テレビジョン受像機、及び電子機器
【課題】製品の美観の維持または向上を図ることができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、突起部が設けられた第1の面と、前記第1の面の反対側に位置され、前記突起部の反対側に設けられた第1の凹部とこの第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部とが設けられた第2の面と、を有した筐体を備える。
【解決手段】電子機器は、突起部が設けられた第1の面と、前記第1の面の反対側に位置され、前記突起部の反対側に設けられた第1の凹部とこの第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部とが設けられた第2の面と、を有した筐体を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、筐体を有したテレビジョン受像機及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の一部に溝部を備えた電子機器が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−198458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、製品の美観の維持または向上が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、製品の美観の維持または向上を図ることができるテレビジョン受像機及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、突起部が設けられた第1の面と、前記第1の面の反対側に位置され、前記突起部の反対側に設けられた第1の凹部とこの第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部とが設けられた第2の面と、を有した筐体を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係るテレビジョン受像機の正面図。
【図2】図1中に示されたテレビジョン受像機の一部を示す斜視図。
【図3】図1中に示されたテレビジョン受像機の筐体の断面図。
【図4】第2実施形態に係る電子機器の平面図。
【図5】図4中に示された電子機器の斜視図。
【図6】図5中に示された筐体の溝部を示す斜視図。
【図7】図6中に示された筐体のF7−F7線に沿う断面図。
【図8】図7中に示された筐体の矢印F8方向から見た背面図。
【図9】図8中に示された筐体のF9−F9線に沿う断面図。
【図10】図9中に示された筐体の一つの変形例を示す断面図。
【図11】第3実施形態の電子機器の筐体の一部を示す斜視図。
【図12】図11中に示された筐体の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1乃至図3は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機1を開示している。テレビジョン受像機1は、電子機器の一例である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、テレビジョン受像機に限られず、ノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)や、スレート型ポータブルコンピュータ(スレートPC)、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0010】
図1に示すように、テレビジョン受像機1は、ディスプレイ本体2と、スタンド3とを備える。スタンド3は、例えばテレビ台の上に設置される。ディスプレイ本体2は、扁平状に形成されるとともに、略鉛直に起立した姿勢でスタンド3に支持される。
【0011】
図1及び図2に示すように、ディスプレイ本体2は、筐体4を備えている。筐体4は、前壁5、背壁6、及び周壁7を有する。前壁5は、略鉛直に起立するとともに、ユーザーに向かい合う。背壁6は、前壁5とは反対側に位置されるとともに、前壁5と略平行になるように略鉛直に起立している。周壁7は、前壁5の周縁部と背壁6の周縁部との間を繋いでいる。
【0012】
図2及び図3に示すように、筐体4は、第1の面11と、第2の面12とを有する。第1の面11は、筐体4の内部に露出された内面である。第2の面12は、第1の面11の反対側(裏側)に位置され、筐体4の外部に露出された外面(外観面)である。
【0013】
図3に示すように、第1の面11は、ボス14と、平面部15(平坦部)とを有する。ボス14は、「突起部」の一例である。なお「突起部」はボスに限らず、例えばリブや、その他の形状でもよい。ボス14は、第1の面11から筐体4の内部に突出している。ボス14は、例えばねじ止め用のボスであり、雌ねじが形成されたねじ穴17が設けられている。ねじ穴17は、ボス14の先端部に開口し、ボス14の軸方向に延びている。
【0014】
ボス14の周面20は、第1の側面部21と、この第1の側面部21とは反対側に位置された第2の側面部22とを有する。すなわち第2の側面部22は、ボス14の周面20に沿って第1の側面部21から略180度まわったところに位置されている。
【0015】
ボス14は、第1の部分23、第2の部分24、及び第3の部分25を有する。第1の部分23は、第1の側面部21とねじ穴17との間に位置されている。第2の部分24は、第2の側面部22とねじ穴17との間に位置されている。第3の部分25は、ねじ穴17が設けられた部分であり、第1の部分23と第2の部分24との間に位置される。第3の部分25は、第1及び第2の部分23,24よりも、上記ねじ穴17の分だけ第1の面11からの高さが低く(すなわち肉厚が薄く)なっている。
【0016】
平面部15は、ボスなどの突起部が設けられていない領域であり、平らに広がる平面を有する。これにより、筐体4の肉厚は、ボス14が設けられた領域で厚く、このボスが設けられた領域に比べて平面部15の領域で薄くなっている。
【0017】
図2及び図3に示すように、周壁7の第2の面12には、例えば4つの溝部31,32,33,34が設けられている。溝部31,32,33,34は、第1の溝部31、第2の溝部32、第3の溝部33、及び第4の溝部34を含む。第2の溝部32は、「第1の凹部」の一例である。第3の溝部33は、「第2の凹部」の一例である。第3の溝部33は、第2の溝部32の近傍に設けられている。第2の溝部32は、第1の溝部31の近傍に設けられている。
【0018】
第1及び第2の溝部31,32は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられている。すなわち第1及び第2の溝部31,32は、ボス14の反対側(裏側)に設けられている。なお「対応した位置」とは、筐体の壁部(本実施形態では周壁7)の厚さ方向において、互いに重なる(すなわち対向する)位置関係のことを指す。
【0019】
図3に示すように、第1の溝部31は、ボス14の第1の部分23に対応した位置、すなわち第1の部分23の反対側に設けられている。第1の溝部31の幅W1は、第1の部分23の幅S1と例えば略同じである。第2の溝部32は、ボス14の第2の部分24に対応した位置、すなわち第2の部分24の反対側に設けられている。第2の溝部32の幅W2は、第2の部分24の幅S2と例えば略同じである。第1の溝部31と第3の溝部33との間の間隔W3は、第3の部分25の幅S3と例えば略同じである。
【0020】
第3及び第4の溝部33,34は、第2の面12でボス14に対応していない位置に設けられている。第3及び第4の溝部33,34は、平面部15の反対側(裏側)に設けられている。
【0021】
図2及び図3に示すように、第2の溝部32は、第1の溝部31に隣接している。第3の溝部33は、第2の溝部32に隣接している。第4の溝部34は、第3の溝部33に隣接している。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、等間隔に並んで、互いに略平行に並んでいる。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、互いに略同じ形状を有する。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、互いに略同じ、幅、長さ、及び深さを有する。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、筐体4の厚さ方向に略直線状に延びている。
【0022】
なお、第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、互いに少なくとも一部が同一形状であってもよい。例えば、第3及び第4の溝部33,34は、その一部だけが第1及び第2の溝部31,32と同一の形状であってもよい。また第2の溝部32は、その一部だけが第1の溝部31と同一の形状であってもよい。
【0023】
第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、第2の面12に設けられ、筐体4の外観に露出されている。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、規則的に配列され、筐体4の外観のデザインの一部を構成している。
【0024】
なお第2の面12に設けられる溝部の数は、全体で2つや3つでもよく、5つ以上でもよい。ボス14の反対側に設けられる溝部は、1つでもよく、3つ以上でもよい。また平面部15の反対側に設けられる溝部は、1つでもよく、3つ以上でもよい。
