テストストリップ用の試薬ストライプ
【課題】体液中の分析物濃度を試験するためのテストストリップまたはバイオセンサーを提供する。
【解決手段】テストストリップは、ベース基板(12)、スペース層(14)、ボディカバー(18)および室カバー(20)を備えるカバー層(16)を含む。スペース層は、サンプル受け取り室を提供するための空隙部分(22)を含む。ベース基板は、電極(28)とコンタクトパッド(32)で終結する電極システム(26)をもつ。電極は、サンプル受け取り室内に位置決めされる電極トレースの部分と定義される。試薬システム(33)が、サンプル受け取り室内の電極に重なる。スペース層に重なるボディカバーおよび室カバーが、そのあいだのスロット(34)を定め、該スロットは、サンプル流体が端開口または流体受け取り開口から室に入るにしたがって、空気を逃すことを可能にするためにサンプル受け取り室と連通するベント開口を定める。
【解決手段】テストストリップは、ベース基板(12)、スペース層(14)、ボディカバー(18)および室カバー(20)を備えるカバー層(16)を含む。スペース層は、サンプル受け取り室を提供するための空隙部分(22)を含む。ベース基板は、電極(28)とコンタクトパッド(32)で終結する電極システム(26)をもつ。電極は、サンプル受け取り室内に位置決めされる電極トレースの部分と定義される。試薬システム(33)が、サンプル受け取り室内の電極に重なる。スペース層に重なるボディカバーおよび室カバーが、そのあいだのスロット(34)を定め、該スロットは、サンプル流体が端開口または流体受け取り開口から室に入るにしたがって、空気を逃すことを可能にするためにサンプル受け取り室と連通するベント開口を定める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は2003年6月20日に出願された米国仮出願第60/480,397号に優先権を主張する。本出願は「狭く同質の試薬ストライプを製造するための方法および試薬」と題される同一出願人による出願(以降、「同質の試薬ストライプ出願」)に関し、これによって同一の日に出願され、全体に参照してここに組込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、分析物の濃度について体液を試験すること、さらに詳細には、このような試験のためのテストストリップまたはバイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
テストストリップは、しばしば試験試料中の選択分析物の存在および/または濃度を測定するために使用される。たとえば、多様なテストストリップが、糖尿病患者の血中糖濃度を監視するために、血液中のグルコース濃度を測定するために使用される。これらのテストストリップは、試薬組成物が堆積された反応チャンバーを含む。テストストリップにおける最近の傾向は、より少量の試験試料およびより早い分析時間を要求する。これは、患者に有意な利益を供し、体の感度の低い領域から得られうる少量の血液試料の使用を可能にする。さらに、より早い試験時間およびいっそう正確な結果は、患者が血中糖濃度をよりよく制御することを可能にする。
【0004】
少量の試料容積に関連して、試料流動体が、試料流動体の表面張力およびそれの表面領域を最小限にする液体の熱力学的傾向から生じる現象である毛細管作用によってそこに引き込まれるような十分に小さな反応チャンバーを有するテストストリップを供することが知られている。たとえば、特許文献1は、毛細管作用によってそこに試料液体を引き込むために、十分に少量サイズの空洞を有するテストストリップを開示する。その空洞は、その平板の垂直側面に沿って縦方向に伸びる2つのエポキシ・ストリップによって約1mm離間された2つの平行な平板によって画定しられる。空洞は、両末端で開放しており、その一方は試料を受け取り、そのもう一方は空気を逃がすことを可能にする。空洞は電極構造を含み、テストストリップによって行われるべき試験に適切な材料の被覆を担持する。
【0005】
試薬被覆の多くの変形例が、試験されるべき特定の(複数の)分析物によって可能であり、種々の分析物の各々と共に使用するのに利用可能な特に多くの化学物質がある。しかし、一般的に言って、できる限り薄く、均一な、テストストリップまたはバイオセンサーにおける試薬層を形成することが望ましい。たとえば、試料容積そしてさらに試料受取チャンバーのサイズは、小さくなり続けるので、試薬層の厚みにおける変形は、さらに試験結果の精度に影響を及ぼす。さらに、小さな空洞を有するテストストリップでは、試料を受取るチャンバー内に十分な空間を残すために、試薬層は薄くなければならない。さらに、薄層は、いっそう早く水和させ、したがってより迅速な試験結果を生じる。
【0006】
極度に少容量で早急に水和させる、薄くそして均一な試薬層を形成することが望ましい一方で、非常に少量の液体試薬で作業する困難さのため、それは、容易には得られない。たとえば、試薬層を形成する1つの先行技術のアプローチは、試料受け取りチャンバーがテストストリップで形成された後に試料受取チャンバーに試薬層を堆積することである。しかし、これは、チャンバーの周辺のメニスカスの形成のような現象により、いっそう不均等な試薬層を生じる可能性があり、これは内側部分よりチャンバーの側壁に隣接する種々の厚さを有する試薬を生じる。これは、チャンバーの充填の不整合、溶解間隔の延長、試料流動体との試薬の不整合な混合を、そして最終的に乏しい試験結果を生じる可能性がある。
【0007】
試薬の連続ストライプが堆積されたテストストリップ材料の細長いウェブを提供することが知られている。その後、テストストリップは、細長いウェブから切断され、切断は、試薬層を通して延びる。典型的には、そのように形成されたこのようなテストストリップでは、試料受取チャンバーは、基板材料によって提供される下方レベルおよび試薬層によって提供される上方レベルの2つの異なるレベルのフロアを有する。チャンバーのフロアにおける不連続性は、問題がある可能性がある。第一に、試薬の頂部は、試料のための十分な空間を可能にするためにチャンバーの天井または頂部からの最小の距離に離間されなければならないため、基板の下部高さは、無駄なチャンバー空間を不必要に作り出す。
【0008】
第二に、試薬ストライプによって形成される試薬層の縁は、厚さおよび幅において不均一になりうる。たとえば、試薬ストライプの幅は、材料の長いウェブに使用される場合、実質的に変化する可能性があり、これはストリップがウェブから切断された後に、他のものより多く試薬を有するストリップを生じる。さらに、試薬ストライプの縁品質は、ストリップを適用するために使用される手段、その粘度などのような多くの因子により非常に可変である。これらの不均一性は、分析物濃度を測定する上で不正確になりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5141868号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、小さな試料受取チャンバーを有するが、しかしそこに上述の欠陥を回避する試薬層を含むテストストリップを形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、1マイクロリットル未満、好ましくは0.5マイクロリットル未満の小さな試料受取チャンバーを有するテストストリップを提供する。試料受取チャンバーは、上に記述される望ましくない縁およびメニスカス効果を回避する均一な試薬層を含む。本発明は、さらに、これらの発明性のあるテストストリップを大量生産する費用効果的な方法を提供する。
【0012】
その中の1つの形態では、本発明は、メータ挿入および試料受取末端、第一および第二側面、およびその2つの側面に実質的に平行に向けられる中心の縦軸を有するテストストリップを提供する。テストストリップは、試料受取末端からメータ挿入末端まで下流方向を画定する。テストストリップは、その上に形成される電極を有する基板を含む。スペース層は基板上に重なり、試料受取チャンバーを少なくとも部分的に画定する空隙または空洞を有する。試薬層は、試料受取チャンバーに配置され、基板と電極の一部を覆う。試薬層は、スペース層と基板のあいだに挟まれ、基板の第一および第二側面に延び、テストストリップの試料受取末端にも延びる。
【0013】
好ましい形態では、試料受取チャンバーは、縦軸と整列されるチャネルを画定し、試料受取末端に配置した試料受取開口部を有する。したがって、試薬層は、試料受取開口部まで延びる。この構成の利点は、均一で、平滑な試薬層が、試料受取チャンバーのフロアのほとんどまたは全てを被覆し、これにより試薬層における縁不連続、メニスカス効果および他の不均一性を避けることである。代わりに、本発明は、試料受取チャンバーのフロアに渡って延びる薄く、均一な表面を有する試薬層を提供し、非常に正確なテストストリップを提供する。
【0014】
テストストリップは、好ましくは、スペース層に重なる被覆層を含む。被覆層は、試料受取チャンバーと連通する排出開口部を含み、これにより流動体がそこに入る際に、空気をチャンバーから逃がす。さらに好ましくは、試薬層は、僅かにそれを超えるとまではいかないが、排出開口部までずっと下流方向に延びる。このように、試料流動体が、毛細管作用によって試料受取チャンバーに引込まれるとき、試料は、排出開口部で止まるまで均一でそして薄い試薬層を経験し、排出開口は、好ましくは疎水性であるべきその一方の側面を有するスロットとして供され、それにより効果的にこれを越える試料の移動を止める。
【0015】
別の好ましい形態では、基板上の電極は、作用電極と対極を含み、その両方は、試薬層によって被覆される。試薬層は、電極を越えて下流方向に延びる。
【0016】
試薬層は、好ましくは、テストストリップの第一および第二側面と実質的に整列される第一および第二試薬層側面縁を画定する。試薬層は、テストストリップの試料受取末端に整列される試薬層末端縁も形成する。下に記述されるとおり、試薬層縁は、大型ウェブから個々のテストストリップを形成するダイ切断プロセスの一部として形成され、これは、上記された望ましくない縁効果を避ける平滑でそして均一な縁を提供する。
【0017】
別の好ましい形態では、テストストリップは、スペース層と基板とのあいだに挟まれた接着剤層を含む。ここに記述されるとおり、大量生産工程の一部として、試料受取チャンバーの周縁と整列される縁プロファイルを有する接着剤層が形成される。好ましい実施態様では、接着剤は、試料受取チャンバーの周縁の周囲に封止材を形成し、これにより試料流動体がチャンバーの外側に横方向に移動し、スペース層下に広がることを防ぐ。
【0018】
その他の形態では、本発明は、上記された新規テストストリップを大量生産する方法を提供する。本発明の方法では、第一および第二ウェブ縁を有する基板材料のウェブが提供される。複数の離間された電極組が、ウェブ上に形成される。試薬材料のストライプは、ウェブ上に適用され、その電極組の少なくとも一方の電極を覆う。ストライプは、第一ウェブ縁に実質的に平行に向けられる。本発明のテストストリップは、その後、ウェブから切断される。ウェブに作製される切断物は、テストストリップの第一および第二側面および試料受取末端を画定する。さらに、切断工程の間に、試薬ストライプの一部を切断し、テストストリップの試料受取末端から分離する。これは、テストストリップの試料受取末端、並びに第一および第二側面まで延びる試薬層を有するテストストリップを生じる。試薬は親水性であるので、ストリップの投与末端まで延伸させることは、毛細管チャンバーへの血液試料の移動を有益に促進し、投与の躊躇を回避する。
【0019】
好ましい形態では、テストストリップが切断される前に、一連の離間された空洞を有するスペース材料のウェブが提供される。空洞は、ウェブから切断されるテストストリップの縦軸に整列され、その後、スペース材料は、ウェブに積層される。好ましくは、スペース材料は、スペース層材料のウェブを、基板のウェブに接着する役割を果たす接着剤をその底部側に含む。さらに好ましくは、スペース層材料のウェブを積層した後、被覆層材料のウェブが整列され、その後、スペース層材料のウェブの上に積層される。このように各空洞は、試料受取チャンバーを画定する。
【0020】
この方法によって形成される発明の試薬層は、いくつかの利点を有する。それは非常に薄いので、試薬層は均一な厚さに製造されうる。さらに、薄い試薬層は、迅速な反応時間となる少量の試薬のみを含有する。その反応は、短い拡散時間のみを有し、薄い試薬層は迅速に可溶であり、したがって、早急な試薬利用性、および試薬ストライプの試料再水和の後のマトリックスの迅速な平衡に至り、これは早い測定に至る。
【0021】
発明の試薬層は、非常に薄く作製されうるだけでなく、反応領域で縦横に高い同質性をも示す。試験領域または試料受取チャンバーの試薬層は、平坦で、厚さが均一である。被覆されたストライプにおける厚み変動は、好ましくは、ストライプの縁外側0.2cm(またはより少なく)でのみ生じる。しかし、好ましい実施態様では、これらの領域は、有利にはスペース層によって覆われるか、または最終の組立工程でストリップの投与末端から取り除かれるかのいずれかである。
【0022】
さらに、試薬層は、湿らせて適用され、その後、テストストリップにスペース層を積層させる前に乾燥されるので、試薬層は、平滑で、薄くそして均一な厚みで形成され、実質的に試料受取チャンバーの全フロアを覆いうる。この発明の方法は、試薬層の品質、配置、厚みおよび他の特性の再現性を改善する助けになり、これは試験結果の精度を改善する。
【0023】
本発明は、非常に投与の容易なテストストリップを提供し、確固不動であるが柔軟性のある製造方法を提供する。本発明を特徴づける種々の他の特性は、付随の請求項で独自性を指摘される。本発明、その利点、そしてそこから得られる目的をより理解するために、本発明の好ましい実施態様が例示および記述されている図面および付随の説明を参照すべきである。
【0024】
ここで図面を参照し、使用される符号および文字は、いくつかの図面を通して対応の構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明によるテストストリップまたはバイオセンサーの斜視図である。
【図2】図1のバイオセンサーの分解斜視図である。
【図3】図1のバイオセンサーの一部の断面図であり、さらに図1〜2から除外された接着剤層を示す。
【図4】図1のバイオセンサーの一部の平面図であり、破断した部分は、基礎的な詳細を示す。
【図5】本発明によるバイオセンサーを製造する方法についての工程の流れ図を示す。
【図5A】本発明によるバイオセンサーを製造する方法についての工程の流れ図を示す。
【図6】本発明のバイオセンサーの底部基板を形成する上で有用なウェブ材料のオープンリール式加工および切断を示す斜視図である。
【図7】ウェブ材の一部の斜視図であり、基板上の電子要素の典型的パターンを示す。
【図8】図7のウェブ材の一部の斜視図であり、そこに被覆される試薬組成物を含む。
【図8A】図8に示される試薬を製造するスロット−ダイ被覆工程を示す線図である。
【図9】スペース層および結合した接着剤層および剥離ライナーを示す分解斜視図である。
【図10】切断された予備毛細管チャンバーを有するスペース層、およびその上に電極バターンを有する基板への積層と一直線に整列されるべきスペース層の一部の分解斜視図である。
【図11】スペース層との基板の組立体の斜視図である。
【図12】基板とスペース層上への組立のための本体とチャンバーカバーとの組合せを示す分解斜視図である。
【図13】バイオセンサーを含むいくつかの層を含む組立体の一部の斜視図である。
【図14】いくつかの検出可能なバイオセンサーを含むウェブ材の一部の斜視図である。
【図15】組立ウェブ材から分離された単一のバイオセンサーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、ここに示される特定の実施態様が参照され、ここで、特定用語は、同じものを記述するために使用される。それにもかかわらず、本発明の範囲でそれにより意図される限定はないことが理解される。記述された方法または装置におけるあらゆる変動およびさらなる改良、およびここに記述される本発明の原理についてのあらゆる追加の応用は、本発明が関連する当業者に通常に起こったであろうと予測される。
【0027】
システム
本発明は、試料流動体中の分析物を評価するのに有用であるシステムに関する。システムは、標的分析物について試料流動体を評価するための装置および方法を含む。以降さらに十分に記述されるとおり、評価は、分析物の存在を検出することから、分析物の濃度を測定することまでにおよびうる。分析物および試料流動体は、試験システムが適切であるあらゆるものでありうる。説明の目的のみのために、分析物がグルコースであり、そして試料流動体が血液または間質液である好ましい実施態様が記述される。しかし、本発明は、明らかに範囲においてこれに限定されない。
【0028】
センサー
システムの1つの要素は、試料流動体のための試料受取チャンバー、および試験分析物の存在下で電気化学的信号を生じるために適切な試薬を含む電気化学的センサーである。センサーは、好ましくは、使い捨てテストストリップ、特に試料受取チャンバーと連通する縁開口部を供する薄層状構築物を有するものからなる。試薬は、またチャンバー内に配置される作用電極に電気化学的信号を提供する位置で、試料受取チャンバー内に配置される。グルコース検出についてのような適切な環境下で、試薬は酵素、任意的にメディエーターを含みうる。
【0029】
メータ
センサーは、試料流動体中の分析物の測定のためのメータと組み合わせて使用される。メータは、通常は、分析物の濃度に対応する電気化学的信号を評価するためにセンサーおよび電子回路の電極との接続を含む。メータは、試料流動体がセンサーによって受領されたこと、および試料流動体の量が、試験をするために十分であることを測定するための手段も含む。メータは、典型的には、分析結果を保存および表示するか、または代わりに、別の装置にデータを供給しうる。
【0030】
分析物−特徴
システムは、分析物についての定量または定性的指標のいずれかを供しうる。一実施態様では、システムは、試料流動体中の分析物の存在のみを示す。システムは、試料流動体中の分析物の量または濃度の読取も供しうる。好ましい実施態様では、分析物濃度の非常に正確で、厳密な読取が、少量の試料流動体から早急に得られることが、本発明の特性である。
【0031】
分析物−型
システムは、広範多様な分析物の測定のために有用である。たとえば、テストストリップは、分析物の存在を評価するために使用されうるあらゆる適切な化学物質を用いて使用するためにも十分適合される。より好ましくは、システムは、生物学的流動体中の分析物の試験のために構成および使用される。このような分析物は、たとえば、グルコース、コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、乳酸塩、乳酸脱水素酵素、アルコール、尿酸、および3−ヒドロキシ酪酸(ケトン体)を含みうる。システムに対応する改質は、当業者に明らかである。説明の目的のために、そして特に好ましい実施態様で、システムは、生物学的流動体におけるグルコースの検出に関して記述される。
【0032】
干渉物
試験方法論は、試料流動体中の干渉物の存在により種々に影響を及ぼされうる。たとえば、血液試料中のグルコースについての試験は、酸素、ビリルビン、ヘマトクリット、尿酸、アスコルベート、アセトアミノフェン、ガラクトース、マルトースおよび脂質のような因子によって影響を与えられうる。本システムは、試料流動体にも存在しうる干渉物の有害な影響を最小限にするか、または除去する適合性がある。これらの影響は、可能性のある干渉物により、ほとんど、またはまったく影響を受けないことが知られている化学物質の選択などによる、試験材料およびパラメーターの適切な選択により対処されうる。当業界で知られるとおり、他の工程も、干渉物が試験ゾーンに入ってくることを防止する被覆または膜の使用など、可能性のある干渉物の影響に対処するために行われうる。さらに、電極構成または呼びかけ信号法に対する改善は、干渉物の影響を最小限にするために使用されうる。
【0033】
流動体型
システムは、多様な試料流動体に有用であり、好ましくは、生物学的流動体中の分析物の検出のために使用される。これに関連して、用語「生物学的流動体」は、分析物が測定されうる、たとえば、間質液、真皮液、汗、涙、尿、羊膜液、脊椎液、および血液のようなあらゆる体液を含む。本発明の内容で、用語「血液」は、全血およびそれの細胞不含成分、特に血漿および血清を含む。さらに、システムは、試験用のシステムの完全な状態を確認するために従来の形態で使用される対照流動体と関連して有用である。
【0034】
好ましい実施態様では、システムは、グルコースの試験のために使用される。この例で試料流動体は、特にたとえば、指先または承認された代替部位(たとえば、前腕、掌部、耳たぶ、上腕、ふくらはぎ、および大腿部)から得られる新鮮な毛細管血、新鮮な静脈血、およびシステムで、またはシステムのために供給される対照溶液を含みうる。
【0035】
流動体は、あらゆる形態でテストストリップに取得され、移送されうる。たとえば、たとえばランセットを用いて皮膚を切開し、その後皮膚表面に現れる流動体とテストストリップを接触させることによって、血液試料は、従来の形態で得られうる。テストストリップは、非常に少量の流動体試料に有用であることが、本発明の態様である。したがって、皮膚のほんの僅かな切開が、試験のために要求される流動体の量を生じるために必要であること、そしてこのような方法に関する苦痛および他の懸念が、最小限にされるかまたは排除されうることが、本発明の望ましい特徴である。
【0036】
皮膚上の相違する箇所が、切開により、より多くまたはより少量の血液を生じることも周知である。たとえば、指先は切開により相対的に多量の血液を生じるため、血液試料を得るために一般に使用される部位である。しかし、多量の血液を生じる領域が、一般に、使用者に関してより多くの痛みに関連することも知られている。したがって、要求される試料流動体の体積が、十分に少量なので、テストストリップは、典型的には、掌部および上腕のような、生産性は低いが、痛みが少ない皮膚の領域を切開することにより得られる血液の量で有用である。試験のための試料流動体を得るためのこれらの箇所の使用は、しばしば、「代替部位試験」と称される。本発明は、特に、これらの代替部位で得られる試料流動体、たとえば血液または間質液との使用に十分に適合される。
【0037】
テストストリップ − 一般
導入
テストストリップは、いくつかの基本的な要素を含む。ストリップは、試料流動体が、試験のために受け取られるチャンバーを画定する小型本体を包含する。この「試料受取チャンバー」に、好ましくは、毛細管作用により、適切な手段により試料流動体を充填するが、しかし任意的に、圧力または真空によっても支援される。試料受取チャンバーは、試料流動体中の分析物を示す電気化学的信号を生成することに適した電極および化学物質を含む。
【0038】
基本的説明
特に図面に関して、本発明に従って有用なテストストリップの好ましい実施態様を示す。テストストリップ10は、基板12、スペース層14、および本体カバー18とチャンバーカバー20を含む被覆層16を包含する。スペース層14は、基板12と被覆層16のあいだで延びる試料受取チャンバー24を供するための空隙部分22を包含する。
【0039】
基板12は、接触パッド32で終結する複数の電極28と電極トレース30を含む電極システム26を担持する。電極は、試料受取チャンバー24中に位置決めされる電極トレース30の部分のものと定義される。電極システム26の種々の構成は、以降に説明されるとおり使用されうる。適性な試薬システム33は、試料受取チャンバー内の電極または電極対28の少なくとも一部の上にある。
【0040】
スペース層14の上にある本体カバー18およびチャンバーカバー20は、そこのあいだのスロット34を画定し、試料流動体が縁開口部または流動体受取開口部35からチャンバーに入るとき、スロットは、空気をチャンバーから逃げさせる試料受取チャンバーに連通する排出開口部を画定する。したがって、テストストリップは、投与末端36およびメータ挿入末端38を含む。投与末端の形状は、一般に、使用者を支援するようにメータ末端から区別される。さらに、ストリップの図が、好ましくは、ストリップ設計の直感性をさらに改善するために使用され、たとえば矢印31は、メータへのストリップの挿入方向を示す。
【0041】
全般的寸法
テストストリップは、コンパクトさ、および保存と使用の容易さのために寸法決めされる比較的小型の装置である。典型的な実施態様では、ストリップの長さは、長さ20から50mm程度、好ましくは約33から約38mm、そして幅5から15mm程度、好ましくは約7から約9mmである。スロットまたは排出開口部34からメータの縁までの距離は、血液が存在しない「把持領域」を供し、そしてメータ接触領域の血液混入に対して保護する大きさに作製され、したがって、5から35、好ましくは≧13mmまでの範囲でありうる。メータに挿入されるテストストリップ部分の長さ(メータ挿入末端38から)は、好ましくは、テストストリップの長軸に沿って≦6.0mmである。
【0042】
テストストリップの好ましい薄層構造は、比較的薄い装置も提供する。ストリップの最小限の厚さは、使用者に都合のよい適切な容器中にストリップの梱包を準備させる。たとえば、テストストリップの全体の厚さは、約500から525μmでありうる。メータ接点に挿入されるテストストリップ部分の厚さは、約250μmでありうる。
【0043】
基板
テストストリップは、電極システムと他の要素を支持する絶縁材料からなる基板12を含む。典型的に、ビニル重合体、ポリイミド、ポリエステル、およびスチレンのようなプラスチックは、要求される電気的および構造的特性を提供する。さらに、テストストリップは、好ましくは材料のロールから大量生産可能であるので、材料特性は、仕上げられたストリップに有用な剛性を与えながらも、ロール加工のために十分柔軟性を有することに適合していることが望ましい。基板は、ポリエステル、特に高温ポリエステル材料;ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリイミドのような柔軟性重合材料、またはこれらのうちの2つまたはそれより多くの混合物として選択されうる。ポリイミドは、たとえば、デラウエア州ウイルミントンのデュポン社(E.I.duPont de Nemours and Company)からKapton(登録商標)の商品名で市販されている。特に好ましい基板材料は、デュポン社から入手可能なMELINEX(MELINEX)(登録商標)329である。
【0044】
電極
型
本発明は、センサー内での電気化学的酸化および還元反応の手段として、分析物の存在を検出し、および/またはその濃度を測定するように構成された装置である「電気化学的センサー」に関する。これらの反応は、分析物の量または濃度に相関可能な電気的信号に変換される。したがって、テストストリップは、試料受取チャンバー内に、1組の測定電極、たとえば少なくとも作用電極と対極を含む電極システム26を含む。試料受取チャンバーは、チャンバーに入る試料流動体が、作用電極と対極の両方との電解接触されるように構成される。これは、分析物の電気的酸化または電気的還元に影響する測定電極のあいだに電流を流させる。
