説明

チーズトッピング餅

【課題】餅とチーズとを的確に加熱しながら、型崩れ等のないチーズトッピング餅の製造方法を提供する。
【解決手段】硬化した立体形状の餅20に、粘弾性が生じるまで予加熱する予加熱工程と、予加熱後の餅に、加熱により糸引き性を発現するチーズ30を載せるトッピング工程と、チーズ30がトッピングされた予加熱後の餅を、チーズ30が糸引き性を生じるまで本加熱する本加熱工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餅に、加熱により糸引き性を発現するチーズをトッピングしたチーズトッピング餅に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の食品として、例えば下記特許文献1及び特許文献2がある。特許文献1には、ピザ生地として搗き餅を使用し、これの上に加熱により糸引き性を発現するチーズをトッピングした餅ピザが開示されている。当該餅ピザは、餅又は延し餅にチーズ等のトッピング材を載置したうえで、通常のピザと同様に加熱している。特許文献2には、大福餅のように、加熱により糸引き性を発現するチーズを搗き餅で包んだ丸餅が開示されている。この丸餅も、チーズを搗き餅で包んだ状態で、餅とチーズとを同時に加熱している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−43316号公報
【特許文献2】特開平9−224580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
糯米は粳米とは異なり、デンプンとして直鎖状のアミロースよりも樹状のアミロペクチンを多く含んでいる。したがって、餅を水分存在下で加熱するとデンプンがα化することで粘弾性を生じ、モチモチっとした独特の食感を呈する。そこで特許文献1及び特許文献2は、独特の食感や食味を有する搗き餅に、加熱により糸引き性を発現するチーズ等をトッピングすることで商品価値を高めている。しかし、これらは餅とチーズとを同時に加熱しているので、次のような問題が生じる。
【0005】
特許文献1のようなピザでは、チーズが充分に糸引き性を有する状態にまでトロけさせる必要がある。しかし、このようにチーズが充分に糸引き性を有するまで加熱すれば、生地である餅に膨れ(ブクと称される気泡)が生じ、型崩れしてしまう。更には、餅が必要以上に加熱されて焦げ付くことも想定される。特許文献2では、チーズを餅で包んでいるため、餡としてのチーズは餅を介して加熱される。したがって、チーズよりも餅の方が加熱されやすく、やはり餅に膨れや焦げが生じる可能性が高い。餅の膨れや焦げを避けるため加熱時間を短くすれば、チーズが充分に加熱されず食感が劣る。
【0006】
また、特許文献1では、チーズをトッピングして加熱する前の状態で冷凍保存しておき、必要な時に加熱して食すればよいとされている。この場合、餅は水分率低下と降温によってデンプンがβ化し、粘弾性を失った硬化状態の餅となる。したがって、このように硬化した餅を、再度粘弾性を有する独特の食感が生じるまで加熱するには時間がかかる。ここで、特許文献1では、延し餅ではない餅、すなわち切り餅や丸餅など立体形状の餅を生地としてもよいとされている。この場合、長時間加熱によってトロけ過ぎたチーズが餅の側面から垂れ落ちて型崩れするという問題が生じる。又は、長時間加熱によってチーズが硬化したり焦げたりすることも想定される。
【0007】
一方、特許文献2では、基本的に粘弾性を有する(α化デンプン)状態の餅を使用することを前提としており、硬化した(粘弾性を失った)餅を使用することはできない。これでは、その日に必要な分の餅を搗くしかなく、余った餅や長期保存された市販の餅等を利用することができない。したがって、工場における大量生産等には不向きである。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、餅とチーズとを的確に加熱しながら、型崩れ等のないチーズトッピング餅の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のチーズトッピング餅の製造方法は、硬化した立体形状の餅に、粘弾性が生じるまで予加熱する予加熱工程と、予加熱後の餅に、加熱により糸引き性を発現するチーズ(乾酪)を載せるトッピング工程と、前記チーズがトッピングされた予加熱後の餅を、前記チーズが糸引き性を生じるまで本加熱する本加熱工程とを有することを特徴とする。
