説明

テレビ受信機

【課題】 音声の切替操作前の音声を得ることができるテレビ受信機を提供する。
【解決手段】 2個のチューナー11,12と、2個のチューナー11,12によってそれぞれチューニングされた2つチャンネルの画面を同時に表示する表示デバイス21と、音声信号を記録する音声データメモリ23と、前記2つのチャンネルの内、1つのチャンネルの音声を出力するスピーカー25と、音声が出力されていないチャンネルの音声信号を音声データメモリ23に記録し、音声出力の切替指示があると、音声データメモリ23に記録されている、切替指示前の該当するチャンネルの音声信号を読み込んでスピーカー25に出力させる音声記録再生回路22とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のチューナーを内蔵し、表示デバイスに複数の画面を同時に表示できるようにしたテレビ受信機に関し、特にその音声出力の切替時の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ受信機には2つのチューナーを内蔵し、2つの番組を2画面並べて表示できるようにしたものがある。この場合、画面は同時に見られるが、音声については通常片方しか聞くことができなかった。このため、両方のスピーカーで2つのチャンネルの音声を出力するようにしたものがある(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−298162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来の技術(特許文献1)のように、両方のスピーカーで2つのチャンネルの音声を出力したとしても、人間の耳では同時に聞いて理解するのは難しい。また、実際にはドラマを見ながら野球中継を見るといった使い方で、片方の音声が聞ければいい場合が多い。しかし、音声が出ていない画面が興味がある場面(映像)になった場合に、音声出力を切り替えた場合に、切り替えた後の音声は得られるが、その直前の部分、即ち、興味をもった瞬間の場面(映像)の音声を聞くことはできなかった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、音声を切り替える操作前の所定時間の音声を得ることができるテレビ受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るテレビ受信機は、複数のチューナーと、該複数のチューナーによってそれぞれチューニングされた複数のチャンネルの画面を同時に表示する表示デバイスと、音声信号を記録する音声データ記録手段と、前記複数のチャンネルの内、1つのチャンネルの音声を出力するスピーカーと、音声が出力されていないチャンネルの音声信号を前記音声データ記録手段に記録し、音声出力の切り替え指示があると、前記音声データ記録手段に記録されている、切り替え指示前の該当するチャンネルの音声信号を読み込んで前記スピーカーに出力させる音声記録再生回路とを備えたものである。本発明においては、音声が出力されていないチャンネルの音声信号を音声データ記録手段に記録しており、音声出力の切り替え指示があると、音声データ記録手段に記録されている、切り替え指示前の該当するチャンネルの音声信号を読み込んでスピーカーに出力させるようにしたので、音声の切り替え操作の前の音声が得られる。
【0006】
また、本発明に係るテレビ受信機は、2個のチューナーと、該2個のチューナーによってそれぞれチューニングされた2つのチャンネルの画面を同時に表示する表示デバイスと、音声信号を記録する音声信号記録手段と、前記2つのチャンネルの内、1つのチャンネルの音声を出力するスピーカーと、音声が出力されていないチャンネルの音声信号を前記音声データ記憶手段に記録し、音声出力の切り替え指示があると、それまで出力していたチャンネルの音声の出力を停止し、前記音声データ記録手段に記録されている、該当するチャンネルの音声信号を読み込んでスピーカーに出力させる音声記録再生回路とを備えたものである。本発明においては、音声が出力されていない1つのチャンネルの音声信号を音声データ記録手段に記録しており、音声出力の切り替え指示があると、音声データ記録手段に記録されていている、切り替え指示前の上記のチャンネル(音声が出力されていない)の音声信号を読み込んでスピーカーに出力させるようにしたので、音声の切り替え操作の前の該当するチャンネルの音声が得られる。
【0007】