【0045】
本発明の状況で、「作用電極」は、分析物が、酸化還元メディエーターの作用で、またはなしに電気的に酸化または電気的還元される電極である。用語「対極」は、ここで、作用電極と対をなし、作用電極を通過する電流に等しい大きさで、符号が反対である、電極をいう。用語「対極」は、参照電極としても機能する対極(すなわち、対/参照電極)を含むことが意図される。
【0046】
電極材料
作用および対極、および電極システムの残りの部分は、当業界で知られるとおり、多様な材料から形成されうる。電極は、比較的低い電気抵抗を有すべきであり、そしてテストストリップの操作範囲で電気化学的に不活性であるべきである。作用電極のための適切な導体は、金、パラジウム、プラチナ、炭素、チタン、酸化ルテニウム、インジウムスズ酸化物およびイリジウム並びにその他を含む。対極は、同じまたは異なる材料、たとえば銀/塩化銀から製造されうる。好ましい実施態様では、作用および対極は、両方とも金電極である。
【0047】
電極使用法
電極は、適切な伝導性および完全性の電極を生じるあらゆる形態の基板に適用されうる。典型的な工程は当業者に周知であり、たとえば、スパッタリング、印刷などが含まれる。好ましい実施態様では、金電極は、基板を被覆し、その後被覆の選択部分を除去して、電極システムを得ることによって供される。好ましい除去方法は、レーザー除去、さらに好ましくは、「バイオセンサーを製造する方法」と題される2003年6月20日に提出された米国特許出願第10/601,144号に開示されるとおり、広領域電界レーザー除去であり、その開示は、参照してここに組込まれる。
【0048】
レーザー除去技術は、一般に、絶縁材料および伝導材料、たとえば絶縁材料(下に検討される)に被覆または積層される金属層の金属薄層を含む単一の金属層または多層組成物を除去することを含む。金属層は、金属性伝導体である純粋金属、合金または他の材料を含みうる。金属または金属様伝導体の例としては、アルミニウム、炭素(たとえばグラファイト)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオブ、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(たとえば高ドープ多結晶質シリコン)、銀、タンタル、スズ、チタニウム、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、およびこれらの材料の合金または固溶体が挙げられる。好ましくは、材料は、生物学的システムに基本的に不活性であるものが選択される。そのような材料としては、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、銀、またはこれらの金属の合金またはインジウムスズ酸化物が挙げられる。金属層は、あらゆる所望の厚さでありうる。好ましい実施態様では、厚さは約500nmである。
【0049】
構成
電極システムは、テストストリップおよびメータの操作に適した多様な構成を有する。あらゆる実施態様に関して、作用電極および対極は、好ましくはそれらを覆うために必要とされる試料流動体の体積を最小限にするように位置決めおよび寸法決めされる。電極が、比較的廉価な携帯型のメータを使用して測定可能にするために十分な大きさの電流の流れを維持するように設計されることも好ましい。
【0050】
別の例として、好ましい実施態様は、作用電極の両側の周囲に延びる対極を含む。したがって、試料流動体が、試料受取チャンバーに入るとき、対極は、2つの構成要素を有し、一方は作用電極上にあり、他方は作用電極の後ろにある。さらに詳細には、対極は、試料受取チャンバーに渡って延びる要素40および42を含む。これらの要素の各々は、約250μmの幅である。作用電極要素44は、約250μmの幅を有し、2つの対極要素の各々から約255μmまで離間されている。これは、測定中の電極についての多数の構成の中のたった1つにすぎないことが理解される。
【0051】
トレース30およびコンパクトパッド32は、テストストリップに関してそれらの意図される機能と一致する多様な形態で提供されうる。電極システムのこれらの構成要素は、好ましくは、電極と同じ材料より構成され、好ましくは、電極の適用と同じ手段で同時に基板に適用される。好ましい実施態様で、トレースとコンパクトパッドは金であり、特に、先に参照して組込まれた米国特許出願第10/601,144号に記述されるとおり、レーザー除去によって形成される。しかし、代替材料および方法が使用されうる。
【0052】
化学
試薬組成物
テストストリップは、試験分析物と反応して、試料流動体中の分析物の存在を表す電気化学的信号を生じる試料受取チャンバー内に化学的試薬を含む。試薬層は、種々の分析物の存在および/または濃度を測定するために選択される多様な活性成分を含む。したがって、試験化学は、評価されるべき分析物に関して選択される。当業界で周知であるように、種々の分析物の各々と共に使用するのに利用可能な膨大な化学物質がある。たとえば、1つの好ましい実施態様では、本発明のテストストリップは、血液中のグルコースの存在を決定するために選択されうる1つまたはそれより多くの酵素、補酵素、およびコファクターを含みうる。したがって、適切な化学物質の選択は、十分当業界の技術の範囲内にあり、ここでのさらなる説明は、種々の分析物と共にテストストリップを作製および使用することを可能にするために要求されない。
【0053】
添加物
従来の形態では、試薬化学は、試薬特性および特徴を増強する種々の添加物を含みうる。たとえば化学物質は、テストストリップへの試薬組成物の配置を促進し、ストリップの接着性を改善するか、または試料流動体により、試薬組成物の水和の速度を増大させるための材料を含む。さらに、試薬層は、得られた乾燥試薬層の物理的特性、そして分析のための液体試験試料の取込みを増強するために選択される成分を含みうる。試薬組成物と一緒に使用されるべき添加物材料の例は、増粘剤、粘度改質剤、膜形成剤、安定剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開放剤、着色剤、およびチキソトロピー賦与剤が挙げられる。
【0054】
試験試料の好ましい実施態様では、大半のチャンバーは、使用前は空である。本発明によるテストストリップのきわめて小さなチャンバーにおいて、試薬層は、薄く、均一であることが好ましい。試料受取チャンバーは、非常に小さく、約1μl未満なので、チャンバーの深さまたは垂直の高さは小さい。よって、試薬層は、チャンバーの内部空洞の大半を占めるべきでない。試薬層は、チャンバー内で試験試料に十分な空間を残すのに十分に薄いべきである。さらに、液体試験試料は、試薬薄層をいっそうすばやく水和または溶解させる。上の反応スキームで検討されるとおり、メディエーターおよびメディエーター酸化還元産物は、試薬層に/電極に対する勾配を通してその中で拡散する。反応性成分および中間体は、薄い試薬を通して拡散する短い距離を有し、したがって、電極への拡散は、より短時間に生じる。さらに、メディエーター酸化還元産物の補足効率は、厚い層よりも酵素の薄層について大きい。
【0055】
反対に、厚みのある試薬層は、液体試験試料が水和または溶解するためにいっそう時間がかかり、厚みのある試薬層は、メティエーター/メディエーター酸化還元産物が、電極に接近するのにかかる時間を増大させる。これは、分析物濃度を測定する時間を遅延させ、測定に誤差を導きうる。
【0056】
試薬層は、均一な厚さを有することが好ましい。厚さの不均等性は、分析物濃度を測定する上で変動を導く可能性がある。好ましい実施態様では、試薬層は、試料受取チャンバーを全体通して均一な厚さを有する。この好ましい実施態様では、試薬層は、チャンバーの中心部分より、チャンバーを画定する垂直な側壁に隣接する試料受取チャンバーの周縁付近で厚くない。よって、試薬層は、メニスカスプロファイルを示さない。
【0057】
試薬組成物は、基材層上に薄く、均質な層に堆積されうる粘性溶液として調整される。試薬組成物は、試薬層の物理的特性を増強する増粘剤およびチキソトロピー性剤を含む。増粘剤は、そこに均一に分散される残りの成分を有する厚みのある液体マトリックスを供するように選択される。増粘およびチキソトロピー性剤は、液体または半ペースト状材料が堆積された後および乾燥する前に、基材層の表面を越えて流出および拡散することを阻止する。試薬組成物を堆積させた後、容易に水和可能なマトリックスに迅速に乾燥する。
【0058】
試薬組成物は、空気乾燥または加熱乾燥のいずれかで迅速に乾燥させて提供される。乾燥後、堆積した試薬層は、約1ミクロンから約20ミクロンのあいだの厚さを示す。さらに好ましくは、乾燥させた試薬層は、約2ミクロンから約6ミクロンのあいだの厚さを示す。
【0059】
試薬組成物は、カーテン被覆、熱溶融被覆、回転式スクリーン被覆、ドクターブレードまたはエアーナイフ被覆、マイヤー棒被覆、および逆ロール被覆技術を含めた多様な被覆方法を使用して、テストストリップ表面上に堆積されうる。これらの技術は、当業者には周知である。好ましくは、試薬組成物は、下にさらに詳細に記述されるスロット−ダイ被覆工程によって、ウェブに適用される。好ましくは、試薬層は、約40μmから約100μmのあいだの厚さで、湿潤組成物として柔軟性ウェブ上に堆積される。さらに好ましくは、試薬組成物は、約60μmから約80μmのあいだの厚さで、湿潤組成物として堆積される。組成物は、測定電極の頂部に直接、連続の狭いバンドとして、複数のテストストリップのウェブの長さに沿って、試薬の均一な薄層として適用されうる。好ましい実施態様では、狭いバンドは、約7mmから8mmのあいだの幅、および約3umから約20umのあいだの乾燥厚さを有する。組成物も、このような異質の電極の望まれる機能性によって、試料受取チャンバー中にある他の電極に適用されうる。
【0060】
スペース層
構成
テストストリップは、基板の上にあり、そして部分的に、試料受取チャンバーを画定するスペース層14を含む。特に、スペース層14は、試料受取チャンバー24の高さおよび周囲を実質的に画定する空隙部分22を含む。空隙部分22は、縁開口部を有するように都合よく配置され、これにより試料流動体が縁開口部を接触し、試料受取チャンバーに入る。縁開口部は、側面縁での配置も有用であることが理解されるが、好ましくは、テストストリップの末端に配置される。
【0061】
材料
スペース層14は、テストストリップでの製造に有用なあらゆる材料から製造されうる。スペース層は、試料受取チャンバーの高さを部分的画定するため、材料は、チャンバーの所望の高さに適切な厚みで十分な強度を有すべきである。スペース層の別の機能は、基板12の上部表面に沿って延びる電極トレースを保護することである。材料は、感熱または感圧性接着剤のいずれか、またはレーザー溶着のような他の手段によって、基板およびカバー材料にもすぐに付着されるべきである。適切な材料の例は、100μmのPET、PEN箔被覆物またはアドヘッシブ リサーチインコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)から得られるARCare90132のような接着剤と組み合わせで含む。
【0062】
被覆層
構成
被覆層16は、スペース層14から受取および付着される。被覆層の1つの機能は、試料受取チャンバーの頂部表面を形成することである。別の機能は、試験試料の獲得を支援するための親水性表面の供給である。さらに、被覆層16は、好ましくは、試料流動体が試料受取チャンバーに入りそして移動するときに、空気にチャンバーの内側から逃がす排出開口部34を画定する。
【0063】
好ましくは、本体カバー18およびチャンバーカバー20は、排出開口部の作製、形成を容易にする2つの別の部材からなる。本体カバー18とチャンバーカバー20は、両方とも、実質的に、同じ水平な平面に配置される。チャンバーカバー20は、スペース層の空隙部分22を実質的に覆い、試料受取チャンバーの頂部を形成する。チャンバーカバーは、好ましくは、下にさらに詳細に記述されるとおり、その底部側に親水性被覆または処理21を含む。本体カバーとチャンバーカバーは、図1に示されるとおり、テストストリップに沿って長手方向に端と端をくっつけて位置決めされ、そのあいだにスロット34を含む。スロットは、スペース層の空隙部分22の内側末端に隣接して配置され、本体カバー18からチャンバーカバー20を離間する小さなギャップを形成する。
【0064】
スロットは、電極システム26の位置の内側である試料受取チャンバーに関する位置に配置される。試料受取チャンバーに入る試料流動体は、排出開口部までは進むが、しかしそれ以上は進まない。頂部から見た場合、スロットは、ここに記述されるとおり、「充填ライン」の可視指標を提供する。したがって、排出開口部の配置は、十分な試料流動体が、電極システムを十分に被覆するように受け取られうることを保証する。同時に、排出開口部の配置は、電極システムの領域を越える、試料流動体の連続移動を阻害する。
【0065】
同時に、排出構成は、試料受取チャンバー24上にある中央領域を越えて、スロットに沿って側面の試料流動体の移動を阻害する様式で作製されうる。たとえば、本体カバーは、好ましくは、図3に示されるとおり接着剤46手段により、スペース層に固定される。疎水性接着剤の使用は、血液、間質液、および他の水性液体が毛細作用によって側面に延伸するスロットに沿って移動することを阻害する。本体カバー全体、または排出開口部に隣接する部分は、移動を阻害する疎水性でもありうる。材料の表面について疎水性特性を供する材料および方法は、当業界で周知である。チャンバーカバーは、下に説明されるとおり、接着剤46と同一または異なる接着剤によりスペース層に固定されうる。
【0066】
接着剤49は、基板12にスペース層を確保する。接着剤46、並びに接着剤49およびスペース層14についての材料は、例示の実施態様で全て、疎水性材料から形成される。ストリップ10で形成される毛細チャンバーの垂直壁、それ自体は、疎水性である。対照的に、チャンバーのフロアは、親水性試薬で覆われ、層20の底部側面は、親水性被覆21で覆われる(図2)。言い換えると、毛細管における水平表面は、親水性である一方で、垂直表面は、疎水性である。これは、毛細管チャンバーへの試料の十分な排出を促進し、なお、スペース層と基板とのあいだで、チャンバーから側面への試料の望ましくない移動を防止することが分かった。
【0067】
材料
本体カバーとチャンバーカバーは、テストストリップを用いた製造のために有用なあらゆる材料から作製されうる。本体カバーとチャンバーカバー用の材料は、同じであるか、または異なっていてよい。材料は、感熱または感圧性接着剤のいずれか、または加熱またはレーザー溶接のような他の手段により、スペース層にすぐに付着されるべきである。チャンバーカバーと本体カバーの両方に適切な材料の例は、およそ127μm厚のPETの箔を含む。チャンバーカバーは、好ましくは、国際公開公報第02/085185号に開示されるとおり親水性層21、アドヘッシブ リサーチインコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)から得られるARFlow(登録商標)90191を含む。
【0068】
被覆層16は、試料流動体が試料受取チャンバーに入る際に、観察を促進するためにも使用されうる。これは、チャンバーと周囲の領域とのあいだの色または影における対照を提供することによって達成される。たとえば、1つのアプローチでは、空隙22を囲むスペース層14の一部は、試料受取チャンバーの底部の色、たとえばチャンバー底部に配置される化学的試薬層の色と対称的な色で供される。この対照色は、たとえば、試料受取チャンバーに隣接するスペース層の一部にインクまたは他の着色剤を適用することにより供される。層14の着色部分23は、図2に描かれる。その後、チャンバーカバー20は、使用者が、チャンバーと隣接スペース層を観察することを可能にする透明または半透明材料として提供される。試料流動体が、テストストリップの縁から入るにしたがい、使用者は、排出開口部に向かって毛細管作用により移動する際にその進行を観察することができる。この型の特徴は、1999年12月7日にクリスマー(Crismore)らに発行され、そして参照してここに組込まれる米国特許第5,997,817号にさらに記述される。
【0069】
毛細管
基板、スペース層およびチャンバーカバーにより形成される試料受取チャンバーは、本質的にその中に試料流動体が移動するいくつかの部分を基本的からなる。第一の参入部分48は、縁開口部から測定電極システムの領域まで延びる。第二の試験部分50は、電極システムの領域を通して延びる。第三の部分52は、測定電極システムから排出開口部まで延びる。試料流動体の試験は、試験部分中の電極システムの領域で起こることが理解される。しかし、試料流動体は、テストストリップを充填する過程でチャンバーの他の部分も充填する。
【0070】
寸法
試料受取チャンバーの高さおよび幅は、試験されるべき流動体、および問題の分析物を含めた多様な考慮に基づいて選択される。たとえば、チャンバー寸法は、好ましくは、試験流動体のチャンバーへの毛細管の流れを促進する大きさにされる。血液と使用するための好ましいチャンバー高さは、たとえば、約50μmから約200μmまで、最も好ましくは120から180μmまでである。好ましい実施態様では、チャンバー高さは、約150μmである。チャンバーの幅は、所望の試料流動体および分析物に適合するように同様に選択されうる。たとえば、チャンバーは、所望の量の作用電極および対極を露出する十分な幅であるべきであり、過度の量の試験用の試料流動体の要求を避けるために十分に狭いべきである。試料受取チャンバーの幅と、作用電極の幅は、作用電極の領域を画定する。その領域は、それが信号増幅および設備設計に関する場合、別の設計考慮事項を表す。
【0071】
体積
試料受取チャンバーは、好ましくは、試験を行うために必要とされる試料流動体の量を減少させるために、最小の体積を有するように供される。縁開口部から排出開口部まで延びる3つの部分の全てを含めた全体の試料受取チャンバーは、縁から排出口までのチャンバーの領域、および基板からチャンバーカバー20までのチャンバーの高さの因子であると考慮されうる総体積を有する。しかし、「正味チャンバー体積」は、この空間を埋めるために必要な試料流動体の体積からなる。試料受取チャンバーの正味チャンバー体積は、電極、試薬、そして含まれる場合には、おそらく吸着剤材料のような他の物品によって占められる体積を引いた総チャンバー体積に等しい。
【0072】
先に示されるとおり、総試料受取チャンバーの体積は、チャンバーの3つの部分に起因する体積より構成される。各々の部分は、一般に、テストストリップの操作に実用的であるのと同じくらい小さい大きさに作製される。しかし、各部分のサイズに影響を与える考慮事項、そしておそらく他の機能がある。
【0073】
チャンバー体積は、高さおよび領域の両方の因子である。高さは、スペース層の厚みと、他の層にスペース層を固定するために使用される接着剤の厚みの結果である。たとえば、基板とチャンバーカバーは、スペース層の反対側に付着される。付着の1つの方法は、材料の加熱またはレーザー封止である。しかし、感熱または感圧性接着剤のような適切な接着剤の使用によってこれらの層を付着させることが好ましい。このアプローチでは、試料受取チャンバーの高さ、すなわち、底面基板の対峙表面とチャンバーカバーとのあいだの距離は、接着剤層の厚みによって影響を受ける。図3に示されるとおり、チャンバー24は、試薬層33によってそれの底部側と、チャンバーカバー20によってその頂部側を境界される。しかし、接着剤層46および49、並びにスペース層14は、チャンバー24の総高さを画定する。
【0074】
さらに、好ましい実施態様では、試薬層33は、基板12とスペース層14のあいだに延伸し、実際に、下に記述されるとおり、テストストリップの総幅に延びる。したがって、チャンバーの高さは、スペース層の下にある試薬層の存在により、増大もされうる。この実施態様では、接着剤が使用された場合、少なくとも、接着剤が、試薬および周囲にある程度充填する範囲まで、試験試薬と組合わせうることが分かった。したがって、試薬と接着剤層の高さは、最終のテストストリップで必然的に付加的であるというわけではない。むしろ、基板とスペース層とのあいだに生じる空間の高さは、積層の前の個別の試薬と接着剤層の高さの組合せより幾分少ない。
【0075】
接着剤と試薬の組合せが、試料受取チャンバーの縁に沿って封止を生成するために有益に助けになることも分かった。これは、試料流動体が、試験を行うために必要な時間枠内で基板とスペース層とのあいだの空間に存在する試薬材料中に移動することを阻止する。
【0076】
第一の参入部分は、試料流動体を受け取り、それを測定電極に向けるのに利用できる。この部分は、サイズはかなり小さくでき、チャンバーの短いセグメントのみからなる。この部分の長さは、好ましくは1200μm未満である。
【0077】
第二の試験部分は、試験または測定電極を含み、最小限の体積の試料流動体を必要とする大きさにされる。この第二の部分のサイズを制御する主要要因は、測定電極の型、数、サイズ、信号強度、および構成である。この部分の長さは、好ましくは、約1260μmである。好ましい体積は、0.15mmの毛細管高さおよび1.4mmの毛細管幅に基づいて、約0.265μLである。
【0078】
試料流動体は、測定電極を通過して、第三の部分に移動する。これは、測定電極が適切に湿っていることの保証を提供し、好ましくは特定の確認を可能にする。この確認は、使用者による目視の観察か、または自動的検出手段によりうる。たとえば、用量充足電極は、測定電極の湿気が保証される時点の部分まで、試料流動体が前進したときを検出するためにこの部分に配置される。これは、電極への電位の印加を開始するためのトリガとして使用されうる。この部分の長さは、好ましくは50から500μmまで、より好ましくは255から400μmまでである。体積は、好ましくは0.01から0.1μL、よりさらに好ましくは0.05から0.08μLまでである。
【0079】
好ましい実施態様では、試料受取チャンバーの全体の正味チャンバー体積は、約1μL未満、より好ましくは約0.5μl未満である。試料受取チャンバーの正味チャンバー体積についての望ましい範囲は、約0.15から約1.4μLまで、より好ましくは約0.4から約0.7μlまでの体積を包含する。
【0080】
吸着剤
試料チャンバーは、別の状況では空であり、それは好ましく、あるいは、代わりに、吸着剤材料を含みうる。適切な吸着剤材料としては、ポリエステル、ナイロン、セルロース、およびニトロセルロースのようなセルロース誘導体が挙げられる。吸着剤材料は、流動体がチャンバーに移動する際に支援することによって、試料流動体の取り込みを促進するために含まれうる。吸着剤材料の使用は、試料流動体の受領のための試料受取チャンバーの空隙体積をさらに減少させる役割も果たす。
【0081】
充填方法
試料チャンバーを充填する好ましい方法は、毛細管作用による。さらに、テストストリップの充填は、試料流動体に圧力をかけて、試料チャンバーに押出すこと、および/または試料チャンバーに真空を生成して、試料流動体をチャンバーに引き込むことのような他の手段により増大されうる。
【0082】
親水性被覆
試料受取チャンバーの毛細管充填の目的のために、種々のアプローチが、試料流動体のチャンバーへの移動を促進するために利用できる。たとえば、チャンバーを画定する表面のいずれかまたは全ては、親水性を改善するために選択または処理されうる。このような処理は、下に記述されるとおり、既知親水性材料の使用、表面への親水性材料の適用、または親水性を増大するための表面の処理からなる。さらに、試薬組成物は、容易に水和され、試料受取チャンバーの充填を勧めるために配合されうる。先に示されるとおり、吸着剤も使用されうる。
【0083】
分析物についての試験
電気化学的センサーは、作用電極および対極に渡って、そして用量充足電極に渡って適切な電位または一連の電位を印加することによって操作される。メティエーターが使用される場合、作用電極および対極に渡って要求される電位の大きさは、酸化還元メディエーターによる。さらに、分析物が電解される電極での電位は、一般に、電気化学的反応を完全に、またはそれに近くまで駆動させるのに十分な大きさであるが、しかし、電位の大きさは、干渉物の重大な電気化学的反応を誘導するのに十分なほどには大きくないことが好ましい。グルコースについては、たとえば、使用される電位差は、一般に、直流計を使用した場合、約+100mVから約+550mVのあいだである。交流計を使用した場合、これらは、一般に、5から100mV RMSでありうる。
【0084】
試料が、試料受取チャンバーに入り始める前後で、電位を印加してよい。しかし、電位は、好ましくは、試料がチャンバーに入った後に、より好ましくは、試験を行うために、試料受取チャンバー中に十分な量の試料があることが測定された後に印加される。電位の印加のタイミングは、使用者による目視の観察、テストストリップへの流動体のサンプリングに続く時間遅延、またはチャンバー中の十分な量の試料の電気的または他の自動検出を含めた多様な形態でトリガされる。目視および電気的代替法も、装置の適切な操作を確保するために重複する二重安全装置として作用しうる。好ましくは、テストストリップおよびシステムは、流動体試料がチャンバーを十分に充填したときを決定するために、用量充足電極のような別の検出手段を利用する。
【0085】
電位が印加され、そして試料流動体が試料受取チャンバー中にあるとき、電流は、作用電極と対極とのあいだを流れる。電流は、十分な大きさの電位が印加されたときの、試料流動体中の分析物の電気分解の結果でありうる。この場合には、電気化学的反応は、先に記述されたとおり一般に、酸化還元メディエーターを介して生じる。小さな振幅電位が印加される場合、特に交流電位の場合には、電流は、電気分解によって必然的に生じるものではなく、試料チャンバー中の電気絶縁体のイオン運動および応答によって生じる。当業者は、同じ結果を達成する多くの異なった反応機構があることを認識する。
【0086】
対照溶液
試験は、対照溶液、またさらに正しい対照溶液が投与されたことを確認するために投与後に、テストストリップに適用できる。対照溶液は、全システムが、設計仕様以内で機能していること、およびテストストリップが、不適切に保存されたか、そうでなければ誤って処理されなかったことを確認することで使用者を支援する。許容しうるストリップは、試験されるべき特定のストリップ・ロットについて特定の許容範囲内の値を回復する。問題の許容範囲は、容器ラベル上の各ストリップ・ロットについて公表される。
【0087】
ストリップを作製する方法
好ましい実施態様では、センサーは、多層の積層されたテストストリップ10からなる。先に記述されたとおり、積層体は、基板12、スペース層14、および被覆層16を含む。これらの構成要素は、種々の方法で組み立てされる。たとえば、構成要素は、接着剤、熱封止、レーザー溶着、および隣接材料を固定するために適した多様な他の適切な技術の使用により組み立てされる。テストストリップは、好ましくは、単一のシートまたはウェブ上で、多数で組立てられ、そしてその後、ストリップは、保存および使用のために分離される。
