説明

チョコレート風味のプロバイオティックサプリメント

【課題】本願発明は、食品に関する。特に、本願発明は、好ましくは小児年齢の人に、プロバイオティックバクテリアを多量且つ安定量投与する形態に関する。
【解決手段】本願発明は、さらには、チョコレート風味のプロバイオティックサプリメントに関し、特に、プロバイオティックバクテリアを含むチョコレートの核により表される内部部分と、外側コーティングとして表される外側部分と、を有するプロバイオティックタブレットに関する。特に、本願発明は、プロバイオティックバクテリアの多量且つ安定量の投与する形態に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、食品に関する。特に、本願発明は、好ましくは小児年齢の人に、プロバイオティックバクテリアを多量且つ安定量投与する形態に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明は、さらには、チョコレート風味のプロバイオティックサプリメントに関し、特に、プロバイオティックバクテリアを含むチョコレートの核により表される内部部分と、外側コーティングとして表される外側部分と、を有するプロバイオティックタブレットに関する。特に、本願発明は、プロバイオティックバクテリアの多量且つ安定量の投与する形態に関する。
【0003】
これらの存在は、プロバイオティックバクテリアを添加もしくは豊富に含んだチョコレートをベースにした食品もしくはチョコレート風味の食品の市場では、よく知られている。
【0004】
これらの食品としては、例えば、チョコレートを含む飲み物もしくはチョコレート風味の飲み物、チョコバー、チョコレート、およびビスケットなどが挙げられる。
【0005】
これらの食品は、しかしながら、いくつかの問題を有する。
【0006】
一つのめの問題としては、これらの食品が「プロバイオティックバクテリアを含む製品」に分類されることである。このような分類は、食品中の真のバクテリア量を評価せず、さらに時間経過に伴う製品内バクテリア量の維持なども評価していない。さらには、前記分類は、バクテリアの活性状態に無関係である。実際には、プロバイオティックバクテリアは、「プロバイオティックバクテリアを含む製品」としての食品中に、生きていて且つ活力のある微生物、もしくは死んだ微生物の状態のいずれかで存在する。したがって、これらの食品は、初めから、わずかな量のバクテリア(生きているおよび/または死んだ)を含むことも可能で、その結果、時間の経過と共にさらにすばやく減少し、機能性および健康面という観点からは効果がない。しかしながら、法律上は、前述の食品は、「プロバイオティックバクテリアを含んだ製品」として分類される。
【0007】
二つめの問題としては、時間の経過に伴うバクテリア量の減少は、様々な要因に起因しており、例えば、プロバイオティクスが添加される食品マトリクスの性質等である。
【0008】
食品マトリクスは、その中のバクテリア量を安定且つ活性のある状態にするのに重要な役割を果たしている。実際、該マトリクスの中には、互いに非常に異なる化学的および/または物理的な特性を有する成分が含まれている。これらの化学的および/または物理的特徴によって、マトリクス内で、種々の成分が分離するか凝集するかを解明することができる。また、食品マトリクス内の水分量は、非常に重要であり、バクテリア量の減少に関係する。
【0009】
チョコレートを含む食品もしくはチョコレート風味の食品では、カカオを使用するのが普通のであり、これは、チョコレート、カカオバター、カカオ豆の抽出油(カカオマスとも言われる)等を得るための基本的な材料である。
【0010】
しかしながら、チョコレートをベースにした食品もしくはチョコレート風味の食品の製造過程において、カカオおよび/またはカカオバターに「由来する」製品も多く使用される。「由来する製品」とは、チョコレートの香りや風味を出すことができるカカオおよび/またはカカオバターの代替物質を意味する。これらの物質は、カカオおよび/またはカカオバターのサロゲートとも呼ばれており、またはカカオおよび/またはカカオバターのイミテーションとも呼ばれる。
【0011】
例えば、前記「由来」製品には、飽和および/または不飽和の短鎖もしくは長鎖脂肪酸、および/または飽和および/または不飽和の短鎖もしくは長鎖脂肪酸エステル、例えばC6〜C18等を含む脂質などがある。
【0012】
チョコレートをベースにした食品もしくはチョコレート風味の食品業界では、カカオおよび/またはカカオバターに由来する製品を、カカオ、カカオバター、もしくはカカオマスの代わりに全体的にもしくは部分的に使用できる。
【0013】
上述のように、プロバイオティックバクテリアを添加したもしくは豊富にした食品は、つねに生きたバクテリアを体にとって有効な状態で供給できるというわけではないことが分かる。
【0014】
他の問題としては、時間の経過に伴うバクテリア量の減少が、乳酸菌を含む食品マトリクス間の相互作用、食品の外部倉庫、保管、移送の条件などに引き起こされることである。食品の前記外部条件は、特に、食品が置かれる外部環境の気温、湿度、水の含有量に依存する。特に、食品マトリクス間の相互作用および食品の外部倉庫、保管、移送の条件は、前記食品マトリクス内に含まれるプロバイオティックバクテリアの安定性および減少に影響を与える。
【0015】
上述の「プロバイオティックバクテリアを含む製品」に加えて、法律では、「プロバイオティック製品」という他のカテゴリーに分類される製品を規定している。これは、「プロバイオティックを含む製品」とは異なり、バクテリアの量に関してより厳しいルールがあり、これは、多量で活性を有し、時間が経過しても安定でなければならない。プロバイオティック製品は、人体に有益な機能を発揮できるものとして正当な機関により評価、登録および許可されるものである。
【0016】
プロバイオティック製品は、様々なタイプの商品および多くの医薬品の形態で販売でき、例えば、水に予め溶かすサシェ剤、カプセル、バイアル、タブレット、もしくは香錠剤などである。しかしながら、上述のタイプのものには、いくつかの問題がある。
【0017】
プロバイオティック製品を固形の形態に、例えばタブレットや香錠剤などに、調製し完成するのは、容易ではない。例えば、食品マトリクスを有するプロバイオティック製品、例えば、カカオおよび/またはカカオバターもしくはこれらの誘導体と、プロバイオティックバクテリアを有する食品マトリクスなどは、これは「プロバイオティック製品」の必要条件を満足しているが、問題がないわけではない。
【0018】
タブレットおよび香錠剤は、もっとも容易に使用できるため、これらは簡単に飲み込むことができ、そしていつどこでも摂取することができることから商業的にもっとも広く使われる形態である。粉状の材料には、通常10〜50kNの力を加える圧縮工程が医薬品技術では必要であることに留意されたい。この工程で、残念ながら、粉末の中に存在する微生物が大量に死亡し、その後に続く貯蔵寿命中におけるプロバイオティック製品の安定性にネガティブに影響するストレスを伴っている。
【0019】
そして、プロバイオテティクスを含むこのタイプの調製の多くは、プロバイオティック微生物の生きている細胞の割合が製造直後であっても非常に低いため、消費者に有益な影響をそれほど与えていない。これらの製品内での死亡率は、使用する菌種および賦型剤にもよるが、はじめに存在した細胞の90%を超えることもある。
【0020】
圧縮によるタブレットおよび香錠剤内の死亡率の問題の他に、これらのタイプの商品および医薬品は、さらなる問題を有している。すなわち、外部に対しての適切な隔離(バリアの提供)の達成の問題である。タブレット、香錠剤およびカプセルの主なパッケージングは、ガラスもしくはプラスチックのボトルやバイアルからなるが、これらは、大気中の湿度に対して適切なバリアーを保証できない。ブリスター包装であっても、それが不充分な材料で形成されている場合もしくは不充分な数の層で構成されている場合は、このようにパッケージされた製品を充分に隔離することはできない。
