説明

チラシ広告データの蓄積処理装置

【課題】 チラシ広告のデータベース化に際して、データの入力操作、とくに個別商品をJANコードに関連付けて入力する作業負担を軽減する。
【解決手段】 チラシ広告に記載されている商品の個別の販売価格を蓄積処理するチラシ広告データの蓄積処理装置を技術的前提として、キーボード装置11を介して入力された商品名が、JANコードマスター格納部16の商品標準情報のいずれの商品名とも合致しないときに起動する正規化フィルタ部20を設ける。正規化フィルタ部20は、入力された商品のメーカー名、商標名(いわゆるブランド名)、内容量、商品入り数が、商品標準情報と一致するものがあるときに、一致する一以上の商品名をモニタ装置に選択決定可能な状態で表示出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チラシ広告データの蓄積処理に係り、とくに商品の販売データの分析処理における信頼性を高める装置に関する。
【背景技術】
【0002】
全国にチェーン展開する大規模な小売業者や、地元に密着した老舗の小売業者は、競争が激化した昨今、チェーン店共通の販売企画や、それぞれその店舗における独自の販売企画を行う等、売り上げの向上と維持に努める。
【0003】
このような場合、小売業者は、新聞チラシを用いて店舗の販売企画やセール品を地元住民に周知させることが多い。チラシには、一般に、特売の期間、セール品の写真と価格などが印刷表示されるので、消費者の多くは、このようなチラシ広告の内容を吟味し、他店の動向を勘案した上で買い物を行う傾向がある。
【0004】
従来から、販売企画を行う小売業者は、売り上げの向上と維持に全力を尽くしているため、頒布してチラシは保存管理していても、過去の販売企画においてどのようなことを実施したか、当時の販売価格はどうであったか、といったデータを、コンピュータ装置を用いたデータ分析が可能な状態で保存管理していないことが多かった。
【0005】
このため、販売企画を担当したスタッフの経験や記憶に頼りつつ、新たな販売企画を作成することが少なくなかったが、このような経営環境では近時の厳しい社会経済状況や販売競争の中で、有利な販売企画を展開することが困難になりつつある。
【0006】
このため、過去のチラシの広告内容をデータベース化して保存管理する社会的な要請が高まっている。
【0007】
データベース化した、チラシの広告内容を閲覧、確認し、あるいは販売価格の変動分析等のデータ加工を必要とする者は少なくない。小売業者にとどまらず、小売業者に対して自社商品を納入する製造加工業者(いわゆる製品メーカー企業)も含んで、大きな需要層を構成するようになっている。定価販売の仕組みが消滅して、店舗ごとに自由価格で商品を販売するようになったため、製品メーカー企業も、自社製品の販売価格の実情を把握することが難しくなっているからである。
【0008】
ところが、チラシ広告に掲載される商品名は、誌面の大きさの関係や需要者にわかりやすくする等の理由から、統一されないままに表示されている。メーカー企業の正式な名称を表示する場合もあれば、企業名等の愛称(登録商標等)を使用する場合もあり、これを統一的な名称を用いてデータベース化することには困難を伴う。
【0009】
そこで、商品販売データの標準化の処理を行う際に、JANコードを用いる方法が採用されるようになった(特許文献1)。
【0010】
JANコードは、日本国における共通商品コードとして流通業界で広く活用されているJAN(Japanese Article Number)コードである。このJANコードは、その商品の属性情報を含むJANマスタデータベースとして、商品メーカー等から入手が可能である。例えば、JICFSデータベース、すなわち、「JANコード商品情報(JAN Item Code File Service)データベース」がその一例である。JANマスタデータベースには、JANコード商品マスタの項目として、個々の商品を識別するためのJANコードとともに、各種の属性データ、例えば、商品名、型番、商品の総容量、規格、サイズなどが、統一された項目として記録されている。これらの属性情報は、当該商品を製作しているメーカー企業から提供されるデータであり、正式な商品名や総容量等のデータを必ず含んでいる。
【0011】
図4は、チラシ広告に掲載されている各種の商品を、JANコードを用いて商品名称を標準化させつつデータベースを作る装置(チラシ広告データの蓄積処理装置)を例示するものである。
【0012】
このような装置は、コンピュータの端末装置を用いたキーボード入力操作によって作業を進め、データを蓄積してゆくことが前提となる。すなわち、チラシ広告1の掲載内容を文字入力対象物として、オペレータの人為操作によってキーボード装置2を介してチラシ広告1の内容を文字入力形式のデータファイルとして入力する。データファイルを作るための文字入力プログラムは、公知の各種プログラムを用いて予め装置内に搭載しておく。オペレータは、装置に搭載された文字入力プログラムによってモニタ装置(図示せず)に表示される操作手順に従い、モニタ装置上の書き込み空欄に、チラシ広告1の文字表示内容をキーボード装置2を介して入力(文字データ入力)する。
