説明

チップレス無線周波数識別素子を含む物品

複数のチップレス無線周波数識別素子が内部に埋め込まれている本体を含む容器。チップレス無線周波数識別素子は、複数のカテゴリの共振素子を含む。共振素子は、二進符号機能を有するシステムで利用することができる。異なる共振素子の組合せは、特定の製品の特徴を識別するために読み出しおよび解釈されることが可能である。容器は、成型用組成物を共振素子と配合して、共振素子を含む成型用組成物を最終製品に成型することによって、用意することができる。本発明は、チップレス無線周波数識別素子によって提供される二進符号を読み出すためのシステムおよび方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線周波数識別に関し、より具体的には、チップレス無線周波数識別素子を含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、医療診断の分野では、容器の識別は一般的にバーコードラベルによって達成されている。バーコードラベルは、容器の表面への印刷または貼付を必要とする。バーコードラベルは読み取られるために遮るもののない光路を必要とし、これが容器とバーコードリーダの両方の設計を難しくしている。バーコードラベルは鮮明である必要があり、すなわち印刷品質が十分でなければならず、ラベルには湿気および低温での保管に起因する霜などの異物があってはならない。バーコードラベルには一般的に、限られたスペースしかなく、その結果バーコードラベルに書き込むことができる情報は非常に限定されてしまう。バーコードラベルは剥がして再利用することができるので、偽造問題にもつながる。バーコードラベルは、水分の結露または低温のため容器から剥離する可能性もある。
【0003】
医療診断の分野において、サプライチェーンの管理のための食品医薬品局(FDA)の規制に準拠するために、無線周波数識別タグおよび無線周波数識別タグを使用したデータ取得システムによる容器の識別を利用することができる。
【0004】
無線周波数識別タグは、アクティブ、セミパッシブ、およびパッシブ無線周波数識別タグに分類することができる。3つのタイプの無線周波数識別タグの主な違いは、電源の性質にある。パッシブ無線周波数識別タグはいかなる内蔵型電源も必要としない。パッシブ無線周波数識別タグは、マイクロチップおよびアンテナを含む。受信した無線周波数信号によってアンテナの中に誘導される微弱な電流が、マイクロチップに応答を送信させるのに十分な電力を供給する。図1は、マイクロチップおよびアンテナを有する代表的な無線周波数識別タグを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在入手可能な無線周波数識別タグは、サイズおよび方向要件のため、一般的な診断用製品には適していない。診断試薬の容器およびその他の使い捨て製品は、サイズが小さい場合が多い。無線周波数識別タグのサイズは、アンテナのサイズによって制限されている。Avery Dennison製の市販されている無線周波数識別タグは、1インチ四方の小ささである。試薬容器に収容されている液体および試薬容器に近接する金属は、無線周波数信号への干渉を引き起こす可能性がある。信号受信および後方散乱は方向に依存し、従って、物体上の無線周波数識別タグの配置は重要である。無線周波数識別タグを利用するための最も重大な障害は、価格が高いことである。無線周波数識別タグに関連するマイクロチップの価格は、一般的な診断用製品の価格と比較して高い。
【0006】
マイクロチップは、大量生産しない限り高額である。結局、アンテナ接点上のチップの配置に内在する難しさのため、無線周波数識別タグアセンブリの廃棄率は高い。米国特許出願公開第2006/0202830号明細書は、集積無線周波数識別タグのブリスタパッケージを開示している。導電性の蓋材は、何らかの定型ブリスタフィルムの中に内容物を密閉するだけではなく、無線周波数識別アンテナとしても動作するように、役に立つように修正されている。集積回路チップは、蓋フィルムアンテナに電気的に接続されている。この特許は、そのようなブリスタパッケージの製造方法も開示している。この開示は、無線周波数識別タグのフィルムへの取り付けに限定されている。
【0007】
米国特許出願公開第2006/0030049号明細書は、試薬の容器を収容する少なくとも1つのカートリッジを診断システム内に配置し、容器の中の試薬に関する情報を有する識別子装置を担持する方法を開示している。診断システムは、識別子装置に含まれる情報を自動的に読み取り、情報を利用して、試薬を分注する際に診断システムを制御する。装置に含まれる情報は、容器内の試薬の識別、試薬の使用期限、試薬の有効な保管期限、容器内の試薬の量、試薬の製造元の識別、および試薬の最高保管温度のうちの1つ以上からなっていてもよい。Iris Diagnosticsは、無線周波数識別に基づく認証システムをiQ200尿検査システムに組み込んでいる。
【0008】
米国特許第5,381,137号明細書は、複数の共振回路を有する無線周波数識別タグを使用したシステムを開示している。無線周波数識別タグが検出領域に進入すると、システムは各共振回路の共振周波数を判断し、タグが付けられた物品を識別する対応コードを生成する。このシステムでは、複数の回路が1つの無線周波数識別タグに内蔵されている必要があり、これによって製造コストが増加する。個々の共振回路を無線周波数識別タグ上に配置するには、特殊な収束ビームアンテナが好ましい。システムが複雑なので、このシステムは費用が高くなる。
