の侵入セグメント4、4’および5ないし2種類のプレスあご2、2’、3が設けられている。第1の種類の侵入セグメント5は、平坦な側面を有するストリップとして形成されており、第2の種類の侵入セグメント4は、それぞれ波形の側面を有するリブとして設けられている。その場合に波形のリブの母線は、プレス軸1’に対して実質的に垂直に延びることができる。さらに、侵入セグメント4、4’および5の長手方向の延びは、タンポン8の長手軸に対して実質的に平行に延びている。
【0022】
プレスあご2、2’、3が取り付けられた状態において、侵入部材4と5は、プレス空間内へ突出する。その場合にストリップをプレス空間内にあるタンポンの外表面上へ投影すると、タンポンの長手軸に対して平行に延びるまっすぐなラインがもたらされ、外表面上に波形のリブを投影すると、波形のラインがもたらされる。
【0023】
本発明によれば、波形のリブとして形成された侵入セグメント4、4’を有するプレスあご2、2’と、平坦な側面を有するストリップとして形成された侵入セグメント5を有するプレスあご3が、交互に配置されている。波形の侵入セグメント4、4’は、それらの間に配置されている、まっすぐな侵入セグメント5に関して、それぞれ鏡対称に配置することができる。ストリップは、前エッジ6に、直接隣接する侵入セグメント4、4’のリブの波形と関連する切欠き7を有することができる。この切欠き7は、隣接する波形の侵入セグメント4、4‘とまっすぐな侵入セグメント5の間の最も狭い箇所に位置している。上述した最も狭い箇所、すなわちまっすぐな侵入セグメント5の側方に配置された2つの波形の侵入セグメント4、4’の間の間隔が最小になる箇所は、2つの波形の侵入セグメント4、4’の共通の結節点ないし結節面とみなすことができる。
【0024】
切欠き7に基づいて、まっすぐな侵入セグメント5の前エッジ6のために、隣接する波形のリブと関連する形状が生じる。このようにして、プレス工程の間に2つの波形のリブと1つのまっすぐなリブが相互にブロックまたは阻止し合うことが、防止される。
【0025】
図1、3、4および5からさらに明らかなように、2つの互いに直接連続する、まっすぐなストリップを有するプレスあご3は、互いに対して90°の角度だけ変位することができ、その場合に2つの互いに直接連続する、波形のリブを有するプレスあご2、2’は、互いに対して同様に90°変位することができる。しかし本発明は、記載の角度に限定されるものではなく、プレスあご2、2’および3は、原理的に互いに対して任意の角度だけ変位してプレス空間の回りに配置することができる。もちろん、図示の実施形態は、特に良好な実現性を特徴としている。
【0026】
図3によれば、溝を形成するために、タンポン8が、プレスあご2と3の間に位置するプレス領域内へ導入される。それに続いてプレスあご2、2’および3が、タンポンの方向へ径方向に移動され、このタンポンが、図4に示すように、プレスされて、部分的に圧縮される。その場合に侵入セグメント4、4’および5が、タンポン8の材料内に溝を刻印する。波形の侵入セグメント4、4’とまっすぐな侵入セグメント5によって、タンポン8のプレス密度が変化する。
【0027】
図5は、プレス装置を、その中に挟持した、すでに溝形状が刻印されているタンポン8と共に示している。波形の侵入セグメント4、4’を有するプレスあご2、2’は、引き戻されており、まっすぐな侵入セグメント5は、タンポンの長手方向に対して平行ないしプレス軸1’に対して平行に延びる放出方向における、タンポン8のためのガイドとして用いられる。放出されたタンポン8は、下流においてさらにその全周面を径方向にプレスされる。
【0028】
図6と7によれば、本発明に係るプレスによって、タンポンに、まっすぐな溝10と対をなして、波の形式の溝9、9’を与えることができる。タンポン8の隣接する波形の溝9、9’は、表示から明らかなように、互いに逆方向にすることができる。
【0029】
図8は、図6の方向xから見た図である。図9から13は、本発明に基づいて形成されたタンポン8の横断面を示している。横断面という概念は、この場合に、タンポン8の長手軸に対して直角に取り出されたディスクに関する。形成されたまっすぐな溝の深さの変化から明らかなように、まっすぐな侵入セグメント5の侵入深さは、その前側6に形成された切欠き7によって変化する。
【0030】
ここで指摘しておくが、本発明は、原理的に、まっすぐな侵入セグメント5と、まっすぐな溝とは異なる溝形状をタンポン8の表面に刻印する、任意の形状の他の侵入セグメントとの組合せによって、実現することができる。
【0031】
上述した実施例は、本発明に係る装置ないし本発明に係る方法の可能な実施変形例に関するものであって、その場合にここで述べておくが、本発明は、具体的に図示され、かつ説明されたその実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに多様に組み合わせることも可能であって、これらの変形可能性は、具体的発明によって技術的に取り扱うための教示に基づいて、この分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。従って、図示され、かつ説明された実施変形例の個々の詳細を組み合わせることによって可能となる、すべての考えられる実施変形例も、保護範囲に一緒に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収材料をプレスあご(2、2’、3)によって径方向にプレスすることによりタンポン(8)を形成するためのプレス(1)であって、前記プレスあごがそれぞれ、吸収材料に溝(9、9’、10)を刻印するための侵入セグメント(4、5)を有している、前記プレスにおいて、
プレスあごの侵入セグメント(5)が、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあご(3)と、プレスあごの侵入セグメント(4、4’)が、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあご(2、2’)が、交互に配置されており、プレス空間内にあるタンポン(8)の外表面上へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面上への波形のリブの投影が波形のラインを表す、ことを特徴とするタンポンを形成するためのプレス。
【請求項2】
ストリップが前エッジ(6)に、直接隣接する侵入セグメント(4、4’)のリブの波形と関連する切欠き(7)を有している、ことを特徴とする請求項1に記載のプレス。
【請求項3】
波形のリブを有し、その間にまっすぐなストリップを有するプレスあご(3)が配置されている、2つのプレスあご(2、2’)が、その波形の逆方向の推移を有している、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプレス。
【請求項4】
互いに連続するプレスあご(2、2’、3)が、それぞれ予め定めることができる角度だけ互いに変位されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプレス。
【請求項5】
