説明

ティグ溶接トーチ

【課題】フロントコレットがフロントコレットボディを過大な圧力で押圧することがない溶接トーチを提供する。
【解決手段】フロントコレット27の先端部がフロントコレットボディ28の内面に押圧されて非消耗電極3を保持し、リアコレットボディ22の先端部がフロントコレット27の基端部に当接し、トーチボディ21の基端部側に設けられたリアコレット押さえ30をねじ込むことによって、リアコレット26が非消耗電極3を保持するティグ溶接トーチ20である。フロントコレット押さえ24をねじ込むことによってリアコレットボディ22がフロントコレット27を押圧して非消耗電極3を保持する。フロントコレット用ばね23をフロントコレット押さえ24とリアコレットボディ22との間に設け、スリーブ29がフロントコレット押さえ24とフロントコレット用ばね23を挿通してリアコレット26に当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティグ溶接を行うための改良されたティグ溶接トーチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なティグ溶接トーチは、非消耗電極を交換するとき、ティグ溶接トーチの基端部側に設けられたコレット押さえを緩めた後に、ティグ溶接トーチの先端側から非消耗電極を引き出して交換していた。そのために、例えば溶接用ロボットのマニピュレータの先端部にティグ溶接トーチが取り付けられている場合、ティグ溶接トーチの前方に被溶接物などが存在するとき、ティグ溶接トーチの先端側から非消耗電極を引き出すことができない。そのために、ティグ溶接トーチを基端部側に移動させた後に、先端側から非消耗電極を引き出して交換する必要があったために、作業効率が低下していた。そこで、従来、このようにティグ溶接トーチを後方に移動させることなく非消耗電極の交換を容易に行うことができるティグ溶接トーチが提案されていた。以下、図2を参照して、従来技術のティグ溶接トーチを説明する。
【0003】
図2は、従来技術のティグ溶接トーチ1の断面図である。同図において、トーチボディ6は、先端部には後述するフロントコレットボディ4がねじ込まれるフロントコレットボディ用挿入孔が形成され、基端部には後述するリアコレットボディ8が挿入されるリアコレットボディ用挿入孔が形成されている。このリアコレットボディ用挿入孔は、フロントコレットボディ用挿入孔の基端部付近まで形成されていて、これらのフロントコレットボディ用挿入孔とリアコレットボディ用挿入孔との間には、後述するフロントコレット2が挿通されるフロントコレット挿通孔が形成されている。
【0004】
フロントコレット2は、軸芯部に非消耗電極3(タングステン電極)を挿通する電極挿通孔が設けられて、先端部に先細テーパ部が形成され、先端部から上記電極挿通孔に沿って延びる図示を省略した縦すり割りが形成されている。フロントコレットボディ4は、軸芯部にフロントコレット用挿入孔が設けられ、先端部に複数個のシールドガス穴5が形成されている。また、フロントコレットボディ4は、フロントコレット2の先細テーパ部と内接触する先細テーパ部が先端部内面に形成され、トーチボディ6の先端部にねじ込まれている。フロントコレット2の基端部は、フロントコレット挿通孔を挿通して、リアコレットボディ用挿入孔に挿入されている。
【0005】
リアコレット7は、軸芯部に非消耗電極3を挿通する電極挿通孔が設けられて、先端部に先細テーパ部が形成され、先端部から上記電極挿通孔に沿って延びる図示を省略した縦すり割りが形成されている。リアコレットボディ8は、軸芯部にリアコレット用挿入孔が設けられている。また、リアコレットボディ8は、リアコレット7の先細テーパ部と内接触する先細テーパ部が先端部内面に形成され、トーチボディ6のリアコレットボディ用挿入孔に挿入されて、リアコレットボディ8の先端部がフロントコレット2の基端部に当接している。
【0006】
リアコレット押え9はリアコレットボディ8の基端部にねじ込まれていて、リアコレット押え9の先端部がばね10を介してリアコレット7の基端部に当接している。リアコレット押え9をリアコレットボディ8の基端部にねじ込むことによって、リアコレット7の先細テーパ部がリアコレットボディ8の先細テーパ部に内接触して押圧されて、リアコレット7の縦すり割りが締め付けられる。この結果、非消耗電極3が所定の位置に保持される。