【0021】
特に、プロバイオティックバクテリアを取り込んだチョコレートもしくはチョコレート誘導体(カカオバター、カカオもしくはカカオバターの誘導体、カカオイミテーション)をベースにした高脂肪食品マトリクスにすでに存在している水分量を可能な限り最低レベルに維持し監視しつづけることは非常に重要である。これに加えて、前記マトリクス内の水含有量を増加させることになる前記食品マトリクスと外部環境との相互作用を全て制限することも同じく重要なことである。
【0022】
さらには、小児年齢の子供の場合には、錠剤、カプセル、もしくは香錠剤は、投与の形態として必ずしも快く受け入れられておらず、これは、これらが一般的に薬に似ているからである。
【0023】
このため、バクテリアの量が多量で、活性があり、時間の経過に対して安定していて、非常に使いやすく、特に消費者に受け入れられやすい「プロバイオティック製品」を可能にする必要性が残されている。特に、簡単に利用さらに投与でき、快適かつ受け入れられやすい物理的形態であって、小児年齢の人を対象としたプロバイオティック活性のある食品/サプリメントを可能にする必要性が残されている。
【0024】
さらには、多量且つ時間の経過に対して安定したバクテリア量を維持できるプロバイオティックバクテリアを含む食品もしくはサプリメントを可能にする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本出願人は、真に機能性を有し、特に小児に対する利用を考慮し、摂取しやすく、または移送および保管しやすく、さらに含まれるバクテリア量を多く且つ時間の経過に対して安定したプロバイオティック食品もしくはサプリメントを提案して、上述の必要性に応えている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本願発明の目的は、添付の独立請求項に記載の特徴を有する食品およびサプリメントからなる。該組成物は、食品マトリクスとプロバイオティックバクテリアを有する。
【0027】
前記食品マトリクスは、カカオおよび/またはカカオバターの誘導体を有する。
【0028】
本願発明の趣旨におけるカカオおよび/またはカカオバターの誘導体とは、カカオおよび/またはカカオバター由来の物、またはカカオ/カカオバターの代替物、またはチョコレートの香および/または風味を出す 物、またはカカオ/カカオバターのサロゲート、またはカカオ/カカオバターのイミテーションなどを意味する。
【0029】
本願発明の好ましい実施形態は、後述の詳細な説明に記載されており、これは例示であって、本願発明は、これに限定されるものではない。
【0030】
表1は、本願発明において、有効に使用できる微生物のグループを列挙している。
表2は、種々のマトリクスL1、L2、L3、およびL4に関し、時間に対する死亡率をパーセントで示している。
表3は、サプリメントA、B、C、およびDのタイプに関する。
表4は、サプリメントA、B、C、およびDの安定性のデータに関する。
【0031】
表5および6は、時間に対するバクテリア量の減少を特定する実験に関する。
【0032】
好ましい実施形態は、プロバイオティックバクテリアを加えた、チョコレートをもとにしたもしくはチョコレート風味ののコンフィ、ドラジェ、もしくはドロップスの種々の形態で示される。
【0033】
本願発明の一実施形態では、該コンフィもしくはドラジェは、チョコレート(ミルクもしくはフォンドンと共に)および/またはチョコレートイミテーションの核で表される。特に、コンフィの場合は、チョコレートの核は、適切な材料により覆われ、これは、「コンフェクショナイジング」とよばれる当業者にしられた技術である。
【0034】
該技術は、特に温度、pH、酸化還元電位、および湿度に対する関係において、プロバイオティック微生物に完全に適合した物理化学的条件に調整されたチョコレートの中にプロバイオティクスを取り込むことが必要である。このようにすることで、プロバイオティクスは、製造工程においてダメージを受けることなく、さらに後続の保管段階において保護される。
【0035】
プロバイオティック微生物をチョコレートもしくはチョコレートのイミテーションで覆う処理は、該分野の専門家のあいだでは公知である。しかしながら、本出願人は、カカオおよび/またはカカオバターの誘導体に関連して使用される8、10、および12の炭素数(C8、C10、およびC12)のうち少なくとも一つの脂肪酸もしくは少なくとも一つの脂肪酸エステルの存在は、プロバイオテッィクバクテリアにとって非常に有毒なことを見出した。
【0036】
少なくとも一つの前記脂肪酸および/またはそれらのエステルを含有するチョコレートのイミテーションは、プロバイオティクスを死亡させ、細胞と接触するだけで、1ログlog以上で死亡させる。
【0037】
したがって、前記カカオおよび/またはカカオバターのサロゲートおよび/またはイミテーションがカカオバターの代わりに使用される場合に、選択される特定のプロバイオティック成分と前記マトリクスの生体適合性の事前のチェックが必要になってくる。
【0038】
プロバイオティック微生物は、充分な量を充分な期間、消費者により取り込まれると有益な効果を生じることができる生きたバクテリアである。
【0039】
生成物の製造工程において使用される本願発明にかかるプロバイオティクスは、以下に記載の種類を含む一群から選択される:L.acidophilus、L.crispatus、L.gasseri、L.delbrueckii グループ、L.salivarius、L.casei、L.paracasei、L.plantarum グループ、L.rhamnosus、L.reuteri、L.brevis、L.buchneri、L.fermentum、B.adolescentis、B.angulatum、B.bifidum、B.breve、B.catenulatum、B.infantis、B.lactis、B.longum、B.pseudocatenulatum、S.thermophilus。
【0040】
本願発明の好ましい形態では、プロバイオティック成分は、上述のプロバイオティック種のうち1から6菌種、好ましくは1から3菌種を含む。
【0041】
表1には、本願発明の内容において有効に利用できる微生物の一群を例示している。
【0042】
すべての種類は、ブタペスト条約に基づいて寄託されており、要求があれば寄託機関により公衆にアクセス可能であるできるものである。
【0043】
組成物の全質量に対して、上述の菌種は、質量で0.1%〜10%、好ましくは質量で0.5%〜5%、さらに好ましくは質量で1%〜3%存在する。
【0044】
好ましい実施形態では、本願発明の対象となるサプリメントは、表1に記載した中から選択される、1から6菌種、好ましくは1から3菌種を含む
【0045】
該食品マトリクスは、カカオおよび/またはカカオバターの誘導体を含有でき、さらに他の成分、例えば保存料、甘味料、大豆レシチンなどを、組成物の全質量に対して、質量で1%から5%、好ましくは1%から3%含有してもよい。該食品マトリクスは、さらに繊維を含んでもよい。
【0046】
該食品マトリクスは、
a)カカオおよび/またはカカオバターの誘導体、および/または
b)カカオ、カカオバターもしくはカカオマスに関連するカカオおよび/またはカカオバターの誘導体、および/または
c)カカオ、カカオバターもしくはカカオマス、を含んでもよい。
【0047】
いずれの場合でも、該マトリクスは、C8、C10、およびC12の脂肪酸、および/またはC8、C10、およびC12の脂肪酸エステルを実質的に含まないものでなければならない。
【0048】
食品マトリクスは、組成物の全体の質量と比較して、質量で50%から99.9%、好ましくは、質量で70%から99.9%の量で存在している。
【0049】
前記食品マトリクスの全体の質量と比較して、C8またはC10またはC12の脂肪酸および/またはC8またはC10またはC12の脂肪酸エステルの全質量は、質量で10%以下である。C8、C10、C12の脂肪酸および/またはその脂肪酸エステルは、カプリル酸、カプリン酸、およびラウリル酸である。
