説明

チアゾロピリミジンの製造方法

式I:
【化1】


の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物の、式IV:
【化2】


[式中、Lは脱離基を表す]の化合物からの製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チアゾロピリミジン化合物の製造方法、該方法に用いられる中間体化合物、そうして製造されたチアゾロピリミジン化合物、および治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
我々の公開PCT特許明細書 WO 01/25242 において、我々は、一般式(I):
【化1】

の薬学的に活性な化合物、およびその薬学的に許容される塩ならびにそれらの溶媒和物、およびそれらの製造方法を記載している。このような方法は、式:
【化2】

[式中、Lは、脱離基、例えば塩素である]の化合物を、アミン:HNRで処理することを含む。
【0003】
我々は、式Iの化合物の有益な製造方法を発明した。この新規の方法は、チアゾール窒素原子の保護を含み、WO 01/25242 に記載された先行技術の方法と比較して最終生成物の改善された収率を与える。上記の式の化合物の一例として、塩素脱離基のNRによる置換を行い、次に、2−アミノ基をカルボニル基に変換した場合、全収率は約40%であった。対照的に、脱離基Lが塩素である下記の式IVの化合物から出発して同じ生成物を得た場合、全収率は約70%であった。
【発明の開示】
【0004】
従って、本発明の第1の態様において、我々は、式(I):
【化3】

[式中、
は、C−C炭素環、C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルを表し、それぞれの基は、所望によりハロゲン原子、−OR、−NR、−CONR、−COOR、−NRCOR、−SR10、−SO10、−SONR、−NRSO、またはアリールもしくはヘテロアリール(両者は、所望によりハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−OR、−NR、−CONR、−COOR、−NRCOR、−SR10、−SO10、−SONR、−NRSO、C−Cアルキル、またはトリフルオロメチルから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、またはC−C炭素環、C−Cアルキル、C−CアルケニルもしくはC−Cアルキニルを表し、後者の4個の基は、所望により、
(a) ハロゲン原子、−OR、−NR、−CONR、−COOR、−NRCOR、−SR10、−SO10、−SONR、−NRSO
(b) 3員環から8員環(所望によりO、S、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体、所望によりC−C−アルキルまたはハロゲンによって置換されている);または
(c) アリールもしくはヘテロアリール(それぞれは、所望によりハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−OR、−NR、−CONR、−NRCOR、−SONR、−NRSO、C−Cアルキル、およびトリフルオロメチルから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている);
から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
は、水素、C−Cアルキル、またはフェニルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン原子、フェニル、−OR11、および−NR1213から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
およびRは、独立して、水素原子、またはC−Cアルキルもしくはフェニルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン原子、フェニル、−OR14、および−NR1516、−CONR1516、−NR15COR16、−SONR1516、NR15SO16から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されているか、
または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により酸素および窒素原子から選択されるさらなるヘテロ原子を含む、4員から7員の飽和複素環式環系を形成し、該環系は、所望によりフェニル、−OR14、−COOR14、−NR1516、−CONR1516、−NR15COR16、−SONR1516、NR15SO16、またはC−Cアルキル(それ自体、所望によりハロゲン原子および−NR1516および−OR17から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
10は、水素原子、またはC−C−アルキルもしくはフェニルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン原子、フェニル、−OR17および−NR1516から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;そして
それぞれのR、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、独立して、水素原子、またはC−Cアルキルもしくはフェニルを表す]の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法であって、
【0005】
式IV:
【化4】