【0007】
フロントコレット押さえ11は、軸芯部にリアコレット押え9の挿入孔が形成されている。リアコレットボディ8の基端部はフロントコレット押さえ11の内部にねじ込まれて保持されていて、この状態で、フロントコレット押さえ11がトーチボディ6の基端部の外周にねじ止めされている。即ち、フロントコレット押さえ11は、ねじ部が突き出さない袋ナット状に形成されている。これによってフロントコレット押さえ11をトーチボディ6の基端部に対してX2方向にねじ込むと、リアコレットボディ8がフロントコレット2を押圧し、フロントコレット2の先細テーパ部がフロントコレットボディ4の先細テーパ部に内接触して押圧されて、フロントコレット2の縦すり割りが締め付けられる。この結果、非消耗電極3が所定の位置に保持される。
【0008】
ノズル12は、フロントコレットボディ4を取り囲んで、トーチボディ6の先端部に取付けられている。図示を省略したガスボンベから供給されたシールドガスが、トーチボディ6内を通過して、フロントコレット2とフロントコレットボディ4との間を通過し、フロントコレットボディ4の先端部に形成された複数個のシールドガス穴5からノズル12の内面に噴出される。そして、このノズル12からシールドガスが噴出されて、非消耗電極3の先端部に発生したアーク及び溶融池を空気から遮蔽する。
【0009】
溶接時に、図示を省略した溶接用電源装置から供給された電力は、トーチボディ6、フロントコレットボディ4、フロントコレット2を流れて非消耗電極3へ供給される。通常、フロントコレット2とフロントコレットボディ4とは、それぞれの先端部のみで接触して電力が供給される。(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
以下、動作を説明する。図2において、フロントコレット2はフロントコレットボディ4のフロントコレット用挿入孔に挿入されていて、フロントコレットボディ4は、トーチボディ6の先端部にねじ込まれている。また、リアコレット7はリアコレットボディ8のリアコレット用挿入孔に挿入されていて、リアコレットボディ8は、トーチボディ6のリアコレットボディ用挿入孔内に挿入されて、リアコレットボディ8の先端部がフロントコレット2の基端部に当接している。
【0011】
そして、リアコレット押え9をリアコレットボディ8の基端部にねじ込むことによって、リアコレット7の先細テーパ部がリアコレットボディ8の先細テーパ部に内接触して押圧されて、リアコレット7の縦すり割りが締め付けられ、非消耗電極3が所定の位置に保持される。さらに、フロントコレット押さえ11をトーチボディ6の基端部にねじ込むことによって、リアコレットボディ8がフロントコレット2を押圧して、フロントコレット2の先細テーパ部がフロントコレットボディ4の先細テーパ部に内接触して押圧されて、フロントコレット2の縦すり割りが締め付けられ、非消耗電極3が所定の位置に保持される。
【0012】
トーチボディ6に図示を省略したガスボンベからシールドガス供給され、図示を省略した溶接用電源装置から電力が供給されて、ティグ溶接が行われる。そして、非消耗電極3が消耗して交換するときに、リアコレット押さえ9を緩めることなく、フロントコレット押さえ11を緩めてトーチボディ6から取り外すことによって、フロントコレット押さえ11、リアコレットボディ8、リアコレット7、非消耗電極3及びリアコレット押さえ9を一体として、トーチボディ6の基端部側から取り出すことができる。そのために、例えば溶接用ロボットのマニピュレータの先端部にティグ溶接トーチ1が取り付けられている場合、ティグ溶接トーチ1の前方に被溶接物などが存在するときに、ティグ溶接トーチ1を後方に移動させることなく非消耗電極3の交換を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特公昭61−16556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した従来技術のティグ溶接トーチ1は、フロントコレット押さえ11をねじ込むことによって、リアコレットボディ8を介してフロントコレット2がフロントコレットボディ4に押圧される構造である。そのために、フロントコレット押さえ11をねじ込んで、フロントコレット2が非消耗電極3を適切に保持できる圧力に達した後もフロントコレット押さえ11をねじ込み続けることができるので、フロントコレット2が非消耗電極3を適切に保持できる圧力以上にフロントコレット押さえ11をねじ込むと、フロントコレット2によってフロントコレットボディ4が過大な圧力で押圧されることになる。一方、フロントコレットボディ4の先端部には、シールドガス穴5が形成されていて、この箇所はアーク熱の影響が大きいために軟化し易い。そのために、シールドガス穴5に応力が集中して、この部分でフロントコレットボディ4が破断する不具合があった。