【0009】
米国特許第7,075,434号明細書は、nビットの二進符号で無線周波数識別タグを符号化する方法を開示している。1つ以上の所定の周波数源が、無線周波数識別タグと関連づけられている。無線周波数識別タグは、知られている異なるそれぞれ固有の周波数を発生し、そのそれぞれがnビット二進符号の中の知られている固有の位置と関連付けられている。この特許は、検出された複数の周波数をどのように分解するか、および対応コードのマッチング方法を開示していない。復号プロセスは、複数の周波数共振素子を識別するためのバンドパスフィルタに依存している。バンドパスフィルタの方法では、共振周波数が少ししか違わないこれらの共振素子を区別することはできない。検出の分散法は、より高い周波数帯域(915MHzおよび2.45GHz)に限定されている。
【0010】
米国特許出願公開第2007/0005367号明細書は、ある物体用のタグまたはシールを認証するために使用することができる再現可能な無線周波数指紋を提供するために、その物体に取り付けられる散乱剤を記載している。無線周波数指紋は、測定され、デジタル化され、認証の無線周波数証明が取り付けられている物体に関する情報と組み合わせられて、認証の無線周波数証明と関連づけられた無線周波数識別システムに保存される。スキャナが指紋および情報を受信し、その物体から取得された新しい指紋とその指紋を比較することによって情報を認証する。一種類の散乱剤のみが使用され、指紋の作成には三次元配置が利用される。後者の認証のためにデータベースを作成する費用は高い。
【0011】
米国特許第7,180,304号明細書、7,205,774号明細書、および7,221,168号明細書は、物品の表面に印刷された誘電体のパターンで形成されるマイクロ波読み取り可能バーコードを開示している。バーコードは印刷される必要があり、摩耗や変質のおそれがある。
【0012】
米国特許第6,708,881号明細書および6,966,493号明細書は、表面弾性波識別タグならびにタグを操作および識別する方法を開示している。タグは、(1)表面弾性波変換器を実装した圧電基板、(2)基板上のパルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロット群、および(3)パルス位置および位相位置の両方によって反射体が数字を符号化するように、スロットの間に分散された多数の反射体を含む。タグは圧電材でできている。開示された機能の製造コストは高い。
【0013】
米国特許第6,997,388号明細書は、少なくとも1つの回折素子を有する無線周波数データ担体を開示している。無線周波数データ担体は、無線周波数放射の波長程度の寸法を有し、無線周波数照射に応答する少なくとも1つの回折素子を含み、応答は、データ担体によって担持される機械読み取り可能なデータを示しているデータ担体の中の回折素子によって生成される。回折素子は、物品に組み込まれることも可能である。復号機能については記述されていない。
【0014】
従来のバーコードシステムよりも汎用性の高い製品識別システムを有することが望ましい。また、安価な方法で用意できる無線周波数識別システムを有することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一態様において、本発明は、複数のチップレス無線周波数識別素子が埋め込まれた本体を含む容器を提供する。チップレス無線周波数識別素子は、複数のカテゴリの共振素子を含む。
【0016】
共振素子は、二進符号機能を有するシステムで使用することができる。異なる共振素子との組合せは、特定の製品の特徴を識別するために読み取られ、理解されることが可能である。
【0017】
容器は、成型用組成物を共振素子と配合し、共振素子を含む成型用組成物を成型して最終製品にすることで用意されることができる。
【0018】
別の態様では、本発明は、容器およびその内容物を識別するための無線周波数信号を利用するためのシステムを提供する。さらに別の態様では、本発明は容器の内容物に関する情報を確認する方法を提供する。
【0019】
本明細書に記載される物品は、サイズに関する制限およびタグ配置に関する制約はなく、従来の無線周波数識別タグと比較して、潜在的に低コストである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】アンテナに取り付けられたマイクロチップを示す、無線周波数識別タグの模式図である。
【図2】本明細書に記載のチップレス無線周波数識別素子とともに使用するのに適した容器の斜視図である。
【図3】線3−3に沿った、図2の容器の断面図である。
【図4】本明細書に記載の容器を用意する方法を示すフローチャートである。
【図5】本明細書に記載の容器を用意するのに適した成型装置を示す模式図である。
【図6】図2および図3に示されるタイプの容器を使用した信号の問い合わせおよび送信を示す模式図である。
【図7】図2および図3に示されるタイプの容器を使用した結果としての応答を示す図である。
