説明

ダンディロール機構

【課題】長網式抄紙機上にて用いられるダンディロールの表面に付着する塵芥等の除去を行う洗浄装置を提供する。
【解決手段】長網式抄紙機の長網部におけるダンディロール機構21について、水分を含んだ紙料である湿紙に接触し湿紙表面を均質化する模様網レース3と、湿紙へ指向し模様網レースを押圧する押圧シリンダ29と、模様網レースを張設するためのテンション調節ロール19と、模様網レースを回動させる駆動装置27と模様網レースを洗浄するための洗浄装置20とを少なくとも有しているダンディロール機構とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙製造を行う長網式抄紙機上にて用いられるダンディロールに関するものであって、特に湿紙表面の平滑性と地合の調整を行うとともにダンディロールの表面に付着する塵芥等の除去を行う洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に長網式抄紙機は、ヘッドボックスから水とともに紙料を金網の上に流して紙の層を作り、脱水させながら紙表面の平滑性を調整するとともに乾燥させ、巻き取る仕組みとなっている。
【0003】
この種の長網式抄紙機にあっては、抄紙機における金網上での脱水途中に、透水性の押さえ網をロール表面に張設したダンディロールを押圧させることによって、湿紙の表面の平滑性や地合の調整を行っている。また、ダンディロールの表面に凹凸形状を有する模様を配設させることで紙料の一部が凹凸形状に押し出されて、用紙の厚さや密度を変化させ、透かし模様を形成することができる。このため、ダンディロールは、湿紙表面の平滑性と地合の調整のみならず、透かし加工を施すためにも重要である。
【0004】
通常、稼働中のダンディロールの周辺は噴射された洗浄水や巻き上がったパルプスラリーのミストが常時霧状に立ち込めた状態にあることから、ダンディロールの表面の一部に付着したパルプスラリー等の塵芥が付着して、下流の抄紙との接触時において湿紙層に斑点状の厚み斑が生じる場合がある。この斑は用紙の地合や透かしの品質を著しく劣化させるばかりでなく、塵芥の付着が著しい場合は紙切れの要因となる。この対策として、例えば一日に一回とかの割合で抄紙工程の停止状態においてダンディロール及びその周辺の洗浄液供給ノズルといった部材をジェットクリーナー等により多大な労力と時間を費やして洗浄することを余儀なくされていた。
【0005】
これらの問題点を解消する方策として、ダンディロールの軸方向と平行に往復移動する移動部材に、該ダンディロールのロール面に外部上方から洗浄水を噴き付ける水噴射ノズルが取り付けられるとともに、ダンディロールのロール面を外れた側方に、移動部材の移動ストローク端において水噴射ノズルが収納されるクリーニングボックスが設けられ、このクリーニングボックス内に収納された水噴射ノズルの洗浄機構を備えたダンディロールの洗浄技術がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平07−015799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した先行技術である特許文献1の技術を用いた場合、移動部材に取り付けられた水噴射ノズルがダンディロールの軸方向に沿って移動するとともにロール面に洗浄水を噴き付けるため、ロール面全体の外部洗浄を行える上、該水噴射ノズル自身はクリーニングボックス内で自動洗浄されて汚れが落ちる。従って、この移動中の水噴射ノズルの表面がミストの付着により濡れても、該水噴射ノズルが所定の往復回数毎にクリーニングボックス内に入るように設定することにより、塵芥等の汚れが発生して下流の抄紙へ混入するといった用紙品質の低下等の不具合が未然に防止される。このことで、従来のような抄紙工程の停止状態でのジェットクリーナー等による洗浄自体の面倒な洗浄操作は不要となる。
【0008】
しかしながら、近年の抄紙技術においては、抄紙速度が高速化されるとともに、模造防止手段の一つとして、特殊な繊維を用いて抄紙することが主流となっている。長期連続的に抄紙を続けると、時にダンディロールの網目に細かな紙料が付着して、目詰まりする事象が発生する場合がある。やがて湿紙の上面の水は、網目を通って抜けることができなくなり、この網目の箇所の湿紙は、脱水異常が発生してダンディロール面に僅かばかりの紙料が付着して持ち上がるようになり紙に跡をつけてしまうことになる。これらの現象は、高速抄紙において発生頻度の高い現象である。