[式中、Lは脱離基である]の化合物を、適切な反応条件下で、チアゾール窒素保護基試薬と接触させ、式III:
【化5】

[式中、PGは保護基である]の化合物を形成し、
式IIIの化合物を、式:HNRのアミンと反応させ、式II:
【化6】

の化合物を形成し、式IIの化合物を脱保護し、式Iの化合物を得て、そして同時にもしくは連続してその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に変換すること;
を含む方法を提供する。
【0006】
慣用の脱離基は、当業者に明らかであり、例えば“Advanced Organic Chemistry”, 4th edition, J. March, Wiley-Interscience (1992)に開示されている。このような基は、ハロゲン原子、例えば塩素もしくは臭素を含む。塩素は、本発明の使用に望ましい脱離基である。
【0007】
さらなる保護は、式:HNRのアミン(例えば、ここでRおよび/またはRはヒドロキシもしくはアミノを含む)について提供され得る。非制限的な例として、我々は、実施例3(d)に、特定のジオールが導入され、化合物(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)アミンを介して保護されることを記載している。
【0008】
慣用の保護基は、当業者に明らかである。保護で得られた生成物が安定なほど、後段の保護基の除去が困難となる傾向があることは明らかである。さらに、保護後に得られた生成物には、標準的な方法によって単離するのに十分なほど安定でないものもある。官能基の保護および脱保護は、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 2nd edition, T. W. Greene & P. G. M. Wuts, Wiley-Interscience (1991) に十分に記載されている。
【0009】
適切な加水分解条件下での除去を含む、式Iの化合物を提供するための示された変換のための適切な保護基の例[角括弧で示された適切な保護基を伴う]は、メトキシメチル [クロロメチル メチル エーテル]、特にエトキシメチル [クロロメチル エチル エーテル または ジエトキシメタン]、ベンジルオキシメチル [ベンジル クロロメチル エーテル]、ピバロイルオキシメチル [クロロメチル ピバレート]、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル [塩化 2−(トリメチルシリル)エトキシメチル]、1−(エトキシ)エチル [エチル ビニル エーテル]、および2−テトラヒドロピラニル [3,4−ジヒドロ−(2H)−ピラン]である。上記に挙げた個々の保護基およびその使用は、それぞれ、本発明の特定の独立の態様を表す。非水性条件下での2−(フェニルスルホニル)エチル保護基 [フェニル ビニル スルホン]の塩基による除去はこれらの変換を達成する適切な方法である。
【0010】
該方法はまた、適切な保護基の除去のための接触還元法にも適する。このような保護基は、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、およびベンジルオキシメチルを含む。保護基としてのアリルは、金属を用いる条件下で除去されることが可能であり、4−メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、およびジ(4−メトキシフェニル)メチルを酸化条件下で除去されることが可能である。アシル、ベンゾイル、ピロリジニルメチル、および尿素型保護基は、適切な加水分解条件下で除去されることが可能な他の例である。代表的なクロロホルメート試薬は、カルバメート保護基を得ることはなく、例えばベンジルクロロホルメート試薬はベンジル保護基を得ることが分かっている。
【0011】
本明細書の内容において、異なる指定をしない限り、アルキル基もしくはアルケニル基、または置換基におけるアルキル部分もしくはアルケニル部分は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。アリール基は、フェニルおよびナフチルを含む。ヘテロアリール基は、N、SおよびOから選択される1個以上のヘテロ原子を含む、5員もしくは6員の芳香環を含む。例は、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フランを含む。
【0012】
ある種の式(I)の化合物は、立体異性体の形態で存在し得る。本発明の方法は、全ての幾何異性体および光学異性体、ならびにラセミ体を含むそれらの混合物で用いられ得る。当業者は、適切な中間体化合物を選択して、−NRおよびR(適切ならば)に適切な立体異性体を導入し得る。
【0013】
特定の式(I)の化合物は、Rが所望により置換されているベンジルを表すものである。より特定的には、Rはベンジルまたはベンジル(1個以上のC−Cアルキル、C−Cアルコキシもしくはハロゲン原子によって置換されている)を表す。
【0014】
およびRが、所望によりO、SもしくはNRから選択される1個以上の原子を含む、1個以上の3員環〜8員環によって置換されている基を表すとき、このような基の例は、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジンおよびモルホリンを含む。
【0015】
便宜的には、RもしくはRの一方が水素であり、他方がヒドロキシおよび1個以上のメチルもしくはエチルによって置換されているC−Cアルキルである。より便宜的には、RもしくはRの一方が水素であり、他方がCH(CH)CHOH、CH(Et)CHOH、C(CH)CHOH、またはCH(CHOH)である。RもしくはRの一方が水素であり、他方がCH(CH)CHOHもしくはCH(Et)CHOHであるとき、得られた式(I)の化合物は、特に(R)異性体の形態である。
【0016】
本発明の方法に使用するための式Iの特定の化合物は、Rが(2,3−ジフルオロフェニル)メチルを表し、かつRおよびRが一体となって所望により−OR(ここでRは水素またはC1−6アルキルを表す)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されているC1−8アルキルを表すものを含む。
【0017】
式Iのさらなる特定の化合物は、式Ia:
【化7】

