説明

チアゾール置換アクリロニトリル化合物の製造方法

【課題】チアゾール置換アクリロニトリル系化合物の製造方法の提供。
【解決手段】式(1)


(式中、Qは置換されていてもよいチアゾリル基を表す。)で表されるチアゾール置換アセトニトリル化合物を炭化水素溶媒と極性溶媒の混合溶媒中、相間移動触媒の存在下、水酸化アルカリ金属と反応させ、副生する水を減圧下共沸留去しながら生成させた式(2)で表されるアルカリ金属塩と、式(3)(式中、Aは置換されていてもよいチアゾリル基を表す。)で表されるチアゾールカルボン酸クロリドとを反応させ、式(4)で表されるチアゾール置換アクリロニトリル系化合物を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農医薬中間体として有用なチアゾール置換アクリロニトリル系化合物の製造方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
ヘテロ環およびベンゼン環置換アクリロニトリル化合物やヘテロ環2置換アクリロニトリル化合物の合成については、フェニルアセトニトリル類やヘテロ環置換アセトニトリル類を塩基として有機塩基、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド存在下、置換安息香酸クロリドやヘテロ環カルボン酸クロリドと反応させて得る方法が知られている(特許文献1〜8)。具体的には特許文献5にマグネシウムジエトキシドを使用した例もみられるが工業用の塩基としては高価である。いずれの方法も使用する塩基が高価であること、抽出操作等が煩雑であることなど必ずしも工業的に適した方法であるとはいえない。また、これらの文献には塩基としてアルカリ金属水酸化物が使用できるとの記載はあるものの具体的な使用例は見当たらない。また、チアゾール置換アセトニトリルとチアゾールカルボン酸クロリドとの反応についての記載もない。
このようチアゾール置換アセトニトリルとアルカリ金属水酸化物を用いてチアゾール置換アセトニトリルアルカリ金属塩を生成させた後に、チアゾールカルボン酸クロリドを反応させチアゾール2置換アクリロニトリル化合物を製造する方法は知られていない。
【特許文献1】特開2003−321434号公報
【特許文献2】国際特許出願公開第03/064401号パンフレット
【特許文献3】国際特許出願公開第02/088099号パンフレット
【特許文献4】特開2001−261665号公報
【特許文献5】国際特許出願公開第01/68589号パンフレット
【特許文献6】国際特許出願公開第01/32609号パンフレット
【特許文献7】国際特許出願公開第99/44993号パンフレット
【特許文献8】国際特許出願公開第97/40009号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の通り、農医薬中間体として有用なチアゾール置換プロピオニトリル系化合物については簡便かつ効率的でより工業的に有利な製造方法が見出されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らはこのような状況に鑑み、鋭意検討した結果、チアゾール置換アセトニトリル化合物とチアゾールカルボン酸クロリドとを、炭化水素溶媒と極性溶媒の混合計系かつ相間移動触媒を添加した系で、水酸化ナトリウム或いは水酸化カリウムと減圧下共沸脱水しながら反応させることを特徴とする工業的に有利な方法を見出し、発明に至った。
すなわち本発明は、
〔1〕式(1):
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、QはGで置換されていてもよいチアゾリル基(Gは、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C2〜C4シアノアルキル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたC1〜C4アルキル、C2〜C5アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C3アルキルで置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C2〜C6アルケニルオキシ、C2〜C6アルキニルオキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C2〜C6ハロアルケニルオキシ、C2〜C6ハロアルキニルオキシ、C1〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C6アルケニルスルフェニル、C2〜C6アルケニルスルフィニル、C2〜C6アルケニルスルホニル、C2〜C6アルキニルスルフェニル、C2〜C6アルキニルスルフィニル、C2〜C6アルキニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルフェニル、C1〜C4ハロアルキルスルフィニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C2〜C6ハロアルケニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルケニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルケニルスルホニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルキニルスルホニル、CHO、NO2、CN、OH、ナフチル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたメトキシ、C2〜C7アルコキシカルボニル、C2〜C4アルコキシアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4ハロアルキルカルボニル、C2〜C5アルキルカルボニルオキシ、C2〜C5ハロアルキルカルボニルオキシ、C3〜C7ジアルキルアミノカルボニルオキシ、Zで置換されていてもよいフェニル、Zで置換されていてもよいフェノキシ、Zで置換されていてもよいベンゾイル、Zで置換されていてもよいピリジル、Zで置換されていてもよいピリジルオキシ、Zで置換されていてもよいチエニル、隣接した置換位置で結合したメチレンジオキシ、隣接した置換位置で結合した結合したハロメチレンジオキシ及び−N=CTT(但し、T及びTは各々独立に、H、フェニル、ベンジルまたはC1〜C6アルキルであるか、TとTとが結合している炭素原子と共に5員環、6員環、7員環または8員環を形成してもよい。)の中から任意に選ばれる置換基(但し、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であって、その置換基の数は1、2、3、または4個であるか、または隣接した置換位置で結合したアルキレン基によって形成される5員環、6員環、7員環または8員環であり、
Zはハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C5アルケニルスルフェニル、C2〜C5アルケニルスルフィニル、C2〜C5アルケニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、NO2、CN、CHO、OH、−N U1 U2、フェニル、フェノキシ又はC2〜C5アルコキシカルボニルの中から任意に選ばれる置換基(ただし、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であってその置換基の数は1、2、3、4または5個であり、
U1及びU2は、各々独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C5アルキルカルボニル、フェニルまたはベンジルを表すか、U1とU2とが結合している窒素原子と共に5員環、6員環、7員環、8員環を形成してもよい。]
で表されるチアゾール置換アセトニトリル化合物、炭化水素溶媒と極性溶媒の混合溶媒中相間移動触媒の存在下、水酸化アルカリ金属と反応させ、副生する水を減圧下共沸留去して分液槽で分離しながら生成させた式(2):
【0007】
【化2】

【0008】
(式中Mはナトリウム、カリウムを表す)で表されるチアゾール置換アセトニトリル金属塩を式(3):
【0009】
【化3】



【0010】
[式中、AはGで置換されていてもよいチアゾリル基(Gは、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C2〜C4シアノアルキル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたC1〜C4アルキル、C2〜C5アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C3アルキルで置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C2〜C6アルケニルオキシ、C2〜C6アルキニルオキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C2〜C6ハロアルケニルオキシ、C2〜C6ハロアルキニルオキシ、C1〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C6アルケニルスルフェニル、C2〜C6アルケニルスルフィニル、C2〜C6アルケニルスルホニル、C2〜C6アルキニルスルフェニル、C2〜C6アルキニルスルフィニル、C2〜C6アルキニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルフェニル、C1〜C4ハロアルキルスルフィニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C2〜C6ハロアルケニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルケニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルケニルスルホニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルキニルスルホニル、CHO、NO2、CN、OH、ナフチル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたメトキシ、C2〜C7アルコキシカルボニル、C2〜C4アルコキシアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4ハロアルキルカルボニル、C2〜C5アルキルカルボニルオキシ、C2〜C5ハロアルキルカルボニルオキシ、C3〜C7ジアルキルアミノカルボニルオキシ、Zで置換されていてもよいフェニル、Zで置換されていてもよいフェノキシ、Zで置換されていてもよいベンゾイル、Zで置換されていてもよいピリジル、Zで置換されていてもよいピリジルオキシ、Zで置換されていてもよいチエニル、隣接した置換位置で結合したメチレンジオキシ、隣接した置換位置で結合した結合したハロメチレンジオキシ及び−N=CTT(但し、T及びTは各々独立に、H、フェニル、ベンジルまたはC1〜C6アルキルであるか、TとTとが結合している炭素原子と共に5員環、6員環、7員環または8員環を形成してもよい。)の中から任意に選ばれる置換基(但し、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であって、その置換基の数は1、2、3、または4個であるか、または隣接した置換位置で結合したアルキレン基によって形成される5員環、6員環、7員環または8員環であり、
Zはハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C5アルケニルスルフェニル、C2〜C5アルケニルスルフィニル、C2〜C5アルケニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、NO2、CN、CHO、OH、−N U1 U2、フェニル、フェノキシ又はC2〜C5アルコキシカルボニルの中から任意に選ばれる置換基(ただし、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であってその置換基の数は1、2、3、4または5個であり、
U1及びU2は、各々独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C5アルキルカルボニル、フェニルまたはベンジルを表すか、U1とU2とが結合している窒素原子と共に5員環、6員環、7員環、8員環を形成してもよい。]
で表されるチアゾールカルボン酸クロリドと反応させることを特徴とする式(4):
【0011】
【化4】

【0012】
(式中QおよびAはそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す)で表されるチアゾール置換アクリロニトリル系化合物の製造方法。
〔2〕Qが2−フェニルチアゾール−4−イルであり、Aが2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イルである〔1〕記載の化合物(4)の製造方法。
〔3〕水酸化アルカリ金属が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであり、相間移動触媒がベンジルトリメチルアンモニウムハライドであり、炭化水素溶媒がトルエンであり、極性溶媒がジエチレングリコールジメチルエーテルである〔1〕または〔2〕記載の化合物(4)の製造方法。
