説明

ティッシュペーパーの包装容器

【課題】ティッシュペーパーの取り出し使用時には上面板の表記情報が視認されなかった

【解決手段】多数のティッシュペーパーMを収納した直方体の包装箱1の上面板2に、稜
線19と平行と成した1辺の折り線と3辺のミシン目で囲繞された、取り出し口3の閉鎖蓋
板4を設け、閉鎖蓋板4に区割折り線と凹型のミシン目を設けて、展示板6と重合板24に
区割すると共に展示板6から差し込み片25、25a を延設形成し、使用組み立て時に、展示
板6から延設された差し込み片25、25a を差し込むスリットを、稜線19に沿った上面板2
に設けることによって、展示板6が前面側に位置して視認される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種情報の高い表示性、視認性、認知性等の機能を有し、特に、使用時点で
も展示効能を発揮する情報表記面を備えたティッシュペーパーの包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ティッシュペーパーの包装容器は紙製直方体であり、包装容器の天面にはミシン
目等により切離自在な取り出し口の閉鎖蓋が設けられ、該閉鎖蓋は消費者が使用時に切り
取って廃棄し、開口された取り出し口からティッシュペーパーを取り出していた。
一方、直方体の包装容器の6面には、品質表示、使用方法、商品名等の各種文章、記号
、図柄等が表記されているが、包装容器が有り触れた形状の直方体であるために、6面が
均整が取れていて各面の存在感に差異が少なく、表記が際立たないことや、ティッシュペ
ーパーが容器天面から上方突出していること等に起因して、ティッシュペーパーの取り出
し使用時には表記情報、表示が視認されることは殆どなかった。
【0003】
研究開発段階や出願段階で先行技術調査を行っておらず、記載すべき先行技術文献を知
りません。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、使用時点においても、各種情報等の表示を積極的に誇示して消費者に視認さ
せ、情報を効率的、効果的に認知させる様にしたティッシュペーパーの包装容器を提供す
るものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来技術に基づく、ティッシュペーパーの取り出し使用時には表記情報
が視認されなかった課題に鑑み、多数のティッシュペーパーを収納した直方体の包装箱の
上面板に、稜線と平行と成した1辺の折り線と3辺のミシン目で囲繞された、取り出し口
の閉鎖蓋板を設け、閉鎖蓋板に区割折り線と凹型のミシン目を設けて、展示板と重合板に
区割すると共に展示板から差し込み片を延設形成し、使用組み立て時に、展示板から延設
された差し込み片を差し込むスリットを、稜線に沿った上面板に設けることによって、展
示板が前面側に位置して視認される様にして、上記課題を解決する。
又、展示板を前面側に位置させる態様として、上面板に稜線から凹型のミシン目を設け
、使用組み立て時に、ミシン目で切離して、稜線に沿ってスリットを開口すると共に、ス
リット形成板を前面板から稜線を介して立設自在と成すことによって、展示板から延設さ
れた差し込み片をスリット形成板をガイドとして差し込み、展示板を包装箱の前面に立設
させる。
【発明の効果】
【0006】
要するに本発明は、多数のティッシュペーパーを収納した直方体の包装箱の上面板に、
稜線と平行と成した1辺の折り線と3辺のミシン目で囲繞された、取り出し口の閉鎖蓋板
を設けたので、販売時点では包装箱を密閉状態と成すことが出来ると共に、ミシン目の切
離で取り出し口を容易に出現させることが出来、更に、閉鎖蓋板の区画囲繞線の一部は折
り線であるために、各種情報が一部に表記された閉鎖蓋板は包装箱の上面板と連結されて
いて、閉鎖蓋板が破棄されることを防止することが出来る。
又、閉鎖蓋板に区割折り線と凹型のミシン目を設けて、展示板と重合板に区割すると共
に展示板から差し込み片を延設形成したので、展示板を包装箱の前面に立設する差し込み
片を容易に形成することが出来る。