【0010】
硬化した餅とは、搗きたての状態からある程度の時間が経過し、デンプンがβ化して粘弾性を失った餅をいう。当該硬化した餅の形状は、延し餅ではなくある程度の厚みを有する立体形状であれば、その形状は特に限定されない。粘弾性が生じるとは、β化したデンプンがα化した状態を意味する。予加熱工程では、ある程度の範囲(例えば全体の50%程度)で粘弾性が生じるまで餅を加熱すれば充分である。したがって、必ずしも大部分(例えば全体の90%程度)において粘弾性が生じる程度まで加熱する必要は無い。少なくとも、餅に膨れが生じない範囲とする。
【0011】
前記トッピング工程においては、前記餅と前記チーズとの間に、さらにチーズ以外のトッピング材を積層することも好ましい。前記餅の中には、チーズ片を混入しておくことも好ましい。
【0012】
また、前記予加熱工程では複数個の餅を予加熱しておき、前記トッピング工程では、当該予加熱された複数個の各餅の間に前記チーズを介在させるように積層することもできる。例えば2つの餅を予加熱して、1枚のチーズを2つの餅で挟んだような形態が挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、硬化した餅を、チーズをトッピングする前にある程度の粘弾性が生じるまで予め加熱しているので、当該本加熱では長時間を要しない。これにより、チーズが必要以上に加熱されることがなく、延し餅ではない立体形状の餅にチーズを載置しても、チーズが餅の側面から垂れ落ちて型崩れする等の問題を回避できる。また、チーズに糸引き性が発現した時点で本加熱を終了するので餅の膨れも抑制でき、これによる型崩れも回避できる。予加熱工程において餅に若干硬化部分が残っていても、当該硬化部分では本加熱工程において粘弾性が生じるので、最終的な全体の食感に問題はない。このように、本発明では、餅とチーズとを的確に加熱しながら、餅の独特の食感とチーズの食味や風味とを兼ね備えた型崩れ等のないチーズトッピング餅を製造することができる。
【0014】
さらに、餅とチーズとの間にチーズ以外のトッピング材も積層しておくと、チーズトッピング餅の食味、風味、食感、栄養価などが向上する。また、餅の中にもチーズ片を混入しておくと、よりチーズの食味等を楽しむことができる。この場合、チーズ片も予加熱工程と本加熱工程を経て加熱されるので、充分にチーズ片を加熱することができる。なお、チーズ片も加熱により糸引き性を有するチーズとしても、餅の中に混入されているので、垂れ落ちる心配は無い。
【0015】
餅でチーズを挟持したような形態とすれば、チーズトッピング餅のボリューム感が増す。しかも、各餅は全て予加熱されているので、全体の型崩れを有効に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】チーズトッピング餅の斜視図である。
【図2】チーズトッピング餅の製造工程図である。
【図3】実施例2に係るチーズトッピング餅の断面図である。
【図4】実施例3に係るチーズトッピング餅の断面図である。
【図5】実施例4に係るチーズトッピング餅の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の代表的な実施例について説明するが、これらに限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0018】
(実施例1)
本発明の製造方法によって得られるチーズトッピング餅10は、図1に示すように、餅20の上にチーズ30がとろけた状態でトッピングされている。餅としては、糯米粉に湯を加えて練った練り餅や、粳米を使用した五平餅や団子のような餅を使用することもできるが、糯米に水分と熱を加えた後に外力を加えて練った(搗いた)搗き餅が好ましい。搗き餅は、練り餅や粳米よりも食味、歯ごたえ、腰の強さ、伸びや粘りなどが良好であることから好んで食されていると共に、加熱時の膨れも練り餅等より発生し易く、本発明の効果を最大限発揮させることができるからである。
【0019】