【0025】
このような構成によれば、筐体の堅牢性を向上させるとともに、製品の美観の維持または向上を図ることができる。すなわち、筐体の内面に突起部があると、その部分で筐体の肉厚が厚くなる。部分的に肉厚が厚い部分があると、その部分で金型成形時にヒケが生じ、その部分の外観面に窪みが生じる可能性がある。外観面の窪みは、製品の美観に影響を与えることがある。
【0026】
また、部分的に肉厚が厚い部分があると、製品内部の温度低下に比べて製品表面の温度低下が速く、製品内に気泡が残ることがある。製品内に気泡が残ると、その部分で筐体の堅牢性が低下する可能性がある。
【0027】
一方で、本実施形態では、筐体4は、ボス14が設けられた第1の面11と、この第1の面11の反対側に位置された第2の面12とを有する。第2の面12には、ボス14の反対側に設けられた第1の凹部(第2の溝部32)と、この第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部(第3の溝部33)とが設けられている。
【0028】
すなわち、ボス14に対向する領域に第1の凹部が設けられ、この第1の凹部によってボス14に対向する領域の肉厚が薄くなっている。このため、ボス14が設けられた領域と、平坦部15が設けられた領域とで、成形時の温度低下が近くなる。このため、ヒケが生じにくく、外観面に窪みなどが生じにくくなる。これにより、製品の美観の向上が図られている。
【0029】
さらにボス14に対向する領域に凹部が設けられると、金型成形時に凹部の近くで溶湯が冷えにくくなり、製品内に気泡が残りにくくなる。このため、筐体4の堅牢性が向上する。
【0030】
ここで、第1の面11の突起部の反対側のみに凹部を設けることで、上記効果を実現することも考えられる。しかしながら、突起部の反対側だけに凹部を設けると、その凹部が製品の外観に目立ってしまう可能性がある。
【0031】
そこで本実施形態では、第1の凹部の近傍に第2の凹部が設けられ、この第2の凹部は、第1の凹部と略同じ形状を有する。このため、第1の凹部と第2の凹部とが協働して筐体4の外観面にデザイン(模様)を構成している。すなわち第1及び第2の凹部によって製品の美観の維持または向上が図られている。
【0032】
換言すれば、外観デザインの一部を構成する第1の凹部によってヒケ及び気泡の発生が抑制されるとともに、この第1の凹部近傍に設けられた第2の凹部が第1の凹部に協働することで、意匠的にも優れた筐体4を提供することができる。本実施形態では、突起部の反対側に設けられた第1の凹部を目立たなくするために、突起部を外れた位置に第2の凹部が設けられ、これら第1及び第2の凹部の形状を略同じに揃えることで、ヒケ及び気泡の発生の抑制と、意匠性の向上とを同時に実現している。
【0033】
本実施形態では、筐体4は、ボス14が設けられた第1の面11と、第1の面11の反対側に位置され、外部に露出された第2の面12と、第2の面12に設けられた第1乃至第3の溝部31,32,33とを有する。第1の溝部31は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられている。第2の溝部32は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられるとともに、第1の溝部31と略同じ形状を有し、第1の溝部31と並んでいる。第3の溝部33は、第2の面12でボス14に対応していない位置に設けられるとともに、第1の溝部31と略同じ形状を有し、第1の溝部31及び第2の溝部32と並んでいる。
【0034】
これによれば、ボス14に対向する領域に設けられた第1及び第2の溝部31,32によって、ボス14に対向する領域の肉厚が薄くなっており、ヒケ及び気泡の発生が抑制されている。さらに、ボス14に対向しない領域に第3の溝部33が設けられ、第1乃至第3の溝部31,32,33が略同じ形状を有して互いに並んでいる。この第1乃至第3の溝部31,32,33が協働して筐体4の外観面にデザインを構成している。すなわち第1乃至第3の溝部31,32,33によってヒケ及び気泡の発生の抑制と、製品の美観の向上とが同時に図られている。なお、第1乃至第3の溝部31,32,33は、互いに少なくとも一部が同じ形状を有すれば、一定の美観の向上が期待できる。
【0035】
本実施形態では、第1乃至第3の溝部31,32,33は、等間隔に並んで、互いに略平行に延びている。これによれば、筐体4の外観に規則性を有した優れたデザインを設けることができる。
【0036】
本実施形態では、第3の溝部33は、第2の面12で平面部15に対向した領域に設けられている。すなわち、平面部15に対向する領域に設けられた第3の溝部33が第1及び第2の溝部31,32に協働することで、より複雑で高度なデザインの筐体4を提供することができる。
【0037】
本実施形態では、ボス14は、第1の側面部21とねじ穴17との間に位置された第1の部分23と、第2の側面部22とねじ穴17との間に位置された第2の部分24とを有する。第1の溝部31は、ボス14の第1の部分23に対応して設けられている。第2の溝部32は、ボス14の第2の部分24に対応して設けられている。これによれば、ボス14のなかで肉厚の部分(すなわちねじ穴ではない部分)に対応して第1及び第2の溝部31,32が設けられているので、より確実にヒケを抑制することができる。
【0038】
本実施形態では、第1乃至第3の溝部31,32,33は、筐体4の厚さ方向に略直線状に延びている。筐体4は、金型成形時に、その厚さ方向に沿って金型から引き抜かれる。第1乃至第3の溝部31,32,33が筐体4の厚さ方向に略直線状に延びていると、金型からの引き抜き性(取り外し性)が良好になる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る電子機器41について、図4乃至図9を参照して説明する。なお上記第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。電子機器41は、例えばノートPCである。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではなく、上述したような種々の電子機器に広く適用可能である。
【0040】
図4及び図5に示すように、電子機器41は、本体部42(第1のユニット)と、表示部43(第2のユニット)と、ヒンジ部44a,44bとを有する。本体部42は、メインボードを搭載した電子機器本体である。本体部42は、第1の筐体46を備えている。第1の筐体46は、上壁47、下壁48、及び周壁49を有し、扁平な箱状に形成されている。
【0041】
下壁48は、電子機器41を机の上に置いた時に、その机上面に向かい合う。上壁47は、下壁48との間に空間を空けて、下壁48と略平行に広がる。周壁49は、下壁48に対して起立し、下壁48の周縁部と上壁47の周縁部との間を繋いでいる。上壁47には、キーボード50が取り付けられている。キーボード50は、「入力部」の一例である。なお「入力部」は、タッチパネル式の入力装置や、その他の入力装置でもよい。
【0042】
第1の筐体46は、後端部51(第1の端部)と、前端部52(第2の端部)とを有する。後端部51には、ヒンジ部44a,44bを介して表示部43が連結されている。前端部52は、後端部51とは反対側に位置されている。
【0043】
周壁49は、前壁54、後壁55、左側壁56、及び右側壁57を含む。前壁54は、第1の筐体46の前端部52に位置され、第1の筐体46の横幅方向(左右方向)に延びている。後壁55は、後端部51に位置され、前壁54と略平行に第1の筐体46の横幅方向に延びている。左右の側壁56,57は、それぞれ第1の筐体46の縦幅方向(前後方向)に延びている。左右の側壁56,57は、それぞれ前壁54の端部と後壁55の端部との間を繋いでいる。
【0044】
なお本明細書では、電子機器41を使用するユーザーに近い方を「前」、ユーザーから遠い方を「後ろ」と定義している。また電子機器41を使用するユーザーから見て左右を定義している。
【0045】
図5に示すように、第1の筐体46は、ベース58(第1の部材)と、カバー59(第2の部材)とを有する。ベース58は、下壁48と、周壁49の一部とを有する。カバー59は、上壁47と、周壁49の一部とを有する。カバー59がベース58に組み合わされることで、第1の筐体46が設けられている。
【0046】
図4に示すように、表示部43は、第2の筐体61と、この第2の筐体61に収容された表示装置62とを備えている。表示装置62は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。表示装置62は、画像や映像が表示される表示画面62aを有する。
【0047】
第2の筐体61は、ヒンジ部44a,44bによって、第1の筐体46の後端部51に回動可能(開閉可能)に連結されている。これにより表示部43は、本体部42に重ねられた第1の位置と、本体部42に対して立て起された第2の位置との間で回動可能である。
【0048】
図5に示すように、第2の筐体61は、前壁63、背壁64、及び周壁65を有する。前壁63は、表示部43が上記第1位置にあるとき、本体部42に向かい合う。前壁63は、表示装置62の表示画面62aが露出される開口部63aを有する。換言すれば、第2の筐体61は、表示画面62aが第1の筐体46に覆われる第1位置と、表示画面62aが露出される第2位置との間で回動可能である。
【0049】
背壁64は、前壁63との間に空間を空けて、前壁63と略平行に広がる。背壁64は、前壁63とは反対側から表示装置62に対向する。周壁65は、背壁64に対して起立し、前壁63の周縁部と背壁64の周縁部との間を繋いでいる。