又、使用組み立て時に、展示板から延設された差し込み片を差し込むスリットを、稜線
に沿った上面板に設けたので、展示板を取り出し口の手前側に立設してティッシュペーパ
ーの取り出し時に自然に視認されると共に、直方体の包装箱の前面稜線から中央寄り一部
が突出立設した展示板は箱全体に比して際立って存在感を誇示して使用者に提示され、よ
って展示板に表記された展示性表示が格段に視認され、表示内容が認知されて、表記情報
を発信、伝達することが出来る。
よって、使用時において表示機能が最大に発揮されることにより、ノベルティに採用し
て使用時点広告として広告機能を効率的に発揮することが出来る。
【0007】
使用組み立て時に、展示板から延設された差し込み片を差し込むスリットのスリット形
成板を、上面板に稜線に沿ってミシン目で囲繞形成したので、使用組み立て前はスリット
がスリット形成板で閉鎖されて包装箱が密閉され、異物混入が無く清潔性等を確保するこ
とが出来る。
【0008】
上面板に稜線から凹型のミシン目を設け、使用組み立て時に、ミシン目で切離して、稜
線に沿ってスリットを開口すると共に、スリット形成板を前面板から稜線を介して立設自
在と成したので、立設されたスリット形成板が、展示板から突出した差し込み片のガイド
となって容易に差し込むことが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るティッシュペーパーの包装容器の使用組み立て状態を示す斜視図で
あり、図中、ティッシュペーパーの取り出しに関する部分の点線は取り出し口の隠れ線を
示し、その他の部分における点線は廃棄時に利用される破断線を示し、一点鎖線は接着箇
所を示し、図2は包装容器の展開平面図であり、図中、太線の外形線の他、細線の実線は
折り線を示し、点線および破線は折り線またはミシン目を示し、一点鎖線は接着箇所を示
し、図3は製品状態から使用状態への使用状況を示す斜視図、図4はその要部断面端面を
示す図、図5は他例のスリットを示す要部の展開平面図である。
【0010】
図1に示す様に、ティッシュペーパーMが多数収納された紙製直方体の包装箱1の上面
板2に取り出し口3が開口形成され、該取り出し口3からティッシュペーパーMが取り出
し可能となっており、本発明では取り出し口3の閉鎖蓋板4が完全に切離廃棄されずに、
ティッシュペーパーMの取り出し使用時に閉鎖蓋板4の一部が包装箱1の前面板5と一体
化され情報表記面となる展示板6を有している。
展示板6の表面には、消費者へ商品訴求する商品名、会社名、キャッチフレーズ等の文
字、文章、図柄等から成る各種情報を表記し、後述する様に、使用時にも展示板6は包装
箱1の前面側に立設されて表記内容が視認可能となっており、販売時点広告(POP広告
)の他、使用時点でも表示機能を保有している。
【0011】
以下、図2を参照して具体的構成を説明する。
図2に示す様に、包装箱1の組み立て前の展開状態のシート7は、上面板2の一側(図
中、下側)に折り線8を介して前面板5が連設されると共に、上面板2の他側(図中、上
側)に折り線8a、8b、8cを介して背面板9、底面板10および粘代フラップ11を順次連設し
、組み立て時に粘代フラップ11は前面板5に接着される。
又、上面板2及び底面板10の両側に、組み立て時に一対の側面板12、12a となる側面パ
ネル13、13a …が折り線14、14a 、15、15a で連設されると共に、前面板5及び背面板9
の両側に折り線16、16a …を介して内フラップ17、17a …が夫々連設されている。
更に、底面板10から連設された側面パネル13、13a の端部に適宜幅の接着層18、18a が
設けられ、シート7を包装箱1に組み立てる時に、内フラップ17、17a …が折り込まれる
と共に、上面板2と底面板10から連設された側面パネル13、13a 、13b 、13c の端部同志
が重合し、かつ、接着層18、18a で接着される。
【0012】
直方体の包装箱1となるシート7の上面板2の略中央部には、上面板2と前面板5の稜
線19(折り線8)と平行に閉鎖蓋板4(取り出し口3)の1辺の折り線20を設けると共に