【0088】
積層テストストリップは、一度に、1つの層を続けて敷き詰めることによって連続して組立てられうる。代わりに、テストストリップは、個々の構成要素または層を組立または加工することによって作製可能であり、そしてその後、一緒に積層して、機能的テストストリップを提供しうる。1つの好ましい形態では、テストストリップの2つ以上の基本的構成要素は、同時に作製される。その後、1つまたは一連の組立または積層工程で、基本的構成要素を組合わせてテストストリップを産出し、これは、さらなる加工を必要としても、しなくてもよい。好ましい実施態様では、テストストリップは、3つの基本的構成要素すなわち、基板上画定しられた金属性電極で被覆された試薬層を伴う金属化基板、その中に予備形成された空洞を有するスペース層、および1つまたはそれ以上の頂部または被覆層から組立てられる。
【0089】
試料受取チャンバーについてのこのような小型寸法で、試薬層の特徴は、テストストリップの操作に、特に、水和および混合特性の観点で重要な効果を示しうる。試薬層の品質、配置、厚さおよび他の特性の再現性はしたがって重要である。したがって、組成物が、適用層の均一性および平坦さのような物理的特徴を特定に増強する材料を包含することが望ましい。
【0090】
1つの特定の態様では、テストストリップは、試薬を組込むための特徴的な様式を含む。試薬は、試料受取チャンバー内の少なくとも作用電極上で、好ましくは対極上にも配置される。試薬は、当業界で十分に理解されるように、多様な形態でテストストリップに適用されうる。好ましい実施態様では、試薬組成物は、基板に支持された電極上に薄い被覆として適用される。
【0091】
さらに特には、試薬は、基板とスペース層とのあいだに試薬組成物を配置する様式で、基板上に載せられる。適用のこの様式は、試薬層をいっそう平坦で、均一な厚さにする助けになる。対照的に、先行技術の手段は、最初に、反応ウェルまたは空洞を作製し、そしてその後、そのウェルに試薬を充填した。しかし、これは、ウェルの周囲でのメニスカスの形成のような現象によりいっそう不均一な試薬層を生じうる。これは、また試薬が、内側部分より、反応ウェルの側壁に隣接して異なる厚みを有することとなり、これは、チャンバーの充填、延長された溶解間隔に不一致を引起し、試料流動体と試薬を混合すること、そして最終的試験結果とに不一致を生ぜしめる。スペース層が加えられる前に、基板上に試薬を配置することによって、それが、基板上で乾燥されるときに、試薬の均等な層を妨害するメニスカス効果はない。さらに、適用のこの方法は、テストストリップの大量生産を促進する。
【0092】
図面によって、テストストリップ10は、底部基板12とスペース層14とのあいだに延びる試薬層33を含むと示される。さらに、試薬は、底部基板12の頂部表面と電極28との両方を覆う層33を形成する。試薬は、少なくとも作用電極を、好ましくは対極も覆う。最も好ましい実施態様では、試薬層は、テストストリップの全幅に延びる。試薬層は、好ましくは、末端縁から排出開口部までにも延びる。したがって試薬層は、スペース層の下に延伸し、スペース層と基板とのあいだに挟まれる。例示の実施態様では、試薬層は、テストストリップ10の側面縁および投与縁の両方に延びる。
【0093】
下記にさらに詳細に記述されるとおり、製造工程のあいだに、テストストリップ10は、細長い連続「試薬ストライプ」を有する材料のウェブから切断される。切断工程は、そのように形成された各テストストリップが、試薬層側面縁と末端縁を画定する試薬層を有するように、2つの側に、そしてその末端で試薬層を通して切断する。試薬層側面縁は、テストストリップの側面縁に整列される一方で、試薬層末端縁は、テストストリップの末端縁に整列される。言い換えると、試薬層縁は、テストストリップの縁と同一の広がりを持つ。試薬層を投与縁(ストリップの側面または末端縁でありうる)に延伸させることは、試薬が親水性であるので、試料受取チャンバーへの試料流動体の移動を促進する助けになる。試薬層を、ストリップの側面まで延伸させることは、スペース層が積層される平滑基板を有利に提供する。
【0094】
試薬組成物は、最終的にスペース層の下に延びる所望でそして均一な層を提供するあらゆる適切な形態で底部または基板に適用される。試薬は、好ましくは、底部基板上に直接、そしてその上に受取られた電極に連続する被覆で適用される。以降に説明されるとおり、試薬組成物は、最も好ましくは、ウェブ加工の材料上で多量のテストストリップを生産する過程で適用される。この様式で、試薬は、後に、個々のテストストリップに分離される基板ロールに渡って延びる材料の連続ストライプの方法で適用されうる。試薬組成物は、乾燥させるか、またはそうでなければ組立てられ、スペース層はその上に適用される。
【0095】
関連態様で、底部基板にスペース層を固定する好ましい様式は、接着剤の使用である。層を一緒に固定することに加えて、接着剤は、底部基板とスペース層のあいだの空間を封止する助けになるために試薬組成物と十分に係合することが分かった。接着剤は、好ましくはスペース層上に配置され、これを基板に積層させる。接着剤は、それにより、スペース層の下に延びる試薬の部分と接触する。
【0096】
別の態様では、分析物がグルコースである好ましい実施態様が記述される。グルコースの場合、試薬組成物の活性成分は、一般に、グルコースのための酵素のような酸化還元酵素、任意的に補酵素またはコファクター、および酸化還元メディエーターを含む。これらの成分は、一般に、マトリックスに溶解または懸濁される。液体試験試料はマトリックスを水和または溶解し、そして分析物はマトリックスを通して拡散して、1つまたはそれより多くの活性成分と反応する。典型的には、酵素は、試験試料中のグルコースをグルコノラクトンおよび/またはグルコン酸に酸化する。そしてメディエーターは、還元酵素と反応するか、または酸化し、よって、メディエーターはその工程で還元される。還元されたメディエーターは、テストストリップ上の電極の内の一つで検出可能である。
【0097】
ヒト血液中のグルコースを検出するのに有用な酸化/還元反応スキームの特定の例では、グルコースを含有する試験試料は、酸化還元メディエーターの存在下で、グルコース−ジ−オキシドレダクターゼ(Gluc−Dor)などの酵素、および任意的にピロロ−キノリン−キノン(PQQ)のような補酵素またはコファクターと反応する。メディエーターは、たとえば、ベンゾキノン、遷移金属錯体、たとえばフェリシアン化カリウム、オスミウム誘導体(たとえば、国際公開公報第98/35225号のようなオスミウムビピリジル複合体)およびニトロソアナリン誘導体(米国特許第5,286,362号を参照)が挙げられうる。これは、酸化形態の分析物グルコノラクトンを生じ、そして還元形態の酸化還元メディエーターを生じる。その後、メディエーターは、拡散により電極表面にメディエーター産物の酸化還元等価物、還元メディエーターを往復させる。メディエーターは、定義された陽極電位で定量的に酸化され、そして生じる電流は、擬似グルコース濃度に関連する。
【0098】
ニトロソアニリン誘導体を使用するこの反応システムについての反応順の代表は、次に式1に供される。
【0099】
【化1】
【0100】
o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリンの合成
【化2】
【0101】
化合物は、当業界で知られる方法により合成される(たとえば、米国特許第5,286,362号を参照)。上に示される中間体m−メトキシ(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル))アニリンを合成するために、m−メトキシ−アニリンを、500mlの4N酢酸に溶解させる。混合物を、攪拌しながら0℃まで冷浴で冷却し、そして70.5g、すなわち約79ml(1.6モル)のエチレンオキシドを、0〜10℃で、5分以内に滴下で加える。室温で12時間混合物を放置させた後、500mlの水を添加して攪拌し、そして少量で、総量200g NaHCO3を注意深く添加することによって、溶液を中和させる。
【0102】
その後、開放された基材を、500mlの塩化メチレンで抽出し、再度3回、毎回250ml塩化メチレンと振とうさせる。有機相を合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、吸引し、真空で濃縮する。メルク社(Merck)から得られる薄層クロマトグラフィー(TLC)シリカゲル60プレートによって、中間体を得る。可動相は、5:2の比のトルエン/アセトンである。
【0103】
最終産物の合成および回収
【化3】
【0104】
次に、140mlの濃塩酸および140mlの水を、攪拌器、滴下ロートおよび熱量計を具備した2−1三つ首フラスコに充填する。フラスコおよび内容物を、乾式氷浴で約−5℃に冷却し、その後、約0.8モルの中間体を、フラスコに滴下で添加する。中間体(m−メトキシ(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル))アニリン)を、10分間以内に添加し、そして温度を全時間にわたり一定に維持する。混合物をさらに15分間攪拌する。次に、体積120mlの水中の約0.87モルの亜硝酸ナトリウムの溶液を、0℃で混合物に添加する。
【0105】
混合物を、さらに30分間0℃で攪拌する。続いて、500mlの水を添加することによって混合物を希釈し、その後、218mlの濃水性アンモニア溶液を氷上で冷却しながら滴下で添加する。混合物の温度は、15℃より上に上昇させない一方で、アンモニアが添加される。発生したニトロソ基材を400mlのn−ブタノールで5回抽出し、そして油状化合物が得られるまで、溶媒を回転式蒸発器で蒸散させる。
【0106】
無機産物を除去するために、油状物を、250mlトルエン/アセトン=1:1の混合物と混合する。不溶性部分を吸引し、50mlトルエン/アセトン=1:1で洗浄する。無機材料は、残渣として残る。シリカゲル60カラム(直径7.5cm、充填レベル90cm、分離流動体トルエン/アセトン=1:1)上でクロマトグラフィーにより濾液を精製する。油状物の形態にあるニトロソ基材を得る。これを、600mlのアセトンに溶解させ、そして滴下で250mlの飽和エーテル性塩酸と反応させる。氷上で冷却しながら30分間攪拌した後、形成する結晶を吸引し、100mlアセトンで三回洗浄し、そして、室温で、五酸化二リン上で真空乾燥させる。
【0107】
指定された化合物の純度は、Merck社から得られるシリカゲル60プレートを使用したTLCによって測定される。可動相は、トルエン/アセトン(1:1)である。最終産物は、低温で、少量の塩酸水溶液の再結晶化の手段により、分析物−試薬純度までさらに精製できる。
【0108】
示されるとおり、ニトロソアニリン誘導体、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリンは、当初、互いに平衡に、2つの異性体の混合物、または互変異性体として存在する。試験試料中のグルコースとのGluc−Dorの反応は、グルコノラクトン、そして還元形態のGluc−Dor(Gluc−Dor・2H+)を得る。還元形態のGluc−Dor(Gluc−Dor・2H+)は、ニトロソアニリン誘導体と迅速に反応し、そして還元され、Gluc−Dorを再発生させる。その後、還元ニトロソアニリン誘導体は、加水分解を受けて、キノンジイミン(QD)を形成する。第二の酵素的酸化還元反応で、Gluc−Dorは、グルコースと反応して、Gluc−Dor・2H+およびグルコノラクトンの別の分子を得る。Gluc−Dor・2H+は、キノンジイミンと反応して(に酸化されて)Gluc−Dorを再生し、フェニレンジアミン誘導体(PD)を生じる。その後、PDは、作用電極で酸化されて、グルコース濃度に関連した電流を生じる。さらに、対極でQDは、PDに還元されうる。
【0109】
添加物
試料受取チャンバーについてこのような小さな寸法で、試薬層の特徴は、特に水和と混合特性の観点から見て、テストストリップの操作に重要な影響を示しうる。試薬層の量、位置、幅、厚み、および他の特性の制御および再現性は、チャンバー体積が減少し、そして試験時間が減少するとき、いっそう重要になる。したがって、組成物が、適用層の均一性および平坦さのような物理的特性を特に増強する材料を含むことが望ましい。さらに、適用の方法は、試薬層の物理的特性、制御および再現性に影響しうる。
【0110】
したがって、試薬組成物は、試薬特性または特徴を増強する多様な添加物も含みうる。たとえば、組成物は、テストストリップへの試薬組成物の配置を促進し、ストリップに対するその接着性を改善する添加物材料を包含しうる。組成物は、その水和速度、および/または試験試料でチャンバーを満たす毛細管作用に対する影響を増大する材料も含みうる。試薬組成物と共に使用されるべき添加物材料の例は、増粘剤、粘度調節剤、膜形成剤、安定剤、緩衝剤、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開放剤、着色剤、およびチキソトロピー付与剤が挙げられる。
【0111】
添加物材料または成分は、試薬層の適用、再現性および物理的特性に影響を及ぼしうる。添加物材料は、次のものを1つ以上含みうる。
【0112】
増粘剤としては、たとえば、(1)スターチ、ガム(たとえば、ペクチン、グァーガム、イナゴマメ(イナゴマメの種)ガム、コンニャク・ガム、キサンタン・ガム、アルギネート、および寒天)、カゼイン、ゼラチン、およびフィココロイド類、(2)セルロースおよび半合成セルロース誘導体(カルボキシメチル−セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)、(3)ポリビニルアルコールおよびカルボキシビニレート、および(4)ベントナイト、シリケート、およびコロイド性シリカが挙げられる。好ましい増粘剤は、シーピー ケルコ ユーエス インコーポレイテッドによってKeltrol Fの商品名で販売されるキサンタン・ガムと、ハーキュールズ インコーポレイテッド(Hercules Inc.)のアクアロン部門によってAQUALON(登録商標)CMC 7F PHの商品名で販売されるカルボキシメチルセルロースとの組合せを含む。
【0113】
試薬組成物に有用な膜形成およびチキソトロピー性剤は、重合体およびシリカを含む。好ましいチキソトロピー性剤は、デグッサ アクチェンゲゼルシャフト(Degussa AG社)によってキーゼルゾイレ ジーペルナーテ(Kieselsaeure Sipernate) FK 320 DSの商品名で販売されるシリカを含む。好ましい膜形成剤は、BASF社によってポリビニルピロリドンKollidon 25の商標名で販売されるポリビニルピロリドン、およびポリビニルプロピオネート分散物を含む。
【0114】
試薬中の酵素についての安定剤は、サッカリドおよびモノまたはジ脂肪酸塩から選択されうる。好ましい安定剤は、シグマ ケミカル コーポレーション(Sigma Chemical Co.)によってD−(+)−トレハロース二水和物の商品名で販売されるトレハロース、およびコハク酸ナトリウムを含む。
【0115】
洗浄剤は、水溶性石鹸、並びにアルカリ、アルカリ土類または任意的に置換された高脂肪酸のアンモニウム塩などの水溶性合成界面活性化合物、たとえばオレイン酸またはステアリン酸、たとえばココナッツまたはタロー油から得られる天然脂肪酸の混合物、脂肪酸スルフェート、スルホン酸のエステル、脂肪酸のアルキルスルホン酸タウリン塩の塩、脂肪酸アミド、およびエステルアミドから選択されうる。本発明のための好ましい洗浄剤は、エステルアミド、ドジンド モレキュラー テクノロジーズ インコーポレイテッド(Dojindo Molecular Technologies,Inc.)によってMega−8の商品名で販売されるn−オクタノイル−N−メチルグルカミド、およびRhodia HPCII社によってGeropon T77(家庭用、パーソナルケアおよび工業用材)の商品名で販売される脂肪酸塩N−メチルオレイルタウリンナトリウム塩が挙げられる。
【0116】
上に記述される特定の添加剤の1つまたは1つ以上が、追加の特性を示す可能性があり、よって、上記された分1つまたは1つ以上の種に分類されうることを理解すべきである。
【0117】
メディエーター
試薬組成物で使用するためのメディエーターは、酵素、分析物および任意的にコファクターを含む反応スキームに関与しうるあらゆる化学種(一般に電気活性物質)、そして検出可能な電気活性反応産物を生じるその反応産物として選択されうる。典型的には、反応中のメディエーターの関与は、分析物、酵素またはコファクターのいずれか1つ、またはこれらのうちの1つの反応産物である種(たとえば、様々な酸化状態に反応するコファクター)との相互作用により、その酸化状態における変化(たとえば、還元)を含む。多様なメディエーターが、適切な電気化学的作用を示す。メディエーターは、好ましくは、その酸化形態でも安定であり、任意的に可逆性酸化還元電気化学を示し、好ましくは、水溶液中で優れた溶解性を示すことができ、そして好ましくは、迅速に反応して、電気活性反応産物を生じる。適切なメディエーターの例としては、ベンゾキノン、メルドラブルー、他の遷移金属錯体、フェリシアン酸カリウム、オスミウム誘導体(国際公開第98/35225号を参照)およびニトロソアナリン(nitrosoanaline)系メディエーター(米国特許第5,286,362号を参照)が挙げられる。好ましい実施態様では、試薬組成物は、ニトロソアニリン系化学物質を利用する。
【0118】
好ましいメディエーターは、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−p−ニトロソフェニル−ピペラジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、p−ヒドロキシニトロソベンゼン、N−メチル−N’−(4−ニトロソフェニル)−ピペラジン、p−キノンジオキシム、N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン、N,N−ジエチル−p−ニトロソアニリン、N−(4−ニトロソフェニル)−モルホリン、N−ベンジル−N−(5’−カルボキシペンチル)−p−ニトロソアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソ−1−ナフチルアミン、N,N,3−トリエチル−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−5−ニトロソインドリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、2,4−ジメトキシ−ニトロソベンゼン、N,N−ビス−(2−メトキシエチル)−4−ニトロソアニリン、3−メトキシ−4−ニトロソフェノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−6−ニトロソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、N,N−ジメチル−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルチオ−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが挙げられる。本発明による特に好ましいメディエーターとしては、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、およびN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが挙げられる。
【0119】
典型的な試薬組成物は、表Iで下に列挙される。他の典型的な組成物は、「均一な試薬ストライプ適用」の出願で開示され、これは、上に参照して組込まれる。
【0120】
【表1】
【0121】
混合
試薬組成物の成分を、水と混合して、均一で粘性の懸濁液を提供する。添加の順序は、本発明に重要ではない。十分な量の緩衝溶液を添加して、約7のpHで試薬組成物を維持する。典型的には、選択成分を水と予め混合して、組み合わされる多様な保存溶液を供して、最終試薬組成物を得る。たとえば、リン酸塩と任意的にコハク酸ナトリウムを組み合わせることによって、緩衝溶液を製造しうる。他の保存溶液としては、増粘剤、すなわち、Keltrol Fおよびカルボキシメチルセルロース、界面活性剤、すなわち、Geropon T77およびMega 8、酵素および補酵素またはコファクター、およびメディエーターが挙げられる。
【0122】
以下は、試薬組成物の調整の例を提供する。試薬組成物は、最初に、以下の保存溶液を製造することによって製造可能である。
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
【0128】
【表7】
【0129】
【表8】
【0130】
【表9】
【0131】
【表10】
【0132】
緩衝溶液、Keltrol F溶液、CMC溶液、およびシリカ懸濁液を、1日前に製造した。その後、これらの溶液を、下に列挙したとおり合わせて、試薬組成物を調製した。
【0133】
【表11】
【0134】
被覆する前のこの試薬については、最終pHは、6.96であり、5N KOH溶液で調節する必要はなかった。測定された粘度は、111mPasであり、それは、105から115mPasまでの被覆についての正しい範囲内にあった。
【0135】
図5および5Aは、本発明によって有用なテストストリップを製造するための好ましい工程100を示すフローチャートを表す。工程100は、基材層または基板の膜材料の選択で、工程102での中央工程ライン101で始まる。好ましい実施態様では、膜は、多量のテストストリップを製造するために適した幅および長さを有する連続ロールとして供される。続く仕上げ工程では、加工された膜をさらに小部分に割って、テストストリップの長さに近似する幅を有し、そして一連のテストストリップを含む単一ストリップまたはウェブを提供するか、またはダイで切断して、個々の試験センサーを提供する。
【0136】
工程102から、膜は、金属被覆を受取るように予備処理され、そして1つの継続工程中において金属で被覆される工程104に進行する。予備処理は、表面を洗浄または改質して、連続金属化層の均一な被覆厚さ、および優れた接着を供するために使用可能である。予備処理は、その膜をコロナ放電またはアルゴンプラズマにかけることを含みうる。この予備処理の直後に、均一な伝導性被覆を、106で示されるとおり膜に適用する。代わりに、金属被覆と適切な基板は、市販で得られる。
【0137】
金属性層は、純粋な金属、合金、または金属性導電体である他の材料を含みうる。金属または金属様導電体の例としては、アルミニウム、炭素(たとえばグラファイト)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオブ、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(たとえば高添加多結晶質シリコン)、銀、タンタル、スズ、チタニウム、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、およびこれらの材料の合金または固溶体が挙げられる。好ましくは、材料は、生物学的システムに本質的に未反応であるものが選択される。そのような材料としては、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、またはこれらの金属の合金が挙げられる。金属層は、あらゆる所望の厚みでありうる。
【0138】
導電性被覆は、好ましくは、多様な方法によって適用される金属層であり、これには限定されないが、スパッタリング、物理的蒸気付着(PVD)、プラズマ支援蒸気付着(PAVD)、化学蒸気付着(CVD)、電子ビーム物理的蒸気付着(EBPVD)、および/または有機金属化学蒸気付着(MOCVD)が挙げられる。蒸気付着は、一般に、真空下で行われる。これらの技術は、当業界で周知であり、基板上への金属の均一な薄膜被覆を選択的に供するために使用されうる。生じた金属化膜は、金属被覆が均一で、材料欠損がないことを保証するために検査されうる。
【0139】
金属化膜の役割は、次に個々のテストストリップの最終長さに近似する幅を有するウェブを提供するために小分割されおよび/またはその大きさにされる肯定108に遭遇する。この薄片切分けは、当業界で周知の固定ナイフ切断装置を使用して達成されうる。
【0140】
単一ウェブは、電極、トレース、および接点またはパッドをパターン化する工程110に進む。この工程で、電極、トレース、および接点パッドは、ウェブストリップの表面から金属を除去することによって形成される。過剰な金属は、当業界で周知な多様な技術を使用して除去されうる。この工程で、1つ以上の指標または登録目印は、電極に近接した第一の縁、電極パッドに近接した対峙の第二縁上のいずれかに、両方の縁に、またはそのあいだのいずれかに形成されうる。指標目印、特に縁にあるものは、個別の操作に予備作製された層状構成要素と一直線に整列させる続く操作に使用されうる。
【0141】
好ましい方法では、金属は、金属の不必要な部分を除去し、そして所望の電子構成要素を残すためにレーザー除去される。この方法によって、選択領域は、焦点レーザービームの直線運動を使用することに対比して、「広領域」で同時にレーザーエッチングされる。この広領域レーザー除去方法は、他のアプローチに比べて、迅速に、そして費用削減で、正確な金属パターンを提供する。その後、パターン化基板のコロナ処理は、工程111で行われる。
【0142】
パターン化ウェブは、試薬層が電極上に堆積される工程112に続く。好ましい実施態様では、試薬層は、第一の縁に隣接または近くに延び、パターン化ウェブ上に形成される測定電極上にある連続する細長いストライプとして堆積される。したがって先に明記されるとおり、試薬は、試料受取チャンバーの側面外側とそして基板とスペース層とのあいだの領域を含むテストストリップの全幅にわたって配置される。さらに明記されるとおり、これは、中断、縁効果、または試料受取チャンバー内の薄く、平坦で、均一な試薬層を提供することを損なうであろう他の可変性なしに試薬の乾燥を促進する。試薬は、成分の組合せを含み、堆積後に最小限か、または流出なしに迅速に乾燥するように配合される。
【0143】
このストライプは、厚さ、ストライプ縁の精密さ、均一性などの所望の範囲および均一性を供するあらゆる適切な形態で適用されうる。好ましい方法は、比較的高速度および高バッチサイズで所望の被覆を適用する能力がある。適用の適切な方法は、当業界で周知であり、したがって、ここに詳述されない。
【0144】
スペース層の製造
