説明

ティーマーク

【課題】ティーマークが、ゴルフプレイヤのスイング動作を撮影し、その結果得られた画像を記憶することができるようにする。
【解決手段】ティーマーク11の筐体21は、円形や楕円形等のディーマークとしての機能を果す形状を有している。カメラ22は、ティーマーク11に対応する位置でプレイするゴルフプレイヤを撮影する。センサ23は、ゴルフボールが打撃されたことを検知するためのセンサである。スロット24に装着されたメモリカード12には、カメラ22による撮影の結果得られた画像(例えば、ゴルフプレイヤのスイング動作の画像)が記憶される。本発明は、ティーマークに適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はティーマークに関し、特に、ゴルフプレイヤのスイング動作を撮影し、その結果得られた画像を記憶することができるようにしたティーマークに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフクラブでゴルフボールを打撃するときの体やゴルフクラブの動き(すなわち、スウィング動作)を撮影し、その結果得られた画像から打球の飛距離や軌道等の各種情報を計測する方法が提案されている。
【0003】
例えば、図1に示すように、被診断者となる利用者の前に設定されたカメラ1が、スウィング動作を撮影し、その結果得られた画像に基づいて各種情報が計測される(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−270534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図1に示したように、カメラ1が利用者に見えるように配置されている場合、利用者は自分が撮影されていると意識してしまい、本来のスイングができず、結局正確な情報が得られないなどの問題があった。
【0006】
またこのような計測装置は、通常、ゴルフの練習場や、ゴルフクラブ等を販売する店舗内に設定されており、実際のゴルフコースに設置されて、プレイ中のスイング動作を撮影して記憶する方法は開発されていない。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ゴルフコースで実際にプレイする利用者(すなわち、ゴルフプレイヤ)があまり意識しないようにスイング動作を撮影して記憶することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面のティーマークは、ゴルフコースのホールに、ゴルフボールを打撃する位置を示す目印として設置されているティーマークにおいて、ゴルフボールを打撃するゴルフプレイヤの動作を撮影する撮影手段と、前記撮影手段による撮影の結果得られた画像を記憶媒体に記憶する記憶手段とを備える。
【0009】
前記記憶媒体は、前記ティーマークに脱着可能とすることができる。
【0010】
前記記憶媒体に記憶された画像を、その画像を再生できる再生装置に無線又は有線で送信する送信手段をさらに設けることができる。
【0011】
前記記憶手段は、前記撮影手段による撮影の結果得られた画像を、少なくとも所定時間連続する画像が記憶されるように上書きして記憶することができる。
【0012】
ゴルフボールが打撃されたタイミングを検出する検出手段をさらに設け、前記記憶手段は、前記検出手段によりゴルフボールが打撃されたことが検出されたときから、所定時間分の画像を上書きせずに記憶することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば、ゴルフプレイヤに意識させることなく、スイング動作を撮影し、その結果得られた画像を記憶することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図2は、本発明のティーマーク11の利用例を示している。ティーマーク11は、例えば、ゴルフコースの各ホールの1打目を打つところを示す目印である。なお図2のティーマーク11は、右利きのゴルフプレイヤ用のティーマークであるが、本発明は、左利きのゴルフプレイヤ用のティーマークとしても利用することもできる。
【0015】
ティーマーク11には、カメラ22(図4)が内蔵されており、そのカメラ22により、例えばティーマーク11に対応する位置に立つゴルフプレイヤを、図3に示すように、正面から撮影することができる。
【0016】
ティーマーク11は、メモリカード12が脱着可能に構成されており、カメラ22の撮影の結果得られた画像を、例えば装着されたメモリカード12に記憶することができる。なお本明細書では、「記憶」という文言には、「記録」の意味が含まれているものとする。
【0017】
メモリカード12に記憶された画像(すなわち、スイング動作の画像)は、再生されて表示されたり、打球の飛距離や軌道等の各種情報を算出するのに用いられる。
【0018】
図4は、図2のティーマーク11の、図2のゴルフプレイヤ側から見たときの外観の構成例を示している。