【0015】
本発明は、フロントコレットによってフロントコレットボディが過大な圧力で押圧されることがない溶接トーチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明は、
トーチボディと、
このトーチボディの先端部にねじ込まれたフロントコレットボディと、
先端部が前記フロントコレットボディの内面に押圧されて非消耗電極を保持するフロントコレットと、
前記トーチボディの基端部側から挿入されて、先端部が前記フロントコレットの基端部に当接するリアコレットボディと、
前記トーチボディの基端部側に設けられたリアコレット押さえをねじ込むことによって、先端部が前記リアコレットボディの内面に押圧されて前記非消耗電極を保持するリアコレットと、
前記トーチボディの基端部にねじ込むフロントコレット押さえとを備え、
前記フロントコレット押さえをねじ込むことによって前記リアコレットボディが前記フロントコレットを押圧して前記非消耗電極を保持するティグ溶接トーチにおいて、
前記フロントコレット押さえと前記リアコレットボディとの間に設けられて、前記トーチボディ内に挿入されたフロントコレット用ばねと、
基端部が前記リアコレット押さえに取り付けられ、先端部が前記フロントコレット押さえと前記フロントコレット用ばねとを挿通して、前記リアコレットボディの基端部にねじ込まれた後に前記リアコレットの基端部に当接し、前記非消耗電極の挿通孔を有するスリーブと、
前記フロントコレット押さえの周囲に形成されて、前記トーチボディの基端部に当接する突起部とを備え、
前記フロントコレット押さえをねじ込んで前記突起部が前記トーチボディの基端部に当接して、前記フロントコレット用ばねが前記リアコレットボディを押圧して、このリアコレットボディが前記フロントコレットを押圧して、このフロントコレットの先端部が前記非消耗電極を保持するように前記フロントコレット用ばねのばね力が予め設定されていることを特徴とするティグ溶接トーチである。
【発明の効果】
【0017】
本発明のティグ溶接トーチは、フロントコレット押さえをねじ込んだときに、フロントコレットによってフロントコレットボディの先端部を過大に押圧することがない。そのために、フロントコレットボディの先端部が、アーク熱の影響によって軟化しても、シールドガス穴に応力が集中することがないので、この部分でフロントコレットボディが破断することが無い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のティグ溶接トーチの断面図である。
【図2】従来技術のティグ溶接トーチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。図1は、本発明のティグ溶接トーチ20の断面図である。同図において、図2に示した従来技術のティグ溶接トーチ1と同機能には同符号を付して、それらの機能及び動作の説明を省略し、以下、従来技術のティグ溶接トーチ1と異なる機能を説明する。
【0020】
トーチボディ21は、先端部には後述するフロントコレットボディ28がねじ込まれるフロントコレットボディ用挿入孔が形成され、基端部には後述するリアコレットボディ22が挿入されるリアコレットボディ用挿入孔が形成されている。このリアコレットボディ用挿入孔は、フロントコレットボディ用挿入孔の基端部付近まで形成されていて、これらのフロントコレットボディ用挿入孔とリアコレットボディ用挿入孔との間には、後述するフロントコレット27が挿通されるフロントコレット挿通孔が形成されている。
【0021】
フロントコレットボディ28は、軸芯部にフロントコレット用挿入孔が設けられ、先端部に複数個のシールドガス穴32が形成されている。また、フロントコレットボディ28は、フロントコレット27の先細テーパ部と内接触する先細テーパ部が先端部内面に形成され、トーチボディ21の先端部に取り付けられている。フロントコレット27の基端部は、フロントコレット挿通孔を挿通して、リアコレットボディ用挿入孔に挿入されている。
