説明

ダイアフラム、ダイアフラムバルブ、及びダイアフラムの製造方法

【課題】変位量を大きくとっても長期使用耐久性が低下せず、気体の流量(Cv値)を大きくすることが可能なダイアフラム、ダイアフラムバルブ、及びダイアフラムの製造方法の提供。
【解決手段】本発明のダイアフラム1は、ドーム形状のドーム部1Dと、ドーム部1Dの周縁に境界部1Kを介して連続的に形成された鍔部1Tとを備えてなり、外径Φが10〜35mmであって、ドーム部1Dの凸側において、境界部1Kの曲率半径Rが0.6mm以上であり、組成範囲が質量比で、コバルト30〜45%、ニッケル10〜20%、クロム5〜20%、タングステン3〜5%、モリブデン3〜9%、鉄1〜40%、及び不可避不純物からなるコバルト基超合金よりなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイアフラム、ダイアフラムバルブ、及びダイアフラムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腐食性が高いガスが使用される半導体製造ガスプロセス等においては、腐食性ガスの開閉弁として機能するダイアフラムバルブに対しては、高い耐食性が要求される。そのため、従来、半導体製造ガスプロセス等に用いられる高性能のダイアフラムバルブには、コバルト基またはニッケル基等の超合金よりなるメタルダイアフラムが用いられている。
【0003】
さらに、上記用途に使用されるダイアフラムバルブには、低温から高温域でのベーキングが可能で、低圧から150kg/cmを超える高い圧力に耐え得る強度が求められている。また、メタルダイアフラムは腐食性ガスの開閉弁として高い頻度で繰り返し使用されることから、このような過酷な使用環境下における耐久性が要求される。
このような要求を満たすべく、耐食性、耐久性等の特性に優れたメタルダイアフラムやダイアフラムバルブの開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−4918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、シリコンウェハーや液晶パネル等の大型化、半導体製造装設備の効率化に伴うシステムの大型化処理に伴い、ダイアフラムバルブを流れる気体の流量(Cv値)を大きくする傾向にある。ダイアフラムバルブは、ドーム状のメタルダイアフラムの膨出部を変形させることにより気体の流路に設置された弁を開閉させて、気体の開閉弁として機能している。そのため、気体の流量(Cv値)を大きくするためには、バルブ開閉時におけるメタルダイアフラムの変位量(変形量)を大きくし、ダイアフラムバルブを流れる気体の量を多くする必要がある。
【0006】
ところが、メタルダイアフラムの変位量を大きくするとメタルダイアフラムにかかる応力が大きくなってしまい、ダイアフラムバルブの耐久回数が短くなってしまうという問題があった。そのため、耐久性を維持しつつ、メタルダイフラムの変位量を大きくとることは難しかった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、変位量を大きくとっても長期使用耐久性が低下せず、気体の流量(Cv値)を大きくすることが可能なダイアフラム、ダイアフラムバルブ、及びダイアフラムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成とした。
本発明のダイアフラムは、ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mmのダイアフラムであって、前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であり、組成範囲が質量比で、コバルト30〜45%、ニッケル10〜20%、クロム5〜20%、タングステン3〜5%、モリブデン3〜9%、鉄1〜40%、及び不可避不純物からなるコバルト基超合金よりなることを特徴とする。
また、本発明のダイアフラムは、ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mmのダイアフラムであって、前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であり、組成範囲が質量比で、コバルト25〜45%、クロム12〜25%、モリブデン8〜15%、ニオブ0.1〜3%、ニッケル12〜54.9%、及び不可避不純物からなるニッケル基超合金よりなることを特徴とする。
本発明のダイアフラムは、前記外径Φと前記曲率半径Rとが、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすことが好ましい。
【0008】