【図8】本明細書に記載の容器を利用する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用される「無線周波数識別」またはRFIDという表現は、例えば生体標本の容器および生体サンプルを分析するための試薬の容器など、物体を自動的に識別するために無線波を使用する技術の総称である。最も一般的な識別方法は、物体を識別するシリアル番号、および、おそらく物体またはその内容物に関する他の情報をアンテナに取り付けられたマイクロチップに記憶させることである。マイクロチップおよびアンテナは、合わせて無線周波数識別トランスポンダまたは無線周波数識別タグと呼ばれる。アンテナは、マイクロチップが識別情報およびその他の情報を無線周波数識別リーダに送信できるようにする。無線周波数識別リーダは、無線周波数識別タグから反射して戻ってきた無線波をその後それを利用可能なコンピュータに送られることができるデジタル情報に変換する。
【0022】
本明細書で使用される「無線周波数識別システム」という表現は、アンテナを備えるマイクロチップで構成される無線周波数識別タグ、およびアンテナを備える無線周波数識別質問器または無線周波数識別リーダを含むシステムを意味する。無線周波数識別リーダは電磁波を発信する。タグアンテナは、これらの波を受信するように調整されている。パッシブ無線周波数識別タグは、リーダによって作られた場から電力を引き出し、それを使ってマイクロチップの回路に電力を供給する。次いでマイクロチップは、パッシブ無線周波数識別タグが無線周波数識別リーダに送り返す波を変調し、そこで無線周波数識別リーダによって受信された波をデジタルデータに変換する。
【0023】
本明細書で使用される無線周波数識別タグのマイクロチップは、「読み書きマイクロチップ」、「読み出し専用マイクロチップ」、または「ライトワンス型マイクロチップ」であってもよい。読み書きマイクロチップの場合、無線周波数識別タグが無線周波数識別リーダの範囲内にあるとき、情報が無線周波数識別タグに追加されたり、または既存の情報が上書きされたりすることが可能である。読み書きマイクロチップは通常、上書きされることの出来ないシリアル番号を有する。無線周波数識別タグが取り付けられる製品に関する追加情報を保存するために、データの追加ブロックが使用されてもよい。これらの無線周波数識別タグは、データの上書きを防止するためにロックされることも、専有データの開示または患者のプライバシーを侵害するデータの開示を防止するために暗号化されることも、可能である。読み出し専用マイクロチップは、製造工程で保存された情報を有する。書き込まれた情報は決して変更することができない。ライトワンス型マイクロチップは、一旦書き込まれたシリアル番号を有し、その情報は後に上書きされることはできない。
【0024】
本明細書で使用される「アクティブ無線周波数識別タグ」という表現は、送信器、および自身の電源、一般的には電池を有する。電源は、マイクロチップの回路を動作させ、無線周波数識別リーダに信号をブロードキャストするために使用される。「パッシブ無線周波数識別タグ」には電池がない。その代わり、パッシブ無線周波数識別タグは無線周波数識別リーダから電力を引き出し、無線周波数識別リーダはタグのアンテナに電流を誘導する電磁波を発信する。「セミパッシブ無線周波数識別タグ」は、マイクロチップの回路を動作させるために電池を使用するが、無線周波数識別リーダから電力を引き出すことによって通信する。上記いずれのタイプの無線周波数識別タグも、本発明のシステムで使用することができる。
【0025】
本明細書で使用される「共振素子」という表現は、特定の周波数で最大振幅で振動する傾向のある素子を意味する。この周波数は、素子の共振周波数として知られている。共振素子は、機械的、音響的、または電気的であっても、おそらく2つ以上の共振周波数を有する。共振素子にとってそれらの周波数で振動することは容易であるが、他の周波数で振動することは共振素子にとってより難しい。共振素子は、インパルスまたは広帯域雑音励起などの、複合励起からその共振周波数を「選び出す」。実際、共振素子は、その共振周波数以外の全ての周波数を除外している。
【0026】
本明細書で使用される「アンテナ」という用語は、マイクロチップに結合されていて信号を送受信できる装置を意味する。
【0027】
本明細書で使用される「起源コード(genetic code)」という表現は、製品が製造されるときに製品に埋め込まれる識別標識を意味する。本明細書に記載の完成品において、起源コードは、完成品を形成するために使用されるポリマ材と配合される。
【0028】
本明細書で使用される「任意の方向を向いている」という表現は、基準となるシステムに対して不特定のパターンで配列または位置決めされていることを意味する。
【0029】
本明細書で使用される「チップレス無線周波数識別素子」という表現は、マイクロチップを有していない無線周波数識別素子を意味する。チップレス無線周波数識別素子は、マイクロチップを有する無線周波数識別タグよりも、低価格で、薄く、より柔軟性がある。これらは、より広い温度範囲で動作し、マイクロチップを有する無線周波数識別タグよりも電気的干渉の影響を受けにくい。チップレス無線周波数識別素子は、限られたメモリしかなく、暗号化はできない。
【0030】
本明細書で使用される「後方散乱」という用語は、波、粒子、または信号のもと来た方向へ戻る反射を意味する。
【0031】
