説明

ダイヤフラム用ゴム組成物およびそれを用いたダイヤフラム

【課題】 ダイヤフラムに要求される所望の良好なゴム特性を維持したまま、従来必須とされていたプライマーを用いることなく、接着剤のみでのダイヤフラムゴムと金属との信頼性のある接合を実現させる、これによりコスト削減の可能なものを提供する。
【解決手段】 金属部材(20)と接着して用いられるダイヤフラム用のゴム組成物は、アクリロニトリル含有量が31〜42wt%である中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)と、加硫剤として使用される硫黄および有機過酸化物と、エステル系可塑剤とを含み、加硫剤として使用される有機過酸化物が、α,α´−ビス(tert-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであり、エステル系可塑剤が、アジピン酸エステルであるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤフラム用ゴム組成物およびそれを用いたダイヤフラムに関し、特に、金属部材と接着して用いられるダイヤフラム用のゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤフラム本体の中央に配置され、かつ接着・固着された円板状の金属体を備えるダイヤフラムがある。このものは、予め、ダイヤフラム本体の中央に金属体が固着されているために、空圧装置等への取り付けの簡便性に優れるという特徴がある。
【0003】
ゴム体からなるダイヤフラム本体は、適度の伸びや柔軟性が要求されるために、中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)が使用される。当該水素化ニトリルゴム(HNBR)は、一般に低温性、耐油性等の特性バランスのとれたゴム材料、ニトリル含有率を多少変えることにより、低温性と耐油性のいずれか一方を重視した配合とすることもできる。その一方で、金属や樹脂との接着性(加硫接着)については、低アクリロニトリルのものに比べて、接着性が劣るという傾向がある。
【0004】
そのため、硫黄加硫された中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)を使用する場合、金属との接着性を確実にするために、接着剤は下塗り(プライマー)を基材に塗布し、その上に接着材を塗布する工法が一般的に行われている。
【0005】
しかしながら、プライマーを使用する場合、このものの塗りムラが原因で、接着不良を生じることがある。また、プライマーを使用することで、工程数も増え、コストが増加するという不都合も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−104864公報
【特許文献2】特開昭63−159454号公報
【特許文献3】特開平11−34218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような実状のもとに本発明は、創案されたものであり、その目的は、ダイヤフラムに要求される所望の良好なゴム特性を維持したまま、従来必須とされていたプライマーを用いることなく、接着剤のみでのダイヤフラムゴムと金属との信頼性のある接合を実現させ、これによりコスト削減の可能なものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明は、金属部材と接着して用いられるダイヤフラム用のゴム組成物であって、当該ゴム組成物は、アクリロニトリル含有量が31〜42wt%である中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)と、加硫剤として使用される硫黄および有機過酸化物と、エステル系可塑剤とを含み、前記加硫剤として使用される有機過酸化物が、α,α´−ビス(tert-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであり、前記エステル系可塑剤が、アジピン酸エステルであるように構成される。
【0009】
また、本発明のダイヤフラム用のゴム組成物の好ましい態様として、前記有機過酸化物の含有量が、6〜10重量部であるように構成される。
【0010】
また、本発明のダイヤフラム用のゴム組成物の好ましい態様として、前記エステル系可塑剤の含有量が、5〜20重量部であるように構成される。
【0011】
また、本発明のダイヤフラムは、上記記載のダイヤフラム用ゴム組成物からなるダイヤフラム本体と、当該ダイヤフラム本体の中央に配置され、接着された金属体とを備えて構成される。
【0012】
また、本発明のダイヤフラムの好ましい態様として、ダイヤフラム本体と、ダイヤフラム本体の中央に配置された接合面には、有機シリコン系接着剤が介在されて構成される。
【0013】