、該折り線20から3辺のミシン目21、21a …(図示のものでは一対2辺の直線と1辺の波
線)を連設し、折り線20とミシン目21、21a …で閉鎖蓋板4を囲繞形成している。
使用時には、ミシン目21、21a …で切離すると共に折り線20で折曲し、1辺の折り線20
で上面板2に連結された閉鎖蓋板4を前面側に移動させた時に、上面板2の略中央部に取
り出し口3が開口される。
閉鎖蓋板4には、略中央部で折り線20と平行に区画折り線22を設けると共に、該区画折
り線22の中間に凹型のミシン目23、23a を設けて閉鎖蓋板4を展示板6と重合板24に区画
形成し、ミシン目23、23a での切離および区画折り線22での折り込みにより、展示板6か
ら折り線20、前面板5側へ中間が拡幅された差し込み片25、25a を突出形成している。
尚、稜線19と折り線20の間隔と重合板24の幅(折り線20と区画折り線22の間隔)は略同
一と成し、組み立て時に、稜線19と折り線20の間の上面板2の一部に重合板24が表面同志
が重合する様にしている。
【0013】
上面板2と前面板5の稜線19に沿って閉鎖蓋板4(展示板6)の差し込み片25、25a の
対向位置に、組み立てられた包装箱1の開封時に、差し込み片25、25a が差し込まれるス
リット26、26a を形成自在とする様に、細幅凹状のミシン目27、27a を設けてスリット形
成板28、28a を区画形成している。
尚、スリット26、26a の形成位置は稜線19に沿った上面板2としているが、この位置は
シート7(前面板5)の厚さを考慮したもので、スリット26、26a に差し込まれた差し込
み片25、25a が前面板5の背面に接触できれば良く、稜線19を含んだり、稜線19から若干
離れた位置にスリット26、26a を形成することも含んでいる。
【0014】
底面板10の略中央部には、中央部がジグザグ状のミシン目29で内部区画され、周囲が折
り線30、30a 、ミシン目31、31a …、連設部32、32a で囲繞された底上作用部33を形成し
ている。
かかる構成により、中央のミシン目29および周囲のミシン目31、31a …を切離すると共
に、内方側(上方側)へ押圧することにより、底上作用部33の2分割されたフラップ33a
、33b が包装箱1の内部に押し込まれ、ティッシュペーパーMを取り出し口3側へ押し上
げている。
【0015】
底面板10に連設した側面パネル13、13a の端部で接着層18、18a の設定位置にコ字状の
ミシン目34、34a 及びその中間に折り線35、35a を形成すると共に、折り線35、35a から
半円状のミシン目36、36a を設けて側面パネル13、13a に指入部37、37a を設けている。
又、上面板2、前面板5、背面板9の側方に設けた内フラップ17、17a …や側面パネル
13b、13c…との折り線14、14a 、16、16a はミシン目と成し、更に、上面板2に折り線
14、14a から半円状のミシン目38、38a を設けて指入部39、39a を設けている。
これらにより、使用後においては、指入部37、37a 、39、39a から押圧して、側面板12
、12a の一部の側面パネル13b、13c、内フラップ17、17a …を上面板2等から切離可能
と成し、包装箱1を平坦状に圧潰可能としている。
【0016】
次に本発明に係るティッシュペーパーの包装容器の作用について説明する。
図3(b)、図4(a)に示す様に、上面板2のスリット形成板28、28a を囲繞形成す
るミシン目27、27a の外側周囲を下方押圧することにより、ミシン目27、27a で上面板2
からスリット形成板28、28a が切離される。
スリット形成板28、28a は前面板5と一体状態に直立し、スリット形成板28、28a が存
在していた位置にスリット26、26a が開口され、前面から見た時にスリット26、26a の位
置はスリット形成板28、28a の背面位置となっている。
【0017】
次に、図3(b)、図4(b)(c)に示す様に、閉鎖蓋板4の周囲3辺のミシン目21