【0050】
図4及び図5に示すように、第1の筐体46の後端部51は、第1の筐体46の一部としての後端壁部71と、この後端壁部71からさらに後方に突出した第1の連結部72とを有する。後端壁部71は、「壁部」の一例である。第1の連結部72は、「第1の突出部」の一例である。
【0051】
後端壁部71は、第1の筐体46の左端部と右端部とにそれぞれ設けられている。後端壁部71は、後壁55の一部として、第1の筐体46の横幅方向(すなわち第1の筐体46の長手方向)に延びている。後端壁部71は、ユーザーとは反対側、すなわち電子機器41の後方に向いている。後端壁部71は、第1の筐体46の後端部51からキーボード50(入力部)とは反対方向に向いている。後端壁部71は、上壁47と下壁48との間に延びている。また後端壁部71は、左側壁56(または右側壁57)と、第1の連結部72との間に延びている。
【0052】
第1の連結部72は、一対の後端壁部71の間に設けられている。第1の連結部72は、第1の筐体46の後端部51からキーボード50(入力部)とは反対方向に突出している。第1の連結部72は、第1の筐体46の長手方向に比較的大きな長さを有し、例えばバッテリ73を搭載している。
【0053】
図5に示すように、第1の連結部72は、第1の壁部74と第2の壁部75とを有する。第1の壁部74は、後端壁部71に繋がるとともに、後端壁部71とは交差する方向(例えば略直交する方向)に延びている。第2の壁部75は、第1の筐体46の長手方向に延び、第1の筐体46の左右の端部に設けられた一対の第1の壁部74の間を繋いでいる。
【0054】
これにより、後端壁部71と、第1の連結部72の第1の壁部74との間には、後端壁部71と第1の壁部74とによって2方向から規定された受け部76(ヒンジ受け部)が設けられている。受け部76は、第1の筐体46の左端部と右端部とにそれぞれ設けられた切欠き部である。換言すると、後端壁部71は、受け部76の分だけ、第1の連結部72の第2の壁部75からキーボード50(入力部)に向いて窪んだ位置に設けられている。
【0055】
図4に示すように、ヒンジ部44a,44bは、ヒンジ軸80と、このヒンジ軸80に連結された第1及び第2の固定部81,82を有する。第1の固定部81は、第1の筐体46に固定された本体部固定ブラケットである。第2の固定部82は、第2の筐体61に固定された表示部固定ブラケットである。ヒンジ軸80は、第1の筐体46の長手方向に延びるとともに、第1の固定部81と第2の固定部82とを回動可能に連結している。
【0056】
後端壁部71は、ヒンジ軸80の軸方向に延びている。第1の連結部72の第1の壁部74は、ヒンジ軸80の径方向に広がっている。図6に示すように、第1の壁部74は、ヒンジ軸80が通される孔74aが設けられている。
【0057】
図4に示すように、第2の筐体61の左端部と右端部には、一対の第2の連結部84が設けられている。第2の連結部84は、「第2の突出部」の一例である。第2の連結部84は、第2の筐体61から第1の筐体46に向いて突出している。第2の連結部84は、第1の筐体46の左端部と右端部に設けられた受け部76に入り込み、ヒンジ軸80の軸方向から第1の連結部72に並んでいる。
【0058】
ヒンジ部44a,44bの第1の固定部81は、第1の連結部72に固定されている。ヒンジ部44a,44bの第2の固定部82は、第2の連結部84に固定されている。ヒンジ部44a,44bは、第1の連結部72と第2の連結部84とを回動可能に連結している。
【0059】
図5に示すように、第1の連結部72の第1の壁部74は、ヒンジ軸80の軸方向で第2の連結部84に対向している。後端壁部71は、ヒンジ軸80の径方向で第2の連結部84に対向している。すなわち、後端壁部71は、第1の連結部72とは異なる方向(例えば略直交した方向)から第2の連結部84に対向している。
【0060】
換言すると、後端壁部71は、第2の筐体61に対向する壁部の一例である。後端壁部71は、第2の筐体61に連結された第1の筐体46の端部に位置され、第2の筐体61によって覆われる。後端壁部71は、例えば第1の筐体46と第2の筐体61とが互いに重ねられる第1の位置と、第1の筐体46と第2の筐体61とが開かれる第2の位置との両方で、第2の筐体61によって覆われる。
【0061】
図5乃至図9に示すように、後端壁部71は、第1の面11と、第2の面12とを有する。第1の面11は、第1の筐体46の内部に露出された内面である。第2の面12は、第1の面11の反対側に位置され、第1の筐体46の外部に露出された外面(外観面)である。第2の面12は、ヒンジ軸80の径方向で第2の連結部84に対向している。
【0062】
第1の面11は、ボス14と、平面部15とを有する。ボス14は、「突起部」の一例である。なお「突起部」はボスに限らず、例えばリブや、その他の形状でもよい。第1の面11及び第2の面12は、上壁47及び下壁48に対して傾斜した斜面である。ボス14は、第1の面11から傾斜して突出している。ボス14は、例えば上壁47及び下壁48に略直交する方向に第1の面11から突出している。なお図8中の破線は、ボス14を模式的に示している。
【0063】
図5乃至図9に示すように、後端壁部71の第2の面12には、例えば3つの溝部31,32,33が設けられている。溝部31,32,33は、第1の溝部31、第2の溝部32、及び第3の溝部33を含む。第2の溝部32は、「第1の凹部」の一例である。第3の溝部33は、「第2の凹部」の一例である。
【0064】
なお第2の面12に設けられる溝部の数は、全体で2つでもよく、4つ以上であってもよい。ボス14の反対側に設けられる溝部は、1つでもよく、3つ以上でもよい。また平面部15の反対側に設けられる溝部は、2つ以上でもよい。なお図10は、ボス14の反対側に溝部31が1つだけ設けられた変形例を示す。
【0065】
第1及び第2の溝部31,32は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられている。第1の溝部31は、ボス14の第1の部分23に対応した位置に設けられている。第2の溝部32は、ボス14の第2の部分24に対応した位置に設けられている。
【0066】
第3の溝部33は、第2の面12でボス14に対応していない位置に設けられている。第3の溝部33は、平面部15の反対側に設けられている。第3の溝部33は、例えば第1及び第2の溝部31,32と、第1の連結部72の第1の壁部74との間に設けられている。
【0067】
図6及び図8に示すように、第1乃至第3の溝部31,32,33は、等間隔に並んで、互いに略平行に並んでいる。第1乃至第3の溝部31,32,33は、互いに略同じ形状を有する。第1乃至第3の溝部31,32,33は、規則的に配列され、第1の筐体46の外観のデザインの一部を構成している。
【0068】
図8に示すように、第1乃至第3の溝部31,32,33は、ボス14の傾斜した方向に延びている。すなわち、第2の面12に垂直な方向から見たときに、第1乃至第3の溝部31,32,33は、ボス14の長手方向に延びている。さらに言えば、第1の面11から傾斜して突出したボス14は、第1の面11との間に楕円状の境界部86(接触部)を有する。境界部86は、ボス14の傾斜方向に延びており、ボス14の傾斜方向に長手方向を有する。第1乃至第3の溝部31,32,33は、境界部86の長手方向に延びている。
【0069】
第1乃至第3の溝部31,32,33は、第1の筐体46の厚さ方向(すなわち金型からの引き抜き方向)に略直線状に延びている。第1乃至第3の溝部31,32,33は、第1の筐体46の厚み方向に、第1の筐体46の両端部に亘って延びている。第1乃至第3の溝部31,32,33は、例えば第1の筐体46のカバー59の略全厚に亘っている。
【0070】
具体的には、図6に示すように、第1乃至第3の溝部31,32,33は、それぞれ第1の端部87と、この第1の端部87とは反対側に位置された第2の端部88とを有する。第1の端部87は、厳密に言えば上壁47には繋がっておらず、上壁47に繋がる後端壁部71の上端部から少し下がった位置までしか延びていない。これにより、ユーザーから溝部31,32,33がより見えにくくなっている。
【0071】
第2の端部88は、当該溝部31,32,33の延伸方向においてカバー59の下端部に達しており、カバー59の下端部で開放されている。これにより、金型からの引き抜き性(取り外し性)がより良好になる。
【0072】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、筐体の堅牢性を向上させるとともに、製品の美観の維持または向上を図ることができる。
【0073】
さらに本実施形態では、電子機器41は、第1の連結部72を有した第1の筐体46と、第1の連結部72に並ぶ第2の連結部84を有した第2の筐体61と、第1の連結部72と第2の連結部84とを回動可能に連結したヒンジ部44a,44bとを備える。第1の筐体46は、第1の連結部72とは異なる方向から第2の連結部84に対向した後端壁部71を有し、第1乃至第3の溝部31,32,33は、後端壁部71に設けられている。
【0074】
このような後端壁部71は、第2の筐体61の第2の連結部84に対向する部分である。すなわち後端壁部71は、2つの筐体46,61の間に位置され、ユーザーから見えにくい。第1乃至第3の溝部31,32,33がユーザーから見えにくい場所に設けられることで、溝部31,32,33の存在を目立たせることなく、ヒケや気泡の発生を抑制することができる。
【0075】