である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法により、農医薬の製造中間体として重要なチアゾール置換アセトニトリル化合物を容易に、しかも工業的に適した様式で製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明におけるQ、A、G、U1、U2、XまたはZの好ましい範囲を示す。
QおよびAにおけるチアゾリルはチアゾール−2−イル、チアゾール−4−イルまたはチアゾール−5−イルを表す。その中で、Qとしてはチアゾール−4−イルが特に好ましく、Aとしてはチアゾール−5−イルが特に好ましい。
Gの定義におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子があげられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
G、U1,U2またはZの定義におけるアルキルとしては、直鎖または分岐状のアルキルとしてメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、ペンチル−1、ペンチル−2、ペンチル−3、2−メチルブチル−1、2−メチルブチル−2、2−メチルブチル−3、3−メチルブチル−1、2,2−ジメチルプロピル−1、ヘキシル−1、ヘキシル−2、ヘキシル−3、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−イコシル等があげられ、各々のしての炭素数の範囲内で選択される。
Gの定義におけるアルケニルとしては、直鎖または分岐状のアルケニルとしてエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル等があげられ、各々の指定の炭素数の範囲から選択される。
【0015】
Gの定義におけるアルキニルとしては、 直鎖または分岐状のアルキニルとしてエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチルー3−ブチニル、ヘキシニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニルなどがあげられ、各々の指定の炭素数の範囲から選択される。
【0016】
G、またはZの定義におけるハロアルキルとしては、直鎖または分岐状のハロアルキルとしてフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロエチル、クロロエチル、ブロモエチル、フルオロ−n−プロピル、クロロ−n−プロピル、ジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、トリクロロエチル、クロロジフルオロエチル、ブロモジフルオロメチル、トリフルオロクロロエチル、ヘキサフルオロ−n−プロピル、クロロブチル、フルオロブチル、クロロ−n−ペンチル、フルオロ−n−ペンチル、クロロ−n−ヘキシル、フルオロ−n−ヘキシル」などがあげられ、各々の指定の炭素数の範囲から選択される。
【0017】
Gの定義におけるC1〜C3アルキルで置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキルとしては、シクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、2,2,3,3,−テトラメチルシクロプロピル、シクロブチル、1−エチルシクロブチル、1−n−ブチルシクロブチル、シクロペンチル、1−メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、などが挙げられる。
【0018】
Gの定義におけるハロゲン原子もしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたC1〜C4アルキルとしては、ベンジル、2−クロロベンジル、3−ブロモベンジル、4−クロロベンジル、4−メチルベンジル、4−ターシャリーブチルベンジル、1−フェニルエチル、1−(3−クロロフェニル)エチル、2−フェニルエチル、1−メチル−1−フェニルエチル、1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル、1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、1−メチル−1フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルプロピル、1−メチル−3−フェニルプロピル、2−メチル−2−フェニルプロピル、2−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロピル、2−メチル−2−(3−メチルフェニル)プロピルなどが挙げられる。
【0019】
GまたはZの定義におけるアルコキシとしては、直鎖または分岐上のアルコキシとしてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ターシャリーブトキシ、n−ペンチルオキシ、1−メチルブチルオキシ、2−メチルブチルオキシ、3−メチルブチルオキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロピルオキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、4−メチルペンチルオキシ、1,1−ジメチルブチルオキシ、1,2−ジメチルブチルオキシ、1,3−ジメチルブチルオキシ、2,2−ジメチルブチルオキシ、2,3−ジメチルブチルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、1−エチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、1,1,2−トリメチルプロピルオキシ、1,2,2、−トリメチルプロピルオキシ、1−エチル−1−メチルプロピルオキシ、1−エチル−2−メチルプロピルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシなどがあげられ、各々の指定の炭素数の範囲から選択される。
【0020】
Gの定義におけるC3〜C6ハロシクロアルキルとしては、フルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、クロロシクロプロピル、ジクロロシクロプロピル、1−メチル−2,2−ジクロロシクロプロピル、クロロシクロブチル、ジクロロシクロブチル、クロロシクロペンチル、ジクロロシクロペンチル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、テトラフルオロシクロブチルなどが挙げられる。