【0009】
そこで、ダンディロールの網目における目詰まりを未然に防止するためには、未だ頻繁に蒸気を吹きつけたり、清水をスプレーさせたりして洗浄しなければならなかった。また、効果的な洗浄ができない場合、用紙の品質状態によっては、用紙そのものが損紙となることから、係るコストが上昇していた。特にこのような不具合は不定期に発生することから、オペレータは頻繁に用紙の品質確認を実施しなければならず、作業性が悪かった。
【0010】
昨今の抄紙技術においては、上述した理由により必ずしも先行技術だけでは満足できない現状がある。現在まで、効果的に湿紙表面の平滑性と地合の調整を行うとともにダンディロール表面に残留する塵芥等の異物を除去する手段を有した長網式抄紙機の存在を承知していない。現時点において、上述した問題点への対策が施されておらず、少なからず開発の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を解決するため、本発明のダンディロール機構は、長網式抄紙機の長網部におけるダンディロール機構について、水分を含んだ紙料である湿紙に接触し湿紙表面を均質化する模様網レースと、湿紙へ指向し模様網レースを押圧する押圧シリンダと、模様網レースを張設するためのテンション調節ロールと、模様網レースを回動させる駆動装置と、模様網レースを洗浄するための洗浄装置とを少なくとも有していることを特徴としている。
【0012】
また、本発明のダンディロール機構は、押圧シリンダが模様網レースの移動方向に対し逆回転していることを特徴としている。
【0013】
また、本発明のダンディロール機構は、押圧シリンダが模様網レースの移動速度に比して、0.1%乃至2.0%速く回転していることを特徴としている。
【0014】
また、本発明のダンディロール機構は、模様網レースが開口率80%乃至95%であるとともに、模様網レース形状が一定の内角度を有した方形であることを特徴としている。
【0015】
また、本発明のダンディロール機構は、模様網レースの材質が金属、樹脂又はゴムから選択される材料により構成されることを特徴としている。
【0016】
また、本発明のダンディロール機構は、模様網レースへ熱エネルギーを伝播させるための熱供給制御装置を付設していることを特徴としている。
【0017】
また、本発明のダンディロール機構は、少なくとも昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材を有していることを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明のダンディロール機構は、噴射洗浄部材が模様網レースに指向し200kg乃至500kg/時間の昇華性微粒子が投射できることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明のダンディロール機構は、抄紙機稼動中において満足する湿紙表面の平滑性や地合を充足するとともにダンディロール表面に残留する塵芥等の異物が確実に除去できる。このことで、従前まで懸念されていたダンディロールへの異物の付着によって生じる抄紙障害が大幅に抑制できることから、長期連続抄紙を実施した場合でも用紙における製品品質の保全が実現できるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明のダンディロール機構は、従前まで長期連続抄紙した際に発生が顕著であったダンディロールの表面に付着した異物によって生じていた損紙の発生が大幅に抑制されることや、ダンディロールの頻繁なる清掃作業や調整作業が大幅に省略できることから、抄紙にかかるコストの低廉化が図れるという効果を奏する。
【0021】
さらに、本発明のダンディロール機構を用いることで、上述した課題における全ての問題点が解消されることから、従前までオペレータにより実施していたダンディロールの表面洗浄にかかる各種調整作業が少なくて済み、オペレータの作業負荷の低減及び抄紙機の稼働率の向上が図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明におけるダンディロール機構を付設した長網部の概略図である。
【図2】本発明におけるダンディロール機構の詳細を示す概略図である。
【図3】本発明における別形態のダンディロール機構の詳細を示す概略図である。
【図4】本発明における模様網レースの態様の一例を示す概略図である。