本実施形態では、ヒンジ部44a,44bは、ヒンジ軸80を有する。第2の面12は、ヒンジ軸80の径方向で第2の連結部84に対向する。第2の面12は、第1の筐体46と第2の筐体61とが互いに閉じられる第1の位置と、第1の筐体46と第2の筐体61とが開かれる第2の位置との両方で、第2の連結部84に対向する。すなわち、第2の面12は、表示部43が閉じられた状態でも、表示部43が開かれた状態でも、第2の連結部84によって覆われている。このような第2の面12に第1乃至第3の溝部31,32,33が設けられると、溝部31,32,33がユーザーからさらに見えにくく、目立ちにくい。
【0076】
本実施形態では、ボス14は、第1の面11から傾斜して突出している。図7及び図8に示すように、第1の面11から傾斜して突出するボス14が設けられると、その傾斜方向に比較的長い距離に亘ってボス14と第1の面11とが繋がり、ボス14と第1の面11との接触部分(境界部86)が大きくなる。このため、第1の筐体46に比較的長い距離に亘って厚肉部分が形成される。
【0077】
そこで本実施形態では、第1乃至第3の溝部31,32,33は、ボス14の傾斜した方向に沿って設けられている。これにより、溝部31,32,33が上記厚肉部分の長手方向に沿って延びることになるので、溝部31,32,33によって厚肉部分の厚さを比較的長い範囲に亘って薄くすることができる。これにより、より効果的にヒケを抑制することができる。
【0078】
本実施形態では、第2の面12は、第1の連結部72から入力部(キーボード50)に向いて窪んだ位置に設けられている。このような窪んだ位置にある第2の面12は、ユーザーから見えにくい。ユーザーから見えにくい場所に第1乃至第3の溝部31,32,33を設けると、溝部31,32,33の存在を目立たせることなく、ヒケや気泡の発生を抑制することができる。
【0079】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る電子機器41について、図11及び図12を参照して説明する。なお上記第1及び第2の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第2の実施形態と同じである。
【0080】
図11は、カバー59の内面(第1の面11)を示す。カバー59の内面には、ハニカムリブ91が設けられている。ハニカムリブ91は、例えばパームレスト92の裏側に設けられている。ハニカムリブ91は、第1の面11から筐体46内に突出したリブであり、例えば正六角形状をしたセルの集合体で構成されている。つまり、正六角形状をしたセル93が隙間なく並べられている。
【0081】
図12に示すように、各セル93は、第1方向に延びた第1のリブ94と、この第1のリブ94とは異なる第2または第3の方向に延びた第2のリブ95及び第3のリブ96が互いに接続されて構成されている。第1のリブ94は、「突起部」の一例である。第1のリブ94は、例えば筐体46の短手方向に延びている。筐体46の第1の面11は、例えば第1乃至第3のリブ94,95,96を外れた各セル93の中央部に平面部15を有する。
【0082】
図12に示すように、筐体46の外面(第2の面12)には、複数の溝部31,33が設けられている。溝部31,33は、第1の溝部31、及び第2の溝部33を含む。本実施形態では、第1の溝部31は、「第1の凹部」の一例である。第2の溝部33は、「第2の凹部」の一例である。第1及び第2の溝部31,33は、例えば交互に設けられている。第2の溝部33は、第1の溝部31の近傍に設けられている。
【0083】
例えば図12中のA−A線で見た場合、第1の溝部31は、第1のリブ94に対応した位置、すなわち第1のリブ94の反対側に設けられている。第2の溝部32は、第1のリブ94に対応していない位置、すなわち平面部15の反対側に設けられている。一方で、図12中のB−B線で見た場合、第1の溝部31は、第1のリブ94に対応しない位置、すなわち平面部15の反対側に設けられている。第2の溝部33は、第1のリブ94に対応した位置、すなわち第1のリブ94の反対側に設けられている。
【0084】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、筐体の堅牢性を向上させるとともに、製品の美観の維持または向上を図ることができる。
【0085】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0086】
例えば溝部31,32,33,34は、筐体4,46の周壁7,49に代えて、前壁54や側壁56,57、上壁47や下壁48、またはその他の場所に設けられてもよい。また溝部31,32,33,34は、筐体4,46の全体に設けられてもよい。溝部31,32,33,34は、直線状のものに限られず、曲線状のものや、その他の形状のものでもよい。溝部31,32,33,34の断面は矩形状である必要はなく、曲面を有する形状や、その他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…テレビジョン受像機、4,46…筐体、11…第1の面、12…第2の面、14…ボス(突起部)、15…平面部、21…第1の側面部、22…第2の側面部、23…第1の部分、24…第2の部分、25…第3の部分、31…第1の溝部(第1の凹部)、32…第2の溝部、33…第3の溝部(第2の凹部)、41…電子機器、44a.44b…ヒンジ部、46…第1の筐体、46…第1の筐体、50…キーボード(入力部)、61…第2の筐体、71…後端壁部、72…第1の連結部、80…ヒンジ軸、84…第2の連結部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、筐体を有したテレビジョン受像機及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の一部に溝部を備えた電子機器が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−198458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、製品の美観の維持または向上が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、製品の美観の維持または向上を図ることができるテレビジョン受像機及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、突起部が設けられた第1の面と、前記第1の面の反対側に位置され、前記突起部の反対側に設けられた第1の凹部とこの第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部とが設けられた第2の面と、を有した筐体を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係るテレビジョン受像機の正面図。
【図2】図1中に示されたテレビジョン受像機の一部を示す斜視図。
【図3】図1中に示されたテレビジョン受像機の筐体の断面図。
【図4】第2実施形態に係る電子機器の平面図。
【図5】図4中に示された電子機器の斜視図。
【図6】図5中に示された筐体の溝部を示す斜視図。
【図7】図6中に示された筐体のF7−F7線に沿う断面図。
【図8】図7中に示された筐体の矢印F8方向から見た背面図。
【図9】図8中に示された筐体のF9−F9線に沿う断面図。
【図10】図9中に示された筐体の一つの変形例を示す断面図。
【図11】第3実施形態の電子機器の筐体の一部を示す斜視図。
【図12】図11中に示された筐体の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1乃至図3は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機1を開示している。テレビジョン受像機1は、電子機器の一例である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、テレビジョン受像機に限られず、ノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)や、スレート型ポータブルコンピュータ(スレートPC)、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0010】
図1に示すように、テレビジョン受像機1は、ディスプレイ本体2と、スタンド3とを備える。スタンド3は、例えばテレビ台の上に設置される。ディスプレイ本体2は、扁平状に形成されるとともに、略鉛直に起立した姿勢でスタンド3に支持される。
【0011】
図1及び図2に示すように、ディスプレイ本体2は、筐体4を備えている。筐体4は、前壁5、背壁6、及び周壁7を有する。前壁5は、略鉛直に起立するとともに、ユーザーに向かい合う。背壁6は、前壁5とは反対側に位置されるとともに、前壁5と略平行になるように略鉛直に起立している。周壁7は、前壁5の周縁部と背壁6の周縁部との間を繋いでいる。
【0012】
図2及び図3に示すように、筐体4は、第1の面11と、第2の面12とを有する。第1の面11は、筐体4の内部に露出された内面である。第2の面12は、第1の面11の反対側(裏側)に位置され、筐体4の外部に露出された外面(外観面)である。
【0013】
図3に示すように、第1の面11は、ボス14と、平面部15(平坦部)とを有する。ボス14は、「突起部」の一例である。なお「突起部」はボスに限らず、例えばリブや、その他の形状でもよい。ボス14は、第1の面11から筐体4の内部に突出している。ボス14は、例えばねじ止め用のボスであり、雌ねじが形成されたねじ穴17が設けられている。ねじ穴17は、ボス14の先端部に開口し、ボス14の軸方向に延びている。
【0014】