本発明のダイアフラムの製造方法は、ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mm、前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であるダイアフラムの製造方法であって、組成範囲が質量比で、コバルト30〜45%、ニッケル10〜20%、クロム5〜20%、タングステン3〜5%、モリブデン3〜9%、鉄1〜40%、及び不可避不純物からなるコバルト基超合金を円盤状に型抜きした後に、ドーム状に成形することを特徴とする。
本発明のダイアフラムの製造方法においては、前記外径Φと前記曲率半径Rとが、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすことが好ましい。
【0009】
また、本発明のダイアフラムの製造方法は、ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mm、前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であるダイアフラムの製造方法であって、組成範囲が質量比で、コバルト25〜45%、クロム12〜25%、モリブデン8〜15%、ニオブ0.1〜3%、ニッケル12〜54.9%、及び不可避不純物からなるニッケル基超合金を円盤状に型抜きした後に、ドーム状に成形することを特徴とする。
本発明のダイアフラムの製造方法においては、前記外径Φと前記曲率半径Rとが、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明のダイアフラムバルブは、上記ダイアフラムを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のダイアフラムは、ドーム部凸側において、ドーム部と鍔部の境界に位置する境界部の曲率半径Rを所定範囲に設定することにより、ダイアフラムにかかる応力を効果的に軽減することができる。従って、ダイアフラムの変位量を大きくしてCv値を大きくとった場合でも、高い長期使用耐久性を有することができる。また、本発明のダイアフラムは、所定の組成のコバルト基超合金またはニッケル基超合金より形成されることにより、硬度、引張強さが高く、高い圧力下で使用しても、寿命が長く、又、腐食性ガスにも使用できる高耐食性のダイアフラムとすることができる。
【0011】
本発明のダイアフラムバルブは、上記のような優れた特性を有する本発明のダイアフラムを備えることにより、高強度、耐食性、長期使用耐久性を有するダイアフラムバルブとすることができる。
さらに、本発明のダイアフラムの製造方法によれば、高強度、耐食性、長期使用耐久性を有するダイアフラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のダイアフラムの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明のダイアフラムバルブの一例を示す概略断面図である。
【図3】実施例におけるダイアフラムの変位量と反発力の測定方法を説明する図であり、図3(a)は初期状態のダイアフラムの断面図であり、図3(b)は反発力測定時のダイアフラムの断面図であり、図3(c)はタイヤフラムの変位量と反発力の測定装置の部分断面図である。
【図4】図4(a)は外径20mmのダイアフラムにおける変位量と反発力との関係を示すグラフであり、図4(b)は同ダイアフラムにおける境界部の曲率半径Rと最大反発力との関係を示すグラフである。
【図5】図5(a)は外径15mmのダイアフラムにおける曲率半径Rと最大反発力との関係を示すグラフであり、図5(b)は外径26mmのダイアフラムにおける曲率半径Rと最大反発力との関係を示すグラフである。
【図6】図6(a)は、外径15〜26mmの場合において外径Φと応力軽減効果が得られる曲率半径Rの下限値(R値)及び高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)の関係をプロットしたグラフであり、図6(b)は、外径10〜40mmの範囲において外径Φと応力軽減効果が得られる曲率半径Rの下限値(R値)及び高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)の関係をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明のダイアフラム及びダイアフラムバルブについて、図1および図2を参照して説明する。
図1は、本発明に係るダイアフラムの一実施形態を示す概略断面図であり、図2は、本発明に係るダイアフラムバルブの一実施形態を示す概略断面図である。図2においては、ダイアフラム近傍の要部のみを示し、説明を簡単にするために、その他の構成要素は図示略としている。
【0014】