【0013】
入力した文字データは、チラシデータ格納部3に記録する。チラシデータ格納部3には、チラシ広告1の各種の情報、例えば、販売年月日(セール期間年月日)、セールのタイトル(例えばクリスマス特集、入学祝い記念、夏休みキャンペーン等)、個別の商品名、当該商品の販売価格等が、商品ごとの個別データとしてファイリングされる。
【0014】
このとき、商品名(商品名称)のばらつき(不統一)を防止するため、商品名の確定入力前に(後の訂正も可能である)、JANコードマスタ格納部4の商品標準情報を参照し、キーボード装置(および/またはマウス装置)を使ったオペレータの人為的操作によって、商品標準情報を標準化させる。6は、この人為的操作による商品名称の標準化の選択決定を行う商品名称決定部である。また、そのときの選択決定により、当該商品のデータ記録には、正式な商品名に対応して割り当てられているJANコードのデータが付帯記録される。
【0015】
このような商品名称の標準化により、チラシ広告の商品名称にばらつきがあっても、チラシデータ格納部3に記録される商品データは、正式名称であり、正式名称に対応したJANコードが記録格納されるため、当該商品に関する販売履歴や販売価格の変動を、JANコードに基づいて信頼性高く抽出解析できる利点が生まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2004−126858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
問題は、チラシ広告の内容をJANコードに関連付けてデータベース化する際の入力操作の煩雑と、データベース化した後の分析結果の表示にある。
【0018】
チラシ広告をデータベース化するときの入力操作は、キーボード装置を用いた文字数字入力が基本となる。このときに、商品名称決定部6を介して、商品名がJANコードと一致することを確認できれば、当該入力内容をそのまま個別商品のデータとして記録する。この操作を繰り返す。
【0019】
しかし、従来装置における入力操作は、商品の通称や略称などに精通した熟練者であれば比較的簡単に商品名称の選択決定を行うことが出来るが、経験の浅い者が入力操作を行うと、JANコードマスタ格納部4の商品標準情報を参照しつつも、現在処理中の商品の正式名称をそのなかから見つけるまでに若干の時間を要するなど、能率的な入力処理が難しいという難点があった。
【0020】
また、入力後における分析結果の表示方法も、テーブル形式の数字の単純表記またはプロットした変動点を折れ線グラフとして見せる程度であり、さまざまな店舗における個別商品の価格変動を視覚的に見やすく配慮する点において改善の余地を残していた。
【0021】
そこで、本願発明の目的は、チラシ広告のデータベース化に際して、データの入力操作、とくに個別商品をJANコードに関連付けて入力する作業負担を軽減する点にある。また、第二に、データ分析における分析結果の視覚的な見やすさの改善を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成して、課題を解決するため、本発明に係るチラシ広告データの蓄積処理装置は、チラシ広告に記載されている商品情報をキーボード装置を介して入力蓄積する装置であって、JANコードマスター格納部の商品標準情報に基づき商品名をJANコードに対応させることにより、チラシ広告に記載されている商品の個別の販売価格を蓄積処理するチラシ広告データの蓄積処理装置を技術的前提として、キーボード装置を介して入力された商品名が、JANコードマスター格納部の商品標準情報のいずれの商品名とも合致しないときに起動する正規化フィルタ部(類推判定部)を設け、この正規化フィルタ部は、キーボード装置を介して入力された商品のメーカー名、商標名、内容量、商品入り数のうちひとつまたは複数の項目において、前記商品標準情報の当該項目を格納するデータと一致するものがあるときに、一致する一以上の商品名をモニタ装置に選択決定可能な状態で表示出力する(請求項1)。
【0023】
入力した商品名が正規商品名(標準商品名)でない場合、いわゆるミスマッチの場合でも、商品のメーカー名、商標名(いわゆるブランド名)、内容量、商品入り数のうち一以上の項目において商品標準情報の当該項目を格納するデータと一致するものがあるときに、商品の正式名称を類推判断して選択決定可能に表示する正規化フィルタ部を設けることにより、入力オペレータは、正規化フィルタ部の類推判断表示に基づいて商品名称を決定し商品情報の標準化処理を効率化させることが出来る。
【0024】
請求項2は、本発明に係るチラシ広告データの蓄積処理装置が、個別の商品の販売価格データを、キーボード装置を介して入力されたJANコードに基づいて抽出表示する販売価格データ抽出処理部を備えることを特徴とするものである。