【0050】
前記食品マトリクスの全体の質量と比較して、好ましくは、C8、C10およびC12の脂肪酸および/またはC8、C10およびC12の脂肪酸エステルの全質量は、5質量%未満である。有利には、前記質量での量は、前記食品マトリクスの全体の質量と比較して、0.1質量%から3質量%である。
【0051】
C8、C10、C12の脂肪酸エステルは、モノ−、ジ−、およびトリグリセリドを含む。該マトリクスは、モノ、ジ、およびトリグリセリドを含むC8、C10、およびC12の脂肪酸を実質的に含まない。
【0052】
さらに、トリグリセリド(トリアシルグリセロールとも呼ばれる)に関しては、グリセロールの天然のエステルであり、グリセロール分子が三つの脂肪酸と結合して形成されている。この三つの脂肪酸は、全て違うものであってもよいし、全て同じであってもよいし、二つだけ同じであってもよい。この場合においても、トリグリセリドは、C8、C10、およびC12の脂肪酸を実質的に含まない。
【0053】
カカオおよび/またはカカオバターの誘導体は、以下の中から選択されてもよい:
a)非ラウリル酸の脂肪。前記脂肪は、植物由来であり、好ましくは精製された形態である。有利には、そのような脂肪は、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノレイン酸、リノレン酸、アラキドン酸もしくはそれぞれに対して種々の比率の二つから七つの脂肪酸を有する適切な混合物から選択される少なくとも一つである。特に好ましい脂肪は、イリッペ脂、カリテバター、マンゴ核脂、セラヤ脂、コカムバター、ヤシ油、およびそれらの誘導体から選択される脂肪酸であることがわかった。
【0054】
カカオおよび/またはカカオバターの誘導体もしくはイミテーションは、以下の中から選択されてもよい:
b)大豆タンパク質、穀物由来のタンパク質、米タンパク質、卵タンパク質、乳清タンパク質、牛乳タンパク質、とうもろこしタンパク質、セルロース、デクストリン、ゴム、繊維、豆繊維、イヌリン、マルトデキストリン、ポリデキストロース、ポリオール、デンプン、修飾されたデンプン、脂肪酸エステルおよび乳化剤。
【0055】
a)およびb)に記載の前記カカオおよび/またはカカオバターの誘導体もしくはイミテーションは、他の誘導体もしくはイミテーションと共に使用してもよい。有利には、前記誘導体もしくはイミテーションa)およびb)は、カカオ、カカオバターもしくはカカオマスと共に使用され、もしくは上記で定義したカカオおよび/またはカカオバターの誘導体と共に使用する。
【0056】
いずれにしても、上記a)およびb)に記載のようなカカオおよび/またはカカオバターの前記誘導体もしくはイミテーション、および上述のカカオおよび/またはカカオバターに由来する生成物は、食品マトリクスの全体の質量と比較して、C8またはC10またはC12の脂肪酸および/またはC8またはC10またはC12の脂肪酸エステルから選択される一以上を、前記食品マトリクスの全体の質量と比較して、10質量%より多く、好ましくは5質量%より多く、含んではならず、有利には、質量で0.1質量%から3質量%である。
【0057】
前記組成物は、ビフィドジェニック活性のあるプレビオティック繊維および炭水化物、例えばイヌリン、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクト−およびトランスガラクトオリゴ糖(GOSおよびTOS)、グルコオリゴ糖(GOSα)、キシロオリゴ糖(XOS)、キトサンオリゴ糖(COS)、大豆オリゴ糖(SOS)、イソマルトオリゴ糖(IMOS)、耐性デンプン、ペクチン、オオバコ、アラビノガラクタン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシラン、ラクトサッカロース、ラクチュロース、ラクチトール、および種々のゴム類、アカシア繊維、カルバ(caruuba)繊維、オーツ麦繊維、竹繊維、柑橘類の繊維、さらに一般的に可溶性部分と不溶性部分を互いに様々な比率で有する繊維などを有しても良い。
【0058】
本願発明の好ましい形態では、前記組成物は、上述のプレバイオティック繊維から選択される、および/または相対的な割合でのそれらの好適な混合物の少なくとも一つを有する。
【0059】
ビフィドジェニック活性を有するプレバイオティック繊維および/または炭水化物の量は、存在しているならば、組成物の全体の質量に対して、0.5質量%から29.9質量%で、このましくは1質量%から15質量%、さらに好ましくは、2質量%から10質量%の範囲である。この場合、共生活性のあるサプリメントがある。
【0060】
さらには、食品組成物は、ビタミン、ミネラル、生体活性ペプチド、抗酸化活性のある物質、低コレステロール血症剤、低血糖化剤、抗炎症剤、および抗甘味料などの他の活性のある材料および/または成分を、組成物の全体の質量に対して、活性成分の種類の推奨されている一日の摂取量があれば、それに応じて、0.001質量%から10質量%、好ましくは0.5質量%から5質量%有してもよい。
【0061】
本願発明のサプリメントは、以下の方法で調製される。
【0062】
はじめに、カカオおよび/またはカカオバター、および/またはカカオおよび/またはカカオバターの誘導体を含有するチョコレート風味のペーストを調製する。前記ペーストは、好適な容量のタンク内でホモジェナイズされ、当該分野の専門家には公知の条件で加工される。前記加工は、公知の機械や装置を使い、さらに当該分野の専門家にはよく知られた通常の技術に従い、通常は28℃から36℃の間で前記ペーストを調整する工程を要する。いったん、前記ペーストが調整されると、液体/溶解状態で維持され、そして均一な塊が得られるまでプロバイオティックバクテリアおよびその他の材料が添加される。有利には、プロバイオティクスおよび/またはその他の活性成分が添加された後、前記プロバイオティクスおよび/またはその他の活性成分の均一な分散を得るのに必要な時間好適な攪拌機で混ぜる工程がある。プロバイオティックバクテリアおよびその他の材料を含む液体ペーストは、壁の温度が例えば15℃未満に維持されたレンズ型の種々のハウジング半体を有する回転する二つのローラーの上に注がれる。前記容器の壁と接触する前記ペーストは、すばやく固まり、各ローラーのハウジングの形状にはよるが、レンズ型になる(小さく平べったい楕円状のコンフィ)。
【0063】
好ましくは、チョコレート核の製造後、それらは、冷蔵温度において保持される必要があり、例えば4℃で、例えば通常6〜36時間の間で保持し、そのようにしチョコレートを完全な結晶にさせる。
【0064】
その後、そのようにして得られたレンズ型コンフィの外表面を覆う工程が、好ましくはコーティングパン内においてあってもよく、以下の一群から選択される少なくとも一つの物質で光沢をだす:マルトデキストリン、シェラック、セルロースアセトフタレート、ゼイン、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、砂糖、シロップ溶液、アラビアガム、および/またはその他の炭水化物、カルナウバワックスもしくは他のワックスなど。この段階では、一以上の乳白化物質および/または染色物質をさらに添加することが可能である。コンフェクショナイジング工程は、一般的に幾つかの工程を有し、当該分野の専門家に知られた技術では、これには上記の物質の一以上を特異的且つ連続して使用する必要がある。
【0065】
好ましい形態では、前記ペーストは、当該分野の専門家には知られた割合でカカオおよびカカオバターにより作られている。脂肪酸に関しては、カカオバターの組成は、以下のようにまとめることができる:パルミチン酸(24.4%〜26.2%)、ステアリン酸(34.4%〜35.4%)、オレイン酸(37.7%〜38.1%)、およびリノレイン酸(おおよそ2.1%)。
【0066】