図2に示すように、本実施形態のダイアフラムバルブ10は、内部に第1流路4と第2流路5とが形成された本体2と、本体2上に蓋体3によりその周縁部を固定されて配されたダイアフラム1とを備えてなる。本体2の内部には、本体2の一方の側面2aから本体2の上面2c中央部に達する第1流路4が形成されている。本体2の側面2aには第1流路4の流入口4aが形成され、本体2の上面2cの中央部には第1流路4の流出口4bが形成されている。本体2において、第1流路4を形成した側と反対側には、第1流路4の流出口4bと少し離れた位置から本体2の他方の側面2bまで達するように第2流路5が形成されている。本体2の上面2cには第2流路5の流入口5aが形成され、本体2の側面2bには第2流路5の流出口5bが形成されている。第1流路4の流出口4bには、本体2の上面2cよりも突出するように弁座6が設けられ、弁座6の上端部により形成される流通口6aはダイアフラム1の中央部1aと対向している。本体2および蓋体3は、JIS規格SUS316Lなどの耐食性のある金属や合金等より形成されている。
【0015】
ダイアフラム1は、中央部が上部側へ膨出された大きな曲率半径を持つ部分球殻形状(ドーム形状)のドーム部1Dと、ドーム部1Dの周縁に境界部1Kを介して連続的に形成された鍔部1Tとを備えてなる。ダイアフラム1は、ドーム部1Dの凹側が弁座6に対向配置され、その上に設置された蓋体3により固定されている。ダイアフラム1は、その周縁部に設けられた鍔部1Tを、本体2の上面2cと、天井部3Aと周壁3Bとを有する筒状の蓋体3の周壁下部の押え面3aとで狭持することにより、本体2上部に配されている。
【0016】
蓋体3の天井部3Aの中央部にはステム7が貫通する貫通孔3bが設けられている。ステム7の最下端面はダイアフラム1の上面と面接触しており、ステム7の上部には、ステム7を上下に移動可能なハンドル等のステム上下手段(図示略)が配されている。ステム7は、JIS規格SUS316Lなどの金属や合金等より形成されている。
【0017】
ダイアフラムバルブ10を閉弁状態にする場合には、ハンドル等のステム上下手段によりステム7を下降させる。そうすると、ステム7が下降してダイアフラム1の中央部1aを下方へ押し下げ、これによって、ダイアフラム1が図2に破線で示すような状態に弾性変形し、弁座6に当座して流通口6aを塞ぎ、閉弁状態になる。また、ダイアフラムバルブ10を開弁状態にする場合には、ステム上下手段によりステム7を上昇させる。そうすると、ダイアフラム1はその弾性力や流体圧により元の形状に復元し、弁座6から離座して流通口6aは開放されて、開弁状態になる。ダイアフラムバルブ10の開弁状態では、流入口4aより第1流路4へ導入された流体は、流通口6aを通過して本体2とダイアフラム1とで形成された流体室8へと導入され、さらに、流入口5aより第2通路5内を流出口5bへと向かって流れる。ダイアフラムバルブ10の閉弁状態では、ダイアフラム1が弁座6に接して流体の流通口6aを閉鎖する。
【0018】
このように、ダイアフラムバルブ10においては、ダイアフラム1をステム7で押し付けて変形させるか否かにより弁の開閉が行われる。本発明のダイアフラム1は、流体の流量(Cv値)を大きくとるために、ダイアフラム1の変位量を大きくしても、長期使用耐久性が低下しないという特性を有する。以下、本発明のダイアフラム1について図1を用いて詳細に説明する。
【0019】
本発明のダイアフラム1は、ドーム形状のドーム部1Dと、ドーム部1Dの周縁に境界部1Kを介して連続的に形成された鍔部1Tを備えてなる。
ダイアフラム1は、組成範囲が質量比で、コバルト30〜45%、ニッケル10〜20%、クロム5〜20%、タングステン3〜5%、モリブデン3〜9%、鉄1〜40%、及び不可避不純物からなるコバルト基超合金、又は、組成範囲が質量比で、コバルト25〜45%、クロム12〜25%、モリブデン8〜15%、ニオブ0.1〜3%、ニッケル12〜54.9%、及び不可避不純物からなるニッケル基超合金より形成されてなる。以下、これらの組成範囲を規定した理由を説明する。
【0020】
コバルト(Co)はそれ自体加工硬化能が大きく、切り欠け脆さを減じ、疲労強度を高める効果があるが、前記下限値未満では、疲労強度を高める効果が弱くなり、前記上限値を超えるとマトリクスが硬くなり過ぎて加工困難となると共に、面心立方格子が細密六方格子相に対して不安定になる可能性がある。そこで、上記コバルト基超合金のコバルト含有量を30〜45質量%とし、上記ニッケル基超合金のコバルト含有量を25〜45質量%とした。
【0021】
クロム(Cr)は耐食性を確保するのに不可欠な成分であり、またマトリクスを強化する効果があるが、前記下限値未満では優れた耐食性を得る効果が弱く、前記上限値を超えるσ層を析出して加工性及び靭性が急激に低下する可能性がある。そこで、上記コバルト基超合金のクロム含有量を5〜20質量%とし、上記ニッケル基超合金のクロム含有量を12〜25質量%とした。
【0022】