ボス14の周面20は、第1の側面部21と、この第1の側面部21とは反対側に位置された第2の側面部22とを有する。すなわち第2の側面部22は、ボス14の周面20に沿って第1の側面部21から略180度まわったところに位置されている。
【0015】
ボス14は、第1の部分23、第2の部分24、及び第3の部分25を有する。第1の部分23は、第1の側面部21とねじ穴17との間に位置されている。第2の部分24は、第2の側面部22とねじ穴17との間に位置されている。第3の部分25は、ねじ穴17が設けられた部分であり、第1の部分23と第2の部分24との間に位置される。第3の部分25は、第1及び第2の部分23,24よりも、上記ねじ穴17の分だけ第1の面11からの高さが低く(すなわち肉厚が薄く)なっている。
【0016】
平面部15は、ボスなどの突起部が設けられていない領域であり、平らに広がる平面を有する。これにより、筐体4の肉厚は、ボス14が設けられた領域で厚く、このボスが設けられた領域に比べて平面部15の領域で薄くなっている。
【0017】
図2及び図3に示すように、周壁7の第2の面12には、例えば4つの溝部31,32,33,34が設けられている。溝部31,32,33,34は、第1の溝部31、第2の溝部32、第3の溝部33、及び第4の溝部34を含む。第2の溝部32は、「第1の凹部」の一例である。第3の溝部33は、「第2の凹部」の一例である。第3の溝部33は、第2の溝部32の近傍に設けられている。第2の溝部32は、第1の溝部31の近傍に設けられている。
【0018】
第1及び第2の溝部31,32は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられている。すなわち第1及び第2の溝部31,32は、ボス14の反対側(裏側)に設けられている。なお「対応した位置」とは、筐体の壁部(本実施形態では周壁7)の厚さ方向において、互いに重なる(すなわち対向する)位置関係のことを指す。
【0019】
図3に示すように、第1の溝部31は、ボス14の第1の部分23に対応した位置、すなわち第1の部分23の反対側に設けられている。第1の溝部31の幅W1は、第1の部分23の幅S1と例えば略同じである。第2の溝部32は、ボス14の第2の部分24に対応した位置、すなわち第2の部分24の反対側に設けられている。第2の溝部32の幅W2は、第2の部分24の幅S2と例えば略同じである。第1の溝部31と第3の溝部33との間の間隔W3は、第3の部分25の幅S3と例えば略同じである。
【0020】
第3及び第4の溝部33,34は、第2の面12でボス14に対応していない位置に設けられている。第3及び第4の溝部33,34は、平面部15の反対側(裏側)に設けられている。
【0021】
図2及び図3に示すように、第2の溝部32は、第1の溝部31に隣接している。第3の溝部33は、第2の溝部32に隣接している。第4の溝部34は、第3の溝部33に隣接している。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、等間隔に並んで、互いに略平行に並んでいる。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、互いに略同じ形状を有する。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、互いに略同じ、幅、長さ、及び深さを有する。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、筐体4の厚さ方向に略直線状に延びている。
【0022】
なお、第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、互いに少なくとも一部が同一形状であってもよい。例えば、第3及び第4の溝部33,34は、その一部だけが第1及び第2の溝部31,32と同一の形状であってもよい。また第2の溝部32は、その一部だけが第1の溝部31と同一の形状であってもよい。
【0023】
第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、第2の面12に設けられ、筐体4の外観に露出されている。第1乃至第4の溝部31,32,33,34は、規則的に配列され、筐体4の外観のデザインの一部を構成している。
【0024】
なお第2の面12に設けられる溝部の数は、全体で2つや3つでもよく、5つ以上でもよい。ボス14の反対側に設けられる溝部は、1つでもよく、3つ以上でもよい。また平面部15の反対側に設けられる溝部は、1つでもよく、3つ以上でもよい。
【0025】
このような構成によれば、筐体の堅牢性を向上させるとともに、製品の美観の維持または向上を図ることができる。すなわち、筐体の内面に突起部があると、その部分で筐体の肉厚が厚くなる。部分的に肉厚が厚い部分があると、その部分で金型成形時にヒケが生じ、その部分の外観面に窪みが生じる可能性がある。外観面の窪みは、製品の美観に影響を与えることがある。
【0026】
また、部分的に肉厚が厚い部分があると、製品内部の温度低下に比べて製品表面の温度低下が速く、製品内に気泡が残ることがある。製品内に気泡が残ると、その部分で筐体の堅牢性が低下する可能性がある。
【0027】
一方で、本実施形態では、筐体4は、ボス14が設けられた第1の面11と、この第1の面11の反対側に位置された第2の面12とを有する。第2の面12には、ボス14の反対側に設けられた第1の凹部(第2の溝部32)と、この第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部(第3の溝部33)とが設けられている。
【0028】
すなわち、ボス14に対向する領域に第1の凹部が設けられ、この第1の凹部によってボス14に対向する領域の肉厚が薄くなっている。このため、ボス14が設けられた領域と、平坦部15が設けられた領域とで、成形時の温度低下が近くなる。このため、ヒケが生じにくく、外観面に窪みなどが生じにくくなる。これにより、製品の美観の向上が図られている。
【0029】
さらにボス14に対向する領域に凹部が設けられると、金型成形時に凹部の近くで溶湯が冷えにくくなり、製品内に気泡が残りにくくなる。このため、筐体4の堅牢性が向上する。
【0030】
ここで、第1の面11の突起部の反対側のみに凹部を設けることで、上記効果を実現することも考えられる。しかしながら、突起部の反対側だけに凹部を設けると、その凹部が製品の外観に目立ってしまう可能性がある。
【0031】
そこで本実施形態では、第1の凹部の近傍に第2の凹部が設けられ、この第2の凹部は、第1の凹部と略同じ形状を有する。このため、第1の凹部と第2の凹部とが協働して筐体4の外観面にデザイン(模様)を構成している。すなわち第1及び第2の凹部によって製品の美観の維持または向上が図られている。
【0032】
換言すれば、外観デザインの一部を構成する第1の凹部によってヒケ及び気泡の発生が抑制されるとともに、この第1の凹部近傍に設けられた第2の凹部が第1の凹部に協働することで、意匠的にも優れた筐体4を提供することができる。本実施形態では、突起部の反対側に設けられた第1の凹部を目立たなくするために、突起部を外れた位置に第2の凹部が設けられ、これら第1及び第2の凹部の形状を略同じに揃えることで、ヒケ及び気泡の発生の抑制と、意匠性の向上とを同時に実現している。
【0033】
本実施形態では、筐体4は、ボス14が設けられた第1の面11と、第1の面11の反対側に位置され、外部に露出された第2の面12と、第2の面12に設けられた第1乃至第3の溝部31,32,33とを有する。第1の溝部31は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられている。第2の溝部32は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられるとともに、第1の溝部31と略同じ形状を有し、第1の溝部31と並んでいる。第3の溝部33は、第2の面12でボス14に対応していない位置に設けられるとともに、第1の溝部31と略同じ形状を有し、第1の溝部31及び第2の溝部32と並んでいる。
【0034】
これによれば、ボス14に対向する領域に設けられた第1及び第2の溝部31,32によって、ボス14に対向する領域の肉厚が薄くなっており、ヒケ及び気泡の発生が抑制されている。さらに、ボス14に対向しない領域に第3の溝部33が設けられ、第1乃至第3の溝部31,32,33が略同じ形状を有して互いに並んでいる。この第1乃至第3の溝部31,32,33が協働して筐体4の外観面にデザインを構成している。すなわち第1乃至第3の溝部31,32,33によってヒケ及び気泡の発生の抑制と、製品の美観の向上とが同時に図られている。なお、第1乃至第3の溝部31,32,33は、互いに少なくとも一部が同じ形状を有すれば、一定の美観の向上が期待できる。
【0035】
本実施形態では、第1乃至第3の溝部31,32,33は、等間隔に並んで、互いに略平行に延びている。これによれば、筐体4の外観に規則性を有した優れたデザインを設けることができる。
【0036】
本実施形態では、第3の溝部33は、第2の面12で平面部15に対向した領域に設けられている。すなわち、平面部15に対向する領域に設けられた第3の溝部33が第1及び第2の溝部31,32に協働することで、より複雑で高度なデザインの筐体4を提供することができる。
【0037】
本実施形態では、ボス14は、第1の側面部21とねじ穴17との間に位置された第1の部分23と、第2の側面部22とねじ穴17との間に位置された第2の部分24とを有する。第1の溝部31は、ボス14の第1の部分23に対応して設けられている。第2の溝部32は、ボス14の第2の部分24に対応して設けられている。これによれば、ボス14のなかで肉厚の部分(すなわちねじ穴ではない部分)に対応して第1及び第2の溝部31,32が設けられているので、より確実にヒケを抑制することができる。