【0025】
これにより、JANコードに基づく検索処理、分析処理が可能となり、個別商品のデータ処理を効率化させることが可能となる。
【0026】
請求項3は、個別の商品の販売価格データまたはセールの実施期間を、キーボード装置を介して入力された年月日データに基づいて、時系列の横棒グラフ図として処理表示するガントチャート処理部を備えることを特徴とするものである。
【0027】
ガントチャート処理部を設けることにより、チラシ広告に表示された各種データを時系列の線図として表示できる。例えば、個別商品について、セール期間の時期、当該セール中の価格を店舗ごとに、あるいは他店舗と比較しつつ、時系列の線図として表示できる。個別商品に限らず、自店舗のセール期間の履歴、あるいは複数の競合近隣店舗のセール期間の履歴を時系列の線図として表示できるため、理解が容易になり、自店、他店のセール時期、セール中の個別商品の価格等、過去の実績に基づいて明確な意図をもった販売スケジュールを立案することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るチラシ広告データの蓄積処理装置によれば、チラシ広告のデータベース化に際して、データの入力操作、とくに個別商品をJANコードに関連付けて入力する作業負担を軽減することが可能となる。また、請求項3のように、ガントチャート処理部を設けることにより、データ分析結果、とくにセール開始日時とセール終了日時を視覚的に見やすく理解しやすい形式で表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施例1に係る蓄積処理装置を例示するブロック図である。
【図2】実施例1および実施例2に係る蓄積処理装置のデータネットワークを例示する図である。
【図3】実施例2に係る蓄積処理装置を例示するブロック図である。
【図4】従来の蓄積処理装置を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0030】
図1、図2は、本発明に係るチラシ広告データの蓄積処理装置の第一の実施例を示すものである。
【0031】
例えば、図2に示すように、本実施例に係るチラシ広告データの蓄積処理装置10は、キーボード装置11、モニタ装置12、CPUおよびメモリ装置等を搭載したコンピュータ端末装置14を備えるよう構成する。図示しないが、各蓄積処理装置10は、コンピュータ端末装置14に格納したデータをバックアップするための外部記録装置(HD装置、MO装置、CD−ROM装置、CD−RAM装置等)を備えることが望ましい。
【0032】
複数の蓄積処理装置10は、作成したデータを、例えば、インターネット回線Nを介してメインとなる蓄積処理装置10−1に保存し、あるいは外部記録装置を用いて適宜の記録媒体に保存したデータをメインとなる蓄積処理装置10−1に保存して、メインとなる蓄積処理装置10−1が常に過去および最新のデータを集約的に保有する状態としておく。
【0033】
ユーザからの各種要請に応えてチラシ広告データの分析を効率的に行うためには、ひとつの装置(10−1)に蓄積データを集約させておくことが望ましからである。また、このようなシステム構成とすることにより、チラシ広告のデータ蓄積を行う複数の蓄積処理装置10は、地理的に離れた別々の場所でそれぞれの分担作業を独自に行うことが出来るため、膨大な人的作業を要するチラシ広告のデータ蓄積作業を、コストを抑えつつ効率的に行うことが出来る。
【0034】
図1は、実施例1に係る蓄積処理装置10の構成例を示すもので、キーボード装置11、モニタ装置12、コンピュータ端末装置(PC本体装置)14を備えるとともに、従来装置と同様、キーボード装置11からの入力データを格納するためのチラシデータ格納部15、JANコードおよびそれに付随する正規化商品情報を格納したJANコードマスタ格納部16、キーボード装置11からの入力データに基づいてJANコードマスタ格納部16のデータに準拠して標準化された正式の商品名称を決定する商品名称決定部17とを備える。以上の構成は、従来装置(特許文献1の装置)と略同様である。チラシデータ格納部15、JANコードマスタ格納部16、商品名称決定部17は、コンピュータ端末装置(PC本体装置)14に機能搭載しておく。
【0035】
20は、正規化フィルタ部である。この正規化フィルタ部20は、商品名称決定部17からの商品名の不一致(一致を確認できない状態、いわゆるミスマッチ)を知らせる信号(NG信号)に基づいて、キーボード装置11から入力した商品名データを、JANコードマスタ格納部16のデータの正式商品名称と一致させるべく類推判断(類推判定)を行う判定手段(回路)である。
【0036】
チラシ広告に表示された商品名が正式名称と一致しないケースは多い。これが作業効率を阻害する。主たる原因は、チラシ広告には、企業名も商品名も登録商標が多用されることにある。