本明細書で使用される「デコンボリューション」という用語は、記録されたデータ上の畳み込みの効果を反転させるために使用される、アルゴリズムに基づく、プロセスを意味する。デコンボリューションの概念は、信号処理および画像処理の技術において幅広く利用されている。通常、デコンボリューションの目的は、fg=hの畳み込み方程式の解を導き出すことである。通常、hは記録された何らかの信号であり、fは見つけたい何らかの信号であるが、記録されるまえに他の信号と一緒に畳み込まれてしまっている。関数gは、器機の伝達関数または物理的なシステムに印加された駆動力を表す可能性がある。gがわかれば、決定論的デコンボリューションが実行できる。gが事前に分からない場合、gの値を推定する必要がある。推定は、統計的推定方法を用いて実行されることが最も多い。
【0032】
チップレス無線周波数識別素子は、情報を保存するためのマイクロチップを必要としない。情報の保存は、アンテナまたは共振素子に依存している。チップレス無線周波数識別素子は、添加物として成型組成物と配合されることが可能である。配合された組成物は、従って、自身の起源コードを保持することができる。これらの組成物から成型された診断用途向けの容器は、約100KHzから約10GHzまでの周波数で、無線周波数識別リーダによって読み取ることができる。臨床検査室環境のため、例えば125KHzから134.2KHzなどの低周波(LF)帯域、および例えば13.56MHzなどの高周波(HF)帯域で動作することが好ましい。臨床検査室環境では、極超短波(UHF)およびマイクロ波周波数は、LFおよびHFよりも、液体、汚れ、金属からの干渉を受けやすい。
【0033】
成型容器に埋め込まれたチップレス無線周波数識別素子は、任意の方向を向いている。このため、検出は指向性ではない。典型的な無線周波数識別配置では、マイクロチップ−アンテナアセンブリの構成は、入ってくる電磁波を傍受(または結合)するように設計されている。電磁波は、無線周波数信号発生器によって発せられる。アンテナによって傍受される最大電磁信号は、入ってくる電磁波とアンテナコイルが一致したときに発生する。近距離用途では、向きはますます重要である。高価なマイクロチップやチップ−アンテナアセンブリを含んでいないので、チップレス無線周波数識別素子の費用は安い。チップレス無線周波数識別素子は成型組成物に混ぜ込まれるので、製品に貼り付けられる無線周波数識別タグのサイズに関する問題はない。
【0034】
図1は、アンテナ14に取り付けられたマイクロチップ12を有する無線周波数識別タグ10を示す。無線周波数識別タグ10は、チップレス無線周波数識別素子ではない。図2および図3を参照すると、容器20は、本体22および開口部24を含む。本体22に埋め込まれているのは、複数のカテゴリのチップレス無線周波数識別素子26a、26b、26c、26d、および26eである。チップレス無線周波数識別素子26aは、黒い四角形で示されている。チップレス無線周波数識別素子26bは、黒い丸で示されている。チップレス無線周波数識別素子26cは、黒い星印で示されている。チップレス無線周波数識別素子26dは「+」記号で示されている。チップレス無線周波数識別素子26eは、白い丸で示されている。図3において、素子は実際には四角、丸、星、および「+」記号の形状ではない。これらの象徴的な形状は、異なるカテゴリのチップレス無線周波数識別素子が採用されていることを示すことのみを意図している。また、各タイプのチップレス無線周波数識別素子で3つのみに参照番号が付されている。図3から分かるように、チップレス無線周波数識別素子26a、26b、26c、26d、および26eは、任意の方向を向いている。各カテゴリのチップレス無線周波数識別素子26a、26b、26c、26d、および26eは、固有の後方散乱周波数を提供する。チップレス無線周波数識別素子26a、26b、26c、26d、および26eのカテゴリの独特の混合は、製造ロットおよび製造ロットに関する情報の表示に使用されるように設計することができる。5つよりも多いカテゴリのチップレス無線周波数識別素子を使用することができることは、留意すべきである。
【0035】
チップレス無線周波数識別素子26a、26b、26c、26d、および26eは共振素子である。チップレス無線周波数識別素子26a、26b、26c、26d、および26eを含む各物体には複数の共振素子が設けられている。各共振素子は、二進符号として機能することができる。特定の共振素子が物体において使用される場合、その値はその桁で「1」に割り当てられる。同じ共振素子が物体から無くなると、その値はその桁で「0」に割り当てられる。このように、二進符号は、特定の共振素子の有無に基づいて割り当てられる。
【0036】
