説明

ダンス写真撮影方法及びそれを可能とするダンス練習場

【課題】ダンスを踊っている者をシャッターチャンスを逃さずに芸術性の高い写真を撮影する方法、及びそれを可能とするダンス練習場を提供する。
【解決手段】シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する第一の写真撮影手段が、ダンスを踊っている者を斜め上方から写真撮影可能に設置されているダンス練習場にて、前記シャッターを押してからダンスを踊り始め、前記第一の写真撮影手段の設定に基づきダンスを踊っている者を斜め上方から連写で写真撮影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンス写真撮影方法及びそれを可能とするダンス練習場に関する。
【背景技術】
【0002】
ダンスを踊る者は、ダンスの練習成果として自分がダンスを踊っている姿を写真に記録して残したいという願望がある。プロダンサーによるダンス披露会や、アマチュアであってもダンス競技会の決勝戦などでは、プロのカメラマンにより写真撮影が行われることもあるが、ダンス練習場では、知人にお願いしてダンスを踊っている姿を写真撮影してもらうのが通常である。ところが、写真撮影の出来映えは撮影者の技量による部分が大きく、またダンスを踊っている際の「決めポーズ」は一瞬であることからシャッターチャンスを逃してしまい、なかなか満足いく写真は得られない。
【0003】
特許文献1には、セルフタイマー機能及び連写機能を有するデジタルカメラが記載されている。このデジタルカメラであれば、シャッターチャンス逃すことなく写真撮影を行うことができる。また、特許文献2には、1回のシャッター操作により撮影された複数枚の撮影画像を画像表示手段に表示させ、その撮影画像の中から削除する画像を選択するデジタルカメラが記載されている。こうすることで、複数枚の撮影画像から気に入らない画像を消去することができるので、デジタルカメラのメモリーを有効に活用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−330327号公報
【特許文献2】特開2004−312770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2のデジタルカメラを用いて、ダンス練習場で水平方向からダンスを踊っている姿を写真撮影しても、満足いく写真が得られることはそれ程多くない。すなわち、一般的に、ダンスはペアになって移動や回転をしながら踊るものであるので、水平方向から写真撮影してもダンサーが重なってしまうことが多く、結果としてシャッターチャンスを逃しやすい。また、そもそも水平方向から撮った写真は、普段見ていいる姿であるので芸術性が低いという意見もある。
【0006】
そこで、本発明は、ダンスを踊っている者をシャッターチャンスを逃さずに芸術性の高い写真を撮影する方法、及びそれを可能とするダンス練習場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する第一の写真撮影手段を用い、前記シャッターを押してからダンスを踊り始め、前記第一の写真撮影手段の設定に基づきダンスを踊っている者を斜め上方から連写で写真撮影するダンス写真撮影方法である。
【0008】
本発明は、シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する第一の写真撮影手段が、ダンスを踊っている者を斜め上方から写真撮影可能に設置されているダンス練習場である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ダンスを踊っている者をシャッターチャンスを逃さずに芸術性の高い写真を撮影する方法、及びそれを可能とするダンス練習場を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する写真撮影手段を用いる。
【0011】
写真撮影手段としては、ダンスを踊っている者を写真撮影可能なカメラを用いることができる。写真撮影手段は、銀塩カメラでも構わないが、撮影された写真データの中から不要なものを削除して、満足いく写真のみを印刷できるようにすることを考慮すると、デジタルカメラが好ましい。
【0012】
ただし、写真撮影手段は、待機時間を設定可能なタイマー機能と、撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能を併せもつものから選択する。タイマー機能及び連写機能を有する写真撮影手段を用いることで、これから踊るダンスにおける「決めポーズ」のタイミングに併せて待機時間、撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を自ら設定でき、かつ自らシャッターを押してからダンスを踊り始めることができる。このような写真撮影手段としては、例えば、キヤノン製デジタル一眼レフカメラ(型番:EOS KISS X5)を用いることができる。
【0013】
本発明では、ダンスを踊る者が、写真撮影手段のシャッターを押してからダンスを踊り始める。そうすることで、その写真撮影手段の設定に基づきダンスを踊っている者を連写で写真撮影することができる。
【0014】
待機時間は、これから踊るダンスにおける「決めポーズ」のタイミング等に応じて適宜設定すればよいが、シャッターを押してから踊り始めるまでに必要な時間と、時間効率を考慮すると、1〜20秒に設定することが好ましく、2〜10秒に設定することがより好ましく、3〜5秒に設定することがさらに好ましい。
【0015】
