説明

チェーン

【課題】スプロケットのいずれの回転方向にも対応可能で、両方向へ移動が可能であり、比較的大型のコンベア等に適用できる高強度なチェーンを提供する。
【解決手段】複リンク部11には、一対のリンク5がそれぞれのピン孔8の軸が一致するように対向して設けられる。ピン孔7を有するリンク3が設けられる単リンク部9と複リンク部11とはアーム13で連結される。複リンク部11の先端側は複リンク先端部17であり、アーム13の軸方向と略垂直な噛み合い部21が設けられる。複リンク部11とアーム13との連結部近傍は複リンク根本部19であり、アーム13の軸方向と略垂直な噛み合い部23が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両方向への移動可能であり高強度なチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンベアや運搬装置等に使用されるチェーンは、使用環境に応じて、強度等が必要とされる。特に、大きな運搬物を大量に移動する運搬装置等に使用されるチェーンには、高い強度が必要となる。
【0003】
一方、運搬装置は1方向のみに移動する場合だけでなく、往復動作を必要とする場合がある。また、チェーンの移動が同一方向のみとなるように使用し続けると、チェーンの一部が著しく摩耗し、チェーンの寿命を短くする。このため、1方向のみに移動する運搬装置に使用されるチェーンであっても、定期的にチェーンの方向を掛け代えて、チェーンの移動方向を変えることができる方が望ましい。すなわち、チェーンに駆動力等を与えるスプロケットに対して、いずれの方向に掛け渡されても使用できるチェーンが望ましい。
【0004】
従来使用されているチェーンとしては、例えば、外プレート部及び内プレート部が一枚のオフセットプレートによって形成され、一対の内プレート部の間にブシュが設けられ、外プレート部、内プレート部、ブシュを貫通するピンによって、隣接するオフセットプレート同士が回転可能に連結され、スプロケットの歯がブシュと噛み合い、スプロケットが両方向に回転可能なオフセット型のチェーンがある(特許文献1)。
【0005】
また、図9、図10に示すような大型のチェーン80がある。図9は、チェーン80を構成する本体部材70を示す図で、図9(a)は本体部材70の斜視図、図9(b)は本体部材70の平面図である。本体部材70は主に、単一のリンク73を有する単リンク部77、一対のリンク75を有する複リンク部79、及び、単リンク部77と複リンク部79を連結するアーム81等から構成される。
【0006】
リンク73及びリンク75の中心にはそれぞれピン孔71、ピン孔72が設けられる。複リンク部79には、一対のリンク75がそれぞれのピン孔72の軸が一致するように対向して設けられる。リンク73が設けられる単リンク部77とリンク75が設けられる複リンク部79とはアーム81で連結される。即ち、単一のリンク73と一対のリンク75は、アーム81によって連結される。
【0007】
複リンク部79の先端側は複リンク先端部83であり、アーム81の軸方向と略垂直な噛み合い部87が設けられる。複リンク部79とアーム81との連結部近傍は複リンク根本部85であり、リンク75とアーム81とがアーム81の軸方向に対して斜めに連結される。即ち、複リンク根本部85は、噛み合い部87のようにアーム81の軸方向と略垂直ではなく、テーパー形状である。
【0008】
図10は、本体部材70等により構成されるチェーン80とスプロケット61との噛み合いを示した図で、図10(a)はチェーン80の平面図、図10(b)はチェーン80の側面図である。歯63は、スプロケット61の幅方向に並列して一対設けられ、さらにスプロケット61の周方向に複数対の歯63が一定間隔で設けられる。
【0009】
図10(b)に示すように、スプロケット61が矢印Q方向へ回転すると、歯63は、チェーン80を構成する本体部材70の複リンク先端部83の噛み合い部87と接触する。前述の通り、噛み合い部87は、アーム81の軸方向と略垂直である。即ち、並列して設けられた歯63は、チェーン80の移動方向と略垂直に噛み合い部87と接触し、力をチェーン80へ伝達することができる(図中矢印O方向、P方向)。
【特許文献1】特開2007−170602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1のようなオフセット型チェーンは、スプロケットの回転方向によらず使用することはできるが、一対のオフセットプレートとブシュが別体であるため、部品点数が多く、このためコストアップとなるという問題があり、また、大荷重が加わる大型のコンベア等への適用のためには、大幅な厚肉化等が必要であるため、更なるコスト増となるという問題がある。
【0011】