また、本発明に係るテレビ受信機において、前記音声記録再生回路は、前記音声データ記録手段がリングバッファとして機能するように書き込み処理を行い、前記書き込み処理の周期>前記読み込み処理の周期とし、読み込み処理の読み込みポイントが書き込み処理の書き込みポイントに追いつくと、該当するチャンネルの音声信号を、前記音声データ記録手段を介さずにスピーカーに出力させる。本発明によれば、前記音声データ記録手段がリングバッファ構成となるように書き込み処理を行うようにしたので、音声切り替え操作前の所定時間の音声信号を記録することができ、当該所定時間の音声を確実に再生することができる。また、前記書き込み処理の周期>前記読み込み処理の周期とし、読み込み処理の読み込みポイントが書き込み処理の書き込みポイントに追いつくと、該当するチャンネルの音声信号を上記の読み込み処理を行わずにスピーカーに出力するようにしたので、記録された音声信号からチューニングされた音声データへの移行処理を円滑にすることができる。
【0008】
また、本発明に係るテレビ受信機において、前記音声記録再生回路は、前記読み込みポイントが前記書き込みポイントに追いつくと、出力対象となっていないチャンネルの音声信号を前記音声データ記録手段に記憶する。音声の切り替え処理が終わると、出力対象となっていないチャンネルの音声信号を前記音声データ記録手段に記憶することにより、次の音声切り替えの処理に対応することが可能になっている。
【0009】
また、本発明に係るテレビ受信機において、前記表示デバイスは、音声がスピーカーから出力されているチャンネルの画面と音声がスピーカーから出力されていないチャンネルの画面とを識別表示する。前記表示デバイスには複数のチャンネルの画面が同時に表示されるが、音声がスピーカーから出力されているチャンネルの画面と音声がスピーカーから出力されていないチャンネルの画面とを識別表示することにより、音声と画面との関連を容易に把握することができる。
【0010】
また、本発明に係るテレビ受信機において、前記表示デバイスは、音声出力の切り替え指示があると、音声をスピーカーから出力するチャンネルの画面を主画面とし、音声をスピーカーから出力しないチャンネルの画面を副画面として表示する。このように主画面と副画面とを交替して表示することにより、音声と画面との関連を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。このデジタル放送受信装置1は、アンテナ10、チューナー11,12、デマルチプレクサ13,14、映像信号処理回路15,16、音声信号処理回路17,18、描画処理回路19、映像出力回路20、表示デバイス21、音声記録再生回路22、音声データメモリ23、音声出力回路24及びスピーカー25を備えている。このデジタル放送受信装置1は、更に、操作部31、インターフェース(IF)32、リモートコントローラ33、受信部34及び制御部35を備えている。そして、チューナー11〜音声出力回路24、インターフェース32、受信部34及び制御部35はバス36を介して接続されており、制御部35により回路全体が制御される。制御部35は、CPU351、CPU351が実行すべきプログラムや固定データなどが書き込まれたROM352及びCPU351のワークエリアなどとして機能するRAM353によって構成されている。なお、操作部31及びリモートコントローラ33は、通常のテレビのキーの他に、音声切替信号等の指令信号を出力するためのキー等(図示せず)が設けられているものとする。
【0012】
図1のデジタル放送受信装置1において、利用者が操作部31又はリモートコントローラ33を操作して見たいチャンネルを選択すると、そのチャンネルに相当する選局信号が発生し、制御部35はその選局信号をインターフェース32又は受信部34及びバス36を介して受信し、制御部35がその選局信号に基づいて例えばチューナー11に選局信号を出力すると、チューナー11は受信信号をチューニングしてその選局信号に対応した特定周波数の信号を取り出す。アンテナ10は、周波数変換器を備えており、例えばCS(Communication Satellite)から送られてくるディジタル放送信号を受信して、周波数変換した信号をチューナー11に出力する。チューナー11は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路等を備えており、映像・音声データを含む高周波ディジタル変調信号から特定周波数の信号を取り出す処理をする。すなわち、ディジタル放送の複数のトランスポンダのなかから一つを選択する処理を行う。デマルチプレクサ(DEMUX)13は、前記トランスポート・ストリームを、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオストリーム、オーディオストリーム、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)等に分離し、ビデオストリームを映像信号処理回路15に出力し、オーディオストリームを音声信号処理回路17に出力する。なお、PSI/SIは必要に応じて例えば制御部35に取り込まれて処理される。