また、本発明のダイヤフラムの好ましい態様として、前記有機シリコン系接着剤が、5〜30wt%シラン化合物と、70〜95wt%のN,N-ジメルチルホルムアルデヒドを含有する接着剤であるように構成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の金属部材と接着して用いられるダイヤフラム用のゴム組成物は、アクリロニトリル含有量が31〜42wt%である中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)と、加硫剤として使用される硫黄および有機過酸化物と、エステル系可塑剤とを含み、加硫剤として使用される有機過酸化物が、α,α´−ビス(tert-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであり、エステル系可塑剤が、アジピン酸エステルであるように構成されているので、ダイヤフラムに要求される所望の良好なゴム特性を維持したまま、従来必須とされていたプライマーを用いることなく、接着剤のみでのダイヤフラムゴムと金属との信頼性のある接合を実現させることができる。これによりコストの低減化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明のダイヤフラム1の平面図である。
【図2】図2は図1のA−A断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
まず、最初に、本発明のダイヤフラム用ゴム組成物の説明する前に、本発明のダイヤフラム用ゴム組成物が好適に用いられる本発明のダイヤフラムの構造の一例を図1および図2を参照しつつ説明する。
【0017】
〔本発明のダイヤフラムの構造の説明〕
図1は、本発明のダイヤフラム1の平面図であり、図2は図1のA−A断面矢視図である。これらの図面に示されるように、本発明のダイヤフラム1は、ゴム弾性体を主構成部材とするダイヤフラム本体30と、このダイヤフラム本体30の中央に配置され、かつ接着・固着された略円板状の金属部材20と、を備えている。このような本発明のダイヤフラム1は、予め、ダイヤフラム本体30の中央に金属部材20が固着されているために、空圧装置等への取り付けの簡便性に優れる。
【0018】
金属部材20は基本的に円板形状をなし、ゴム弾性体と接着されることのある円板状部25と、その中央部に突出する凸部体21を有し、円板状部25の周縁部近傍には図示のごとく複数の貫通孔27(図面では12個が均等角度割で配置)が設けられている。この貫通孔27の中には、通常、ダイヤフラム本体30を構成するゴム弾性体が入り込み、接合性を高めるようになっている(図2参照)。
【0019】
ダイヤフラム本体30は、基本的に円板形状をなし、その主要部はゴム弾性体から構成され、内部に強度を保つための基布39(点線でしめされている領域)が埋設されている。ダイヤフラム本体30の外周部に位置する符号31はリブであり、装置との固定に用いられる。符号35は、圧力により可動するコンボリューション部であり、この部分には、金属部材20との接着箇所は存在しない。符号37は、金属部材20と接着することのある膜部本体である。
【0020】
このような金属部材20を接着して備えるダイヤフラムは、例えば、以下の製造方法により製造される。
【0021】
成形金型内のキャビティの所定位置に金属部材20をインサートしておき、次いで、ダイヤフラム用ゴム組成物を金型のキャビティに装填する。しかる後に、未加硫ゴムを加硫させる。加硫時の温度および時間は、ゴム材料等に応じて適宜設定される。
【0022】
なお、金属部材20とダイヤフラム用ゴム組成物との接合面には、有機シリコン系接着剤が介在される。有機シリコン系接着剤としては、5〜30wt%シラン化合物と、70〜95wt%のN,N-ジメルチルホルムアルデヒドを主成分として含有する接着剤が好適に用いられる。シラン化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。特に、γ−アミノプロピルトリメトキシシランが好適である。
その他、30wt%以内の範囲で、合成樹脂類を含有させることができる。
【0023】
このような有機シリコン系接着剤は、ダイヤフラム以外に、バルブ等で例示できるゴムー金属積層体の接着剤として使用できる。
【0024】
〔本発明のダイヤフラム用ゴム組成物の説明〕
本発明のゴム組成物は、ダイヤフラムのゴム部分として使用されるものであって、なおかつ、金属部材と接着して用いられるダイヤフラム用のゴム組成物である。
【0025】
本発明のダイヤフラム用ゴム組成物は、デュロA(Duro-A)硬度が60〜80である中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)と、加硫剤として使用される硫黄および有機過酸化物と、エステル系可塑剤とを含んで構成される。
【0026】
そして、これらの組合せのうち、限定された最適な成分の組合せによってのみ、本発明の効果が発現する。
【0027】
水素化ニトリルゴム(HNBR)の説明
本発明で使用される水素化ニトリルゴム(HNBR:水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム)は、デュロA硬度が60〜80、好ましくは、60〜70とされる。デュロA硬度は、JIS K6253で規定、測定される硬度である。この硬度の値が、60未満となったり、80を超えたりすると、所望のダイヤフラムのゴム特性を得ることが困難となってしまうという不都合が生じる。
【0028】
本発明でいう「中高ニトリル」とは、アクリロニトリル含有量が31〜35wt%のものをいい、「高ニトリル」とは、アクリロニトリル含有量が36〜42wt%のものをいう。双方併せて、本発明における水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム中のアクリロニトリル含有量は31〜42wt%である。この値が、31wt%未満となったり、42wt%を超えたりすると、上記の硬度との関係において、所望のダイヤフラムのゴム特性を得ることが困難となってしまうという不都合が生じる。
【0029】
加硫剤として使用される硫黄および有機過酸化物の説明
本発明においては、ゴムの加硫剤として硫黄と所定の有機過酸化物が併用される。
【0030】
硫黄は特に、伸び等のゴム物性を得るために必要であり、その含有量は、水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム100重量部に対して、0.2〜1.0重量部、好ましくは、0.3〜0.7重量部とされる。
【0031】
有機過酸化物としては、α,α´−ビス(tert-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンが用いられる。具体的な化学構造は、下記構造式で示される。
【0032】
【化1】

【0033】
パライソプロピルベンゼンが好ましいが、パラ、メタ異性体の混合物でもよい。
【0034】
このような有機過酸化物の含有量は、水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム100重量部に対して、6〜10重量部、好ましくは、7〜9重量部の範囲で含有される。この値が、6重量部未満となると、接着性が不安定になるという不都合が生じる。この一方で、10重量部を超えると、ゴムの伸びが低下するという不都合が生じる。
【0035】
なお、本願発明では、上述してきたようにゴムの加硫剤として硫黄と所定構造のジアルキルパーオキサイド類の有機過酸化物が併用される。
【0036】
(エステル系可塑剤の説明)
本発明で使用されるエステル系可塑剤は、アジピン酸エステルが使用される。アジピン酸エステルとしては、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等が好適例として例示できる。特に、アジピン酸ジオクチルが好ましい。
【0037】
このようなエステル系可塑剤の添加量は、水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム100重量部に対して、5〜20重量部、好ましくは、10〜17重量部とされる。
【0038】
この値が、5重量部未満となると、低温特性が劣るという不都合が生じる。この一方で、20重量部を超えると、接着性が低下するという不都合が生じる。
【0039】
(その他の添加物)
本発明の作用効果を逸脱しない範囲で、その他、加硫促進剤、白色充填剤、老化防止剤等の添加物を添加するようにしてもよい。
【0040】
(ダイヤフラム用ゴム組成物の物性)
上述してきた本発明のダイヤフラム用ゴム組成物は、好適には、引張強さが15MPa以上、特に21〜23MPaの範囲にあり、伸びが400%以上、特に480〜600%の範囲である物性を備えることが望ましい。
【0041】
さらに、低温伸長復元試験(TR10試験)の試験値が、−30℃以下、特に−30〜−35℃であり、圧縮永久歪試験(100℃×70時間の25%圧縮)による歪率が23%以下であることが望ましい。
【実施例】
【0042】
以下、具体的な実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0043】
HNBRとして下記のものを準備した。本発明の範囲のものである。
(HNBRの種類)
タイプ1(本発明):(ゼットポール2020; アクリロニトリル含有量:36.2wt%、ヨウ素価28、ムーニ−粘度78 ゼオン社製)
【0044】
タイプ2(比較):(ゼットポール4110; アクリロニトリル含有量:17wt%、ヨウ素価15、耐寒タイプ ゼオン社製)
【0045】
加硫剤として硫黄と有機過酸化物を準備した。
有機過酸化物としては、下記のものを準備した。
【0046】
有機過酸化物1(本発明):α,α´−ビス(tert-ブチルパーオキシ)−p−イソプロピルベンゼン(以下および表1中で『VC』と称す。商品名Vul-CuP(GEO社製))
【0047】
有機過酸化物2(比較):2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン(表1中で『パーヘキサ25B−40』と称す。)日本油脂製
【0048】
有機過酸化物3(比較):ジクミルパーオキサイド(表1中で『パークミルD』と称す。)日本油脂製
【0049】
エステル系可塑剤としては、下記のものを準備した。
可塑剤1(本発明):アジピン酸ジオクチル(DOA:Dioctyl Adipate)
【0050】
可塑剤2(比較):フタル酸ジオクチル(DOP:Dioctyl Phtalate)
【0051】
可塑剤3(比較):リン酸トリクレシル(TCP:Tricresyl Phosphate)
上記の配合用の原料を用いて、下記表1に示される配合要領で、ダイヤフラム用ゴム組成物を作製した。
【0052】
表1に示されるダイヤフラム用ゴム組成物について、下記の要領で、(1)接着強度試験を行うとともに、(2)ゴム残存率(%)、(3)引張強さ(MPa)、(4)伸び(%)、(5)TR10(℃)、および(6)圧縮永久歪率(%)のゴム物性を求めた。
【0053】
<ゴム物性の測定>
(1)接着強度試験および(2)ゴム残存率(%)
Φ10mm、厚さ3mmの円筒状ゴム試験片の円筒上面と下面にそれぞれ、有機シリコン系接着剤(商品名:モニカスV−16)を塗布した後に、Φ12mmの円筒状のステンレス金属片を接着した。
【0054】