共振素子は、様々な強さの磁性を有する小さな粒子である。これらの粒子は通常、約0.1マイクロメートルから約10マイクロメートルの範囲の大きさである。これらの共振素子は、無線周波数リーダからの電磁波に曝されたときに共振する。各共振素子は、独自の無線周波数を発する。この周波数は無線周波数識別リーダによって捕捉され、共振素子の特定の混合物から発せられた全ての周波数がその後二進数として解釈される。共振素子のタイプの数に上限はないが、例えば、最大で100種類の共振素子を使用することができると予想されている。システムは、例えば最大で100種類の共振素子を使用することができるので、各共振素子は100桁の二進数の中で自身の位置を割り当てられる。例えば、共振素子A、B、C、D、およびEが100桁の数字の第一、第二、第三、第四、および第五の位置に割り当てられている場合、粒子A、C、およびDからなる混合物は、10110の後にゼロが95個続く二進数を表すことになる。なお、上記で解釈された二進数を容器およびその内容物の製造ロットを識別するためのデータ、ならびに容器およびその内容物の製造ロットに関する詳細情報を特定するためのデータに変換するために、データベースが構築されなければならないことも留意すべきである。例えば、10110の後にゼロが95個続く特定の二進数は、その二進数に関連づけられている容器が特定の試薬を含むこと、試薬が特定の使用期限を有すること、試薬には特定の保管期限があること、試薬は特定の量で提供されること、試薬には特定の製造元があること、試薬には特定の最高保管温度があることなどを示す可能性がある。データベースは、以下に示すようなタイプの表形式にすることができる:
【表1】

【0037】
共振素子は、その化学成分によって、互いに区別できる。例えば、炭素を共振素子「A」、銀を共振素子「B」、BaTiOを共振素子「C」、などとすることができる。
【0038】
本明細書に記載の物品を用意するために使用するのに適した共振素子は、例えばBaTiO、PbTiO、NaNbOなどの強誘電材料、例えば炭素、ニッケル、金、銀などの導電材料を含むが、これらに限定されない。共振素子の材料は、粉末、繊維、薄片などの形状を取ることができる。
【0039】
図4は、本明細書に記載の容器を用意する方法を示すフローチャートである。全体として、適切な共振素子が選択されている。ステップ30参照。次いで、好適な実施形態では、共振素子を含む事前配合濃縮物が用意される。ステップ32参照。このステップを実行するための技術は、当業者には知られている。濃縮物中の共振素子の濃度は、最終成型容器の中の周波数添加物の適切な分散を確実にするために決められた最終濃度の少なくとも5倍であることが好ましい。次いで、事前配合濃縮物は、共振素子およびポリマ材の最終化合物を作るために要求されるように希釈される。ステップ34参照。本明細書で使用される「配合」という用語は、各部を組み合わせることによって生産または製造する、すなわち混ぜることを意味する。次いで、最終化合物は、成型物を用意するために、成型プロセスを通る。ステップ36参照。成型プロセスの代表的な例は、後に記載される。ステップ38で、固有の無線周波数応答符号が定義される。ステップ40で、無線周波数応答符号がデータベースに提供される。
【0040】
チップレス無線周波数識別素子が埋め込まれている成型容器を用意するために、各カテゴリの共振素子に必要な濃度が決定される。決定される濃度は、成型容器の重量、寸法、および形状、診断用器機の部品レイアウト、ならびに無線周波数識別リーダの設計を含むが、これらに限定されない、システム全体の設計に依存する。共振素子の濃度は、無線周波数リーダによって受信される信号の強さに依存する。例えば、より小さい容器は、より大きい容器よりも少ない共振素子を含み、従って、小さい方の容器の共振素子の濃度は、大きい方の容器の共振素子の濃度よりも全体的に高いはずである。小さい方の容器中の共振素子の濃度が大きい方の容器中の共振素子の濃度を超えたとしても、大きい方の容器中の共振素子の絶対数は、おそらく小さい方の容器中の共振素子の絶対数を超える。共振素子の適切な分散を確実にするためには、事前配合濃縮物が用意されることが好ましい。言い換えると、一定で適切な混合を確実にするためには、二段階混合が好ましい。
【0041】
成型容器の本体を用意するための材料は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高衝撃ポリスチレンなどの熱可塑性プラスチック、および例えばフェノール、シリコーン、エポキシ、ポリウレタン、ポリエステルなどの熱硬化性材料を含む。
【0042】
図5は、本明細書に記載の容器を用意するために使用可能な成型プロセスでの使用に適合可能な成型装置を示す。射出成型機械50は、射出部52と型締部54の、2つの基本部分を含む。異なる射出成型機械は、射出部および型締部の両方が異なる。射出成型機械の名前は、一般的には使用される射出部のタイプに基づいている。以下の説明は、参照により本明細書に組みこまれる、インターネット:<URL:http://plastics.inwiki.org/injection_molding_machine>から取得されたInjection Molding Machine(オンライン)(2007年12月13日取得)を出典とする。
【0043】