【0021】
GまたはZの定義における−NU1 U2としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、ターシャリーブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、1−メチルブチルアミノ、2−メチルブチルアミノ、3−メチルブチルアミノ、1,1−ジメチルプロピルアミノ、1,2−ジメチルプロピルアミノ、2,2−ジメチルプロピルアミノ、1−エチルプロピルアミノ、n−ヘキシルアミノ、1−メチルペンチルアミノ、2−メチルペンチルアミノ、3−メチルペンチルアミノ、4−メチルペンチルアミノ、1,1−ジメチルブチルアミノ、1,2−ジメチルブチルアミノ、1,3−ジメチルブチルアミノ、2,2−ジメチルブチルアミノ、2,3−ジメチルブチルアミノ、3,3−ジメチルブチルアミノ、1−エチルブチルアミノ、2−エチルブチルアミノ、1,1,2−トリメチルプロピルアミノ、1,2,2−トリメチルプロピルアミノ、1−エチル−1−メチルプロピルアミノ、1−エチル−2−メチルプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ−n−ペンチルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、メチルブチルアミノ、メチル−sec−ブチルアミノ、メチルイソブチルアミノ、メチル−ターシャリーブチルアミノ、メチルペンチルアミノ、メチルヘキシルアミノ、エチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ、エチルブチルアミノ、エチル−sec−ブチルアミノ、エチルイソブチルアミノ、エチルペンチルアミノ、エチルヘキシルアミノ、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−フェニルアセトアミド、N−アセチルアセトアミドなどがあげられ、各々の指定の炭素数の範囲で選択される。
【0022】
G及びZの定義におけるC2〜C5アルコキシカルボニルとしては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、ターシャリーブトキシカルボニルなどが挙げられる。
【0023】
G及びZの定義におけるC1〜C4ハロアルコキシとしては、各々C1〜C4直鎖または分岐状のハロアルコキシがあげられ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、ブロモジフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ブロモメトキシ、フルオロエトキシ、クロロエトキシ、ブロモエトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、トリクロロエトキシ、トリフルオロクロロエトキシ、フルオロプロポキシ、クロロプロポキシ、ブロモプロポキシ、フルオロブトキシ、クロロブトキシ、フルオロイソプロポキシ、及びクロロイソプロポキシなどが挙げられる。
【0024】
G及びZの定義におけるC1〜C4アルキルスルフィニルとしては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、ターシャリーブチルスルフィニルが挙げられる。
【0025】
GまたはZの定義におけるC1〜C4アルキルスルホニルとしては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、ターシャリーブチルスルホニルが挙げられる。
【0026】
Gの定義におけるC2〜C4アルコキシアルキルとしては、C1〜C3アルコキシ−メチル、C1〜C2アルコキシ−エチル、メトキシエトキシメチルおよびメトキシプロピルなどが挙げられる。
G、U1またはU2の定義におけるC2〜C4アルキルカルボニルとしては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、イソブタノイル、が挙げられる。
【0027】
Gの定義におけるC2〜C6ハロアルキルカルボニルとしては、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、3,3,3−トリフルオロプロピオニル、ペンタフルオロプロピオニルなどが挙げられる。
Gの定義におけるC2〜C5ハロアルキルカルボニルオキシとしては、クロロアセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピオニルオキシ、ペンタフルオロプロピオニルオキシなどが挙げられる。
Gの定義におけるC3〜C7ジアルキルアミノカルボニルオキシをしては、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシ、ジイソプロピルアミノカルボニルオキシなどが挙げられる。
Zの定義におけるナフチルとしては、1−ナフチルおよび2−ナフチルが挙げられる。
【0028】
Gの定義におけるZで置換されていてもよいピリジルとしては、Zで置換されていてもよい2−ピリジル、Zで置換されていてもよい3−ピリジルまたはZで置換されていてもよい4−ピリジルがあげられ、好ましくはZで置換されていてもよい2−ピリジルまたはZで置換されていてもよい3−ピリジルであり、より好ましくはZで置換されていてもよい2−ピリジルである。
【0029】
Gの定義におけるZで置換されていてもよいピリジルオキシとしては、Zで置換されていてもよい2−ピリジルオキシ、Zで置換されていてもよい3−ピリジルオキシ、Zで置換されていてもよい4−ピリジルオキシが挙げられる。
【0030】
Gの定義におけるZで置換されていてもよいチエニルとしては、Zで置換されていてもよい2−チエニル基およびZで置換されていてもよい3−チエニル基が挙げられる。
【0031】
Gの定義における−N=CTはアルキリデンアミノ、ベンジリデンアミノ、アリーリデンアミノまたはシクロアルキルデンアミノを意味し、メチリデンアミノ、4−メチル−2−ペンチリデンアミノ、シクロペンチリデンアミノなどが挙げられる。
【0032】
Gの定義におけるC2〜C5シアノアルキルとしては、シアノメチル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル、1−シアノ−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0033】