【0013】
映像信号処理回路15はビデオデコーダ等を内蔵しており、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御等を行って描画処理回路19に出力する。描画処理回路19は、映像信号処理回路115及びCPU351から出力指示された文字情報や色情報に基づく映像信号(映像データ)を生成する回路であり、奇数フィールドの映像及び偶数フィールドの映像をそれぞれ描画し、各フィールド毎に交互にその描画された映像信号を映像出力回路20に出力する。映像出力回路20は、描画処理回路19からの奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号を受け取ってD/A変換を行い、例えばコンポジット映像信号に変換して表示デバイス21に出力し、表示デバイス21はその映像信号による映像を表示する。
【0014】
音声信号処理回路17はオーディオデコーダ等を内蔵しており、入力された符号化信号を復号して音声信号(音声データ)を生成し、それを音声記録再生回路22を介して音声出力回路24に出力し、音声出力回路24はその音声信号をD/A変換し、例えば右(R)音のアナログ信号及び左(L)音のアナログ信号を生成して増幅し、スピーカー25に出力する。そして、スピーカー25から音声が得られる。
【0015】
チューナー12、デマルチプレクサ14、映像信号処理回路16及び音声信号処理回路18の構成及びその機能は、上述のチューナー11、デマルチプレクサ13、映像信号処理回路15及び音声信号処理回路17と同じであり、描画処理回路19は映像信号処理回路15,16の何れか一方の映像信号を選択して処理し、或いは何れか一方の映像信号を主画面とし、他方の映像信号を副画面として合成して描画し(この場合には2チャンネル分の2つ画面が表示デバイス21に表示されることになる。)、映像出力回路20に出力する。音声記録再生回路22は、音声信号処理回路17,18の何れか一方の音声信号を選択して処理し、音声出力回路24を介してスピーカー25に出力する。なお、音声記録再生回路22は、2チャンネル分の2つ画面が表示デバイス21に表示されている場合においても、何れか一方のチャンネルの音声信号を出力し、スピーカー25からはそのチャンネルの音声が出力される。
【0016】
次に、図1のデジタル放送受信装置1において、2つのチャンネルを選択して表示デバイス21に表示させる場合の動作を説明する。利用者が操作部31又はリモートコントローラ33を操作して2つのチャンネルを選択すると、制御部35はそのチャンネルの選局信号をインターフェース42又は受信部44を介して取り込んで解読し、チューナー11及び12に対して選局信号をそれぞれ送信し、チューナー11及び12はその選局信号に基づいて受信信号をチューニングして、その選局信号に対応した周波数(チャンネル)の信号を取り出す。チューナー11及び12の出力はデマルチプレクサ13,14により映像ストリームと音声ストリームとにそれぞれ分離される。ここで、デマルチプレクサ13からの映像ストリームを主画面の映像信号とすると、デマルチプレクサ13からの映像ストリームは映像信号処理回路15を介して主画面の映像信号として描画処理回路19に入力し、デマルチプレクサ14からの映像ストリームは映像信号処理回路16を介して副画面の映像信号として描画処理回路19に入力する。描画処理回路19は、映像信号処理回路15からの映像信号と映像信号処理回路16からの映像信号とを合成して奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号をそれぞれ生成して映像出力回路20を介して表示デバイス21に出力し、表示デバイス21に2つのチャンネルの画面(映像)を表示させる。
【0017】