【図5】本発明における模様網レースの洗浄装置の一例を示す概略図である。
【図6】一般的なダンディロールの洗浄装置の一例を示す概略図である。
【図7】一般的な長網式抄紙機における長網部の概略図である。
【図8】一般的な長網式抄紙機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1乃至図8に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1は本発明におけるダンディロール機構を付設した長網部の概略図である。また、図2は本発明におけるダンディロール機構の詳細を示す概略図であり、図3は本発明における別形態のダンディロール機構の詳細を示す概略図である。また、図4は本発明における模様網レースの態様の一例を示す概略図であり、図5は模様網レースの洗浄装置の一例を示す概略図である。さらに、図6は一般的なダンディロールの洗浄装置の一例を示す概略図であり、図8は一般的な長網式抄紙機の概略図、図7は一般的な長網式抄紙機における長網部の概略図である。
【0024】
まず、一般的な長網式抄紙機について詳細に説明する。図8に示す一般的な長網式抄紙機を用いて抄紙を行う場合、まず、図示しないリフラから供給された紙料は、ヘッドボックス(6)に存するスクリーン(5)にて異物の除去が行われた後、移動する長網部(7)に存する長網の上で湿紙が形成される。次に、この湿った紙は圧搾部(8)で脱水され、乾燥部(9)にて乾かされた後、薬液塗布部(10)において紙の品質を向上させるため薬液の塗布が行われる。その後、再び乾燥部(9)において乾燥を行い、冷却部(30)での冷却後、光沢部(11)に存する光沢機にて紙への艶出しがなされる。そして、最下流に存する巻取機(12)に抄紙された用紙が巻き取られることで一連の用紙の製造が行われる。
【0025】
一般に長網式抄紙機における長網部は、図7に示すように、スクリーン(5)で漉された紙料(22)がヘッドボックス(6)に滞留しており、そこから紙料(22)はワイヤ(2)の上部を流れ、その後、ダンディロール(1)の下、サクションボックス(4)の上を流れ、図示しないサクションクーチロールにて反転して、紙料(22)が下流に送られる。
【0026】
また、ダンディロール(1)の表面に付着した紙料滓等の塵芥の洗浄は、図6に示すように、ダンディロール(1)の内部に洗浄水パイプ(18)やスチームパイプ(17)を配管し、ダンディロール(1)の稼動中に、高圧洗浄水及び水蒸気による内部洗浄を行うと共に、この内部洗浄のみでは噴き出し圧の制約のために洗浄力が不足することから、外側にも多数の水噴射ノズル(13)を設け、これら水噴射ノズル(13)よりロール面に外部洗浄装置(16)からの洗浄水を噴き付けて洗浄する方法が採用されている。なお、水噴射ノズル(13)の先端部の近傍には投射した洗浄水の飛散による不具合を抑制するため、クリーニングボックス(15)が付設されている。また、洗浄後の洗浄水を受け止めて、排水口(28)により排水するセーブオール(14)が付設されている。
【0027】
一方、図1及び図2に示すように本発明のダンディロール機構(21)は、紙料である湿紙(22)に接触して湿紙表面の平滑性と地合の均質化調整を行う模様網レース(3)と、模様網レース(3)の内面からを湿紙(22)へ指向し押圧する押圧シリンダ(29)と、押圧シリンダ(29)とともに模様網レース(3)を張設するために複数配設したテンション調節ロール(19)と、模様網レース(3)を自在に回動させる駆動装置(27)と、模様網レース(3)を洗浄するための洗浄装置(20)から成る態様である。
【0028】
また、図3に示すように本発明のダンディロール機構(21)は、湿紙表面における地合の均質化調整等を効率的に実施するために、押圧シリンダ(29)の押圧調整を適宜実施することは当然できるが、その他、新たに配設した回転制御装置(23)によって、押圧シリンダ(29)の回転方向を湿紙(22)の流れ方向と逆回転とする場合もある。この場合、押圧シリンダ(29)による湿紙(22)との接触力を大きく設計することが可能である。また、押圧シリンダ(29)の回転方向は正回転とし、その回転速度を0.1%乃至2.0%早く回転させる場合もある。この場合、押圧シリンダ(29)は湿紙(22)との接触時において僅かにスリップすることになり、所望する接触力を自在に調整することが可能である。さらに、新たに配設した熱供給制御装置(24)によって、模様網レース(3)自体を加熱することも可能であり、模様網レース(3)の膨張及び伸縮を利用して所望する接触力を自在に調整することが可能である。ここでは、模様網レース(3)の材質を熱伝導性に優れる金属、伝導性樹脂あるいは伝導性ゴムに設計している。