本願発明の他の形態では、プロバイオティックバクテリアは、マイクロカプセルの形状で使用することができ、例えば、好ましくは植物由来の少なくとも一つの脂質を含む組成物により覆う。マイクロカプセル化されたバクテリアは、その後前記マトリクスに添加される。もしくは、前記マトリクスは、マイクロカプセル化されたバクテリアとマイクロカプセル化されていないバクテリアの両方を有することができる。
【0067】
本出願人は、カカオおよび/またはカカオバターに由来する生成物、カカオおよび/またはカカオバターの代替物、チョコレートの香りおよび/または風味を与える生成物、カカオおよび/またはカカオバターのサロゲートもしくはカカオおよび/またはカカオバターのイミテーションなどのカカオおよび/またはカカオバターの誘導体の調製によく使用される異なる脂質を試した。特に、本出願人は、表2に記載の脂肪酸の定性・定量組成物を有する購入可能な以下の脂質(L1、L2、L3、L4)を試験した。
【0068】
L1〜L4の各生成物の1.709mgのサンプルを液体サンプルが得られるまで46℃のオーブンで加熱した。その後、サンプルを37℃にし、Lactobacillus paracasei LMG P−21380のプロバイオティック微生物の凍結乾燥培地を291mg添加して、各サンプルが2.5x10CFUのプロバイオティックバクテリアを含む質量が2.000mgになるサンプルを作った。前記プロバイオティックバクテリアは、均一なサンプルが得られるまでサンプル内でホモジェナイズされ、その後すぐに好適な鋳型に注入し、すばやく固まるように+5℃で冷却した。バクテリアの微生物カウントおよび死亡率の計算は、サンプルを冷蔵庫にいれる前の時間0(T0)と、冷蔵庫にサンプルを入れてから2ヶ月後(T2)と4ヶ月後(T4)と、12ヶ月後(T12)において各サンプルで行った。表2を参照されたい。
【0069】
表2では、脂質サンプルL3およびL4では、サンプル中に存在するプロバイオティックバクテリアに対して有毒な作用を及ぼさなかったことを示している。バクテリア量の維持は、12ヶ月後であっても非常に高く、さらに該バクテリアは、良好な活性の状態で保たれていた。
【0070】
L.paracaseiのLMG P−21380株の生体適合性試験の他に、脂肪酸の異なる組成においてその他のプロバイオティック種および他の脂質マトリクスについても多くの試験をした。これらの全ての試験では、食品マトリクスの全体の質量と比較して、C8−C10−C12の脂肪酸もしくは脂肪酸エステルの量が10質量%未満、有利には5質量%未満の脂肪物質にのみプロバイオティクスが適合性を示すことを明らかにしている。
【0071】
有利には、食品マトリクスの全体の質量と比較して、C8脂肪酸もしくは脂肪酸エステルの量は、質量で3%〜5%の間であり、有利には3%未満である。
【0072】
有利には、食品マトリクスの全体の質量と比較して、C10脂肪酸もしくは脂肪酸エステルの量は、3質量%〜5質量%の間であり、有利には3質量%未満である。
【0073】
有利には、食品マトリクスの全体の質量と比較して、C12脂肪酸もしくは脂肪酸エステルの量は、1質量%未満である。
【0074】
本願出願人は、チョコレート風味のプロバイオティック食品サプリメントの調製に好適なカカオおよび/またはカカオバターのイミテーションは、炭素数8、10、12の脂肪酸および/またはトリグリセリドを最大10%含有してもよい。
【0075】
脂質マトリクスの生体適合に関連する結果によると、チョコレート風味の食品サプリメントは、表3から推定できる量のプロバイオティック菌種を含有する、カカオおよび/またはカカオバター、もしくはカカオおよび/またはカカオバターの好適なイミテーションを元にしたコンフィからなっている。
【0076】
表3では、コンフィA、B、C、およびDにおいて、食品マトリクスは、組成物の全質量と比較して60質量%の比率でイミテーションと組み合わされたカカオおよびカカオマスと、全質量と比較して20質量%の比率で存在するカカオバターおよびイミテーションで表される物質と、で表される。有利には、砂糖が5%〜20%の間の割合で添加され(この場合は、12%)、コンフィAおよびBの場合は、大豆レシチンが2%の割合で添加された。残りの部分については、添加物、保存料、および他の物質により形成される。
【0077】
全てのコンフィに使われたプロバイオティック菌種は、Lactobacillus paracasei LMG P−21380、Bifidobacterium breve DSM 16604、およびLactobacillus rhamnosus DSM 16605の混合物で表され、これらは、互いに対して生きた細胞で1:1:1の比率で使われた。生体適合および安定性試験で使われた1グラムの食品マトリクスにおけるプロバイオティック菌種の全体的な濃度は、全ての場合およびプロバイオティクスのコンフェクショナイジングユニットを作る、いずれの場合においても、5億CFU/gである。
【0078】
加工後、上述のサプリメント内のプロバイオティック細胞の濃度を同定し、その後+25℃において最大で2年間保存し、3、6、12および24ヶ月における全プロバイオティック量(数百万のCFU/gで表される)の減少率を評価した。
【0079】
表4は、集められた安定性データを示す。
【0080】
表4から、本願発明に従って、加工されたコンフィCおよびDは、当該技術水準を表し、さらにチョコレートからなるコンフィAと比較して、わずかに優れているわけではないとしても、少なくとも重複した安定性を示している。当該技術水準の一部を形成し、さらにカカオバターのイミテーションを含むチョコレート風味の物の例示であるコンフィBは、他の二つと比べて著しく安定性が劣り、これは前記イミテーションの存在下では、保存中にプロバイオティック菌種の減少キネティクスを著しく促進させたことを示す。さらに、加工直後、コンフィBのプロバイオティック量が著しく減少したことを強調しておきたい。したがって、これは、プロバイオティック菌種に対して、食品マトリクスに急性毒性の問題があるということを示している。
【0081】
好ましい実施形態では、前記サプリメントは、食品マトリクスの質量に対して、80%より多いステアリン酸およびパルミチン酸を質量で含む食品マトリクスを有しており、前記食品マトリクスの全体の質量に対して、C8−C10−C12の脂肪酸および/または脂肪酸エステルは、10質量%未満である。
【0082】
有利には、前記サプリメントは、食品マトリクスの質量に対して、90%より多いステアリン酸およびパルミチン酸を質量で含む食品マトリクスを有しており、前記食品マトリクスの全体の質量に対して、C8−C10−C12の脂肪酸および/または脂肪酸エステルは、5質量%未満である。
【0083】
したがって、本出願人は、プロバイオティックな効果を有する微生物に完全に適合し、さらに+25℃において適切な安定性を与えることができるカカオおよび/またはカカオバターのイミテーションを使い、チョコレート風味のコンフィを作ることを可能にしたことを示した。
【0084】
本願発明の別の形態の例を、以下に例示として示しているが、これに限定されるわけではない:平均が20から250グラムの様々な重さのバー、柔らかい中心を有するバー、チョコレート、液体もしくは半固体の中心のチョコレート、ムース、卵、プラリネ、ドロップス、ドラジェ、ボール、ディスク、様々な形状と重さの核など。前記形状、特にプラリネ、ドロップス、ドラジェ、ボール、ディスク、および様々な形状と重さの核は、上述の記載および当該技術水準にしたがって、少なくとも1回のコンフェクショナイジング工程を行うことができる。
【0085】
本願発明の対象である生成物は、したがって、特に子供で享受される感覚受容的特性や、さらに簡単に飲み込めることを考慮すると、どんなプロバイオティック微生物に対しても理想的な担体として考えることができる。
【0086】
さらに、本出願人は、内部部分と外側部分を有する食品もしくはサプリメントを完成した。
【0087】
内部部分(食品マトリクス)は、カカオおよび/またはカカオバター、および/またはカカオおよび/またはカカオバターの誘導体を有する。
【0088】