Gの定義におけるハロゲン原子もしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたメトキシとしては、ベンジルオキシ、2−クロロベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシ、4−クロロベンジルオキシ、3−メチルベンジルオキシ、4−ターシャリーブチルベンジルオキシ、2,6−ジフルオロベンジルオキシ、2−フルオロ−4−クロロベンジルオキシなどが挙げられる。
【0034】
GまたはZの定義におけるハロアルキルスルフェニルとしては、C1〜C4直鎖状または分岐状のハロアルキルチオとしてフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、ブロモジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ、フルオロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ及びフルオロイソプロピルチオなどが挙げられる。
【0035】
GまたはZの定義におけるハロアルキルスルフィニルとしては、C1〜C4直鎖状または分岐状のハロアルキニルスルフィニルとして、フルオロメチルスルフィニル、クロロジフルオロメチルスルフィニル、ブロモジフルオロメチルスルフィニル、トリフルオロメチルスルフィニル、トリクロロメチルスルフィニル、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルスルフィニル、フルオロエチルスルフィニル、ペンタフルオロエチルスルフィニルおよびフルオロイソプロピルスルフィニルなどが挙げられる。
【0036】
GまたはZの定義におけるハロアルキルスルホニルとしては、C1〜C4直鎖状または分岐状のハロアルキルスルホニルとしてフルオロメチルスルホニル、クロロジフルオロメチルスルホニル、ブロモジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、トリクロロメチルスルホニル、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルスルホニル、フルオロエチルスルホニル、ペンタフルオロエチルスルホニルおよびフルオロイソプロピルスルホニルなどが挙げられる。
【0037】
Gの定義におけるハロアルケニルとしては、C2〜C4直鎖または分岐状のハロアルケニルとして、2−クロロエテニル、2−ブロモエテニル、2,2−ジクロロエテニルなどが挙げられる。
【0038】
Gの定義におけるアルケニルオキシとしてはC2〜C4直鎖または分岐状のアルケニルオキシとしてアリルオキシ、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−メチル−2−プロペニルオキシなどが挙げられる。
【0039】
Gの定義におけるハロアルケニルオキシとして3−クロロ−2−プロペニルオキシ、3,3−ジクロロ2−プロペニルオキシ、4−クロロ−2−ブテニルオキシ、4,4−ジクロロ−ブテニルオキシ、4,4−ジフルオロ−3−ブテニルオキシなどが挙げられる。
【0040】
GまたはZの定義におけるアルケニルスルフェニルとしては、C2〜C4直鎖または分岐状のアルケニルスルフェニルとしてアリルスルフェニル、2−プロペニルスルフェニル、2−ブテニルスルフェニル、2−メチル−2−プロペニルスルフェニルなどが挙げられる。
【0041】
GまたはZの定義におけるアルケニルスルフィニルとしては、C2〜C4直鎖または分岐状のアルケニルスルフェニルとしてアリルスルフィニル、2−プロペニルスルフェニル、
2−ブテニルスルフェニル、2−メチル−2−プロペニルスルフェニルなどが挙げられる。
【0042】
GまたはZの定義におけるアルケニルスルホニルとしては、C2〜C4直鎖または分岐状のアルケニルスルホニルとしてアリルスルホニル、2−プロペニルスルホニル、2−ブテニルスルホニル、2−メチル−2−プロペニルスルホニルなどが挙げられる。
【0043】
Gの定義におけるハロアルケニルスルフェニルとしては、C2〜C4直鎖または分岐状のハロアルケニルスルフェニルとして3−クロロ−2−プロペニルスルフェニル、4−クロロ−2−プロペニルスルフェニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニルスルフェニル、4,4−ジクロロ−3−ブテニルスルフェニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニルスルフェニルなどが挙げられる。
【0044】
Gの定義におけるハロアルケニルスルフィニルとしては、C2〜C4直鎖または分岐状のハロアルケニルスルフェニルとして3−クロロ−2−プロペニルスルフィニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニルスルフィニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニルスルフィニル、4−クロロ−2−ブテニルスルフィニル、4,4−ジクロロ−3−ブテニルスルフィニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニルスルフィニルなどが挙げられる。
【0045】
Gの定義におけるハロアルケニルスルホニルとしては、C2〜C4直鎖または分岐状のハロアルケニルスルホニルとして、3−クロロ−2−プロペニルスルホニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニルスルホニル、4−クロロ−2−ブテニルスルホニル、4,4−ジクロロ−3−ブテニルスルホニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニルスルホニルなどが挙げられる。
【0046】
Gの定義におけるC2〜C4ハロアルキニルとしては、クロロエチニル、ブロモエチニル、ヨードエチニル、3−クロロ−1−プロピニル、3−ブロモ−1−ブチニルなどが挙げられる。
【0047】
Gの定義におけるC2〜C4アルキニルオキシ基としては、2−プロピニルオキシ、2−ブチニルオキシ、1−メチル−2−プロピニルオキシなどが挙げられる。
【0048】
Gの定義におけるC2〜C4ハロアルキニルオキシとしては、3−クロロ−2−プロピニルオキシ、3−ブロモ−2−プロピニルオキシ、3−ヨード−プロピニルオキシなどが挙げられる。
【0049】
Gの定義におけるC2〜C6アルキニルスルフェニルとしては、2−プロピニルスルフェニル、2−ブチニルスルフェニル、1−メチル−2−プロピニルスルフェニルなどが挙げられる。
【0050】
Gの定義におけるC2〜C6アルキニルスルフィニルとしては、2−プロピニルスルフィニル、2−ブチニルスルフィニル、1−メチル−2−プロピニルスルフィニルなどが挙げられる。