ここで、工程ライン114に関して、スペース層を作製するための工程フローチャートが示される。工程116で始めて、材料は、工程112で作製される試薬被覆ウェブの頂部に積層するためのスペース層を製造するために選択される。基板への基材膜は、多様な材料から選択されうる。基材層に類似するスペース層材料は、迅速に、そして高い効率で都合よく加工されうる細長いロールとして提供されうる。好ましい材料としては、デュポン社によりMELINEX(登録商標)の商品名で販売されるポリエステル膜を含む。本発明で使用するために適切な他の材料は、PENが挙げられうる。スペース層材料は、スペーサーを他のストリップ構成要素に積層するために使用されるあらゆる結合層の厚みと合わせるときに、テストストリップの各々に所望のチャンバー深さ(または高さ)を供するために特に選択される厚さを有する。好ましい実施態様では、スペース層は、約75μmから約150μmのあいだ、より好ましくは約100μmから約125μmまでの厚さを有するように選択される。上記されるとおり、スペース層は、両面接着剤から形成されうる。
【0145】
スペース層は、好ましくは、底部基板ウェブ材上で電極と整列する一連のギャップを有する連続膜として形成される。スペース層と底部基板を結合する様式は、スペース層を作製する方法に影響する。たとえば、スペース層が、底部基板に加熱溶接される場合、スペース層は、適切に空間を空けたチャンバーギャップを提供するために簡単にダイカットされうる。しかし、好ましい方法は、隣接層を結合する薄く、干渉しない接着剤の使用である。この好ましい方法によって、スペース層は、以降に説明されるとおり、先に記述された基板ウェブ材と組み合わせて作製される。
【0146】
スペース層膜は、テストストリップ構成要素の残りとの組合せのために所望の幅を有するように作製される。スペース層膜は、不透明部分、たとえば、その部分23を含んでよく、他の所で記述されるとおり、試料受取チャンバーを可視化する上で使用するために青または他の色が印刷される。スペース層膜は、接着剤と剥離ライナーの組合せで底部側に、そして類似の組合せである接着剤とライナーで頂部側に積層される。
【0147】
工程118で、2つのトランスファー接着剤は、スペース層材料に積層される。第一のトランスファー接着剤は、スペース層の頂部表面に積層され、第二のトランスファー接着剤は、スペース層の底部表面に積層される。好ましくは、トランスファー接着剤は、同じ接着剤である。しかし、代替の実施態様では、第一および第二のトランスファー接着剤は、互いに異なる可能性がある。好ましい実施態様では、トランスファー接着剤は、感圧接着剤を含む、一般に使用され、既知の接着剤から選択される。好ましい接着剤は、試験試料が、スペース層と試薬層または基板のあいだで流出することを防止または阻害するのに十分な疎水性を示す。適切な感受性接着剤の例は、アドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)より得られるARCare90132である。接着剤は、加工のあいだ、スペース層の時期尚早の接着を防止する剥離ライナーに供給される。剥離ライナーは、第一および第二のトランスファー接着剤の外側表面に堆積され、スペース層材料から外側に向いている。
【0148】
頂部および底部表面の接着剤剥離ライナーを有するスペース層は、工程120に進行する。工程120で、試料受取チャンバーを形成する空洞は、スペース層に打抜かれる。一実施態様では、空洞は、「キスカット」法を使用して打抜かれる。キスカット法は、上部剥離ライナー、上部接着剤、スペース層、および下部接着層を通して切断するが、下部剥離ライナーを通しては切断しない。続く操作では、単に下部剥離ライナーを除去することは、打抜かれたスペース層から下部接着剤、スペース層、上部接着剤、および上部剥離ライナーの打抜き部分を除去する。他の実施態様では、空洞は、中空ダイを用いて打抜かれうる。中空ダイは、スペース層、2つの接着剤、および2つの剥離ライナーを完全に打抜くか、または切断し、打抜かれた部分は、続いて、中空ダイ中に除去される。各空洞のあいだの空間またはピッチは測定され、そして試薬で被覆されたウェブ中にパターン化された指標目印の一方または両方を使用して、電極上への打抜かれたスペース層の正確な一致を可能にするために正確に制御される。
【0149】
工程122で、スペース層上の下部剥離ライナーを除去し、それと一緒にキスカット部分を取り、そしてスペース層の下部側の接着剤をさらす。プロセスライン101の工程124まで進んで、スペース層を、電極組の頂部に直接打抜かれたスペース層に形成された各空洞を正確に整列させる、ウェブ上で先にパターン化された1つまたはそれより多くの指標目印を使用して試薬被覆ウェブ上に積層させて、ウェブスペース層積層体を提供する。中央プロセスライン101の工程126で、ウェブスペース層積層体上の上部接着剤を覆う上部剥離ライナーを、カバー層を付着する準備において除去する。
【0150】
カバー部分での積層
工程128で、本体カバーのための材料は、工程に導入される。好ましい実施態様では、材料は柔軟性重合体材料であり、たとえば、デュポン社から得られるMELINEX454またはMELINEX339から選択されうる。本体カバーのための材料は、テストストリップの試料受取チャンバー中の電極トレースの少なくとも一部に重なるために十分な幅を有するような大きさに作製される。
【0151】
ここでプロセスライン130に関して、工程131で開始して、膜材料は、ウェブ−スペース層積層体上の空洞、試薬、および測定電極上にチャンバーカバーを供するように選択される。好ましい実施態様では、チャンバーカバー材料は、約100μmから約200μmのあいだの厚さを有する透明なポリ(エチレン−テレフタレート)(PET)またはポリ(エチレン−ナフタレート)(PEN)膜として供される。被覆は、好ましくは、剥離ライナーを含み得て、それは、ウェブ−スペース層上に積層する直前に除去されうる。チャンバーカバーは、好ましくは、親水性材料から製造されるか、またはチャンバーカバーの底部表面は、134で示されるとおり、親水性にするために処理または被覆されうる。工程138で、膜材料は、空洞と電極の上に重なるチャンバーカバーを形成するために十分な所望の幅の大きさにされる。
【0152】
工程140に進んで、工程128から得られる本体カバー、および工程138から得られるチャンバーカバーは、ウェブスペース層積層体に積層される。好ましい実施態様では、本体カバーとチャンバーカバーは、ウェブ−スペース層積層体と同時に積層される。本体カバーは、基板上に形成される電極に近接した電極トレースの一部の上に位置決めされる。チャンバーカバーは、ウェブ−スペース層積層体上の空洞、試薬、および測定電極上に位置決めされる。本体カバーとチャンバーカバーは、テストストリップに形成される空洞の内側末端で排出口を形成するギャップによって分離される。
【0153】
記述されるとおり、チャンバーカバーは、スペース層の切断部分の上にあるストリップの縁近くに置かれ、未被覆の切断部分の最も内側の部分を残す。ちょうど記述されたとおり、このチャンバーカバーは、好ましくは、試薬チャンバーへの流動体の移動を促進する親水性下面を含む。チャンバーカバーは、上記のとおり、本体カバーから僅かに空間を空けて、それにより試料受取チャンバーと連通し、そして流動体がチャンバーに入ったときに、空気が逃げるための排出開口部として役割を果たすギャップを形成する。
【0154】
スペース層の不透明性およびチャンバーカバーの透明性は、協働して最終のテストストリップの使用者が、試験の進行をよりよく観察することを可能にする。構成されるとおり、底部基板またはその上に被覆される試薬層は、スペース層中の切欠きを通して、そして透明なチャンバーカバーを通して目視で見える。底部基板および/または試薬は、明るい色、たとえば、スペース層の不透明な彩色と対照する明るい黄色を示す。したがって、毛細管チャネルを通した流動体の前進は、試験を使用する人によって容易に監視されうる。さらに、スロット34は、本体カバー側で疎水性であり、そしてチャンバーカバー側で親水性であるように構成されるため、流動体はそれがスロットに到達するときに突然止まり、したがって、十分な流動体試料がチャンバーに受取られたことの明確な指標を、使用者に提供する明確に定義された充填ラインを表す。
【0155】
テストストリップの分離
工程140から、テストストリップの作製のための仕上工程工程を行う。工程142で、上に検討された単一のテストストリップ10に類似の単一のダイカットテストストリップを製造するかどうかの決定を行う。そうであれば、それにより、工程142から得られる多層積層体は、単一テストストリップにダイカットされるべき工程144に進行する。
【0156】
代わりに、工程142から得られる多層積層体は、それが、キスカットされて、個々のテストストリップを画定し、そしてリボン上の隣接テストストリップのあいだの境界を穿孔または弱体化する工程148に進行する。さらに、工程149で、テストストリップの末端を、積層リボンに沿ってダイカットする。ウェブの一方の末端を切断して、空洞に導くY型開口部を有する試験センサーの流動体受取末端を形成する。テストストリップは、囲い切断のみされ、そしてその後容器またはディスペンサーに積み重ねられるために折畳まれる多数、たとえば25のストリップを含むカードに分けることができる。
【0157】
工程144または149のいずれかから進行して、加工されたストリップまたはストリップのリボンを検査し、最終的に、それぞれ、工程146または150で、消費者による使用のために包装される。
【0158】
図6〜16は、図5および図5Aに関して先に記述された構成要素および/または工程のいくつかをさらに詳細に示す。図6は、テストストリップを形成する際に使用するための基材膜の一実施態様の斜視図を示す。基材膜160は、好ましくは、ローラーのあいだの材料に進行する工程164、166を用いて1つまたはそれより多くのロール162に巻きつけられる柔軟性膜またはウェブ材料として提供される。
【0159】
その膜の予備処理された上部表面は、参照番号166によって示され、そして上でいっそう十分に記述されたスパッタリング、PVD,CVD、EBPVD、MOCVDまたは別の適切な工程を使用して金属化されて、金属または金属合金の均一な被覆を付着させる。その工程は、金属性層のために単一または複数の標的源を使用できる。その後、金属化膜168は、参照番号172に示されるとおり膜を切断または薄片切断することによって、複数の金属化膜、たとえば、170a、170b、および170cに部分または小部分に分けられうる。その後、導電性の金属化膜170の各個別のロールを、好ましくは所望のとおり、単一の芯により、または複数の異なる芯に巻き取られる。
【0160】
電子構成要素は、図7で一実施態様で示されるとおり、導電性膜から形成される。膜170の金属表面を処理して、電極、トレース、接点パッド、または他の意図される特徴を形成するために不必要なあらゆる金属構成要素を除去する。この工程は、レーザー除去または他の技術を使用して正確に制御されうる。工程は、電極182、トレース184および接点パッド186の複数の組を提供する。その工程は、第一の縁178に沿って複数の指標または登録目印176および/または対峙縁180に沿って類似の登録目印177をも提供しうる。図7に示されるとおり、電極パターンの反復特性は、登録目印177を形成する。好ましくは、電極および/または接点の各組を、それぞれ、少なくとも1つの指標または登録目印176および177と関連させる。電極パターンが形成された後、ウェブは、下に記述されるとおり、別の加工のためにロールに巻き戻される。
【0161】
図8は、試薬被覆ウェブ188の一部を示す。試薬組成物は、柔軟性ウェブ材料の表面に堆積される。試薬層190は、カーテン被覆、熱溶融被覆、回転式スクリーン被覆、ドクターブレードまたは空気ナイフ被覆、マイヤーバー被覆、および逆ロール被覆技術を含む多様な被覆法を使用して堆積される。好ましくは、試薬層は、約50μmから約100μmのあいだ、より好ましくは約60μmから約180μmのあいだの厚さで湿潤組成物として柔軟性ウェブ上に堆積される。ウェブ188は、電極組182の頂部に直接、そして継続的な狭いバンド192としてウェブ188の長さに沿って、試薬の均一な薄い層190を被覆することによって、提供されうる。好ましい実施態様では、狭いバンド192は、約5mmから9mmのあいだの幅、そして約2μmから約10μmのあいだの乾燥厚さを有する。図8に描かれるとおり、試薬層190は、半透明である。
【0162】
試薬層は、図8Aに示され、そしてここで上に参照して組込まれた「均一試薬ストライプ適用」でも記述されているスロットダイ被覆技術によって被覆される。重合体ウェブ300(MELINEX(登録商標)329、デュポン社)を、スロットダイヘッド304およびバックアップローラ306を含む被覆領域302に移動させる。他のスロットダイヘッドも使用されうるが、例示の実施態様に適切なスロット−ダイヘッドは、スイス、ムーゲンハルトのテーラー・シュワイザー・エンジニアリング社(TSE)、パーツ番号113−10xxから入手可能である。例示の実施態様では、スロット−ダイヘッドは、試薬がそれを通って分散される矩形チャネルを画定する。例示の実施態様におけるチャネルは、約250ミクロンの高さ、約40mmの長さ、そして約7mmの幅を示す。角度αは、約35度であり、スロットダイヘッドは、角度βによって示されるとおりウェブ300に関して僅かに角度を付される。角度αは、経験的に測定され、そしてロールの周囲のウェブの覆いの角度、被覆特徴、および使用されるスロット−ダイヘッドの安定な被覆流のために最適な位置の関数である。好ましくは、スロット−ダイヘッドを保持するキャリッジは、バックアップローラの中心線より35度上か、または被覆システム上のバックアップローラの中心線の55度下のいずれかに位置決めされる。ちょうど明記されるとおり、第二角度βは、バックアップローラ306に正接に対してスロット−ダイヘッド304の上流の島305と下流の島307に角度を付する。第二角度βは、スロット−ダイヘッド304の外で試薬被覆の最適な流れのために調節される。スロット−ダイヘッドとウェブとのあいだの好ましいギャップWは、イギリス、リーズのRheoLogic Ltd.からトップコート・ソフトウェアを使用して測定され、それは、レオロジー、被覆重量、表面張力、所望のウェブ速度、バックアップローラ半径、スロット−ダイ上部および下部島の長さ、スロット−ダイ入口ギャップおよび入口長さ、および下流の島に対する上流の島の角度に基づいて被覆窓を決定する。
【0163】
例示の実施態様では、スロット−ダイヘッドは、ウェブ表面にゼロにされ、そして図8Aで74μmのWとして示されるギャップを包むスロットに調節する。ウェブ速度は、ウェブ上への被覆の堆積のために0から38m/分までに傾斜をつけられる。例示の実施態様で、ウェブのみが移動するが、スロット−ダイ被覆工程は、スロット−ダイヘッドがウェブの代わりに、またはウェブ加えて移動するように構造を変更されうることが理解されるべきである。その工程は、αが90度であり、そして試薬は、ウェブ上に下方に分散されるようにも構造を変更されうる。試薬マトリックスは、当業界で知られているギアーポンプ、ピストン、シリンジ、ブレーダーシステムを含めた多様な手段を使用してスロット−ダイベッド304に送出されうる。試薬送出システムは、被覆ヘッドを通して53g/m2の被覆重量を送出する13.58ml/分の水流に調節される。生じた被覆ストリップ192(図8)の幅は、7.0±0.3mmである。被覆を、加熱乾燥ゾーンまたは乾燥器308(長さ15m、温度110℃、速度38m/分)で乾燥させ、そして巻き戻しステーション312でスプール310に巻き戻される。
【0164】
図9は、本発明によって組立てられうるスペース層組立体194の分解図である。スペース層組立体194は、好ましくは重合体材料から形成されるスペース層196からなる。スペース層196は、着色されているバンドまたは部分197(部分23に対応する、図2)を含む。製造工程では、スペース層196は、ロール198に供給され、その後、頂部と底部で接着剤で上塗りされる。
【0165】
頂部接着剤は、さらなる工程に持ちこたえるように適応される頂部または「強固な」剥離ライナー202をさらに含むロール200、接着剤204、および下部または「簡易な」剥離ライナー206に供給される。本発明で使用するための好ましい接着剤204は、Adhesives Research Inc.によりARCare90132の商品名で販売される感圧接着剤を含む。組立のあいだ、底部剥離ライナー206を除去し、なお存在する頂部剥離ライナー202を有する、生じた接着剤208は、図9の頂部に示されるとおり、スペース層196に接着される。
【0166】
同様に、底部接着剤は、さらなる工程に持ちこたえるように適応される頂部または「強固な」剥離ライナー212をさらに含むロール210、接着剤214、および下部または「簡易な」剥離ライナー216に供給される。本発明で使用するための好ましい接着剤214は、アドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)によりARCare90132の商品名で販売される感圧接着剤を含む。組立のあいだ、底部剥離ライナー216を除去し、そしてスペース層196から離れて面する頂部剥離ライナー212を有する、生じた接着剤218は、図9の示されるとおり、スペース層196に接着される。接着剤204は、接着剤214と同じかまたは異なりうることを理解するべきである。
【0167】
図10は、図8に関連して記述されるとおり、ダイカットされて、予備毛細管220a、220b、220cなどを形成し、そして基板材料188のウェブに積層されるスペース層196を示す。予備毛細管220は、ダイが、上に明記されるとおり頂部剥離ライナー202、接着剤204、スペース層196、および接着剤214を切断するが、しかし上述のようにスペース層196から離れて面する剥離ライナー212は切断しない「キスカット」技術を使用して形成されうる。その後、剥離ライナー212は、切断された頂部剥離ライナー202、接着剤204、スペース層196、および接着剤214の部分に沿って除去される。切断されたこれらの部分は、「毛細管トリム」、すなわち、予備毛細管220のように形成された層のサンドイッチからなる。この「トリム」は、剥離ライナー212に沿って除去され、そして空洞220にあらゆる材料を有していないままにする。剥離ライナー212が除去されると、ちょうど説明された毛細管トリムを常に含むことを保証するために検査されうる。生じた一連の空洞220は、互いに、テストストリップで測定電極組上に直接に、一連のチャネル220のチャネルの内の各1つを位置決めするために選択される所望の距離に離間される。その後、下部の接着剤が露出されているスペース層196は、指標目印176の手段によりウェブ188に整列され、そこに積層されうる。一連のチャネル220の各毛細管チャネルは、1組の測定電極182上にある。
【0168】
図11は、スペース層196のウェブ188への積層により形成される組立体230を示す。図11では、上部剥離ライナー202は、頂部接着剤208から除去され、それは、組立体230をそこに追加の材料の組立てる準備をさせる。図12に示されるとおり、チャンバー被覆層材料のウェブ240と、本体被覆材料のウェブ234を、組立体230の露出された上部接着剤208上に整列させ、そしてそれに接着される。図12に描かれるとおり、チャンバー被覆層240は、透明であり、少なくとも、空洞220に面する側に親水性被覆(被覆21を参照、図2)を含む。これは、試料受取チャンバーに、そして電極および試薬層上への液体試料の移動または輸送を促進する。本体カバー234は、半透明であり、示されるとおり着色され、そして好ましくは疎水性である。被覆層240および本体カバー234は、図9に関して上で記述されるもののようなリール上に供給されうる。好ましくは、チャンバー被覆材料240は、本体被覆材料234より僅かに薄い。
【0169】
図13に示される組立体260は、図12に示される組立体230にウェブ234と240を積層し、そしてその後、ウェブの末端の形を整えて、投与縁250を形成することによって製造される。投与縁250は、好ましくは、切断ブレードが、矢印252によって示されるとおり、ウェブの末端にわたって移動するせん断によって形成される。対照的に、毛細管に損傷を与えることなく、ダイ打抜き技術を使用することは、いっそう困難である。投与縁250に沿ったせん断は、予備毛細管220の一部をも切除し、毛細管222の最終体積を画定する。毛細管222は、好ましくは、示されるとおり張り出しまたはY型開口部を含む。好ましくは、ギャップ262は、チャンバー被覆ウェブと本体被覆ウェブのあいだに形成され、そして最終的にこのギャップは、個々のテストストリップに排出開口部を提供する。好ましい実施態様では、ギャップは、1.0mmから約1.6mmのあいだの幅を示す。
【0170】
さらに図13に関して、組立体260は、破線262および264によって示されるとおり、さらなる加工に十分準備できている。図14では、複数の個々のテストストリップ、たとえば互いに脱着可能に接続された278a、278bおよび278cを有するキスカット・ストリップ276が示されている。キスカット・ストリップ276が、図13でライン262に沿ってそれの上部末端で形を整えるか、または切断されて、一連の毛細管チャネル222の各々で非常に小さな流動体試料を捕捉することを促進するのに適したプロファイルおよび/または構成を示したことが、観察されうる。例示の実施態様では、キスカット・ストリップ276は、1組のY切断毛細管チャネル222の末端を露出する平坦な作用末端280を有する。第二の縁282の生じた相対的配置は、測定器(示されず)への単一ストリップの挿入を促進するために供されうる。たとえば、第二の縁282は、登録目印および/またはタブ、切断スロット、または一方向のみで測定器への単一ストリップの挿入を可能にする他の構成を有しうる。たとえば、図13に関して、接点パッド288の縁177は、示されるとおり一定ピッチ「P」によって空間を空けられ、したがって、縁177は、登録目印として使用されうる。他の加工工程でのとおり、第一縁および/または第二縁のいずれかの、指標または登録目印176と177は、正確に「キスカット」するために使用でき、積層構造物260から個々のテストストリップの形を整える。
【0171】
図15は、図13および14に示される破線264を切断することによって形成される打抜き切断されたテストストリップ290の一実施態様の斜視図である。図15に示されるストリップ290は、テストストリップ10として上に実質的に記述された。ストリップ290は、他のテストストリップから分離される個々のテストストリップとして供される。
【実施例】
【0172】
特定の実施例によって、テストストリップは、記述された方法に基づき、以下の材料を使用して形成される。底部基板は、50nm層の金で表面被覆され、43〜45mmの幅で細長く切り込まれる。およそ40mm×10mmの領域サイズを用いて、レーザー除去(308nm)を行う。スペース層組立体は、白色MELINEX(商標)339のスペース層膜を含み、そして0.1016または0.127mm(4または5ミル)の厚さである。底部および頂部接着剤は、0.0508mm(2ミル)の厚さを有する剥離ライナーのあいだに挟まれた0.0254または0.0127mm(1または1/2ミル)でアドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)のArcare90132接着剤である。毛細管チャネルは、1.500mm、±0.050mmの幅、そして9mm、±0.150mmのピッチ(空間)で形成される。
【0173】
本体カバー18は、MELINEX454、453または339材料、0.127mm(5ミル)厚のストリップからなる。チャンバーカバー20は、たとえばMELINEX454または453から形成される、0.1016mm(4ミル)厚のポリエステルまたはポリエチレンナフタレート材料を包含する。示されるとおり、チャンバーカバーは、好ましく処理または被覆して、チャネルへの血液標本の排出を促進する毛細管チャネルに隣接した下側に親水性を示しうる。好ましい実施態様では、チャンバーカバー20についてのMELINEX453箔(4ミル)を、親水性材料21、アドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)から得られたARCare90037を用いて、それの下側に被覆する。好ましくは、チャンバーカバー材料は、当初、幅広い材料として形成され、そして製造後、所望の幅に細長く切り込まれる。
【0174】
テストストリップの例
次の材料を、ストリップ中で使用する:
ベース基板層12 メリネックス329 9milまたは329 10mil
導電性層26 スパッタされた金 50nm
下部接着剤層49 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
スペース層14 メリネックス329または339 4〜5mil
接着層46 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
ボディカバー18 メリネックス339または329または454 5mil
室カバー20 メリネックス339または329または454 4mil
親水性フォイル21 ARケア90037
【0175】
ストリップの保存
ストリップは、多様な方法で包装されうる。たとえば、ストリップは、フリップ−頂部プラスチック製容器に包装されうる(たとえば、10、25または50個)。全ての容器は、許容しうる寿命を確保するのに必要な乾燥性材料を含む。テストストリップは、好ましくは、提供されるとおりの周密に閉鎖された容器中で4〜32℃のあいだで保存される場合、18ヶ月の最小寿命を表す。
【0176】
本発明の原理を組込む好ましい実施例が、ここで上に開示されたとき、本発明は、開示される実施態様に限定されない。代わりに、本使用法は、本発明が関与し、そして付随の請求項の限定内にはいる当業界で知られるかまたは商業的に実施されるとおりの本発明の開示からこのように出発するものを網羅することが意図される。
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は2003年6月20日に出願された米国仮出願第60/480,397号に優先権を主張する。本出願は「狭く同質の試薬ストライプを製造するための方法および試薬」と題される同一出願人による出願(以降、「同質の試薬ストライプ出願」)に関し、これによって同一の日に出願され、全体に参照してここに組込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、分析物の濃度について体液を試験すること、さらに詳細には、このような試験のためのテストストリップまたはバイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
テストストリップは、しばしば試験試料中の選択分析物の存在および/または濃度を測定するために使用される。たとえば、多様なテストストリップが、糖尿病患者の血中糖濃度を監視するために、血液中のグルコース濃度を測定するために使用される。これらのテストストリップは、試薬組成物が堆積された反応チャンバーを含む。テストストリップにおける最近の傾向は、より少量の試験試料およびより早い分析時間を要求する。これは、患者に有意な利益を供し、体の感度の低い領域から得られうる少量の血液試料の使用を可能にする。さらに、より早い試験時間およびいっそう正確な結果は、患者が血中糖濃度をよりよく制御することを可能にする。