2つの直接互いに連続する、まっすぐなストリップを有するプレスあご(3)が、互いに対して90°の角度だけ変位しており、2つの直接互いに連続する、波形のリブを有するプレスあご(2、2’)が、同様に互いに対して90°変位している、ことを特徴とする請求項4に記載のプレス。
【請求項6】
波形のリブの母線が、プレス(1)のプレス軸(1’)に対して実質的に垂直に延びている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のプレス。
【請求項7】
プレスあご(2、2’、3)が、プレス(1)のプレス軸(1’)に対して径方向にそれぞれ直線的に移動可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のプレス。
【請求項8】
プレスあご(2、2’、3)を有するプレス(1)によって吸収材料を径方向にプレスすることによりタンポン(8)を形成する方法であって、プレスあご(2、2’、3)がそれぞれ吸収材料に溝(9、9’、10)を刻印するための侵入セグメント(4、5)を有している、前記方法において、
プレスあごの侵入セグメント(5)が、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあご(3)と、プレスあごの侵入セグメント(4、4’)が、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあご(2、2’)とが、交互に配置されており、プレス空間内に位置するタンポン(8)の外表面へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面への波形のリブの投影が波形のラインを表し、溝(9、10)を刻印するために、侵入セグメント(4、5)がタンポン(8)内へ圧入され、タンポン(8)の表面に溝(9、10)が刻印された後に、波形のリブとして形成されている侵入セグメント(4、4’)が、タンポン(8)の吸収材料から引戻され、その一方で、平坦な側面を有するリブとして形成されている侵入セグメント(5)は、吸収材料内に、プレスからタンポン(8)を放出するためのガイドとして残っている、ことを特徴とするタンポンを形成する方法。
【請求項1】
吸収材料をプレスあご(2、2’、3)によって径方向にプレスすることによりタンポン(8)を形成するためのプレス(1)であって、前記プレスあごがそれぞれ、吸収材料に溝(9、9’、10)を刻印するための侵入セグメント(4、5)を有している、前記プレスにおいて、
プレスあごの侵入セグメント(5)が、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあご(3)と、プレスあごの侵入セグメント(4、4’)が、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあご(2、2’)が、交互に配置されており、プレス空間内にあるタンポン(8)の外表面上へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面上への波形のリブの投影が波形のラインを表す、ことを特徴とするタンポンを形成するためのプレス。
【請求項2】
ストリップが前エッジ(6)に、直接隣接する侵入セグメント(4、4’)のリブの波形と関連する切欠き(7)を有している、ことを特徴とする請求項1に記載のプレス。
【請求項3】
波形のリブを有し、その間にまっすぐなストリップを有するプレスあご(3)が配置されている、2つのプレスあご(2、2’)が、その波形の逆方向の推移を有している、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプレス。
【請求項4】
互いに連続するプレスあご(2、2’、3)が、それぞれ予め定めることができる角度だけ互いに変位されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプレス。
【請求項5】
2つの直接互いに連続する、まっすぐなストリップを有するプレスあご(3)が、互いに対して90°の角度だけ変位しており、2つの直接互いに連続する、波形のリブを有するプレスあご(2、2’)が、同様に互いに対して90°変位している、ことを特徴とする請求項4に記載のプレス。
【請求項6】
波形のリブの母線が、プレス(1)のプレス軸(1’)に対して実質的に垂直に延びている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のプレス。
【請求項7】
プレスあご(2、2’、3)が、プレス(1)のプレス軸(1’)に対して径方向にそれぞれ直線的に移動可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のプレス。
【請求項8】
プレスあご(2、2’、3)を有するプレス(1)によって吸収材料を径方向にプレスすることによりタンポン(8)を形成する方法であって、プレスあご(2、2’、3)がそれぞれ吸収材料に溝(9、9’、10)を刻印するための侵入セグメント(4、5)を有している、前記方法において、
プレスあごの侵入セグメント(5)が、プレス空間内へ突出する、平坦な側面を有するストリップとして形成されているプレスあご(3)と、プレスあごの侵入セグメント(4、4’)が、プレス空間内へ突出する、波形の側面を有するリブとして形成されているプレスあご(2、2’)とが、交互に配置されており、プレス空間内に位置するタンポン(8)の外表面へのストリップの投影がまっすぐなラインを表し、外表面への波形のリブの投影が波形のラインを表し、溝(9、10)を刻印するために、侵入セグメント(4、5)がタンポン(8)内へ圧入され、タンポン(8)の表面に溝(9、10)が刻印された後に、波形のリブとして形成されている侵入セグメント(4、4’)が、タンポン(8)の吸収材料から引戻され、その一方で、平坦な側面を有するリブとして形成されている侵入セグメント(5)は、吸収材料内に、プレスからタンポン(8)を放出するためのガイドとして残っている、ことを特徴とするタンポンを形成する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−531281(P2012−531281A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518043(P2012−518043)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003841
【国際公開番号】WO2011/000507
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511205677)ルークグリ プロジェクツ アクチェンゲゼルシャフト (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003841
【国際公開番号】WO2011/000507
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511205677)ルークグリ プロジェクツ アクチェンゲゼルシャフト (4)
【Fターム(参考)】
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