【0019】
ティーマーク11の筐体21は、円形や楕円形等のティーマークとしての機能を果す所定の形状を有し、また所定の色が付されている。
【0020】
筐体21には、カメラ22、センサ23、およびスロット24が設けられている。なおこれらのカメラ22乃至スロット24は、例えば、外からは見えにくいように取り付けられている。
【0021】
CCD(Charge Coupled Devices)カメラ、ハイスピードカメラ、インパクトカメラ、又は広角カメラ等で構成されるカメラ22は、外部の風景を撮影する。すなわちティーマーク11の位置に対応する位置でプレイするゴルフプレイヤが撮影される(図3)。
【0022】
センサ23は、ゴルフボールが打撃されたことを検知するためのセンサであり、例えば、打球音を集音するマイクを有して構成されており、そのマイクにより集音された音声から、ゴルフボールが打撃されたことを検知する。またゴルフクラブヘッドが横切るようにレーザ光線を出力する装置を有して構成されており、その装置により発されたレーザ光線を、ゴルフクラブヘッドが横切ったことを検知して、ゴルフボールが打撃されたことを検知する。
【0023】
スロット24にはメモリカード12が装着されるようになされており、スロット24に装着されたメモリカード12には、後述するようにして、カメラ22による撮影の結果得られた画像(すなわち、ゴルフプレイヤのスイング動作の画像)が記憶される。
【0024】
図5は、ティーマーク11の内部の構成例を示している。
【0025】
画像処理部31は、カメラ22と接続され、カメラ22による撮影の結果得られた画像データを取り込み、制御部32に供給する。
【0026】
制御部32には、画像処理部31から画像データが供給されるとともに、センサ23から検知信号が供給される。
【0027】
制御部32は、画像処理部31から供給された画像データを、センサ23からの検知信号に応じて、スロット24に装着されたメモリカード12に記憶させる。
【0028】
次に、ティーマーク11の画像記憶処理を、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
ステップS1において、ティーマーク11の制御部32は、所定のタイミングで上書き記憶を開始する。例えばプレイを開始する前に、各ゴルフプレイヤに各自のメモリカード12が配られ、ゴルフプレイヤが第1打を打つ前にメモリカード12をティーマーク11のスロット24に装着するものとした場合において、メモリカード12がスロット24に装着されたとき、上書き記憶が開始される。
【0030】
このとき制御部32はカメラ22を制御して、撮影を開始させる。また制御部32は、画像処理部31を制御して、カメラ22から、撮影の結果得られた画像データの取り込みと、取り込んだ画像データの制御部32への供給を開始させる。
【0031】
さらに制御部32は、画像処理部31から供給された画像を、所定時間(例えば、3秒間)連続する画像が記憶されるように上書きしてメモリカード12に記憶する。
【0032】
このように上書き記憶が開始されることにより、例えば図7に示すように、画像処理部31から供給される撮影画像を時間軸上に模式的に表した場合、矢印Aおよび矢印Bに対応するような、3秒間連続する画像がメモリカード12に適宜記憶されるようになる。
【0033】
ステップS2において、制御部32は、センサ23から、ゴルフボールが打撃されたことを示す検知信号が入力されるまで待機する。ここで待機されている間は、ステップS1で開始された上書き記憶が継続的に行われる。
【0034】
ステップS2で、ゴルフボールが打撃されたことを示す検知信号が入力されたとき、ステップS3に進み、制御部32は、ステップS1で開始された上書き記憶の上書きを止め、上書きせずに、画像処理部31から供給された画像を、メモリカード12に記憶させる。
【0035】
ステップS4において、制御部32は、ゴルフボールが打撃されたことを示す検知信号が入力されてから(すなわち、ゴルフボールが打撃されたときから)一定時間(例えば、1秒間)経過するまで待機し、その時間経過したとき、ステップS5に進み、画像のメモリカード12への記憶を中止する。
【0036】
例えば図7の上向きの矢印Cが示すタイミングでゴルフボールが打撃されたとき、その時点から1秒間経過するまでの撮影画像がさらに記憶される。すなわち矢印Dに対応する画像のように、ゴルフボールが打撃されてから1秒間の画像が上書きされずに記憶される。
【0037】
図6に戻り、その後、処理は終了し、上書き記憶を開始するタイミング(例えば、次のゴルフプレイヤのメモリカード12がスロット24に装着されたとき)、ステップS1以降の処理が同様に再開される。
【0038】
以上のように、実際のゴルフコースに置かれるティーマーク11が、ゴルフプレイヤのスイング動作を撮影し、その結果得られた画像を記憶するようにしたので、ゴルフプレイヤは、撮影されていることを意識せずにスイングでき、ゴルフプレイヤの本来のスイング動作の画像を記憶することができる。