前記内部部分は、脂質組成物に覆われたもしくは包まれたプロバイオティックバクテリアをさらに有する。
【0089】
有利には、前記内部部分にあるプロバイオティックバクテリアは、脂質組成物により覆われたもしくは包まれたバクテリアのみである。
【0090】
前記脂質組成物は、少なくとも一つの脂質を有し、前記少なくとも一つの脂質は、植物由来である。
【0091】
有利には、前記植物由来の脂質は、飽和脂肪を有する一群から選択される。
【0092】
有利には、融点が75℃より低く、好ましくは45℃から65℃間の飽和脂肪が使用される。
【0093】
好ましい実施形態では、前記飽和脂肪は、飽和脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリド、飽和脂肪酸および遊離飽和脂肪酸でエステル化されたポリグリセロールを含む一群から選択される。好ましくは、前記飽和脂肪は、ポリグリセリンジステアリン酸、グリセリルパルミトステアレート、および非ラウリル酸の水素化植物油から選択される。
【0094】
脂肪および脂質マトリクスの技術分野の専門家にはよく知られているように、脂質組成物は、数種類の脂質の質量による分布を有してもよい。したがって、本願発明で使われるある特定の脂質組成物が、大部分の量を占める一つの脂質と、一以上の小数の脂質から構成される場合を除くものではない。
【0095】
本出願人は、カカオおよび/またはカカオバター、および/またはカカオおよび/またはカカオバターの誘導体を含む脂肪性の食品マトリクスにより表される内部部分は、含有するバクテリア量を安定かつ活性のある状態に維持するのに重要な役目を果たす。
【0096】
特に、バクテリア量の減少もしくは安定性に影響するのは、内部部分(脂肪性の食品マトリクス)に含まれる水分含有量である。
【0097】
内部部分(脂肪性の食品マトリクス)に含まれる水分含有量は、外側との相互作用によって変化してもよい。
被覆されていないプロバイオティックバクテリア(「裸」のプロバイオティックバクテリア)を含む内部部分(脂肪性の食品マトリクス)を有する食品の場合、前記内部部分に被覆層もしくは包被層である外側部分を形成すると、前記内部部分に含まれるバクテリア量の時間の経過に対する減少に影響を与えることを本出願人は見出した。
【0098】
実際に、被覆層もしくは包被層で表される外側部分に存在する水分含有量のすべてもしくは少なくとも一部分が、脂肪性の食品マトリクスで表される、これは化学的にも物理的にも親水性でないことはよく知られているが、内部部分に移動しているのを確認している。
【0099】
前記外側部分から前記内側部分に向かっての水分含有量の移動は、乳酸菌がある内側部分での水分含有量の増加に貢献する。水分含有量が多ければ多いほど、時間の経過に対するバクテリア量の減少および安定性の低下に影響を与える。
【0100】
本願発明においては、カカオおよび/またはカカオバターの誘導体とは、カカオおよび/またはカカオバターに由来する物、もしくはカカオおよび/またはカカオバターの代替物、もしくはチョコレートの香りおよび/または風味を与える物、もしくはカカオおよび/またはカカオバターのサロゲートもしくはカカオおよび/またはカカオバターのイミテーションを意味する。チョコレートは、この記載に該当することから、本願発明の範囲に入ると言える。
【0101】
本願発明の好ましい実施形態では、食品およびサプリメントは、被覆されたタブレットの形状(コンフィもしくはドラジェとも言われる)。脂肪性の食品マトリクスで表される内部部分は、「核」もしくは「中核」とも呼ばれる。
【0102】
外側部分は、被覆もしくは塗布層で表される。
【0103】
本願発明の他の実施形態では、前記食品は、プラリネ、中身の入ったチョコレート、もしくはスマーティーズ(smarties)の形状であってもよい。
【0104】
また、投与の他の固体の形態も構想されており、材料の圧縮がバクテリアを死亡させないように行われる、例えばカプセル、タブレットもしくは香錠剤などである。
【0105】
上述の全ての形態は、コンフェクショナイズ、消費、移送および保管が容易である。
【0106】
コンフィもしくはドラジェの内部部分は、例えばミルクおよび/またはフォンドンチョコレートなどの、例えばカカオおよび/またはカカオバター、および/またはカカオおよび/またはカカオバターの誘導体などの核で表すことができる。
【0107】
有利には、上述したように、前記内部部分に含まれるプロバイオティックバクテリアは、脂質組成物で被覆もしくは包被したバクテリアのみである。
【0108】
被覆層もしくは包被層を形成できる材料は、コンフィもしくはドラジェの内部部分に適用される。前記被覆層もしくは包被層は、外側部分を表す。
【0109】
前記外側部分は、前記内部部分の少なくとも一部を被覆もしくは包被し、もしくは、前記外側部分は、前記内部部分を完全に被覆もしくは包被する。
【0110】
内部部分および外側部分は、互いに直接に接触していてもよく、もしくは、内部部分と外側部分は、少なくとも一つの分離層により分けられていてもよい。
【0111】
好ましい実施形態では、前記少なくとも一つの分離層は、カルナウバワックス、蜜蝋、シェラック、植物性ステアリン、パラフィン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、もしくは好適なそれらの混合物を有する一群から選択される物質を含む。
【0112】
特に、前記少なくとも一つの分離層は、前記内部部分もしくは核の質量と比較して、2質量%から20質量%である。
【0113】
本願発明の好ましい形態では、前記少なくとも一つの分離層は、前記内部部分の質量と比較して、3質量%から10質量%の間であり、好ましくは4質量%から7質量%の間である。
【0114】
分離層は、当該分野の専門家には知られた方法および装置を使用して適用される。
【0115】
被覆されたタブレット(コンフィもしくはドラジェとも呼ばれる)の場合は、被覆もしくは包被(外側部分)は、当該技術分野の専門家の間では「コンフェクショナイジング」として知られている。
【0116】
コンフェクショジングは、当該技術分野の専門家には知られた方法および装置を使用して行われる。
【0117】
好ましい実施形態では、コンフェクショナイジングは、マルトデキストリン、シェラック、セルロールアセトフタレート、デンブン、ゼイン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン、砂糖、シロップ溶液、サッカロース、甘味料、アラビアガムおよび/または他の炭水化物、カルナウバワックスもしくは他のワックスなどを有する水溶液を用いる。この段階のコンフェクショナイジングでは、さらに、一以上の乳白化および/または染色物質を添加してもよい。コンフェクショナイジング工程は、一般的にいくつかの段階があり、これは、当該技術分野の専門家に知られた技術にしたがい、特異的かつ連続的に一以上の上述の物質を使う必要がある。
【0118】
他の好ましい実施形態では、前記外側部分は、さらに食物繊維を有し、好ましくは、イヌリン、耐性デンブン、ペクチン、オオバコ、アラビノガラクトース、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシラン、アカシア繊維、カルバセンイ、オーツ麦繊維、竹繊維、柑橘類からの繊維、および一般的にそれぞれに対して種々の割合で可溶性部分と不可溶性部分を有する繊維を有する一群から選択される長鎖から選択される。
【0119】
有利には、前記繊維は、イヌリン、および柑橘類の繊維を有する一群から選択され、好ましくは、質量比で1:3から3:1である。
【0120】
前記微生物は、充分な量を充分な期間摂取すると消費者に有益な効果をもたらすことができる生きたプロバイオティックバクテリアである。
【0121】