、21a …を上面板2から切離すると共に、閉鎖蓋板4内のミシン目23、23a を切離し、更
に閉鎖蓋板4内の区画折り線22で重合板24に対して展示板6を折曲する。
次に、閉鎖蓋板4を上面板2に対して稜線19と平行の折り線20で折曲すると共に、前面
板5上方のスリット26、26a 側に閉鎖蓋板4における展示板6の差し込み片25、25a を近
接移動させる。
【0018】
そして、図1、図3(c)、図4(d)に示す様に、展示板6から延設された差し込み
片25、25a を、スリット形成板28、28a の背面をガイド面として前面板5と上面板2の稜
線19近傍のスリット26、26a に差し込むことにより、重合板24の表面は上面板2の上面に
重層状態となると共に、展示板6は前面板5の上方で長手方向の中央寄り一部に立設状態
となる。
かかる組み立て状態により、包装箱1の前面側に稜線19を介して展示板6が位置すると
共に、前面板5と展示板6は略面一状態で一体化し、又ティッシュペーパーMの取り出し
口3の前面側(手前側)に展示板6が立設している。
【0019】
尚、展示板6を立設させるスリット26、26a の形成に関して、上面板2からの切離後に
スリット形成板28、28a を前面板5と一体化させているが、適宜変更しても良い。
例えば、図5(a)に示す様に、差し込み片25、25a を差し込み可能な切り込み状また
は細幅状のスリット26、26a を稜線19に沿って前面板5に設けても良く、或いは、図5(
b)に示す様に、スリット形成板28、28a の4辺をミシン目27、27a で囲繞して、上面板
2からの切離後にスリット形成板28、28a を廃棄して、スリット26、26a を稜線19に沿っ
て前面板5に設ける様にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るティッシュペーパーの取り出し使用時の斜視図である。
【図2】包装箱シートの展開図である。
【図3】使用状態への組付状況を示す斜視図である。
【図4】使用状態への組付手順を示す要部の概略断面端面図である。
【図5】他例のスリットを示す展開図である。
【符号の説明】
【0021】
1 包装箱
2 上面板
3 取り出し口
4 閉鎖蓋板
5 前面板
6 展示板
19 稜線
20 折り線
21、21a … ミシン目
22 画折り線
23、23a ミシン目
24 重合板
25、25a 差し込み片
26、26a スリット
27、27a ミシン目
28、28a スリット形成板
M ティッシュペーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のティッシュペーパーを収納した直方体の包装箱の上面板に、稜線と平行と成した
1辺の折り線と3辺のミシン目で囲繞された、取り出し口の閉鎖蓋板を設け、
閉鎖蓋板に区割折り線と凹型のミシン目を設けて、展示板と重合板に区割すると共に展
示板から差し込み片を延設形成し、
使用組み立て時に、展示板から延設された差し込み片を差し込むスリットを、稜線に沿
った上面板に設けたことを特徴とするティッシュペーパーの包装容器。
【請求項2】
使用組み立て時に、展示板から延設された差し込み片を差し込むスリットのスリット形
成板を、上面板に稜線に沿ってミシン目で囲繞形成したことを特徴とする請求項1記載の
ティッシュペーパーの包装容器。
【請求項3】
上面板に稜線から凹型のミシン目を設け、使用組み立て時に、ミシン目で切離して、稜
線に沿ってスリットを開口すると共に、スリット形成板を前面板から稜線を介して立設自
在と成したことを特徴とする請求項2記載のティッシュペーパーの包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−290426(P2006−290426A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115277(P2005−115277)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(591260661)河原紙器株式会社 (6)
【Fターム(参考)】