撮影時間は、写真撮影することを意識しつつ集中してダンスを踊れる時間を考慮すると、5〜30秒に設定することが好ましく、10〜20秒に設定することがより好ましい。単位時間あたりのコマ数は、3〜10コマ/秒が好ましく、4〜5コマ/秒がより好ましい。
【0016】
本発明では、上記のような写真撮影手段の設定に基いて、ダンスを踊っている者を斜め上方から写真撮影する(ここで用いる写真撮影手段を「第一の写真撮影手段」を称することがある。)。斜め上方から写真撮影するためには、例えば、第一の写真撮影手段をダンス練習場の天井の角に設置すればよい。こうすることで、ペアになって移動や回転をしながらダンスを踊っている姿を写真撮影してもダンサーが重なってしまう事態を減らすことができ、満足いく写真が得られやすくなる。また、斜め上方から撮影された写真は普段見ることができない姿であり、芸術性が高い写真となりやすい。
【0017】
第一の写真撮影手段による写真撮影の方向に関しては、斜め上方からダンスを踊っている者を写真撮影できる範囲で適宜設定できるが、水平面との角度が40〜80°となる方向が好ましく、45〜70°がより好ましく、50〜60°がさらに好ましい。写真撮影の角度が大きいほど写真中でダンサーが重なりにくく、また芸術性の高い写真が得られるようになる一方、写真撮影の角度が小さいほどダンサーの表情や踊りを確認しやすいことを考慮し、目的に応じて撮影方向を適宜調整すればよい。
【0018】
一方、本発明では、さらにもう一台の写真撮影手段を用いて、ダンスを踊っている者を水平方向から写真撮影する(ここで用いる写真撮影手段を「第二の写真撮影手段」を称することがある。)ことが好ましい。水平方向から写真撮影するためには、例えば、第二の写真撮影手段をダンス練習場の壁に設置すればよい。こうすることで、写真の枚数が多くなって選択の幅が広がり、満足いく写真がより得られやすくなる。
【0019】
第二の写真撮影手段及びその設定に関する実施形態は、第一の写真撮影手段と同様である。第一の写真撮影手段と第二の写真撮影手段は、同じ機種でもよく、異なる機種でもよい。第一の写真撮影手段と第二の写真撮影手段のシャッターは別々に押せる状態でも構わないが、両シャッターを共通化するか、両シャッターを連動させることが好ましい。
【0020】
第二の写真撮影手段による写真撮影の方向に関しては、完全に水平方向(水平面との角度が0°)でもよいが、多少上方又は下方に向いていてもよい。第二の写真撮影手段による写真撮影の方向と水平面との角度は、10°を超えない角度が好ましく、5°を超えない角度がより好ましく、3°を超えない角度がさらに好ましい。
【0021】
本発明では、例えば、パソコンと液晶ディスプレイを用いて、得られた複数枚の写真データの中から不要なものを削除することが好ましい。液晶ディスプレイとしては、例えばシャープ製液晶ディスプレイ(型番:LL−221−B)を用いることができる。具体的には、写真撮影手段により撮影された写真データを有線又は無線でパソコンに送り、それを液晶ディスプレイに表示させ、不要な写真データを消去する。こうすることで、写真撮影手段やパソコンのメモリーを有効に活用できる。さらに、パソコンにプリンターを接続しておけば、満足いく写真のみを印刷することもでき、印刷コストの低減を図ることができる。
【0022】
ダンスを踊る者は、ダンスの練習成果として自分がダンスを踊っている姿を写真に記録して残したいという願望があるが、あまりダンスが上手でない者にとって、わざわざプロのカメラマンや知人に依頼するのは気兼ねしてしまう。本発明に係るダンス写真撮影方法及びそれを可能とするダンス練習場によれば、自らのタイミングでシャッターを押してから、思う存分ダンスを踊ることができ、気兼ねなくダンスを踊っている姿を写真撮影することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する第一の写真撮影手段を用い、前記シャッターを押してからダンスを踊り始め、前記第一の写真撮影手段の設定に基づきダンスを踊っている者を斜め上方から連写で写真撮影するダンス写真撮影方法。
【請求項2】
さらに、シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する第二の写真撮影手段を用い、前記シャッターを押してからダンスを踊り始め、前記第二の写真撮影手段の設定に基づきダンスを踊っている者を水平方向から連写で写真撮影する請求項1に記載のダンス写真撮影方法。
【請求項3】
得られた複数枚の写真データの中から不要なものを削除する請求項1又は2に記載のダンス写真撮影方法。
【請求項4】
シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する第一の写真撮影手段が、ダンスを踊っている者を斜め上方から写真撮影可能に設置されているダンス練習場。
【請求項5】
さらに、シャッターを押してから写真撮影を開始するまでの待機時間を設定可能なタイマー機能と、写真撮影を開始してから終了するまでの撮影時間及び単位時間あたりのコマ数を設定可能な連写機能とを有する第二の写真撮影手段が、前記ダンスを踊っている者を水平方向から写真撮影可能に設置されている請求項4に記載のダンス練習場。
【請求項6】
さらに、得られた複数枚の写真データの中から不要なものを削除する手段が設置されている請求項4又は5に記載のダンス練習場。

【公開番号】特開2013−38673(P2013−38673A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174604(P2011−174604)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(511195758)有限会社コンフォート (2)
【Fターム(参考)】