本願発明に係る食品およびサプリメントの製造に使用されるバクテリアは、以下に示す種類を有する一群から選択される:L.acidophilus、L.crispatus、L.gasseri、L.delbrueckiiグループ、L.salivarius、L.casei、L.paracasei、L.plantarumグループ、L.rhamnosus、L.reuteri、L.brevis、L.buchneri、L.fermentum、B.adolescentis、B.angulatum、B.bifidum、B.breve、B.catenulatum、B.infantis、B.lactis、B.longum、B.pseudocatenulatum、S.thermophilus。
【0122】
本願発明の好ましい実施形態では、前記食品は、上述のプロバイオティックな種類の中から、1から6菌種、好ましくは1から3菌種を有する。
【0123】
表1は、例示として、本願発明において有効に利用できる微生物の一群を示す。
【0124】
上述の種類は、組成物の全体の質量と比較して、0.1質量%から10質量%、好ましくは0.5質量%から5質量%、さらに好ましくは1質量%から3質量%の範囲で存在する。
【0125】
好ましい実施形態では、本願発明の対象である食品またはサプリメントは、表1の記載から選択される1から6菌種、好ましくは1から3菌種を有する。
【0126】
カカオおよび/またはカカオバター、および/またはカカオおよび/またはカカオバターの誘導体を有する食品もしくはサプリメントの内部部分は、さらに例えば、保存料、甘味料、大豆レシチン、風味剤、染色剤などの他の材料を組成物の全体の質量と比較して、0.1質量%から10質量%、好ましくは0.5質量%から5質量%、さらに好ましくは1質量%から3質量%含有してもよい。
【0127】
食品の内部部分は、カカオおよび/またはカカオバターの「誘導体」を含有することができ、もしくは前記誘導体をカカオ、カカオバターまたはカカオマスに関連して含んでもよい。
【0128】
食品の内部部分は、食品の全体の質量と比較して、25質量%から90質量%、好ましくは35質量%から75質量%の範囲で存在し、より好ましくは45質量%から60質量%で存在する。
【0129】
本願発明の好ましい実施形態では、食品マトリクスで表される内部部分は、C8、C10、およびC12の脂肪酸および/またはC8、C10、およびC12の脂肪酸エステルを実質的に含まない。
【0130】
有利には、C8、C10、およびC12の脂肪酸および/またはC8、C10、およびC12の脂肪酸エステルの全体の質量は、内部部分の全体の質量と比較して10%未満である。C8、C10、およびC12の脂肪酸および/またはそれらの脂肪酸エステルは、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸である。
【0131】
好ましくは、C8、C10、およびC12の脂肪酸および/またはC8、C10、およびC12の脂肪酸エステルの全質量は、内部部分の全体の質量と比較して、5質量%未満である。有利には、内部部分の全体の質量と比較して、前記質量での量は、0.1質量%から3質量%である。
【0132】
「C8、C10、C12の脂肪酸エステル」は、モノ−、ジ−、およびトリ−グリセリドを含む。前記マトリクスは、モノ−、ジ−、およびトリ−グリセリドを含むC8、C10、C12の脂肪酸エステルを実質的に含まない。
【0133】
さらに、トリグリセリド(トリグリセロールとしても知られる)は、グリセロールの天然エステルであり、三つの脂肪酸が結合したグリセロール分子であり、該三つの脂肪酸は、すべて違うものであってもよく、すべて同じであってもよく、また二つだけが同じでもよい。この場合においても、トリグリセリドは、C8、C10、およびC12の脂肪酸を実質的に含まない。
【0134】
カカオおよび/またはカカオバターの誘導体は、下記から選択されてもよい:
a)非ラウリル由来の脂肪。前記脂肪は、植物由来であり、好ましくは精製された形態である。
【0135】
有利には、このような脂肪は、以下の中から選択される少なくとも一つの脂肪酸を含む:パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノレイン酸、リノレン酸、アラキドン酸もしくはそれぞれに対して種々の比率の二つから七つの脂肪酸を有する適切な混合物から選択される少なくとも一つである。特に好ましい脂肪は、イリッペ脂、カリテバター、マンゴ核脂、セラヤ脂、コカムバター、ヤシ油、およびそれらの誘導体から選択される脂肪酸であることがわかった。
【0136】
カカオおよび/またはカカオバターの誘導体もしくはイミテーションは、以下の中から選択されてもよい:
b)大豆タンパク質、穀物由来のタンパク質、米タンパク質、卵タンパク質、乳清タンパク質、牛乳タンパク質、とうもろこしタンパク質、セルロース、デクストリン、ゴム、繊維、豆繊維、イヌリン、マルトデキストリン、ポリデキストロース、ポリオール、デンプン、修飾されたデンプン、脂肪酸エステルおよび乳化剤。
【0137】
a)およびb)に記載の前記カカオおよび/またはカカオバターの誘導体もしくはイミテーションは、他の誘導体もしくはイミテーションと共に使用してもよい。有利には、前記誘導体もしくはイミテーションa)およびb)は、カカオ、カカオバターもしくはカカオマスと共に使用され、もしくは上記で定義したカカオおよび/またはカカオバターに由来する生成物と共に使用する。
【0138】
いずれにしても、上記a)およびb)に記載のようなカカオおよび/またはカカオバターの前記誘導体もしくはイミテーション、および上述のカカオおよび/またはカカオバターに由来する生成物は、食品マトリクスの全体の質量と比較して、C8またはC10またはC12の脂肪酸および/またはC8またはC10またはC12の脂肪酸エステルから選択される一以上を、10質量%より多く、好ましくは5質量%より多く、含んではならず、有利には、0.1質量%から3質量%である。
【0139】
好ましい実施形態では、該食品の内部部分は、ビフィドジェニック活性のあるプレビオティック繊維および炭水化物、例えばイヌリン、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクト−およびトランスガラクトオリゴ糖(GOSおよびTOS)、グルコオリゴ糖(GOSα)、キシロオリゴ糖(XOS)、キトサンオリゴ糖(COS)、大豆オリゴ糖(SOS)、イソマルトオリゴ糖(IMOS)、耐性デンプン、ペクチン、オオバコ、アラビノガラクタン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシラン、ラクトサッカロース、ラクチュロース、ラクチトール、および種々のゴム類、アカシア繊維、カルバ(caruuba)繊維、オーツ麦繊維、竹繊維、柑橘類の繊維、さらに一般的に可溶性部分と不溶性部分を互いに様々な比率で有する繊維などを有しても良い。
【0140】
本願発明の好ましい実施形態では、食品の内部部分は、少なくとも一つの上述のプレバイオティック繊維から選択される、および/または、相対的な割合でのそれらの好適な混合物を有する。
【0141】
ビフィドジェニック活性を有するプレバイオティック繊維および/または炭水化物の量は、前記食品の内部部分に存在しているならば、食品の全体の質量に対して、0.5質量%から29.9質量%で、このましくは1質量%から15質量%、さらに好ましくは、2質量%から10質量%の範囲である。この場合、該食品は、共生活性のあるサプリメントがある。
【0142】
さらには、前記食品もしくはサプリメントの内部部分は、ビタミン、ミネラル、生体活性ペプチド、抗酸化活性のある物質、低コレステロール血症剤、低血糖化剤、抗炎症剤、および抗甘味料などの他の活性のある材料および/または成分を、組成物の全体の質量に対して、活性成分の種類の推奨されている一日の摂取量があれば、それに応じて、0.001質量%から20質量%、好ましくは0.01質量%から5質量%有してもよい。
【0143】
本願発明の対象である前記食品もしくはプロバイオティックサプリメントは、以下の方法に調製できる。
【0144】
カカオおよび/またはカカオバター、および/またはカカオおよび/またはカカオバターの誘導体を有するチョコレート風味のペーストを調製する。