【0051】
Gの定義におけるC2〜C6アルキニルスルホニルとしては、2−プロピニルスルホニル、2−ブチニルスルホニル、1−メチル−2−プロピニルスルホニルなどが挙げられる。
【0052】
Gの定義におけるC2〜C6ハロアルキニルスルフェニルとしては、3−クロロ−2−プロピニルスルフェニル、3−ブロモ−2−プロピニルスルフェニル、3−ヨード−2−プロピニルスルフェニルなどが挙げられる。
【0053】
Gの定義におけるC2〜C6ハロアルキルスルフィニルとしては、3−クロロ−2−プロピニルスルフィニル、3−ブロモ−2−プロピニルスルフィニル、3−ヨード−2−プロピニルスルフィニルなどが挙げられる。
【0054】
Gの定義におけるC2〜C6ハロアルキルスルホニルとしては、3−クロロ−2−プロピニルスルホニル、3−ブロモ−2−プロピニルスルホニル、3−ヨード−2−プロピニルスルホニルなどが挙げられる。
【0055】
Gの定義におけるZで置換されていてもよいベンゾイルとしては、ベンゾイル、2−クロロベンゾイル、3−クロロベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−フルオロベンゾイル、3−メチルベンゾイル、4−メチルベンゾイル、4−ターシャリーブチルベンゾイル、3,4−ジクロロベンゾイルなどが挙げられる。
本発明において、炭化水素溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、好ましくは芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素、工業的にさらに好ましくはトルエンまたはヘプタンである。
極性溶媒としては、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、5−エチル−2−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−トリメチルピリジン、キノリン等のピリジン類、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ−テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエ−テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエ−テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ−テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル構造をもつアルコール類等の高沸点の溶媒類が挙げられ、好ましくは5−エチル−2−ピコリン、ジエチレングリコールジメチルエ−テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の後処理時に廃水に分離除去できる溶媒類である。これらの混合使用も可能である。
相間移動触媒としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、水酸化テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、水酸化テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムブロミド、トリメチルベンジルアンモニウムヨージド、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムブロミド、トリエチルベンジルアンモニウムヨージド、水酸化トリエチルベンジルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルメチルアンモニウムブロミド、トリエチルメチルアンモニウムヨージド、水酸化トリエチルメチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウムクロリド、トリメチルエチルアンモニウムブロミド、トリメチルエチルアンモニウムヨージド、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリブチルアンモニウムヨージド、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムヨージド、水酸化メチルトリオクチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩が挙げられるが、好ましくはテトラブチルアンモニウムハライド等のテトラアルキルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルハライドである。さらに好ましくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリドである。
相間移動触媒の使用量は原料のチアゾール置換アセトニトリルに対し0.01〜0.5当量が好ましく、0.05〜0.2当量が更に好ましい。
反応温度は20℃以上100℃以下が好ましく、30℃以上70℃以下が更に好ましい。
炭化水素溶媒の使用量は原料のチアゾール置換アセトニトリルに対し1〜20重量部が好ましく、3〜10重量部が更に好ましい。
極性溶媒の使用量は原料のチアゾール置換アセトニトリルに対し0.5〜10重量部が好ましく、1〜5重量部が更に好ましい。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属化合物の使用量は原料のチアゾール置換アセトニトリルに対し、0.9〜1.5当量が好ましく、1.0〜1.1が更に好ましい。
好ましい反応の形態は、最初にチアゾール置換アセトニトリルを上記溶媒中、水酸化アルカリ金属と反応させこのとき副生する水を減圧下共沸脱水により除去する。生成したチアゾール置換アセトニトリル化合物のアルカリ金属塩をチアゾールカルボン酸クロリドと反応させることである。
共沸脱水時の減圧度は反応温度との関係で常圧から10mmHgの範囲で任意に設定できる。好ましくは20〜300mmHg、更に好ましくは30〜70mmHgである。反応終了まで共沸脱水を続けることが好ましい。
反応は窒素、アルゴンなど不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましいが、工業的には窒素が安価で好ましい。
本発明では反応後は注水し有機層を分離し通常の処理を行うが、有機層から生成物を単離することなく溶液のまま直ちに次工程に用いることが可能であり、工業的により有利である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に述べるが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