【0038】
本実施形態では、第1乃至第3の溝部31,32,33は、筐体4の厚さ方向に略直線状に延びている。筐体4は、金型成形時に、その厚さ方向に沿って金型から引き抜かれる。第1乃至第3の溝部31,32,33が筐体4の厚さ方向に略直線状に延びていると、金型からの引き抜き性(取り外し性)が良好になる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る電子機器41について、図4乃至図9を参照して説明する。なお上記第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。電子機器41は、例えばノートPCである。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではなく、上述したような種々の電子機器に広く適用可能である。
【0040】
図4及び図5に示すように、電子機器41は、本体部42(第1のユニット)と、表示部43(第2のユニット)と、ヒンジ部44a,44bとを有する。本体部42は、メインボードを搭載した電子機器本体である。本体部42は、第1の筐体46を備えている。第1の筐体46は、上壁47、下壁48、及び周壁49を有し、扁平な箱状に形成されている。
【0041】
下壁48は、電子機器41を机の上に置いた時に、その机上面に向かい合う。上壁47は、下壁48との間に空間を空けて、下壁48と略平行に広がる。周壁49は、下壁48に対して起立し、下壁48の周縁部と上壁47の周縁部との間を繋いでいる。上壁47には、キーボード50が取り付けられている。キーボード50は、「入力部」の一例である。なお「入力部」は、タッチパネル式の入力装置や、その他の入力装置でもよい。
【0042】
第1の筐体46は、後端部51(第1の端部)と、前端部52(第2の端部)とを有する。後端部51には、ヒンジ部44a,44bを介して表示部43が連結されている。前端部52は、後端部51とは反対側に位置されている。
【0043】
周壁49は、前壁54、後壁55、左側壁56、及び右側壁57を含む。前壁54は、第1の筐体46の前端部52に位置され、第1の筐体46の横幅方向(左右方向)に延びている。後壁55は、後端部51に位置され、前壁54と略平行に第1の筐体46の横幅方向に延びている。左右の側壁56,57は、それぞれ第1の筐体46の縦幅方向(前後方向)に延びている。左右の側壁56,57は、それぞれ前壁54の端部と後壁55の端部との間を繋いでいる。
【0044】
なお本明細書では、電子機器41を使用するユーザーに近い方を「前」、ユーザーから遠い方を「後ろ」と定義している。また電子機器41を使用するユーザーから見て左右を定義している。
【0045】
図5に示すように、第1の筐体46は、ベース58(第1の部材)と、カバー59(第2の部材)とを有する。ベース58は、下壁48と、周壁49の一部とを有する。カバー59は、上壁47と、周壁49の一部とを有する。カバー59がベース58に組み合わされることで、第1の筐体46が設けられている。
【0046】
図4に示すように、表示部43は、第2の筐体61と、この第2の筐体61に収容された表示装置62とを備えている。表示装置62は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。表示装置62は、画像や映像が表示される表示画面62aを有する。
【0047】
第2の筐体61は、ヒンジ部44a,44bによって、第1の筐体46の後端部51に回動可能(開閉可能)に連結されている。これにより表示部43は、本体部42に重ねられた第1の位置と、本体部42に対して立て起された第2の位置との間で回動可能である。
【0048】
図5に示すように、第2の筐体61は、前壁63、背壁64、及び周壁65を有する。前壁63は、表示部43が上記第1位置にあるとき、本体部42に向かい合う。前壁63は、表示装置62の表示画面62aが露出される開口部63aを有する。換言すれば、第2の筐体61は、表示画面62aが第1の筐体46に覆われる第1位置と、表示画面62aが露出される第2位置との間で回動可能である。
【0049】
背壁64は、前壁63との間に空間を空けて、前壁63と略平行に広がる。背壁64は、前壁63とは反対側から表示装置62に対向する。周壁65は、背壁64に対して起立し、前壁63の周縁部と背壁64の周縁部との間を繋いでいる。
【0050】
図4及び図5に示すように、第1の筐体46の後端部51は、第1の筐体46の一部としての後端壁部71と、この後端壁部71からさらに後方に突出した第1の連結部72とを有する。後端壁部71は、「壁部」の一例である。第1の連結部72は、「第1の突出部」の一例である。
【0051】
後端壁部71は、第1の筐体46の左端部と右端部とにそれぞれ設けられている。後端壁部71は、後壁55の一部として、第1の筐体46の横幅方向(すなわち第1の筐体46の長手方向)に延びている。後端壁部71は、ユーザーとは反対側、すなわち電子機器41の後方に向いている。後端壁部71は、第1の筐体46の後端部51からキーボード50(入力部)とは反対方向に向いている。後端壁部71は、上壁47と下壁48との間に延びている。また後端壁部71は、左側壁56(または右側壁57)と、第1の連結部72との間に延びている。
【0052】
第1の連結部72は、一対の後端壁部71の間に設けられている。第1の連結部72は、第1の筐体46の後端部51からキーボード50(入力部)とは反対方向に突出している。第1の連結部72は、第1の筐体46の長手方向に比較的大きな長さを有し、例えばバッテリ73を搭載している。
【0053】
図5に示すように、第1の連結部72は、第1の壁部74と第2の壁部75とを有する。第1の壁部74は、後端壁部71に繋がるとともに、後端壁部71とは交差する方向(例えば略直交する方向)に延びている。第2の壁部75は、第1の筐体46の長手方向に延び、第1の筐体46の左右の端部に設けられた一対の第1の壁部74の間を繋いでいる。
【0054】
これにより、後端壁部71と、第1の連結部72の第1の壁部74との間には、後端壁部71と第1の壁部74とによって2方向から規定された受け部76(ヒンジ受け部)が設けられている。受け部76は、第1の筐体46の左端部と右端部とにそれぞれ設けられた切欠き部である。換言すると、後端壁部71は、受け部76の分だけ、第1の連結部72の第2の壁部75からキーボード50(入力部)に向いて窪んだ位置に設けられている。
【0055】
図4に示すように、ヒンジ部44a,44bは、ヒンジ軸80と、このヒンジ軸80に連結された第1及び第2の固定部81,82を有する。第1の固定部81は、第1の筐体46に固定された本体部固定ブラケットである。第2の固定部82は、第2の筐体61に固定された表示部固定ブラケットである。ヒンジ軸80は、第1の筐体46の長手方向に延びるとともに、第1の固定部81と第2の固定部82とを回動可能に連結している。
【0056】
後端壁部71は、ヒンジ軸80の軸方向に延びている。第1の連結部72の第1の壁部74は、ヒンジ軸80の径方向に広がっている。図6に示すように、第1の壁部74は、ヒンジ軸80が通される孔74aが設けられている。
【0057】
図4に示すように、第2の筐体61の左端部と右端部には、一対の第2の連結部84が設けられている。第2の連結部84は、「第2の突出部」の一例である。第2の連結部84は、第2の筐体61から第1の筐体46に向いて突出している。第2の連結部84は、第1の筐体46の左端部と右端部に設けられた受け部76に入り込み、ヒンジ軸80の軸方向から第1の連結部72に並んでいる。
【0058】
ヒンジ部44a,44bの第1の固定部81は、第1の連結部72に固定されている。ヒンジ部44a,44bの第2の固定部82は、第2の連結部84に固定されている。ヒンジ部44a,44bは、第1の連結部72と第2の連結部84とを回動可能に連結している。
【0059】
図5に示すように、第1の連結部72の第1の壁部74は、ヒンジ軸80の軸方向で第2の連結部84に対向している。後端壁部71は、ヒンジ軸80の径方向で第2の連結部84に対向している。すなわち、後端壁部71は、第1の連結部72とは異なる方向(例えば略直交した方向)から第2の連結部84に対向している。
【0060】
換言すると、後端壁部71は、第2の筐体61に対向する壁部の一例である。後端壁部71は、第2の筐体61に連結された第1の筐体46の端部に位置され、第2の筐体61によって覆われる。後端壁部71は、例えば第1の筐体46と第2の筐体61とが互いに重ねられる第1の位置と、第1の筐体46と第2の筐体61とが開かれる第2の位置との両方で、第2の筐体61によって覆われる。
【0061】
図5乃至図9に示すように、後端壁部71は、第1の面11と、第2の面12とを有する。第1の面11は、第1の筐体46の内部に露出された内面である。第2の面12は、第1の面11の反対側に位置され、第1の筐体46の外部に露出された外面(外観面)である。第2の面12は、ヒンジ軸80の径方向で第2の連結部84に対向している。
【0062】
第1の面11は、ボス14と、平面部15とを有する。ボス14は、「突起部」の一例である。なお「突起部」はボスに限らず、例えばリブや、その他の形状でもよい。第1の面11及び第2の面12は、上壁47及び下壁48に対して傾斜した斜面である。ボス14は、第1の面11から傾斜して突出している。ボス14は、例えば上壁47及び下壁48に略直交する方向に第1の面11から突出している。なお図8中の破線は、ボス14を模式的に示している。
【0063】