[式中、それぞれのRは、水素、C1−4アルキル(所望によりヒドロキシによって置換されている)、アミノ、−O−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、−N−C1−4アルキル、−NHSOR、または−CONRから独立して選択され、ただし両方のRが水素またはアミノではない]の化合物を含む。
【0018】
本発明のより特定の化合物は、それぞれのRが、水素およびヒドロキシメチルから独立して選択され、ただし両方のRが水素ではない化合物である。
【0019】
本発明はまた、上記の化合物の新規の塩、すなわち一方のRが水素であり、他方がヒドロキシメチルである化合物のカリウム塩(実施例2参照)、および両方のRがヒドロキシメチルである化合物のナトリウム塩およびカリウム塩(実施例3および4)の両方を提供する。
【0020】
式IIの化合物は新規であり、そして本発明のさらなる態様を表す。
式IIの化合物の脱保護を介した式Iの化合物の製造は新規であり、本発明のさらなる態様を表す。
式IIIの化合物は新規であり、本発明のさらなる態様を表す。
【0021】
式IIIの化合物と式:HNRのアミンとの反応を介した式IIの化合物の製造は新規であり、本発明のさらなる態様を表す。
式IVの化合物は新規であり(7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンを除く)、本発明のさらなる態様を表す。それらは、便宜的には、式V:
【化8】

の化合物を、脱離基Lを提供する試薬と反応させることによって製造される。
【0022】
このような反応は、本発明のさらなる独立の態様を表す。
式Vの化合物は新規であり、本発明のさらなる態様を表す。それらは、便宜的には、式VI:
【化9】

の化合物を、ハロゲン化ハロカルボニルスルフェニルと反応させることによって製造される。便宜的には、ハロゲン原子は塩素および臭素から独立して選択され、塩素が望ましいハロゲン原子であり、そして塩化クロロカルボニルスルフェニルが望ましい試薬である。
【0023】
このような反応は、本発明のさらなる独立の態様を表す。
式VIの化合物は新規であり、本発明のさらなる独立の態様を表し、それらは、便宜的には式VII:
【化10】

の化合物を、式:L−R(ここでLは脱離基であり、Rは上記で定義した通りである)の化合物と反応させることによって製造される。
【0024】
このような反応は、式VIIの化合物とL−R(ここでLは臭素であり、そしてRは(2,3−ジフルオロフェニル)メチルである)の化合物との反応において既知であり、これは我々の WO 03/24966 において開示されている。
【0025】
式VIIの化合物は、便宜的には、一水和物(実施例1(a)参照)として提供され、例えば Aldrich、Acros、またはLancasterより市販されている。
【0026】
本発明のさらなる態様において、我々は、式Vの化合物から、式IV、III、IIの化合物を介して、上記で示した方法を用いた式Iの化合物の製造を提供する。
本発明のさらなる態様において、我々は、式VIの化合物から、式V、IV、III、IIの化合物を介して、上記で示した方法を用いた式Iの化合物の製造を提供する。
【0027】
本発明のさらなる態様において、我々は、式VIIの化合物から、式VI、V、IV、III、IIの化合物を介して、上記で示した方法を用いた式Iの化合物の製造を提供する。
本発明を下記の実施例によって説明するが、これは本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0028】
実施例1
5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン
(a) 6−アミノ−2−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−4−ピリミジノール
【化11】

水(920ml)およびテトラヒドロフラン(300ml)の混合物中の、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン 一水和物(67.7g)の懸濁液に、撹拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液(46〜48%w/w;24ml)を、次に水(40ml)を加えた。得られた濁った薄い黄色の溶液を、20℃まで冷却した後、2,3−ジフルオロ臭化ベンジル(83.0g)を、25分にわたって均一に加え、白色の沈殿物を得た。混合物を環境温度で3.5時間撹拌し、生成物を集め、水(68ml)およびテトラヒドロフラン(24ml)の混合物で2回洗浄し、表題化合物を白色固体として得た(101.89g)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 11.45 (1H, br.s), 7.44 (1H, t), 7.34 (1H, m), 7.15 (1H, m), 6.58 (2H, br.s), 5.01 (1H, s), 4.39 (2H, s).
【0029】
(b) 7−アミノ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ][1,3]オキサチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−オン
【化12】