窒素雰囲気下、2−フェニル−4−シアノメチルチアゾール1.00g(5ミリモル)、トルエン7.00g(7重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル3.00g(3重量部)、水酸化ナトリウム0.80g(20ミリモル)およびベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.093g(0.5ミリモル)の混合溶液を40mmHg、35℃で15分間還流させ、共沸脱水し2−フェニル−4−シアノメチルチアゾールナトリウム塩を調製した。同還流条件下、2−メチル−4−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−カルボン酸クロリド1.38g(6.00ミリモル)、トルエン2.40gの混合溶液を30分かけて滴下した後、2時間反応させた。反応液を放冷後、常圧に戻し、トルエン、1N塩酸を加え、水層を分離した。有機層を高速液体クロマトグラフィーにより定量分析した結果、3−(2−メチル−4−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−イル)−3−オキソ−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)プロパンニトリル1.80gが得られた(収率91.7%)。
〔実施例2〕
窒素雰囲気下、2−フェニル−4−シアノメチルチアゾール1.00g(5ミリモル)、トルエン5.00g(5重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル5.00g(5重量部)および21%水酸化カリウム水溶液4.00g(15ミリモル)の混合溶液を40mmHg、40℃で5時間還流させ、共沸脱水し、2−フェニル−4−シアノメチルチアゾールカリウム塩を調製した。同還流条件下、2−メチル−4−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−カルボン酸クロリド1.21g(5.25ミリモル)、トルエン2.42gの混合溶液を30分かけて滴下した後、2時間反応させた。反応液を放冷後、常圧に戻し、トルエン、1N塩酸を加え、水層を分離した。有機層を高速液体クロマトグラフィーにより定量分析した結果、3−(2−メチル−4−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−イル)−3−オキソ−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)プロパンニトリル1.61gが得られた(収率82.0%)。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は農医薬製造中間体として有用なチアゾール置換アセトニトリル化合物の効率的な製造方法として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】


[式中、QはGで置換されていてもよいチアゾリル基(Gは、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C2〜C4シアノアルキル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたC1〜C4アルキル、C2〜C5アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C3アルキルで置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C2〜C6アルケニルオキシ、C2〜C6アルキニルオキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C2〜C6ハロアルケニルオキシ、C2〜C6ハロアルキニルオキシ、C1〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C6アルケニルスルフェニル、C2〜Cアルケニルスルフィニル、C2〜C6アルケニルスルホニル、C2〜C6アルキニルスルフェニル、C2〜C6アルキニルスルフィニル、C2〜C6アルキニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルフェニル、C1〜C4ハロアルキルスルフィニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C2〜Cハロアルケニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルケニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルケニルスルホニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルキニルスルホニル、CHO、NO2、CN、OH、ナフチル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたメトキシ、C2〜C7アルコキシカルボニル、C2〜C4アルコキシアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4ハロアルキルカルボニル、C2〜C5アルキルカルボニルオキシ、C2〜C5ハロアルキルカルボニルオキシ、C3〜C7ジアルキルアミノカルボニルオキシ、Zで置換されていてもよいフェニル、Zで置換されていてもよいフェノキシ、Zで置換されていてもよいベンゾイル、Zで置換されていてもよいピリジル、Zで置換されていてもよいピリジルオキシ、Zで置換されていてもよいチエニル、隣接した置換位置で結合したメチレンジオキシ、隣接した置換位置で結合した結合したハロメチレンジオキシ及び−N=CTT(但し、T及びTは各々独立に、H、フェニル、ベンジルまたはC1〜C6アルキルであるか、TとTとが結合している炭素原子と共に5員環、6員環、7員環または8員環を形成してもよい。)の中から任意に選ばれる置換基(但し、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であって、その置換基の数は1、2、3、または4個であるか、または隣接した置換位置で結合したアルキレン基によって形成される5員環、6員環、7員環または8員環であり、
Zはハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C5アルケニルスルフェニル、C2〜C5アルケニルスルフィニル、C2〜C5アルケニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、NO2、CN、CHO、OH、−NU1 U2、フェニル、フェノキシ又はC2〜C5アルコキシカルボニルの中から任意に選ばれる置換基(ただし、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であってその置換基の数は1、2、3、4または5個であり、
U1及びU2は、各々独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C5アルキルカルボニル、フェニルまたはベンジルを表すか、U1とU2とが結合している窒素原子と共に5員環、6員環、7員環、8員環を形成してもよい。]
で表されるチアゾール置換アセトニトリル化合物、炭化水素溶媒と極性溶媒の混合溶媒中相間移動触媒の存在下、水酸化アルカリ金属と反応させ、副生する水を減圧下共沸留去して分液槽で分離しながら生成させた式(2):
【化2】



(式中Mはナトリウム、カリウムを表す)で表されるチアゾール置換アセトニトリル金属塩を式(3):
【化3】



[式中、AはGで置換されていてもよいチアゾリル基(Gは、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C2〜C4シアノアルキル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたC1〜C4アルキル、C2〜C5アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、C1〜C3アルキルで置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C2〜C6アルケニルオキシ、C2〜C6アルキニルオキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C2〜C6ハロアルケニルオキシ、C2〜C6ハロアルキニルオキシ、C1〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C6アルケニルスルフェニル、C2〜C6アルケニルスルフィニル、C2〜C6アルケニルスルホニル、C2〜C6アルキニルスルフェニル、C2〜Cアルキニルスルフィニル、C2〜C6アルキニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルフェニル、C1〜C4ハロアルキルスルフィニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C2〜C6ハロアルケニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルケニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルケニルスルホニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフェニル、C2〜C6ハロアルキニルスルフィニル、C2〜C6ハロアルキニルスルホニル、CHO、NO2、CN、OH、ナフチル、ハロゲンもしくはC1〜C4アルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されたメトキシ、C2〜C7アルコキシカルボニル、C2〜C4アルコキシアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4ハロアルキルカルボニル、C2〜C5アルキルカルボニルオキシ、C2〜C5ハロアルキルカルボニルオキシ、C3〜C7ジアルキルアミノカルボニルオキシ、Zで置換されていてもよいフェニル、Zで置換されていてもよいフェノキシ、Zで置換されていてもよいベンゾイル、Zで置換されていてもよいピリジル、Zで置換されていてもよいピリジルオキシ、Zで置換されていてもよいチエニル、隣接した置換位置で結合したメチレンジオキシ、隣接した置換位置で結合した結合したハロメチレンジオキシ及び−N=CTT(但し、T及びTは各々独立に、H、フェニル、ベンジルまたはC1〜C6アルキルであるか、TとTとが結合している炭素原子と共に5員環、6員環、7員環または8員環を形成してもよい。)の中から任意に選ばれる置換基(但し、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であって、その置換基の数は1、2、3、または4個であるか、または隣接した置換位置で結合したアルキレン基によって形成される5員環、6員環、7員環または8員環であり、
Zはハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルスルフェニル、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C5アルケニルスルフェニル、C2〜C5アルケニルスルフィニル、C2〜C5アルケニルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、NO2、CN、CHO、OH、−N U1 U2、フェニル、フェノキシ又はC2〜C5アルコキシカルボニルの中から任意に選ばれる置換基(ただし、その置換基が2個以上の場合は同一か相互に異なってもよい。)であってその置換基の数は1、2、3、4または5個であり、
U1及びU2は、各々独立に、H、C1〜C6アルキル、C2〜C5アルキルカルボニル、フェニルまたはベンジルを表すか、U1とU2とが結合している窒素原子と共に5員環、6員環、7員環、8員環を形成してもよい。]
で表されるチアゾールカルボン酸クロリドと反応させることを特徴とする式(4):
【化4】


(式中QおよびAはそれぞれ独立に前記と同じ意味を表す)で表されるチアゾール置換アクリロニトリル系化合物の製造方法。
【請求項2】
Qが2−フェニルチアゾール−4−イルであり、Aが2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イルである請求項1記載の化合物(4)の製造方法。
【請求項3】
水酸化アルカリ金属が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであり、相間移動触媒がベンジルトリメチルアンモニウムハライドであり、炭化水素溶媒がトルエンであり、極性溶媒がジエチレングリコールジメチルエーテルである請求項1または2記載の化合物(4)の製造方法。

【公開番号】特開2009−40712(P2009−40712A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206482(P2007−206482)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】