【0022】
リアコレット26は、軸芯部に非消耗電極3を挿通する電極挿通孔が設けられて、先端部に先細テーパ部が形成され、先端部から上記電極挿通孔に沿って延びる図示を省略した縦すり割りが形成されている。リアコレットボディ22は、軸芯部にリアコレット用挿入孔が設けられている。また、リアコレットボディ22は、リアコレット26の先細テーパ部と内接触する先細テーパ部が先端部内面に形成され、トーチボディ21の軸芯部に形成されたリアコレットボディ用挿入孔に挿入されて、リアコレットボディ22の先端部がフロントコレット27の基端部に当接している。
【0023】
トーチボディ21のリアコレットボディ用挿通孔に、リアコレットボディ22が挿入されて、その基端部にばね受け25を介してフロントコレット用ばね23が挿入されている。フロントコレット押さえ24がトーチボディ21の基端部にねじ込まれて、フロントコレット押さえ24の先端部がフロントコレット用ばね23の基端部に当接し、このフロントコレット用ばね23の先端部がばね受け25を介してリアコレットボディ22の基端部に当接している。そして、リアコレットボディ22の先端部がフロントコレット27の基端部に当接し、フロントコレット27の先端部が、フロントコレットボディ28の先端部の内面に押圧されて、非消耗電極3を保持している。また、リアコレット26の先端部がリアコレットボディ22の先端部の内面に押圧されて非消耗電極3を保持している。
【0024】
スリーブ29は軸芯部に非消耗電極挿通孔が形成されていて、このスリーブ29の基端部は、リアコレット押さえ30に取り付けられている。スリーブ29の先端部がフロントコレット押さえ24とフロントコレット用ばね23とを挿通して、リアコレットボディ22の基端部にねじ込まれている。さらに、スリーブ29の先端部はリアコレット26の基端部に当接している。また、フロントコレット押さえ24の周囲には、トーチボディ21の基端部に当接する突起部31が設けられている。なお、リアコレット押さえ30は、フロントコレット押さえ24にはねじ込まれていない。
【0025】
フロントコレット用ばね23のばね力は、非消耗電極3の直径に対応して予め設定されていて、フロントコレット押さえ24をねじ込んで、フロントコレット押さえ24の突起部31がトーチボディ21の基端部に当接したときに、フロントコレット用ばね23のばね力によって、リアコレットボディ22がフロントコレット27を押圧して、フロントコレット27が非消耗電極3を適切な圧力で保持している。シールドガス供給口33からシールドガスが供給され、電力供給口34から電力が供給される。
【0026】
以下、従来の技術と異なる機能について動作を説明する。まず、フロントコレットボディ28にフロントコレット27を挿入して、フロントコレットボディ28をトーチボディ21の先端部にねじ止めする。次に、リアコレット26に非消耗電極3を挿通して、リアコレット26をリアコレットボディ22に挿入し、スリーブ29の先端部を、フロントコレット押さえ24とフロントコレット用ばね23とばね受け25とを挿通させて、リアコレットボディ22にねじ込む。そして、リアコレットボディ22の先端部からの非消耗電極3の突き出し長さを設定して、リアコレット押さえ30をねじ込むことによって、リアコレット押さえ30に取り付けられたスリーブ29が、リアコレット26を押圧して先端部を縮径させて、リアコレット26の先端部が非消耗電極3を保持する。
【0027】
そして、フロントコレット押さえ24とフロントコレット用ばね23とスリーブ29とリアコレット押さえ30とリアコレットボディ22とリアコレット26と非消耗電極3とが一体となったもの(以下、リアコレットボディ22等という。)を、トーチボディ21の基端部から挿入して、非消耗電極3の先端部をフロントコレット27に挿通する。そして、フロントコレット押さえ24をねじ込んで、フロントコレット押さえ24が、フロントコレット用ばね23及びばね受け25を介してリアコレットボディ22を押圧して、リアコレットボディ22がフロントコレット27を押圧して、フロントコレット27がフロントコレットボディ28に押圧され、フロントコレット27の先端部が縮径される。さらに続いて、フロントコレット押さえ24の突起部31がトーチボディ21の基端部に当接して係止するまで、フロントコレット押さえ24をねじ込む。この状態でフロントコレット27が適切な圧力で非消耗電極3を保持している。