また、音声記録再生回路22は、音声信号処理回路17からの音声信号及び音声信号処理回路18からの音声信号の内、音声信号処理回路17からの音声信号を音声出力回路24に出力し、スピーカー25からは主画面のチャンネルの音声が出力される。このとき、音声記録再生回路22は、音声信号処理回路18からの音声信号を音声データメモリ23に記録する。なお、音声データメモリ23はリングバッファとして機能するように制御されており、音声信号処理回路18からの音声信号を記録し続ける。
【0018】
次に、上記の音声記録再生回路22の処理をフローチャートを参照しながら説明する。図2(a)(b)(c)は、音声記録タスクの開始の処理、音声再生タスク開始の処理及び2画面表示のときの監視動作のフローチャートである。操作部31等の操作に基づいて2画面表示が開始すると、音声記録再生回路22は、図2(a)に示されるように、
音声記録位置Wp=0、音声再生位置Rp=0、音声記録開始位置Wps=0
Wch=副画面のチャンネル(ch)
Rch=主画面のチャンネル(ch)
スピーカーの出力=Rchの音声
と初期設定し(S1)、主画面のチャンネルRchの音声信号を音声出力回路24に出力し、スピーカー25から主画面のチャンネルRchの音声が出力するようにする。更に、音声記録再生回路22は、副画面のチャンネルWchの音声信号を音声データメモリ23に記録するための音声記録タスクを開始する(S2)。この音声記録タスクの処理の詳細については後述する(後述の図3参照)。
【0019】
また、音声記録再生回路22は、図2(b)に示されるように、操作部31による音声の切り替え操作があって音声切替信号を受信すると、音声再生位置Rp=音声記録開始位置Wps、再生中フラグ22a:On、スピーカーの出力=再生タスクの出力、と設定して(S3)、上記の音声記録タスクにより音声データメモリ23に記録された音声信号を再生するための音声再生タスクを開始する(S4)。この音声再生タスクの処理の詳細については後述する(後述の図5参照)。
【0020】
また、音声記録再生回路22は、図2(c)に示されるように、2画面を表示しているときに監視動作を行っており、まず、再生中フラグ22aが「On」であるかどうかを判断し(S5)、「On」ではない(Offである)と判断した場合には(後述の図5の処理S26参照)、音声再生タスクを終了する(S6)。そして、音声再生タスクが終了すると、記録中のチャンネルWchと再生中のチャンネルRchとを交替し、Wps=Wp、スピーカーの出力=Rchの音声、と設定する(S7)。なお、この処理S7の意義については後述する。そして、WchとRchとを交替し、Wps=Wp、スピーカ出力=Rchの音声、と設定する(S8)。この処理により元の副画面が主画面となり、元の主画面が副画面となり、スピーカー25からは主画面(元の副画面)の音声が出力されることになる。続いて、2画面の表示が終了したかどうかを判断し(S9)、2画面の表示が終了した場合には、音声記録・再生タスクを終了する(S10)。
【0021】
図3は音声記録タスクの処理過程を示したフローチャートであり、これは所定の周期Twrで行われる。音声記録再生回路22は、副画面のチャンネルWchの音声信号を取得して音声データメモリ23の音声記録位置Wpに記録する(S11)。音声記録位置WpをWp=Wp+1とし(S12)、音声記録位置Wpを更新し、この音声記録位置WpがWp=Bsizeであるかどうかを判断する(S13)。Wp=Bsizeである場合には(音声データメモリ23のアドレスは0から始まるので、Wp=Bsizeのときには音声データメモリ23の最終アドレスを超えていることになる。)、音声記録位置Wpを初期位置(先頭アドレス)に戻すために、Wp=0と設定する(S14)。次に、音声記録位置WpがWp=音声記録開始位置Wpsであるかどうかを判断し(S15)、音声記録開始位置Wpsと一致している場合には、音声記録開始位置WpsをWps=Wps+1と設定し、音声記録開始位置Wpsを変更する(S16)。次に、Wps=Bsizeであるかどうかを判断し(S17)、Wps=Bsizeである場合には、Wps=0と設定し、音声記録開始位置Wpsを初期位置(先頭アドレス)に戻す設定をする(S18)。
【0022】
図4は図3の処理を概念的に示した説明図である。図3の処理は周期Twrで行われ、副画面のチャンネルWchの音声信号を取得した後に、音声記録位置Wpを移動しながら記憶し、音声記録位置WpがWp=Bsizeとなると(同図(a))、音声データメモリ23の初期位置(先頭アドレス)に戻り、また、音声記録位置Wpが音声記録開始位置Wpsになると、その開始位置Wpsを移動する((同図(b))、という処理を繰り返して、音声データメモリ23がリングバッファとして機能するように書き込み処理をしている。