テトラヒドロフラン(96ml)中の、6−アミノ−2−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−4−ピリミジノール(9.58g)の懸濁液に、撹拌しながら、塩化 クロロカルボニルスルフェニル(4.89g)を、7分にわたって加え、次にテトラヒドロフラン(2ml)を加えた。反応混合物を40分間撹拌し、得られた沈殿物を濾過によって集め、テトラヒドロフラン(19ml)で2回洗浄し、表題化合物を薄い黄色の固体として得た(11.31g)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 7.89 (1H, br.s), 7.45 (1H, t), 7.34 (1H, m), 7.16 (1H, m), 5.82 (1H, br.s), 4.39 (2H, s).
【0030】
(c) 7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン
【化13】

アセトニトリル(25ml)中の7−アミノ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ][1,3]オキサチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−オン(5.03g)および塩化ベンジルトリメチルアンモニウム(2.58g)の懸濁液に、撹拌しながら、50℃で、始めにN,N−ジエチルアニリン(2.46g)を、次にアセトニトリル(5ml)を加え、次にオキシ塩化リン(7.41g)を、次にアセトニトリル(5ml)を加えた。反応混合物を還流温度まで加熱し、この温度で36時間保った後、環境温度まで冷却し、水(25ml)に、50℃で30分にわたって撹拌しながら添加した。反応容器をさらにアセトニトリル(5ml)ですすいで洗い出した混合物に加えた後、75℃に加熱し、25℃まで、<0.5℃/分でゆっくりと冷却した。得られた混合物を25℃で30分間保ち、次に濾過によって集め、水(25ml)で4回洗浄し、表題化合物を灰白色の固体として得た(3.5g)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 7.45 (1H, t), 7.38 (1H, m), 7.22 (1H, m), 4.50 (2H, s), 3.43 (1H, br.s).
【0031】
(d) 5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン
【化14】

【0032】
(i) トルエン(40ml)中の、7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン(5g)、およびp−トルエンスルホン酸(29.4mg)の懸濁液に、撹拌しながら、60℃で、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1.83g)を1時間にわたって加えた。反応混合物を60℃で2時間保ち、次に0.5℃/分で、環境温度まで冷却した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20ml)を始めに反応混合物に加えた後、1時間撹拌した。静置した相を分離し、有機溶液をさらに飽和塩水(20ml)で処理した。塩水相を除去し、トルエン(2ml)を残った有機相に加え、7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンの透明な橙色の溶液を得た(44.5ml)。
【0033】
(ii) 透明な橙色の溶液の一部(10ml)に、テトラヒドロフラン(5ml)、炭酸ナトリウム(0.70g)、および(D)−アラニノール(0.49g)を加えた。反応混合物を、撹拌しながら、60℃で1.5時間加熱し、次に、さらに65℃で24時間加熱した。水(10ml)を60℃で反応混合物に加え、撹拌を1時間続けた。静置した水相を除去し、シクロヘキサン(15ml)を、撹拌しながら、反応混合物を1時間にわたって60℃で生成物が結晶化するまで加えた。得られた混合物を60℃でさらに2時間撹拌し、0.25℃/分で環境温度まで冷却し、次に0〜5℃まで冷却した。結晶化した生成物を単離し、トルエン(3ml)で2回洗浄し、表題化合物を灰白色の固体として得た(1.15g)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 7.50 (1H, br.s), 7.41 (1H, t), 7.33 (1H, m), 7.15 (1H, m), 5.54 (1H, d), 4.76 (1H, br.s), 4.44 (2H, s), 4.22 (1H, br.m), 4.00 (1H, d), 3.56 (1H, m), 3.43 (1H, m), 3.34 (1H, m), 2.71 (1H, m), 1.90 (1H, br.d), 1.62 (2H, br.d), 1.48 (2H, br.m), 1.10 (3H, d).
【0034】
(e) 5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン
【化15】

アセトニトリル(200ml)、水(36ml)およびテトラヒドロフラン(30ml)中の、5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン(10.0g)の溶液に、撹拌しながら、65℃で、1M 塩酸(23.25ml)を、3時間にわたって加えた。添加の際に生成物が結晶化した。混合物を25℃まで冷却し、生成物を濾過によって集め、始めに水(30ml)で、次にアセトニトリル(30ml)で洗浄し、表題化合物を灰白色の固体として得た(7.79g)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 12.41 (1H, br.s), 7.35 (3H, m), 7.15 (1H, m), 4.73 (1H, m), 4.40 (2H, m), 4.21 (1H, br.m), 3.44 (1H, m), 3.37 (1H, m), 1.09 (3H, d).
【0035】
実施例2
5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, カリウム塩
(a) 5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン
【化16】