【0029】
また、本発明のダンディロール機構(21)は、図4に示すように模様網レース(3)における形状を一定の内角度を有した方形とし、その開口率を80%乃至95%に設計した態様とする場合もある。ここで、模様網レースの内角度を鈍角(α)とした模様網レース(3)を図4(a)に、模様網レースの内角度を鋭角(β)とした模様網レース(3’)を図4(b)に夫々記載している。模様網レース(3、3’)における開口率や内角度については、用いる紙料に応じてその態様を任意に選択することになる。
【0030】
さらに、本発明のダンディロール機構(21)は、模様網レース(3)を適宜洗浄することができる洗浄装置(20)を付設させた態様とする場合がある。この洗浄装置(20)には、例えば、図5に示すように移動する模様網レース(3)に指向し、昇華性微粒子(例えば、ドライアイス)を1時間あたり200kg乃至500kg投射できる噴射洗浄部材(25)を配設するとともに、模様網レース(3)から拭き取った塵芥等の異物を適宜取り除くことができる吸引部材(26)が配設されている。
【実施例】
【0031】
次に、本発明における実施の例示について図面を参酌しながら詳細に説明する。図1及び図2に示すように模様網レース(3)と押圧シリンダ(29)とが分離し、その一部分が接触して紙料(22)と接する態様である本発明のダンディロール機構(21)を用いて、長網式抄紙機を稼働させ、連続2,000m/時間の抄紙を実施した。なお、押圧シリンダ(29)は紙料(22)の搬送速度と等速度で正回転するように設定するとともに、押圧シリンダ(29)による押圧は、紙料(22)の設計厚さを阻害しない程度として、0.4MPaに設定した。また、模様網レース(3)は駆動装置(27)により押圧シリンダ(29)の回転速度と同期する速度に設定した。さらに、模様網レース(3)は洗浄装置(20)を通過するごとにドライアイス洗浄されるように設定した。
【0032】
上述した条件において連続48時間の抄紙を行った結果、用紙は品質の良い状態を保全しており、従前まで発生が顕著であった塵芥等の異物の付着による損紙の発生が全くなかった。また、洗浄装置(20)を通過した後の模様網レース(3)の表面状態をCCDカメラ(図示せず)にて観察したところ、塵芥等の異物の付着は全くなかった。
【0033】
また、図3に示すように押圧シリンダ(29)へ回転制御装置(23)及び熱供給制御装置(24)を夫々配設した態様としたダンディロール機構(21)を用いて長網式抄紙機を稼働させ、同様に2,000m/時間の抄紙速度において連続48時間の抄紙を実施した。回転制御装置(23)によって押圧シリンダ(29)の回転速度を、模様網レース(3)の移動速度に比して1.5%、2.0%、2.5%夫々早く回転させた水準について確認したところ、夫々の水準において紙料(22)の脱水効果が得られるとともに、模様網レース(3)への顕著な紙料滓等の異物の付着は見られなかった。このことから、模様網レース(3)の回転速度に比して押圧シリンダ(29)の回転速度を速く設計することで、紙料に存する紙料滓等の異物の連れ上がりを抑制する効果があることを確認した。なお、押圧シリンダ(29)の回転速度を、模様網レース(3)の移動速度に比して2.5%速く回転させた水準においては、紙料(22)における用紙切れが若干懸念されていたことから、極端に押圧シリンダ(29)の回転速度を増加させることは得策でないことを確認した。
【0034】
また、模様網レース(3)の移動方向に対し、押圧シリンダ(29)を逆回転させて同様の連続抄紙を実施した結果についても一様の効果があることを確認した。また、模様網レース(3)の材質を金属として、熱供給制御装置(24)から熱エネルギーを伝播させ、模様網レース(3)の膨張又は伸縮をコントロールして同様の連続抄紙を実施した結果についても一様の効果があることを確認した。さらに、抄紙する用紙によっては、模様網レース(3)の内角度を自在に変化させる場合もあり、本実施例においては、図4(a)に示すように鈍角である75°(α)と設定して実施したところ一様の効果があることを確認した。これらの例示については前述した例示と略同様であるので、その説明については省略する。
【0035】