【0023】
図5は音声再生タスクの処理過程を示したフローチャートであり、これは所定の周期Trd(Trd<Twr)で処理される。音声記録再生回路22は、音声再生位置Rpから音声信号を読み出して出力する(S21)。そして、音声再生位置RpをRp=Rp+1とし(S22)、音声再生位置Rpを更新し、このRpがRp=Bsizeであるかどうか判断する(S23)。即ち、音声データメモリ23の最終アドレスを超えたかどうかを判断する。Rp=Bsizeである場合には、音声再生位置を音声データメモリ23の初期位置(先頭アドレス)に戻すために、Rp=0と設定する(S24)。そして、Rp=Wpであるかどうかについて判断し(S25)、Rp=Wpである場合には再生中フラグ22aをoffにする(S26)。即ち、音声再生タスクの周期Trdは、Trd<Twrであり、再生処理の周期が記録の周期よりも短いので、音声再生位置Rpが音声記録位置Wpに追いつくことにより、音声再生が必要なくなり、再生中フラグ22aをoffにする。
【0024】
図6は上記の音声再生タスクの処理過程を概念的に示した説明図である。音声切り替えの指示がある前は、例えばチャンネル1(ch1)が主画面であり、チャンネル1(ch1)の音声がスピーカー25から出力されており、チャンネル2(ch2)の音声信号が音声データメモリ23に記録されているものとする(図6(a))。そのような状態で、音声切り替えの指示があると、その時の音声データメモリ23の音声記録位置から再生を開始する((図6(b))。再生の処理速度(周期)は記録の処理速度よりも速いので、同じ位置から再生と記録とを始めても、再生の位置(読み込みポイント)は先に進んで、再生の位置が記録の位置(書き込みポイント)に追いついた状態になる((図6(c)(d))。この状態になると、例えば元の主画面のチャンネルがch1であり、元の副画面のチャンネルがch2であるとすると、図5の処理S26により再生中フラグ22aをoffにし、これにより音声記録タスクが終了し(図2のS7)、主画面のチャンネルをch2、副画面のチャンネルをch1に設定して、スピーカー25から主画面のチャンネルch2の音声が得られる(図2のS8)。このように音声出力の切り替えに伴って、主画面のチャンネルと副画面のチャンネルとを切り替えている。そして、チャンネルch2の音声信号に代えて、副画面のチャンネルch1の音声信号を音声データメモリ23に記録する((図6(e))。
【0025】
以上のように本実施形態1においては、2画面が表示されているときには、一方のチャンネル(例えば1ch)の音声がスピーカーから得られており、また、他方のチャンネル(例えば2ch)はその音声信号が音声データメモリ23に記録されている状態で、音声の切り替え操作があると、音声データメモリ23に記録されている他方のチャンネル(2ch)の音声信号が読み込まれてその音声がスピーカー25から得られるので、切り替え操作前の音声が得られる。そして、音声データメモリ23の音声信号の記録処理に再生処理が追いつくと、他方のチャンネル(2ch)の音声が、音声データメモリ23を介さずに、音声出力回路24に出力するようにしているので、再生による音声信号から音声信号処理回路17からの音声信号への移行が円滑になされる。また、一方のチャンネル(1ch)の音声信号が音声データメモリ23に記録され、再度の音声の切り替え操作に対しても対応できるようになっている。
【0026】
実施形態2.
なお、上記の実施形態1において、例えば音声が出力されているチャンネルの画面の枠を例えば太枠にする等の識別表示をすれば、スピーカー25からの音声が2画面の内の何れの画面の音声であるかを容易に把握することができる。この識別表示は、操作部31等による切り替え操作を制御部35が解析し、識別表示に対応した描画信号を描画処理回路19に供給することにより、描画処理回路19がその描画信号に基づいて描画し、合成された映像信号を映像出力回路20に出力することにより得られる。例えば図6の符号21aで示される太枠がその例である。なお、識別表示は図6の例に限定されるものではなく、任意のものであってもよい。例えば、音声が出力されている側のチャンネルの画面(主画面)を相対的に大きく表示させるようにしてもよい。
【0027】
実施形態3.