ブチロニトリル(150ml)中の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン(31.62g)[上記の実施例1(c)で製造]の懸濁液に、撹拌しながら、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(16ml, 1.0eq)を加え、溶液を形成した。ブチロニトリルのライン洗浄を行った(10ml)。フェニルビニルスルホン(20g, 1.3eq)を、別のフラスコ中でブチロニトリル(80ml)に溶解し、この溶液を容器に加え、次にブチロニトリル(70ml)でライン洗浄した。橙色の溶液の内部温度を100℃まで加熱した。18時間後、HPLCにより、出発物質がほぼ完全に消費されたことが示された(3.36%の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンが残っている)。この時点で、さらなるジイソプロピルエチルアミン(16ml, 1.0eq)を混合物に50℃で加え、次に、ブチロニトリルの少量のライン洗浄(5ml)を行った。D−アラニノール(9.25ml, 1.3eq)を加え、次に、ブチロニトリルの少量のライン洗浄(5ml)を行った。6.5時間後、HPLCにより、反応中間体の変換がほぼ完了したことが示された(2.52%の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンが残っていた)。反応物を100から50℃まで6.5時間にわたって冷却し、50℃で窒素下64時間保った。均一なサンプルを得るために、反応物を100℃まで再度加熱した(HPLCによると1.19%の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンが存在)。反応物を100から50℃まで1時間にわたって冷却し、水(200ml)を加えた。沈殿を観察した。混合物を50℃から20℃まで2時間にわたって冷却した。沈殿物を20℃で1時間熟成させ、濾過によって集めた。該‘ケーキ’を、1:1の水/ブチロニトリル(70ml)で2回、次にブチロニトリル(35ml)で洗浄した。次に固体をフィルター上で30分間乾燥し、集め、真空オーブン中で50℃で終夜乾燥した。薄黄色の固体、5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンを、収率88%で得た(44.33g, HPLC領域=98.75%)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 1.09 (d, 3H), 1.25 (m, 1H), 3.37 (dquin, 2H), 3.80 (t, 2H), 4.13 (t, 2H), 4.20 (m, 1H), 4.39 (s, 2H), 4.75 (t, 1H), 7.15 (m, 1H), 7.33 (m, 2H), 7.46 (d, 1H), 7.55 (t, 2H), 7.66 (t, 1H), 7.82 (d, 2H).
【0036】
(b) 中間体:7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンの単離
水を混合物に50℃で加える(の時点)以外、上記の(a)で記載された方法に従って達成され得る。次に混合物を室温まで冷却し、沈殿を生成させる。それを濾過によって単離する。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 3.86 (t, 2H), 4.21(t, 2H), 4.49 (s, 2H), 7.20 (m, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.55 (t, 2H), 7.65 (t, 1H), 7.83 (d, 2H).
【0037】
(c) 5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, カリウム塩の製造
【化17】

プロパン−2−オール(25.5ml)中の、5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン(2.0g, 1.0eq)[上記の実施例2(a)で製造]の懸濁液に、撹拌しながら、室温で、窒素下、カリウム t−ブトキシド(0.449, 1.05eq)を加えた。得られた懸濁液の内部の温度を75〜78℃(還流)まで加熱した。この温度で1.5時間後、水(4.5ml)を加え、反応物を溶液とした。反応物を75〜78℃まで再度加熱した後、HPLC分析でサンプリングした。このサンプルは、出発物質がほぼ完全に消費されたことを示した(0.36%の5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンが残っている)。反応物を冷却し、50℃で、5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン, カリウム塩(2mg)の種晶を加え、次に室温まで冷却した。沈殿を室温で1時間熟成させた後、濾過した。該ケーキをプロパン−2−オール(3×4ml)で洗浄した。白色の固体を集め、真空オーブン中、50℃で終夜乾燥した。この方法で、63%(0.96g)の白色の固体が得られた。それは高純度であった(HPLC領域により99.65%)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 1.06 (d, 3H), 3.26-3.43 (m, 2H), 4.09 (quin, 1H), 4.34 (m, 2H), 4.65 (bs, 1H), 5.59 (d, 1H), 7.12 (q, 1H), 7.28 (q, 1H), 7.37 (t, 1H).
あるいは、実施例1(e)の化合物を、水酸化カリウムと反応させ、表題化合物を得てもよい。
【0038】
実施例3
5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, ナトリウム塩
(a) 5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]−7−[(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン
【化18】