【0028】
この結果、本発明のティグ溶接トーチ20は、フロントコレット用ばね23のばね力が、非消耗電極3の直径に対応して予め設定されていて、フロントコレット押さえ24をねじ込んだときに、フロントコレット押さえ24の突起部31がトーチボディ21の基端部に係止して、フロントコレット27が非消耗電極3を適切に保持できる圧力を超えてフロントコレット押さえ24をねじ込むことがないので、フロントコレット27によってフロントコレットボディ28の先端部を過大に押圧することがない。そのために、フロントコレットボディ28の先端部が、アーク熱の影響によって軟化しても、シールドガス穴32に応力が集中することがないので、この部分でフロントコレットボディ28が破断することが無い。
【0029】
さらに、スリーブ29をフロントコレット押さえ24とフロントコレット用ばね23及びばね受け25を挿通して、リアコレットボディ22にねじ込むことによって、リアコレットボディ22等をトーチボディ21の基端部側から引き出せるので、例えば溶接用ロボットのマニピュレータの先端部にティグ溶接トーチ20が取り付けられた場合、ティグ溶接トーチ20の前方に被溶接物などが存在するときに、ティグ溶接トーチ20を基端部側に移動させることなく、ティグ溶接トーチ20の基端部側からリアコレットボディ22等を取り出すことができるので、非消耗電極3の交換を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
1 ティグ溶接トーチ
2 フロントコレット
3 非消耗電極
4 フロントコレットボディ
5 シールドガス穴
6 トーチボディ
7 リアコレット
8 リアコレットボディ
9 リアコレット押え
10 ばね
11 リアコレットボディ
12 ノズル
20 ティグ溶接トーチ
21 トーチボディ
22 リアコレットボディ
23 フロントコレット用ばね
24 フロントコレット押さえ
25 ばね受け
26 リアコレット
27 フロントコレット
28 フロントコレットボディ
29 スリーブ
30 リアコレット押さえ
31 突起部
32 シールドガス穴
33 シールドガス供給口
34 電力供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トーチボディと、
このトーチボディの先端部にねじ込まれたフロントコレットボディと、
先端部が前記フロントコレットボディの内面に押圧されて非消耗電極を保持するフロントコレットと、
前記トーチボディの基端部側から挿入されて、先端部が前記フロントコレットの基端部に当接するリアコレットボディと、
前記トーチボディの基端部側に設けられたリアコレット押さえをねじ込むことによって、先端部が前記リアコレットボディの内面に押圧されて前記非消耗電極を保持するリアコレットと、
前記トーチボディの基端部にねじ込むフロントコレット押さえとを備え、
前記フロントコレット押さえをねじ込むことによって前記リアコレットボディが前記フロントコレットを押圧して前記非消耗電極を保持するティグ溶接トーチにおいて、
前記フロントコレット押さえと前記リアコレットボディとの間に設けられて、前記トーチボディ内に挿入されたフロントコレット用ばねと、
基端部が前記リアコレット押さえに取り付けられ、先端部が前記フロントコレット押さえと前記フロントコレット用ばねとを挿通して、前記リアコレットボディの基端部にねじ込まれた後に前記リアコレットの基端部に当接し、前記非消耗電極の挿通孔を有するスリーブと、
前記フロントコレット押さえの周囲に形成されて、前記トーチボディの基端部に当接する突起部とを備え、
前記フロントコレット押さえをねじ込んで前記突起部が前記トーチボディの基端部に当接して、前記フロントコレット用ばねが前記リアコレットボディを押圧して、このリアコレットボディが前記フロントコレットを押圧して、このフロントコレットの先端部が前記非消耗電極を保持するように前記フロントコレット用ばねのばね力が予め設定されていることを特徴とするティグ溶接トーチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate