説明

ダクト本体及びそれに取り付けるフィルター及びそれらを有する給気ダクト及びそれらにおける給気ダクト本体にフィルターを取り付ける取付方法

【課題】給気ダクトの換気対象空間内への突出を抑えると共に、清掃性を低下させずにフィルターを熱交換ユニットより上流側に配置することができるダクト本体及びそれに取り付けるフィルター及びそれらを有する給気ダクト及びそれらの取付方法を提供する。
【解決手段】この課題を解決するために、建造物の外装壁20と前記建造物の換気対象空間を形成する内装壁21の間に配置されて外気を換気対象空間に供給する給気ダクト1のダクト本体2であって、内部に前記外気が流通すると共に、給気温度調節用の熱交換ユニット15を収納する収納部3を備え、前記外気から塵埃等を除去するフィルター17を前記換気対象空間側から取り付けて前記熱交換ユニット15より前記外気が流通する流路の上流側に配置するガイド4を前記収納部3に備えるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクト本体及びそれに取り付けるフィルター及びそれらを有する給気ダクト及びそのダクト本体にそのフィルターを取り付ける取付方法に関し、殊に常時外気を換気対象空間に供給して屋内の空気を流動させる24時間換気用の換気システムにおける給気ダクトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅の高気密化に伴い、平成15年7月に行われた建築基準法の改正により住宅の居室等の24時間換気が義務化されており、換気システムにより屋内等の換気対象空間の空気を常時流動させて24時間換気を行っている。この種の換気システムは、屋内に外気を供給する給気ダクトと、屋内の空気を屋外に排出する排気ダクトと、排気ダクト内の空気を流動させるファンと、を備えている。
【0003】
そして、給気ダクトには屋内に供給する外気を予熱あるいは吸熱して屋内の空気との温度差を緩和する熱交換ユニットが配置されており、換気による温度変化を抑制し、屋内の冷暖房機器利用時における熱損失を低減している。更に、建造物の外装を形成する外装壁と建造物の内装を形成する内装壁の間にこの熱交換ユニットを配置して、給気ダクトの屋内側への突出を抑えている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−196738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、給気ダクト内には外気だけでなく外気と共に屋外の塵埃等が流入しており、外気から塵埃等を除去するフィルターを給気ダクトに配置すると共に、フィルターは清掃用に屋内側(給気ダクトの下流側)から取外可能とする必要がある。そのため、フィルターを熱交換ユニットより下流側に配置しており、塵埃等は熱交換ユニット流通後に除去されており、外気の伝熱性の低下や塵埃等の熱交換ユニットへの付着等により熱交換効率が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、この問題に鑑みて、給気ダクトの換気対象空間内への突出を抑えると共に、清掃性を低下させずにフィルターを熱交換ユニットより上流側に配置することができるダクト本体及びそのダクト本体に取り付けるフィルター及びそれらを有する給気ダクト及びそのダクト本体にそれら取付方法を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明は、建造物の外装壁と前記建造物の換気対象空間を形成する内装壁の間に配置されて外気を前記換気対象空間に供給する給気ダクトのダクト本体であって、前記外気が内部に流通すると共に、給気温度調節用の熱交換ユニットを収納する収納部を備え、前記外気から塵埃を除去するフィルターを前記換気対象空間側から取り付けて前記熱交換ユニットより前記外気の流通する流路の上流側に配置するガイドを前記収納部に備えるものであることを特徴としている。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明に記載のダクト本体に取り付けられるフィルターであり、前記ダクト本体に流通する外気から塵埃を除去するメッシュ部と、前記メッシュ部の外周を囲む枠体と、からなり、前記枠体が彎曲部を有すると共に、前記ダクト本体に取り付ける際に前記ダクト本体のガイドに沿って変形するものであることを特徴としている。
【0009】
また、第3の発明は、第1の発明に記載のダクト本体と、第2の発明に記載のフィルターと、を有する給気ダクトであり、一端が建造物の外装壁から外部に開口し前記一端から他端に向けて内周の空間を外気が流通する筒形状のパイプケースと、前記パイプケースの他端側の開口が内部に連通する矩形状の本体ケースと、を有し、前記本体ケースの内部に前記ダクト本体を配置すると共に、前記ダクト本体の収納部に収納される熱交換ユニットより前記外気の流通する流路の上流側に前記フィルターを配置して前記収納部に取り付けるものであることを特徴としている。
【0010】
また、第4の発明は、第1の発明に記載のダクト本体に第2の発明に記載のフィルターを取り付ける取付方法または第3の発明に記載の給気ダクトのダクト本体にフィルターを取り付ける取付方法であって、前記フィルターを、前記ダクト本体を介して外気が流入される換気対象空間側から前記ダクト本体の内部に差し入れた後、前記ダクト本体のガイドに沿って前記ダクト本体に収納される熱交換ユニットより前記外気の流通する流路の上流側に導入し、前記熱交換ユニットより前記上流側に位置させて取り付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
上記のように、外気から塵埃等を除去するフィルターを換気対象空間側から取り付けて熱交換ユニットより上流側に配置可能としたことで、給気ダクトの換気対象空間内への突出を抑えて、熱交換効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態の一例の一部を破断した側面図である。
【図2】同上の一部を省略した(a)正面図と(b)背面図である。
【図3】ダクト本体の一部を破断した斜視図である。
【図4】フィルターの(a)斜視図と(b)側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0014】
本例の給気ダクト1は建造物の外装を形成する外装壁20と居室や浴室等の内装空間(屋内)を形成する内装壁21の間に配置されており、屋内を換気対象空間として常時換気する24時間換気用の換気システムの建造物の外(屋外)を流れる空気(外気)を屋内に供給する外気供給部である。
【0015】
この換気システムは、給気ダクト1の他に、例えば、屋内の空気を外部に排出する排気ダクト(特に図示しない)と、排気ダクトに配置されダクト内の空気を流動させる換気ファン(特に図示しない)と、を備えている。そして、換気ファンの駆動により屋内の空気が排気ダクトを介して屋外に排出されることで、外気が給気ダクト1を介して屋内に流れ込み、屋内の換気が行われるものである。
【0016】
また、給気ダクト1は、図1及び図2に示すように、給気温度調整用の熱交換ユニット15が収納される収納部3を備えるダクト本体2と、外気が流通する流路を形成するダクトケース5と、外気から塵埃等を除去するフィルター17と、給気ダクト1の内装壁21側を覆うカバー部10と、を有している。なお、以下の説明において、給気ダクト1の外気が流通する流路の下流側である内装壁21側を前方とし、上流側である外装壁20側を後方とする。
【0017】
ダクトケース5は、一端6aが外装壁20を貫通して外部に開口した円筒形状のパイプケース6と、パイプケース6の他端6b側の開口が内部に連通し前面を開口面とする箱形状の本体ケース8と、パイプケース6に勾配を与える楔形の勾配部材9と、からなる。
【0018】
パイプケース6は一端6aが外装壁20に設けられた円形状の開口部に挿入されており、一端6aは外装壁20に面一あるいは少し屋外に突出させて配置されており、その外周面と外装壁20の開口部の間に封止部材等(特に図示しない)を介在させて封止されている。そして、パイプケース6は一端6a側より他端6b側が高くなるよう勾配部材9により勾配が設けられており、パイプケース6内に雨水等が浸入しても一端6a側に向かって流れて外部に排出されるものとなっている。
【0019】
この勾配部材9は水平に載置される平らな下面と下面に対して傾斜した上面を有する側面視略三角形状の楔形のものであり、パイプケース6と建造物の支持台22の間に配置されるものである。そして、パイプケース6を一端6a側が最も低く且つ他端6b側に向かう程高くなるよう傾斜させるものである。
【0020】
つまり、勾配部材9の楔の先端の角度がパイプケース6の勾配(傾斜の角度)となるため、パイプケース6を容易に一定の角度で傾斜して配置でき、施工時の勾配のばらつきを防止することができる。そして、パイプケース6の勾配が一定であるため、パイプケース6を本体ケース8に取り付ける角度も一定となり、パイプケース6の他端6b側の開口と本体ケース8の内部を容易に連通させることができる。
【0021】
そのため、ダクト本体2等の給気ダクト1の荷重をパイプケース6及び勾配部材9で受けられ、給気ダクト1の荷重により石膏ボード等で形成された内装壁21がひび割れたり、破損したりすることを防止することができる。
【0022】
なお、勾配部材9は楔形に限らず、支持台22の載置面に載置できると共に載置時に上面が水平より傾いた傾斜面を形成して給気ダクト1の荷重をパイプケース6を介して支持台22に支持できるものであれば、側面視台形状のもの等であってもよい。ましてや、勾配部材9は、上面をパイプケース6の外周面に沿って円弧形状に凹ませたもの等であってもよく、このようなものではパイプケース6との接触面積を増えるため、パイプケース6の保持をより安定して行えて好ましい。
【0023】
また、本体ケース8は、略正方形状の後面8aを有し前面が開口した矩形状の箱であり、内装壁21に設けられた矩形状の開口部に上下面及び側面を当接して仮位置決めされると共に、パイプケース6の他端6bに後面8aが取り付けられるものである。そして、この後面8aにはパイプケース6と略同径で開口した略円形状の連通口8bを略中央に有しており、本体ケース8をパイプケース6の他端6bに取り付けると、パイプケース6の内周の空間と連通口8bが連通するものである。
【0024】
なお、本体ケース8とパイプケース6の取付構成は、例えば、一方に雄ねじを設け他方に雌ねじを設けて螺合させるものや、一方に溝等の凹所を設け他方に係止爪等の凸部を設けて嵌合させるものがある。もちろん、例示した構成に限らず、一方を他方に捻じ込み圧入するものや、接着や溶着等で固着するもの等であってもよく、ましてや成形時にパイプケース6と本体ケース8を一体で形成したものであってもよい。
【0025】
また、本体ケース8の内部には前面及び後面の略中央に夫々開口を有する正面視ロの字形状で中空のダクト本体2が配置されており、ダクト本体2は上下面及び両側面で本体ケース8に保持されている。
【0026】
このダクト本体2は、図1及び図3に示すように、連通口8bに連通する略円形状の上流側開口2aを後面に有すると共に、内部に流通する外気をダクト本体2の外に放出する略方形状の下流側開口2bを前面に有するものである。そのため、パイプケース6から連通口8bに流入された外気は上流側開口2aからダクト本体2内部である収納部3に流入された後、下流側開口2bを介してダクト本体2から放出されるものである。
【0027】
そして、ダクト本体2は外気から塵埃等を除去するフィルター17を内部に差し込む差込口2cを上面に有すると共に、側面の内側に上面から内部に差し込まれたフィルター17を熱交換ユニット15より後方側に位置させるガイド4を有しており、フィルター17が着脱自在で収納されている。
【0028】
更に、ダクト本体2の内部には給気ダクト1内に流通する外気を予熱あるいは吸熱する熱交換ユニット15が配置されており、ダクト本体2の内部は熱交換ユニット15及びフィルター17を収納する収納部3となっている。
【0029】
また、フィルター17を差し込む差込口2cは、熱交換ユニット15の前端より前方側(下流側)で、且つ給気ダクト1を建造物に取り付けた際に内装壁21の表面(前面)より前方側(屋内側)に位置してダクト本体2の上面に設けられている。そのため、フィルター17を屋内側から容易に差込口2cに差し入れて収納部3に取り付けることができると共に、取り付けたフィルター17を差込口2cを介して屋内側から容易に取り外すことができる。
【0030】
なお、差込口2cは内装壁21より前方側からフィルター17を差込可能であれば、熱交換ユニット15の前端と略同じ位置であってもよく、まして上面に限らず側面や下面や前面に設けてもよい。もちろん、差込口2cにパッキン等の弾性体からなる気密確保部材を設けることでダクト本体2内の外気が差込口2cを介して外に漏れることを防止できて好ましい。
【0031】
また、ガイド4は、例えば、差込口2cに差し込まれたフィルター17を熱交換ユニット15の後面とダクト本体2の後面の間に案内し保持するレールである。このレールは、差込口2cに一端が位置し熱交換ユニット15の上方を通る第1ガイド部4aと、熱交換ユニット15の後方を通り一端が連通口8bより下方に位置する第2ガイド部4cと、第1ガイド部4aの他端と第2ガイド部4cの他端を繋ぐ屈曲部4bと、からなっている。
【0032】
つまり、第1ガイド部4aは熱交換ユニット15より下流側から差し込まれたフィルター17を熱交換ユニット15より上流側に導くものであり、屈曲部4bは上流側に導かれたフィルター17の向きを変更して連通口8bと熱交換ユニット15の間に向けるものである。そして、第2ガイド部4cは向きを変更されたフィルター17を連通口8bと熱交換ユニット15の間に配置するものである。
【0033】
このように、収納部3にガイド4を設けたことで、差込口2cからダクト本体2内に差し入れたフィルター17を容易に熱交換ユニット15より上流側で且つ連通口8bと熱交換ユニット15の間に配置することができる。そのため、塵埃等を除去した外気を熱交換ユニット15に流入できると共に、熱交換ユニット15に塵埃等が付着することを抑制できて、塵埃等による外気の熱交換効率の低下を抑制することができる。更に、屋内側(換気対象空間側)からフィルター17の取付及び取外(着脱)を行えるため、塵埃等の付着したフィルター17を給気ダクト1から取り出して、付着した塵埃等を容易に清掃除去することができる。
【0034】
なお、図1及び図3中では第1ガイド部4aと第2ガイド部4cを略直線形状となっているが、曲線形状であってもよく、ましてやレールに限らず溝や間隔を空けて複数配置したリブ等であってもよい。もちろん、第2ガイド部4cの連通口8bより下方に位置する部位にフィルター17の端部をダクト本体2の後面に密接させるフィルター17保持部を配置して、フィルター17を連通口8bと熱交換ユニット15の間に保持してもよい。
【0035】
また、収納部3に取り付けられるフィルター17は、図4に示すように、略長方形状で且つ差込方向の途中が彎曲した側面視くの字形状のものとなっている。
【0036】
詳しくは、外気から塵埃等を除去する目の細かい網状の略長方形状のメッシュ部18と、メッシュ部18の四辺を囲みメッシュ部18を保持する枠体19と、からなるものである。そして、枠体19は差込方向に沿った辺(上下に端部を有する辺)の途中に彎曲部19aを有し、該辺がくの字に曲がっている。更に、枠体19は樹脂等の柔軟性(弾性)を有する部材で形成されており、収納部3に取り付ける際にメッシュ部18を保持したままガイド4に沿って変形可能なものとなっている。この枠体19の長辺の一端の符号19bは着脱時に把持する把持部である。
【0037】
つまり、フィルター17は差込口2cを介して第1ガイド4に沿ってダクト本体2に導入され、屈曲部4bで曲げられて進行方向を変更された後、第2ガイド4に沿って熱交換ユニット15の後方(上流側)に配置されることで、収納部3に取り付けられるものである。そして、取り付けたフィルター17は彎曲部19aがガイド4の屈曲部4bに位置するため、ダクト本体2に取り付けている間付与され続ける屈曲部4bによる枠体19への曲げ応力を緩和して、曲がり癖による着脱時のフィルター17の破損等の不具合の発生を抑制している。
【0038】
更に、フィルター17はガイド4に沿って変形可能な程度に剛性を抑えているため、取付及び取外の際にガイド4の屈曲部4bに引っ掛り難く、フィルター17のダクト本体2からの着脱を容易に行えるものとなっている。なお、メッシュ部18と枠体19は一体で形成されたものであってもよく、そして彎曲部19aの曲率半径は屈曲部4bの曲率半径より小さい値に設定することが好ましい。
【0039】
また、熱交換ユニット15は配管16を介して外部の熱源(特に図示しない)等からの温水あるいは冷水等の熱交換用の流体が供給されており、この流体を利用して収納部3内の外気に熱を与えるあるいは熱を除くものである。つまり、給気ダクト1内を流通する外気は熱交換ユニット15により屋内の空気の温度に近づけてから屋内へ供給されており、供給する外気と屋内の空気との温度差を低減している。
【0040】
そして、外部の熱源等から熱交換ユニット15に流体を供給する配管16はダクト本体2の下面より上方で且つ本体ケース8の後面8a及びダクト本体2の後面から収納部3内に臨んでおり、配管16とダクト本体2の下面の間に隙間を有している。そのため、暴風雨や結露等でダクト本体2内に水が浸入しても、その水が配管16を伝って本体ケース8の外側(内装壁21と外装壁20の間)等に流出することがなく、壁を構成する部材や熱交換ユニット15の熱源等を水から保護している。
【0041】
なお、ダクト本体2は本体ケース8と一体で形成されたものであってもよく、熱交換ユニット15はダクト本体2内でガイド4より下流側に配置されていれば、ダクト本体2と一体で形成されたものであってもよい。
【0042】
また、カバー部10は、図1及び図2に示すように、内装壁21の開口部を屋内側から覆い隠す内カバー11と、内カバー11の前方に位置しダクト本体2の前面を覆い隠す全面カバー12と、からなっている。
【0043】
内カバー11は内装壁21の開口部を屋内側から隠蔽するものであり、ダクト本体2の下流側開口2bに連通する矩形状の通気口を前面に有している。なお、符号11aはダクト本体2の差込口2cに連通する内カバー11側のフィルター差込口であり、このフィルター差込口11aも気密確保部材を配置して外気が屋内に漏れることを防止することが好ましい。
【0044】
そして、全面カバー12は内カバー11の前方に配置され内カバー11の通気口から流出する外気の向きを変えて屋内に放出させるものであり、外気の供給により屋内に生じる風を緩和するものである。なお、符号13は内カバー11の通気口を開閉するシャッターであり、強風時や暴風雨時等に通気口に当接して封止することで、風や雨水等の屋内への流入を抑制するものである。そして、符号14は全面カバー12に結露等を生じることを防止するスポンジ等の断熱吸湿部材である。
【0045】
また、図1及び図2に示すように、パイプケース6の一端6a側の外周面には互いに平行する複数の点線が描かれており、その線に沿ってパイプケース6を切断することで一端6aを外装壁20に平行な開口面にすることができる切り取りマーク7となっている。そして、各点線は勾配部材9により勾配を与えられた状態で外装壁20に平行するよう描かれており、パイプケース6の軸芯に直交する仮想平面より勾配部材9により生じる勾配の分だけ傾けられている。
【0046】
そのため、外装壁20と内装壁21の間にダクトケース5を配置した状態で切り取りマーク7に沿ってパイプケース6を切断することで、容易に、ダクトケース5の外装壁20からの突出量を調整できると共に、パイプケース6の一端6a側の開口を外壁面に沿った平行なものにすることができる。
【0047】
なお、パイプケース6は円筒形状に限らず矩形状の筒であってもよく、本体ケース8やダクト本体2も矩形状の箱に限らず後面を底部とした有底の円筒形状のものであってもよい。ましてや連通口8bや上流側開口2aも円形状に限らず矩形状のものであってもよく、下流側開口2bや通気口が円形状に開口したものであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 給気ダクト
2 ダクト本体
3 収納部
4 ガイド
6 パイプケース
6a 一端
6b 他端
8 本体ケース
15 熱交換ユニット
17 フィルター
18 メッシュ部
19 枠体
19a 彎曲部
20 外装壁
21 内装壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の外装壁と前記建造物の換気対象空間を形成する内装壁の間に配置されて外気を前記換気対象空間に供給する給気ダクトのダクト本体であって、前記外気が内部に流通すると共に、給気温度調節用の熱交換ユニットを収納する収納部を備え、前記外気から塵埃を除去するフィルターを前記換気対象空間側から取り付けて前記熱交換ユニットより前記外気の流通する流路の上流側に配置するガイドを前記収納部に備えるものであることを特徴とするダクト本体。
【請求項2】
請求項1に記載のダクト本体に取り付けられ、前記ダクト本体に流通する外気から塵埃を除去するメッシュ部と、前記メッシュ部の外周を囲む枠体と、からなり、前記枠体が彎曲部を有すると共に、前記ダクト本体に取り付ける際に前記ダクト本体のガイドに沿って変形するものであることを特徴とするフィルター。
【請求項3】
請求項1に記載のダクト本体と、請求項2に記載のフィルターと、を有すると共に、一端が建造物の外装壁から外部に開口し前記一端から他端に向けて内周の空間を外気が流通する筒形状のパイプケースと、前記パイプケースの他端側の開口が内部に連通する本体ケースと、を有し、前記本体ケースの内部に前記ダクト本体を配置すると共に、前記ダクト本体の収納部に収納される熱交換ユニットより前記外気の流通する流路の上流側に前記フィルターを配置して前記収納部に取り付けるものであることを特徴とする給気ダクト。
【請求項4】
請求項1に記載のダクト本体に請求項2に記載のフィルターを取り付ける取付方法または請求項3に記載の給気ダクトのダクト本体にフィルターを取り付ける取付方法であって、前記フィルターを、前記ダクト本体を介して外気が流入される換気対象空間側から前記ダクト本体の内部に差し入れた後、前記ダクト本体のガイドに沿って前記ダクト本体に収納される熱交換ユニットより前記外気の流通する流路の上流側に導入し、前記熱交換ユニットより前記上流側に位置させて取り付けることを特徴とする取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−179758(P2011−179758A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44636(P2010−44636)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】