また、図9、図10に示したチェーン80は、大荷重に耐えうるように、本体部材70が一体化され、比較的大型の運搬装置等へも適用でき、また、複リンク先端部83には、チェーン80の進行方向と略垂直な噛み合い部87を有し、スプロケット61の歯63と噛み合い部87はチェーン80の進行方向と略垂直に接触するため、スプロケット61からチェーン80へ効率よく力の伝達を行うことができる。
【0012】
しかし、スプロケット61を逆回転させると、歯63と複リンク根本部85とが接触し、複リンク根本部85はテーパー形状であるため、スプロケット61の歯63は、チェーン80の進行方向と略垂直に接触することはできず、接触部には局部的に大きな力が加わるため、チェーン80又はスプロケット61の破損の恐れがある。すなわち、複リンク根本部85と歯63とは確実に噛み合うことができない。
【0013】
このため、チェーン80は、1方向のみにしか使用することができず、1方向のみに動作する運搬装置等にしか適用できないという問題がある。また、常に同じ方向に動作するため、歯63と接触する部位である、複リンク先端部83のみが著しく摩耗するが、チェーン80を逆向きに掛け代えて、歯63と複リンク根本部85とが接触するように使用することはできないため、複リンク先端部83の摩耗が進行した際には、チェーン80を新規交換しなければならず、チェーン80の寿命が短いという問題がある。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、スプロケットのいずれの回転方向にも対応可能で、両方向へ移動が可能であり、比較的大型のコンベア等に適用できる高強度なチェーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するため、本発明は、第1のピン孔が設けられた一対のリンクを有する複リンク部と、第2のピン孔が設けられた単一のリンクを有する単リンク部と、前記複リンク部と前記単リンク部とを連結するアーム部と、を具備する本体部材と、前記複リンク部の前記第1のピン孔と、隣接する前記本体部材の前記単リンク部の前記第2のピン孔とを貫通し、前記複リンク部と前記単リンク部とを回転可能に連結するピンと、を具備し、前記複リンク部の先端部及び前記複リンク部の根本部には、前記アーム部の軸方向と略垂直な噛み合い部がそれぞれ設けられ、前記先端部の噛み合い部及び前記根本部の噛み合い部は、前記本体部材と噛み合うスプロケットの歯と、前記本体部材の進行方向と略垂直に接触することができることを特徴とするチェーンである。
【0016】
前記本体部材にはリブが設けられてもよく、前記アーム部にアタッチメント取付部を更に具備してもよい。
【0017】
本発明によれば、複リンク根本部及び複リンク先端部に、アームの軸方向と略垂直方向に噛み合い部が設けられるため、チェーンと噛み合うスプロケットがいずれの回転方向であっても、複リンク先端部の噛み合い部又は複リンク根本部の噛み合い部が、スプロケットの歯とチェーンの進行方向と略垂直に接触することができ、このため、両方向に回転可能なチェーンを提供することができる。また、チェーンを構成する本体部材にリブを設ければ、高強度化、軽量化を図ることができ、更に、チェーンにアタッチメント取付部を有する本体部材を使用すれば、アタッチメントを取り付けることが可能なチェーンを提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スプロケットのいずれの回転方向にも対応可能で、両方向へ移動が可能であり、比較的大型のコンベア等に適用できる高強度なチェーンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1、図2は本実施の形態に係るチェーン40を構成する本体部材1を示す図であり、図1(a)は、本体部材1の斜視図、図1(b)は本体部材1の平面図である。また、図2(a)、図(b)、図2(c)は、それぞれ、図1(b)のA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図である。チェーン40は、比較的大型の運搬装置等に使用される。このため、チェーン40は高い強度を要する。
【0020】
本体部材1は主に、単一のリンク3を有する単リンク部9、一対のリンク5を有する複リンク部11、及び、単リンク部9と複リンク部11を連結するアーム13等から構成される。リンク3は中心にピン孔7が設けられる。ピン孔7の周囲にはリブ25aが設けられ、リンク3の外周部にはリブ25bが設けられる。
【0021】
また、リンク5の中心にはピン孔8が設けられる。複リンク部11には、一対のリンク5がそれぞれのピン孔8の軸が一致するように対向して設けられる。リンク5に設けられたピン孔8の周囲にはリブ25dが設けられ、また、リンク5の外周部にはリブ25eが設けられる。リンク3が設けられる単リンク部9とリンク5が設けられる複リンク部11とはアーム13で連結される。即ち、単一のリンク3と一対のリンク5は、アーム13によって連結される。