【0037】
具体的に云えば、例えば、著名な登録商標である「マルちゃん」ブランドは、東洋水産株式会社(登録商標)の製品であるが、チラシ広告には、「マルちゃん」(登録商標)とのみ表示され、東洋水産株式会社の正式表記は殆ど表示されない。また、世界最大の食品メーカーであるネスレ (Nestle S.A.;本社スイス:登録商標)の製品は、ネスレ日本株式会社(登録商標)を通して市場に流通しているが、現在でも以前の会社名の日本語表記であり登録商標でもある「ネッスル」という表記を用いることが多い。これらの商品は、チラシ広告の表記をそのまま打ち込んでも、正式な会社名を伴う商品名はJANコードマスタ格納部16のデータ(標準商品情報)を参照しても検索できない。
【0038】
正規化フィルタ部20は、このような問題を解決するためのものである。キーボード装置11を介して入力された商品名が、JANコードマスタ格納部16の商品標準情報のいずれとも合致しない場合に、商品名称決定部17からのNG信号を受けて起動し、キーボード装置11を介して入力された商品のメーカー名、商標名(いわゆるブランド名)、内容量、商品入り数のうちひとつまたは複数の項目において、商品標準情報(JANコードマスタ格納部16に記録されている商品情報;項目別記録データ)の当該項目を格納するデータと一致するものがあるときに、一致する一以上の商品名(複数ある場合は該当するすべての商品名)をモニタ装置12に入力オペレータが選択決定可能な状態で表示出力する。入力オペレータは、該当する項目があるときは、マウス装置(図示せず)またはキーボード装置11を介して、当該項目を選択決定し次の処理に進む。なお商品名の選択を容易にするため、付属する商品情報を商品名とともに(またはリンク形式で)表示出力させてもよい。
【0039】
商品のメーカー名、商標名(いわゆるブランド名)、内容量、商品入り数は、JANコードマスタ格納部16の商品標準情報に必ず記録される必須のデータである。内容量で云えば、牛乳の容量が2リットルの場合は、例えば「2L」といった具合に文字データとして記録されている。メーカー名、商標名(いわゆるブランド名)、内容量、商品入り数は、商品特定に際して大きな意味を持つ。なぜなら、例えばメーカー名、商標名が一致しなくても、商品の内容量や商品入り数が一致すれば、JANコードマスタ格納部16の商品標準情報に基づいて選択候補を絞り込むことができるからである。セール対象品となる品数は非常に多いけれども、商品のメーカー名、商標名(いわゆるブランド名)、内容量、商品入り数のひとつまたは複数の項目が合致するケースは多くない。
【0040】
このため正規化フィルタ部20を介して、商品のメーカー名、商標名(いわゆるブランド名)、内容量、商品入り数が合致する商品項目をモニタ装置12に選択決定可能な状態で表示すれば、オペレータは速やかな選択決定処理を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0041】
図3は、本発明に係るチラシ広告データの蓄積処理装置の第二の実施例を示すものである。
【0042】
この蓄積処理装置30は、販売価格データ抽出処理部31と、ガントチャート処理部33とを備える。このような機能をもつ蓄積処理装置30は、図2に示したメインの蓄積処理装置(10−1)だけに割り当て搭載すればよい。一般の蓄積装置(10)は、このような分析機能を搭載させる必要はない。また、販売価格データ抽出処理部31だけを設けて、ガントチャート処理部33は設けない装置構成としてもよい。なお、販売価格データ抽出処理部31と、ガントチャート処理部33は、コンピュータ端末装置(PC本体装置)14に機能搭載しておく。
【0043】
販売価格データ抽出処理部31は、JANコードに基づいて、蓄積データの分析を行うものであり、とくに商品の販売価格の履歴データを抽出するものである。
【0044】
この処理は、キーボード装置を介してJANコードを入力することによって個別商品のすべての履歴データを抽出できるため、商品名や企業名(メーカー名)を打ち込む必要がなく、簡単な操作で膨大なデータ資料から任意商品の過去の実績データをピンポイントで選択的に分析抽出することが可能となる。
【0045】
通常の分析(需要が多い分析)は、個別商品について、店舗、地域、時期を限定して価格変動を絞り込むため、これらの選択項目(店舗、地域、時期)をマウス装置やキーボード装置を使って選択的に決定するための選択メニュー画面を、販売価格データ抽出処理部31の起動に連動させつつモニタ装置12に表示することが望ましい。またJANコードを入力するための記入ブランクも、当該選択メニュー画面と別の画面表示とするよりも、選択メニュー画面に同時に表示することが望ましい。JANコードの入力と選択項目(店舗、地域、時期)の選択を同一画面上で選択操作することが出来、処理操作が効率的となるからである。なお、店舗と地域はメニュー画面上にクリック選択可能に表示構成できるが、年月日の範囲選択はケースバイケースなので、記入ブランクに数字データを記入する選択方法をとることが望ましい。