射出部52は、ポリマまたは樹脂を融解し、ポリマまたは樹脂融解物を金型56の中に射出する。金型56は、第一半金型56aおよび第二半金型56bを含む。金型56は、ラム送りでもネジ送りでもよい。射出ラムは、溶融材料を金型56の半金型56a、56bの空洞に押し込むために、溶融したポリマまたは樹脂材料に圧力を印加するラムまたはネジである。往復ネジは、最も一般的なタイプの射出ラムである。本明細書に記載の設計は、ポリマまたは樹脂を溶解および射出するのに、同じバレルを使用する。供給ホッパ58は、往復ネジ60に供給される成型材料「M」の供給物を保持する容器である。供給ホッパ58はバレル62の上に位置し、供給スロート58aが供給ホッパ58とバレル62とを接続している。代替装置(図示せず)は、ポリマまたは樹脂を可塑化および射出するために、個別のバレルを使用する。この代替装置は、ネジ式事前可塑化機械、または二段階機械と呼ばれる。この代替装置では、第一段階でポリマまたは樹脂ペレットが供給ホッパからバレルに供給され、そこでポリマまたは樹脂を押し出してポリマまたは樹脂を融解するためにネジを使用する。第一段階のこのバレルは第二段階でバレルを供給し、後者のバレルは溶融ポリマまたは樹脂を金型内に射出するためにプランジャを使用する。旧式の機械は、ポリマまたは樹脂を融解および射出するために、1つのプランジャ駆動バレルを使用していた。これらの旧式機械は、プランジャ式射出成型機械と称される。バレル62は、供給ホッパ58からネジを通じて送られるポリマまたは樹脂を融解する主要部品であり、ポリマまたは樹脂を適温まで加熱できるような構造になっている。バンドヒータ64は、5カ所で温度を制御することができるが、これはバレル62の外側に取り付けられている。融解したポリマまたは樹脂は、バレルヘッド、遮断ノズル、およびワンタッチノズル66を通過して金型56に供給される。軸受け箱72の中に配置されている油圧モータ70はギア74でネジ60を回転させ、融解したポリマまたは樹脂はネジ60の先端で測定される。ポリマまたは樹脂の特性および製品のタイプに従って、適切な速度および圧力でポリマまたは樹脂を射出するのに必要な力を供給する射出シリンダには、多くのタイプがある。図5に示されるモデルは、二重シリンダタイプを採用している。射出シリンダ68は、シリンダ本体76、ピストン78、およびピストン加圧部80を含む。射出シリンダ68は、空気または油圧エネルギー源82の補助を受けて作動する。
【0044】
型締部54は、金型56の半金型56a、56bを保持し、金型56の半金型56a、56bを自動的に開閉し、金型56から完成部品を取り出す。型締部54の機構は、例えば機械式、油圧式、または油圧機械式など、いくつかの設計とすることができる。射出金型には、主に2つのタイプがある:コールドランナ(2枚板および3枚板設計)とホットランナ−より一般的なランナレス金型−である。射出プラテン84、86は、金型56の半金型56a、56bが取り付けられる、成型機械の剛板である。通常、2つのプラテン84、86が使用され、1つのプラテン84は固定され、もう1つのプラテン86は可動であって、金型56を開閉するために油圧シリンダ88によって油圧で作動可能である。プラテン84、86は、金型56の半金型56a、56bを実装する位置を提供する。プラテン84、86は、締め具(図示せず)を使用して金型56の半金型56a、56bを実装することができるネジ穴(図示せず)を含む。型締シリンダ90は、空気または油圧エネルギー源92の補助を受けて型締を達成する装置である。型締シリンダ90は、円筒形本体94、ピストン96、およびピストン加圧部98を有する。2つのタイロッド100a、100bは、固定プラテン84と可動プラテン86との間に配置されている。2つのタイロッド100c、100dは、可動プラテン86と型締シリンダ90の支持体102との間に配置されている。
【0045】
成型または成形プロセスは、射出成型、圧縮成型、ブロー成型、および引き抜き成型などのプロセスによっても実行することができる。
【0046】
動作
ここで図6を参照すると、代表的な無線周波数識別システム110は、無線周波数識別システム110から周辺機器に信号を送信するための送信器112、容器116からの応答を受信するためのリーダ114、容器116と通信するために無線周波数識別システム110のプロトコルを実行するためのマイクロプロセッサ120、無線周波数識別システム110の構成パラメータおよび無線周波数識別システム110用の信号読みだしリストを保存するためのメモリ122、ならびにセンサ、アクチュエータ、警報器、および無線周波数識別システム110に電力を供給するための電源(図示せず)などの、無線周波数識別リーダの外部の器機130を制御するための入出力経路124を含む。少なくとも1つの入出力経路124は、データベース132と通信する。
【0047】
図6を再度参照すると、送信器112は無線周波数識別信号に応答して、交流信号およびクロック周期をアンテナ(図示せず)を経由して容器116に送信する。エネルギーが保たれて雑音レベルが抑えられるため、連続波よりもパルス信号の方が好まれる。リーダ114は、無線周波素識別装置が付近にないときは、動作する必要がない。最大信号を受信するためのクロック間隔は制限され、周囲からの望ましくない雑音が減少する。クロック周期およびクロック間隔は、参照により本明細書に組みこまれる米国特許第4,438,520号明細書に、より詳細に記述されている。複数の共振素子を含む容器116は、吸収、回折、または散乱を示すことによって、無線周波数信号に反応する。リーダ114(または送受信器)は、容器116から戻ってきた信号を捕捉する。戻ってきた信号は、選択された共振素子の存在を識別するために、マイクロプロセッサ120の中の計量化学ソフトウェアプログラムによってデコンボリュートされる。マイクロプロセッサ120は、エラーチェックおよびその他の低レベルフィルタリングを実行し、情報の記録、情報の確認、および情報の認証のため、メモリ122内の復号されたデータを入出力経路124を通じて外部データベースに送る。外部データベースは、無線周波数識別装置向けに事前選択された起源コードを保持する。無線周波数識別システム110のメモリ122から送られた信号が届くと、データベースに保存された情報が認証され、確認され、更新され、通信されて、例えばアクチュエータ、センサ、警報器など、その他の外部機構130を起動させる。