【0022】
アーム13の外周部にはリブ25cが設けられる。なお、図2に示すように、リブ25a、25b、25c、25d、25eは、本体部材1の両側に略対象に設けられる。また、本体部材1の材質は特定しないが、例えば鋼が使用でき、この場合、鋳造や鍛造等で製造することができる。
【0023】
複リンク部11の本体部材1における先端側は、複リンク先端部17であり、アーム13の軸方向と略垂直な噛み合い部21が設けられる。なお、アーム13の軸方向は、本体部材1(チェーン40)の進行方向と一致する。複リンク部11とアーム13との連結部近傍は複リンク根本部19であり、アーム13の軸方向と略垂直な噛み合い部23が設けられる。
【0024】
図3は、チェーン40を構成する本体部材30を示す図で、図3(a)は本体部材30を示す斜視図、図3(b)は、本体部材30の平面図である。また、図4(a)、図4(b)、図4(c)はそれぞれ図3(b)のD−D断面図、E−E断面図、F−F断面図である。本体部材30は、本体部材1とほぼ同様の構造である。従って、本体部材1と同一の機能、効果を奏する構成要素には、本体部材1と同一の番号を付し、重複した説明を省略する。
【0025】
本体部材30は、アタッチメント取付部31を有する点で、本体部材1と異なるが、他の構成要素は同一である。本体部材30は、主に、単一のリンク3を有する単リンク部9、一対のリンク5を有する複リンク部11、単リンク部9と複リンク部11を連結するアーム13、アタッチメント取付部31等から構成される。
【0026】
アタッチメント取付部31はアーム13上に設けられる。アタッチメント取付部31は、後述するアタッチメント49を取り付けるための部位であり、4隅に取付穴33を有し、中央がくびれた形状の板状部位材である。本体部材30は、図4に示すように、本体部材1と同様にリブ25a、25b、25c、25d、25eが設けられる。
【0027】
本体部材30の複リンク部11の先端側は複リンク先端部17であり、複リンク部11とアーム13との連結部側は複リンク根本部19である。複リンク先端部17及び複リンク根本部19には、それぞれアーム13の軸方向と略垂直な噛み合い部21、噛み合い部23が設けられる。なお、アタッチメント取付部31は、本体部材30と一体で形成されても良く、また、別々に加工して、溶接等によって接合されても良い。
【0028】
図5は、チェーン40を示す図であり、図5(a)はチェーン40の平面図、図5(b)はチェーン40の側面図である。チェーン40は主に、本体部材1、本体部材30、ピン41、抜け止め43等から構成される。
【0029】
本体部材1aの複リンク部11aには、隣接する本体部材1bの単リンク部9bが配置される。即ち、本体部材1bのリンク3bは、本体部材1aの一対のリンク5a間に挟まれ、この際、リンク3b、リンク5aのそれぞれのピン孔7、ピン孔8が一直線状にくるように配置される。リンク3b、リンク5aのピン孔7、ピン孔8には、ピン41が挿入される。ピン41はリンク3bのピン孔7及び一対のリンク5aのピン孔8を貫通する。ピン41の端部は、一方のピン孔8より突出し、突出したピン41の端部近傍の外周面には、ピン41の軸方向とは垂直方向に溝45が設けられる。
【0030】
溝45には、板状の抜け止め43が嵌まるように設けられる。抜け止め43は本体部材1へ溶接等により接合される。即ち、ピン41は溝45に嵌められた抜け止め43によって固定され、チェーン40よりピン41が抜け落ちることが無い。また、ピン孔7及びピン孔8の径は、ピン41の外径よりも十分大きいため、本体部材1a、1bは回転可能に連結される。なお、ピン41、抜け止め43の材質は特定しないが、例えば鋼製でよく、耐食性を考慮すると、本体部材1又は本体部材30と同材質であることが望ましい。
【0031】
同様にして、本体部材30の単リンク部9cと本体部材1bの複リンク部11bが、ピン41、抜け止め43によって回転可能に連結される。なお、本体部材30は、本体部材1の一定個数の連結ごとに設けられ、例えば、本体部材1を2つ連結させるごとに本体部材30を一つ連結させれば良い。なお、本体部材30のアタッチメント取付部31には、後述する串歯47を有するアタッチメント49が取り付けられる。
【0032】
次に、チェーン40を使用した運搬装置50について説明する。図6は、チェーン40を使用した運搬装置50を示す図であり、図6(a)は運搬装置50の平面図、図6(b)は運搬装置50の側面図である。なお、図6(a)においてスプロケット51の図示は省略する。運搬装置50は主に、一対のチェーン40a、40bと、スプロケット51と、スプロケット51を駆動する図示を省略したモータと、チェーン40a、40bに一定間隔で設けられたアタッチメント49等から構成される。スプロケット51は、一本のチェーン40に対して一対設けられる。即ち、運搬装置50には、一対のチェーン40a、40bに対して、スプロケットは計4つ設けられる。