図5乃至図9に示すように、後端壁部71の第2の面12には、例えば3つの溝部31,32,33が設けられている。溝部31,32,33は、第1の溝部31、第2の溝部32、及び第3の溝部33を含む。第2の溝部32は、「第1の凹部」の一例である。第3の溝部33は、「第2の凹部」の一例である。
【0064】
なお第2の面12に設けられる溝部の数は、全体で2つでもよく、4つ以上であってもよい。ボス14の反対側に設けられる溝部は、1つでもよく、3つ以上でもよい。また平面部15の反対側に設けられる溝部は、2つ以上でもよい。なお図10は、ボス14の反対側に溝部31が1つだけ設けられた変形例を示す。
【0065】
第1及び第2の溝部31,32は、第2の面12でボス14に対応した位置に設けられている。第1の溝部31は、ボス14の第1の部分23に対応した位置に設けられている。第2の溝部32は、ボス14の第2の部分24に対応した位置に設けられている。
【0066】
第3の溝部33は、第2の面12でボス14に対応していない位置に設けられている。第3の溝部33は、平面部15の反対側に設けられている。第3の溝部33は、例えば第1及び第2の溝部31,32と、第1の連結部72の第1の壁部74との間に設けられている。
【0067】
図6及び図8に示すように、第1乃至第3の溝部31,32,33は、等間隔に並んで、互いに略平行に並んでいる。第1乃至第3の溝部31,32,33は、互いに略同じ形状を有する。第1乃至第3の溝部31,32,33は、規則的に配列され、第1の筐体46の外観のデザインの一部を構成している。
【0068】
図8に示すように、第1乃至第3の溝部31,32,33は、ボス14の傾斜した方向に延びている。すなわち、第2の面12に垂直な方向から見たときに、第1乃至第3の溝部31,32,33は、ボス14の長手方向に延びている。さらに言えば、第1の面11から傾斜して突出したボス14は、第1の面11との間に楕円状の境界部86(接触部)を有する。境界部86は、ボス14の傾斜方向に延びており、ボス14の傾斜方向に長手方向を有する。第1乃至第3の溝部31,32,33は、境界部86の長手方向に延びている。
【0069】
第1乃至第3の溝部31,32,33は、第1の筐体46の厚さ方向(すなわち金型からの引き抜き方向)に略直線状に延びている。第1乃至第3の溝部31,32,33は、第1の筐体46の厚み方向に、第1の筐体46の両端部に亘って延びている。第1乃至第3の溝部31,32,33は、例えば第1の筐体46のカバー59の略全厚に亘っている。
【0070】
具体的には、図6に示すように、第1乃至第3の溝部31,32,33は、それぞれ第1の端部87と、この第1の端部87とは反対側に位置された第2の端部88とを有する。第1の端部87は、厳密に言えば上壁47には繋がっておらず、上壁47に繋がる後端壁部71の上端部から少し下がった位置までしか延びていない。これにより、ユーザーから溝部31,32,33がより見えにくくなっている。
【0071】
第2の端部88は、当該溝部31,32,33の延伸方向においてカバー59の下端部に達しており、カバー59の下端部で開放されている。これにより、金型からの引き抜き性(取り外し性)がより良好になる。
【0072】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、筐体の堅牢性を向上させるとともに、製品の美観の維持または向上を図ることができる。
【0073】
さらに本実施形態では、電子機器41は、第1の連結部72を有した第1の筐体46と、第1の連結部72に並ぶ第2の連結部84を有した第2の筐体61と、第1の連結部72と第2の連結部84とを回動可能に連結したヒンジ部44a,44bとを備える。第1の筐体46は、第1の連結部72とは異なる方向から第2の連結部84に対向した後端壁部71を有し、第1乃至第3の溝部31,32,33は、後端壁部71に設けられている。
【0074】
このような後端壁部71は、第2の筐体61の第2の連結部84に対向する部分である。すなわち後端壁部71は、2つの筐体46,61の間に位置され、ユーザーから見えにくい。第1乃至第3の溝部31,32,33がユーザーから見えにくい場所に設けられることで、溝部31,32,33の存在を目立たせることなく、ヒケや気泡の発生を抑制することができる。
【0075】
本実施形態では、ヒンジ部44a,44bは、ヒンジ軸80を有する。第2の面12は、ヒンジ軸80の径方向で第2の連結部84に対向する。第2の面12は、第1の筐体46と第2の筐体61とが互いに閉じられる第1の位置と、第1の筐体46と第2の筐体61とが開かれる第2の位置との両方で、第2の連結部84に対向する。すなわち、第2の面12は、表示部43が閉じられた状態でも、表示部43が開かれた状態でも、第2の連結部84によって覆われている。このような第2の面12に第1乃至第3の溝部31,32,33が設けられると、溝部31,32,33がユーザーからさらに見えにくく、目立ちにくい。
【0076】
本実施形態では、ボス14は、第1の面11から傾斜して突出している。図7及び図8に示すように、第1の面11から傾斜して突出するボス14が設けられると、その傾斜方向に比較的長い距離に亘ってボス14と第1の面11とが繋がり、ボス14と第1の面11との接触部分(境界部86)が大きくなる。このため、第1の筐体46に比較的長い距離に亘って厚肉部分が形成される。
【0077】
そこで本実施形態では、第1乃至第3の溝部31,32,33は、ボス14の傾斜した方向に沿って設けられている。これにより、溝部31,32,33が上記厚肉部分の長手方向に沿って延びることになるので、溝部31,32,33によって厚肉部分の厚さを比較的長い範囲に亘って薄くすることができる。これにより、より効果的にヒケを抑制することができる。
【0078】
本実施形態では、第2の面12は、第1の連結部72から入力部(キーボード50)に向いて窪んだ位置に設けられている。このような窪んだ位置にある第2の面12は、ユーザーから見えにくい。ユーザーから見えにくい場所に第1乃至第3の溝部31,32,33を設けると、溝部31,32,33の存在を目立たせることなく、ヒケや気泡の発生を抑制することができる。
【0079】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る電子機器41について、図11及び図12を参照して説明する。なお上記第1及び第2の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第2の実施形態と同じである。
【0080】
図11は、カバー59の内面(第1の面11)を示す。カバー59の内面には、ハニカムリブ91が設けられている。ハニカムリブ91は、例えばパームレスト92の裏側に設けられている。ハニカムリブ91は、第1の面11から筐体46内に突出したリブであり、例えば正六角形状をしたセルの集合体で構成されている。つまり、正六角形状をしたセル93が隙間なく並べられている。
【0081】
図12に示すように、各セル93は、第1方向に延びた第1のリブ94と、この第1のリブ94とは異なる第2または第3の方向に延びた第2のリブ95及び第3のリブ96が互いに接続されて構成されている。第1のリブ94は、「突起部」の一例である。第1のリブ94は、例えば筐体46の短手方向に延びている。筐体46の第1の面11は、例えば第1乃至第3のリブ94,95,96を外れた各セル93の中央部に平面部15を有する。
【0082】
図12に示すように、筐体46の外面(第2の面12)には、複数の溝部31,33が設けられている。溝部31,33は、第1の溝部31、及び第2の溝部33を含む。本実施形態では、第1の溝部31は、「第1の凹部」の一例である。第2の溝部33は、「第2の凹部」の一例である。第1及び第2の溝部31,33は、例えば交互に設けられている。第2の溝部33は、第1の溝部31の近傍に設けられている。
【0083】
例えば図12中のA−A線で見た場合、第1の溝部31は、第1のリブ94に対応した位置、すなわち第1のリブ94の反対側に設けられている。第2の溝部32は、第1のリブ94に対応していない位置、すなわち平面部15の反対側に設けられている。一方で、図12中のB−B線で見た場合、第1の溝部31は、第1のリブ94に対応しない位置、すなわち平面部15の反対側に設けられている。第2の溝部33は、第1のリブ94に対応した位置、すなわち第1のリブ94の反対側に設けられている。
【0084】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、筐体の堅牢性を向上させるとともに、製品の美観の維持または向上を図ることができる。
【0085】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0086】
例えば溝部31,32,33,34は、筐体4,46の周壁7,49に代えて、前壁54や側壁56,57、上壁47や下壁48、またはその他の場所に設けられてもよい。また溝部31,32,33,34は、筐体4,46の全体に設けられてもよい。溝部31,32,33,34は、直線状のものに限られず、曲線状のものや、その他の形状のものでもよい。溝部31,32,33,34の断面は矩形状である必要はなく、曲面を有する形状や、その他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…テレビジョン受像機、4,46…筐体、11…第1の面、12…第2の面、14…ボス(突起部)、15…平面部、21…第1の側面部、22…第2の側面部、23…第1の部分、24…第2の部分、25…第3の部分、31…第1の溝部(第1の凹部)、32…第2の溝部、33…第3の溝部(第2の凹部)、41…電子機器、44a.44b…ヒンジ部、46…第1の筐体、46…第1の筐体、50…キーボード(入力部)、61…第2の筐体、71…後端壁部、72…第1の連結部、80…ヒンジ軸、84…第2の連結部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起部が設けられた第1の面と、