餅20の形状としては、一定の厚みと面積を有する立体的な形状であれば特に限定されない。例えば、立方体、直方体、丸餅、菱餅、ナマコ餅、小判型などの形状とすることができる。板状とすることが好ましい。餅の膨れを抑制しながら均一に加熱できると共に、チーズを安定して載置できるからである。これらは、直接このような形状に成形してもよいし、大寸の餅を複数個に切断した切り餅でもよい。
【0020】
チーズ30としては、一般的にピザやグラタン等で使用される、一定温度以上に加熱することによって糸引き性を発現するチーズを使用する。このようなチーズとしては、例えば、モッツアレラチーズ、ゴーダチーズ、チューダーチーズ、エダムチーズ、エグモント、ゴシュレット、ステッペン、カチョカヴァッロ・シラーノ、プロヴォローネ・ヴァルパダーナ、カネストラート・プリエーゼ等のナチュラルチーズや、いわゆるとろけるチーズと称せられるプロセスチーズが挙げられる。これらのチーズは、一種のみを単独でトッピングしてもよいし、二種以上を混合したミックスチーズとして混合してもよい。なお、チーズの糸引き性については、乳タンパク質特有のカゼイン構造が大きく寄与していると考えられている。すなわち、レンネット反応が生じたカゼインの規則的な結合が存在することにより、チーズが糸引き性を有することになる。
【0021】
餅20にトッピングする前のチーズ30の形状としては、餅20に載置可能な形状であれば、特に限定されない。例えば、ブロック状、短冊状、スライス状、ダイス状に裁断したチーズ、シュレッド状に切削したチーズ、クラッシュ状や粉体状に粉砕したチーズ、及び加水混錬後に種々の形状に型詰したチーズなどを使用できる。なかでも、薄板状にスライスしたスライスチーズが好ましい。餅20に載置し易く、且つ載置後に餅20上から転落し難いため製造が容易であると共に、餅20上に均一にトッピングできるからである。
【0022】
スライスチーズを使用する場合、その縦横寸法は、餅20の上面(チーズ30の載置面)の縦横寸法の±5〜10%程度とする。スライスチーズの縦横寸法が小さすぎると、餅20の上面全体に亘ってチーズ30をトッピングできず、食感や風味等が低下するからである。逆に、スライスチーズの縦横寸法が大きすぎると、加熱によってチーズ30が餅20の側面から垂れ落ち易くなるからである。なお、チーズ30は加熱によりとろけるので、スライスチーズの縦横寸法が餅20の上面の縦横寸法より若干小さくても、餅20の外周縁部にまで良好に行き亘る。シュレッドチーズや粉チーズなど、スライスチーズ以外の形状であれば、その寸法は特に限定されない。
【0023】
<製造方法>
次に、図2を参照しながら、本発明の製造方法について説明する。先ず、本発明では、搗いて粘弾性を有する餅となった状態から所定時間経過した所定形状の餅20を使用する。このような餅20は、温度が下がることでα化したデンプンから経時的に水分子を失って結合が強くなり(再結晶化し)、図2(a)に示すように、硬化して(粘弾性を失って)いる。
【0024】
<予加熱工程>
そして、チーズ30をトッピングする前に、図2(b)に示すように、硬化した餅20に予加熱工程として予めある程度熱Hを与えて予加熱する。加熱は、電子レンジやオーブン、或いは石釜などによって行うことができる。予加熱工程では、膨れが生じない範囲で、餅20がある程度粘弾性を生じる程度に加熱すればよい。後の本加熱工程において全体的に粘弾性を生じていればよいからである。例えば、餅20全体の30〜70%程度の部分において粘弾性を生じていれば良い。好ましくは、餅20全体の40〜50%程度において粘弾性が生じる程度とする。広い範囲で粘弾性が生じるまで加熱すると、膨れが生じる可能性が高くなるからである。逆に、粘弾性が生じた部分が少な過ぎると、後の本加熱工程において餅の大部分に粘弾性を生じさせなければならず、加熱時間が長くなるなどの問題が生じる。
【0025】
なお、β化したデンプン(特に樹状のアミロペクチン)は、約60℃以上に熱せられると熱運動によりデンプン同士の結合が緩み、そこに水分子が入り込んでデンプン分子の回りを取り囲み、デンプン分子が水素結合を介したゆるやかな結合の不規則な集まりとなることで、良好に伸びる粘弾性を生じるようになる。この状態をα化デンプンという。因みに、例えばオカキのように、水分の無い乾燥した餅が粘弾性を生じないのは、水分子が無いためにα化が起こらないためである。一方、加熱によって餅中に存在していた余剰の水分が蒸発するが、当該水蒸気は餅に囲まれて逃げ場が無いことで餅中に気泡が生じ、いわゆる膨れが生じる。
【0026】