ニッケル(Ni)は面心立方格子相を安定化し、加工性を維持し、耐食性を高める効果があるが、前記下限値未満では安定した面心立方格子を得ることが困難であり、前記上限値を超えると機械的強度が低下する可能性がある。そこで、上記コバルト基超合金のニッケル含有量を10〜20質量%とし、上記ニッケル基超合金のニッケル含有量を12〜54.9質量%とした。
【0023】
モリブデン(Mo)はマトリクスに固溶してこれを強化する効果、加工硬化能を増大させる効果、及びCrとの共存において耐食性を高める効果があるが、前記下限値未満では加工硬化性を増大させる効果および耐食性を高める効果が弱く、前記上限値を超えるとσ相を析出して加工性及び靭性が急激に低下する可能性がある。そこで、上記コバルト基超合金のモリブデン含有量を3〜9質量%とし、上記ニッケル基超合金のモリブデン含有量を8〜15質量%とした。
【0024】
上記コバルト基超合金において、タングステン(W)はマトリクスに固溶してこれを強化し、加工硬化能を増大させる著しい効果があるが、3質量%未満では加工硬化能を増大させる効果が弱く、5質量%を超えるとσ相を析出して靭性が低下する可能性がある。そこで、上記コバルト基超合金のタングステン含有量を3〜5質量%とした。
【0025】
上記コバルト基超合金において、鉄(Fe)はマトリクスに固溶してこれを強化する効果があるが、多すぎると耐酸化性が低下するため、鉄含有量を1〜40質量%とした。
【0026】
上記ニッケル基超合金において、ニオブ(Nb)はマトリクスに固溶してこれを強化し、加工硬化能を増大させる効果がある。0.1質量%未満では加工硬化能を増大させる効果が弱く、3%を超えるとσ相やδ相(NiNb)が析出して靭性が低下する可能性がある。そこで、上記ニッケル基超合金のニオブ含有量を0.1〜3質量%とした。
【0027】
なお、本発明のダイアフラム1を形成するニッケル基超合金は、上記元素の他に、炭素(C)0.03質量%以下、マンガン(Mn)0.5質量%以下、チタン(Ti)0.1〜0.8質量%、ケイ素(Si)0.1%以下、鉄(Fe)1.1〜2.1質量%等の微量元素や不可避不純物を含有していてもよい。なお、上記ニッケル基超合金がこれらの微量元素や不可避不純物を含有する場合、ニッケル(Ni)の一部と置き換えることができる。
また、本発明のダイアフラム1を形成するコバルト基超合金は、上記元素の他に、炭素(C)0.03質量%以下、アルミニウム(Al)0.04〜0.12質量%、ケイ素(Si)0.8〜1.05質量%、マンガン(Mn)0.5〜1.10質量%、チタン(Ti)0.1〜0.8質量%等の微量元素や不可避不純物を含有していてもよい。なお、上記コバルト基超合金がこれらの微量元素や不可避不純物を含有する場合、鉄(Fe)の一部と置き換えることができる。
【0028】
上記微量元素のうち、チタン(Ti)は強い脱酸、脱窒、及び脱硫の効果、並びに鋳塊組織の微細化の効果がある。上記下限値未満ではチタン添加効果が発現しにくく、多過ぎるとη相(NiTi)が析出して靭性が低下する可能性がある。そのため、上記コバルト基超合金がTiを含有する場合は、その含有量を0.1〜0.8質量%とすることが好ましく、上記ニッケル基超合金がTiを含有する場合は、その含有量を0.1〜0.8質量%とすることが好ましい。
【0029】
上記微量元素のうち、マンガン(Mn)は脱酸、脱硫の効果と、面心立方格子相を安定化する効果があるが、多すぎると靭性が低下する可能性がある。そのため、上記コバルト基超合金がMnを含有する場合は、その含有量を0.5〜1.10質量%とすることが好ましく、上記ニッケル基超合金がMnを含有する場合は、その含有量を0.5質量%以下とすることが好ましい。
【0030】
上記微量元素のうち、炭素(C)はマトリクスに固溶すると共に、Cr、Mo、Nb、W等と炭化物を形成し、結晶粒の粗大化の防止効果があるが、多すぎると靭性の低下や耐食性の劣化等を生じる可能性があるので、上記コバルト基超合金または上記ニッケル基超合金がCを含有する場合、その含有量を0.03質量%以下とすることが好ましい。
【0031】
上記微量元素のうち、鉄(Fe)はマトリクスに固溶してこれを強化する効果があるが、多すぎると耐酸化性が低下するため、上記ニッケル基超合金がFeを含有する場合、その含有量を1.1〜2.1質量%とすることが好ましい。
【0032】
このような組成のコバルト基超合金またはニッケル基超合金よりダイアフラム1を形成することにより、硬度、引張強さが高く、150kg/cm以上の高い圧力下で使用しても、寿命が長く、又、腐食性ガスにも使用できる高耐食性のダイアフラム1およびダイアフラムバルブ10とすることができる。
【0033】
本発明において、ダイアフラム1の外径Φは10〜35mm、高さHは0.4〜1.4mm、鍔部1Tの幅tは0.4〜1.5mm、ダイアフラム1の厚さは0.1〜0.25mm程度とすることができるが、外径Φやドーム部1Dの径などにより適宜変更可能である。