【0039】
なおスイング動作画像が記憶されたメモリカード12は、例えば、スイング後ゴルフプレイヤにより取り出される。ゴルフプレイヤは、例えば、取り出したメモリカード12を持って、次のコースへ移動し、そのコースでプレイするとき、メモリカード12を、そこに設置されているティーマークに装着する。このようにして各コースでのスイング動作を撮影させ、その結果得られた画像を記憶させることができる。
【0040】
また例えば全コースのプレイが終了したとき、ゴルフプレイヤは、例えば、メモリカード12に記憶された自分の画像を、クラブハウス又は自宅のパーソナルコンピュータを利用して再生して、見ることができる。
【0041】
また以上のように、3秒間連続する画像を記憶し、ゴルフボールが打撃されてから1秒間上書きせずに記憶するようにしたので、図8に示すように、いわゆるアドレス、テイクバック、トップ、ダウンスウィング、インパクト 、フォロー、フィニッシュ等のスイングを構成する各動作を適切に記憶することができる。
【0042】
なお以上においては各プレイヤに各自のメモリカード12が配られるものとしたが、1グループに1個のメモリカード12が配されるようにし、メモリカード12に、複数人の画像が記憶されるようにしてもよい。この場合、例えば各プレイヤ毎のファイルが形成され、そこに各プレイヤの画像が記憶される。
【0043】
また以上においては撮影の結果得られた画像をメモリカード12に記憶するものとしたが、その画像を、例えばクラブハウスにあるパーソナルコンピュータに無線又は有線で送信することもできる。
【0044】
また以上においてはティーマーク11の電源については言及しなかったが、バッテリーを内蔵させて、そこから電源が供給されるようにすることもできる。またいわゆるソーラパネル発電機と接続させて、そこから電源が供給されるようにすることもできる。
【0045】
またティーマーク11は、各コースに備え付けられているものとしたが、携帯可能とすることもできる。すなわちティーマーク11の筐体21は、自立可能な形状を有し、取手などの携帯するのに便利な形状を有するようにすることもできる。
【0046】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来のスイング動作を撮影するカメラ1の利用例を示す図である。
【図2】本発明のティーマーク11の利用例を示す図である。
【図3】撮影例を示す図である。
【図4】ティーマーク11の外観の構成例を示す図である。
【図5】ティーマーク11の内部の構成例を示すブロック図である。
【図6】ティーマーク11の画像記憶処理を説明するフローチャートである。
【図7】ティーマーク11の画像記憶処理を説明する図である。
【図8】撮影例を示す他の図である。
【符号の説明】
【0048】
11 ティーマーク, 12 メモリカード, 21 筐体, 22 カメラ, 23 センサ, 24 スロット, 31 制御部, 32 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフコースのホールに、ゴルフボールを打撃する位置を示す目印として設置されているティーマークにおいて、
ゴルフボールを打撃するゴルフプレイヤの動作を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影の結果得られた画像を記憶媒体に記憶する記憶手段と
を備えるティーマーク。
【請求項2】
前記記憶媒体は、前記ティーマークに脱着可能とされている
請求項1に記載のティーマーク。
【請求項3】
前記記憶媒体に記憶された画像を、その画像を再生できる再生装置に無線又は有線で送信する送信手段
をさらに備える請求項1に記載のティーマーク。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記撮影手段による撮影の結果得られた画像を、少なくとも所定時間連続する画像が記憶されるように上書きして記憶する
請求項1に記載のティーマーク。
【請求項5】
ゴルフボールが打撃されたタイミングを検出する検出手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記検出手段によりゴルフボールが打撃されたことが検出されたときから、所定時間分の画像を上書きせずに記憶する
請求項4に記載のティーマーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−67763(P2008−67763A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246789(P2006−246789)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(391000896)株式会社フローベル (10)