【0004】
少量の試料容積に関連して、試料流動体が、試料流動体の表面張力およびそれの表面領域を最小限にする液体の熱力学的傾向から生じる現象である毛細管作用によってそこに引き込まれるような十分に小さな反応チャンバーを有するテストストリップを供することが知られている。たとえば、特許文献1は、毛細管作用によってそこに試料液体を引き込むために、十分に少量サイズの空洞を有するテストストリップを開示する。その空洞は、その平板の垂直側面に沿って縦方向に伸びる2つのエポキシ・ストリップによって約1mm離間された2つの平行な平板によって画定しられる。空洞は、両末端で開放しており、その一方は試料を受け取り、そのもう一方は空気を逃がすことを可能にする。空洞は電極構造を含み、テストストリップによって行われるべき試験に適切な材料の被覆を担持する。
【0005】
試薬被覆の多くの変形例が、試験されるべき特定の(複数の)分析物によって可能であり、種々の分析物の各々と共に使用するのに利用可能な特に多くの化学物質がある。しかし、一般的に言って、できる限り薄く、均一な、テストストリップまたはバイオセンサーにおける試薬層を形成することが望ましい。たとえば、試料容積そしてさらに試料受取チャンバーのサイズは、小さくなり続けるので、試薬層の厚みにおける変形は、さらに試験結果の精度に影響を及ぼす。さらに、小さな空洞を有するテストストリップでは、試料を受取るチャンバー内に十分な空間を残すために、試薬層は薄くなければならない。さらに、薄層は、いっそう早く水和させ、したがってより迅速な試験結果を生じる。
【0006】
極度に少容量で早急に水和させる、薄くそして均一な試薬層を形成することが望ましい一方で、非常に少量の液体試薬で作業する困難さのため、それは、容易には得られない。たとえば、試薬層を形成する1つの先行技術のアプローチは、試料受け取りチャンバーがテストストリップで形成された後に試料受取チャンバーに試薬層を堆積することである。しかし、これは、チャンバーの周辺のメニスカスの形成のような現象により、いっそう不均等な試薬層を生じる可能性があり、これは内側部分よりチャンバーの側壁に隣接する種々の厚さを有する試薬を生じる。これは、チャンバーの充填の不整合、溶解間隔の延長、試料流動体との試薬の不整合な混合を、そして最終的に乏しい試験結果を生じる可能性がある。
【0007】
試薬の連続ストライプが堆積されたテストストリップ材料の細長いウェブを提供することが知られている。その後、テストストリップは、細長いウェブから切断され、切断は、試薬層を通して延びる。典型的には、そのように形成されたこのようなテストストリップでは、試料受取チャンバーは、基板材料によって提供される下方レベルおよび試薬層によって提供される上方レベルの2つの異なるレベルのフロアを有する。チャンバーのフロアにおける不連続性は、問題がある可能性がある。第一に、試薬の頂部は、試料のための十分な空間を可能にするためにチャンバーの天井または頂部からの最小の距離に離間されなければならないため、基板の下部高さは、無駄なチャンバー空間を不必要に作り出す。
【0008】
第二に、試薬ストライプによって形成される試薬層の縁は、厚さおよび幅において不均一になりうる。たとえば、試薬ストライプの幅は、材料の長いウェブに使用される場合、実質的に変化する可能性があり、これはストリップがウェブから切断された後に、他のものより多く試薬を有するストリップを生じる。さらに、試薬ストライプの縁品質は、ストリップを適用するために使用される手段、その粘度などのような多くの因子により非常に可変である。これらの不均一性は、分析物濃度を測定する上で不正確になりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5141868号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、小さな試料受取チャンバーを有するが、しかしそこに上述の欠陥を回避する試薬層を含むテストストリップを形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、1マイクロリットル未満、好ましくは0.5マイクロリットル未満の小さな試料受取チャンバーを有するテストストリップを提供する。試料受取チャンバーは、上に記述される望ましくない縁およびメニスカス効果を回避する均一な試薬層を含む。本発明は、さらに、これらの発明性のあるテストストリップを大量生産する費用効果的な方法を提供する。
【0012】
その中の1つの形態では、本発明は、メータ挿入および試料受取末端、第一および第二側面、およびその2つの側面に実質的に平行に向けられる中心の縦軸を有するテストストリップを提供する。テストストリップは、試料受取末端からメータ挿入末端まで下流方向を画定する。テストストリップは、その上に形成される電極を有する基板を含む。スペース層は基板上に重なり、試料受取チャンバーを少なくとも部分的に画定する空隙または空洞を有する。試薬層は、試料受取チャンバーに配置され、基板と電極の一部を覆う。試薬層は、スペース層と基板のあいだに挟まれ、基板の第一および第二側面に延び、テストストリップの試料受取末端にも延びる。
【0013】
好ましい形態では、試料受取チャンバーは、縦軸と整列されるチャネルを画定し、試料受取末端に配置した試料受取開口部を有する。したがって、試薬層は、試料受取開口部まで延びる。この構成の利点は、均一で、平滑な試薬層が、試料受取チャンバーのフロアのほとんどまたは全てを被覆し、これにより試薬層における縁不連続、メニスカス効果および他の不均一性を避けることである。代わりに、本発明は、試料受取チャンバーのフロアに渡って延びる薄く、均一な表面を有する試薬層を提供し、非常に正確なテストストリップを提供する。
【0014】
テストストリップは、好ましくは、スペース層に重なる被覆層を含む。被覆層は、試料受取チャンバーと連通する排出開口部を含み、これにより流動体がそこに入る際に、空気をチャンバーから逃がす。さらに好ましくは、試薬層は、僅かにそれを超えるとまではいかないが、排出開口部までずっと下流方向に延びる。このように、試料流動体が、毛細管作用によって試料受取チャンバーに引込まれるとき、試料は、排出開口部で止まるまで均一でそして薄い試薬層を経験し、排出開口は、好ましくは疎水性であるべきその一方の側面を有するスロットとして供され、それにより効果的にこれを越える試料の移動を止める。
【0015】
別の好ましい形態では、基板上の電極は、作用電極と対極を含み、その両方は、試薬層によって被覆される。試薬層は、電極を越えて下流方向に延びる。
【0016】
試薬層は、好ましくは、テストストリップの第一および第二側面と実質的に整列される第一および第二試薬層側面縁を画定する。試薬層は、テストストリップの試料受取末端に整列される試薬層末端縁も形成する。下に記述されるとおり、試薬層縁は、大型ウェブから個々のテストストリップを形成するダイ切断プロセスの一部として形成され、これは、上記された望ましくない縁効果を避ける平滑でそして均一な縁を提供する。
【0017】
別の好ましい形態では、テストストリップは、スペース層と基板とのあいだに挟まれた接着剤層を含む。ここに記述されるとおり、大量生産工程の一部として、試料受取チャンバーの周縁と整列される縁プロファイルを有する接着剤層が形成される。好ましい実施態様では、接着剤は、試料受取チャンバーの周縁の周囲に封止材を形成し、これにより試料流動体がチャンバーの外側に横方向に移動し、スペース層下に広がることを防ぐ。
【0018】
その他の形態では、本発明は、上記された新規テストストリップを大量生産する方法を提供する。本発明の方法では、第一および第二ウェブ縁を有する基板材料のウェブが提供される。複数の離間された電極組が、ウェブ上に形成される。試薬材料のストライプは、ウェブ上に適用され、その電極組の少なくとも一方の電極を覆う。ストライプは、第一ウェブ縁に実質的に平行に向けられる。本発明のテストストリップは、その後、ウェブから切断される。ウェブに作製される切断物は、テストストリップの第一および第二側面および試料受取末端を画定する。さらに、切断工程の間に、試薬ストライプの一部を切断し、テストストリップの試料受取末端から分離する。これは、テストストリップの試料受取末端、並びに第一および第二側面まで延びる試薬層を有するテストストリップを生じる。試薬は親水性であるので、ストリップの投与末端まで延伸させることは、毛細管チャンバーへの血液試料の移動を有益に促進し、投与の躊躇を回避する。
【0019】
好ましい形態では、テストストリップが切断される前に、一連の離間された空洞を有するスペース材料のウェブが提供される。空洞は、ウェブから切断されるテストストリップの縦軸に整列され、その後、スペース材料は、ウェブに積層される。好ましくは、スペース材料は、スペース層材料のウェブを、基板のウェブに接着する役割を果たす接着剤をその底部側に含む。さらに好ましくは、スペース層材料のウェブを積層した後、被覆層材料のウェブが整列され、その後、スペース層材料のウェブの上に積層される。このように各空洞は、試料受取チャンバーを画定する。
【0020】
この方法によって形成される発明の試薬層は、いくつかの利点を有する。それは非常に薄いので、試薬層は均一な厚さに製造されうる。さらに、薄い試薬層は、迅速な反応時間となる少量の試薬のみを含有する。その反応は、短い拡散時間のみを有し、薄い試薬層は迅速に可溶であり、したがって、早急な試薬利用性、および試薬ストライプの試料再水和の後のマトリックスの迅速な平衡に至り、これは早い測定に至る。
【0021】
発明の試薬層は、非常に薄く作製されうるだけでなく、反応領域で縦横に高い同質性をも示す。試験領域または試料受取チャンバーの試薬層は、平坦で、厚さが均一である。被覆されたストライプにおける厚み変動は、好ましくは、ストライプの縁外側0.2cm(またはより少なく)でのみ生じる。しかし、好ましい実施態様では、これらの領域は、有利にはスペース層によって覆われるか、または最終の組立工程でストリップの投与末端から取り除かれるかのいずれかである。
【0022】
さらに、試薬層は、湿らせて適用され、その後、テストストリップにスペース層を積層させる前に乾燥されるので、試薬層は、平滑で、薄くそして均一な厚みで形成され、実質的に試料受取チャンバーの全フロアを覆いうる。この発明の方法は、試薬層の品質、配置、厚みおよび他の特性の再現性を改善する助けになり、これは試験結果の精度を改善する。
【0023】
本発明は、非常に投与の容易なテストストリップを提供し、確固不動であるが柔軟性のある製造方法を提供する。本発明を特徴づける種々の他の特性は、付随の請求項で独自性を指摘される。本発明、その利点、そしてそこから得られる目的をより理解するために、本発明の好ましい実施態様が例示および記述されている図面および付随の説明を参照すべきである。
【0024】
ここで図面を参照し、使用される符号および文字は、いくつかの図面を通して対応の構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明によるテストストリップまたはバイオセンサーの斜視図である。
【図2】図1のバイオセンサーの分解斜視図である。
【図3】図1のバイオセンサーの一部の断面図であり、さらに図1〜2から除外された接着剤層を示す。
【図4】図1のバイオセンサーの一部の平面図であり、破断した部分は、基礎的な詳細を示す。
【図5】本発明によるバイオセンサーを製造する方法についての工程の流れ図を示す。
【図5A】本発明によるバイオセンサーを製造する方法についての工程の流れ図を示す。
【図6】本発明のバイオセンサーの底部基板を形成する上で有用なウェブ材料のオープンリール式加工および切断を示す斜視図である。
【図7】ウェブ材の一部の斜視図であり、基板上の電子要素の典型的パターンを示す。
【図8】図7のウェブ材の一部の斜視図であり、そこに被覆される試薬組成物を含む。
【図8A】図8に示される試薬を製造するスロット−ダイ被覆工程を示す線図である。
【図9】スペース層および結合した接着剤層および剥離ライナーを示す分解斜視図である。
【図10】切断された予備毛細管チャンバーを有するスペース層、およびその上に電極バターンを有する基板への積層と一直線に整列されるべきスペース層の一部の分解斜視図である。
【図11】スペース層との基板の組立体の斜視図である。
【図12】基板とスペース層上への組立のための本体とチャンバーカバーとの組合せを示す分解斜視図である。
【図13】バイオセンサーを含むいくつかの層を含む組立体の一部の斜視図である。
【図14】いくつかの検出可能なバイオセンサーを含むウェブ材の一部の斜視図である。
【図15】組立ウェブ材から分離された単一のバイオセンサーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、ここに示される特定の実施態様が参照され、ここで、特定用語は、同じものを記述するために使用される。それにもかかわらず、本発明の範囲でそれにより意図される限定はないことが理解される。記述された方法または装置におけるあらゆる変動およびさらなる改良、およびここに記述される本発明の原理についてのあらゆる追加の応用は、本発明が関連する当業者に通常に起こったであろうと予測される。
【0027】
システム
本発明は、試料流動体中の分析物を評価するのに有用であるシステムに関する。システムは、標的分析物について試料流動体を評価するための装置および方法を含む。以降さらに十分に記述されるとおり、評価は、分析物の存在を検出することから、分析物の濃度を測定することまでにおよびうる。分析物および試料流動体は、試験システムが適切であるあらゆるものでありうる。説明の目的のみのために、分析物がグルコースであり、そして試料流動体が血液または間質液である好ましい実施態様が記述される。しかし、本発明は、明らかに範囲においてこれに限定されない。
【0028】
センサー
システムの1つの要素は、試料流動体のための試料受取チャンバー、および試験分析物の存在下で電気化学的信号を生じるために適切な試薬を含む電気化学的センサーである。センサーは、好ましくは、使い捨てテストストリップ、特に試料受取チャンバーと連通する縁開口部を供する薄層状構築物を有するものからなる。試薬は、またチャンバー内に配置される作用電極に電気化学的信号を提供する位置で、試料受取チャンバー内に配置される。グルコース検出についてのような適切な環境下で、試薬は酵素、任意的にメディエーターを含みうる。
【0029】
メータ
センサーは、試料流動体中の分析物の測定のためのメータと組み合わせて使用される。メータは、通常は、分析物の濃度に対応する電気化学的信号を評価するためにセンサーおよび電子回路の電極との接続を含む。メータは、試料流動体がセンサーによって受領されたこと、および試料流動体の量が、試験をするために十分であることを測定するための手段も含む。メータは、典型的には、分析結果を保存および表示するか、または代わりに、別の装置にデータを供給しうる。
【0030】
分析物−特徴
システムは、分析物についての定量または定性的指標のいずれかを供しうる。一実施態様では、システムは、試料流動体中の分析物の存在のみを示す。システムは、試料流動体中の分析物の量または濃度の読取も供しうる。好ましい実施態様では、分析物濃度の非常に正確で、厳密な読取が、少量の試料流動体から早急に得られることが、本発明の特性である。
【0031】
分析物−型
システムは、広範多様な分析物の測定のために有用である。たとえば、テストストリップは、分析物の存在を評価するために使用されうるあらゆる適切な化学物質を用いて使用するためにも十分適合される。より好ましくは、システムは、生物学的流動体中の分析物の試験のために構成および使用される。このような分析物は、たとえば、グルコース、コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、乳酸塩、乳酸脱水素酵素、アルコール、尿酸、および3−ヒドロキシ酪酸(ケトン体)を含みうる。システムに対応する改質は、当業者に明らかである。説明の目的のために、そして特に好ましい実施態様で、システムは、生物学的流動体におけるグルコースの検出に関して記述される。
【0032】
干渉物
試験方法論は、試料流動体中の干渉物の存在により種々に影響を及ぼされうる。たとえば、血液試料中のグルコースについての試験は、酸素、ビリルビン、ヘマトクリット、尿酸、アスコルベート、アセトアミノフェン、ガラクトース、マルトースおよび脂質のような因子によって影響を与えられうる。本システムは、試料流動体にも存在しうる干渉物の有害な影響を最小限にするか、または除去する適合性がある。これらの影響は、可能性のある干渉物により、ほとんど、またはまったく影響を受けないことが知られている化学物質の選択などによる、試験材料およびパラメーターの適切な選択により対処されうる。当業界で知られるとおり、他の工程も、干渉物が試験ゾーンに入ってくることを防止する被覆または膜の使用など、可能性のある干渉物の影響に対処するために行われうる。さらに、電極構成または呼びかけ信号法に対する改善は、干渉物の影響を最小限にするために使用されうる。
【0033】
流動体型
システムは、多様な試料流動体に有用であり、好ましくは、生物学的流動体中の分析物の検出のために使用される。これに関連して、用語「生物学的流動体」は、分析物が測定されうる、たとえば、間質液、真皮液、汗、涙、尿、羊膜液、脊椎液、および血液のようなあらゆる体液を含む。本発明の内容で、用語「血液」は、全血およびそれの細胞不含成分、特に血漿および血清を含む。さらに、システムは、試験用のシステムの完全な状態を確認するために従来の形態で使用される対照流動体と関連して有用である。
【0034】
好ましい実施態様では、システムは、グルコースの試験のために使用される。この例で試料流動体は、特にたとえば、指先または承認された代替部位(たとえば、前腕、掌部、耳たぶ、上腕、ふくらはぎ、および大腿部)から得られる新鮮な毛細管血、新鮮な静脈血、およびシステムで、またはシステムのために供給される対照溶液を含みうる。
【0035】
流動体は、あらゆる形態でテストストリップに取得され、移送されうる。たとえば、たとえばランセットを用いて皮膚を切開し、その後皮膚表面に現れる流動体とテストストリップを接触させることによって、血液試料は、従来の形態で得られうる。テストストリップは、非常に少量の流動体試料に有用であることが、本発明の態様である。したがって、皮膚のほんの僅かな切開が、試験のために要求される流動体の量を生じるために必要であること、そしてこのような方法に関する苦痛および他の懸念が、最小限にされるかまたは排除されうることが、本発明の望ましい特徴である。
【0036】
皮膚上の相違する箇所が、切開により、より多くまたはより少量の血液を生じることも周知である。たとえば、指先は切開により相対的に多量の血液を生じるため、血液試料を得るために一般に使用される部位である。しかし、多量の血液を生じる領域が、一般に、使用者に関してより多くの痛みに関連することも知られている。したがって、要求される試料流動体の体積が、十分に少量なので、テストストリップは、典型的には、掌部および上腕のような、生産性は低いが、痛みが少ない皮膚の領域を切開することにより得られる血液の量で有用である。試験のための試料流動体を得るためのこれらの箇所の使用は、しばしば、「代替部位試験」と称される。本発明は、特に、これらの代替部位で得られる試料流動体、たとえば血液または間質液との使用に十分に適合される。
【0037】
テストストリップ − 一般
導入
テストストリップは、いくつかの基本的な要素を含む。ストリップは、試料流動体が、試験のために受け取られるチャンバーを画定する小型本体を包含する。この「試料受取チャンバー」に、好ましくは、毛細管作用により、適切な手段により試料流動体を充填するが、しかし任意的に、圧力または真空によっても支援される。試料受取チャンバーは、試料流動体中の分析物を示す電気化学的信号を生成することに適した電極および化学物質を含む。
【0038】
基本的説明
特に図面に関して、本発明に従って有用なテストストリップの好ましい実施態様を示す。テストストリップ10は、基板12、スペース層14、および本体カバー18とチャンバーカバー20を含む被覆層16を包含する。スペース層14は、基板12と被覆層16のあいだで延びる試料受取チャンバー24を供するための空隙部分22を包含する。
【0039】
基板12は、接触パッド32で終結する複数の電極28と電極トレース30を含む電極システム26を担持する。電極は、試料受取チャンバー24中に位置決めされる電極トレース30の部分のものと定義される。電極システム26の種々の構成は、以降に説明されるとおり使用されうる。適性な試薬システム33は、試料受取チャンバー内の電極または電極対28の少なくとも一部の上にある。
【0040】
スペース層14の上にある本体カバー18およびチャンバーカバー20は、そこのあいだのスロット34を画定し、試料流動体が縁開口部または流動体受取開口部35からチャンバーに入るとき、スロットは、空気をチャンバーから逃げさせる試料受取チャンバーに連通する排出開口部を画定する。したがって、テストストリップは、投与末端36およびメータ挿入末端38を含む。投与末端の形状は、一般に、使用者を支援するようにメータ末端から区別される。さらに、ストリップの図が、好ましくは、ストリップ設計の直感性をさらに改善するために使用され、たとえば矢印31は、メータへのストリップの挿入方向を示す。
【0041】
全般的寸法
テストストリップは、コンパクトさ、および保存と使用の容易さのために寸法決めされる比較的小型の装置である。典型的な実施態様では、ストリップの長さは、長さ20から50mm程度、好ましくは約33から約38mm、そして幅5から15mm程度、好ましくは約7から約9mmである。スロットまたは排出開口部34からメータの縁までの距離は、血液が存在しない「把持領域」を供し、そしてメータ接触領域の血液混入に対して保護する大きさに作製され、したがって、5から35、好ましくは≧13mmまでの範囲でありうる。メータに挿入されるテストストリップ部分の長さ(メータ挿入末端38から)は、好ましくは、テストストリップの長軸に沿って≦6.0mmである。
【0042】
テストストリップの好ましい薄層構造は、比較的薄い装置も提供する。ストリップの最小限の厚さは、使用者に都合のよい適切な容器中にストリップの梱包を準備させる。たとえば、テストストリップの全体の厚さは、約500から525μmでありうる。メータ接点に挿入されるテストストリップ部分の厚さは、約250μmでありうる。
【0043】
基板
テストストリップは、電極システムと他の要素を支持する絶縁材料からなる基板12を含む。典型的に、ビニル重合体、ポリイミド、ポリエステル、およびスチレンのようなプラスチックは、要求される電気的および構造的特性を提供する。さらに、テストストリップは、好ましくは材料のロールから大量生産可能であるので、材料特性は、仕上げられたストリップに有用な剛性を与えながらも、ロール加工のために十分柔軟性を有することに適合していることが望ましい。基板は、ポリエステル、特に高温ポリエステル材料;ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリイミドのような柔軟性重合材料、またはこれらのうちの2つまたはそれより多くの混合物として選択されうる。ポリイミドは、たとえば、デラウエア州ウイルミントンのデュポン社(E.I.duPont de Nemours and Company)からKapton(登録商標)の商品名で市販されている。特に好ましい基板材料は、デュポン社から入手可能なMELINEX(MELINEX)(登録商標)329である。
【0044】
電極
型
本発明は、センサー内での電気化学的酸化および還元反応の手段として、分析物の存在を検出し、および/またはその濃度を測定するように構成された装置である「電気化学的センサー」に関する。これらの反応は、分析物の量または濃度に相関可能な電気的信号に変換される。したがって、テストストリップは、試料受取チャンバー内に、1組の測定電極、たとえば少なくとも作用電極と対極を含む電極システム26を含む。試料受取チャンバーは、チャンバーに入る試料流動体が、作用電極と対極の両方との電解接触されるように構成される。これは、分析物の電気的酸化または電気的還元に影響する測定電極のあいだに電流を流させる。
【0045】
本発明の状況で、「作用電極」は、分析物が、酸化還元メディエーターの作用で、またはなしに電気的に酸化または電気的還元される電極である。用語「対極」は、ここで、作用電極と対をなし、作用電極を通過する電流に等しい大きさで、符号が反対である、電極をいう。用語「対極」は、参照電極としても機能する対極(すなわち、対/参照電極)を含むことが意図される。
【0046】
電極材料
作用および対極、および電極システムの残りの部分は、当業界で知られるとおり、多様な材料から形成されうる。電極は、比較的低い電気抵抗を有すべきであり、そしてテストストリップの操作範囲で電気化学的に不活性であるべきである。作用電極のための適切な導体は、金、パラジウム、プラチナ、炭素、チタン、酸化ルテニウム、インジウムスズ酸化物およびイリジウム並びにその他を含む。対極は、同じまたは異なる材料、たとえば銀/塩化銀から製造されうる。好ましい実施態様では、作用および対極は、両方とも金電極である。
【0047】
電極使用法
電極は、適切な伝導性および完全性の電極を生じるあらゆる形態の基板に適用されうる。典型的な工程は当業者に周知であり、たとえば、スパッタリング、印刷などが含まれる。好ましい実施態様では、金電極は、基板を被覆し、その後被覆の選択部分を除去して、電極システムを得ることによって供される。好ましい除去方法は、レーザー除去、さらに好ましくは、「バイオセンサーを製造する方法」と題される2003年6月20日に提出された米国特許出願第10/601,144号に開示されるとおり、広領域電界レーザー除去であり、その開示は、参照してここに組込まれる。
【0048】
レーザー除去技術は、一般に、絶縁材料および伝導材料、たとえば絶縁材料(下に検討される)に被覆または積層される金属層の金属薄層を含む単一の金属層または多層組成物を除去することを含む。金属層は、金属性伝導体である純粋金属、合金または他の材料を含みうる。金属または金属様伝導体の例としては、アルミニウム、炭素(たとえばグラファイト)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオブ、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(たとえば高ドープ多結晶質シリコン)、銀、タンタル、スズ、チタニウム、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、およびこれらの材料の合金または固溶体が挙げられる。好ましくは、材料は、生物学的システムに基本的に不活性であるものが選択される。そのような材料としては、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、銀、またはこれらの金属の合金またはインジウムスズ酸化物が挙げられる。金属層は、あらゆる所望の厚さでありうる。好ましい実施態様では、厚さは約500nmである。