【0046】
ガントチャート処理部33は、キーボード装置を介して入力された年月日データ(数字データ)に基づいて、個別の商品の販売価格データまたはセールの実施期間を、時系列の横棒グラフ図として処理表示するものである。
【0047】
ガントチャートは、スケジュール管理や生産管理の部門において使用される管理図で、作業計画やスケジュールを横型棒グラフで表示するものである。一般には、縦軸(行)に作業(タスク、アクティビティ)ないし資源(リソース)を置き、横軸に期間(時間)を取って、各作業/資源の所要期間をそれに比例した長さの横棒をもって表示する。
【0048】
本発明に係るガントチャートは、さまざまな店舗で実施されるセールの期間の履歴、あるいは個別商品の価格変動に関する理解を視覚的に容易に行うことが出来るようにするためのものである。
【0049】
従って、セール期間を表示する場合には、縦軸(行)には、例えば、関東地区、関西地区のようにグループ分けした地域における店舗名(自店、競合他店)を表示し、横軸には期間(期日データ)を取って、各店舗におけるセールの開催履歴を横棒グラフ図として表示する。チャートの表示対象とするべき地域や店舗は、ユーザからの分析依頼の内容に基づいて選択する。
【0050】
また、個別商品の価格変動のチャート処理を行う場合には、縦軸(行)には、例えば、販売価格を表示し、横軸には期間(期日データ)を取って、特定店舗における販売価格を横棒グラフ図として表示する。チャートの表示対象とするべき店舗名は、ユーザからの分析依頼の内容に基づいて選択する。
【0051】
かかる構成によれば、販売価格データ抽出処理部31を設けることにより、毎週のように更新され蓄積されてゆく全国の小売販売事業者における、膨大なチラシ広告データのなかから、JANコードに基づき特定商品についての販売履歴(とくに販売価格履歴)を簡単に抽出できる。地域別、期間別、店舗別のような任意の抽出が可能であるから、爾後のさまざまな分析処理も容易となる。
【0052】
また、販売価格データ抽出処理部31とともにガントチャート処理部33を設けた場合は、縦軸に店舗名や販売価格等、チラシ広告に関係する任意項目をとって、横軸に販売期間をとり、さまざまな店舗で実施されるセールの期間の履歴、個別商品の価格変動を視覚的に見やすく表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0053】
10、30 蓄積処理装置(チラシ広告データの蓄積処理装置)
10−1 メインとなる蓄積処理装置
11 キーボード装置
12 モニタ装置
14 コンピュータ端末装置
15 チラシデータ格納部
16 JANコードマスタ格納部
17 商品名称決定部
20 正規化フィルタ部
31 販売価格データ抽出処理部
33 ガントチャート処理部
N インターネット回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チラシ広告に記載されている商品情報をキーボード装置を介して入力蓄積する装置であって、JANコードマスター格納部の商品標準情報に基づき商品名をJANコードに対応させることにより、チラシ広告に記載されている商品の個別の販売価格を蓄積処理するチラシ広告データの蓄積処理装置において、
キーボード装置を介して入力された商品名が、JANコードマスター格納部の商品標準情報のいずれの商品名とも合致しないときに起動する正規化フィルタ部を設け、
この正規化フィルタ部は、キーボード装置を介して入力された商品のメーカー名、商標名、内容量、商品入り数のうちひとつまたは複数の項目において、前記商品標準情報の当該項目を格納するデータと一致するものがあるときに、一致する一以上の商品名をモニタ装置に選択決定可能な状態で表示出力することを特徴とするチラシ広告データの蓄積処理装置。
【請求項2】
個別の商品の販売価格データを、キーボード装置を介して入力されたJANコードに基づいて抽出表示する販売価格データ抽出処理部を備えることを特徴とする請求項1記載のチラシ広告データの蓄積処理装置。
【請求項3】
個別の商品の販売価格データ、またはセールの実施期間を、キーボード装置を介して入力された年月日データに基づいて、時系列の横棒グラフ図として処理表示するガントチャート処理部を備えることを特徴とする請求項2記載のチラシ広告データの蓄積処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−198478(P2010−198478A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44529(P2009−44529)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(507061085)株式会社ポイントプラス (1)
【Fターム(参考)】