ダイアフラム1のドーム部1Dの凸側における、境界部1Kの曲率半径Rは0.6mm以上である。境界部1Kの曲率半径Rを0.6mm以上とすることにより、後述する実施例で示すように、ダイアフラム1がステム7により変形される際にダイアフラム1にかかる応力を軽減することができるため、長期使用耐久性を向上させることができる。
境界部1Kの曲率半径R(mm)は、外径Φ(mm)に対して、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすように設定されることが好ましい。この関係式を満たすように境界部1Kの曲率半径Rを設定することにより、ダイアフラム1を変形させた際にダイアフラム1にかかる応力を効果的に軽減することができ、ダイアフラム1の変位量を大きくしてCv値を大きくとっても、長期使用耐久性が高いダイアフラム1とすることができる。
【0034】
さらに、本発明においては、境界部1Kの曲率半径R(mm)と外径Φ(mm)とが、R≧194.63Φ−1.3807の関係を満たすように境界部1Kの曲率半径Rを設定することがさらに好ましい。境界部1Kの曲率半径Rを大きくするほど、ダイアフラム1に係る応力を軽減することができるが、特に、R≧194.63Φ−1.3807の関係を満たすように曲率半径Rを設定することにより、ダイアフラム1の変位量に関わらず、高い応力軽減効果を示すことができるため好ましい。
なお、曲率半径Rの上限値は特に限定されるものではないが、例えば、ダイアフラム1の外径Φ=10mm程度の場合に、あまりに大きい曲率半径Rとしてしまうと、鍔部1Tと境界部1Kとの区別が付かず、製造工程や検査工程での取り扱いが難しくなる可能性がある。そこで、外径Φが10〜35mmの本発明のダイアフラム1においては、後述する実施例に示すように、R=8.1程度を上限とすることにより、外径Φの大きさに関わらず、高い応力軽減効果を示すことができる。
このような関係を満たすように境界部1Kの曲率半径Rを設定することにより、ダイアフラム1にかかる応力を効果的に軽減することができるので、Cv値を大きく設定した場合にも、長期使用耐久性の高いダイアフラム1およびダイアフラムバルブ10とすることができる。
【0035】
次に、ダイアフラム1の製造方法について説明する。
まず、上記組成からなるコバルト基超合金又はニッケル基超合金を、真空溶解により高清浄度化し、冷間加工率を40〜90%として得た厚さ0.1〜0.3mmの条材よりプレス抜きにより円盤状に型抜きする。ついで、型抜きした円盤をドーム状に成形することにより、所望の形状のダイアフラム1を作製することができる。なお、型抜きした円盤をドーム状に成形する前又は後に、表面研磨を行ってもよい。また、成形後に、300〜700℃の温度で真空熱処理を行ってもよい。このように熱処理を施すことにより、ダイアフラム1の機械的強度を高めることができる。
【0036】
本発明のダイアフラム1は、前述した所定の組成の合金により形成されていることにより、硬度、引張強さが高く、150kg/cm以上の高い圧力下で使用しても、寿命が長く、又、腐食性ガスにも使用できる高い耐食性を示すことができる。
また、本発明のダイアフラムは1、その外径Φおよび境界部1Kの曲率半径Rを規定することにより、ダイアフラム1がステム7により押し下げられて変形する際に、ダイアフラム1にかかる応力を軽減させることができる。従って、本発明のダイアフラム1は、変位量を大きくとってCv値を大きく設定した場合においても、長期使用耐性を有することが可能となる。
【0037】
本発明のダイアフラムバルブ10は、上記のような優れた特性を有する本発明のダイアフラム1を備えることにより、高強度、耐食性、長期使用耐久性を有するダイアフラムバルブ10とすることができる。
さらに、本発明のダイアフラムの製造方法によれば、高強度、耐食性、長期使用耐久性を有するダイアフラム1を提供することができる。
【0038】
以上、本発明に係る圧力センサ、ダイアフラム、及びダイアフラムの製造方法の一実施形態について説明したが、前記した圧力センサ10及びダイアフラム1を構成する各部は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【実施例】
【0039】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
組成が質量比で、Cr:20.11%、Ni:32.07%、Mo:10.02%、Fe:1.9%、Nb:0.91%、Mn:0.2%、Ti:0.49%、C:0.014%、Si:0.04%、残部がCoと不可避不純物よりなる合金を、真空溶解により高清浄度化し、加工率80%で冷間加工を施して厚さ0.1mmの条材を作製した。この条材よりプレス抜きにより円盤状に型抜きした後、ドーム状に成形することにより、図1に示す形状のダイアフラムを、外径Φ=20mm、厚さ0.1mm、高さH=0.75mm、鍔部の幅t=1mmとして、R=0.6mm、R=1.2mm、R=2.5mm、R=4.0mm、R=5.7mmの各値に設定した複数のダイアフラムを作製した。