【0145】
前記ペーストは、適切な容量のタンク内でホモジェナイズし、そして当該技術分野の専門家には公知の実行条件で加工する。
【0146】
前記加工は、公知の機械や装置を使い、さらに当該分野の専門家にはよく知られた通常の技術に従い、通常は28℃から36℃の間で前記ペーストを調整する工程を要する。
【0147】
いったん、前記ペーストが調整されると、液体/溶解状態で維持され、そして均一な塊が得られるまでプロバイオティックバクテリアおよびその他の材料が添加される。前記プロバイオティックバクテリアは、予め脂質組成物で覆われている。
【0148】
有利には、前記プロバイオティックバクテリアは、マイクロカプセル化の技術により予め脂質組成物で覆われる。有利には、プロバイオティックスおよび/または他の活性組成物を添加したあと、前記プロバイオティクスおよび/または他の活性組成物の均一な分散を得るのに必要な時間だけ好適な攪拌機で混ぜる工程がある。
【0149】
プロバイオティックバクテリアおよびその他の材料を含む液体ペーストは、壁の温度が例えば15℃未満に維持されたレンズ型の種々のハウジング半体を有する回転する二つのローラーの上に注がれる。容器の壁と直接に接するペーストは、急速に固まり、固体化する。
【0150】
たとえば、小さくひらべったい楕円状の卵型などのレンズ型形状などである。得られる個体の形状は、各ローラーにあるハウジングの形状次第である。得られたこの固体形状が、食品の内部部分(脂肪性の食品マトリクス)を表す。内部部分は、「核」もしくは「中核」とも呼ばれる。
【0151】
好ましくは、内部部分の加工後(ドロップもしくはボールの形状のチョコレート)、それらは、冷蔵温度において保持される必要があり、例えば4℃で、例えば通常6〜36時間の間で保持し、そのようにしチョコレートを完全な結晶にさせる。
【0152】
そして、被覆もしくは包被をする工程(コンフェクショナイジング)があり、好ましくはコーティングパン内で行われ、上述のようにして得られた内部部分に対し最終食品の外側部分を形成する。
【0153】
前記外側部分は、例えばコンフェクショナイジングなどのコーティングにより形成され、これにはマルトデキストリン、シェラック、セルロールアセトフタレート、デンブン、ゼイン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン、砂糖、シロップ溶液、サッカロース、甘味料、アラビアガムおよび/または他の炭水化物、カルナウバワックスもしくは他のワックスなどを有する水溶液が必要である。
【0154】
この段階のコンフェクショナイジングでは、さらに一以上の乳白化および/または染色物質を添加できる。コンフェクショナイジング工程は、一般的にいくつかの段階があり、これは、当該技術分野の専門家に知られた技術にしたがい、特異的かつ連続的に一以上の上述の物質を使う必要がある。
【0155】
好ましい実施形態では、コンフェクショナイジングには、前記外側部分を形成するために少なくとも一つの食物繊維を使用することを含むことができる。前記食物繊維は、イヌリン、耐性デンブン、ペクチン、オオバコ、アラビノガラクトース、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシラン、アカシア繊維、カルバセンイ、オーツ麦繊維、竹繊維、柑橘類からの繊維、およびそれぞれに対して種々の割合で一般的に可溶性部分と不可溶性部分を有する繊維を有する一群から選択される、好ましくは長鎖から選択される。
【0156】
有利には、前記繊維は、イヌリン、および柑橘類の繊維を有する一群から選択され、好ましくは、質量比で1:3から3:1である。
【0157】
好ましい実施形態では、本願発明の対象である前記食品の内部部分は、少なくとも一つの分離層により外側部分(コンフェクショナイジング)と分けられていてもよい。
【0158】
好ましい実施形態では、前記少なくとも一つの分離層は、カルナウバワックス、蜜蝋、シェラック、植物性ステアリン、パラフィン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、もしくは好適なそれらの混合物を有する一群から選択される。
【0159】
前記分離層は、当該技術分野の専門家に知られた技術に従って適用され、好ましくはコーティングパンの中で行われる。
【0160】
特に、固体形状の上述の物質を利用して適用でき、室温のコーティングパン内で攪拌し続けられている核もしくはドラジェ(食品の内部部分)に順次添加して適用される。もしくは、分離層を形成する前記物質は、それらの融点よりも5℃から10℃高い温度で溶かすことができ、そして、攪拌し続けられている核もしくはドラジェに均一な層が形成されるまで、たとえ非常に粘度が高いとしても、液体状態で適用することができる。
【0161】
好ましい実施形態では、前記ペーストは、当該技術分野の専門家に知られた割合のカカオおよびカカオバターで作られる。脂肪酸に関しては、カカオバターの組成は、以下のようにまとめることができる:パルミチン酸(24.4%〜26.2%)、ステアリン酸(34.4%〜35.4%)、オレイン酸(37.7%〜38.1%)、およびリノレイン酸(おおよそ2.1%)。
【0162】
本願発明の他の形態では、プロバイオティックバクテリアは、マイクロカプセルの形態で使用することができ、例えば、好ましくは植物由来の少なくとも一つの脂質を含む組成物により覆う。マイクロカプセル化されたバクテリアは、その後前記マトリクスに添加される。
【0163】
好ましくは、マイクロカプセルの形状の前記バクテリアは、当該技術分野の専門家には知られた流動床技術を使ってマイクロカプセル化する。例えば、流動床技術は、脂質性の塗布材料が使用されるときなどに、使われてもよい(たとえば、トップスプレーもしくはボトムスプレー)。
【0164】
好ましい実施形態では、融点が75℃以下、好ましくは45℃から65℃の間の飽和性植物油を使用する。
【0165】
好ましい実施形態では、ある程度の親水性を有する飽和性植物油を使用することができ、これは、飽和脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリド、飽和脂肪酸および遊離飽和脂肪酸でエステル化されたポリグリセロールを含む一群から選択される。
【0166】
例えば、ポリグリセリンジステアリン酸(商品名Plurol Stearique WL 1009)、グリセリルパルミトステアレート(商品名Percirol Ato 5)、飽和脂肪酸(商品名Revel C)および非ラウリル酸の水素化植物油などを使用することが可能である。
【0167】
好ましい実施形態では、凍結乾燥微生物および被覆された脂質被覆材料の質量の割合は、50:50もしくは40:60である。
【0168】
最初の実施形態では、バクテリアは、一回だけ被覆される(mono−coated)。
実際には、一回の被覆が一種類の脂質により行われる。有利には、一回の被覆は、ポリグリセリンジステアリン酸(商品名Plurol Stearique WL 1009)で行われる。
一回だけ被覆されたバクテリアは、内部部分に取り込まれ、これはその後、内側部分と外側部分を有する本願発明の食品の形状となるように被覆される(コンフェクショナイジング)。好ましくは、内部部分は、食物繊維を含んでもよい。好ましくは、内部部分と外側部分は、少なくとも一つの分離層により互いに分けられていてもよい。好ましくは、外側部分は、食物繊維を含む。
【0169】
第二の実施形態では、前記バクテリアは、2回被覆されている(double−coated)。実際には、2回の被覆は、続けて互いに異なる脂質を使って行われる。
【0170】
2回被覆されたバクテリアは、内部部分に取り込まれ、これはその後、内側部分と外側部分を有する本願発明の食品の形状となるように被覆される(コンフェクショナイジング)。
【0171】
好ましくは、内部部分は、食物繊維を含んでもよい。好ましくは、内部部分と外側部分は、少なくとも一つの分離層により互いに分けられていてもよい。好ましくは、外側部分は、食物繊維を含む。
