説明

テキスタイルの製造法

本発明は、第1の複数の綿糸を調製するステップ;−第2の複数の非綿糸を調製するステップ、なお、該第1の複数の綿糸と該第2の複数の非綿糸とはファブリック・ブランクの経糸を形成するものである;および該ファブリック・ブランクを経編みするステップを含む、テキスタイルの製造法において、綿糸の割合は少なくとも36重量%であること;および該ファブリック・ブランクの耳を、該第1の複数の綿糸の少なくとも1部を互いにからみ合わせることにより形成すること、を特徴とする製造法を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキスタイル(textiles)、特に服飾品(apparel)及び衣料品(clothing articles)、衣類(garment)等、の製造(fabricating)法に関する。
【背景技術】
【0002】
これらのテキスタイルに、綿は望ましい構成要素である。綿は、非常に通気性が良く、耐摩耗性で、破れ耐久性があり、そして耐熱性のある天然繊維である。更に、綿は、湿った感触なしで、その正味重量の約20重量%の量の水分を吸収し得る。吸収性は特定の処理、例えばシルケット加工、により向上する。しばしば、天然繊維の綿は伸縮性合成繊維と組み合わされる。その結果、身体に最適な適合性を有するテキスタイルとなる。異例な伸縮性で知られる伸縮性合成繊維はエラスタン(elastane)であり、エラスタンは体油、制汗ローション及び洗浄剤に抵抗性であるという追加の利点を有し、そして静電又はピリングの問題を引き起こさない。エラスタンはスパンデックス(Spandex)としても知られている。
【0003】
綿及びエラスタンから作られたテキスタイルは通常、高割合の綿の使用を可能にする技術である円型編機で編まれる。ラッシェル(Raschel)機では、綿の含量は通常35%までに制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に内在する課題は、綿の割合をかなり増加させることができ、そしてカールのない耳(selvedge)を加えることができる、テキスタイルの製造法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、第1の複数の綿糸(cotton yarns)を調製するステップ、第2の複数の非綿糸(non-cotton yarns)を調製するステップ(なお、該第1の複数の綿糸と該第2の複数の非綿糸とはファブリック・ブランク(fabric blanks)の経糸(warp threads)を形成するものである)、および該ファブリック(布はく)・ブランクを経編みするステップを含む、テキスタイルの製造法により解決される。綿糸の割合は少なくとも65重量%である。該製造法は更に、該ファブリック・ブランクのへり(border)を、該第1の複数の綿糸の少なくとも1部を互いにからみ合わせることにより形成することを含む。
【0006】
驚くべきことに、多糸経編み(multi-thread warp knitting)技術を利用することにより、従来技術と比べて綿糸をずっと高い割合にすることが可能となることが見出された。
【0007】
このような高い割合の綿糸とすることにより初めて、編み工程自体を使用して引っ張った時にカールしない非常に堅固な耳を製造することが可能である。従来技術では、高割合の綿を有するテキスタイルには、ファブリック・ブランクの耳に縫い合わせるストリップ又はテープを設けなければならなかった。
【0008】
好ましい態様では、前記非綿糸は、エラスタン(elastane)のような伸縮性合成繊維を含む。
【0009】
該ファブリック・ブランク又はテキスタイルは、運動、エアロビック又は体操用の服、下着等を製造するのに使用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パターン繰り返し長さ2で配された、2つのゾーンを有する綿パネルを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の態様を、ファブリック・ブランクを経編みするための引込み(drawing-in)を図示する一つの図面を参照して記述する。
【0012】
前記図面は、パターン繰り返し長さ2で配され、2つのゾーンを有する綿パネルを示す。特に、
GB1: 1−2/1−0//
GB2: 3−1/0−2//
である。
【0013】
経糸の引込み(drawing-in)はパターン繰り返し幅53であり、特に
GB1: A・・・・AAAAAAAAAAAA・AAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAA・AAAAAAAAAAAA
GB2: C・・・BBBBBDCCCCCBBCCCCCDBBBBBBBBBDCCCCCBBCCCCCDBBBBB・・
である。ここで、“・”は空間、即ち糸なし、を意味し;そしてA,B,C又はDは、タイプA、タイプB、タイプC又はタイプDの材料を意味する。具体的には、Aは綿、Bはエラスタン、Cはエラスタン、そしてDはエラスタンである。
【0014】
前記の記述、特許請求の範囲および/又は添付図面に開示された特徴は、それぞれ別々にでもそれらの任意の組み合わせた形でも、本発明の多様な形態を実現するための材料であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−第1の複数の綿糸を調製するステップ;
−第2の複数の非綿糸を調製するステップ;
なお、該第1の複数の綿糸と該第2の複数の非綿糸とはファブリック・ブランクの経糸を形成するものである;および
−該ファブリック・ブランクを経編みするステップ
を含む、テキスタイルの製造法において、
綿糸の割合は少なくとも65重量%であること;および
−該ファブリック・ブランクの耳を、該第1の複数の綿糸の少なくとも1部を互いにからみ合わせることにより形成すること
を特徴とする、テキスタイルの製造法。
【請求項2】
前記非綿糸が伸縮性合成繊維を含むことを特徴とする、請求項1に係る製造法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−531935(P2010−531935A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513665(P2010−513665)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005912
【国際公開番号】WO2009/003504
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(510000035)ペン・イラスティック・ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】