ブチロニトリル(15ml)中の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン[実施例1の段階(a)から(c)に示された通りに製造](1.0g, 1.0eq)の懸濁液に、撹拌しながら、室温で、窒素下、ジイソプロピルエチルアミン(0.5ml, 1.0eq)を加え、溶液を形成した。フェニルビニルスルホン(0.63g, 1.3eq)を、容器に加えた。橙色の溶液の内部温度を100℃に加熱した。18時間後、HPLCにより出発物質がほぼ完全に消費されたことが示された(0.93%の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンを残っている)。この時点で、さらにジイソプロピルエチルアミン(0.5ml, 1.0eq)を、混合物に50℃で加え、次に(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)アミン(0.63g, 1.5eq)を加えた。(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)アミンは、J. Nat. Prod, 1999, 62, 963-968 に開示されている。100℃で終夜撹拌した後、HPLCにより反応中間体の消費が不完全であることが示された(32.56%の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オンが残っていた)。さらに、(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)アミン(0.21g, 0.5eq)を加えた。反応をさらに4日間100℃で行い、HPLCにより、<10%の中間体が示された(7.80%の7−クロロ−5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−(3H)−オン、および13.42%の5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン(アセトニドは反応液中で開裂していた))。反応物を100から50℃まで冷却した。50℃で水(10ml)を加えた。沈殿は観察されなかった。層を分離し、有機層を水(10ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、橙色の油状物を得た。シリカのクロマトグラフィーによって精製を行い、20〜30% 酢酸エチル/i−ヘキサンでシリカから溶出し、白色の固体を得た。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 1.27 (s, 3H), 1.33 (s,3H), 1.36 (s, 3H), 3.67 (d, 2H), 3.82 (t, 2H), 4.14 (m, 4H), 4.38 (s, 2H), 7.20 (m, 2H), 7.34 (t, 2H), 7.54 (t, 2H), 7.66 (t, 1H), 7.81 (d, 2H).
【0039】
(b) 5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン
【化19】

5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]−7−[(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン(0.19g)を、窒素下で、THF(2ml)および1M HCl(2ml)と共に撹拌した。室温で1時間撹拌後、HPLCにより、脱保護が完了したことが示された(0.48%の出発物質が残っている)。混合物に、酢酸i−プロピル(5ml)および水(2ml)を加えた。下層の水層を除き、酢酸i−プロピル(2×7.5ml)で2回洗浄した。合わせた有機物を水(2×10ml)で2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、白色の固体を収率88%で得た(0.156g)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 1.25 (s, 3H), 3.60 (m, 4H), 3.80 (t, 2H), 4.15 (t, 2H), 4.38 (s, 2H), 4.68 (t, 2H), 6.51 (s, 1H), 7.17 (m, 1H), 7.34 (t, 2H), 7.57 (t, 2H), 7.67 (t, 1H), 7.84 (d, 2H).
【0040】
(c) 5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, ナトリウム塩
【化20】