【0049】
構成
電極システムは、テストストリップおよびメータの操作に適した多様な構成を有する。あらゆる実施態様に関して、作用電極および対極は、好ましくはそれらを覆うために必要とされる試料流動体の体積を最小限にするように位置決めおよび寸法決めされる。電極が、比較的廉価な携帯型のメータを使用して測定可能にするために十分な大きさの電流の流れを維持するように設計されることも好ましい。
【0050】
別の例として、好ましい実施態様は、作用電極の両側の周囲に延びる対極を含む。したがって、試料流動体が、試料受取チャンバーに入るとき、対極は、2つの構成要素を有し、一方は作用電極上にあり、他方は作用電極の後ろにある。さらに詳細には、対極は、試料受取チャンバーに渡って延びる要素40および42を含む。これらの要素の各々は、約250μmの幅である。作用電極要素44は、約250μmの幅を有し、2つの対極要素の各々から約255μmまで離間されている。これは、測定中の電極についての多数の構成の中のたった1つにすぎないことが理解される。
【0051】
トレース30およびコンパクトパッド32は、テストストリップに関してそれらの意図される機能と一致する多様な形態で提供されうる。電極システムのこれらの構成要素は、好ましくは、電極と同じ材料より構成され、好ましくは、電極の適用と同じ手段で同時に基板に適用される。好ましい実施態様で、トレースとコンパクトパッドは金であり、特に、先に参照して組込まれた米国特許出願第10/601,144号に記述されるとおり、レーザー除去によって形成される。しかし、代替材料および方法が使用されうる。
【0052】
化学
試薬組成物
テストストリップは、試験分析物と反応して、試料流動体中の分析物の存在を表す電気化学的信号を生じる試料受取チャンバー内に化学的試薬を含む。試薬層は、種々の分析物の存在および/または濃度を測定するために選択される多様な活性成分を含む。したがって、試験化学は、評価されるべき分析物に関して選択される。当業界で周知であるように、種々の分析物の各々と共に使用するのに利用可能な膨大な化学物質がある。たとえば、1つの好ましい実施態様では、本発明のテストストリップは、血液中のグルコースの存在を決定するために選択されうる1つまたはそれより多くの酵素、補酵素、およびコファクターを含みうる。したがって、適切な化学物質の選択は、十分当業界の技術の範囲内にあり、ここでのさらなる説明は、種々の分析物と共にテストストリップを作製および使用することを可能にするために要求されない。
【0053】
添加物
従来の形態では、試薬化学は、試薬特性および特徴を増強する種々の添加物を含みうる。たとえば化学物質は、テストストリップへの試薬組成物の配置を促進し、ストリップの接着性を改善するか、または試料流動体により、試薬組成物の水和の速度を増大させるための材料を含む。さらに、試薬層は、得られた乾燥試薬層の物理的特性、そして分析のための液体試験試料の取込みを増強するために選択される成分を含みうる。試薬組成物と一緒に使用されるべき添加物材料の例は、増粘剤、粘度改質剤、膜形成剤、安定剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開放剤、着色剤、およびチキソトロピー賦与剤が挙げられる。
【0054】
試験試料の好ましい実施態様では、大半のチャンバーは、使用前は空である。本発明によるテストストリップのきわめて小さなチャンバーにおいて、試薬層は、薄く、均一であることが好ましい。試料受取チャンバーは、非常に小さく、約1μl未満なので、チャンバーの深さまたは垂直の高さは小さい。よって、試薬層は、チャンバーの内部空洞の大半を占めるべきでない。試薬層は、チャンバー内で試験試料に十分な空間を残すのに十分に薄いべきである。さらに、液体試験試料は、試薬薄層をいっそうすばやく水和または溶解させる。上の反応スキームで検討されるとおり、メディエーターおよびメディエーター酸化還元産物は、試薬層に/電極に対する勾配を通してその中で拡散する。反応性成分および中間体は、薄い試薬を通して拡散する短い距離を有し、したがって、電極への拡散は、より短時間に生じる。さらに、メディエーター酸化還元産物の補足効率は、厚い層よりも酵素の薄層について大きい。
【0055】
反対に、厚みのある試薬層は、液体試験試料が水和または溶解するためにいっそう時間がかかり、厚みのある試薬層は、メティエーター/メディエーター酸化還元産物が、電極に接近するのにかかる時間を増大させる。これは、分析物濃度を測定する時間を遅延させ、測定に誤差を導きうる。
【0056】
試薬層は、均一な厚さを有することが好ましい。厚さの不均等性は、分析物濃度を測定する上で変動を導く可能性がある。好ましい実施態様では、試薬層は、試料受取チャンバーを全体通して均一な厚さを有する。この好ましい実施態様では、試薬層は、チャンバーの中心部分より、チャンバーを画定する垂直な側壁に隣接する試料受取チャンバーの周縁付近で厚くない。よって、試薬層は、メニスカスプロファイルを示さない。
【0057】
試薬組成物は、基材層上に薄く、均質な層に堆積されうる粘性溶液として調整される。試薬組成物は、試薬層の物理的特性を増強する増粘剤およびチキソトロピー性剤を含む。増粘剤は、そこに均一に分散される残りの成分を有する厚みのある液体マトリックスを供するように選択される。増粘およびチキソトロピー性剤は、液体または半ペースト状材料が堆積された後および乾燥する前に、基材層の表面を越えて流出および拡散することを阻止する。試薬組成物を堆積させた後、容易に水和可能なマトリックスに迅速に乾燥する。
【0058】
試薬組成物は、空気乾燥または加熱乾燥のいずれかで迅速に乾燥させて提供される。乾燥後、堆積した試薬層は、約1ミクロンから約20ミクロンのあいだの厚さを示す。さらに好ましくは、乾燥させた試薬層は、約2ミクロンから約6ミクロンのあいだの厚さを示す。
【0059】
試薬組成物は、カーテン被覆、熱溶融被覆、回転式スクリーン被覆、ドクターブレードまたはエアーナイフ被覆、マイヤー棒被覆、および逆ロール被覆技術を含めた多様な被覆方法を使用して、テストストリップ表面上に堆積されうる。これらの技術は、当業者には周知である。好ましくは、試薬組成物は、下にさらに詳細に記述されるスロット−ダイ被覆工程によって、ウェブに適用される。好ましくは、試薬層は、約40μmから約100μmのあいだの厚さで、湿潤組成物として柔軟性ウェブ上に堆積される。さらに好ましくは、試薬組成物は、約60μmから約80μmのあいだの厚さで、湿潤組成物として堆積される。組成物は、測定電極の頂部に直接、連続の狭いバンドとして、複数のテストストリップのウェブの長さに沿って、試薬の均一な薄層として適用されうる。好ましい実施態様では、狭いバンドは、約7mmから8mmのあいだの幅、および約3umから約20umのあいだの乾燥厚さを有する。組成物も、このような異質の電極の望まれる機能性によって、試料受取チャンバー中にある他の電極に適用されうる。
【0060】
スペース層
構成
テストストリップは、基板の上にあり、そして部分的に、試料受取チャンバーを画定するスペース層14を含む。特に、スペース層14は、試料受取チャンバー24の高さおよび周囲を実質的に画定する空隙部分22を含む。空隙部分22は、縁開口部を有するように都合よく配置され、これにより試料流動体が縁開口部を接触し、試料受取チャンバーに入る。縁開口部は、側面縁での配置も有用であることが理解されるが、好ましくは、テストストリップの末端に配置される。
【0061】
材料
スペース層14は、テストストリップでの製造に有用なあらゆる材料から製造されうる。スペース層は、試料受取チャンバーの高さを部分的画定するため、材料は、チャンバーの所望の高さに適切な厚みで十分な強度を有すべきである。スペース層の別の機能は、基板12の上部表面に沿って延びる電極トレースを保護することである。材料は、感熱または感圧性接着剤のいずれか、またはレーザー溶着のような他の手段によって、基板およびカバー材料にもすぐに付着されるべきである。適切な材料の例は、100μmのPET、PEN箔被覆物またはアドヘッシブ リサーチインコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)から得られるARCare90132のような接着剤と組み合わせで含む。
【0062】
被覆層
構成
被覆層16は、スペース層14から受取および付着される。被覆層の1つの機能は、試料受取チャンバーの頂部表面を形成することである。別の機能は、試験試料の獲得を支援するための親水性表面の供給である。さらに、被覆層16は、好ましくは、試料流動体が試料受取チャンバーに入りそして移動するときに、空気にチャンバーの内側から逃がす排出開口部34を画定する。
【0063】
好ましくは、本体カバー18およびチャンバーカバー20は、排出開口部の作製、形成を容易にする2つの別の部材からなる。本体カバー18とチャンバーカバー20は、両方とも、実質的に、同じ水平な平面に配置される。チャンバーカバー20は、スペース層の空隙部分22を実質的に覆い、試料受取チャンバーの頂部を形成する。チャンバーカバーは、好ましくは、下にさらに詳細に記述されるとおり、その底部側に親水性被覆または処理21を含む。本体カバーとチャンバーカバーは、図1に示されるとおり、テストストリップに沿って長手方向に端と端をくっつけて位置決めされ、そのあいだにスロット34を含む。スロットは、スペース層の空隙部分22の内側末端に隣接して配置され、本体カバー18からチャンバーカバー20を離間する小さなギャップを形成する。
【0064】
スロットは、電極システム26の位置の内側である試料受取チャンバーに関する位置に配置される。試料受取チャンバーに入る試料流動体は、排出開口部までは進むが、しかしそれ以上は進まない。頂部から見た場合、スロットは、ここに記述されるとおり、「充填ライン」の可視指標を提供する。したがって、排出開口部の配置は、十分な試料流動体が、電極システムを十分に被覆するように受け取られうることを保証する。同時に、排出開口部の配置は、電極システムの領域を越える、試料流動体の連続移動を阻害する。
【0065】
同時に、排出構成は、試料受取チャンバー24上にある中央領域を越えて、スロットに沿って側面の試料流動体の移動を阻害する様式で作製されうる。たとえば、本体カバーは、好ましくは、図3に示されるとおり接着剤46手段により、スペース層に固定される。疎水性接着剤の使用は、血液、間質液、および他の水性液体が毛細作用によって側面に延伸するスロットに沿って移動することを阻害する。本体カバー全体、または排出開口部に隣接する部分は、移動を阻害する疎水性でもありうる。材料の表面について疎水性特性を供する材料および方法は、当業界で周知である。チャンバーカバーは、下に説明されるとおり、接着剤46と同一または異なる接着剤によりスペース層に固定されうる。
【0066】
接着剤49は、基板12にスペース層を確保する。接着剤46、並びに接着剤49およびスペース層14についての材料は、例示の実施態様で全て、疎水性材料から形成される。ストリップ10で形成される毛細チャンバーの垂直壁、それ自体は、疎水性である。対照的に、チャンバーのフロアは、親水性試薬で覆われ、層20の底部側面は、親水性被覆21で覆われる(図2)。言い換えると、毛細管における水平表面は、親水性である一方で、垂直表面は、疎水性である。これは、毛細管チャンバーへの試料の十分な排出を促進し、なお、スペース層と基板とのあいだで、チャンバーから側面への試料の望ましくない移動を防止することが分かった。
【0067】
材料
本体カバーとチャンバーカバーは、テストストリップを用いた製造のために有用なあらゆる材料から作製されうる。本体カバーとチャンバーカバー用の材料は、同じであるか、または異なっていてよい。材料は、感熱または感圧性接着剤のいずれか、または加熱またはレーザー溶接のような他の手段により、スペース層にすぐに付着されるべきである。チャンバーカバーと本体カバーの両方に適切な材料の例は、およそ127μm厚のPETの箔を含む。チャンバーカバーは、好ましくは、国際公開公報第02/085185号に開示されるとおり親水性層21、アドヘッシブ リサーチインコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)から得られるARFlow(登録商標)90191を含む。
【0068】
被覆層16は、試料流動体が試料受取チャンバーに入る際に、観察を促進するためにも使用されうる。これは、チャンバーと周囲の領域とのあいだの色または影における対照を提供することによって達成される。たとえば、1つのアプローチでは、空隙22を囲むスペース層14の一部は、試料受取チャンバーの底部の色、たとえばチャンバー底部に配置される化学的試薬層の色と対称的な色で供される。この対照色は、たとえば、試料受取チャンバーに隣接するスペース層の一部にインクまたは他の着色剤を適用することにより供される。層14の着色部分23は、図2に描かれる。その後、チャンバーカバー20は、使用者が、チャンバーと隣接スペース層を観察することを可能にする透明または半透明材料として提供される。試料流動体が、テストストリップの縁から入るにしたがい、使用者は、排出開口部に向かって毛細管作用により移動する際にその進行を観察することができる。この型の特徴は、1999年12月7日にクリスマー(Crismore)らに発行され、そして参照してここに組込まれる米国特許第5,997,817号にさらに記述される。
【0069】
毛細管
基板、スペース層およびチャンバーカバーにより形成される試料受取チャンバーは、本質的にその中に試料流動体が移動するいくつかの部分を基本的からなる。第一の参入部分48は、縁開口部から測定電極システムの領域まで延びる。第二の試験部分50は、電極システムの領域を通して延びる。第三の部分52は、測定電極システムから排出開口部まで延びる。試料流動体の試験は、試験部分中の電極システムの領域で起こることが理解される。しかし、試料流動体は、テストストリップを充填する過程でチャンバーの他の部分も充填する。
【0070】
寸法
試料受取チャンバーの高さおよび幅は、試験されるべき流動体、および問題の分析物を含めた多様な考慮に基づいて選択される。たとえば、チャンバー寸法は、好ましくは、試験流動体のチャンバーへの毛細管の流れを促進する大きさにされる。血液と使用するための好ましいチャンバー高さは、たとえば、約50μmから約200μmまで、最も好ましくは120から180μmまでである。好ましい実施態様では、チャンバー高さは、約150μmである。チャンバーの幅は、所望の試料流動体および分析物に適合するように同様に選択されうる。たとえば、チャンバーは、所望の量の作用電極および対極を露出する十分な幅であるべきであり、過度の量の試験用の試料流動体の要求を避けるために十分に狭いべきである。試料受取チャンバーの幅と、作用電極の幅は、作用電極の領域を画定する。その領域は、それが信号増幅および設備設計に関する場合、別の設計考慮事項を表す。
【0071】
体積
試料受取チャンバーは、好ましくは、試験を行うために必要とされる試料流動体の量を減少させるために、最小の体積を有するように供される。縁開口部から排出開口部まで延びる3つの部分の全てを含めた全体の試料受取チャンバーは、縁から排出口までのチャンバーの領域、および基板からチャンバーカバー20までのチャンバーの高さの因子であると考慮されうる総体積を有する。しかし、「正味チャンバー体積」は、この空間を埋めるために必要な試料流動体の体積からなる。試料受取チャンバーの正味チャンバー体積は、電極、試薬、そして含まれる場合には、おそらく吸着剤材料のような他の物品によって占められる体積を引いた総チャンバー体積に等しい。
【0072】
先に示されるとおり、総試料受取チャンバーの体積は、チャンバーの3つの部分に起因する体積より構成される。各々の部分は、一般に、テストストリップの操作に実用的であるのと同じくらい小さい大きさに作製される。しかし、各部分のサイズに影響を与える考慮事項、そしておそらく他の機能がある。
【0073】
チャンバー体積は、高さおよび領域の両方の因子である。高さは、スペース層の厚みと、他の層にスペース層を固定するために使用される接着剤の厚みの結果である。たとえば、基板とチャンバーカバーは、スペース層の反対側に付着される。付着の1つの方法は、材料の加熱またはレーザー封止である。しかし、感熱または感圧性接着剤のような適切な接着剤の使用によってこれらの層を付着させることが好ましい。このアプローチでは、試料受取チャンバーの高さ、すなわち、底面基板の対峙表面とチャンバーカバーとのあいだの距離は、接着剤層の厚みによって影響を受ける。図3に示されるとおり、チャンバー24は、試薬層33によってそれの底部側と、チャンバーカバー20によってその頂部側を境界される。しかし、接着剤層46および49、並びにスペース層14は、チャンバー24の総高さを画定する。
【0074】
さらに、好ましい実施態様では、試薬層33は、基板12とスペース層14のあいだに延伸し、実際に、下に記述されるとおり、テストストリップの総幅に延びる。したがって、チャンバーの高さは、スペース層の下にある試薬層の存在により、増大もされうる。この実施態様では、接着剤が使用された場合、少なくとも、接着剤が、試薬および周囲にある程度充填する範囲まで、試験試薬と組合わせうることが分かった。したがって、試薬と接着剤層の高さは、最終のテストストリップで必然的に付加的であるというわけではない。むしろ、基板とスペース層とのあいだに生じる空間の高さは、積層の前の個別の試薬と接着剤層の高さの組合せより幾分少ない。
【0075】
接着剤と試薬の組合せが、試料受取チャンバーの縁に沿って封止を生成するために有益に助けになることも分かった。これは、試料流動体が、試験を行うために必要な時間枠内で基板とスペース層とのあいだの空間に存在する試薬材料中に移動することを阻止する。
【0076】
第一の参入部分は、試料流動体を受け取り、それを測定電極に向けるのに利用できる。この部分は、サイズはかなり小さくでき、チャンバーの短いセグメントのみからなる。この部分の長さは、好ましくは1200μm未満である。
【0077】
第二の試験部分は、試験または測定電極を含み、最小限の体積の試料流動体を必要とする大きさにされる。この第二の部分のサイズを制御する主要要因は、測定電極の型、数、サイズ、信号強度、および構成である。この部分の長さは、好ましくは、約1260μmである。好ましい体積は、0.15mmの毛細管高さおよび1.4mmの毛細管幅に基づいて、約0.265μLである。
【0078】
試料流動体は、測定電極を通過して、第三の部分に移動する。これは、測定電極が適切に湿っていることの保証を提供し、好ましくは特定の確認を可能にする。この確認は、使用者による目視の観察か、または自動的検出手段によりうる。たとえば、用量充足電極は、測定電極の湿気が保証される時点の部分まで、試料流動体が前進したときを検出するためにこの部分に配置される。これは、電極への電位の印加を開始するためのトリガとして使用されうる。この部分の長さは、好ましくは50から500μmまで、より好ましくは255から400μmまでである。体積は、好ましくは0.01から0.1μL、よりさらに好ましくは0.05から0.08μLまでである。
【0079】
好ましい実施態様では、試料受取チャンバーの全体の正味チャンバー体積は、約1μL未満、より好ましくは約0.5μl未満である。試料受取チャンバーの正味チャンバー体積についての望ましい範囲は、約0.15から約1.4μLまで、より好ましくは約0.4から約0.7μlまでの体積を包含する。
【0080】
吸着剤
試料チャンバーは、別の状況では空であり、それは好ましく、あるいは、代わりに、吸着剤材料を含みうる。適切な吸着剤材料としては、ポリエステル、ナイロン、セルロース、およびニトロセルロースのようなセルロース誘導体が挙げられる。吸着剤材料は、流動体がチャンバーに移動する際に支援することによって、試料流動体の取り込みを促進するために含まれうる。吸着剤材料の使用は、試料流動体の受領のための試料受取チャンバーの空隙体積をさらに減少させる役割も果たす。
【0081】
充填方法
試料チャンバーを充填する好ましい方法は、毛細管作用による。さらに、テストストリップの充填は、試料流動体に圧力をかけて、試料チャンバーに押出すこと、および/または試料チャンバーに真空を生成して、試料流動体をチャンバーに引き込むことのような他の手段により増大されうる。
【0082】
親水性被覆
試料受取チャンバーの毛細管充填の目的のために、種々のアプローチが、試料流動体のチャンバーへの移動を促進するために利用できる。たとえば、チャンバーを画定する表面のいずれかまたは全ては、親水性を改善するために選択または処理されうる。このような処理は、下に記述されるとおり、既知親水性材料の使用、表面への親水性材料の適用、または親水性を増大するための表面の処理からなる。さらに、試薬組成物は、容易に水和され、試料受取チャンバーの充填を勧めるために配合されうる。先に示されるとおり、吸着剤も使用されうる。
【0083】
分析物についての試験
電気化学的センサーは、作用電極および対極に渡って、そして用量充足電極に渡って適切な電位または一連の電位を印加することによって操作される。メティエーターが使用される場合、作用電極および対極に渡って要求される電位の大きさは、酸化還元メディエーターによる。さらに、分析物が電解される電極での電位は、一般に、電気化学的反応を完全に、またはそれに近くまで駆動させるのに十分な大きさであるが、しかし、電位の大きさは、干渉物の重大な電気化学的反応を誘導するのに十分なほどには大きくないことが好ましい。グルコースについては、たとえば、使用される電位差は、一般に、直流計を使用した場合、約+100mVから約+550mVのあいだである。交流計を使用した場合、これらは、一般に、5から100mV RMSでありうる。
【0084】
試料が、試料受取チャンバーに入り始める前後で、電位を印加してよい。しかし、電位は、好ましくは、試料がチャンバーに入った後に、より好ましくは、試験を行うために、試料受取チャンバー中に十分な量の試料があることが測定された後に印加される。電位の印加のタイミングは、使用者による目視の観察、テストストリップへの流動体のサンプリングに続く時間遅延、またはチャンバー中の十分な量の試料の電気的または他の自動検出を含めた多様な形態でトリガされる。目視および電気的代替法も、装置の適切な操作を確保するために重複する二重安全装置として作用しうる。好ましくは、テストストリップおよびシステムは、流動体試料がチャンバーを十分に充填したときを決定するために、用量充足電極のような別の検出手段を利用する。
【0085】
電位が印加され、そして試料流動体が試料受取チャンバー中にあるとき、電流は、作用電極と対極とのあいだを流れる。電流は、十分な大きさの電位が印加されたときの、試料流動体中の分析物の電気分解の結果でありうる。この場合には、電気化学的反応は、先に記述されたとおり一般に、酸化還元メディエーターを介して生じる。小さな振幅電位が印加される場合、特に交流電位の場合には、電流は、電気分解によって必然的に生じるものではなく、試料チャンバー中の電気絶縁体のイオン運動および応答によって生じる。当業者は、同じ結果を達成する多くの異なった反応機構があることを認識する。
【0086】
対照溶液
試験は、対照溶液、またさらに正しい対照溶液が投与されたことを確認するために投与後に、テストストリップに適用できる。対照溶液は、全システムが、設計仕様以内で機能していること、およびテストストリップが、不適切に保存されたか、そうでなければ誤って処理されなかったことを確認することで使用者を支援する。許容しうるストリップは、試験されるべき特定のストリップ・ロットについて特定の許容範囲内の値を回復する。問題の許容範囲は、容器ラベル上の各ストリップ・ロットについて公表される。
【0087】
ストリップを作製する方法
好ましい実施態様では、センサーは、多層の積層されたテストストリップ10からなる。先に記述されたとおり、積層体は、基板12、スペース層14、および被覆層16を含む。これらの構成要素は、種々の方法で組み立てされる。たとえば、構成要素は、接着剤、熱封止、レーザー溶着、および隣接材料を固定するために適した多様な他の適切な技術の使用により組み立てされる。テストストリップは、好ましくは、単一のシートまたはウェブ上で、多数で組立てられ、そしてその後、ストリップは、保存および使用のために分離される。
【0088】
積層テストストリップは、一度に、1つの層を続けて敷き詰めることによって連続して組立てられうる。代わりに、テストストリップは、個々の構成要素または層を組立または加工することによって作製可能であり、そしてその後、一緒に積層して、機能的テストストリップを提供しうる。1つの好ましい形態では、テストストリップの2つ以上の基本的構成要素は、同時に作製される。その後、1つまたは一連の組立または積層工程で、基本的構成要素を組合わせてテストストリップを産出し、これは、さらなる加工を必要としても、しなくてもよい。好ましい実施態様では、テストストリップは、3つの基本的構成要素すなわち、基板上画定しられた金属性電極で被覆された試薬層を伴う金属化基板、その中に予備形成された空洞を有するスペース層、および1つまたはそれ以上の頂部または被覆層から組立てられる。
【0089】
試料受取チャンバーについてのこのような小型寸法で、試薬層の特徴は、テストストリップの操作に、特に、水和および混合特性の観点で重要な効果を示しうる。試薬層の品質、配置、厚さおよび他の特性の再現性はしたがって重要である。したがって、組成物が、適用層の均一性および平坦さのような物理的特徴を特定に増強する材料を包含することが望ましい。
【0090】
1つの特定の態様では、テストストリップは、試薬を組込むための特徴的な様式を含む。試薬は、試料受取チャンバー内の少なくとも作用電極上で、好ましくは対極上にも配置される。試薬は、当業界で十分に理解されるように、多様な形態でテストストリップに適用されうる。好ましい実施態様では、試薬組成物は、基板に支持された電極上に薄い被覆として適用される。
【0091】
さらに特には、試薬は、基板とスペース層とのあいだに試薬組成物を配置する様式で、基板上に載せられる。適用のこの様式は、試薬層をいっそう平坦で、均一な厚さにする助けになる。対照的に、先行技術の手段は、最初に、反応ウェルまたは空洞を作製し、そしてその後、そのウェルに試薬を充填した。しかし、これは、ウェルの周囲でのメニスカスの形成のような現象によりいっそう不均一な試薬層を生じうる。これは、また試薬が、内側部分より、反応ウェルの側壁に隣接して異なる厚みを有することとなり、これは、チャンバーの充填、延長された溶解間隔に不一致を引起し、試料流動体と試薬を混合すること、そして最終的試験結果とに不一致を生ぜしめる。スペース層が加えられる前に、基板上に試薬を配置することによって、それが、基板上で乾燥されるときに、試薬の均等な層を妨害するメニスカス効果はない。さらに、適用のこの方法は、テストストリップの大量生産を促進する。
【0092】
図面によって、テストストリップ10は、底部基板12とスペース層14とのあいだに延びる試薬層33を含むと示される。さらに、試薬は、底部基板12の頂部表面と電極28との両方を覆う層33を形成する。試薬は、少なくとも作用電極を、好ましくは対極も覆う。最も好ましい実施態様では、試薬層は、テストストリップの全幅に延びる。試薬層は、好ましくは、末端縁から排出開口部までにも延びる。したがって試薬層は、スペース層の下に延伸し、スペース層と基板とのあいだに挟まれる。例示の実施態様では、試薬層は、テストストリップ10の側面縁および投与縁の両方に延びる。