【0172】
有利には、異なる二つの脂質は、水素化されたヤシ油(Tm=60℃)およびグリセリルパルミトステアレート(Tm=57〜60℃)から選択される;続けて、はじめに凍結乾燥物にスプレーされる:はじめに水素化されたヤシ油(例えばRevel Cなど)、そしてその次にグリセリルパルミトステアレート(例えばPercirol Ato 5)でスプレーし、これらは互いに対する質量の比で、3:1、有利には、2:1であり、例えばはじめの質量を2/3で、2番目の質量を1/3とする。
【0173】
細胞の2回の被覆は、バクテリアを環境からより遮蔽することが可能であり、これにより外側と連通する孔を持たない連続したフィルムを作る。しかしながら、これらの包装は、腸においては開いてバクテリアを開放してコロニーを形成させなければならない。選択された脂質は、酸性のpHにおいては耐性を有しているため、胃の中においては被覆は一体化したままであるが、わずかに塩基性のpHに対しても敏感に反応するため、腸を通過する際に被覆の中に孔を形成することができる。
【0174】
本出願人は、このようにして、プロバイオティック価値のあるバクテリアと適合した脂質組成物により1回もしくは2回被覆されたバクテリアを有し、+25℃において適切な安定性を付与できるチョコレート風味のプロバイオティックコンフィの形成を可能にした。
【0175】
本願発明の対象である生成物は、したがって、「プロバイオティック生成物」ということができ、これは子供で享受される感覚受容的特性や、さらに簡単に飲み込めることを考慮すると、どんなプロバイオティック微生物に対しても理想的な担体として考えることができる。
【0176】
表1




【0177】
表2

【0178】
表3

【0179】
表4

【0180】
表5

【0181】
表6


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カカオをベースにした食品マトリクスを有する食品であって、前記食品マトリクスは、脂質組成物で被覆されたプロバイオティックバクテリアを有し、前記組成物は、融点が75℃以下の飽和脂肪の中から選択される少なくとも一つの植物由来の脂質を有する食品。
【請求項2】
請求項1に記載の食品であって、前記飽和脂肪は、飽和脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリド、飽和脂肪酸および遊離飽和脂肪酸でエステル化されたポリグリセロールを含む一群から選択され;好ましくは、前記飽和脂肪は、ポリグリセリンジステアリン酸、グリセリルパルミトステアレート、および非ラウリル酸由来の水素化植物油から選択され;好ましくは、前記飽和脂肪は、45℃から65℃の間の融点を有する食品。
【請求項3】
請求項1もしくは2に記載の食品であって、前記食品マトリクスは、C8、C10、およびC12の脂肪酸を含む一群から選択される少なくとも一つの脂肪酸、および/またはC8、C10、およびC12の脂肪酸エステルを含む一群から選択される少なくとも一つの脂肪酸エステルを、前記食品マトリクスの全質量と比較して、10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは0.1質量%から3質量%の間で、有する食品。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品であって、C8の脂肪酸および/または該脂肪酸エステルの量は、前記食品マトリクスの全質量と比較して、3%〜5%であり;、C10の脂肪酸および/または該脂肪酸エステルの量は、前記食品マトリクスの全質量と比較して、3%〜5%であり;さらに、C12の脂肪酸および/または該脂肪酸のエステルの量は、前記食品マトリクスの全質量と比較して、1%未満である食品。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品であって、C8、C10、およびC12脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、およびラウリル酸の中から選択され、前記C8、C10、C12の脂肪酸エステルは、モノ−、ジ−、およびトリグリセリドを含む食品。
【請求項6】
請求項1〜5の一項のいずれか一項に記載の食品であって、前記食品マトリクスは、イヌリン、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクト−およびトランスガラクトオリゴ糖(GOSおよびTOS)、グルコオリゴ糖(GOSα)、キシロオリゴ糖(XOS)、キトサンオリゴ糖(COS)、大豆オリゴ糖(SOS)、イソマルトオリゴ糖(IMOS)、耐性デンプン、ペクチン、オオバコ、アラビノガラクタン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシラン、ラクトサッカロース、ラクチュロース、ラクチトール、および種々のゴム類、アカシア繊維、カルバ(carruba)繊維、オーツ麦繊維、竹繊維、柑橘類の繊維、さらに可溶性部分と不溶性部分を互いに様々な比率で有する繊維などを有する一群から選択される少なくとも一つのプロバイオティック繊維を有することができる食品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の食品であって、前記食品マトリクスは、外側被覆により被覆され、好ましくは前記被覆は、コンフェクショナイジングにより形成され、前記コンフェクショナイジングは、マルトデキストリン、シェラック、セルロールアセトフタレート、デンブン、ゼイン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン、砂糖、シロップ溶液、サッカロース、甘味料、アラビアガムおよび/または他の炭水化物、カルナウバワックスもしくは他のワックスなどを有する水溶液の使用を必要とする食品。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のサプリメントであって、前記食品マトリクスは、前記食品マトリクスの全質量と比較してステアリン酸およびパルミチン酸を質量で80%より多く有し、前記食品マトリクスの全質量と比較して、C8−C10−C12脂肪酸および/または前記脂肪酸のエステルは、10%未満であるサプリメント。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の食品の調製方法であって、
融点が75℃以下である飽和脂肪酸から選択される植物由来の少なくとも一つの脂質を有する脂質組成物で被覆されたプロバイオティックバクテリアを、溶解したカカオをベースにした前記食品マトリクスに添加する工程と、
前記食品マトリクスを溶解したカカオをベースにした前記食品マトリクスの温度よりも低い温度の壁を有するハウジングの中に投入して、前記食品マトリクスを固体化する工程を有する方法。
【請求項10】
食品を調製するために、75℃より低い融点を有する飽和脂肪の中から選択される植物由来の少なくとも一つの脂質を有する脂質組成物により被覆されたプロバイオティックバクテリアの使用。

【公表番号】特表2012−515545(P2012−515545A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546987(P2011−546987)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000130
【国際公開番号】WO2010/086705
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(309038720)
【氏名又は名称原語表記】PROBIOTICAL S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Mattei,3,I−28100 Novara,Italy
【Fターム(参考)】