【0040】
作製した各ダイアフラムに対して、ダイアフラムの変形度合いである変位量に対する反発力の関係を測定した。測定方法を図3を参照して説明する。図3(a)は、測定初期状態のダイアフラム1の断面図であり、この初期状態においては、外径Φ=20mmのダイアフラム1の上面に接触するように、ステム7として外径8mmの円筒状の金属棒が設置されている。図3(b)は、反発力測定時のダイアフラム1の断面図であり、ステム7により押圧されたダイアフラム1は変位量Xだけ変形した状態にある。図3(b)に示すように、ステム7の押圧により変形したダイアフラム1には、ステム7の押圧方向と反対方向に反発力が生じている。この反発力を、図3(c)に示す測定装置30にダイアフラム1を設置して測定した。測定装置30は、円盤状の基台31とその上に被せられる蓋体32を備えてなり、基台31の外周部31aと、蓋体32の外周部32aとの間にダイヤフラム1を挟むことができるようになっている。この測定装置30は、測定対象であるダイアフラム1の外径に合わせて複数用意して計測に用いた。測定装置30は、ダイアフラム1の鍔部1Tを基台31と蓋体32の間に挟んで固定し、ダイアフラム1上部のステム7にロードセル9を配置し、このロードセル9により荷重を計り、同時に変位量も計ることができるものである。各ダイアフラムにおける変位量と反発力の関係を測定した結果を図4(a)に示す。
【0041】
図4(a)に示すように、境界部1Kの曲率半径Rが大きくなるにつれて、ダイアフラムにかかる反発力が小さくなっていた。反発力はダイアフラムにかかる応力とみなすことができるため、この結果より境界部1Kの曲率半径Rを大きくすることにより、ダイアフラムにかかる応力を軽減することができることがわかる。
さらに、この結果の裏付けとして上記で作製した外形Φ=20mmの各ダイアフラムを図2に示すようにダイアフラムバルブに設置し、ダイアフラムの変位量を0.3〜0.6mmとしてダイアフラムバルブの繰り返し開閉を行い、各ダイアフラムバルブと各ダイアフラムの耐久試験を行った。その結果を表1に示す。なお、表1において、「>200万回」と表記したデータについては200万回を越えた時点で測定を打ち切ったものであり、200万回作動後も開閉作動異常はなく、ダイアフラムに亀裂などの疲労破壊の兆しは見られなかった。
【0042】
【表1】

【0043】
表1の結果より、曲率半径Rの小さいものほど、変位量が大きくなるに従って耐久回数が減少している。しかしながら、図4(a)に示すように、各ダイアフラムの反発力(応力)は、変位量0.4mm付近で最大値となっているが、本発明に係る曲率半径Rが0.6mm以上のダイアフラムでは、変位量0.4mmで200万回以上の使用回数に耐えうる長期使用耐久性を示していた。
また、組成が質量比で、Co:38.8%、Ni:16.5%、Cr:12.0%、W:4.07%、Mo:4.03%、Si:0.9%、Mn:0.69%、Ti:0.64%、Al:0.11%、C:0.002%、残部がFeと不可避不純物よりなる合金を用いたこと以外は、上記実施例1と同様に複数のダイアフラムを作製し、各ダイアフラムバルブと各ダイアフラムの耐久試験を行った。その結果、上記表1と同様の結果が得られ、コバルト基超合金より形成された、本発明に係る曲率半径Rが0.6mm以上のダイアフラムでは、変位量0.4mmで200万回以上の使用回数に耐えうる長期使用耐久性を示していた。
【0044】
さらに、図4(a)に示す結果より、各ダイアフラムにおける反発力の最大値(最大反発力)と境界部の曲率半径Rとの関係をプロットしたものが図4(b)である。この結果より、外径Φ=20mmのダイアフラムにおいては、曲率半径R=0.6〜1.2mm付近では最大反発力に変化はないが、R=1.2〜4.0mm付近ではRが大きくなるにつれて最大反発力が小さくなっている。さらに、Rが4.0mm以上では最大反発力すなわち応力を軽減する効果が高いが、Rを大きくしてもその効果に大きな違いは見られない。そこで、外径Φ=20mmにおける最大反発力(応力)を軽減することのできる曲率半径Rの数値範囲を推定するために、図4(b)に破線で示すように補助線La、Lb、Lcを外挿し、補助線LaとLbとの交点Aを応力軽減効果のある曲率半径Rの下限値(R値)、補助線LbとLcとの交点Bを高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)として、曲率半径Rの上限値(R値)とR値を求めた。その結果、外径Φ=20mmにおける曲率半径Rの下限値(R値)は1.4mm、R値は3.1mmであった。
【0045】
(実施例2)