前記第1の面の反対側に位置され、外部に露出された第2の面と、
前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられた第1の溝部と、
前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられ、前記第1の溝部と略同じ形状であり、前記第1の溝部と並んだ第2の溝部と、
前記第2の面で前記突起部に対応していない位置に設けられ、前記第1の溝部と略同じ形状であり、前記第1の溝部及び前記第2の溝部と並んだ第3の溝部と、
が設けられた筐体を備えたテレビジョン受像機。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第1の溝部、前記第2の溝部、及び前記第3の溝部は、等間隔に並んで、互いに略平行に延びたテレビジョン受像機。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記第1の面は、平坦部を有し、
前記第3の溝部は、前記第2の面で前記平坦部に対応した位置に設けられたテレビジョン受像機。
【請求項4】
請求項1または請求項3の記載において、
前記突起部は、ねじ穴が設けられたボスであり、第1の側面部と、この第1の側面部とは反対側に位置された第2の側面部と、前記第1の側面部と前記ねじ穴との間に位置された第1の部分と、前記第2の側面部と前記ねじ穴との間に位置された第2の部分とを有し、
前記第1の溝部は、前記ボスの第1の部分に対応して設けられ、前記第2の溝部は、前記ボスの第2の部分に対応して設けられたテレビジョン受像機。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記第1の溝部、前記第2の溝部、及び前記第3の溝部は、前記筐体の厚さ方向に略直線状に延びたテレビジョン受像機。
【請求項6】
第1の連結部を有した第1の筐体と、
前記第1の連結部に並ぶ第2の連結部を有した第2の筐体と、
前記第1の連結部と前記第2の連結部とを回動可能に連結したヒンジ部と、
を備え、
前記第1の筐体は、前記第1の連結部とは異なる方向から前記第2の連結部に対向する壁部を有し、この壁部は、前記第1の筐体の内部に露出され、突起部と平面部とが設けられた第1の面と、前記第1の面の反対側に位置され、外部に露出された第2の面と、前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられた第1の溝部と、前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられ、前記第1の溝部と略同じ形状であり、前記第1の溝部に隣接した第2の溝部と、前記第2の面で前記平面部に対応した位置に設けられ、前記第1の溝部と少なくとも一部が同一の形状であり、前記第1の溝部及び前記第2の溝部と並んだ第3の溝部とが設けられた電子機器。
【請求項7】
請求項6の記載において、
前記ヒンジ部は、ヒンジ軸を有し、
前記第2の面は、前記ヒンジ軸の径方向で前記第2の連結部に向かい合い、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが互いに重ねられる第1の位置と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開かれる第2の位置との両方で、前記第2の連結部に対向する電子機器。
【請求項8】
請求項6または請求項7の記載において、
前記突起部は、前記第1の面から傾斜して突出し、前記第1の面との間に当該突起部の傾斜方向に延びた境界部を有し、
前記第1の溝部、前記第2の溝部、及び前記第3の溝部は、前記境界部の長手方向に延びた電子機器。
【請求項9】
請求項6または請求項8の記載において、
前記第1の筐体は、入力部が設けられ、
前記第2の面は、前記第1の連結部から前記入力部に向いて窪んだ位置に設けられた電子機器。
【請求項10】
突起部が設けられた第1の面と、
前記第1の面の反対側に位置され、前記突起部の反対側に設けられた第1の凹部と、この第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部とが設けられた第2の面と、
を有した筐体を備えた電子機器。
【請求項1】
突起部が設けられた第1の面と、
前記第1の面の反対側に位置され、外部に露出された第2の面と、
前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられた第1の溝部と、
前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられ、前記第1の溝部と略同じ形状であり、前記第1の溝部と並んだ第2の溝部と、
前記第2の面で前記突起部に対応していない位置に設けられ、前記第1の溝部と略同じ形状であり、前記第1の溝部及び前記第2の溝部と並んだ第3の溝部と、
が設けられた筐体を備えたテレビジョン受像機。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第1の溝部、前記第2の溝部、及び前記第3の溝部は、等間隔に並んで、互いに略平行に延びたテレビジョン受像機。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記第1の面は、平坦部を有し、
前記第3の溝部は、前記第2の面で前記平坦部に対応した位置に設けられたテレビジョン受像機。
【請求項4】
請求項1または請求項3の記載において、
前記突起部は、ねじ穴が設けられたボスであり、第1の側面部と、この第1の側面部とは反対側に位置された第2の側面部と、前記第1の側面部と前記ねじ穴との間に位置された第1の部分と、前記第2の側面部と前記ねじ穴との間に位置された第2の部分とを有し、
前記第1の溝部は、前記ボスの第1の部分に対応して設けられ、前記第2の溝部は、前記ボスの第2の部分に対応して設けられたテレビジョン受像機。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記第1の溝部、前記第2の溝部、及び前記第3の溝部は、前記筐体の厚さ方向に略直線状に延びたテレビジョン受像機。
【請求項6】
第1の連結部を有した第1の筐体と、
前記第1の連結部に並ぶ第2の連結部を有した第2の筐体と、
前記第1の連結部と前記第2の連結部とを回動可能に連結したヒンジ部と、
を備え、
前記第1の筐体は、前記第1の連結部とは異なる方向から前記第2の連結部に対向する壁部を有し、この壁部は、前記第1の筐体の内部に露出され、突起部と平面部とが設けられた第1の面と、前記第1の面の反対側に位置され、外部に露出された第2の面と、前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられた第1の溝部と、前記第2の面で前記突起部に対応した位置に設けられ、前記第1の溝部と略同じ形状であり、前記第1の溝部に隣接した第2の溝部と、前記第2の面で前記平面部に対応した位置に設けられ、前記第1の溝部と少なくとも一部が同一の形状であり、前記第1の溝部及び前記第2の溝部と並んだ第3の溝部とが設けられた電子機器。
【請求項7】
請求項6の記載において、
前記ヒンジ部は、ヒンジ軸を有し、
前記第2の面は、前記ヒンジ軸の径方向で前記第2の連結部に向かい合い、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが互いに重ねられる第1の位置と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開かれる第2の位置との両方で、前記第2の連結部に対向する電子機器。
【請求項8】
請求項6または請求項7の記載において、
前記突起部は、前記第1の面から傾斜して突出し、前記第1の面との間に当該突起部の傾斜方向に延びた境界部を有し、
前記第1の溝部、前記第2の溝部、及び前記第3の溝部は、前記境界部の長手方向に延びた電子機器。
【請求項9】
請求項6または請求項8の記載において、
前記第1の筐体は、入力部が設けられ、
前記第2の面は、前記第1の連結部から前記入力部に向いて窪んだ位置に設けられた電子機器。
【請求項10】
突起部が設けられた第1の面と、
前記第1の面の反対側に位置され、前記突起部の反対側に設けられた第1の凹部と、この第1の凹部近傍で該第1の凹部と略同じ形状の第2の凹部とが設けられた第2の面と、
を有した筐体を備えた電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−169834(P2012−169834A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28705(P2011−28705)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【特許番号】特許第4996753号(P4996753)
【特許公報発行日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【特許番号】特許第4996753号(P4996753)
【特許公報発行日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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