【0048】
システムは、約100KHzから約10GHzの周波数帯域で動作することができる。先に説明されたように、臨床検査室環境のため、アプリケーションは、例えば125KHzおよび134.2KHzなどの低周波帯域、および例えば13.56MHzなどの高周波帯域で動作することが好ましい。これらの周波数は、UHF信号およびマイクロ波信号よりも、液体、汚れ、金属に対して感受性が低い。例えば赤外線、紫外線、および超音波など、その他の電磁波長も除外されるべきではない。
【0049】
チップレス無線周波数識別素子の範囲は、約1フィートまで可能である。チップレス無線周波数識別素子(近距離用途)は、約3インチを越えないことが好ましい。
【0050】
与えられた時間で1つの容器のみが読み取られるようにリーダ構成を設けることによって、干渉を減らすことができる。パルス信号の使用によって、電磁環境雑音を防止することができる。
【0051】
容器内の共振素子の存在を識別するために利用することができるデータデコンボリューションプロセスは、最小二乗回帰、多重線形回帰、および主成分分析を含むが、これらに限定されない。
【0052】
様々な濃度の共振素子の混合物の信号応答は、基準バックグラウンドとして記録され、リーダのメモリに保存される。装置の実際の応答が受信されると、最もよく一致するために、各タイプの共振素子の因数が構成されて分解されること可能である。因数は、主成分分析、最小二乗回帰、多重線形回帰によって分解されることが可能である。あるタイプの共振素子が存在しない場合、因数はゼロの値で解かれる。ある共振素子が存在する場合、因数の値はゼロではなく、1の値に割り当てられるべきである。これらの計算を支援するために、多くの市販ソフトウェアプログラムを使用することができる。デコンボリューションプロセスでの使用に適したソフトウェア計算の代表例は、MATLAB、SAS、MINITABを含む。図7は、信号がどのようにデコンボリュートされるかを示す。この信号では、共振素子CおよびEが容器に存在しないことがわかる。デコンボリューションに関するさらなる情報は、インターネット:<URL:http://support.sas.com/rnd/app/papers/pls.pdf>から取得されたRandall D.Tobias,An Introduction To「Partial Least Squares Regression」,SAS Institute Inc.,Cary,NC,pp.1−8、(オンライン)(2007年12月19日取得)およびJames R. Andrews,「Deconvolution of System Impulse Responses and Time Domain Waveforms」,Picosecond Pulse Labs,Boulder,CO(2004年11月),pp.1−6に記述があり、これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
上述のチップレス無線周波数識別素子は、診断試薬の容器、診断分析用使い捨て器機、および診断分析用再利用可能器機と共に使用することができる。
【0054】
図8は、本明細書に記載の容器を識別し、本明細書に記載の容器の例えば実験用試薬などの内容物に関する情報を確認する方法のフローチャートを示す。チップレス無線周波数識別素子を有する少なくとも1つの容器が、実験室自動化システムに提供される。ステップ200参照。少なくとも1つの容器からの情報は、ステップ210で読み出される。読み出しによって容器およびその内容物を識別する。その後容器の内容物に関する少なくとも1つのパラメータが確認される。そのようなパラメータの代表例は、容器の内容物の保管期限および精度を含むが、これらに限定されない。少なくとも1つのパラメータが確認されない場合、例えば保管期限を過ぎている場合、または容器の内容物に関する何かが不確かである場合には、警報が送られてプロセスが停止する。ステップ220および230参照。少なくとも1つのパラメータが確認された場合、例えば保管期限を過ぎていない場合、また容器の内容物に関する何かが正確である場合には、システムは、予定されている臨床検査に必要な試薬が全て揃っているか否かを判断することができる。ステップ240参照。必要な全ての試薬よりも少ない場合には、警報が送られてプロセスが停止される。ステップ250参照。必要な試薬が全て揃っていれば、臨床検査が実行される。ステップ260参照。上述のプロセスの記録も記録することができる。図8には示されていないが、自動化実験室向けに図8に示される方法を実行するためには、実験室自動化システムおよび実験室情報システムを動作させるために必要なコンピュータおよびソフトウェアを使用しなければならないことは、当業者には知られている。
【0055】