さらに、模様網レース(3)の洗浄を効果的に実施するために本実施例においては、洗浄装置(20)として、図示しない昇華性微粒子供給装置から昇華性微粒子であるドライアイスを模様網レース(3)に投射させ洗浄する方法を用いた。昇華性微粒子を用いた洗浄方法では、従前技術のように洗浄水を大量に用いる必要がないことから、吸引部材(26)に掛かる負荷が小さくなるばかりでなく、従来、模様網レース(3)の洗浄に用いていた洗浄水による不具合の発生が無いことから効果的であることを確認した。なお、本実施例においては、ドライアイスの投射量を1時間あたり300kgに設定して実施したが、ドライアイスの投射量を1時間あたり200kg以下とすることは、模様網レース(3)の洗浄が不十分となること、ドライアイスの投射量を1時間あたり500kg以上に過剰に投射すると昇華性微粒子の残留物が不具合を生じることになるので得策でないことを確認した。
【0036】
上述した実施例はあくまで例示の一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載されている範囲において、あらゆる実施の形態が存在することは言うまでもない。例えば、本実施例では昇華性材料としてドライアイスについて説明してきたが、ヨウ素、ナフタレン等を用いる場合なども容易に推量でき、当然権利範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 従来のダンディロール
2 ワイヤ
3 模様網レース
4 サクションボックス
5 スクリーン
6 ヘッドボックス
7 長網部
8 圧搾部
9 乾燥部
10 薬液塗布部
11 光沢部
12 巻取機
13 水噴射ノズル
14 セーブオール
15 クリーニングボックス
16 外部洗浄装置
17 スチームパイプ
18 洗浄水パイプ
19 テンション調節ロール
20 洗浄装置
21 本発明のダンディロール機構
22 紙料(湿紙)
23 回転制御装置
24 熱供給制御装置
25 噴射洗浄部材
26 吸引部材
27 駆動装置
28 排水口
29 押圧シリンダ
30 冷却部
α、β 模様網レースの内角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長網式抄紙機の長網部におけるダンディロール機構について、水分を含んだ紙料である湿紙に接触し湿紙表面を均質化する模様網レースと、前記湿紙へ指向し前記模様網レースを押圧する押圧シリンダと、前記模様網レースを張設するためのテンション調節ロールと、前記模様網レースを回動させる駆動装置と、前記模様網レースを洗浄するための洗浄装置とを少なくとも有していることを特徴とするダンディロール機構。
【請求項2】
前記押圧シリンダは、前記模様網レースの移動方向に対し逆回転していることを特徴とする請求項1記載のダンディロール機構。
【請求項3】
前記押圧シリンダは、前記模様網レースの移動速度に比して、0.1%乃至2.0%速く回転していることを特徴とする請求項1記載のダンディロール機構。
【請求項4】
前記模様網レースは、開口率80%乃至95%であるとともに、模様網レース形状が一定の内角度を有した方形であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のダンディロール機構。
【請求項5】
前記模様網レースは、模様網レースの材質が金属、樹脂又はゴムから選択される材料により構成されることを特徴とする請求項1又は請求項4記載のダンディロール機構。
【請求項6】
前記模様網レースは、模様網レースへ熱エネルギーを伝播させるための熱供給制御装置を付設していることを特徴とする請求項1、請求項4又は請求項5のいずれかに記載のダンディロール機構。
【請求項7】
前記洗浄装置は、少なくとも昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材を有していることを特徴とする請求項1記載のダンディロール機構。
【請求項8】
前記噴射洗浄部材は、前記模様網レースに指向し200kg乃至500kg/時間の昇華性微粒子が投射できることを特徴とする請求項7記載のダンディロール機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−87425(P2012−87425A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233201(P2010−233201)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】