外径Φ=15mm、厚さ0.1mm、高さH=0.50mm、鍔部の幅t=1mmとして、R=0.5〜6.7mmと設定した複数のダイアフラムを、実施例1と同様にして作製した。得られた外形Φ=15mmの各ダイアフラムについて、ステムの外径を6mmに変更した以外は、実施例1と同様にして最大反発力と曲率半径Rとの関係を求めた。結果を図5(a)に示す。
図5(a)に示すように、外径Φ=15mmのダイアフラムにおいても、曲率半径Rが大きくなるに従って最大反発力が軽減されていた。ダイアフラムにかかる反発力(応力)を効果的に軽減可能な曲率半径Rの上限値(R値)、および高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)を実施例1と同様にして求めたところ、外径Φ=15mmにおける曲率半径Rの下限値(R値)Aは2.1mm、R値Bは4.6mmであった。
【0046】
(実施例3)
外径Φ=26mm、厚さ0.1mm、高さH=0.95mm、鍔部の幅t=1mmとして、R=0.5〜6.1mmと設定した複数のダイアフラムを、実施例1と同様にして作製した。得られた外形Φ=26mmの各ダイアフラムについて、ステムの外径を10mmに変更した以外は、実施例1と同様にして最大反発力と曲率半径Rとの関係を求めた。結果を図5(b)に示す。
図5(b)に示すように、外径Φ=26mmのダイアフラムにおいても、曲率半径Rが大きくなるに従って最大反発力が軽減されていた。ダイアフラムにかかる反発力(応力)を効果的に軽減可能な曲率半径Rの上限値(R値)、および高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)を実施例1と同様にして求めたところ、外径Φ=26mmにおける曲率半径Rの下限値(R値)Aは1.0mm、R値Bは2.1mmであった。
【0047】
実施例1〜3より得られた、外径Φにおける応力軽減効果が得られる曲率半径Rの下限値(R値)及び高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)を表1に纏めた。さらに、応力軽減効果が得られる曲率半径Rの下限値(R値)と外径Φとの関係、及び、高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)と外径Φとの関係についてプロットし(図6(a))、近似式(関係式)を求めた。得られた関係式を表2および図6(a)に併記した。
【0048】
【表2】

【0049】
次に、得られた関係式より、外径Φ=10〜40mmにおける、応力軽減効果が得られる曲率半径Rの下限値(R値)、及び高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)をプロットした(図6(b))。
図6(b)に示すように、本発明に係る外径Φ=10〜35mmのダイアフラムにおいては、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすように外径Φのサイズに応じて曲率半径Rを設定することにより、ダイアフラムにかかる反発力(すなわち、応力)を軽減することができる。従って、ダイアフラムの変位量を大きくしてCv値を大きくとった場合でも、長期使用耐久性の高いダイアフラム及びダイアフラムバルブとすることができることが明らかである。
また、図6(b)に示す高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)以上となるように曲率半径Rを設定することで、ダイアフラムの変位量に関係なく、高い応力軽減効果を得ることができる。すなわち、本発明に係る外径Φ=10〜35mmのダイアフラムにおいては、R≧194.63Φ−1.3807の関係を満たすように外径Φのサイズに応じて曲率半径Rを設定することにより、ダイアフラムにかかる反発力(すなわち、応力)をより一層効果的に軽減することができる。従って、ダイアフラムの変位量を大きくしてCv値を大きくとった場合でも、長期使用耐久性の高いダイアフラム及びダイアフラムバルブとすることができることが明らかである。
さらに、図6(b)に示すように、本発明に係る外径Φ=10〜35mmのダイアフラムにおいては、曲率半径R=8.1mm程度に設定することにより、外径Φの大きさ及びダイヤフラムの変位量に関わらず、高い応力低減効果を示すことが可能であり、ダイアフラムの変位量を大きくしてCv値を大きくとった場合でも、長期使用耐久性の高いダイアフラム及びダイアフラムバルブとすることができることが明らかである。
【0050】
また、組成が質量比で、Co:38.8%、Ni:16.5%、Cr:12.0%、W:4.07%、Mo:4.03%、Si:0.9%、Mn:0.69%、Ti:0.64%、Al:0.11%、C:0.002%、残部がFeと不可避不純物よりなる合金を用いたこと以外は、実施例1〜3と同様に、外径Φおよび曲率半径Rの異なる複数のダイアフラムを作製し、最大反発力と曲率半径Rとの関係を求めた。そして、実施例1〜3と同様に、曲率半径Rの下限値(R値)と外径Φとの関係、及び、高い応力軽減効果が得られる曲率半径Rの値(R値)と外径Φとの関係についてプロットし、近似式(関係式)を求めたところ、上記実施例1〜3で得られた関係式と同様の関係式が得られた。