【0033】
スプロケット51a、51bは両方又は一方が図示を省略したモータと接続されておりモータによって回転する。スプロケット51a、51bの外周には複数の歯53が設けられており、歯53はチェーン40を構成する本体部材1又は本体部材30と噛み合う。
【0034】
チェーン40を構成する本体部材30のアタッチメント取付部31には、板状のアタッチメント49が接合される。アタッチメント49はアタッチメント取付部31の取付穴33でボルト等によってチェーン40と接合される。アタッチメント49には、外方へ向けて板状の串歯47が複数設けられる。
【0035】
図6(b)に示すように、スプロケット51a又はスプロケット51bがモータによって矢印G方向へ回転すると、スプロケット51a、51bに設けられた歯53とチェーン40とが噛み合い、チェーン40はスプロケット51a、51bの回転動作に伴って、全体が回転動作する。
【0036】
運搬装置50は、スプロケット51の回転によりチェーン40を駆動し、図6(b)に示すように、運搬装置50下方に置かれた運搬物55をアタッチメント49及び串歯47によって掻き上げて、矢印H方向へ運搬する。運搬物55は、例えば農作物の中間加工物等であり、運搬装置50は、比較的大型で大規模な物の運搬に使用される。従って、運搬装置50には、高強度なチェーン40が使用される。
【0037】
図7は、チェーン40とスプロケット51との噛み合いを示した図で、図7(a)はチェーン40の平面図、図7(b)はチェーン40の側面図である。なお、アタッチメント49及び串歯47の図示は省略する。歯53は、スプロケット51の幅方向に並列して一対設けられ、さらにスプロケット51の周方向に複数対の歯53が一定間隔で設けられる。スプロケット51に設けられた歯53の周方向のピッチは、チェーン40の本体部材1及び本体部材30の連結ピッチと一致する。
【0038】
図7(b)に示すように、スプロケット51が矢印K方向へ回転すると、歯53は、チェーン40を構成する本体部材1又は本体部材30の、複リンク先端部17における噛み合い部21と接触する。噛み合い部21はアーム13の軸方向と略垂直である。即ち、噛み合い部21は、歯53の進行方向(力の向き)に対して垂直に歯53と接触することができる。このため、歯53からの駆動力は、噛み合い部21に対して、チェーン40の進行方向へ効率よく伝達される。なお、図7(a)の矢印I及び図7(b)の矢印Jは歯53からチェーン40への力の伝達方向を示す。
【0039】
次に、スプロケット51が逆回転した際の、チェーン40とスプロケット51との噛み合いについて説明する。図8(a)はチェーン40の平面図、図8(b)はチェーン40の側面図である。図8(b)に示すように、スプロケットが逆回転し、矢印N方向へ回転すると、歯53は、チェーン40を構成する本体部材1又は本体部材40の複リンク根本部19における噛み合い部23と接触する。
【0040】
噛み合い部23は、アーム13と略垂直である。このため、噛み合い部23は、チェーン40の進行方向と略垂直に歯53と接触する。即ち、噛み合い部23は、歯53の進行方向(力の向き)に対して垂直に歯53と接触することができる。このため、歯53からの駆動力は、噛み合い部23に対して、チェーン40の進行方向へ効率よく伝達される。なお、図8(a)の矢印L及び図8(b)の矢印Mは歯53からチェーン40への力の伝達方向を示す。
【0041】
このように、本実施形態にかかるチェーン40によれば、単リンク部9及び複リンク部11が一体化され、高強度なチェーン40を得ることができる。また、複リンク先端部17及び複リンク根本部19は、それぞれアーム13の軸方向と略垂直な噛み合い部21、噛み合い部23を有し、チェーン40と噛み合うスプロケット51の歯53と、噛み合い部21、噛み合い部23とは、チェーン40の進行方向と略垂直に接触することができる。
【0042】
このため、歯53は、チェーン40の噛み合い部21または噛み合い部23へ、進行方向と略垂直に力を伝達することができる。すなわち、スプロケット51の回転方向によらず、チェーン40はスプロケット51より効率よく力を受けることができ、スプロケットの51の回転方向に応じて、両方向へ移動することができる。
【0043】
また、単リンク部9、複リンク部11、アーム13に、リブ25a、25b、25c、25d、25eがそれぞれ設けられるため、高強度かつ軽量なチェーン40を得ることができる。また、チェーン40に、アタッチメント取付部31を有する本体部材30を用いれば、チェーン40へアタッチメント49を容易に取り付けることができ、比較的大型の運搬装置等へ好適なチェーン40を得ることができる。
【0044】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0045】