本発明は、多くの利益をもたらす。目視による(line of sight)読み取りは不要である。チップレス無線周波数識別素子の挿入は、物体を用意する製造工程の一部である。複数のチップレス無線周波数識別素子を同時に読み取ることができる。チップレス無線周波数識別素子は電池を必要としない。チップレス無線周波数識別素子によって提供される組合せの数は、例えば二進法の100桁など、非常に多い可能性がある。
【0056】
本明細書に記載の全てのポリマ材および共振素子は、市販されており、当業者には知られている。通常、本明細書に記載の容器で使用されるチップレス無線周波数識別素子の濃度範囲は、容器の重量、寸法、および設計、無線周波数識別リーダ114に対する容器の位置、ならびに無線周波数識別リーダの設計に依存する。
【0057】
本発明の様々な変更および修正は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者にとって明らかとなり、本発明が本明細書に記載の例示的実施形態に不当に限定されるものではないことは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチップレス無線周波数識別素子が内部に埋め込まれている本体を含む、容器。
【請求項2】
本体がポリマ組成物で成型されている、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
チップレス無線周波数識別素子が複数のカテゴリの共振素子を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
共振素子が、強誘電材料および導電材料からなる群から選択される、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
請求項1に記載の容器を用意する方法であって、
(a)容器の形状に成型可能なポリマ組成物を提供するステップと、
(b)共振素子を含むポリマ組成物を形成するために、複数のカテゴリの共振素子を前記ポリマ組成物に導入するステップと、
(c)共振素子を含む前記ポリマ組成物を成型して容器にするステップとを含む、方法。
【請求項6】
共振素子およびポリマ組成物の最終配合の前に、共振素子およびポリマ組成物が事前配合される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
無線周波数応答符号が定義される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
無線周波数応答符号がデータベースに提供される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
容器およびその内容物を識別するために無線周波数信号を採用するシステムであって、
(a)システムから請求項1に記載の容器へ信号を送るための送信器と、
(b)請求項1に記載の容器からの応答を受信するためのリーダと、
(c)請求項1に記載の容器と通信するために無線周波数識別リーダのプロトコルを実行するためのマイクロプロセッサと、
(d)リーダの構成パラメータおよびリーダ用の信号読み出しのリストを保存するためのメモリと、
(e)無線周波数識別リーダの外部にある器機を制御するための入出力経路と、
(f)システムに電力を供給するための電源とを含む、システム。
【請求項10】
データベースをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
システムの外部にある少なくとも1つの器機をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
容器の内容物に関する情報を確認する方法であって、
(a)少なくとも1つの請求項1に記載の容器を提供するステップと、
(b)チップレス無線周波数識別素子を読み出すステップと、
(c)ステップ(b)での読み出しによって少なくとも1つの請求項1に記載の容器を識別するステップと、
(d)少なくとも1つの請求項1に記載の容器の内容物の少なくとも1つのパラメータを確認するステップと、
(e)少なくとも1つのパラメータが確認された場合は次のステップが実行され、少なくとも1つのパラメータが確認されなかった場合には方法が中止されるステップと、
(f)容器の内容物を用いてラボ検査を実行するステップとを含む、方法。
【請求項13】
方法の様々なステップの結果を記録するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのパラメータが、(a)容器内の試薬の識別、(b)容器内の試薬の使用期限、(c)容器内の試薬の有効な保管期限、(d)容器内の試薬の量、(e)容器内の試薬の製造元の識別、および(f)容器内の試薬の最高保管温度からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−509217(P2011−509217A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539633(P2010−539633)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/086312
【国際公開番号】WO2009/085621
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】