【0093】
下記にさらに詳細に記述されるとおり、製造工程のあいだに、テストストリップ10は、細長い連続「試薬ストライプ」を有する材料のウェブから切断される。切断工程は、そのように形成された各テストストリップが、試薬層側面縁と末端縁を画定する試薬層を有するように、2つの側に、そしてその末端で試薬層を通して切断する。試薬層側面縁は、テストストリップの側面縁に整列される一方で、試薬層末端縁は、テストストリップの末端縁に整列される。言い換えると、試薬層縁は、テストストリップの縁と同一の広がりを持つ。試薬層を投与縁(ストリップの側面または末端縁でありうる)に延伸させることは、試薬が親水性であるので、試料受取チャンバーへの試料流動体の移動を促進する助けになる。試薬層を、ストリップの側面まで延伸させることは、スペース層が積層される平滑基板を有利に提供する。
【0094】
試薬組成物は、最終的にスペース層の下に延びる所望でそして均一な層を提供するあらゆる適切な形態で底部または基板に適用される。試薬は、好ましくは、底部基板上に直接、そしてその上に受取られた電極に連続する被覆で適用される。以降に説明されるとおり、試薬組成物は、最も好ましくは、ウェブ加工の材料上で多量のテストストリップを生産する過程で適用される。この様式で、試薬は、後に、個々のテストストリップに分離される基板ロールに渡って延びる材料の連続ストライプの方法で適用されうる。試薬組成物は、乾燥させるか、またはそうでなければ組立てられ、スペース層はその上に適用される。
【0095】
関連態様で、底部基板にスペース層を固定する好ましい様式は、接着剤の使用である。層を一緒に固定することに加えて、接着剤は、底部基板とスペース層のあいだの空間を封止する助けになるために試薬組成物と十分に係合することが分かった。接着剤は、好ましくはスペース層上に配置され、これを基板に積層させる。接着剤は、それにより、スペース層の下に延びる試薬の部分と接触する。
【0096】
別の態様では、分析物がグルコースである好ましい実施態様が記述される。グルコースの場合、試薬組成物の活性成分は、一般に、グルコースのための酵素のような酸化還元酵素、任意的に補酵素またはコファクター、および酸化還元メディエーターを含む。これらの成分は、一般に、マトリックスに溶解または懸濁される。液体試験試料はマトリックスを水和または溶解し、そして分析物はマトリックスを通して拡散して、1つまたはそれより多くの活性成分と反応する。典型的には、酵素は、試験試料中のグルコースをグルコノラクトンおよび/またはグルコン酸に酸化する。そしてメディエーターは、還元酵素と反応するか、または酸化し、よって、メディエーターはその工程で還元される。還元されたメディエーターは、テストストリップ上の電極の内の一つで検出可能である。
【0097】
ヒト血液中のグルコースを検出するのに有用な酸化/還元反応スキームの特定の例では、グルコースを含有する試験試料は、酸化還元メディエーターの存在下で、グルコース−ジ−オキシドレダクターゼ(Gluc−Dor)などの酵素、および任意的にピロロ−キノリン−キノン(PQQ)のような補酵素またはコファクターと反応する。メディエーターは、たとえば、ベンゾキノン、遷移金属錯体、たとえばフェリシアン化カリウム、オスミウム誘導体(たとえば、国際公開公報第98/35225号のようなオスミウムビピリジル複合体)およびニトロソアナリン誘導体(米国特許第5,286,362号を参照)が挙げられうる。これは、酸化形態の分析物グルコノラクトンを生じ、そして還元形態の酸化還元メディエーターを生じる。その後、メディエーターは、拡散により電極表面にメディエーター産物の酸化還元等価物、還元メディエーターを往復させる。メディエーターは、定義された陽極電位で定量的に酸化され、そして生じる電流は、擬似グルコース濃度に関連する。
【0098】
ニトロソアニリン誘導体を使用するこの反応システムについての反応順の代表は、次に式1に供される。
【0099】
【化1】
【0100】
o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリンの合成
【化2】
【0101】
化合物は、当業界で知られる方法により合成される(たとえば、米国特許第5,286,362号を参照)。上に示される中間体m−メトキシ(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル))アニリンを合成するために、m−メトキシ−アニリンを、500mlの4N酢酸に溶解させる。混合物を、攪拌しながら0℃まで冷浴で冷却し、そして70.5g、すなわち約79ml(1.6モル)のエチレンオキシドを、0〜10℃で、5分以内に滴下で加える。室温で12時間混合物を放置させた後、500mlの水を添加して攪拌し、そして少量で、総量200g NaHCO3を注意深く添加することによって、溶液を中和させる。
【0102】
その後、開放された基材を、500mlの塩化メチレンで抽出し、再度3回、毎回250ml塩化メチレンと振とうさせる。有機相を合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、吸引し、真空で濃縮する。メルク社(Merck)から得られる薄層クロマトグラフィー(TLC)シリカゲル60プレートによって、中間体を得る。可動相は、5:2の比のトルエン/アセトンである。
【0103】
最終産物の合成および回収
【化3】
【0104】
次に、140mlの濃塩酸および140mlの水を、攪拌器、滴下ロートおよび熱量計を具備した2−1三つ首フラスコに充填する。フラスコおよび内容物を、乾式氷浴で約−5℃に冷却し、その後、約0.8モルの中間体を、フラスコに滴下で添加する。中間体(m−メトキシ(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル))アニリン)を、10分間以内に添加し、そして温度を全時間にわたり一定に維持する。混合物をさらに15分間攪拌する。次に、体積120mlの水中の約0.87モルの亜硝酸ナトリウムの溶液を、0℃で混合物に添加する。
【0105】
混合物を、さらに30分間0℃で攪拌する。続いて、500mlの水を添加することによって混合物を希釈し、その後、218mlの濃水性アンモニア溶液を氷上で冷却しながら滴下で添加する。混合物の温度は、15℃より上に上昇させない一方で、アンモニアが添加される。発生したニトロソ基材を400mlのn−ブタノールで5回抽出し、そして油状化合物が得られるまで、溶媒を回転式蒸発器で蒸散させる。
【0106】
無機産物を除去するために、油状物を、250mlトルエン/アセトン=1:1の混合物と混合する。不溶性部分を吸引し、50mlトルエン/アセトン=1:1で洗浄する。無機材料は、残渣として残る。シリカゲル60カラム(直径7.5cm、充填レベル90cm、分離流動体トルエン/アセトン=1:1)上でクロマトグラフィーにより濾液を精製する。油状物の形態にあるニトロソ基材を得る。これを、600mlのアセトンに溶解させ、そして滴下で250mlの飽和エーテル性塩酸と反応させる。氷上で冷却しながら30分間攪拌した後、形成する結晶を吸引し、100mlアセトンで三回洗浄し、そして、室温で、五酸化二リン上で真空乾燥させる。
【0107】
指定された化合物の純度は、Merck社から得られるシリカゲル60プレートを使用したTLCによって測定される。可動相は、トルエン/アセトン(1:1)である。最終産物は、低温で、少量の塩酸水溶液の再結晶化の手段により、分析物−試薬純度までさらに精製できる。
【0108】
示されるとおり、ニトロソアニリン誘導体、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリンは、当初、互いに平衡に、2つの異性体の混合物、または互変異性体として存在する。試験試料中のグルコースとのGluc−Dorの反応は、グルコノラクトン、そして還元形態のGluc−Dor(Gluc−Dor・2H+)を得る。還元形態のGluc−Dor(Gluc−Dor・2H+)は、ニトロソアニリン誘導体と迅速に反応し、そして還元され、Gluc−Dorを再発生させる。その後、還元ニトロソアニリン誘導体は、加水分解を受けて、キノンジイミン(QD)を形成する。第二の酵素的酸化還元反応で、Gluc−Dorは、グルコースと反応して、Gluc−Dor・2H+およびグルコノラクトンの別の分子を得る。Gluc−Dor・2H+は、キノンジイミンと反応して(に酸化されて)Gluc−Dorを再生し、フェニレンジアミン誘導体(PD)を生じる。その後、PDは、作用電極で酸化されて、グルコース濃度に関連した電流を生じる。さらに、対極でQDは、PDに還元されうる。
【0109】
添加物
試料受取チャンバーについてこのような小さな寸法で、試薬層の特徴は、特に水和と混合特性の観点から見て、テストストリップの操作に重要な影響を示しうる。試薬層の量、位置、幅、厚み、および他の特性の制御および再現性は、チャンバー体積が減少し、そして試験時間が減少するとき、いっそう重要になる。したがって、組成物が、適用層の均一性および平坦さのような物理的特性を特に増強する材料を含むことが望ましい。さらに、適用の方法は、試薬層の物理的特性、制御および再現性に影響しうる。
【0110】
したがって、試薬組成物は、試薬特性または特徴を増強する多様な添加物も含みうる。たとえば、組成物は、テストストリップへの試薬組成物の配置を促進し、ストリップに対するその接着性を改善する添加物材料を包含しうる。組成物は、その水和速度、および/または試験試料でチャンバーを満たす毛細管作用に対する影響を増大する材料も含みうる。試薬組成物と共に使用されるべき添加物材料の例は、増粘剤、粘度調節剤、膜形成剤、安定剤、緩衝剤、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、膜開放剤、着色剤、およびチキソトロピー付与剤が挙げられる。
【0111】
添加物材料または成分は、試薬層の適用、再現性および物理的特性に影響を及ぼしうる。添加物材料は、次のものを1つ以上含みうる。
【0112】
増粘剤としては、たとえば、(1)スターチ、ガム(たとえば、ペクチン、グァーガム、イナゴマメ(イナゴマメの種)ガム、コンニャク・ガム、キサンタン・ガム、アルギネート、および寒天)、カゼイン、ゼラチン、およびフィココロイド類、(2)セルロースおよび半合成セルロース誘導体(カルボキシメチル−セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)、(3)ポリビニルアルコールおよびカルボキシビニレート、および(4)ベントナイト、シリケート、およびコロイド性シリカが挙げられる。好ましい増粘剤は、シーピー ケルコ ユーエス インコーポレイテッドによってKeltrol Fの商品名で販売されるキサンタン・ガムと、ハーキュールズ インコーポレイテッド(Hercules Inc.)のアクアロン部門によってAQUALON(登録商標)CMC 7F PHの商品名で販売されるカルボキシメチルセルロースとの組合せを含む。
【0113】
試薬組成物に有用な膜形成およびチキソトロピー性剤は、重合体およびシリカを含む。好ましいチキソトロピー性剤は、デグッサ アクチェンゲゼルシャフト(Degussa AG社)によってキーゼルゾイレ ジーペルナーテ(Kieselsaeure Sipernate) FK 320 DSの商品名で販売されるシリカを含む。好ましい膜形成剤は、BASF社によってポリビニルピロリドンKollidon 25の商標名で販売されるポリビニルピロリドン、およびポリビニルプロピオネート分散物を含む。
【0114】
試薬中の酵素についての安定剤は、サッカリドおよびモノまたはジ脂肪酸塩から選択されうる。好ましい安定剤は、シグマ ケミカル コーポレーション(Sigma Chemical Co.)によってD−(+)−トレハロース二水和物の商品名で販売されるトレハロース、およびコハク酸ナトリウムを含む。
【0115】
洗浄剤は、水溶性石鹸、並びにアルカリ、アルカリ土類または任意的に置換された高脂肪酸のアンモニウム塩などの水溶性合成界面活性化合物、たとえばオレイン酸またはステアリン酸、たとえばココナッツまたはタロー油から得られる天然脂肪酸の混合物、脂肪酸スルフェート、スルホン酸のエステル、脂肪酸のアルキルスルホン酸タウリン塩の塩、脂肪酸アミド、およびエステルアミドから選択されうる。本発明のための好ましい洗浄剤は、エステルアミド、ドジンド モレキュラー テクノロジーズ インコーポレイテッド(Dojindo Molecular Technologies,Inc.)によってMega−8の商品名で販売されるn−オクタノイル−N−メチルグルカミド、およびRhodia HPCII社によってGeropon T77(家庭用、パーソナルケアおよび工業用材)の商品名で販売される脂肪酸塩N−メチルオレイルタウリンナトリウム塩が挙げられる。
【0116】
上に記述される特定の添加剤の1つまたは1つ以上が、追加の特性を示す可能性があり、よって、上記された分1つまたは1つ以上の種に分類されうることを理解すべきである。
【0117】
メディエーター
試薬組成物で使用するためのメディエーターは、酵素、分析物および任意的にコファクターを含む反応スキームに関与しうるあらゆる化学種(一般に電気活性物質)、そして検出可能な電気活性反応産物を生じるその反応産物として選択されうる。典型的には、反応中のメディエーターの関与は、分析物、酵素またはコファクターのいずれか1つ、またはこれらのうちの1つの反応産物である種(たとえば、様々な酸化状態に反応するコファクター)との相互作用により、その酸化状態における変化(たとえば、還元)を含む。多様なメディエーターが、適切な電気化学的作用を示す。メディエーターは、好ましくは、その酸化形態でも安定であり、任意的に可逆性酸化還元電気化学を示し、好ましくは、水溶液中で優れた溶解性を示すことができ、そして好ましくは、迅速に反応して、電気活性反応産物を生じる。適切なメディエーターの例としては、ベンゾキノン、メルドラブルー、他の遷移金属錯体、フェリシアン酸カリウム、オスミウム誘導体(国際公開第98/35225号を参照)およびニトロソアナリン(nitrosoanaline)系メディエーター(米国特許第5,286,362号を参照)が挙げられる。好ましい実施態様では、試薬組成物は、ニトロソアニリン系化学物質を利用する。
【0118】
好ましいメディエーターは、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−p−ニトロソフェニル−ピペラジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、p−ヒドロキシニトロソベンゼン、N−メチル−N’−(4−ニトロソフェニル)−ピペラジン、p−キノンジオキシム、N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン、N,N−ジエチル−p−ニトロソアニリン、N−(4−ニトロソフェニル)−モルホリン、N−ベンジル−N−(5’−カルボキシペンチル)−p−ニトロソアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソ−1−ナフチルアミン、N,N,3−トリエチル−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−5−ニトロソインドリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、2,4−ジメトキシ−ニトロソベンゼン、N,N−ビス−(2−メトキシエチル)−4−ニトロソアニリン、3−メトキシ−4−ニトロソフェノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−6−ニトロソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、N,N−ジメチル−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルチオ−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが挙げられる。本発明による特に好ましいメディエーターとしては、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、およびN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが挙げられる。
【0119】
典型的な試薬組成物は、表Iで下に列挙される。他の典型的な組成物は、「均一な試薬ストライプ適用」の出願で開示され、これは、上に参照して組込まれる。
【0120】
【表1】
【0121】
混合
試薬組成物の成分を、水と混合して、均一で粘性の懸濁液を提供する。添加の順序は、本発明に重要ではない。十分な量の緩衝溶液を添加して、約7のpHで試薬組成物を維持する。典型的には、選択成分を水と予め混合して、組み合わされる多様な保存溶液を供して、最終試薬組成物を得る。たとえば、リン酸塩と任意的にコハク酸ナトリウムを組み合わせることによって、緩衝溶液を製造しうる。他の保存溶液としては、増粘剤、すなわち、Keltrol Fおよびカルボキシメチルセルロース、界面活性剤、すなわち、Geropon T77およびMega 8、酵素および補酵素またはコファクター、およびメディエーターが挙げられる。
【0122】
以下は、試薬組成物の調整の例を提供する。試薬組成物は、最初に、以下の保存溶液を製造することによって製造可能である。
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
【0128】
【表7】
【0129】
【表8】
【0130】
【表9】
【0131】
【表10】
【0132】
緩衝溶液、Keltrol F溶液、CMC溶液、およびシリカ懸濁液を、1日前に製造した。その後、これらの溶液を、下に列挙したとおり合わせて、試薬組成物を調製した。
【0133】
【表11】
【0134】
被覆する前のこの試薬については、最終pHは、6.96であり、5N KOH溶液で調節する必要はなかった。測定された粘度は、111mPasであり、それは、105から115mPasまでの被覆についての正しい範囲内にあった。
【0135】
図5および5Aは、本発明によって有用なテストストリップを製造するための好ましい工程100を示すフローチャートを表す。工程100は、基材層または基板の膜材料の選択で、工程102での中央工程ライン101で始まる。好ましい実施態様では、膜は、多量のテストストリップを製造するために適した幅および長さを有する連続ロールとして供される。続く仕上げ工程では、加工された膜をさらに小部分に割って、テストストリップの長さに近似する幅を有し、そして一連のテストストリップを含む単一ストリップまたはウェブを提供するか、またはダイで切断して、個々の試験センサーを提供する。
【0136】
工程102から、膜は、金属被覆を受取るように予備処理され、そして1つの継続工程中において金属で被覆される工程104に進行する。予備処理は、表面を洗浄または改質して、連続金属化層の均一な被覆厚さ、および優れた接着を供するために使用可能である。予備処理は、その膜をコロナ放電またはアルゴンプラズマにかけることを含みうる。この予備処理の直後に、均一な伝導性被覆を、106で示されるとおり膜に適用する。代わりに、金属被覆と適切な基板は、市販で得られる。
【0137】
金属性層は、純粋な金属、合金、または金属性導電体である他の材料を含みうる。金属または金属様導電体の例としては、アルミニウム、炭素(たとえばグラファイト)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオブ、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(たとえば高添加多結晶質シリコン)、銀、タンタル、スズ、チタニウム、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、およびこれらの材料の合金または固溶体が挙げられる。好ましくは、材料は、生物学的システムに本質的に未反応であるものが選択される。そのような材料としては、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、またはこれらの金属の合金が挙げられる。金属層は、あらゆる所望の厚みでありうる。
【0138】
導電性被覆は、好ましくは、多様な方法によって適用される金属層であり、これには限定されないが、スパッタリング、物理的蒸気付着(PVD)、プラズマ支援蒸気付着(PAVD)、化学蒸気付着(CVD)、電子ビーム物理的蒸気付着(EBPVD)、および/または有機金属化学蒸気付着(MOCVD)が挙げられる。蒸気付着は、一般に、真空下で行われる。これらの技術は、当業界で周知であり、基板上への金属の均一な薄膜被覆を選択的に供するために使用されうる。生じた金属化膜は、金属被覆が均一で、材料欠損がないことを保証するために検査されうる。
【0139】
金属化膜の役割は、次に個々のテストストリップの最終長さに近似する幅を有するウェブを提供するために小分割されおよび/またはその大きさにされる肯定108に遭遇する。この薄片切分けは、当業界で周知の固定ナイフ切断装置を使用して達成されうる。
【0140】
単一ウェブは、電極、トレース、および接点またはパッドをパターン化する工程110に進む。この工程で、電極、トレース、および接点パッドは、ウェブストリップの表面から金属を除去することによって形成される。過剰な金属は、当業界で周知な多様な技術を使用して除去されうる。この工程で、1つ以上の指標または登録目印は、電極に近接した第一の縁、電極パッドに近接した対峙の第二縁上のいずれかに、両方の縁に、またはそのあいだのいずれかに形成されうる。指標目印、特に縁にあるものは、個別の操作に予備作製された層状構成要素と一直線に整列させる続く操作に使用されうる。
【0141】
好ましい方法では、金属は、金属の不必要な部分を除去し、そして所望の電子構成要素を残すためにレーザー除去される。この方法によって、選択領域は、焦点レーザービームの直線運動を使用することに対比して、「広領域」で同時にレーザーエッチングされる。この広領域レーザー除去方法は、他のアプローチに比べて、迅速に、そして費用削減で、正確な金属パターンを提供する。その後、パターン化基板のコロナ処理は、工程111で行われる。
【0142】
パターン化ウェブは、試薬層が電極上に堆積される工程112に続く。好ましい実施態様では、試薬層は、第一の縁に隣接または近くに延び、パターン化ウェブ上に形成される測定電極上にある連続する細長いストライプとして堆積される。したがって先に明記されるとおり、試薬は、試料受取チャンバーの側面外側とそして基板とスペース層とのあいだの領域を含むテストストリップの全幅にわたって配置される。さらに明記されるとおり、これは、中断、縁効果、または試料受取チャンバー内の薄く、平坦で、均一な試薬層を提供することを損なうであろう他の可変性なしに試薬の乾燥を促進する。試薬は、成分の組合せを含み、堆積後に最小限か、または流出なしに迅速に乾燥するように配合される。
【0143】
このストライプは、厚さ、ストライプ縁の精密さ、均一性などの所望の範囲および均一性を供するあらゆる適切な形態で適用されうる。好ましい方法は、比較的高速度および高バッチサイズで所望の被覆を適用する能力がある。適用の適切な方法は、当業界で周知であり、したがって、ここに詳述されない。
【0144】
スペース層の製造
ここで、工程ライン114に関して、スペース層を作製するための工程フローチャートが示される。工程116で始めて、材料は、工程112で作製される試薬被覆ウェブの頂部に積層するためのスペース層を製造するために選択される。基板への基材膜は、多様な材料から選択されうる。基材層に類似するスペース層材料は、迅速に、そして高い効率で都合よく加工されうる細長いロールとして提供されうる。好ましい材料としては、デュポン社によりMELINEX(登録商標)の商品名で販売されるポリエステル膜を含む。本発明で使用するために適切な他の材料は、PENが挙げられうる。スペース層材料は、スペーサーを他のストリップ構成要素に積層するために使用されるあらゆる結合層の厚みと合わせるときに、テストストリップの各々に所望のチャンバー深さ(または高さ)を供するために特に選択される厚さを有する。好ましい実施態様では、スペース層は、約75μmから約150μmのあいだ、より好ましくは約100μmから約125μmまでの厚さを有するように選択される。上記されるとおり、スペース層は、両面接着剤から形成されうる。
【0145】
スペース層は、好ましくは、底部基板ウェブ材上で電極と整列する一連のギャップを有する連続膜として形成される。スペース層と底部基板を結合する様式は、スペース層を作製する方法に影響する。たとえば、スペース層が、底部基板に加熱溶接される場合、スペース層は、適切に空間を空けたチャンバーギャップを提供するために簡単にダイカットされうる。しかし、好ましい方法は、隣接層を結合する薄く、干渉しない接着剤の使用である。この好ましい方法によって、スペース層は、以降に説明されるとおり、先に記述された基板ウェブ材と組み合わせて作製される。
【0146】
スペース層膜は、テストストリップ構成要素の残りとの組合せのために所望の幅を有するように作製される。スペース層膜は、不透明部分、たとえば、その部分23を含んでよく、他の所で記述されるとおり、試料受取チャンバーを可視化する上で使用するために青または他の色が印刷される。スペース層膜は、接着剤と剥離ライナーの組合せで底部側に、そして類似の組合せである接着剤とライナーで頂部側に積層される。
【0147】
工程118で、2つのトランスファー接着剤は、スペース層材料に積層される。第一のトランスファー接着剤は、スペース層の頂部表面に積層され、第二のトランスファー接着剤は、スペース層の底部表面に積層される。好ましくは、トランスファー接着剤は、同じ接着剤である。しかし、代替の実施態様では、第一および第二のトランスファー接着剤は、互いに異なる可能性がある。好ましい実施態様では、トランスファー接着剤は、感圧接着剤を含む、一般に使用され、既知の接着剤から選択される。好ましい接着剤は、試験試料が、スペース層と試薬層または基板のあいだで流出することを防止または阻害するのに十分な疎水性を示す。適切な感受性接着剤の例は、アドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)より得られるARCare90132である。接着剤は、加工のあいだ、スペース層の時期尚早の接着を防止する剥離ライナーに供給される。剥離ライナーは、第一および第二のトランスファー接着剤の外側表面に堆積され、スペース層材料から外側に向いている。
【0148】