この結果より、コバルト基超合金より形成された、本発明に係る外径Φ=10〜35mmのダイアフラムにおいても、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすように外径Φのサイズに応じて曲率半径Rを設定することにより、ダイアフラムにかかる反発力(応力)を軽減することができることが確認された。また、R≧194.63Φ−1.3807の関係を満たすように外径Φのサイズに応じて曲率半径Rを設定することにより、ダイアフラムにかかる反発力(応力)をより一層効果的に軽減することができることが確認された。さらに、曲率半径R=8.1mm程度に設定することにより、外径Φの大きさ及びダイヤフラムの変位量に関わらず、高い応力低減効果を示すことが可能であることが確認された。
従って、本発明のダイアフラムは、ダイアフラムの変位量を大きくしてCv値を大きくとった場合でも、長期使用耐久性の高いダイアフラム及びダイアフラムバルブとすることができることが明らかである。
【符号の説明】
【0051】
1…ダイアフラム、1D…ドーム部、1T…鍔部、1K…境界部、2…本体、3…蓋体、4…第1流路、5…第2流路、6…弁座、7…ステム、8…流体室、10…ダイアフラムバルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mmのダイアフラムであって、
前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であり、
組成範囲が質量比で、コバルト30〜45%、ニッケル10〜20%、クロム5〜20%、タングステン3〜5%、モリブデン3〜9%、鉄1〜40%、及び不可避不純物からなるコバルト基超合金よりなることを特徴とするダイアフラム。
【請求項2】
ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mmのダイアフラムであって、
前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であり、
組成範囲が質量比で、コバルト25〜45%、クロム12〜25%、モリブデン8〜15%、ニオブ0.1〜3%、ニッケル12〜54.9%、及び不可避不純物からなるニッケル基超合金よりなることを特徴とするダイアフラム。
【請求項3】
前記外径Φと前記曲率半径Rとが、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のダイアフラム。
【請求項4】
ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mm、前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であるダイアフラムの製造方法であって、
組成範囲が質量比で、コバルト30〜45%、ニッケル10〜20%、クロム5〜20%、タングステン3〜5%、モリブデン3〜9%、鉄1〜40%、及び不可避不純物からなるコバルト基超合金を円盤状に型抜きした後に、ドーム状に成形することを特徴とするダイアフラムの製造方法。
【請求項5】
前記外径Φと前記曲率半径Rとが、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載のダイアフラムの製造方法。
【請求項6】
ドーム形状のドーム部と、前記ドーム部の周縁に境界部を介して連続的に形成された鍔部とを備えてなり、外径Φが10〜35mm、前記ドーム部の凸側において、前記境界部の曲率半径Rが0.6mm以上であるダイアフラムの製造方法であって、
組成範囲が質量比で、コバルト25〜45%、クロム12〜25%、モリブデン8〜15%、ニオブ0.1〜3%、ニッケル12〜54.9%、及び不可避不純物からなるニッケル基超合金を円盤状に型抜きした後に、ドーム状に成形することを特徴とするダイアフラムの製造方法。
【請求項7】
前記外径Φと前記曲率半径Rとが、R≧136.97Φ−1.5383の関係を満たすことを特徴とする請求項6に記載のダイアフラムの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載のダイアフラムを備えることを特徴とするダイアフラムバルブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−202681(P2011−202681A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67974(P2010−67974)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】