例えば、チェーン40において、リブ25aからリブ25eはすべて設ける必要は無く、必要に応じて、リブ25aから25eのいずれか一部のみを設けてもよい。また、運搬装置50において、スプロケット51は両方向に回転可能としたが、スプロケット51が単一方向のみにしか回転しない場合であっても、チェーン40は有効である。即ち、チェーン40の複リンク先端部17と歯53との接触により、複リンク先端部17の摩耗が進行した場合には、チェーン40全体を逆向きに掛け代えれば、スプロケット51は同一回転方向であっても、摩耗が進行していない複リンク根本部19と歯53とが噛み合うため、チェーン40の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本体部材1を示す図で、(a)は本体部材1の斜視図、(b)は本体部材1の平面図。
【図2】本体部材1の断面図で、(a)は図1(b)のA−A断面図、(b)は図1(b)のB−B断面図、(c)は図1(b)のC−C断面図。
【図3】本体部材30を示す図で、(a)は本体部材30の斜視図、(b)は本体部材30の平面図。
【図4】本体部材30の断面図で、(a)は図3b)のD−D断面図、(b)は図3(b)のE−E断面図、(c)は図3(b)のF−F断面図。
【図5】チェーン40を示す図で、(a)はチェーン40の平面図、(b)はチェーン40の側面図。
【図6】チェーン40を使用した運搬装置50を示す図で、(a)は運搬装置50の平面図、(b)は運搬装置50の側面図。
【図7】スプロケット51がK方向へ回転した際の、チェーン40とスプロケット51の噛み合いを示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図8】スプロケット51がN方向へ回転した際の、チェーン40とスプロケット51の噛み合いを示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図9】従来の本体部材70を示す図で、(a)は本体部材70の斜視図、(b)は本体部材70の平面図。
【図10】スプロケット61がQ方向へ回転した際の、チェーン80とスプロケット61の噛み合いを示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。
【符号の説明】
【0047】
1、30………本体部材
3、5………リンク
7、8………ピン孔
9………単リンク部
11………複リンク部
13………アーム
17………複リンク先端部
19………複リンク根元部
21、23………噛み合い部
25………リブ
31………アタッチメント取付部
33………取付穴
40………チェーン
41………ピン
43………抜け止め
45………溝
47………串歯
49………アタッチメント
50………運搬装置
51………スプロケット
53………歯
55………運搬物
61………スプロケット
63………歯
70………本体部材
71、72………ピン孔
73、75………リンク
77………単リンク部
79………複リンク部
80………チェーン
81………アーム
83………複リンク先端部
85………複リンク根元部
87………噛み合い部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のピン孔が設けられた一対のリンクを有する複リンク部と、第2のピン孔が設けられた単一のリンクを有する単リンク部と、前記複リンク部と前記単リンク部とを連結するアーム部と、を具備する本体部材と、
前記複リンク部の前記第1のピン孔と、隣接する前記本体部材の前記単リンク部の前記第2のピン孔とを貫通し、前記複リンク部と前記単リンク部とを回転可能に連結するピンと、
を具備し、
前記複リンク部の先端部及び前記複リンク部の根本部には、前記アーム部の軸方向と略垂直な噛み合い部がそれぞれ設けられ、
前記先端部の噛み合い部及び前記根本部の噛み合い部は、前記本体部材と噛み合うスプロケットの歯と、前記本体部材の進行方向と略垂直に接触することができることを特徴とするチェーン。
【請求項2】
前記本体部材にはリブが設けられることを特徴とする請求項1記載のチェーン。
【請求項3】
前記アーム部にアタッチメント取付部を更に具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチェーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−85393(P2009−85393A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258497(P2007−258497)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000233239)日立機材株式会社 (225)
【Fターム(参考)】