したがって、予加熱工程において確実に餅20の膨れの発生を防止するためには、予加熱工程では後の本加熱工程よりも低温でゆっくり(長時間)加熱することが好ましい。その予加熱温度の目安としては、デンプンがα化する温度以上の範囲において、水分の活発な蒸発を避けるためできるだけ低温とする。具体的には、60〜90℃程度が好ましく、65〜80℃程度がより好ましい。予加熱時間は、少なくとも餅20に膨れが生じない範囲で適宜調整すればよい。また、予加熱を本加熱と同じ温度で行う場合は、本加熱工程よりも短時間とする。予加熱工程では、チーズ30がトッピングされていないことから、熱が直接餅20に作用するからである。
【0027】
<トッピング工程>
予加熱工程において餅20がある程度の粘弾性を生じる程度に予加熱できたら、次いで予加熱後の餅20上にチーズ30を載置トッピングする。薄板状のスライスチーズであればそのまま載置すればよいが、シュレッドチーズや粉チーズなどを使用する場合は、餅20の上面全体に亘って均等に載置する。
【0028】
<本加熱工程>
チーズ30を餅20上に載置トッピングしたら、図2(c)に示すように、その状態で本加熱する。先の予加熱工程において餅20はある程度加熱されているので、本加熱工程では、主としてチーズ30を加熱するための工程であり、チーズ30が適度に糸引き性を生じるまで本加熱する。チーズ30が加熱されると同時に餅20も加熱されるので、予加熱工程において粘弾性が生じていなかった部分においても粘弾性が生じ、最終的に餅20全体が確実に加熱される。
【0029】
しかし、予加熱工程において粘弾性が生じていた部分において膨れが発生し易い状態にある。そこで、確実にチーズ30をトロけさせながらも餅20の膨れを抑制するため、本加熱工程は予加熱工程よりも高温且つ短時間で行うことが好ましい。チーズ30は、餅20のα化温度よりも高い温度で糸引き性を発現する。具体的には、餅20の種類にもよるが、約70℃以上で糸引き性を発現する。そこで、本加熱工程では、予加熱工程よりも高い温度とすることを前提として、少なくとも70℃以上で加熱する。加熱時間を短縮するには、できるだけ高温とすることが好ましい。本加熱時間は、チーズ30のトロけ具合によって適宜調整すればよい。また、予加熱温度と本加熱温度が同じであれば、予加熱工程よりも本加熱工程を長時間行う。本加熱工程では、チーズ30がトッピングされていることで、上方からの熱はチーズ30を介して餅20に与えられるので、餅20の過度の加熱は避けられる。この場合の加熱手段としては、熱が主として上方から与えられるオーブンが好ましい。このような本加熱工程を経て、図2(d)に示すように、最終的にチーズ30がトロけた状態でトッピングされた餅10を得ることができる。
【0030】
(実施例2)
実施例1では、餅20にチーズ30をトッピングしただけであるが、図3に示すように、チーズ以外のその他のトッピング材40を同時にトッピングすることもできる。トッピング材40は、トッピング工程において餅20とチーズ30との間に積層するようにトッピングする。チーズ30以外のトッピング材40も積層トッピングすることで、チーズトッピング餅10の食感、食味、風味等が向上する。
【0031】
トッピング材40としては、ピーマン、玉ネギ、キャベツ、トマト等の野菜類、ベーコン、サラミ、ウィンナー、ソーセージ、ハム、チキン等の肉類、ジャガイモや薩摩芋等の芋類、牛蒡、人参等の根菜類、しめじ、椎茸、エリンギ等のキノコ類、あさり、ホタテ、海老、サーモン等の魚介類、海苔等の海藻類、及びアンゼリカ、アニス、バジリコ、月桂樹、ケッパー、チャービル、チャイブ、ニラ、コリアンダー、オオバケッキツ、イノンド、フェンネル、ヒソップ、レモンハーブ、レモングラス、レモンバーベナ、レモンマートル、ロベッジ、マジョラム、ミント、キンレンカ、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、セイボリー、セイバ、タラゴン、タイム、シソ等の香草類などを例示できる。これらは一種のみを単独でトッピングしてもよいし、二種以上を混合してトッピングすることもできる。二種以上を混合してトッピングした方が、食感、食味、風味等がより向上するので好ましい。
【0032】