頂部および底部表面の接着剤剥離ライナーを有するスペース層は、工程120に進行する。工程120で、試料受取チャンバーを形成する空洞は、スペース層に打抜かれる。一実施態様では、空洞は、「キスカット」法を使用して打抜かれる。キスカット法は、上部剥離ライナー、上部接着剤、スペース層、および下部接着層を通して切断するが、下部剥離ライナーを通しては切断しない。続く操作では、単に下部剥離ライナーを除去することは、打抜かれたスペース層から下部接着剤、スペース層、上部接着剤、および上部剥離ライナーの打抜き部分を除去する。他の実施態様では、空洞は、中空ダイを用いて打抜かれうる。中空ダイは、スペース層、2つの接着剤、および2つの剥離ライナーを完全に打抜くか、または切断し、打抜かれた部分は、続いて、中空ダイ中に除去される。各空洞のあいだの空間またはピッチは測定され、そして試薬で被覆されたウェブ中にパターン化された指標目印の一方または両方を使用して、電極上への打抜かれたスペース層の正確な一致を可能にするために正確に制御される。
【0149】
工程122で、スペース層上の下部剥離ライナーを除去し、それと一緒にキスカット部分を取り、そしてスペース層の下部側の接着剤をさらす。プロセスライン101の工程124まで進んで、スペース層を、電極組の頂部に直接打抜かれたスペース層に形成された各空洞を正確に整列させる、ウェブ上で先にパターン化された1つまたはそれより多くの指標目印を使用して試薬被覆ウェブ上に積層させて、ウェブスペース層積層体を提供する。中央プロセスライン101の工程126で、ウェブスペース層積層体上の上部接着剤を覆う上部剥離ライナーを、カバー層を付着する準備において除去する。
【0150】
カバー部分での積層
工程128で、本体カバーのための材料は、工程に導入される。好ましい実施態様では、材料は柔軟性重合体材料であり、たとえば、デュポン社から得られるMELINEX454またはMELINEX339から選択されうる。本体カバーのための材料は、テストストリップの試料受取チャンバー中の電極トレースの少なくとも一部に重なるために十分な幅を有するような大きさに作製される。
【0151】
ここでプロセスライン130に関して、工程131で開始して、膜材料は、ウェブ−スペース層積層体上の空洞、試薬、および測定電極上にチャンバーカバーを供するように選択される。好ましい実施態様では、チャンバーカバー材料は、約100μmから約200μmのあいだの厚さを有する透明なポリ(エチレン−テレフタレート)(PET)またはポリ(エチレン−ナフタレート)(PEN)膜として供される。被覆は、好ましくは、剥離ライナーを含み得て、それは、ウェブ−スペース層上に積層する直前に除去されうる。チャンバーカバーは、好ましくは、親水性材料から製造されるか、またはチャンバーカバーの底部表面は、134で示されるとおり、親水性にするために処理または被覆されうる。工程138で、膜材料は、空洞と電極の上に重なるチャンバーカバーを形成するために十分な所望の幅の大きさにされる。
【0152】
工程140に進んで、工程128から得られる本体カバー、および工程138から得られるチャンバーカバーは、ウェブスペース層積層体に積層される。好ましい実施態様では、本体カバーとチャンバーカバーは、ウェブ−スペース層積層体と同時に積層される。本体カバーは、基板上に形成される電極に近接した電極トレースの一部の上に位置決めされる。チャンバーカバーは、ウェブ−スペース層積層体上の空洞、試薬、および測定電極上に位置決めされる。本体カバーとチャンバーカバーは、テストストリップに形成される空洞の内側末端で排出口を形成するギャップによって分離される。
【0153】
記述されるとおり、チャンバーカバーは、スペース層の切断部分の上にあるストリップの縁近くに置かれ、未被覆の切断部分の最も内側の部分を残す。ちょうど記述されたとおり、このチャンバーカバーは、好ましくは、試薬チャンバーへの流動体の移動を促進する親水性下面を含む。チャンバーカバーは、上記のとおり、本体カバーから僅かに空間を空けて、それにより試料受取チャンバーと連通し、そして流動体がチャンバーに入ったときに、空気が逃げるための排出開口部として役割を果たすギャップを形成する。
【0154】
スペース層の不透明性およびチャンバーカバーの透明性は、協働して最終のテストストリップの使用者が、試験の進行をよりよく観察することを可能にする。構成されるとおり、底部基板またはその上に被覆される試薬層は、スペース層中の切欠きを通して、そして透明なチャンバーカバーを通して目視で見える。底部基板および/または試薬は、明るい色、たとえば、スペース層の不透明な彩色と対照する明るい黄色を示す。したがって、毛細管チャネルを通した流動体の前進は、試験を使用する人によって容易に監視されうる。さらに、スロット34は、本体カバー側で疎水性であり、そしてチャンバーカバー側で親水性であるように構成されるため、流動体はそれがスロットに到達するときに突然止まり、したがって、十分な流動体試料がチャンバーに受取られたことの明確な指標を、使用者に提供する明確に定義された充填ラインを表す。
【0155】
テストストリップの分離
工程140から、テストストリップの作製のための仕上工程工程を行う。工程142で、上に検討された単一のテストストリップ10に類似の単一のダイカットテストストリップを製造するかどうかの決定を行う。そうであれば、それにより、工程142から得られる多層積層体は、単一テストストリップにダイカットされるべき工程144に進行する。
【0156】
代わりに、工程142から得られる多層積層体は、それが、キスカットされて、個々のテストストリップを画定し、そしてリボン上の隣接テストストリップのあいだの境界を穿孔または弱体化する工程148に進行する。さらに、工程149で、テストストリップの末端を、積層リボンに沿ってダイカットする。ウェブの一方の末端を切断して、空洞に導くY型開口部を有する試験センサーの流動体受取末端を形成する。テストストリップは、囲い切断のみされ、そしてその後容器またはディスペンサーに積み重ねられるために折畳まれる多数、たとえば25のストリップを含むカードに分けることができる。
【0157】
工程144または149のいずれかから進行して、加工されたストリップまたはストリップのリボンを検査し、最終的に、それぞれ、工程146または150で、消費者による使用のために包装される。
【0158】
図6〜16は、図5および図5Aに関して先に記述された構成要素および/または工程のいくつかをさらに詳細に示す。図6は、テストストリップを形成する際に使用するための基材膜の一実施態様の斜視図を示す。基材膜160は、好ましくは、ローラーのあいだの材料に進行する工程164、166を用いて1つまたはそれより多くのロール162に巻きつけられる柔軟性膜またはウェブ材料として提供される。
【0159】
その膜の予備処理された上部表面は、参照番号166によって示され、そして上でいっそう十分に記述されたスパッタリング、PVD,CVD、EBPVD、MOCVDまたは別の適切な工程を使用して金属化されて、金属または金属合金の均一な被覆を付着させる。その工程は、金属性層のために単一または複数の標的源を使用できる。その後、金属化膜168は、参照番号172に示されるとおり膜を切断または薄片切断することによって、複数の金属化膜、たとえば、170a、170b、および170cに部分または小部分に分けられうる。その後、導電性の金属化膜170の各個別のロールを、好ましくは所望のとおり、単一の芯により、または複数の異なる芯に巻き取られる。
【0160】
電子構成要素は、図7で一実施態様で示されるとおり、導電性膜から形成される。膜170の金属表面を処理して、電極、トレース、接点パッド、または他の意図される特徴を形成するために不必要なあらゆる金属構成要素を除去する。この工程は、レーザー除去または他の技術を使用して正確に制御されうる。工程は、電極182、トレース184および接点パッド186の複数の組を提供する。その工程は、第一の縁178に沿って複数の指標または登録目印176および/または対峙縁180に沿って類似の登録目印177をも提供しうる。図7に示されるとおり、電極パターンの反復特性は、登録目印177を形成する。好ましくは、電極および/または接点の各組を、それぞれ、少なくとも1つの指標または登録目印176および177と関連させる。電極パターンが形成された後、ウェブは、下に記述されるとおり、別の加工のためにロールに巻き戻される。
【0161】
図8は、試薬被覆ウェブ188の一部を示す。試薬組成物は、柔軟性ウェブ材料の表面に堆積される。試薬層190は、カーテン被覆、熱溶融被覆、回転式スクリーン被覆、ドクターブレードまたは空気ナイフ被覆、マイヤーバー被覆、および逆ロール被覆技術を含む多様な被覆法を使用して堆積される。好ましくは、試薬層は、約50μmから約100μmのあいだ、より好ましくは約60μmから約180μmのあいだの厚さで湿潤組成物として柔軟性ウェブ上に堆積される。ウェブ188は、電極組182の頂部に直接、そして継続的な狭いバンド192としてウェブ188の長さに沿って、試薬の均一な薄い層190を被覆することによって、提供されうる。好ましい実施態様では、狭いバンド192は、約5mmから9mmのあいだの幅、そして約2μmから約10μmのあいだの乾燥厚さを有する。図8に描かれるとおり、試薬層190は、半透明である。
【0162】
試薬層は、図8Aに示され、そしてここで上に参照して組込まれた「均一試薬ストライプ適用」でも記述されているスロットダイ被覆技術によって被覆される。重合体ウェブ300(MELINEX(登録商標)329、デュポン社)を、スロットダイヘッド304およびバックアップローラ306を含む被覆領域302に移動させる。他のスロットダイヘッドも使用されうるが、例示の実施態様に適切なスロット−ダイヘッドは、スイス、ムーゲンハルトのテーラー・シュワイザー・エンジニアリング社(TSE)、パーツ番号113−10xxから入手可能である。例示の実施態様では、スロット−ダイヘッドは、試薬がそれを通って分散される矩形チャネルを画定する。例示の実施態様におけるチャネルは、約250ミクロンの高さ、約40mmの長さ、そして約7mmの幅を示す。角度αは、約35度であり、スロットダイヘッドは、角度βによって示されるとおりウェブ300に関して僅かに角度を付される。角度αは、経験的に測定され、そしてロールの周囲のウェブの覆いの角度、被覆特徴、および使用されるスロット−ダイヘッドの安定な被覆流のために最適な位置の関数である。好ましくは、スロット−ダイヘッドを保持するキャリッジは、バックアップローラの中心線より35度上か、または被覆システム上のバックアップローラの中心線の55度下のいずれかに位置決めされる。ちょうど明記されるとおり、第二角度βは、バックアップローラ306に正接に対してスロット−ダイヘッド304の上流の島305と下流の島307に角度を付する。第二角度βは、スロット−ダイヘッド304の外で試薬被覆の最適な流れのために調節される。スロット−ダイヘッドとウェブとのあいだの好ましいギャップWは、イギリス、リーズのRheoLogic Ltd.からトップコート・ソフトウェアを使用して測定され、それは、レオロジー、被覆重量、表面張力、所望のウェブ速度、バックアップローラ半径、スロット−ダイ上部および下部島の長さ、スロット−ダイ入口ギャップおよび入口長さ、および下流の島に対する上流の島の角度に基づいて被覆窓を決定する。
【0163】
例示の実施態様では、スロット−ダイヘッドは、ウェブ表面にゼロにされ、そして図8Aで74μmのWとして示されるギャップを包むスロットに調節する。ウェブ速度は、ウェブ上への被覆の堆積のために0から38m/分までに傾斜をつけられる。例示の実施態様で、ウェブのみが移動するが、スロット−ダイ被覆工程は、スロット−ダイヘッドがウェブの代わりに、またはウェブ加えて移動するように構造を変更されうることが理解されるべきである。その工程は、αが90度であり、そして試薬は、ウェブ上に下方に分散されるようにも構造を変更されうる。試薬マトリックスは、当業界で知られているギアーポンプ、ピストン、シリンジ、ブレーダーシステムを含めた多様な手段を使用してスロット−ダイベッド304に送出されうる。試薬送出システムは、被覆ヘッドを通して53g/m2の被覆重量を送出する13.58ml/分の水流に調節される。生じた被覆ストリップ192(図8)の幅は、7.0±0.3mmである。被覆を、加熱乾燥ゾーンまたは乾燥器308(長さ15m、温度110℃、速度38m/分)で乾燥させ、そして巻き戻しステーション312でスプール310に巻き戻される。
【0164】
図9は、本発明によって組立てられうるスペース層組立体194の分解図である。スペース層組立体194は、好ましくは重合体材料から形成されるスペース層196からなる。スペース層196は、着色されているバンドまたは部分197(部分23に対応する、図2)を含む。製造工程では、スペース層196は、ロール198に供給され、その後、頂部と底部で接着剤で上塗りされる。
【0165】
頂部接着剤は、さらなる工程に持ちこたえるように適応される頂部または「強固な」剥離ライナー202をさらに含むロール200、接着剤204、および下部または「簡易な」剥離ライナー206に供給される。本発明で使用するための好ましい接着剤204は、Adhesives Research Inc.によりARCare90132の商品名で販売される感圧接着剤を含む。組立のあいだ、底部剥離ライナー206を除去し、なお存在する頂部剥離ライナー202を有する、生じた接着剤208は、図9の頂部に示されるとおり、スペース層196に接着される。
【0166】
同様に、底部接着剤は、さらなる工程に持ちこたえるように適応される頂部または「強固な」剥離ライナー212をさらに含むロール210、接着剤214、および下部または「簡易な」剥離ライナー216に供給される。本発明で使用するための好ましい接着剤214は、アドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)によりARCare90132の商品名で販売される感圧接着剤を含む。組立のあいだ、底部剥離ライナー216を除去し、そしてスペース層196から離れて面する頂部剥離ライナー212を有する、生じた接着剤218は、図9の示されるとおり、スペース層196に接着される。接着剤204は、接着剤214と同じかまたは異なりうることを理解するべきである。
【0167】
図10は、図8に関連して記述されるとおり、ダイカットされて、予備毛細管220a、220b、220cなどを形成し、そして基板材料188のウェブに積層されるスペース層196を示す。予備毛細管220は、ダイが、上に明記されるとおり頂部剥離ライナー202、接着剤204、スペース層196、および接着剤214を切断するが、しかし上述のようにスペース層196から離れて面する剥離ライナー212は切断しない「キスカット」技術を使用して形成されうる。その後、剥離ライナー212は、切断された頂部剥離ライナー202、接着剤204、スペース層196、および接着剤214の部分に沿って除去される。切断されたこれらの部分は、「毛細管トリム」、すなわち、予備毛細管220のように形成された層のサンドイッチからなる。この「トリム」は、剥離ライナー212に沿って除去され、そして空洞220にあらゆる材料を有していないままにする。剥離ライナー212が除去されると、ちょうど説明された毛細管トリムを常に含むことを保証するために検査されうる。生じた一連の空洞220は、互いに、テストストリップで測定電極組上に直接に、一連のチャネル220のチャネルの内の各1つを位置決めするために選択される所望の距離に離間される。その後、下部の接着剤が露出されているスペース層196は、指標目印176の手段によりウェブ188に整列され、そこに積層されうる。一連のチャネル220の各毛細管チャネルは、1組の測定電極182上にある。
【0168】
図11は、スペース層196のウェブ188への積層により形成される組立体230を示す。図11では、上部剥離ライナー202は、頂部接着剤208から除去され、それは、組立体230をそこに追加の材料の組立てる準備をさせる。図12に示されるとおり、チャンバー被覆層材料のウェブ240と、本体被覆材料のウェブ234を、組立体230の露出された上部接着剤208上に整列させ、そしてそれに接着される。図12に描かれるとおり、チャンバー被覆層240は、透明であり、少なくとも、空洞220に面する側に親水性被覆(被覆21を参照、図2)を含む。これは、試料受取チャンバーに、そして電極および試薬層上への液体試料の移動または輸送を促進する。本体カバー234は、半透明であり、示されるとおり着色され、そして好ましくは疎水性である。被覆層240および本体カバー234は、図9に関して上で記述されるもののようなリール上に供給されうる。好ましくは、チャンバー被覆材料240は、本体被覆材料234より僅かに薄い。
【0169】
図13に示される組立体260は、図12に示される組立体230にウェブ234と240を積層し、そしてその後、ウェブの末端の形を整えて、投与縁250を形成することによって製造される。投与縁250は、好ましくは、切断ブレードが、矢印252によって示されるとおり、ウェブの末端にわたって移動するせん断によって形成される。対照的に、毛細管に損傷を与えることなく、ダイ打抜き技術を使用することは、いっそう困難である。投与縁250に沿ったせん断は、予備毛細管220の一部をも切除し、毛細管222の最終体積を画定する。毛細管222は、好ましくは、示されるとおり張り出しまたはY型開口部を含む。好ましくは、ギャップ262は、チャンバー被覆ウェブと本体被覆ウェブのあいだに形成され、そして最終的にこのギャップは、個々のテストストリップに排出開口部を提供する。好ましい実施態様では、ギャップは、1.0mmから約1.6mmのあいだの幅を示す。
【0170】
さらに図13に関して、組立体260は、破線262および264によって示されるとおり、さらなる加工に十分準備できている。図14では、複数の個々のテストストリップ、たとえば互いに脱着可能に接続された278a、278bおよび278cを有するキスカット・ストリップ276が示されている。キスカット・ストリップ276が、図13でライン262に沿ってそれの上部末端で形を整えるか、または切断されて、一連の毛細管チャネル222の各々で非常に小さな流動体試料を捕捉することを促進するのに適したプロファイルおよび/または構成を示したことが、観察されうる。例示の実施態様では、キスカット・ストリップ276は、1組のY切断毛細管チャネル222の末端を露出する平坦な作用末端280を有する。第二の縁282の生じた相対的配置は、測定器(示されず)への単一ストリップの挿入を促進するために供されうる。たとえば、第二の縁282は、登録目印および/またはタブ、切断スロット、または一方向のみで測定器への単一ストリップの挿入を可能にする他の構成を有しうる。たとえば、図13に関して、接点パッド288の縁177は、示されるとおり一定ピッチ「P」によって空間を空けられ、したがって、縁177は、登録目印として使用されうる。他の加工工程でのとおり、第一縁および/または第二縁のいずれかの、指標または登録目印176と177は、正確に「キスカット」するために使用でき、積層構造物260から個々のテストストリップの形を整える。
【0171】
図15は、図13および14に示される破線264を切断することによって形成される打抜き切断されたテストストリップ290の一実施態様の斜視図である。図15に示されるストリップ290は、テストストリップ10として上に実質的に記述された。ストリップ290は、他のテストストリップから分離される個々のテストストリップとして供される。
【実施例】
【0172】
特定の実施例によって、テストストリップは、記述された方法に基づき、以下の材料を使用して形成される。底部基板は、50nm層の金で表面被覆され、43〜45mmの幅で細長く切り込まれる。およそ40mm×10mmの領域サイズを用いて、レーザー除去(308nm)を行う。スペース層組立体は、白色MELINEX(商標)339のスペース層膜を含み、そして0.1016または0.127mm(4または5ミル)の厚さである。底部および頂部接着剤は、0.0508mm(2ミル)の厚さを有する剥離ライナーのあいだに挟まれた0.0254または0.0127mm(1または1/2ミル)でアドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)のArcare90132接着剤である。毛細管チャネルは、1.500mm、±0.050mmの幅、そして9mm、±0.150mmのピッチ(空間)で形成される。
【0173】
本体カバー18は、MELINEX454、453または339材料、0.127mm(5ミル)厚のストリップからなる。チャンバーカバー20は、たとえばMELINEX454または453から形成される、0.1016mm(4ミル)厚のポリエステルまたはポリエチレンナフタレート材料を包含する。示されるとおり、チャンバーカバーは、好ましく処理または被覆して、チャネルへの血液標本の排出を促進する毛細管チャネルに隣接した下側に親水性を示しうる。好ましい実施態様では、チャンバーカバー20についてのMELINEX453箔(4ミル)を、親水性材料21、アドヘッシブ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)から得られたARCare90037を用いて、それの下側に被覆する。好ましくは、チャンバーカバー材料は、当初、幅広い材料として形成され、そして製造後、所望の幅に細長く切り込まれる。
【0174】
テストストリップの例
次の材料を、ストリップ中で使用する:
ベース基板層12 メリネックス329 9milまたは329 10mil
導電性層26 スパッタされた金 50nm
下部接着剤層49 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
スペース層14 メリネックス329または339 4〜5mil
接着層46 AR ARケア90132PSA 1〜0.5mil
ボディカバー18 メリネックス339または329または454 5mil
室カバー20 メリネックス339または329または454 4mil
親水性フォイル21 ARケア90037
【0175】
ストリップの保存
ストリップは、多様な方法で包装されうる。たとえば、ストリップは、フリップ−頂部プラスチック製容器に包装されうる(たとえば、10、25または50個)。全ての容器は、許容しうる寿命を確保するのに必要な乾燥性材料を含む。テストストリップは、好ましくは、提供されるとおりの周密に閉鎖された容器中で4〜32℃のあいだで保存される場合、18ヶ月の最小寿命を表す。
【0176】
本発明の原理を組込む好ましい実施例が、ここで上に開示されたとき、本発明は、開示される実施態様に限定されない。代わりに、本使用法は、本発明が関与し、そして付随の請求項の限定内にはいる当業界で知られるかまたは商業的に実施されるとおりの本発明の開示からこのように出発するものを網羅することが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一および第二側面を有し、当該第一および第二側面に平行な中心縦軸を有する基板と、該基板に貼り付けられ、試料チャンバーを少なくとも部分的に画定する空間域を有するスペース層とを含むテストストリップ本体、
前記基板上に貼り付けられ、かつ前記スペース層の前記空間域内に位置決めされる測定電極、
前記試料チャンバー内に位置決めされる第一部分および前記スペース層と前記基板のあいだに挟まれている第二部分を有する試薬層であって、前記スペース層が加えられる前に前記基板上に配置され、基板の第一および第二側面に延びてなる試薬層からなるテストストリップ。
【請求項2】
前記テストストリップ本体が前記スペース層にはりつけられるカバー層、前記カバー層により少なくとも部分的に境界される前記試験チャンバー、前記基板、および前記空間域を画定する前記スペース層の部分を備える請求項1記載のテストストリップ。
【請求項3】
前記空間域が前記中心縦軸に整列され、前記ストリップ本体の末端に配置される試料受取開口を終結するチャネルを備える請求項1または2記載のテストストリップ。
【請求項4】
前記スペース層と基板とのあいだに配置された接着剤層をさらに備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のテストストリップ。
【請求項5】
前記試薬層が1〜20ミクロンのあいだの厚さを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のテストストリップ。
【請求項6】
前記試薬層がシリカを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のテストストリップ。
【請求項1】
第一および第二側面を有し、当該第一および第二側面に平行な中心縦軸を有する基板と、該基板に貼り付けられ、試料チャンバーを少なくとも部分的に画定する空間域を有するスペース層とを含むテストストリップ本体、
前記基板上に貼り付けられ、かつ前記スペース層の前記空間域内に位置決めされる測定電極、
前記試料チャンバー内に位置決めされる第一部分および前記スペース層と前記基板のあいだに挟まれている第二部分を有する試薬層であって、前記スペース層が加えられる前に前記基板上に配置され、基板の第一および第二側面に延びてなる試薬層からなるテストストリップ。
【請求項2】
前記テストストリップ本体が前記スペース層にはりつけられるカバー層、前記カバー層により少なくとも部分的に境界される前記試験チャンバー、前記基板、および前記空間域を画定する前記スペース層の部分を備える請求項1記載のテストストリップ。
【請求項3】
前記空間域が前記中心縦軸に整列され、前記ストリップ本体の末端に配置される試料受取開口を終結するチャネルを備える請求項1または2記載のテストストリップ。
【請求項4】
前記スペース層と基板とのあいだに配置された接着剤層をさらに備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のテストストリップ。
【請求項5】
前記試薬層が1〜20ミクロンのあいだの厚さを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のテストストリップ。
【請求項6】
前記試薬層がシリカを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のテストストリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−203268(P2011−203268A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127587(P2011−127587)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【分割の表示】特願2006−517462(P2006−517462)の分割
【原出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【分割の表示】特願2006−517462(P2006−517462)の分割
【原出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
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