また、実施形態1においてはテレビ受信機としてデジタル放送受信装置の例について説明したが、本発明はアナログ形式のテレビ受信機にも同様に適用される。また、表示デバイスは、液晶パネル、プラズマディスプレイ、CRT等の何れでもよい。また、チューナーが2個設けられている例について説明しているが、3個以上の複数であってもよく、例えば表示デバイスに3画面(3チャンネル分)を表示させた状態で、音声出力を任意に切り替えることができるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図。
【図2】2画面表示がなされたときの処理を示すフローチャート。
【図3】音声記録タスクの処理を示すフローチャート。
【図4】音声記録タスクの処理を概念的に示した説明図。
【図5】音声再生タスクの処理を示すフローチャート。
【図6】音声再生タスクの処理を概念的に示した説明図。
【符号の説明】
【0029】
11,12 チューナー、13,14 デマルチプレクサ、15,16 映像信号処理回路、17,18 音声信号処理回路、19 描画処理回路、20 映像出力回路、21 表示デバイス、22 音声記録再生回路、23 音声データメモリ、25 スピーカー、31 操作部、32 インターフェース、33 リモートコントローラ、34 受信部、35 制御部、36 バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチューナーと、
該複数のチューナーによってそれぞれチューニングされた複数のチャンネルの画面を同時に表示する表示デバイスと、
音声信号を記録する音声データ記録手段と、
前記複数のチャンネルの内、1つのチャンネルの音声を出力するスピーカーと、
音声が出力されていないチャンネルの音声信号を前記音声データ記録手段に記録し、音声出力の切換指示があると、それまで出力していたチャンネルの音声の出力を停止し、前記音声データ記録手段に記録されている、前記切換指示前の該当するチャンネルの音声信号を読み込んで前記スピーカーに出力させる音声記録再生回路と
を備えたことを特徴とするテレビ受信機。
【請求項2】
2個のチューナーと、
該2個のチューナーによってそれぞれチューニングされた2つのチャンネルの画面を同時に表示する表示デバイスと、
音声信号を記録する音声データ記録手段と、
前記2つのチャンネルの内、1つのチャンネルの音声を出力するスピーカーと、
音声が出力されていないチャンネルの音声信号を前記音声データ記録手段に記録し、音声出力の切替指示があると、それまで出力していたチャンネルの音声の出力を停止し、前記音声信号記録手段に記録されている、前記切換指示前の該当するチャンネルの音声信号を読み込んでスピーカーに出力させる音声記録再生回路と
を備えたことを特徴とするテレビ受信機。
【請求項3】
前記音声記録再生回路は、前記音声信号記録手段がリングバッファとして機能するように音声信号の書き込み処理を行い、前記書き込み処理の周期>前記読み込み処理の周期とし、読み込み処理の読み込みポイントが書き込み処理の書き込みポイントに追いつくと、該当するチャンネルの音声信号を、前記音声データ記録手段を介さずに、スピーカーに出力させることを特徴とする請求項1又は2記載のテレビ受信機。
【請求項4】
前記音声記録再生回路は、前記読み込みポイントが前記書き込みポイントに追いつくと、出力対象となっていないチャンネルの音声信号を前記音声データ記録手段に記憶させることを特徴とする請求項3記載のテレビ受信機。
【請求項5】
前記表示デバイスは、音声をスピーカーから出力するチャンネルの画面と、音声がスピーカーから出力されていないチャンネルの画面とを識別表示することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のテレビ受信機。
【請求項6】
前記表示デバイスは、音声出力の切替指示があると、音声をスピーカーから出力するチャンネルの画面を主画面とし、音声をスピーカーから出力しないチャンネルの画面を副画面として表示することを特徴とする請求項5記載のテレビ受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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