これらのトッピング材40は、本加熱工程においてチーズ30と共に加熱されるので、基本的には所定形状・寸法に裁断した生のままトッピングすればよい。但し、火が通り難いトッピング材40であれば、適宜湯通しなどしてある程度予加熱(前処理)しておくことが好ましい。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0033】
(実施例3)
また、チーズは、餅20の上に載置トッピングするのみならず、餅20の中にも混入することもできる。図4に示す実施例3では、餅20の上面にトッピングしたチーズ30に加えて、餅20の中にもチーズ片31を混入している。これにより、チーズ30のみならずチーズ片31によっても、チーズトッピング餅10の食感、食味、風味などが向上する。
【0034】
チーズ片31は、チーズ30と同じ種類のチーズでもよいし、異なる種類のチーズでもよい。また、チーズ30のように加熱により糸引き性を発現するチーズに限らず、加熱しても糸引き性を発現しないチーズも使用できる。チーズ片31は、餅20を搗く際、又は搗いた直後に混入しておくことができる。チーズ片31は、餅20の全体に亘って分散状に混入することもできるし、比較的大寸法のチーズ片31を餅20の中心部に混入することもできる。チーズ片31は、予加熱工程及び本加熱工程を経て、餅20を介して加熱される。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
(実施例4)
実施例1では、1つの餅20にチーズ30をトッピングしたが、複数個の餅20を重ねて、各餅20の間にチーズ30を挟んだ形態とすることもできる。図5に示す実施例4では、2つの餅20・20の間にチーズ30が介在するように積層している。この場合、予加熱工程では、複数個の餅20を同時に同じ条件で予加熱しておき、トッピング工程で餅20とチーズ30とを順次交互に積層すればよい。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】
(その他の変形例)
実施例3や実施例4においても、実施例2と同様に餅20とチーズ30との間にその他のトッピング材40を積層することもできる。また、実施例2や実施例4においても、実施例3と同様に餅20にチーズ片31を混入させることもできる。さらに、実施例2や実施例3においても、実施例4と同様に複数の餅20でチーズ30を挟み込むこともできる。
【0037】
予加熱工程において餅20の大部分(例えば全体の80〜95%程度)において粘弾性を生じさせ、本加熱工程ではバーナーによって加熱することもできる。バーナーを使用した場合は餅20に殆ど熱が作用しないので、本加熱工程において餅20に膨れが生じることは殆ど無いからである。
【符号の説明】
【0038】
10 チーズトッピング餅
20 餅
30 チーズ
31 チーズ片
40 その他のトッピング材
H 熱




【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化した立体形状の餅に、粘弾性が生じるまで予加熱する予加熱工程と、
予加熱後の餅に、加熱により糸引き性を発現するチーズを載せるトッピング工程と、
前記チーズがトッピングされた予加熱後の餅を、前記チーズが糸引き性を生じるまで本加熱する本加熱工程とを有する、チーズトッピング餅の製造方法。
【請求項2】
前記トッピング工程において、前記餅と前記チーズとの間に、チーズ以外のトッピング材を積層する、請求項1に記載のチーズトッピング餅の製造方法。
【請求項3】
前記餅の中にチーズ片が混入されている、請求項1または請求項2に記載のチーズトッピング餅の製造方法。
【請求項4】
前記予加熱工程では複数個の餅を予加熱し、
前記トッピング工程では、前記予加熱された複数個の各餅の間に前記チーズを介在させるように積層する、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のチーズトッピング餅の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−115052(P2011−115052A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273130(P2009−273130)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(509316257)
【Fターム(参考)】