5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]−3−[2−(フェニルスルホニル)エチル]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン(0.15g, 1.0eq)に、ナトリウム t−ブトキシド(0.028g, 1.1eq)を加えた。2つの固体を窒素でパージした。プロパン−2−オール(2ml)を加え、室温で懸濁液を得た。反応物を加熱し、黄色の溶液を得た。1時間還流後、サンプルをHPLC分析にかけ、反応の完了が示された(1.39%の出発物質が残っているのみ)。反応物を室温まで冷却し、沈殿が観察された。生成物を濾過し、プロパン−2−オール(〜1ml)で洗浄した。集めた白色の固体を真空オーブン中で40℃で乾燥し、収率81%で得た(0.091g)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 1.22 (s, 3H), 3.40 (m, 2H), 3.56 (m, 2H), 4.35 (s, 2H), 4.80 (s, 1H), 5.05 (t, 2H), 7.17 (m, 1H), 7.36 (t, 2H).
【0041】
実施例4
5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, カリウム塩
メタノール(20ml)中の、5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン(0.881g, 2.13mmol)に、KOMe(0.165g, 2.34mmol, 1.1eq)を加え、混合物を還流した。さらなるメタノール(10ml)を加え、溶液を得た。溶液を冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、得られた固体を真空で乾燥した。これより表題化合物を得た(0.828g, 86%)。
1H NMR: δ (DMSO-d6) 1.25 (3H, s), 3.52 (2H, m), 3.62 (2H, m), 4.37 (2H, s), 4.8-5.2 (2H, broad s), 5.06 (1H, s), 7.15 (1H, m), 7.38 (2H, m)
あるいは、実施例3(c)の化合物をカリウム t−ブトキシドと反応させ、表題化合物を得てもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
は、C−C炭素環、C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルを表し、それぞれの基は、所望によりハロゲン原子、−OR、−NR、−CONR、−COOR、−NRCOR、−SR10、−SO10、−SONR、−NRSO、またはアリールもしくはヘテロアリール(両者は、所望によりハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−OR、−NR、−CONR、−COOR、−NRCOR、−SR10、−SO10、−SONR、−NRSO、C−Cアルキル、またはトリフルオロメチルから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、またはC−C炭素環、C−Cアルキル、C−CアルケニルもしくはC−Cアルキニルを表し、後者の4個の基は、所望により、
(a) ハロゲン原子、−OR、−NR、−CONR、−COOR、−NRCOR、−SR10、−SO10、−SONR、−NRSO
(b) 3員環から8員環(所望によりO、S、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体、所望によりC−C−アルキルまたはハロゲンによって置換されている);または
(c) アリールもしくはヘテロアリール(それぞれは、所望によりハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−OR、−NR、−CONR、−NRCOR、−SONR、−NRSO、C−Cアルキル、およびトリフルオロメチルから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている);
から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
は、水素、C−Cアルキル、またはフェニルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン原子、フェニル、−OR11、および−NR1213から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
およびRは、独立して、水素原子、またはC−Cアルキルもしくはフェニルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン原子、フェニル、−OR14、および−NR1516、−CONR1516、−NR15COR16、−SONR1516、NR15SO16から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されているか、
または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により酸素および窒素原子から選択されるさらなるヘテロ原子を含む、4員から7員の飽和複素環式環系を形成し、該環系は、所望によりフェニル、−OR14、−COOR14、−NR1516、−CONR1516、−NR15COR16、−SONR1516、NR15SO16、またはC−Cアルキル(それ自体、所望によりハロゲン原子および−NR1516および−OR17から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;
10は、水素原子、またはC−C−アルキルもしくはフェニルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン原子、フェニル、−OR17および−NR1516から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されており;そして
それぞれのR、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、独立して、水素原子、またはC−Cアルキルもしくはフェニルを表す]の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法であって、
式IV:
【化2】

[式中、Lは脱離基である]の化合物を、適切な反応条件下で、チアゾール窒素保護基試薬と接触させ、式III:
【化3】

[式中、PGは保護基である]の化合物を形成し、
式IIIの化合物を、式:HNRのアミンと反応させ、式II:
【化4】

の化合物を形成し、式IIの化合物を脱保護し、式Iの化合物を得て、そして同時にもしくは連続してその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に変換すること;
を含む方法。
【請求項2】
が所望により置換されたベンジル基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
もしくはRの一方が水素であり、他方がヒドロキシおよび1個以上のメチルもしくはエチルによって置換されているC−Cアルキルである、請求項1もしくは請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式Ia:
【化5】

[式中、それぞれのRが、水素、C1−4アルキル(所望によりヒドロキシによって置換されている)、アミノ、−O−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、−N−C1−4アルキル、−NHSOR、または−CONRから独立して選択され、ただしRの両方が水素またはアミノではない]の化合物を製造するための、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
それぞれのRは、水素およびヒドロキシメチルから独立して選択され、ただしRの両方が水素ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
式II:
【化6】

[式中、PG、R、R、およびRは、請求項1に記載した意味を有する]の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項7】
式III:
【化7】

[式中、PG、L、およびRは、請求項1で記載した意味を有する]の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】
式IV:
【化8】

[式中、Lは塩素以外の脱離基であり、そしてRは請求項1に記載した意味を有する]の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項9】
式V:
【化9】

[式中、Rは、請求項1に記載した意味を有する]の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項10】
5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, カリウム塩;
5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, ナトリウム塩;および
5−[[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]チオ]−7−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−1−メチルエチル]アミノ]チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン, カリウム塩;
から選択される化合物。

【公表番号】特表2007−513131(P2007−513131A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542009(P2006−542009)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/GB2004/005072
【国際公開番号】WO2005/056563
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】