しかる後、円筒状ゴム試験片の上面と下面にそれぞれ接着されたステンレス金属片を引っ張り試験機に固定し、上下に引っ張った。そして、分断時の強度(MPa)を求めるとともに(接着強度)、ステンレス金属片にゴム切断面がどのくらいの割合で残っているかを調べた(ゴム残存率の測定)。ゴム残存率100%は、ゴムとステンレス金属片の接着界面が100%ゴムに覆われている状態であり、ゴム残存率0%は、ゴムがステンレス金属片の表面箇所から外れた状態である。
【0055】
本発明の接着強度の目標値は、9MPa以上であり、ゴム残存率の目標値は80%以上である。
【0056】
(3)引張強さ(MPa)
JIS K6251に基づいて試験値を求めた。
本発明の目標値は、15MPa以上である。
【0057】
(4)伸び(%)
JIS K6251に基づいて試験値を求めた。
本発明の目標値は、400%以上である。
【0058】
(5)TR10(℃)
JIS K6261に基づいて低温伸長復元試験(TR試験)の試験値を求めた。TR試験は、一定の伸長を与え凍結させた試験片を徐々に昇温させたときの伸びの回復率を測定する試験であり、伸長した状態から10%収縮したときの温度(TR10)を求めた。
本発明の目標値は、−30℃以下である。
【0059】
(6)圧縮永久歪率(%)
JIS K6262に基づき圧縮永久歪試験(100℃×70時間の25%圧縮)による歪率を求めた。100から求めた数値を引いた値が回復%を示す。
本発明の目標値は、23%以下である。
【0060】
実験結果を下記表1に示した。
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
なお、表1において、本発明の可塑剤であるアジピン酸ジオクチルに代えて、アジピン酸ジイソノニルを用いた場合も、同様に良好な結果が得られた。
【0063】
上記表1の結果より本発明の効果は明らかである。
すなわち、本発明の金属部材と接着して用いられるダイヤフラム用のゴム組成物は、アクリロニトリル含有量が31〜42wt%である中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)と、加硫剤として使用される硫黄および有機過酸化物と、エステル系可塑剤とを含み、加硫剤として使用される有機過酸化物が、α,α´−ビス(tert-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであり、エステル系可塑剤が、アジピン酸エステルであるように構成されているので、ダイヤフラムに要求される所望の良好なゴム特性を維持したまま、従来必須とされていたプライマーを用いることなく、接着剤のみでのダイヤフラムゴムと金属との信頼性のある接合を実現させることができる。これによりコストの低減化が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
ダイヤフラム用ゴム組成物およびそれを用いたダイヤフラムを用いる産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…ダイヤフラム
20…金属部材
21…凸部体
25…円板状部
27…貫通孔
30…ダイヤフラム本体
31…リブ
35…コンボリューション部
37…膜部本体
39…基布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材と接着して用いられるダイヤフラム用のゴム組成物であって、
当該ゴム組成物は、
アクリロニトリル含有量が31〜42wt%である中高ニトリル含有または高ニトリル含有の水素化ニトリルゴム(HNBR)と、加硫剤として使用される硫黄および有機過酸化物と、エステル系可塑剤とを含み、
前記加硫剤として使用される有機過酸化物が、α,α´−ビス(tert-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであり、
前記エステル系可塑剤が、アジピン酸エステルであることを特徴とするダイヤフラム用ゴム組成物。
【請求項2】
前記有機過酸化物の含有量が、6〜10重量部である請求項1に記載のダイヤフラム用ゴム組成物。
【請求項3】
前記エステル系可塑剤の含有量が、5〜20重量部である請求項1または請求項2に記載のダイヤフラム用ゴム組成物。
【請求項4】
前記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のダイヤフラム用ゴム組成物からなるダイヤフラム本体と、当該ダイヤフラム本体の中央に配置され、接着された金属体とを備えることを特徴とするダイヤフラム。
【請求項5】
ダイヤフラム本体と、ダイヤフラム本体の中央に配置された接合面には、有機シリコン系接着剤が介在されている請求項4に記載のダイヤフラム。
【請求項6】
前記有機シリコン系接着剤が、5〜30wt%シラン化合物と、70〜95wt%のN,N-ジメルチルホルムアルデヒドを含有する接着剤である請求項5に記載のダイヤフラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−84720(P2011−84720A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123884(P2010−123884)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005175)藤倉ゴム工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】